(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
上記一般式(1)であらわされる繰り返し単位を有するアリールアミンポリマー(以下、適宜「アリールアミンポリマー(1)」と称す。)において、R
1およびR
2は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基を表す。
【0021】
炭素数1〜18のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
【0022】
炭素数1〜18のアルコキシ基としては、特に限定するものではないが、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、シクロヘキシルメトキシ基、n−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0023】
炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基としては、特に限定するものではないが、例えば、トリル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、イソペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、tert−ペンチルフェニル基、シクロペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、アセチルフェニル基、シアノフェニル基、メチルチオフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基等が挙げられる。
【0024】
炭素数1〜18のアルコキシを有するフェニル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、n−プロポキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、n−ブトキシフェニル基、イソブトキシフェニル基、sec−ブトキシフェニル基、tert−ブトキシフェニル基、n−ペンチルオキシフェニル基、イソペンチルオキシフェニル基、ネオペンチルオキシフェニル基、tert−ペンチルオキシフェニル基、シクロペンチルオキシフェニル基、n−ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、n−オクチルオキシフェニル基が挙げられる。
【0025】
ハロゲン化フェニル基としては、特に限定するものではないが、例えば、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基等が挙げられる。
【0026】
炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基としては、特に限定するものではないが、例えば、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジブチルアミノフェニル基、N−メチル−N−エチルアミノフェニル基、N−メチル−N−ブチルアミノフェニル基等が挙げられる。
【0027】
アリールアミンポリマー(1)において、Ar
1およびAr
2は、各々独立して、炭素数6〜60の芳香族基または炭素数4〜20のヘテロ芳香族基を表し、これらは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基を有するジアルキルアミノ基からなるフェニル基を有してもよい。
【0028】
Ar
1とAr
2は、合成の容易さを勘案すると、同一であることが望ましい。
【0029】
炭素数6〜60の芳香族基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、ビフェニリル基ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、ペリレニル基又はトリフェニレニル基等を挙げることができる。
【0030】
炭素数4〜20のヘテロ芳香族基としては、特に限定するものではないが、例えば、フラニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基、2−ピラジル基、4−ピラジル基、5−ピラジル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、9−アクリジル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、4−ベンゾチアゾリル基、5−ベンゾチアゾリル基、6−ベンゾチアゾリル基、7−ベンゾチアゾリル基、キナゾリル基、キノキサリル基、1,6−ナフチリジン−2−イル基、1,8−ナフチリジン−2−イル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基2−チアゾリル基、インドリジル基、アザインドリジル基等を挙げることができる。
【0031】
炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基については、R
1、R
2で定義した置換基と同じ置換基を表す。
【0032】
なお、Ar
1およびAr
2としては、各々独立して、下記一般式(3)〜(7)のいずれかが好ましく、一般式(3)であることがさらに好ましい。
【0034】
(上記一般式(3)〜(7)において、
R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、およびR
9は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基を表す。
cは0〜5の整数を表す。)
R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、およびR
9として表される炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基については、R
1およびR
2で定義した置換基と同じ置換基を表す。
【0035】
アリールアミンポリマー(1)において、Ar
3は、炭素数6〜60のアリーレン基または炭素数4〜20のヘテロアリーレン基を表し、これらは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基を有してもよい。
【0036】
炭素数6〜60のアリーレン基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニレン基、ビフェニリレン基、ナフタレンジル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、ターフェニリレン基、フェナントラセンジイル基、ペリレンジイル基又はトリフェニレンジイル基等を挙げることができる。
【0037】
炭素数4〜20のヘテロアリーレン基としては、特に限定するものではないが、例えば、フランジル基、ベンゾフランジイル基、ジベンゾフランジイル基、チエニレン基、ベンゾチエニレン基、ジベンゾチエニレン基、ピリジレン基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、キノリンジイル基、イソキノリンジイル基、アクリジンジイル基、ベンゾチアゾリンジイル基、キナゾリンジイル基、キノキサリンジイル基、1,6−ナフチリジンジイル基、1,8−ナフチリジンジイル基等を挙げることができる。
【0038】
炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基については、R
1、R
2で定義した置換基と同じ置換基を表す。
【0039】
cは0〜5の整数を表す。このうち、原料調達や製造プロセスの点から、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがさらに好ましい。
【0040】
なお、Ar
3としては、下記一般式(8)〜(12)のいずれかが好ましく、一般式(8)であることがさらに好ましい。
【0042】
(上記一般式(8)〜(12)において、
R
10、R
11、R
12、R
13、およびR
14は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基を表す。なお、R
13とR
14は結合して環状化合物を形成してもよい。
mは1〜3の整数、pは1〜2の整数を表す。
Aは酸素原子または硫黄原子を表す。)
R
10、R
11、R
12、R
13、R
14として表される炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基を有するジアルキルアミノ基を有するフェニル基については、R
1、R
2で定義した置換基と同じ置換基を表す。
【0043】
また、アリールアミンポリマー(1)については、発光特性、耐久性の点から、末端が下記一般式(2)
【0045】
(式中、Ar
4は、炭素数6〜60の芳香族基、または炭素数4〜20のヘテロ芳香族基を表し、これらは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基を有してもよい。)
で表される置換基であることが好ましい。
【0046】
Ar
4における、炭素数6〜60の芳香族基、炭素数4〜20のヘテロ芳香族基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基と同じ定義を表す。
【0047】
本発明のアリールアミンポリマー(1)において、aおよびbは、各々独立して、1〜3の整数を表す。このうち、発光特性、耐久性の点から、aおよびbは、各々独立して、1または2であることが好ましく、共に1であることが特に好ましい。
【0048】
なお、一般式(1)で表される繰り返し単位において、フルオレン環に結合したフェニル基と窒素原子との結合の位置は限定されるものでなく、オルト位、メタ位、パラ位の何れであってもよいが、このうち、発光特性、耐久性の点から、パラ位であることが好ましい。
【0049】
本発明のアリールアミンポリマー(1)は、特に限定するものではないが、下記一般式(16)〜(19)であることが特に好ましい。
【0051】
(上記一般式(16)〜(19)中、
R
1、R
2、R
16〜R
35は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基を表す。
dは2以上の整数を表す。
Aは酸素原子または硫黄原子を表す。)
R
1、R
2、R
16〜R
35として表される炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基については、R
1、R
2で定義した置換基と同じ置換基を表す。
【0052】
なお、アリールアミンポリマー(1)は、その最低励起三重項エネルギー(T
1)が2.50eV以上3.25eV以下であることが、燐光有機ELの発光効率に優れる点で、好ましい。
【0053】
次に本発明のアリールアミンポリマー(1)の製造方法について説明する。
【0054】
本発明のアリールアミンポリマー(1)は特に限定するものではないが、下記反応式で示されるように種々のアリーレンジハライドとアリールアミンまたはアリーレンジハライドとアリーレンジアミンを、トリアルキルホスフィン及び/またはパラジウム化合物からなる触媒並びに塩基の存在下、重合させることよって合成できる。
【0056】
(反応式1〜3において、
Ar
1、Ar
2、Ar
3、R
1、およびR
2は、各々独立して、一般式(1)と同じ定義を表す。
X
1、X
2、X
3、およびX
4は、各々独立して、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子を表す。
eは2以上の整数を表す。)
さらに上記の重合反応で得られた一般式(13a)または一般式(13b)で表される繰り返し単位を有するアリールアミンポリマーに対し、パラジウム触媒並びに塩基の存在下に、下記一般式(14)
【0058】
(式中、
Ar
5は、炭素数6〜60の芳香族基または炭素数4〜20のヘテロ芳香族基を表し、これらは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基を有してもよい。
Xはハロゲン原子をあらわす。)
で表されるアリールハライド及び/または一般式(15)
【0060】
(式中、Ar
6およびAr
7は、各々独立して、炭素数6〜60の芳香族基または炭素数4〜20のヘテロ芳香族基を表し、これらは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜18のアルコキシ基を有するフェニル基、ハロゲン化フェニル基、または炭素数1〜6の異なっていてもよいアルキル基からなるジアルキルアミノ基を有するフェニル基を有してもよい。)
で表されるアリールアミンを反応させることにより、反応末端を保護したアリールアミンポリマー(1)を簡便かつ効率的に製造することが出来る。
【0061】
上記一般式(14)で表されるアリールハライドとしては、特に限定するものではないが、例えば、ブロモベンゼン類(ブロモベンゼン、2−ブロモトルエン、3−ブロモトルエン、4−ブロモトルエン、2−ブロモ−m−キシレン、2−ブロモ−p−キシレン、3−ブロモ−o−キシレン、4−ブロモ−o−キシレン、4−ブロモ−m−キシレン、5−ブロモ−m−キシレン、1−ブロモ−2−エチルベンゼン、1−ブロモ−4−エチルベンゼン、1−ブロモ−4−プロピルベンゼン、1−ブロモ−4−n−ブチルベンゼン、1−ブロモ−4−t−ブチルベンゼン、1−ブロモ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−ブロモアニソール、3−ブロモアニソール、4−ブロモアニソール、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、2−ブロモビフェニル、3−ブロモビフェニル、4−ブロモビフェニル、9−ブロモアントラセン、9−ブロモフェナンスレン、N−メチル−3−ブロモカルバゾール、N−エチル−3−ブロモカルバゾール、N−プロピル−3−ブロモカルバゾール、N−ブチル−3−ブロモカルバゾール、2−ブロモフルオレン、2−ブロモ−9,9−ジメチル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジエチル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジイソプロピル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−n−ブチル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−t−ブチル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−sec−ブチル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−n−ヘキシル−フルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチル−フルオレン等)、クロロベンゼン類(クロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、3−クロロ−o−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、4−クロロ−m−キシレン、5−クロロ−m−キシレン、1−クロロ−2−エチルベンゼン、1−クロロ−4−エチルベンゼン、1−クロロ−4−プロピルベンゼン、1−クロロ−4−n−ブチルベンゼン、1−クロロ−4−t−ブチルベンゼン、1−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−クロロアニソール、3−クロロアニソール、4−クロロアニソール、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、2−クロロビフェニル、3−クロロビフェニル、4−クロロビフェニル、9−クロロアントラセン、9−クロロフェナンスレン、N−メチル−3−クロロカルバゾール、N−エチル−3−クロロカルバゾール、N−プロピル−3−クロロカルバゾール、N−ブチル−3−クロロカルバゾール、2−クロロフルオレン、2−クロロ−9,9−ジメチル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジエチル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジイソプロピル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−n−ブチル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−t−ブチル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−sec−ブチル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−n−ヘキシル−フルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−n−オクチル−フルオレン等)、及び、ヨードベンゼン類(ヨードベンゼン、2−ヨードトルエン、3−ヨードトルエン、4−ヨードトルエン、2−ヨード−m−キシレン、2−ヨード−p−キシレン、3−ヨード−o−キシレン、4−ヨード−o−キシレン、4−ヨード−m−キシレン、5−ヨード−m−キシレン、1−ヨード−2−エチルベンゼン、1−ヨード−4−エチルベンゼン、1−ヨード−4−プロピルベンゼン、1−ヨード−4−n−ブチルベンゼン、1−ヨード−4−t−ブチルベンゼン、1−ヨード−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−ヨードアニソール、3−ヨードアニソール、4−ヨードアニソール、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、2−ヨードビフェニル、3−ヨードビフェニル、4−ヨードビフェニル、9−ヨードアントラセン、9−ヨードフェナンスレン、N−メチル−3−ヨードカルバゾール、N−エチル−3−ヨードカルバゾール、N−プロピル−3−ヨードカルバゾール、N−ブチル−3−ヨードカルバゾール、2−ヨードフルオレン、2−ヨード−9,9−ジメチル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジエチル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジイソプロピル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−n−ブチル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−t−ブチル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−sec−ブチル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−n−ヘキシル−フルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−n−オクチル−フルオレン等)を例示することができる。
【0062】
上記一般式(15)で表されるアリールアミンとしては、特に限定するものではないが、例えば、ジフェニルアミン、ジ−p−トリルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン等を例示することができる。
【0063】
パラジウム触媒の触媒成分として使用できるパラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、4価のパラジウム化合物類(例えば、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等)、2価のパラジウム化合物類(例えば、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウム(II)トリフルオロアセテート等)、及び0価のパラジウム化合物類(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)を挙げることができる。
【0064】
パラジウム触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、反応式(1)で表されるアリーレンジハライドとアリールアミンとの反応、反応式(2)で表されるアリーレンジハライドとアリーレンジアミンとの反応、反応式(3)で表されるアリーレンジハライドとアリーレンジアミンとの反応において、原料のアリーレンジハライドのハロゲン原子1モルに対し、0.00001〜20モル%(パラジウム原子換算)の範囲であり、高価なパラジウム化合物を使用することから、原料のアリーレンジハライドのハロゲン原子1モルに対し、0.001〜5モル%(パラジウム原子換算)の範囲であることが好ましい。
【0065】
本発明の方法において、パラジウム触媒の触媒成分として使用することができる配位子としては、特に限定するものではないが、パラジウムに配位可能なものであればよく、例えばトリアルキルホスフィン類、アリールホスフィン類、カルベン系配位子等が挙げられる。
【0066】
本発明の方法において、トリアルキルホスフィン類としては、特に限定するものではないが、例えば、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等が挙げられる。これらのうち触媒として特に高い反応活性を有することから、トリ−tert−ブチルホスフィンを使用することが好ましい。
【0067】
また、本発明の方法において、アリールホスフィン類としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、トリメシチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノフェロセン等が挙げられる。
【0068】
また、カルベン系配位子としては、例えば、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン塩酸塩等が挙げられる。
【0069】
配位子の使用量は、特に限定するものではないが、パラジウム化合物1モルに対して、通常0.01〜10000倍モルの範囲で使用すればよく、高価なトリアルキルホスフィン、アリールホスフィン、カルベン系配位子を使用することから、好ましくはパラジウム化合物1モルに対して、0.1〜10倍モルの範囲である。
【0070】
パラジウム触媒の添加方法としては、特に限定するものではなく、反応系にそれぞれ触媒成分として単独に加えても良いし、予めこれら触媒成分よりなる錯体の形に調製したものを添加してもよい。
【0071】
塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、ナトリウム,カリウムの炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド等の無機塩基、または3級アミン等の有機塩基が挙げられる。これらのうち、好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドであり、それらは反応系にそのまま加えても、また、アルカリ金属、水素化アルカリ金属または水酸化アルカリ金属とアルコールとからその場で調製して反応系に供してもよい。より好ましくは、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の3級アルコキシドを反応系にそのまま加える方法である。
【0072】
塩基の使用量は、特に限定するものではないが、例えば、反応式(1)で表されるアリーレンジハライドとアリールアミンとの反応、反応式(2)で表されるアリーレンジハライドとアリーレンジアミンとの反応または反応式(3)で表されるアリーレンジハライドとアリーレンジアミンとの反応においては、好ましくは反応系に添加するアリーレンジハライドのハロゲン原子に対して1.0倍モル以上であり、反応終了後の後処理操作を考慮すれば、1〜20倍モルの範囲がより好ましい。
【0073】
本発明のアリールアミンポリマー(1)の製造は、通常は不活性溶媒存在下で実施することが好ましい。使用する溶媒としては、本反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒である。
【0074】
本発明のアリールアミンポリマー(1)の製造は、好ましくは常圧下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施するが、例え加圧条件であっても実施することは可能である。
【0075】
本発明の方法において反応温度は、アリールアミンポリマー(1)を製造することが可能な反応温度であれば特に限定するものではないが、通常20〜300℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜150℃の範囲である。
【0076】
本発明の製造方法において反応時間は、アリールアミンポリマー(13a)または(13b)、触媒量、反応温度等により一定ではないため特に限定するものではないが、多くの場合、数分〜72時間の範囲から選択すればよい。好ましくは24時間未満である。
【0077】
本発明の製造方法においては、反応式(1)、反応式(2)または反応式(3)で表せる重合反応から製造されるアリールアミンポリマー(13a)または(13b)と一般式(14)で表されるアリールハライド及び/または一般式(15)で表されるアリールアミンとの反応は、上述の重合反応の後、同一反応内で連続して行なってもよいし、重合反応の後、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するアリールアミンポリマー(13a)または(13b)を回収後、新たに仕込みなおして、行ってもよい。
【0078】
本発明のアリールアミンポリマー(1)は、特に限定するものではないが、例えば、再沈殿等により精製することができる。また、不純物の除去のためにシリカゲルや活性アルミナ等による吸着処理を行うことも可能である。
【0079】
本発明のアリールアミンポリマー(1)の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン換算で1,000〜100,000の範囲であり、より好ましくは1,500〜50,000の範囲である。
【0080】
本発明のアリールアミンポリマー(1)は、電界効果トランジスタ、光機能素子、色素増感太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子等の電子素子における導電性高分子材料として使用される。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送材料、発光材料およびバッファー材料として極めて有用である。
【0081】
本発明の有機EL素子は、本発明のアリールアミンポリマー(1)を含有する有機層を備えていれば、素子構造は特に限定されない。
【0082】
本発明のアリールアミンポリマー(1)は、溶解性に優れることから、例えば、これら材料の溶液、混合液、または溶融液を使用して、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等の従来公知の塗布法によって、前記素子を簡便に作製することができる。また、インクジェット法、ラングミュア−ブロジェット法等によっても容易に作製することができる。
【実施例】
【0083】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0084】
実施例1 アリールアミンポリマー(20)の合成
冷却管、温度計を装着した200mL四つ口丸底フラスコに、室温下、9,9−ビス(4−ブロモフェニル)フルオレン[化合物(20−a)] 5.20g(9.12mmol)、4−n−ブチルアニリン 1.43g(9.58mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 7.01g(73.0mmol)及びo−キシレン 82gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 41.8mg(0.046mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 73.8mg(0.365mmol)のo−キシレン(0.30g)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
【0085】
3時間後、ブロモベンゼン 0.289g(1.84mmol)を添加し、3時間反応を行った。更にジフェニルアミン 3.39g(20.1mmol)を添加し、3時間反応を行なった。
【0086】
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、90%エタノール水溶液(1000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、エタノール、水、エタノールの順番で洗浄した後、減圧乾燥して白色固体を得た(収率33%)。
【0087】
得られたポリマーをTHF系GPC(東ソー製:HLC−8220;カラム:TSKgelSuperH3000−TSKgelSuperH2000−TSKgelSuperH1000(いずれも東ソー製))にて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量1,900および数平均分子量1,600(分散度1.2)であった。また、DSC分析からアリールアミンポリマー(20)のガラス転移温度は151℃であった。
【0088】
HOMOの準位は理研計器株式会社製AC−3を用いて測定し、LUMOの準位はアリールアミンポリマー(20)のTHF溶液中におけるUV−vis吸収スペクトルの吸収端からエネルギーギャップ(Eg)を算出し、HOMOから差し引くことで求めた。HOMO準位は5.60eV、LUMO準位は2.06eVであった。
【0089】
元素分析の測定結果を表1に示す。元素分析の理論値は、理論的にすべての原料が反応して得られるポリマー構造に基づいて算出した。
【0090】
【化9】
【0091】
【表1】
【0092】
実施例2 アリールアミンポリマー(21)の合成
冷却管、温度計を装着した100ml四つ口丸底フラスコに、室温下、9,9−ビス(4−ブロモフェニル)フルオレン 1.50g(2.63mmol)、p−トルイジン 0.28g(2.63mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 2.02g(21.0mmol)及びo−キシレン 30gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 48.2mg(0.053mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 85.8mg(0.424mmol)のo−キシレン(0.34g)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
【0093】
3時間後、ブロモベンゼン 0.165g(1.05mmol)を添加し、3時間反応を行った。更にジフェニルアミン 1.04g(6.31mmol)を添加し、3時間反応を行なった。
【0094】
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、90%エタノール水溶液(1000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、エタノール、水、エタノールの順番で洗浄した後、減圧乾燥して白色固体を得た(収率68%)。
【0095】
得られたポリマーをTHF系GPCにて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量2,900および数平均分子量1,700(分散度1.7)であった。また、DSC分析からアリールアミンポリマー(21)のガラス転移温度は172℃であった。
【0096】
HOMO準位は5.62eV、LUMO準位は2.09eVであった。
【0097】
元素分析の測定結果を表2に示す。元素分析の理論値は、理論的にすべての原料が反応して得られるポリマー構造に基づいて算出した。
【0098】
【化10】
【0099】
【表2】
【0100】
実施例3 アリールアミンポリマー(22)の合成
実施例2においてp−トルイジンの代わりにp−アニシジン 0.32(2.63mmol)を使用した以外は同様の操作を行ない、アリールアミンポリマー(22)を得た(収率55%)。
【0101】
得られたポリマーをTHF系GPCにて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量4,000および数平均分子量2,900(分散度1.4)であった。また、DSC分析からアリールアミンポリマー(22)のガラス転移温度は166℃であった。
【0102】
HOMO準位は5.58eV、LUMO準位は2.03eVであった。
【0103】
元素分析の測定結果を表3に示す。元素分析の理論値は、理論的にすべての原料が反応して得られるポリマー構造に基づいて算出した。
【0104】
【化11】
【0105】
【表3】
【0106】
実施例4 アリールアミンポリマー(23)の合成
冷却管、温度計を装着した200mL四つ口丸底フラスコに、室温下、9,9−ビス(4−ブロモフェニル)フルオレン 5.00g(8.77mmol)、p−トルイジン 3.76g(35.1mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 3.37g(35.1mmol)及びo−キシレン 88gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製した酢酸パラジウム 39.4mg(0.175mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 142mg(0.70mmol)のo−キシレン(0.57g)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
【0107】
反応終了後、80℃で純水 50gを加えた後、攪拌しながら室温まで冷却した。トルエン 200mLで2回抽出し、有機層を合わせ飽和食塩水 200mLで洗浄した。有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに通液し、減圧蒸留により有機溶媒を留去した。残渣をトルエン溶媒で再結晶により精製し、薄い黄褐色の固体を得た。得られた固体をメタノール 300mLと混合し、懸濁液を室温下、2時間攪拌し、減圧濾過して、9,9−ビス(N−フェニルアミノフェニル)フルオレン[化合物(23−a)]の白色固体を2.2g取得した。
【0108】
【化12】
【0109】
冷却管、温度計を装着した100ml四つ口丸底フラスコに、室温下、化合物(23−a) 0.50g(0.95mmol)、1,4−ジヨードベンゼン 0.30g(0.90mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.69g(7.20mmol)及びo−キシレン 20gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 8.7mg(0.009.5mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 15.4mg(0.034mmol)のo−キシレン(61.5mg)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
【0110】
3時間後、ブロモベンゼン 31.4mg(0.20mmol)を添加し、3時間反応を行った。更にジフェニルアミン 0.338g(2.00mmol)を添加し、3時間反応を行なった。
【0111】
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、90%エタノール水溶液(1000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、エタノール、水、エタノールの順番で洗浄した後、減圧乾燥して白色固体を得た(収率70%)。
【0112】
得られたポリマーをTHF系GPCにて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量5,900および数平均分子量2,300(分散度2.6)であった。また、DSC分析からアリールアミンポリマー(23)のガラス転移温度は141℃であった。
【0113】
HOMO準位は5.30eV、LUMO準位は1.90eVであった。
【0114】
元素分析の測定結果を表4に示す。元素分析の理論値は、理論的にすべての原料が反応して得られるポリマー構造に基づいて算出した。
【0115】
【化13】
【0116】
【表4】
【0117】
実施例5 アリールアミンポリマー(24)の合成
実施例4において1,4−ジヨードベンゼンの代わりに3,3’―ジブロモビフェニル 0.28(0.90mmol)を使用した以外は同様の操作を行ない、アリールアミンポリマー(24)を得た(収率43%)。
【0118】
得られたポリマーをTHF系GPCにて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量5,500および数平均分子量2,500(分散度2.2)であった。また、DSC分析からアリールアミンポリマー(24)のガラス転移温度は164℃であった。
【0119】
HOMO準位は5.45eV、LUMO準位は1.95eVであった。
【0120】
元素分析の測定結果を表5に示す。
【0121】
【化14】
【0122】
【表5】
【0123】
実施例6 アリールアミンポリマー(20)の三重項準位の測定
サンプルチューブ内でアリールアミンポリマー(20) 1mgと2−メチルテトラヒドロフラン 1mLとをよく混合し、均一な溶液を調製した。この溶液を窒素ガスで10分間バブリングすることによって脱気した後、このサンプルチューブを密栓し、燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出されたアリールアミンポリマー(20)の三重項準位は、2.87eVであった。
【0124】
実施例7 アリールアミンポリマー(21)の三重項準位の測定
実施例6においてアリールアミンポリマー(20)の代わりにアリールアミンポリマー(21)を用いた以外は同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出されたアリールアミンポリマー(21)の三重項準位は、2.87eVであった。
【0125】
実施例8 アリールアミンポリマー(22)の三重項準位の測定
実施例6においてアリールアミンポリマー(20)の代わりにアリールアミンポリマー(22)を用いた以外は同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出されたアリールアミンポリマー(21)の三重項準位は、2.87eVであった。
【0126】
実施例9 アリールアミンポリマー(23)の三重項準位の測定
実施例6においてアリールアミンポリマー(20)の代わりにアリールアミンポリマー(23)を用いた以外は同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出されたアリールアミンポリマー(23)の三重項準位は、2.63eVであった。
【0127】
実施例10 アリールアミンポリマー(24)の三重項準位の測定
実施例6においてアリールアミンポリマー(20)の代わりにアリールアミンポリマー(24)を用いた以外は同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出されたアリールアミンポリマー(24)の三重項準位は、2.76eVであった。
【0128】
実施例11(素子の作製と評価)
厚さ200nmのITO透明電極を有するガラス基板をアセトン、イソプロピルアルコールで順次超音波洗浄し、次いで、イソプロピルアルコールで煮沸洗浄した後、乾燥した。更に、UV/オゾン処理したものを透明導電性支持基板として使用した。
【0129】
この基板上に、ポリ−N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(ADS254BE:アメリカン・ダイ・ソース社製) 0.5wt%クロロベンゼン溶液を用いてスピンコート法により30nmの厚みで成膜し、160℃で3時間乾燥した。続けてその上に、アリールアミンポリマー(20)の0.5wt%トルエン溶液を用いてスピンコート法により50nmの厚みで成膜し、160℃で3時間乾燥した。さらにアルミニウムの8−キノリノール錯体(Alq
3、50nm)を蒸着した。なお、上記蒸着条件は、真空度1.0×10
−4Pa、成膜速度0.3nm/秒の同一条件で成膜した。
【0130】
次に、フッ化リチウム(0.8nm)、アルミニウム(150nm)の順に蒸着し、金属電極を形成した。
【0131】
更に、窒素雰囲気下、保護用ガラス基板を重ね、有機EL用シール剤を3時間、80℃で加熱硬化させ、接着して封止した。
【0132】
以上の様にして作製したEL素子に、ITO電極を正極、LiF−Al電極を負極にして、20mA/cm
2の電流を印加時の、発光特性(駆動電圧、発光効率、電流効率)を表6に示す。
【0133】
実施例12(素子の作製と評価)
実施例11において、アリールアミンポリマー(20)の代わりにアリールアミンポリマー(21)を用いた他は、実施例11と同様に素子を作製した。発光特性を表6に示す。
【0134】
実施例13(素子の作製と評価)
実施例11において、アリールアミンポリマー(20)の代わりにアリールアミンポリマー(22)を用いた他は、実施例11と同様に素子を作製した。発光特性を表6に示す。
【0135】
実施例14(素子の作製と評価)
実施例11において、アリールアミンポリマー(20)の代わりにアリールアミンポリマー(23)を用いた他は、実施例11と同様に素子を作製した。発光特性を表6に示す。
【0136】
実施例15(素子の作製と評価)
実施例11において、アリールアミンポリマー(20)の代わりにアリールアミンポリマー(24)を用いた他は、実施例11と同様に素子を作製した。発光特性を表6に示す。
【0137】
比較例1
実施例10において、アリールアミンポリマー(20)をスピンコート法で成膜する代わりに、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPB)を蒸着して成膜した以外は、実施例10と同様に素子を作成した。発光特性を表6に示す。なお、α−NPBは真空度1.0×10
−4Pa、成膜速度0.3nm/秒の条件で成膜した。
【0138】
【表6】