特許第5982601号(P5982601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982601
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】撮像装置及び合焦制御方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/28 20060101AFI20160818BHJP
   G02B 7/34 20060101ALI20160818BHJP
   G03B 13/36 20060101ALI20160818BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   G02B7/28 N
   G02B7/34
   G03B13/36
   H04N5/232 H
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-508455(P2016-508455)
(86)(22)【出願日】2014年12月17日
(86)【国際出願番号】JP2014083356
(87)【国際公開番号】WO2015141084
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2016年5月11日
(31)【優先権主張番号】特願2014-54992(P2014-54992)
(32)【優先日】2014年3月18日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151194
【弁理士】
【氏名又は名称】尾澤 俊之
(72)【発明者】
【氏名】青木 貴嗣
(72)【発明者】
【氏名】大槻 康夫
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−135191(JP,A)
【文献】 特開2010−152161(JP,A)
【文献】 特開2013−186187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28
G02B 7/34
G03B 13/36
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを前記一方向に複数配列したペア行を有し、前記ペア行が前記一方向に直交する方向に複数配列された撮像素子と、
複数の前記ペア行が配置されたエリアにある任意の前記ペア行における複数の前記第1の信号検出部の検出信号と、前記複数の第1の信号検出部の各々に対して前記一方向と交差する交差方向にある前記エリアの他の前記ペア行の前記第1の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号と、前記任意のペア行の前記複数の第1の信号検出部の各々とペアを構成する前記第2の信号検出部の検出信号と、前記第2の信号検出部に対して前記交差方向にある前記エリアの他の前記ペア行の前記第2の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号との相関演算の結果からデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、
前記交差方向として、複数の方向のうち前記相関演算の結果の信頼度が最大になる方向を判定する方向判定部と、
前記方向判定部によって判定された方向を前記交差方向とした前記相関演算の結果から前記デフォーカス量生成部によって生成されたデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備える撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記方向判定部は、前記交差方向を前記複数の方向のそれぞれに設定して前記相関演算を行い、前記複数の方向のそれぞれについての前記相関演算の結果の比較により、前記信頼度が最大になる方向を判定する撮像装置。
【請求項3】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記方向判定部は、前記エリアに結像する被写体像のコントラストが最小となる方向を、前記信頼度が最大になる方向と判定する撮像装置。
【請求項4】
請求項3記載の撮像装置であって、
前記方向判定部は、前記任意のペア行の前記複数の第1の信号検出部又は前記複数の第2の信号検出部の各々と、前記複数の第1の信号検出部又は前記複数の第2の信号検出部の各々に対し前記複数の方向のそれぞれにある前記エリア内の他の前記ペア行の前記第1の信号検出部又は前記第2の信号検出部とで、隣り合う信号検出部同士の検出信号の差分を積算して前記コントラストを算出する撮像装置。
【請求項5】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記方向判定部は、前記複数の方向のうち重力の方向と最も近い方向を、前記信頼度が最大になる方向と判定する撮像装置。
【請求項6】
一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを前記一方向に複数配列したペア行を有し、前記ペア行が前記一方向に直交する方向に複数配列された撮像素子から出力される、複数の前記ペア行が配置されたエリアにある任意の前記ペア行における複数の前記第1の信号検出部の検出信号と、前記複数の第1の信号検出部の各々に対して前記一方向と交差する交差方向にある前記エリアの他の前記ペア行の前記第1の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号と、前記任意のペア行の前記複数の第1の信号検出部の各々とペアを構成する前記第2の信号検出部の検出信号と、前記第2の信号検出部に対して前記交差方向にある前記エリアの他の前記ペア行の前記第2の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号との相関演算の結果からデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、
前記交差方向として、複数の方向のうち前記相関演算の結果の信頼度が最大になる方向を判定する方向判定ステップと、
前記方向判定ステップによって判定された方向を前記交差方向とした前記相関演算の結果から前記デフォーカス量生成ステップによって生成されたデフォーカス量にしたがって前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備える合焦制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び合焦制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子の高解像度化に伴い、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォン等の携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant,携帯情報端末)等の撮影機能を有する情報機器の需要が急増している。なお、以上のような撮像機能を有する情報機器を撮像装置と称する。
【0003】
これら撮像装置では、主要な被写体に焦点を合わせる合焦制御方法として、位相差AF(Auto Focus)方式(例えば特許文献1〜3参照)が採用されている。
【0004】
位相差AF方式により合焦制御を行う撮像装置に搭載される固体撮像素子には、例えば、遮光膜開口が互いに逆方向に偏心した位相差検出用画素のペアを撮像面の全面に離散的に設けたものが使用される。
【0005】
この位相差検出用画素は、遮光膜開口が光電変換部に対して偏心していない通常の撮像用画素と比べて感度が低い。そのため、被写体が低照度の場合には、位相差検出用画素の検出信号レベルが低下してしまう。
【0006】
このような検出信号レベルの低下を補うべく、単純にゲインアップ処理をして相関演算を行うと、相関演算結果において誤差が生じてしまう。そこで、位相差検出用画素の検出信号同士を加算することによって信号量を増やすことが行われている。
【0007】
特許文献1には、斜め方向に並ぶ複数の位相差検出用画素の検出信号を加算し、加算後の検出信号を用いて相関演算してデフォーカス量を算出する構成が記載されている。
【0008】
また、特許文献2,3には、水平方向位置が同じである複数の相差検出用画素の検出信号を加算し、加算後の検出信号に基づいてデフォーカス量を算出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−135191号公報
【特許文献2】特開2010−152161号公報
【特許文献3】特開2013−218137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1〜3に記載の撮像装置は、いずれも、特定の方向に並ぶ複数の位相差検出用画素の検出信号を加算し、加算後の検出信号を用いて相関演算を行うものである。
【0011】
しかし、これらの複数の位相差検出用画素の一部には明るい被写体部分が結像し、これらの複数の位相差検出用画素の残りの部分には暗い被写体部分が結像しているような場合、つまり、特定の方向に交差して被写体のエッジが存在している場合がある。この場合、検出信号の加算によってエッジがぼやけることになるため、加算後の検出信号の相関演算結果には誤差が生じることになる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、位相差検出用画素の検出信号レベルが低くなる場合でも、被写体によらずに、合焦制御の精度を向上させることができる撮像装置及び合焦制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の撮像装置は、一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを上記一方向に複数配列したペア行を有し、上記ペア行が上記一方向に直交する方向に複数配列された撮像素子と、複数の上記ペア行が配置されたエリアにある任意の上記ペア行における複数の上記第1の信号検出部の検出信号と、上記複数の第1の信号検出部の各々に対して上記一方向と交差する交差方向にある上記エリアの他の上記ペア行の上記第1の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号と、上記任意のペア行の上記複数の第1の信号検出部の各々とペアを構成する上記第2の信号検出部の検出信号と、上記第2の信号検出部に対して上記交差方向にある上記エリアの他の上記ペア行の上記第2の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号との相関演算の結果からデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、上記交差方向として、複数の方向のうち上記相関演算の結果の信頼度が最大になる方向を判定する方向判定部と、上記方向判定部によって判定された方向を上記交差方向とした上記相関演算の結果から上記デフォーカス量生成部によって生成されたデフォーカス量に基づいて上記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備える。
【0014】
本発明の合焦制御方法は、一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを上記一方向に複数配列したペア行を有し、上記ペア行が上記一方向に直交する方向に複数配列された撮像素子から出力される、複数の上記ペア行が配置されたエリアにある任意の上記ペア行における複数の上記第1の信号検出部の検出信号と、上記複数の第1の信号検出部の各々に対して上記一方向と交差する交差方向にある上記エリアの他の上記ペア行の上記第1の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号と、上記任意のペア行の上記複数の第1の信号検出部の各々とペアを構成する上記第2の信号検出部の検出信号と、上記第2の信号検出部に対して上記交差方向にある上記エリアの他の上記ペア行の上記第2の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号との相関演算の結果からデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、上記交差方向として、複数の方向のうち上記相関演算の結果の信頼度が最大になる方向を判定する方向判定ステップと、上記方向判定ステップによって判定された方向を上記交差方向とした上記相関演算の結果から上記デフォーカス量生成ステップによって生成されたデフォーカス量にしたがって上記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、位相差検出用画素の検出信号レベルが低くなる場合でも、被写体によらずに、合焦制御の精度を向上させることができる撮像装置及び合焦制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態を説明するための撮像装置の一例としてのデジタルカメラの概略構成を示す図である。
図2図1に示すデジタルカメラに搭載される撮像素子5の全体構成を示す平面模式図である。
図3図2に示す1つのAFエリア53の部分拡大図である。
図4図3に示す1つのペア行の位相差検出用画素52A,52Bのみを示した図である。
図5】加算後の相関演算の信頼度が最大となる方向を判定する方法を説明するための図である。
図6】加算後の相関演算の信頼度が最大となる方向を判定する方法を説明するための図である。
図7図1に示すデジタルカメラのオートフォーカス動作を説明するためのフローチャートである。
図8図1に示すデジタルカメラの撮像素子5の変形例を示す図である。
図9】撮像装置としてスマートフォンを説明する図である。
図10図12のスマートフォンの内部ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態を説明するための撮像装置の一例としてのデジタルカメラの概略構成を示す図である。
【0019】
図1に示すデジタルカメラは、焦点調節のためのフォーカスレンズ、及び、ズームレンズ等を含む撮像レンズ1と、絞り2とを有するレンズ装置を備える。レンズ装置は撮像光学系を構成する。
【0020】
図1に示すレンズ装置はカメラ本体に固定されているが、別のレンズ装置に交換可能であってもよい。撮像レンズ1は少なくともフォーカスレンズを含んでいればよい。フォーカスレンズは、レンズ系全体を移動させることで焦点調節を行う単焦点レンズでもよい。
【0021】
デジタルカメラは、レンズ装置を通して被写体を撮像するCCD型やCMOS型等の撮像素子5と、撮像素子5の出力に接続された相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部6と、アナログ信号処理部6から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路7とを備える。
【0022】
アナログ信号処理部6及びA/D変換回路7は、システム制御部11によって制御される。アナログ信号処理部6及びA/D変換回路7は撮像素子5に内蔵されることもある。
【0023】
デジタルカメラの電気制御系全体を統括制御するシステム制御部11は、レンズ駆動部8を制御し撮像レンズ1に含まれるフォーカスレンズを駆動して主要被写体に合焦させる合焦制御を行ったり、撮像レンズ1に含まれるズームレンズの位置の調整を行ったりする。更に、システム制御部11は、絞り駆動部9を介して絞り2の開口量を制御することにより、露光量の調整を行う。
【0024】
また、システム制御部11は、撮像素子駆動部10を介して撮像素子5を駆動し、撮像レンズ1を通して撮像した被写体像を撮像画像信号として出力させる。システム制御部11には、操作部14を通してユーザからの指示信号が入力される。この指示信号には、撮像光学系の合焦制御の実行を指示する指示信号が含まれる。
【0025】
更に、このデジタルカメラの電気制御系は、メインメモリ16と、メインメモリ16に接続されたメモリ制御部15と、A/D変換回路7から出力される撮像画像信号に対し、補間演算、ガンマ補正演算、及びRGB/YC変換処理等を行って撮影画像データを生成するデジタル信号処理部17と、位相差AF処理部19と、着脱自在の記録媒体21が接続される外部メモリ制御部20と、カメラ背面等に搭載された表示部23が接続される表示制御部22と、を備える。
【0026】
メモリ制御部15、デジタル信号処理部17、位相差AF処理部19、外部メモリ制御部20、及び表示制御部22は、制御バス24及びデータバス25によって相互に接続され、システム制御部11からの指令によって制御される。
【0027】
図2は、図1に示すデジタルカメラに搭載される撮像素子5の全体構成を示す平面模式図である。
【0028】
撮像素子5は、X方向及びこれに直交するY方向に二次元状に配列された多数の画素が配置された撮像面50を有する。この撮像面50には、フォーカスを合わせる対象となるエリアであるAFエリア53が図2の例では9つ設定されている。
【0029】
AFエリア53は、画素として撮像用画素と位相差検出用画素とを含むエリアである。
【0030】
撮像面50のうちAFエリア53を除く部分には、撮像用画素だけが配置される。なお、AFエリア53は、撮像面50に隙間無く設けてあってもよい。
【0031】
図3は、図2に示す1つのAFエリア53の拡大図である。
【0032】
AFエリア53には、画素51(図中正方形のブロック)が二次元状に配列されている。各画素51は、フォトダイオード等の光電変換部と、この光電変換部上方に形成されたカラーフィルタとを含む。
【0033】
図3では、赤色光を透過するカラーフィルタ(Rフィルタ)を含む画素51(R画素51ともいう)には“R”の文字を付し、緑色光を透過するカラーフィルタ(Gフィルタ)を含む画素51(G画素51ともいう)には“G”の文字を付し、青色光を透過するカラーフィルタ(Bフィルタ)を含む画素51(B画素51ともいう)には“B”の文字を付している。カラーフィルタの配列は撮像面50全体でベイヤ配列となっている。
【0034】
AFエリア53では、G画素51の一部(図3中の網掛けを付した画素)が位相差検出用画素52A,52Bとなっている。図3の例では、上から3行目、7行目、11行目の画素行における各G画素51が位相差検出用画素52Aとなっている。また、この各位相差検出用画素52Aに対して列方向Yに最も近い同色のG画素51が位相差検出用画素52Bとなっている。
【0035】
任意の行にある全ての位相差検出用画素52Aと、この全ての位相差検出用画素52Aの各々に対して列方向Yに最も近い同色の位相差検出用画素52Bとでペア行が構成される。図3では、AFエリア53にペア行PL1,PL2,PL3がY方向に配列されているが、AFエリア53にはペア行が複数あればよい。
【0036】
図4は、図3に示す1つのペア行における位相差検出用画素52A,52Bのみを示した図である。
【0037】
位相差検出用画素52Aは、一方向(図3の例ではX方向)に分割された撮像レンズ1の瞳領域の一方の分割領域を通過した光束を受光し受光量に応じた信号を検出する第1の信号検出部である。
【0038】
位相差検出用画素52Bは、撮像レンズ1の瞳領域の他方の分割領域を通過した光束を受光し受光量に応じた信号を検出する第2の信号検出部である。
【0039】
なお、AFエリア53において、位相差検出用画素52A,52B以外の複数の画素51は撮像用画素である。この撮像用画素は、撮像レンズ1の瞳領域の上記2つの分割領域の双方を通過した光束を受光し受光量に応じた信号を検出する。
【0040】
各画素51の光電変換部上方には遮光膜が設けられ、この遮光膜には、光電変換部の受光面積を規定する開口が形成されている。
【0041】
撮像用画素51の開口の中心は、撮像用画素51の光電変換部の中心と一致している。これに対し、位相差検出用画素52Aの開口(図4の白抜き部分)の中心は、位相差検出用画素52Aの光電変換部の中心に対し右側に偏心している。
【0042】
また、位相差検出用画素52Bの開口(図4の白抜き部分)の中心は、位相差検出用画素52Bの光電変換部の中心に対して左側に偏心している。ここでいう右方向は、図3で示すX方向の一方の方向であり、左方向はX方向のもう一方の方向である。
【0043】
図5は、位相差検出用画素52AのX方向での断面構成を示す図である。図5に示すように、位相差検出用画素52Aは、開口cが光電変換部(PD)に対して右に偏心している。
【0044】
図5に示すように、光電変換部の片側を遮光膜によって覆う事によって、遮光膜で覆った方向と逆の方向から入射した光を選択的に遮光することができる。
【0045】
この構成により、任意の行にある位相差検出用画素52Aからなる画素群と、この画素群の各位相差検出用画素52Aに対して一方向に同一距離で配置された位相差検出用画素52Bからなる画素群とによって、これら2つの画素群の各々によって撮像される像における行方向Xの位相差を検出することができる。
【0046】
図1に示す位相差AF処理部19は、被写体の明るさに応じて、以下の2つの方法のいずれかでデフォーカス量を生成する。位相差AF処理部19は、デフォーカス量生成部として機能する。
【0047】
(第1の方法)
位相差AF処理部19は、9つのAFエリア53の中からユーザ操作等により選択されたAFエリア53において、ペア行毎に、位相差検出用画素52A及び位相差検出用画素52Bの検出信号群同士の相関演算を行い、位相差検出用画素52Aによって撮像される像と位相差検出用画素52Bによって撮像される像の相対的な位置ずれ量である位相差を演算する。
【0048】
位相差AF処理部19は、この位相差に基づいて、撮像レンズ1による主要被写体の結像面と撮像素子5の撮像面50とを一致させるために必要なフォーカスレンズの移動量であるデフォーカス量Dfrを生成する。位相差AF処理部19は、各ペア行について算出したデフォーカス量Dfrを平均し、平均して得たデフォーカス量Dfをシステム制御部11に通知する。
【0049】
(第2の方法)
位相差AF処理部19は、選択されたAFエリア53(複数のペア行が配置されたエリアに対応)において、任意のペア行にあるX方向に並ぶ複数の位相差検出用画素52A(第1の加算基準画素群ともいう)の検出信号と、この複数の位相差検出用画素52Aの各々に対してX方向と交差する交差方向にある他のペア行の位相差検出用画素52Aの検出信号とを加算する第1の加算処理を行う。
【0050】
また、位相差AF処理部19は、上記任意のペア行の加算基準画素群の各位相差検出用画素52Aとペアを組む位相差検出用画素52B(第2の加算基準画素群ともいう)の検出信号と、この位相差検出用画素52Bに対して上記交差方向にある他のペア行の位相差検出用画素52Bの検出信号とを加算する第2の加算処理を行う。
【0051】
位相差AF処理部19は、第1の加算処理で得た位相差検出用画素52Aの検出信号群と、第2の加算処理で得た位相差検出用画素52Bの検出信号群とで相関演算(加算相関演算という)を行い、加算相関演算の結果からデフォーカス量Df1を生成し、生成したデフォーカス量Df1をシステム制御部11に通知する。
【0052】
なお、位相差AF処理部19は、選択されたAFエリア53をY方向にブロック分割し、ブロック毎に、ブロックにある複数のペア行で位相差検出用画素52A,52Bの検出信号を加算し、加算相関演算を行い、この加算相関演算の結果からデフォーカス量Df1を生成してもよい。
【0053】
この場合、位相差AF処理部19は、複数のブロックについて生成したデフォーカス量Df1を用いて(例えば複数のデフォーカス量Df1を平均して)デフォーカス量Df2を生成し、このデフォーカス量Df2をシステム制御部11に通知すればよい。
【0054】
位相差AF処理部19は、デフォーカス量Df1を生成するにあたり、上記交差方向として、設定可能な複数の方向の中から1つを選択して設定する。
【0055】
設定可能な複数の方向とは、第1の加算基準画素群のいずれかの位相差検出用画素52Aを通り、かつ、AFエリア53にある他の各ペア行の位相差検出用画素52Aを通る直線の伸びる方向である。
【0056】
位相差AF処理部19は、設定可能な複数の方向の各々を上記交差方向にして加算相関演算を行った場合に、加算相関演算の結果の信頼度が最大になる方向(信頼度最大方向ともいう)を、上記複数の方向の中から判定し、判定した方向を選択して設定する。位相差AF処理部19は、方向判定部として機能する。
【0057】
位相差AF処理部19は、信頼度最大方向を上記交差方向に設定して加算相関演算を行った結果から、デフォーカス量Df1を算出する。
【0058】
以下、信頼度最大方向の判定方法について説明する。
【0059】
図6は、加算相関演算の信頼度が最大となる方向を判定する方法を説明するための図である。図6には、図3に示したAFエリア53が図示されている。
【0060】
図6において一番上にあるペア行PL1にあるX方向に並ぶ複数の位相差検出用画素52A(図中太枠で囲った画素)を第1の加算基準画素群とし、この複数の位相差検出用画素52Aの各々とペアを組む位相差検出用画素52B(図中太枠で囲った画素)を第2の加算基準画素群とする。
【0061】
図6の例では、第1の加算基準画素群の各位相差検出用画素52Aの検出信号に対し、ペア行PL2,PL3のそれぞれにおいて検出信号を加算するためには、交差方向として、Y方向と同じ方向である方向D1、X方向及びY方向のいずれとも交差する方向D2,D3の3つの方向が設定可能である。
【0062】
位相差AF処理部19は、第1の加算基準画素群の各位相差検出用画素52Aの検出信号と、この各位相差検出用画素52Aに対して方向D1にあるペア行PL2の位相差検出用画素52Aの検出信号と、方向D1にあるペア行PL3の位相差検出用画素52Aの検出信号とを加算する。加算後の位相差検出用画素52Aの検出信号群をSAd1とする。
【0063】
また、位相差AF処理部19は、第2の加算基準画素群の各位相差検出用画素52Bの検出信号と、この各位相差検出用画素52Bに対して方向D1にあるペア行PL2の位相差検出用画素52Bの検出信号と、方向D1にあるペア行PL3の位相差検出用画素52Bの検出信号とを加算する。加算後の位相差検出用画素52Bの検出信号群をSBd1とする。
【0064】
次に、位相差AF処理部19は、第1の加算基準画素群の各位相差検出用画素52Aの検出信号と、この各位相差検出用画素52Aに対して方向D2にあるペア行PL2の位相差検出用画素52Aの検出信号と、方向D2にあるペア行PL3の位相差検出用画素52Aの検出信号とを加算する。加算後の位相差検出用画素52Aの検出信号群をSAd2とする。
【0065】
また、位相差AF処理部19は、第2の加算基準画素群の各位相差検出用画素52Bの検出信号と、この各位相差検出用画素52Bに対して方向D2にあるペア行PL2の位相差検出用画素52Bの検出信号と、方向D2にあるペア行PL3の位相差検出用画素52Bの検出信号とを加算する。加算後の位相差検出用画素52Bの検出信号群をSBd2とする。
【0066】
次に、位相差AF処理部19は、第1の加算基準画素群の各位相差検出用画素52Aの検出信号と、この各位相差検出用画素52Aに対して方向D3にあるペア行PL2の位相差検出用画素52Aの検出信号と、方向D3にあるペア行PL3の位相差検出用画素52Aの検出信号とを加算する。加算後の位相差検出用画素52Aの検出信号群をSAd3とする。
【0067】
また、位相差AF処理部19は、第2の加算基準画素群の各位相差検出用画素52Bの検出信号と、この各位相差検出用画素52Bに対して方向D3にあるペア行PL2の位相差検出用画素52Bの検出信号と、方向D3にあるペア行PL3の位相差検出用画素52Bの検出信号とを加算する。加算後の位相差検出用画素52Bの検出信号群をSBd3とする。
【0068】
位相差AF処理部19は、検出信号群SAd1と検出信号群SBd1で相関演算を行い、検出信号群SAd2と検出信号群SBd2で相関演算を行い、検出信号群SAd3と検出信号群SBd3で相関演算を行う。
【0069】
相関演算は、一方の検出信号群をA[1]…A[k]とし、他方の検出信号をB[1]…B[k]とし、これら2つのデータを“d”ずらしたときの以下の式(1)によって求まる2つのデータ波形によって囲まれる面積S[d]を求めることをいう。面積S[d]は、2つの検出信号群の相関量を示しており、面積S[d]が小さいほど、2つの検出信号群の一致度が高いことを意味する。
【0070】
【数1】
【0071】
位相差AF処理部19は、検出信号群SAd1と検出信号群SBd1の相関演算の結果であるS[d]のうちの最小値と、検出信号群SAd2と検出信号群SBd2の相関演算の結果であるS[d]のうちの最小値と、検出信号群SAd3と検出信号群SBd3の相関演算の結果であるS[d]のうちの最小値と、を比較する。そして、方向D1,D2,D3のうち、S[d]の最小値が最も小さくなる結果が得られた方向を、加算相関演算の結果の信頼度が最も高い方向として判定する。
【0072】
なお、上記説明では方向D1,D2,D3の3つの方向についてそれぞれ加算相関演算を行うものとしたが、設定する方向は複数であればよい。X方向を重力方向に垂直にした状態をデジタルカメラの標準姿勢とすると、被写体としてはY方向に伸びるエッジが多いことから、少なくとも方向D1と方向D1に交差する方向とを含む複数の方向を設定するのがよい。
【0073】
次に、図1に示すデジタルカメラのオートフォーカス動作について説明する。
【0074】
図7は、図1に示すデジタルカメラのオートフォーカス動作を説明するためのフローチャートである。
【0075】
デジタルカメラが撮像モードに設定されると、システム制御部11は、ライブビュー画像の表示を開始させる(ステップS1)。
【0076】
具体的には、システム制御部11は、撮像素子5により被写体を撮像し、撮像して得られる撮像画像データに基づく画像を表示部23に表示させる制御を繰り返し行う。
【0077】
ライブビュー画像の表示が開始された後、操作部14に含まれるシャッタボタンの半押し操作等によって撮像光学系の合焦制御の実行指示(以下、オートフォーカスの実行指示と称し、図面ではAF指示と称する)がなされると(ステップS2:YES)、システム制御部11は、このオートフォーカスの実行指示がなされた時点で得られている撮像画像信号のうち最新の画像信号(以下、撮像画像信号Gaと称する)を用いて、撮像素子5によって撮像されている被写体の明るさを判定する。例えば、システム制御部11は、撮像画像信号Gaの輝度値の平均又は積算値を明るさとして求める。
【0078】
システム制御部11は、求めた明るさが閾値以下であれば(ステップS3:YES)、位相差AF処理部19にステップS4の処理を行わせ、求めた明るさが閾値を超えていれば(ステップS3:NO)、位相差AF処理部19にステップS9の処理を行わせる。
【0079】
ステップS9において、位相差AF処理部19は、撮像画像信号Gaのうち、選択されているAFエリア53のペア行PL1,PL2,PL3の各々にある位相差検出用画素52Aと位相差検出用画素52Bの検出信号群同士で相関演算を行って、ペア行PL1,PL2,PL3の各々についてデフォーカス量Dfrを算出する。更に、位相差AF処理部19は、このデフォーカス量Dfrの平均値を最終的なデフォーカス量Dfとして算出し、デフォーカス量Dfをシステム制御部11に通知する。
【0080】
システム制御部11は、位相差AF処理部19から通知されたデフォーカス量Dfに基づき、フォーカスレンズをデフォーカス量Dfに相当する分だけ移動させて(ステップS10)、オートフォーカスを完了する。
【0081】
ステップS4において、位相差AF処理部19は、図6で説明した方法により、加算相関演算の結果の信頼度が最大となる方向を判定する。そして、位相差AF処理部19は、選択されたAFエリア53の任意のペア行に含まれる複数の位相差検出用画素52Aを第1の加算基準画素群とし、この複数の位相差検出用画素52Aの各々の検出信号と、この各々の位相差検出用画素52Aに対してステップS4で判定した方向にある他のペア行の位相差検出用画素52Aの検出信号とを加算する(ステップS5)。
【0082】
また、位相差AF処理部19は、第1の加算基準画素群の各位相差検出用画素52Aとペアを組む位相差検出用画素52Bを第2の加算基準画素群とし、この位相差検出用画素52Bの検出信号と、この位相差検出用画素52Bに対してステップS4で判定した方向にある他のペア行の位相差検出用画素52Bの検出信号とを加算する(ステップS6)。
【0083】
位相差AF処理部19は、ステップS5で加算して得た位相差検出用画素52Aの検出信号群と、ステップS6で加算して得た位相差検出用画素52Aの検出信号群とで相関演算を行い、この相関演算の結果からデフォーカス量Df1を算出する(ステップS7)。
【0084】
なお、ステップS7の相関演算の結果は、ステップS4で方向を判定するときにも得られている。このため、ステップS5,S6は省略し、ステップS7において、ステップS4で求めていた加算相関演算の結果から、デフォーカス量Df1を算出してもよい。
【0085】
ステップS7でデフォーカス量Df1が算出されると、これがシステム制御部11に通知される。システム制御部11は、このデフォーカス量Df1に基づき、フォーカスレンズをデフォーカス量Df1に相当する分だけ移動させて(ステップS8)、オートフォーカスが完了する。システム制御部11は、合焦制御部として機能する。
【0086】
以上のように、図1のデジタルカメラによれば、被写体が暗い場合であっても、位相差検出用画素52A(52B)の検出信号を複数行で加算してから相関演算を行うため、デフォーカス量の算出精度低下を防ぐことができる。また、加算相関演算の結果の信頼度が最大となる方向にある位相差検出用画素同士で検出信号を加算するため、常に同じ方向にある位相差検出用画素同士で検出信号を加算する場合と比較して、デフォーカス量の算出精度を向上させることができる。
【0087】
図7のステップS4では、位相差AF処理部19が、交差方向を複数の方向のそれぞれに設定して加算相関演算を行い、この複数の方向のそれぞれについての加算相関演算の結果の比較により、加算相関演算の信頼度が最大になる方向を判定している。
【0088】
位相差AF処理部19は、選択されているAFエリア53に結像する被写体像のコントラストが最小となる方向を信頼度最大方向と判定してもよい。ある方向におけるコントラストが小さいということは、その方向と交差するエッジが少ない又は無いことを意味する。このため、その方向で加算相関演算を行った結果の信頼度も高くなる。
【0089】
例えば、AFエリア53において、ペア行PL1の各位相差検出用画素52Aに対して斜め左下にある撮像用画素51からなる第1の撮像用画素群と、ペア行PL2の各位相差検出用画素52Aに対して斜め左下にある撮像用画素51からなる第2の撮像用画素群と、ペア行PL3の各位相差検出用画素52Aに対して斜め左下にある撮像用画素51からなる第3の撮像用画素群と、に着目する。
【0090】
位相差AF処理部19は、第1の撮像用画素群の各撮像用画素51と、この各撮像用画素51に対し方向D1にある第2の撮像用画素群の撮像用画素51及び第3の撮像用画素群の撮像用画素51とで、隣り合う撮像用画素51同士で検出信号の差分を算出する。そして、この差分の積算値を、AFエリア53に結像する被写体像の方向D1におけるコントラストとして算出する。位相差AF処理部19は、方向D1を方向D2,D3に変更して同様にコントラストを算出し、最もコントラストが小さくなる方向を信頼度最大方向とすればよい。
【0091】
または、位相差AF処理部19は、AFエリア53のペア行PL1にある各位相差検出用画素52A(又は52B)と、この各位相差検出用画素52A(又は52B)に対し、方向D1にあるペア行PL2,PL3の位相差検出用画素52A(又は52B)とで、隣り合う位相差検出用画素52A(又は52B)同士で検出信号の差分を算出する。そして、この差分の積算値を、AFエリア53に結像する被写体像の方向D1におけるコントラストとして算出する。位相差AF処理部19は、方向D1を方向D2,D3に変更して同様にコントラストを算出し、最もコントラストが小さくなる方向を信頼度最大方向としてもよい。
【0092】
この構成によれば、コントラストの算出に位相差検出用画素52A又は位相差検出用画素52Bの検出信号を用いているため、コントラストの算出に撮像用画素51の検出信号を用いる方法と比較して、信頼度最大方向の判定精度を高めることができる。
【0093】
位相差AF処理部19は、設定可能な複数の方向のうち重力の方向と最も近い方向を、信頼度最大方向と判定してもよい。
【0094】
自然界に存在する被写体には、重力方向と平行なエッジが多く存在する。このため、ペア行PL1の位相差検出用画素52A,52Bと、これに対し重力方向と同じ方向にあるペア行L2,L3の位相差検出用画素52A,52Bとで検出信号の加算を行うと、エッジに沿った加算が行われることになる。したがって、この場合は加算相関演算の信頼度は高くなる可能性が高い。
【0095】
そこで、図1のデジタルカメラに電子水準器等の重力方向を検出するための重力方向検出部を設けておく。そして、位相差AF処理部19は、図7のステップS4において、重力方向検出部で検出した重力方向を、加算相関演算の信頼度が最大となる方向として判定する。このようにすることで、演算量を減らすことができ、省エネルギーが可能になる。
【0096】
デジタルカメラによって撮像する被写体によって、どの方向に伸びるエッジが多いかは予め分かる場合がある。例えば、人間の顔や樹木等は縦方向成分が多い。そこで、デジタルカメラのメインメモリ16に、撮像シーンと、信頼度が最大となる方向の情報とを関連付けて記憶しておく。
【0097】
そして、位相差AF処理部19は、図7のステップS4において、設定されている撮像シーンから、この撮像シーンに関連付けられた方向の情報を取得し、この方向を加算相関演算の信頼度が最大となる方向として判定する。このようにすることでも、演算量を減らすことができ、省エネルギーが可能になる。
【0098】
なお、図7の動作例では、被写体が暗いときにステップS4以降の処理を行うものとした。しかし、位相差検出用画素の検出信号の加算が必要となるのは、位相差検出用画素52A,52Bの検出信号レベルが低くなるような撮像状況であり、被写体が暗いときだけに限らない。
【0099】
例えば、撮像素子5に入射する光線角度が大きくなって位相差検出用画素52A,52Bに入射する光が少なくなるような場合(広角撮像時)にステップS4以降の処理を行ってもよい。または、位相差検出用画素52A,52Bの検出信号レベルが小さい場合にステップS4以降の処理を行ってもよい。
【0100】
また、撮像素子5は、第1の信号検出部と第2の信号検出部のペアを複数有する構成であればよく、図2〜5に示した構成に限らない。
【0101】
例えば、撮像素子5に含まれる全ての画素を撮像用画素51とし、各撮像用画素51を2つに分割して、一方の分割エリアを位相差検出用画素52Aとし、他方の分割エリアを位相差検出用画素52Bとした構成であってもよい。
【0102】
図8は、撮像素子5に含まれる全ての画素を撮像用画素51とし、各撮像用画素51を2つに分割した構成を示す図である。
【0103】
図8の構成では、撮像素子5においてRを付した撮像用画素51を2つに分割し、分割した2つをそれぞれ位相差検出用画素r1と位相差検出用画素r2としている。
【0104】
また、撮像素子5においてGを付した撮像用画素51を2つに分割し、分割した2つをそれぞれ位相差検出用画素g1と位相差検出用画素g2としている。
【0105】
また、撮像素子5においてBを付した撮像用画素51を2つに分割し、分割した2つをそれぞれ位相差検出用画素b1と位相差検出用画素b2としている。
【0106】
この構成では、位相差検出用画素r1,g1,b1がそれぞれ第1の信号検出部となり、位相差検出用画素r2,g2,b2がそれぞれ第2の信号検出部となる。第1の信号検出部と第2の信号検出部からは独立に信号を読み出すことができる。
【0107】
そして、第1の信号検出部と第2の信号検出部の信号を加算すると、位相差のない通常の撮像用信号を得られる。このように、図6の構成では、全ての画素を、位相差検出用画素と撮像用画素との両方として用いることができる。
【0108】
図8の構成では、例えば、1行目にある位相差検出用画素g1,g2によってペア行が構成され、3行目にある位相差検出用画素g1,g2によってペア行が構成され、5行目にある位相差検出用画素g1,g2によってペア行が構成され7行目にある位相差検出用画素g1,g2によってペア行が構成される。
【0109】
本明細書では撮像装置としてデジタルカメラを例にしたが、以下では、撮像装置としてカメラ付のスマートフォンの実施形態について説明する。
【0110】
図9は、本発明の撮像装置の一実施形態であるスマートフォン200の外観を示すものである。図9に示すスマートフォン200は、平板状の筐体201を有し、筐体201の一方の面に表示部としての表示パネル202と、入力部としての操作パネル203とが一体となった表示入力部204を備えている。また、この様な筐体201は、スピーカ205と、マイクロホン206と、操作部207と、カメラ部208とを備えている。なお、筐体201の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造やスライド機構を有する構成を採用したりすることもできる。
【0111】
図10は、図9に示すスマートフォン200の構成を示すブロック図である。図10に示すように、スマートフォンの主たる構成要素として、無線通信部210と、表示入力部204と、通話部211と、操作部207と、カメラ部208と、記憶部212と、外部入出力部213と、GPS(Global Positioning System)受信部214と、モーションセンサ部215と、電源部216と、主制御部220とを備える。また、スマートフォン200の主たる機能として、図示省略の基地局装置BSと図示省略の移動通信網NWとを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
【0112】
無線通信部210は、主制御部220の指示にしたがって、移動通信網NWに収容された基地局装置BSに対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信や、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
【0113】
表示入力部204は、主制御部220の制御により、画像(静止画像および動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達するとともに、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル202と、操作パネル203とを備える。
【0114】
表示パネル202は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro−Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。
【0115】
操作パネル203は、表示パネル202の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。このデバイスをユーザの指や尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部220に出力する。次いで、主制御部220は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル202上の操作位置(座標)を検出する。
【0116】
図9に示すように、本発明の撮像装置の一実施形態として例示しているスマートフォン200の表示パネル202と操作パネル203とは一体となって表示入力部204を構成しているが、操作パネル203が表示パネル202を完全に覆うような配置となっている。
【0117】
係る配置を採用した場合、操作パネル203は、表示パネル202外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル203は、表示パネル202に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
【0118】
なお、表示領域の大きさと表示パネル202の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。また、操作パネル203が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、外縁部分の幅は、筐体201の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル203で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
【0119】
通話部211は、スピーカ205やマイクロホン206を備え、マイクロホン206を通じて入力されたユーザの音声を主制御部220にて処理可能な音声データに変換して主制御部220に出力したり、無線通信部210あるいは外部入出力部213により受信された音声データを復号してスピーカ205から出力させたりするものである。また、図9に示すように、例えば、スピーカ205を表示入力部204が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン206を筐体201の側面に搭載することができる。
【0120】
操作部207は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、図9に示すように、操作部207は、スマートフォン200の筐体201の側面に搭載され、指などで押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
【0121】
記憶部212は、主制御部220の制御プログラムや制御データ、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶するものである。また、記憶部212は、スマートフォン内蔵の内部記憶部217と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部218により構成される。なお、記憶部212を構成するそれぞれの内部記憶部217と外部記憶部218は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、MicroSD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
【0122】
外部入出力部213は、スマートフォン200に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394など)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により直接的又は間接的に接続するためのものである。
【0123】
スマートフォン200に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホンなどがある。外部入出力部213は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン200の内部の各構成要素に伝達することや、スマートフォン200の内部のデータが外部機器に伝送されるようにすることができる。
【0124】
GPS受信部214は、主制御部220の指示にしたがって、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、当該スマートフォン200の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部214は、無線通信部210や外部入出力部213(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
【0125】
モーションセンサ部215は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の物理的な動きを検出する。スマートフォン200の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン200の動く方向や加速度が検出される。係る検出結果は、主制御部220に出力されるものである。
【0126】
電源部216は、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
【0127】
主制御部220は、マイクロプロセッサを備え、記憶部212が記憶する制御プログラムや制御データにしたがって動作し、スマートフォン200の各部を統括して制御するものである。また、主制御部220は、無線通信部210を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
【0128】
アプリケーション処理機能は、記憶部212が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって主制御部220が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部213を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能などがある。
【0129】
また、主制御部220は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部204に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部220が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部204に表示する機能のことをいう。
【0130】
更に、主制御部220は、表示パネル202に対する表示制御と、操作部207、操作パネル203を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御を実行する。表示制御の実行により、主制御部220は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、あるいは電子メールを作成したりするためのウィンドウを表示する。なお、スクロールバーとは、表示パネル202の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
【0131】
また、操作検出制御の実行により、主制御部220は、操作部207を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル203を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、あるいは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
【0132】
更に、操作検出制御の実行により主制御部220は、操作パネル203に対する操作位置が、表示パネル202に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル203の感応領域や、ソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
【0133】
また、主制御部220は、操作パネル203に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
【0134】
カメラ部208は、図1に示したデジタルカメラにおける外部メモリ制御部20、記録媒体21、表示制御部22、表示部23、及び操作部14以外の構成を含む。カメラ部208によって生成された撮像画像データは、記憶部212に記録したり、入出力部213や無線通信部210を通じて出力したりすることができる。図9に示すスマートフォン200において、カメラ部208は表示入力部204と同じ面に搭載されているが、カメラ部208の搭載位置はこれに限らず、表示入力部204の背面に搭載されてもよい。
【0135】
また、カメラ部208はスマートフォン200の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル202にカメラ部208で取得した画像を表示することや、操作パネル203の操作入力のひとつとして、カメラ部208の画像を利用することができる。また、GPS受信部214が位置を検出する際に、カメラ部208からの画像を参照して位置を検出することもできる。更には、カメラ部208からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン200のカメラ部208の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部208からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
【0136】
その他、静止画又は動画の画像データにGPS受信部214により取得した位置情報、マイクロホン206により取得した音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)、モーションセンサ部215により取得した姿勢情報等などを付加して記憶部212に記録したり、入出力部213や無線通信部210を通じて出力したりすることもできる。
【0137】
以上のような構成のスマートフォン200においても、カメラ部208の撮像素子として撮像素子5を用い、主制御部220において図7で説明した処理を行うことで、位相差検出用画素の検出信号レベルが低い場合でも、被写体によらずに、精度の高い合焦制御が可能になる。
【0138】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0139】
開示された撮像装置は、一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを上記一方向に複数配列したペア行を有し、上記ペア行が上記一方向に直交する方向に複数配列された撮像素子と、複数の上記ペア行が配置されたエリアにある任意の上記ペア行における複数の上記第1の信号検出部の検出信号と、上記複数の第1の信号検出部の各々に対して上記一方向と交差する交差方向にある上記エリアの他の上記ペア行の上記第1の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号と、上記任意のペア行の上記複数の第1の信号検出部の各々とペアを構成する上記第2の信号検出部の検出信号と、上記第2の信号検出部に対して上記交差方向にある上記エリアの他の上記ペア行の上記第2の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号との相関演算の結果からデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、上記交差方向として、複数の方向のうち上記相関演算の結果の信頼度が最大になる方向を判定する方向判定部と、上記方向判定部によって判定された方向を上記交差方向とした上記相関演算の結果から上記デフォーカス量生成部によって生成されたデフォーカス量に基づいて上記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備える。
【0140】
開示された撮像装置において、上記方向判定部は、上記交差方向を上記複数の方向のそれぞれに設定して上記相関演算を行い、上記複数の方向のそれぞれについての上記相関演算の結果の比較により、上記信頼度が最大になる方向を判定してもよい。
【0141】
開示された撮像装置において、上記方向判定部は、上記エリアに結像する被写体像のコントラストが最小となる方向を、上記信頼度が最大になる方向と判定してもよい。
【0142】
開示された撮像装置において、上記方向判定部は、上記任意のペア行の上記複数の第1の信号検出部又は上記複数の第2の信号検出部の各々と、上記複数の第1の信号検出部又は上記複数の第2の信号検出部の各々に対し上記複数の方向のそれぞれにある上記エリア内の他の上記ペア行の上記第1の信号検出部又は上記第2の信号検出部とで、隣り合う信号検出部同士の検出信号の差分を積算して上記コントラストを算出してもよい。
【0143】
開示された撮像装置において、上記方向判定部は、上記複数の方向のうち重力の方向と最も近い方向を上記信頼度が最大になる方向と判定してもよい。
【0144】
開示された撮像装置の合焦制御方法は、一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを上記一方向に複数配列したペア行を有し、上記ペア行が上記一方向に直交する方向に複数配列された撮像素子から出力される、複数の上記ペア行が配置されたエリアにある任意の上記ペア行における複数の上記第1の信号検出部の検出信号と、上記複数の第1の信号検出部の各々に対して上記一方向と交差する交差方向にある上記エリアの他の上記ペア行の上記第1の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号と、上記任意のペア行の上記複数の第1の信号検出部の各々とペアを構成する上記第2の信号検出部の検出信号と、上記第2の信号検出部に対して上記交差方向にある上記エリアの他の上記ペア行の上記第2の信号検出部の検出信号とを加算して得られる複数の検出信号との相関演算の結果からデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、上記交差方向として、複数の方向のうち上記相関演算の結果の信頼度が最大になる方向を判定する方向判定ステップと、上記方向判定ステップによって判定された方向を上記交差方向とした上記相関演算の結果から上記デフォーカス量生成ステップによって生成されたデフォーカス量にしたがって上記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備える。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、デジタルカメラ等に適用して利便性が高く、有効である。
【符号の説明】
【0146】
1 撮像レンズ
2 絞り
5 撮像素子
11 システム制御部(合焦制御部)
19 位相差AF処理部(デフォーカス量生成部、方向判定部)
50 撮像面
51 画素
52A,52B 位相差検出用画素
53 AFエリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10