(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1電極は、前記第1半導体層の露出面から前記第1電極の表面までの厚みが3μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体発光素子の製造方法。
前記金属層の表面を平坦化して第1電極を形成する工程は、ケミカルメカニカルポリッシングにより行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の半導体発光素子の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施
形態は、本発明の技術思想を具体化する半導体発光素子を例示するものであって、本発明
を以下に限定するものではない。特に実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形
状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定
する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分
は同一の部分又は部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する様態としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。さらにまた、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0020】
<第一の実施形態>
第一の実施形態に係る半導体発光素子について図面を用いて詳述する。
図1は、第一の実施形態に係る半導体発光素子を示す概略平面図である。
図2は、第一の実施形態に係る半導体発光素子を示し、
図1のI−I’線における概略断面図である。
図3は、第一の実施形態に係る半導体発光素子を示し、
図2のII−II’線における概略平面図である(保護膜15cは不図示)。
図1及び
図3のI−I’線は、同一の線を示している。
図4は、第一の実施形態に係る半導体発光素子を示す概略断面図であり、
図2の部分的拡大図である。
図5は、第一の実施形態に係る半導体発光素子の変形例を示す概略断面図である。ただし、説明の便宜上、
図1乃至5は同一縮尺ではない。
【0021】
本明細書において、半導体発光素子100の半導体積層体12側の面を上面と称し、光取り出し面とする。また、本明細書において、層上等でいう「上」とは、必ずしも上面に接触して形成される場合に限られず、離間して上方に形成される場合も含んでおり、部材と部材との間に介在する部材が存在する場合も包含する意味で使用する。さらに、「平面視」とは、半導体積層体12が設けられた側から半導体発光素子100を見ることを指し、透過された状態の平面視という意味を含む。
【0022】
第一の実施形態に係る半導体発光素子100は、支持基板11と、支持基板11上に設けられた接合層30と、接合層30上に設けられた第1電極13と、第1電極13上に設けられた半導体積層体12と、を備える。さらに、接合層30は、第1電極接着層13aと支持基板側接着層19とを有し、半導体積層体12は、第1半導体層12aと発光層12bと第2半導体層12cとを有する。
【0023】
第一の実施形態に係る半導体発光素子100は、底面に裏面接着層110を有する矩形状の支持基板11の上に、支持基板側接着層19、第1電極接着層13aをこの順に備える接合層30が設けられ、第1電極接着層13a上に第1電極13が設けられる。第1電極13の上に反射電極14aと配線電極14bとパッド電極14cとを備える第2電極14を有している。さらに、第1電極13と第2電極14の上に、第2半導体層12c、発光層12b、第1半導体層12aを順に積層した、支持基板11と同様に略矩形状の半導体積層体12を備えている。半導体積層体12は、平面視で向かい合う2辺の中央が半円状の凹部を有する。また、第2半導体層12c及び発光層12bを部分的に除去して第1半導体層12aを露出させている。第1半導体層12aが露出された領域は、略楕円形状で複数あり、全てほぼ等間隔になるように行列を成して、半導体積層体12の全面に配列している。露出された第1半導体層12aは直線的ではなく、2段階になって傾斜している。
【0024】
第1電極13は、第1電極接着層13a上に、平面視で半導体発光素子100のほぼ全面に広く形成され、面積が半導体積層体12よりも大きいため半導体積層体12から露出する部分を有している。第1電極13の底面、すなわち接合層30と接する面は平坦である。第1電極13と第2電極14は、平面視で重なる領域を持っている。例えば、第1電極13と第2電極14は、第2半導体層12c下で重なっており、第1半導体層12aが露出された領域(貫通孔13b)では重なっていない。第1電極13は、第2電極14の配線電極14b、反射電極14a、半導体積層体12の第2半導体12c、発光層12b、第1半導体層12aの一部を貫く貫通孔13bを通して、露出された第1半導体層12aと接続される。貫通孔13bは、第2半導体層12cから第1半導体層12aへ向かって幅が狭くなるような穴となっている。
【0025】
接合層30は、複数の空隙20を有している。空隙20は、半導体積層体12の積層方向における高さが、第1電極13の底面よりも低い。また、空隙20は、第1電極13の底面に対してほぼ平行に並んでいる。この空隙20は支持基板側接着層19と第1電極接着層13aの界面に存在し、その形状、大きさはそれぞれ異なっており、間隔も一定ではない。個々の空隙20は一箇所に集まっておらず、接合層30全面に広く分散している。
【0026】
第2電極14について、反射電極14aが第2半導体層12cのほぼ全面を覆うように設けられている。反射電極14aの第2半導体層12cと接する面とは反対側の面で、反射電極14aの表面を覆うように配線電極14bが設けられる。配線電極14bは、平面視で半導体積層体12から露出するように、つまり、半導体積層体12と重ならない領域まで延伸される。半導体積層体12から露出した配線電極14b上には、パッド電極14cが形成される。したがって、パッド電極14cは半導体積層体12の横にあり、平面視で半導体積層体12と異なる領域に設けられる。パッド電極14cは、矩形状の半導体発光素子100に2つ設けられており、半導体発光素子100の向かい合う2辺の中央の、素子端部に近い位置にそれぞれ設けられている。つまり、パッド電極14cは、半導体発光素子100の角部以外の領域に配置されている。
【0027】
絶縁膜15bは、第1電極13と第2電極14の間に設けられる。絶縁膜15bは、第2電極14の下側から、第2電極14の貫通孔13bと隣接する側面、そして第2半導体層12c、発光層12b、第1半導体層12aの一部の側面を覆うように延びている。これにより、平面視で重なる第1電極と第2電極とが絶縁され、立体的な電極構造となっている。保護膜15aは、第2電極14で覆われない第2半導体層12cの表面に設けられる。さらに、第1電極13、第2電極14の形成面以外の半導体層12の表面、つまり、半導体積層体12の側面と上面は、保護膜15cで被覆されている。
【0028】
第一の実施形態の変形例として、半導体発光素子100がバンプ17と波長変換部材18を有している半導体発光素子1000としてもよい。詳細には、2つのバンプ17が2つのパッド電極14c上にそれぞれ設けられており、波長変換部材18が、バンプ17の側面、保護膜15c、パッド電極14cを覆うように設けられている。波長変換部材18の上面はバンプ17とほぼ同じ高さであり、バンプ17は上面が露出している。波長変換部材18は、上面と側面が略垂直に交わっているため、半導体発光素子1000は全体で立方体又は直方体のような外観をしている。
【0029】
以下、本実施形態の各構成について詳述する。
【0030】
(支持基板11)
支持基板は、主に、Si基板の他、GaAsの半導体基板、Cu、Ge、Niの金属材料、Cu−Wの複合材料等の導電性基板が挙げられる。加えて、Cu−Mo、AlSiC、AlSi、AlN、SiC、Cu−ダイヤ等の金属とセラミックの複合体等も利用できる。例えば、Cu−W、Cu−Moの一般式をCu
xW
100−x(0≦x≦30)、Cu
xMo
100−x(0≦x≦50)のようにそれぞれ示すことができる。またSiを用いる利点は安価でチップ化がしやすい点である。支持基板の好ましい膜厚としては50〜500μmである。支持基板の膜厚をこの範囲に設定することで放熱性が良くなる。一方で、支持基板に導電性基板を使用すれば、基板側からの電力供給が可能になる他、高い静電耐圧及び放熱性に優れた素子とできる。また、通常は、Si、Cu(Cu−W)等の不透光性の材料で、それと半導体層との間、例えば電極、若しくは半導体層内に反射構造を設ける構造として、放熱性、発光特性に優れ好ましい。また、メッキにより、窒化物半導体層上にメッキ部材を形成して、支持基板、支持基板との間の接着部を形成することもできる。また、支持基板を設けない素子でも良く、発光装置の載置部、基台上に直接実装されても良く、メッキによる金属部材等を半導体層上に設ける形態でも良い。
【0031】
(半導体積層体12)
半導体積層体を構成する第1半導体層、発光層及び第2半導体層としては、特に限定されるものではなく、InAlGaP系、InP系、AlGaAs系、これらの混晶、GaN系等の窒化物半導体のいずれでもよい。窒化物半導体としては、GaN、AlNもしくはInN、又はこれらの混晶であるIII−V族窒化物半導体(In
XAl
YGa
1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1))が挙げられる。さらに、III族元素として一部又は全部にBを用いても、V族元素としてNの一部をP、As、Sbで置換した混晶であってもよい。これらの半導体層は、通常、n型、p型のいずれかの不純物がドーピングされている。
第1及び第2半導体層において、第1半導体層とは、n型又はp型半導体層を指し、第2半導体層とは、第1半導体層とは異なる導電型、つまりp型又はn型半導体層を示す。好ましくは、第1半導体層がn型半導体層であり、第2半導体層がp型半導体層である。
【0032】
半導体層は、単層構造でもよいが、MIS接合、PIN接合又はPN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造又はダブルへテロ構造等の積層構造であってもよい。つまりは、n型半導体層とp型半導体層とが直接接して発光部となる素子でもよいし、n型半導体層とp型半導体層との間に活性層を設けて、活性層が発光部となる素子でもよい。
各半導体層の膜厚は特に限定されるものではなく、適宜調整することができる。
【0033】
半導体積層体12は、平面視でどのような形状であっても構わない。本実施形態では略矩形状であるが、円形、楕円形、多角形等任意の形状とすることができる。
【0034】
半導体積層体12は、平面視で第2半導体層12cの外形よりも第1半導体層12aの外形の方が小さくなるように、その側面は傾斜が設けられている。つまり、本実施形態では側面が順テーパーになっている。そのため、半導体積層体12の側面での光の全反射を抑制し光取り出しが向上する。また、半導体積層体12の側面は、第2半導体層12cの面積よりも第1半導体層12aの面積の方が大きくなるように逆テーパーとしてもよい。このとき、半導体積層体12内において、光を側面で反射させて上方へ光を取り出すことができる。
【0035】
第1半導体層12aの上面は、粗面又は凹凸が形成されている。これにより、光取り出し効率が向上する。第1半導体層12aの上面全面に粗面又は凹凸を形成してもよいが、少なくとも一部に形成されていてもよい。
【0036】
(第1電極13)
第1電極は、例えば、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、インジウム(In)、錫(Sn)、炭素(C)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ランタン(La)、銅(Cu)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)シリコン(Si)、金(Au)これらの酸化物、窒化物、ホウ化物、ITO、ZnO、In
2O
3等の透明導電性酸化物からなる群から選択された少なくとも一種を含む金属、合金の単層膜又は積層膜により形成することができる。
【0037】
第1電極13は、第1半導体層12aと導通するために、第2電極14の下側から上面へ向かって延びるように設けられて貫通孔13bへ達しており、貫通孔13bを満たして第1半導体層12aと接している。第1電極13の厚みは、貫通孔13bにおいて第1半導体層12aの露出面から第1電極13の底面までの厚みが3μm以上10μm以下とすることができる。また、貫通孔13b以外の領域、言い換えると配線電極14b下部では1μm以上あることが好ましい。貫通孔13bの第1電極13の側面は絶縁膜15bから露出された部分を有しており、第1電極13の上面と側面の一部で第1半導体層12aと接している。言い換えると、第1半導体層12aは第1電極13と絶縁膜15bとの接触面が2段階になっている。これにより、第1電極13の側面が全て絶縁膜15bで被覆されるよりも、第1電極13と第1半導体層12aとの接触面積が大きくなるため、電流が広がり易くVf(順方向電圧)が低減する。第1電極13の膜厚は特に限定されるものではないが、貫通孔13b内で露出した第1半導体層12aの直下に位置する第1電極13の底面が、第2電極14の表面(詳細には配線電極14bの表面)を被覆する絶縁膜15bの表面よりも下側にあること好ましい。膜厚は、得ようとする特性を考慮して適宜調整することができる。
【0038】
第1電極13は、後述する製造方法において、貫通孔13b内部と絶縁膜15b表面に設けられた金属層を平坦化することにより形成される。金属層は単層、多層でもよいが、平坦化を行う場合はその対象となる層がAl、Au、Cu、W、Ti、Mo、Nb、Ta、V、In、Sn、Pd、Si、C及びそれらを含む合金、窒化物、ホウ化物、酸化物であることが好ましい。
【0039】
また、金属層を単層で用いる場合は、第1半導体層12aとのオーミック性を考慮し、且つ第2電極14と同様に発光層12bから出た光を反射する材料が好ましい。具体的には、Al合金、好ましくはAlCu合金が用いられる。特に、Cu又はSiを含むAl合金は、腐食、酸化を抑制することができる。また、純粋Alと比べてブリネル硬さが大きいため、CMP処理による平坦化が容易であり好ましい。Cuを含むAl合金の場合、Cuの含有量が多くなると反射率が低下する。そのため、Cuの含有量は1%以上10%以下であることが好ましい。
【0040】
本実施形態においては、平面視で、楕円形状の複数の貫通孔13bが行列を成して等間隔に配置されている。これにより、第1電極13は個別にパッド電極を設ける必要がなく、複数の貫通孔13bを小さい面積で分散配置しているので、発光面積を大きく確保することができ、電流密度が均一になってVf(順方向電圧)が低減し、均一発光が可能となる。
貫通孔13bの平面視での形状は楕円形に限らず、円形、多角形、線状、曲線状等任意の形状とすることができ、形状が統一されていなくてもよいし、複数が繋がるような形状でもよい。形状は、面積が小さすぎるとVfが高くなる虞があるので、円形よりも少し面積の大きい楕円形や、直線状とすることもできる。配置する数や位置は、半導体積層体12の大きさや形状によって適宜変更することができる。したがって、行列配置に限らず、線対称配置、点対称配置、距離が不均一な配置であってもよい。
【0041】
(第1電極接着層13a)
第1電極接着層13aは、第1電極13の下面のほぼ全面に形成され、支持基板側接着層19と接合される。第1電極接着層13aは接合のための機能と、第1電極13のように電流供給としての機能を兼ねることができる。平坦化した第1電極13を形成していれば第1電極接着層13aの表面を平坦化する必要はないが、第1電極接着層13aの最表面を平坦化処理してもよい。第1電極接着層13aと支持基板側接着層19を接合したものを接合層30とする。第1電極接着層13aは第1電極13に使用可能な材料を用いることができ、それら材料の単層、積層並びに合金などが利用できる。第1電極接着層13aと支持基板側接着層19との接合面をAu−Au接合にすれば、熱に対する耐性が強いため信頼性の高い半導体発光素子とすることができる。すなわち、第1電極13の底面に、最表面がAuである第1電極接着層13aを形成すればよい。
【0042】
(支持基板側接着層19)
支持基板側接着層19は、支持基板11の上面のほぼ全面に形成され、支持基板11のオーミック電極且つ第1電極接着層13aと接合するためのものである。支持基板側接着層19は、第1電極接着層13aと同様の材料を用いることができる。支持基板側接着層19を金属の積層構造にする場合、第1電極接着層とAu−Au接合するために、最上面はAuであることが好ましい。
【0043】
第一の実施形態においては、接合層30は第1電極接着層13aと支持基板側接着層19の接合面において、Au−Au接合やCu−Cu接合等の固相拡散接合により形成することが好ましい。これは単一元素の原子拡散による接合のため、一度接合すると、接合界面はなくなって同一の固相となり、非常に安定した接合層となる。完全な固相拡散接合を起こすためには、接合させるウエハ表面に存在する原子未結合手に弱く結合した不純物を取り除き、未結合手をフリーにした状態で、ウエハ同士を貼り合わせる必要があるが、未結合手を完全にフリーにしなくても、低温の熱(150℃程度)をかけて原子拡散速度を上げれば、ウエハ間の接合は可能である。
固相拡散接合は完全に接触した面で原子拡散が進行するため、ウエハ表面の凹凸や段差を極力小さくする必要がある。したがって、第1電極13の平坦な底面に平坦な第1電極接着層13aを設け、支持基板側接着層19の平坦な最表面と接合することにより、強固な接合層30とすることができる。
【0044】
(空隙20)
空隙20は、接合層30に存在し、半導体積層体12の積層方向における高さが、第1電極13の底面よりも低い。また、空隙20は、第1電極13の底面に対してほぼ平行に並ぶ。空隙20は、第1電極接着層13aと支持基板側接着層19の接合界面に存在することが好ましい。本実施形態において、空隙20が第1電極13の底面に対してほぼ平行に並ぶとは、ボイドの外形が第1電極の底面に沿っていることを示すのではなく、半導体発光素子の断面において複数の空隙20をみたときに、複数の空隙20が線状に配置していることを示す。このとき、第1電極13の底面が凹凸を有していても、複数の空隙がその凹凸に沿って線状を成している場合も含む。空隙20の形状や大きさは異なっていてもよく、間隔も一定でなくてもよい。空隙20の形状は球状、線状、板状、不規則な形状等様々であるが、半導体積層体12の積層方向における大きさが0nmより大きく100nmより小さいことが好ましく、80nm以下がより好ましい。
また、接合層30がAu−Au接合からなるAu層を有し、Au層に空隙が存在していることが好ましい。
【0045】
(第2電極14)
第2電極14は、反射電極14a、配線電極14b、パッド電極14cを有し、第1電極13と同様の材料を用いることができる。
【0046】
(反射電極14a)
反射電極14aは、発光層12bからの光を効率よく反射させることを意図するものであるため、第2半導体層12cの略全面に、広い面積で形成されることが好ましい。ここで略全面とは、第2半導体層12cの外縁及び第1半導体層12aの露出部の外縁以外の領域を指し、例えば、半導体発光素子100の上面積の70%以上、80%以上であることが好ましい。これにより、反射電極14aの第2半導体層12cへの接触面積を最大限として、接触抵抗を低下させて駆動電圧を低減させることができる。また、発光層12bからの光を、第2半導体層12cの略全面積で反射させることが可能となり、光の取り出し効率を向上させることができる。反射電極14aは第1電極13が第1半導体層12aと導通する貫通孔13bを形成するために、複数の穴が設けられたような形状をしている。
反射電極は発光層の出光を反射させる材料として、Al、Rh、Agから選択された少なくとも一種金属又は合金の単層膜又は積層膜により形成することが好ましく、なかでもAg又はAg合金を含む金属膜を含むことが好ましい。
反射電極は、マイグレーション防止のためにカバー電極となる別の金属含有層や絶縁性の保護膜で側面と下側(支持基板側)が完全に被覆されていてもよい。本実施形態においては、反射電極はその下側が配線電極で、側面が保護膜で覆われているので、これらがカバー電極としての役割も担っている。
【0047】
(配線電極14b)
反射電極14aの下側には、配線電極14bが設けられている。配線電極14bは、反射電極14aのほぼ全面を覆い、また反射電極14aと外部電源とを接続するために延伸し、平面視で半導体積層体12から露出する領域を持つ。配線電極14bも、発光層12bからの光を反射する機能を有しているのが好ましく、また導電性が高い材料であることが好ましい。
【0048】
(パッド電極14c)
平面視で半導体積層体12から露出した配線電極14b上には、パッド電極14cが形成されている。パッド電極14cは、その上面に外部電源や配線と接続するためのバンプ17を形成してもよい。本実施形態において、2つのパッド電極14cが、半導体発光素子100の角部以外の領域であって、半導体積層体12を間に挟むように素子端部の辺に配置されており、向かい合うもの同士の形状は円形で等しい。パッド電極14cは、角部以外の領域に設けることが好ましく、外部接続用のワイヤーが発光を遮ることを考慮すると半導体発光素子100の外周付近に配置した方がよいが、半導体発光素子100の中央領域に形成してもよい。半導体発光素子100の大きさや半導体積層体12の形状に合わせて、適宜大きさ、個数、配置を変更することができる。
【0049】
(保護膜15a、15c、絶縁膜15b)
絶縁膜、保護膜は、例えば、Si、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化膜、窒化膜、酸化窒化膜等が挙げられる。特に、SiO
2、SiON、ZrO
2、SiN、BN、SiC、SiOC、AlN、AlGaNが挙げられる。絶縁膜と保護膜は、単一の材料の単層膜又は積層膜でもよいし、異なる材料の積層膜でもよい。DBR膜としてもよい。
【0050】
(裏面接着層)
裏面接着層は、支持基板の支持基板側接着層が形成されている面と反対側に形成されオーミック電極として機能し、且つ半導体発光素子を実装基板に実装するための層である。TiSi
2、Ti、Pt、Ru、Au、Snなどの金属を含む層やその積層構造とすることができる。第1電極接着層、支持基板側接着層と同様の材料を使用することができるが、樹脂を用いてもよい。
【0051】
(波長変換部材18)
波長変換部材は、半導体発光素子からの光の一部を異なる波長の光に変換する光変換物質を含有する樹脂からなる。光変換物質は、少なくとも、発光層からの発光波長によって励起され蛍光光を発する。光変換物質は、公知の蛍光体を用いることができ、例えばYAG系蛍光体が使用できる。樹脂は目的や用途に応じて、フェニル系シリコーン樹脂、ジメチル系シリコーン樹脂、硬質ハイブリットシリコーン樹脂等のシリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂を用いることができる。樹脂には蛍光体の他に、フィラー、拡散剤等を含有させることができる。これにより、発光層からの光を変換させ、例えば、白色系、電球色等の所望の光を発する半導体発光素子を得ることができる。
【0052】
波長変換部材18の上面は、バンプ17の上面とほぼ同じ高さである。これにより、バンプ17の上面が波長変換部材18から露出しているので、バンプ17が平面視で半導体発光素子100のどの位置にあってもワイヤーと接続することができ、バンプ形成位置を自由に設定することができる。波長変換部材18の表面は粗面であってもよく、これにより波長変換部材18から外部へ光が出るときに全反射しにくく、放出されやすくなるため、光取り出し効率が向上する。
波長変換部材18は、板状のものであってもよい。例えば、半導体積層体12上に、半導体積層体12の平面視における面積よりも大きい面積の板状の波長変換部材18を、接着用の樹脂を用いて設けることもできる。
【0053】
次に、本発明の第一の実施形態の半導体発光素子100の製造方法について図面を用いて詳述する。
図6乃至9は、第一の実施形態に係る半導体発光素子100の製造方法の一工程を示す概略図である。製造方法の工程は、
図6(A)〜(F)、
図7(G)〜(J)、
図8(K)〜(N)、
図9(O)〜(R)の順に行われる。また、
図10は、第一の実施形態に係る半導体発光素子の変形例(半導体発光素子1000)の製造方法の一工程を示す概略図である。製造方法の工程は、
図6〜9の次に
図10(A)〜(C)が行われる。
【0054】
<半導体積層構造の形成>
まず、成長基板10のウエハを準備する。成長基板10は、半導体積層体をエピタキシャル成長させるのに適した材料から形成され、基板の大きさや厚さ等は特に限定されない。窒化物半導体のエピタキシャル成長に適した基板としては、サファイア、スピネル等の絶縁性基板、透光性基板や、SiC、窒化物半導体(例えば、GaN等)、CuW等の導電性基板が挙げられる。成長基板10は凹凸形状を有していてもよい。その凹凸形状を有したサファイア基板10をMOCVD装置内に設置し、この凹凸形状を有したサファイア基板10上に、第1半導体層12a、発光層12bおよび第2半導体層12cを順に成長させることで、半導体積層構造が形成される。
【0055】
<反射電極14aの形成>
第2半導体層12cの表面に貫通孔13bのための穴を設けた反射電極14aをパターン形成する。電流注入の領域を大きくするために、第2半導体層12cのほぼ全面に形成する。光透過する薄膜の密着層を介して、例えば密着層/反射層の順に積層した多層構造とすることもできる。
【0056】
<保護膜15aの形成>
反射電極14aから露出した第2半導体層12c上に保護膜15aを形成する。保護膜15aは反射電極14aの一部を覆うように設けることもできる。これにより、第2半導体層12cの表面上に選択的に設けられた反射電極14aから第2半導体層12cに導通される。
【0057】
<配線電極14bの形成>
反射電極14aと保護膜15aの上の略全面に、反射電極14aと同様に貫通孔13bのための穴が重なるように配線電極14bを形成する。
【0058】
<貫通孔13bの形成(半導体積層構造のエッチング)(1)>
貫通孔13bとなる領域を除いて、保護膜15aと配線電極14bの上面にレジストを設け、エッチングする。エッチングによりレジスト開口部を介して、保護膜15a、第2半導体層12c、発光層12b、第1半導体層12aの一部を除去して、第1半導体層12aを露出させ貫通孔13bを形成する。この時、第1半導体層12aは発光層12bとの界面が露出するまでエッチングしてもよいし、第1半導体層12aの内部までエッチングしてもよい。
【0059】
<絶縁膜15bの形成>
貫通孔13bを構成する配線電極14b、保護膜15a、反射電極14a、第2半導体層12c、発光層12b、第1半導体層12aを全て被覆する絶縁膜15bを形成する。この絶縁膜15bによって、第1電極13が第2電極14、第2半導体層12c及び発光層12bと絶縁される。
【0060】
<貫通孔13bの形成(半導体積層構造のエッチング)(2)>
貫通孔13bとなる領域において、第1半導体層12aが露出するように絶縁膜15bをエッチングにより除去する。さらに絶縁膜15bをエッチングした際のダメージを除去するために第1半導体層12aの一部を除去してもよい。
【0061】
<第1電極13の形成>
絶縁膜15b上に金属層を形成する。このとき、金属層は貫通孔13bを埋め込み、第1半導体層12aの露出面と接していれば単層でも多層でもよい。金属層は、貫通孔13b内で露出した第1半導体層12aの直上に位置する表面の高さが、第2電極14、詳細には配線電極14bを被覆する絶縁膜15bよりも高くなるように形成される。すなわち、露出した第1半導体層12aに接続される金属層が、貫通孔13b内部と絶縁膜15b表面とに、絶縁膜15bの表面の最大高さよりも厚く形成される。好ましくは、金属層の厚みが、第1半導体層12aの露出面から絶縁膜15b表面の最大高さまでの2倍以上となるように形成する。続いて、金属層の上面をCMP処理するか研磨し、平坦化して第1電極13とする。本実施形態において平坦化とは、基準面を定めたときにその凹凸の高低差が±50nm未満であることをいう。このとき、平坦化した表面(第1電極13の底面)から絶縁膜15bが露出しないようにする。金属層は、貫通孔13bがあるためにその孔の形状に沿って形成されてしまうが、研磨等を行って表面を平坦化することで、後の貼り合わせ工程で第1電極接着層13aと支持基板側接着層19間にボイドが発生するのを防止することができる。本実施形態において、第1半導体層12aに接続され、平坦化処理を施した金属層を有する部材を第1電極13とする。
【0062】
<第1電極接着層13aの形成>
第1電極13上に、貼り合わせ時に支持基板側接着層19と接合するための第1電極接着層13aを形成する。第1電極13の表面が平坦であるので、その上に形成される第1電極接着層13aも平坦となる。
【0063】
<貼り合わせ工程>
他方、支持基板側接着層19が形成された支持基板11を準備する。支持基板11の上面が平坦であれば、支持基板側接着層19を平坦化処理する必要はないが、支持基板側接着層19の積層構造内に、支持基板側接着層19の最表面が平坦になるような平坦化処理を施した層を有していてもよい。次に、支持基板側接着層19と第1電極接着層13aとを熱圧着により接着して、接合層30とする。このとき、支持基板側接着層19と第1電極接着層13aを構成する材料の一部が合金化されていてもよいし、材料の成分が拡散していてもよい。
【0064】
<素子分離工程(半導体積層体12の形成)>
第1半導体層12a上の成長基板10は、成長基板10側からエキシマレーザやフェムト秒レーザを含む固体レーザ等を照射して除去する(LLO)か、又は研削によって取り除かれる。成長基板10を除去後、露出した第1半導体層12aの表面をCMP処理することで所望の膜である第1半導体層12aを露出させる。その後、第1半導体層12aの上面にレジストを設けてRIE等でエッチングし、個々の半導体発光素子100を構成する半導体積層体12を形成する。半導体積層体12の上面は、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液により異方性エッチングを行う。この処理により、第1半導体層12aの表面が粗面になり、光取り出し効率が向上する。
【0065】
<パッド電極14cの形成>
平面視で半導体積層体12から露出した保護膜15aの一部を除去した後、その開口部にパッド電極14cを形成する。
【0066】
<保護膜15cと裏面接着層110の形成>
半導体積層体12の上面と側面とを被覆する保護膜15cを形成する。また、支持基板の裏面全面に、半導体発光素子100を実装基板に実装するための裏面接着層110を形成する。その後、ウエハを個々の半導体発光素子100にダイシングやブレイク等で分割する。
以上の方法により、本発明の第一の実施形態の半導体発光素子100が製造される。
【0067】
<バンプ17、波長変換部材18の形成>
ウエハを個々の半導体発光素子100にダイシングやブレイク等で分割する前に、以下の工程を行うことにより半導体発光素子1000が製造される。
パッド電極14c上に半導体積層体12の高さよりも高いバンプ17を形成する。パッド電極14cと、保護膜15aと、保護膜15cと、バンプ17の全ての露出面は、蛍光体が含有される樹脂からなる波長変換部材18で被覆される。波長変換部材18は印刷、ポッティング、圧縮成型、スピンコート、スプレーコート等でウエハに塗布する。波長変換部材18の樹脂を硬化した後、バンプ17の上面が露出して、バンプ17と波長変換部材18の上面がほぼ同じ高さとなるように切削する。その後、ウエハを個々の半導体発光素子1000にダイシングやブレイク等で分割する。
以上の方法により、本発明の第一の実施形態の変形例である半導体発光素子1000が製造される。
【実施例】
【0068】
<実施例1>
次に、実施例1について説明する。実施例1は、第一の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法に基づいて半導体発光素子100を作製する。
図1は、実施例1に係る半導体発光素子を示す概略平面図である。
図2は、実施例1に係る半導体発光素子を示し、
図1のI−I’線における概略断面図である。
図3は、実施例1に係る半導体発光素子を示し、
図2のII−II’線における概略平面図である(保護膜15cは不図示)。
図1及び
図3のI−I’線は、同一の線を示している。
図4は、実施例1に係る半導体発光素子を示す概略断面図であり、
図2の部分的拡大図である。
【0069】
本明細書において積層構造は、特に記載がない場合は断面図で下にあるものを左から記載する。例えば、下から順にAu、Pt、Tiと積層されている場合は、Au/Pt/Tiと表す。
【0070】
実施例1の半導体発光素子100は、平面視で2mm四方である。半導体発光素子100は、支持基板11と、支持基板11上に設けられた接合層30と、接合層30上に設けられたn側電極13と、n側電極13上に設けられた半導体積層体12と、を備える。さらに、接合層30は、n側電極接着層13aと支持基板側接着層19とを有し、半導体積層体12は、n型半導体層12aと発光層12bとp型半導体層12cとを有する。n側電極13と半導体積層体12の間には、保護膜15a、絶縁膜15b、反射電極14aと配線電極14bとパッド電極14cとを有するp側電極14が設けられている。
【0071】
実施例1の半導体発光素子100は、底面にAu/Pt/Ti(=500nm/300nm/2nm)からなる裏面接着層110を有する平面視で矩形状のSi基板11上に、Ti/Pt/Au(=2nm/300nm/500nm)からなる支持基板側接着層19、Au/Pt/Ti(=500nm/300nm/100nm)からなるn側電極接着層13aをこの順に備える。そして、支持基板側接着層19のAuとn側電極接着層13aのAuからなるAu層を有する接合層30を形成している。n側電極接着層13a上のほぼ全面に平坦な底面を有するAlCu合金からなるn側電極13が形成されている。接合層30において、Au層にはn側電極13の底面に対してほぼ平行に並ぶ複数の空隙が存在する。空隙の大きさはいずれも100nmより小さく、不規則な形状であり間隔は一定ではない。
【0072】
n側電極13とp側電極14は、平面視で重なる領域を持っており、n側電極13は、p側電極14の配線電極14b、反射電極14a、p型半導体12c、発光層12b、n型半導体層12aの一部を貫く貫通孔13bを通して、露出されたn型半導体層12aと接続される。n側電極13は、貫通孔13bにおいて、n型半導体層12a露出面からn側電極13の底面までの厚みが約4μmであり、貫通孔13b以外の領域では約1μmである。貫通孔13bは、p型半導体層12cからn型半導体層12aへ向かって幅が狭くなるような穴となっている。
【0073】
絶縁膜15bとして1000nmの酸化シリコンが、n側電極13とp側電極14の間に設けられる。絶縁膜15bは、p側電極14の下側から、p側電極14の貫通孔13bと隣接する側面、及びp型半導体層12c、発光層12b、n型半導体層12aの一部の側面を覆うように半導体発光素子100の上面へ向かって延びている。
【0074】
p側電極14が、絶縁膜15bを介してn側電極13の上に設けられる。p側電極14は、Pt/Ti/Ni/Ag(=120nm/120nm/120nm/120nm)からなる反射電極14aがp型半導体層12cのほぼ全面を覆うように設けられており、p型半導体層12cの露出面を480nmの酸化シリコンからなる保護膜15aが被覆している。反射電極14aのp型半導体層12cと接する面とは反対側の面で、反射電極14aを覆うようにTi/Rh/Ti(=30nm/340nm/30nm)からなる配線電極14bが設けられる。配線電極14bは、平面視で半導体積層体12から露出するように、つまり、半導体積層体12と重ならない領域まで延伸される。半導体積層体12から露出した配線電極14b上には、Ti/Pt/Au(=30nm/300nm/500nm)からなるパッド電極14cが形成される。パッド電極14cは平面視で前記半導体積層体と異なる領域に設けられ、矩形状の半導体発光素子100の向かい合う2辺の中央の、素子端部に近い位置に2つ設けられている。
【0075】
p側電極14上には、半導体積層体12を有する。半導体積層体12は、上面側(Si基板と反対側)から、n型半導体層12a、多重量子井戸構造を有する発光層12b、p型半導体層12cを備える。
半導体積層体12は、n型半導体層12aの上面が粗面又は凹凸形状となっている。また、p型半導体層12c及び発光層12bを部分的に除去してn型半導体層12aを露出させている。n型半導体層12aが露出された領域は、略楕円形状で複数あり、全てほぼ等間隔になるように行列を成して、半導体積層体12の全面に配列している。この露出されたn型半導体層12aが貫通孔13bを通してn側電極13と接続される。
半導体積層体12の側面と上面は、400nmの酸化シリコンからなる保護膜15cで被覆されている。
【0076】
この実施例1の半導体発光素子100は、以下の製造方法により作製される。
【0077】
まず、凹凸形状を有した成長基板であるサファイア基板10をMOCVD装置内に設置し、サファイア基板10の凹凸上に、バッファ層としてアンドープの窒化物半導体であるGaN層を形成した。n型コンタクト層として、Siドープのn型GaN層、さらにアンドープの窒化物半導体であるGaN層を積層し、n型半導体層12aを形成した。n型半導体層12a上には、発光層12bとして、バリア層となるGaN層、井戸層となるInGaN層を1セットとして9セット積層して最後にバリア層となるGaN層を積層させた多重量子井戸構造を形成した。発光層12b上には、p型半導体層12cとして、Mgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるp型GaN層を順次積層した。以上の工程により、半導体積層体12となる半導体積層構造を形成したウエハを得た。
【0078】
p型半導体層12cの表面に貫通孔13bのための穴を設けた反射電極14aをp型半導体層12cのほぼ全面にAg/Ni/Ti/Ptの順に積層してパターン形成した。
反射電極14aから露出したp型半導体層12c上に酸化シリコンからなる保護膜15aを形成した。そして、反射電極14aと保護膜15aの上の略全面に、反射電極14aと同様に貫通孔13bのための穴が重なるように配線電極14bをTi/Rh/Tiの順に積層し形成した。
【0079】
次に、保護膜15a、p型半導体層12c、発光層12b、n型半導体層12aの一部を除去してn型半導体層12aを露出させ、貫通孔13bを形成した。
【0080】
配線電極14b、保護膜15a、貫通孔13bを構成するp型半導体層12cと発光層12bとn型半導体層12aを全て被覆する絶縁膜15bを、酸化シリコン1000nmで形成した。この絶縁膜15bによって、n側電極がp側電極、p型半導体層12c及び発光層12bと絶縁される。その後、貫通孔13bとなる領域の絶縁膜15bをエッチングにより除去して、n型半導体層12aを露出させた。
【0081】
絶縁膜15b上に、貫通孔13bを埋め込み、n型半導体層12aの露出面と接する金属層を、AlCu合金を積層して形成した。この時点で金属層の表面の段差は最大で4.3μmであった。続いて、金属層の上面を金属層の段差が50nm未満となるようにCMP処理して平坦化することによりn側電極13を形成した。平坦化されたn側電極13上に、貼り合わせ時に支持基板側接着層と接合するためのn側電極接着層13aをTi/Pt/Auをこの順に積層して形成した。
【0082】
他方、Ti/Pt/Auが積層された支持基板側接着層19を有する支持基板11を準備し、支持基板側接着層19と第1電極接着層13aとを熱圧着により接着して、接合層30を形成した。これによりAu−Au接合層30が形成された。
【0083】
n型半導体層12a上のサファイア基板10を、サファイア基板10側からLLOにより除去した。サファイア基板10の除去後、露出したn型半導体層12aの表面をCMP処理し、所望の膜のn型半導体層12aを露出させた。その後、n型半導体層12aの上面にレジストを設けてRIE等でエッチングし、個々の半導体発光素子100を構成する半導体積層体12を形成した。n型半導体層12aの上面は、TMAH溶液により異方性エッチングを行い、粗面とした。
【0084】
平面視で半導体積層体12から露出した保護膜15aの一部をエッチングにより除去し、保護膜15aの開口部であって配線電極14b上にTi/Pt/Auからなるパッド電極14cを形成した。
【0085】
半導体積層体12の上面と側面とを被覆する保護膜15cを酸化シリコン400nmで形成した。また、支持基板の裏面全面にTi/Pt/Auの順に積層して裏面接着層110を形成した。以上の方法により得られるウエハをダイシングやブレイク等により所定の箇所で個々に分割することにより、2mm四方の半導体発光素子100を製造した。
【0086】
このようにして作製した実施例1の半導体発光素子100について、接合層30の空隙20が半導体積層体12に損傷をもたらさないことを確認するため、比較例1と比較した。
図11は、実施例1に係る半導体発光素子において、貫通孔部分における金属層の段差を金属層表面側からレーザー顕微鏡で測定したイメージ図である。
図12は、
図11のIII−III’線における金属層の段差を金属層表面側からレーザー顕微鏡で測定した結果を示すグラフである。
図13は、実施例1に係る半導体発光素子において、貫通孔部分における第1電極の段差を第1電極底面側からレーザー顕微鏡で測定したイメージ図である。
図14は、
図13のIV−IV’線における第1電極の段差を第1電極底面側からレーザー顕微鏡で測定した結果を示すグラフである。
図15は、実施例1に係る半導体発光素子において、接合層形成及び成長基板除去後の貫通孔部分上の半導体積層体の光学顕微鏡写真を示すイメージ図である。
図16は、比較例1に係る半導体発光素子において、接合層形成及び成長基板除去後の貫通孔部分における接合層のボイドを示す概略断面図である。
図17は、比較例1に係る半導体発光素子において、接合層形成及び成長基板除去後の貫通孔部分上の半導体積層体の光学顕微鏡写真を示すイメージ図である。
【0087】
まず、実施例1の半導体発光素子100において、金属層形成後に貫通孔13bにおける金属層表面の段差をレーザー顕微鏡で測定した(
図11)。その結果、
図11のIII−III’線で最大4.3μmの段差を確認した(
図12)。その後、金属層表面の高低差が±50nm未満となるまで金属層を平坦化してn側電極13を形成した(
図13)。その結果、
図13のIV−IV’線で段差がほぼ解消されたことを確認した(
図14)。そして、接合前に段差を解消された面状態を形成した後でn側電極接着層13aと支持基板側接着層19を接合し、LLOによりサファイア基板除去を行ったものは、接合層30の接合界面にn側電極の底面にほぼ平行に並ぶ複数の空隙は存在したが大きなボイドは確認されず、貫通孔13b上の半導体積層体内部に損傷が生じなかった(
図15)。なお、
図15について、サファイア基板をLLOで除去した後、半導体積層体12表面を鏡面化するために1μm程CMP処理したものをサンプルとした。
【0088】
一方、比較例1としては、金属層形成後に平坦化処理を行わずに、金属層表面にn側電極接着層13bを形成して、支持基板側接着層19と接合したこと以外は、実施例1と同様に試作した。比較例1についても、LLOでサファイア基板を除去した後、半導体積層体12表面を鏡面化するために1μm程CMP処理したものをサンプルとした。その結果、接合層30の接合界面にボイドが発生しており、特に貫通孔13b直下に、貫通孔13bとn側電極13の形状に沿った(類似した)外形を有する大きなボイドが生じていた(
図16)。これらボイドは、半導体積層体12の積層方向における大きさが100nmを超え、その高さはn側電極13の底面に達しており、貫通孔13b上の半導体積層体内部に多数の損傷(クラック21)が生じた(
図17)。
【0089】
以上のことから、底面が平坦化された第1電極を設け、段差が解消された面状態を有する第1電極接着層と支持基板側接着層とを接着することにより、ボイドの発生を抑制して半導体積層体の損傷を防ぐことができる。また、接合層がAu−Au接合からなるAu層を有することで、耐熱性及び信頼性の高い半導体発光素子とすることができる。