特許第5984821号(P5984821)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5984821シラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体の紫外線吸収剤としての使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5984821
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】シラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体の紫外線吸収剤としての使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20160823BHJP
   A61K 8/58 20060101ALI20160823BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20160823BHJP
   C07F 7/10 20060101ALI20160823BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   A61K8/898
   A61K8/58
   A61Q17/04
   C07F7/10 S
   C09K3/00 104B
【請求項の数】12
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2013-534321(P2013-534321)
(86)(22)【出願日】2011年10月20日
(65)【公表番号】特表2013-540144(P2013-540144A)
(43)【公表日】2013年10月31日
(86)【国際出願番号】EP2011068303
(87)【国際公開番号】WO2012052499
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2014年10月15日
(31)【優先権主張番号】10188474.0
(32)【優先日】2010年10月22日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/405,651
(32)【優先日】2010年10月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,バーバラ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツォーク,ベルント
【審査官】 手島 理
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−503112(JP,A)
【文献】 特開2000−063388(JP,A)
【文献】 特開平10−251273(JP,A)
【文献】 特開平08−188581(JP,A)
【文献】 特開2005−239722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8
A61Q
C07F 7/10
C09K 3/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】
[式中、
nは1であり、
Xは* -L-Silであり、
Lは式(2):
【化2】
の基から選択されるリンカーであり、
R4、R5、R6及びR7は、互いに独立して、水素、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールであり、
bは0〜30であり、
cは0〜6であり、
dは0〜1であり
Silは、互いに独立して、シラン-、オリゴシロキサン又はポリシロキサン部分である]
で表されるシラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体の紫外線吸収剤としての使用。
【請求項2】
Silが、互いに独立して、
Si(R1)m[OSi(R2)]o
(式中、mは0、1又は2であり、
oは3、2又は1であり、
mとoとの合計は3であり、
R1及びR2は、互いに独立して、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールである)
から選択されるオリゴシロキサン部分である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
シラン基が、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、トリイソプロピルシラン、ジメチルtert-ブチルシラン、ジメチルヘキシルシラン、トリフェニルシラン及びジメチルフェニルシランから選択される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
式(2)において、
R4及びR5が、互いに独立して、水素又はC1〜C22アルキルであり、
bが1〜30であり、
c及びdが0である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
式(2)において、R4及びR5が互いに独立して水素又はC1〜C5アルキルである、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
式(2)において、R4及びR5が互いに独立して水素又はメチルである、請求項4又は5に記載の使用。
【請求項7】
式(2)において、bが1〜5である、請求項46のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
Xが式(3):
【化3】
[式中、
「アルキレン」は直鎖又は分岐C2〜C12アルキレンを示し、
R8、R9及びR10は、互いに独立して、C1〜C22アルキル又はC1〜C22アルコキシ又は式(3a):
【化4】
(R11、R12及びR13は、互いに独立して、C1〜C22アルキル又はC1〜C22アルコキシであり、
eは0〜30である)
の基である]
に対応する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
Xが式:
【化5】
(式中、p及びqは、互いに独立して1〜20である)
の基である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
p及びqが、互いに独立して3〜15である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
式(1):
【化6】
[式中、
nは1であり、
Xは* -L-Silであり、
Lは式(2):
【化7】
の基から選択されるリンカーであり、
R4、R5、R6及びR7は、互いに独立して、水素、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールであり、
bは0〜30であり、
cは0〜6であり、
dは0〜1であり
Silは、互いに独立して、シラン-、オリゴシロキサン又はポリシロキサン部分である]
シラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体
【請求項12】
式(1)
【化8】
[式中、
nは1であり、
Xは* -L-Silであり、
Lは式(2):
【化9】
の基から選択されるリンカーであり、
R4、R5、R6及びR7は、互いに独立して、水素、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールであり、
bは0〜30であり、
cは0〜6であり、
dは0〜1であり、
Silは、互いに独立して、シラン-、オリゴシロキサン又はポリシロキサン部分である]
で表されるトリアジン誘導体及び少なくとも1種の化粧品に許容される担体を含む化粧品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規シラン、シロキサン又はポリシロキサンビス-ビフェニル-トリアジン誘導体の紫外線吸収剤としての使用並びに日焼け止め剤及び/又は化粧品組成物におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線(紫外光)がヒトの皮膚に有害であることはよく知られている。紫外線は、波長に応じて、異なるタイプの皮膚傷害を引き起こす。UV-B線(約290〜約320nm)は、日光皮膚炎の原因であり、皮膚がんを引き起こし得る。UV-A線(約320〜約400nm)は、皮膚の日焼けを引き起こすが、さらに日光皮膚炎及び皮膚がん誘発の一因にもなる。さらに、UV-B線の悪影響はUV-A線によって増大され得る。
【0003】
従って、効果的な日焼け止め製剤は、ヒトの皮膚が日光による傷害を受けるのを防止するために、好ましくは、少なくとも1種のUV-A及びUV-Bフィルターと約290nm〜約400nmの全範囲にわたる広帯域紫外線フィルターの両方を含む。
【0004】
紫外線フィルターは、日射に対するその遮断力に加えて、さらに、水及び汗に対する耐性並びに十分な光安定性を有するべきである。
【0005】
残念ながら、多くの効果的な有機紫外線フィルターは、特定の濃度において油への溶解度が低く、結晶化する傾向がある。結果として、紫外線保護効率は有意に減少する。
【0006】
ブチルメトキシジベンゾイルメタン(商品名「Parsol 1789」でDSMにより市販されている)のような親油性紫外線フィルターがあることが知られているが、それも、特に周囲温度で固体であるという点で不利である。結果として、日焼け止め化粧品組成物におけるその使用には、その製剤化及びその使用の面で、特に、これらの紫外線フィルターに適切な溶解度を与える特定の好適な化粧品用溶媒の選択の面で、ある程度制限があることが示唆される。従って、紫外線フィルターは、通常の化粧品用油における高い溶解度を示すべきであるか、又は、低い油溶性を示す他の紫外線フィルターのための優れた溶媒であるべきである。
【0007】
さらに、油溶性紫外線フィルターは、エマルションの官能特性に影響を与えることなく、化粧用サンケア製品に含まれるべきである。このため、塗布後に皮膚に残るハイドロ脂質(hydro-lipid)フィルム中の紫外線吸収剤の最適な分布が保証されるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、紫外線吸収剤について改善された性質を有する紫外線吸収剤製剤を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
意外にも、特定のシラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体が化粧品用UV-B吸収剤として非常に優れた特性を有することが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0010】
従って、本発明は、以下の一般式(1):
【化1】
【0011】
[式中、
nは1〜4であり、
n = 1の場合、
Xは* -L-Sil又は式:
【化2】
【0012】
の基であり、
Lは式(2):
【化3】
【0013】
の基から選択されるリンカーであり、
R1、R2、R3は、互いに独立して、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールであり、
R4、R5、R6及びR7は、互いに独立して、水素、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールであり、
bは0〜30であり、
cは0〜6であり、
dは0〜1であり、
pは1〜250であり、
qは0〜250であり、
Sil、Sil1及びSil2は、互いに独立して、シラン-、オリゴシロキサン又はポリシロキサン部分であり、
n = 2の場合、
Xは、式(1a):
【化4】
【0014】
又は式(1b):
【化5】
【0015】
の2価の基であり、
xは2〜250であり、
yは0〜250であり、
zは1〜50であり、
n = 3の場合、
Xは、シラン-、オリゴシロキサン又はポリシロキサン部分を含有する3価の基であり、
n = 4の場合、
Xは、式(1c):
【化6】
【0016】
の4価の基であり、
Aは式:
【化7】
【0017】
の基である]
で表されるシラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体の紫外線吸収剤としての使用に関する。
【0018】
nが1〜4であり、
n = 1の場合、
Xが* -L-Silであり、
Lが式(2):
【化8】
【0019】
の基から選択されるリンカーであり、
R4、R5、R6及びR7が、互いに独立して、水素、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールであり、
bが0〜30であり、
cが0〜6であり、
dが0〜1であり、
Sil、Sil1及びSil2が、互いに独立して、シラン-、オリゴシロキサン又はポリシロキサン部分であり、
R1、R2、R3が、互いに独立して、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールであり、
xが2〜250であり、
yが0〜250であり、
zが1〜50であり、
n = 3の場合、
Xがシラン-、オリゴシロキサン又はポリシロキサン部分を含有する3価の基であり、
n = 4の場合、
Xが式(1c)の4価の基である、式(1)の化合物が好ましい。
【0020】
好ましくは、Silは、
Si(R1)m[OSi(R2)]o
(式中、mは0、1又は2であり、
oは3、2又は1であり、
mとoとの合計は3であり、
R1及びR2は、互いに独立して、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールである)
から選択されるオリゴシロキサン部分である。
【0021】
好ましいシラン基はトリメチルシラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、トリイソプロピルシラン、ジメチルtert-ブチルシラン、ジメチルヘキシルシラン、トリフェニルシラン、ジメチルフェニルシラン等である。
【0022】
また、本明細書に記載されるビスビフェニルトリアジンの混合物の使用も好ましい。
【0023】
R4及びR5が、互いに独立して、水素又はC1〜C22アルキルであり、
bが1〜30であり、
c及びdが0である、
式(2)の化合物が好ましい。
【0024】
R4及びR5が互いに独立して水素又はC1〜C5アルキルである式(2)の化合物、又は、R4及びR5が互いに独立して水素又はメチルである式(2)の化合物がより好ましい。
【0025】
bが1〜5である式(2)の化合物が最も好ましい。
【0026】
Xが式(3):
【化9】
【0027】
[式中、
「アルキレン」は直鎖又は分岐C2〜C12アルキレンを示し、
R8、R9及びR10は、互いに独立して、C1〜C22アルキル又はC1〜C22アルコキシ又は式(3a):
【化10】
【0028】
(R11、R12及びR13は、互いに独立して、C1〜C22アルキル又はC1〜C22アルコキシであり、
eは0〜30である)
の基である]
に対応する式(1)の化合物が最も好ましい。
【0029】
Xが式:
【化11】
【0030】
(式中、p及びqは、互いに独立して1〜20であり、最も好ましくは3〜15である)
の基である式(1)の化合物も好ましい。
【0031】
本発明によるビスビフェニルトリアジン化合物の例を以下で表1に列挙する。
【表1】
【0032】
式(1)の化合物は新規である。
【0033】
従って、本発明は、さらに、式(1):
【化12】
【0034】
[式中、
nは1〜4であり、
n = 1の場合、
Xは* -L-Sil又は式:
【化13】
【0035】
の基であり、
Lは式(2):
【化14】
【0036】
の基から選択されるリンカーであり、
R4、R5、R6及びR7は、互いに独立して、水素、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールであり、
bは0〜30であり、
cは0〜6であり、
dは0〜1であり、
pは1〜250であり、
qは0〜250であり、
Sil、Sil1及びSil2は、互いに独立して、シラン-、オリゴシロキサン又はポリシロキサン部分であり、
n = 2の場合、
Xは、式(1a):
【化15】
【0037】
又は式(1b):
【化16】
【0038】
の2価の基であり、
R1、R2、R3は、互いに独立して、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールであり、
xは2〜250であり、
yは0〜250であり、
zは1〜50であり、
n = 3の場合、
Xは、シラン-、オリゴシロキサン又はポリシロキサン部分を含有する3価の基であり、
n = 4の場合、
Xは、式(1c):
【化17】
【0039】
の4価の基であり、
Aは式
【化18】
【0040】
の基である]
のシラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体にも関する。
【0041】
式(1)の化合物は一般式(1)(式中、基Xは、後にヒドロシリル化できる不飽和C-C結合を含有する)の化合物から開始するヒドロシリル化反応を用いて通常得ることができる。かかる化合物は、例えば、式(3)に対応する。
より好ましくは、基Xはアリル残基である。
ヒドロシリル化反応は以下の反応スキーム:
【化19】
【0042】
(式中、
R8は水素、C1〜C22アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C22アルコキシ又はO-C6〜C20アリールであり;
bは0〜30であり;
cは0〜6であり;
dは0〜1であり;
ここで、c又はdの少なくとも一方は0ではない)
に従って、不飽和化合物及びSiH含有シラン、オリゴシロキサン及びポリシロキサンの間で実施する。
【0043】
ヒドロシリル化反応はヒドロシリル化触媒の存在下で実施する。
好ましくは、触媒は白金(0)触媒であり、いわゆるKarstedt触媒が最も好ましい。
【0044】
一般に、ヒドロシリル化付加物の対応する位置異性体の混合物が形成する。
【0045】
以下の反応スキームはヒドロシリル化反応を例示する。
【化20】
【0046】
式(1)によるシラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体は、化粧品に許容される担体又は補助剤もさらに含む化粧品調製物中に、活性物質として有利に使用することができる。
【0047】
化粧品調製物は、式(1)によるシラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体の混合物に加えて、以下の物質群の1種以上の別の紫外線防止剤を含むこともできる。
【0048】
1.p-アミノ安息香酸誘導体類、例えば、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル、
2.サリチル酸誘導体類、例えば、サリチル酸2-エチルヘキシルエステル、
3.ベンゾフェノン誘導体類、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン及びその5-スルホン酸誘導体、
4.ジベンゾイルメタン誘導体類、例えば、1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、
5.ジフェニルアクリル酸類、例えば、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル及び2-シアノアクリル酸3-(ベンゾフラニル)、
6.3-イミダゾール-4-イルアクリル酸及びエステル類、
7.ベンゾフラン誘導体類、特に、EP-A-582 189、US-A-5,338,539、US-A-5,518,713、及びEP-A-613 893に記載されている2-(p-アミノフェニル)ベンゾフラン誘導体類、
8.ポリマー系紫外線吸収剤、例えば、EP-A-709 080に記載されているマロン酸ベンジリデン誘導体類、
9.ケイ皮酸誘導体類、例えば、4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルエステル及びイソアミルエステル、又はUS-A-5,601,811及びWO 97/00851に記載されているケイ皮酸誘導体類、
10.カンファー誘導体類、例えば、3-(4'-メチル)ベンジリデン-ボルナン-2-オン、3-ベンジリデンボルナン-2-オン、N-[2(及び4)-2-オキシボルン-3-イリデン-メチル)-ベンジル]アクリルアミドポリマー、3-(4'-トリメチルアンモニウム)-ベンジリデン-ボルナン-2-オンメチルスルフェート、3,3'-(1,4-フェニレン-ジメチン)-ビス(7,7-ジメチル-2-オキソ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸)及びそれらの塩類、3-(4'-スルホ)ベンジリデン-ボルナン-2-オン及びその塩類、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、
11.ヒドロキシフェニルトリアジン化合物類、例えば、2-(4'-メトキシフェニル)-4,6-ビス(2'-ヒドロキシ-4'-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-[4-(2-メトキシエチル-カルボキシル)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス{[4-(トリス(トリメチルシリルオキシ-シリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス{[4-(2"-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス{[4-(1',1',1',3',5',5',5'-ヘプタメチルトリシリル-2"-メチル-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-[4-エチルカルボキシ)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン、
12.ベンゾトリアゾール化合物類、例えば、2,2'-メチレン-ビス(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール
【化21】
【0049】

13.トリアニリノ-s-トリアジン誘導体類、例えば、2,4,6-トリアニリン-(p-カルボ-2'-エチル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン、並びにUS-A-5,332,568、EP-A-517 104、EP-A-507 691、WO 93/17002、及びEP-A-570 838に記載されている紫外線吸収剤、
14. 2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩、
15. o-アミノ安息香酸メンチル、
16. TiO2(様々にカプセル化されたもの)、ZnO、及び雲母。
【0050】
「Sunscreens」(N.J.Lowe、N.A.Shaath編、Marcel Dekker、Inc.、ニューヨーク及びバーゼル)又は「Cosmetics & Toiletries (107)、50ff(1992)」に記載されている紫外線吸収剤も、追加の紫外線防止物質として使用することができる。
【0051】
以下の表に示す光防止剤(light-protective agent)が特に好ましい。
【表2】
【0052】
上述の光防止剤、特に、好ましいとして示した上記表にある光防止剤はそれぞれ、本発明によるシラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体と混合して使用することができる。その点について、本発明のビス(ビフェニル)トリアジン誘導体の混合物に加え、2種以上の追加の光防止剤、例えば、2種、3種、4種、5種、又は6種の別の光防止剤を使用することも可能であると理解される。
【0053】
このような製剤の他の典型的な成分は、保存剤、殺菌剤及び静菌剤、香料、染料、顔料、増粘剤、保湿剤、保水剤、脂質、油、蝋、又は化粧品及びパーソナルケア製剤の他の典型的な成分、例えば、アルコール、多価アルコール、ポリマー、電解質、有機溶媒、ケイ素誘導体、皮膚軟化剤、乳化剤若しくは乳化性界面活性剤、界面活性剤、分散剤、抗酸化剤、刺激緩和剤(anti-irritant)、及び抗炎症剤などである。
【0054】
化粧品組成物は、例えば、組成物の全重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜15重量%、特に0.5〜10重量%の式(1)のシラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体、及び少なくとも1種の化粧品に許容される補助剤を含有する。
【0055】
化粧品組成物は、通常の方法を使用して式(1)のシラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体を補助剤と物理的に混合することにより、例えば、個々の成分を単に一緒に撹拌することにより、特に、既知の化粧品用紫外線吸収剤、例えば、特にOMC、サリチル酸イソオクチルエステルの溶解特性を活用することにより、調製できる。紫外線吸収剤は、例えば、それ以上処理せずに、又は微粉化された状態で、又は粉末の形態で使用することができる。
【0056】
化粧品組成物は、例えば、クリーム、ゲル、ローション、アルコール溶液及び水/アルコール溶液、エマルション、蝋/脂質組成物、スティック調製物、粉末、又は軟膏でよい。
【0057】
水及び油含有エマルション(例えば、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルション又はマイクロエマルション)としての組成物は、例えば、組成物の全重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜15重量%、特に0.5〜10重量%の式(1)のシラン及びシロキサンビス(ビフェニル)トリアジン誘導体、組成物の全重量に対して1〜60重量%、特に5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%の少なくとも1種の油成分、組成物の全重量に対して0〜30重量%、特に1〜30重量%、好ましくは4〜20重量%の少なくとも1種の乳化剤、組成物の全重量に対して10〜90重量%、特に30〜90重量%の水及び0〜88.9重量%、特に1〜50重量%の別の化粧品に許容される補助剤を含有する。
【0058】
油含有組成物(例えば、油、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルション又はマイクロエマルション)の油成分としては、例えば、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくGuerbetアルコール、直鎖C6〜C24脂肪酸と直鎖C3〜C24アルコールのエステル、分枝C6〜C13カルボン酸と直鎖C6〜C24脂肪アルコールのエステル、直鎖C6〜C24脂肪酸と分枝アルコール、特に2-エチルヘキサノールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖又は分枝C6〜C22脂肪アルコールのエステル、特にリンゴ酸ジオクチル、直鎖及び/又は分枝脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオール、又は三量体トリオール)及び/又はGuerbetアルコールとのエステル、C6〜C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6〜C18脂肪酸に基づく液体モノ/ジ/トリグリセリド混合物、C6〜C24脂肪アルコール及び/又はGuerbetアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、C2〜C12ジカルボン酸と、1〜22個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝アルコール又は2〜10個の炭素原子及び2〜6個のヒドロキシ基を有するポリオールとのエステル、植物油(ヒマワリ油、オリーブ油、ダイズ油、菜種油、扁桃油、ホホバ油、オレンジ油、コムギ胚芽油、桃仁油、ヤシ油液体成分など)、分枝第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖及び分枝C6〜C22脂肪アルコール炭酸エステル、Guerbet炭酸エステル、安息香酸と直鎖及び/又は分枝C6〜C22アルコールのエステル(例えば、Finsolv(登録商標)TN)、合計12〜36個の炭素原子、特に12〜24個の炭素原子を有する直鎖又は分枝の対称又は非対称ジアルキルエーテル、例えば、ジ-n-オクチルエーテル、ジ-n-デシルエーテル、ジ-n-ノニルエーテル、ジ-n-ウンデシルエーテル、ジ-n-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-オクチルエーテル、n-オクチルn-デシルエーテル、n-デシルn-ウンデシルエーテル、n-ウンデシルn-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-ウンデシルエーテル、ジ-tert-ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ-3-エチルデシルエーテル、tert-ブチルn-オクチルエーテル、イソペンチルn-オクチルエーテル、及び2
-メチルペンチル-n-オクチルエーテル;エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールとの開環生成物、シリコーン油、及び/又は脂肪族若しくはナフテン系炭化水素が挙げられる。3〜24個の炭素原子を有する、脂肪酸とアルコールのモノエステルも重要である。この群の物質は、8〜24個の炭素原子を有する脂肪酸、例えば、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、及びこれらの工業級混合物(例えば、天然油脂の圧力除去、Roelenのオキソ合成からのアルデヒドの還元、又は不飽和脂肪酸の二量体化において得られるもの)と、アルコール、例えば、イソプロピルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール、及びこれらの工業級混合物(例えば、油脂に基づく工業級メチルエステル又はRoelenのオキソ合成からのアルデヒドの高圧水素化において得られるもの、及び不飽和脂肪アルコールの二量体化においてモノマー画分として得られるもの)とのエステル化生成物からなる。特に重要なのは、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸C16〜C18アルキルエステル、ステアリン酸2-エチルヘキシルエステル、オレイン酸セチル、トリカプリル酸グリセロール、カプリン酸/カプリル酸ヤシ脂肪アルコール、及びステアリン酸n-ブチルである。使用することのできる別の油成分は、アジピン酸ジ-n-ブチル、アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)、コハク酸ジ(2-エチルヘキシル)、酢酸ジイソトリデシルなどのジカルボン酸エステル、さらに、エチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、ブタンジオールジイソステアレート、及びネオペンチルグリコールジカプリレートなどのジオールエステルである。好ましいモノオール又はポリオールは、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、及びソルビトールである。1種以上のアルキルカルボン酸の二価及び/又は三価の金属塩(アルカリ土類金属、特にAl3+)を使用することも可能である。
【0059】
油成分は、例えば、組成物の全重量に対して1〜60重量%、特に5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%の量で使用することができる。
【0060】
組成物には、通常使用される任意の乳化剤を使用することができる。
【0061】
乳化剤としては、例えば、以下の群からの非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0062】
- 2〜30molのエチレンオキシド及び/又は0〜5molのプロピレンオキシドと、8〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、及びアルキル基中に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの付加生成物、例えば、セテアレス-20又はセテアレス-12、
- 1〜30molのエチレンオキシドと3〜6個の炭素原子を有するポリオール、特にグリセロールとの付加生成物のC12〜C22脂肪酸モノ及びジエステル、
- 6〜22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のグリセロールモノ及びジエステル並びにソルビタンモノ及びジエステル並びにそれらのエチレンオキシド付加生成物、例えば、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン、又はセスキオレイン酸ソルビタン、
- オリゴマー化度が1.1〜5、特に1.2〜1.4であることが好ましく、グルコースが糖成分として好ましい、C8〜C22アルキルモノ及びオリゴグリコシド並びにそのエトキシ化類似体、
- 2〜60mol、特に15〜60molのエチレンオキシドと、ヒマシ油及び/又は水素添加ヒマシ油の付加生成物、
- ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えば、ジイソステアリン酸ジイソステアロイルポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸トリグリセリル、セスキジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、又はダイマー酸ポリグリセリル(polyglyceryl dimerate)。これらの物質群の複数からの化合物の混合物も適切である。
【0063】
- 直鎖、分枝、不飽和、又は飽和C6〜C22脂肪酸、リシノール酸、さらに12-ヒドロキシステアリン酸と、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグリコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、さらにポリグルコシド(例えば、セルロース)に基づく部分エステル、例えば、ジヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、又はジリシノール酸ポリグリセリル-2、
- モノ、ジ及びトリ-アルキルホスフェート、さらにモノ、ジ及び/又はトリ-PEG-アルキルホスフェート、並びにこれらの塩、
- 羊毛蝋アルコール、
- 天然誘導体の1種以上のエトキシ化エステル、例えば、水素添加ヒマシ油のポリエトキシ化エステル、
- シリコーン油乳化剤、例えば、シリコーンポリオール、
- ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び対応する誘導体、例えば、セチルジメチコンコポリオール、
- ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸、及び脂肪アルコールの混合エステル(DE-A-1 165 574を参照されたい)、及び/又は6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコース、及びポリオール、好ましくはグリセロール若しくはポリグリセロールの混合エステル、例えば、ジステアリン酸ポリグリセリル-3-グルコース、ジオレイン酸ポリグリセリル-3-グルコース、ジオレイン酸メチルグルコース、又はクエン酸ジココイルペンタエリトリルジステアリル、さらに
- ポリアルキレングリコール。
【0064】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノ及びジエステル並びにソルビタンモノ及びジエステル、又はヒマシ油との付加生成物は、公知の市販されている製品である。これらは、通常は同族体混合物であり、その平均アルコキシ化度は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、付加反応の相手の物質の量の比に相当する。エチレンオキシドのグリセロールとの付加生成物のC12〜C18脂肪酸モノ及びジエステルは、例えば、DE-A-2 024 051より、化粧品調製物用の脂質復元物質として知られている。
【0065】
C8〜C18アルキルモノ及びオリゴグリコシド、その調製及びその使用は、先行技術より知られている。これらは、特に、グルコース又はオリゴ糖を8〜18個の炭素原子を有する第一級アルコールと反応させることにより調製される。適切なグリコシド基としては、環状糖基が脂肪アルコールにグリコシド結合しているモノグリコシド、さらにオリゴマー化度が好ましくは約8までであるオリゴマーグリコシドが挙げられる。オリゴマー化度は、このような工業級製品で通常の同族体分布に基づく統計学的平均値である。
【0066】
双性イオン界面活性剤を乳化剤として使用することも可能である。用語「双性イオン界面活性剤」とは、特に、分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基と、少なくとも1個のカルボキシレート及び/又はスルホネート基を有する界面活性化合物を意味する。特に適切である双性イオン界面活性剤は、それぞれがアルキル基又はアシル基中に8〜18個の炭素原子を有する、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、さらにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートなどの、いわゆるベタインである。コカミドプロピルベタインのCTFA名により知られている脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。同様に、両性界面活性剤も、乳化剤として適切である。両性界面活性剤は、特に、C8〜C18アルキル又はアシル基を含んでいることに加えて、少なくとも1個の遊離アミノ基及び少なくとも1個の-COOH又は-SO3H基を分子中に含んでおり、分子内塩を形成することのできる界面活性剤を意味すると理解される。適切な両性界面活性剤の例としては、それぞれがアルキル基中に約8〜18個の炭素原子を有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピル-グリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸、及びアルキルアミノ酢酸が挙げられる。
【0067】
特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート、及びC12〜C18アシルサルコシンである。両性乳化剤に加えて、第四級乳化剤も挙げられ、esterquat型のもの、好ましくはメチルで四級化された二脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。
【0068】
非イオン乳化剤が好ましい。言及した非イオン乳化剤のうち、8〜22個の炭素原子及び4〜30個のEO単位を有する、エトキシ化脂肪アルコールが特に好ましい。
【0069】
乳化剤は、例えば、組成物の全重量に対して1〜30重量%、特に4〜20重量%、好ましくは5〜10重量%の量で使用することができる。しかし、乳化剤の使用を省くことも原則としては可能である。
【0070】
本発明による組成物、例えば、クリーム、ゲル、ローション、アルコール溶液及び水/アルコール溶液、エマルション、蝋/脂質組成物、スティック調製物、粉末、又は軟膏は、さらに、別の補助剤及び添加剤として、弱界面活性剤、過脂肪剤、真珠光沢蝋(pearlescent wax)、稠度調節剤、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂質、蝋、安定剤、生体活性成分、消臭活性成分、フケ防止剤、膜形成剤、膨潤剤、別の紫外光防止因子、抗酸化剤、屈水剤(hydrotropic agent)、保存剤、虫除け剤、セルフタンニング剤、可溶化剤、香油、着色剤、抗菌剤なども含有してよい。
【0071】
過脂肪剤としての使用に適する物質は、例えば、ラノリン及びレシチン、さらにポリエトキシ化又はアシル化されたラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、及び脂肪酸アルカノールアミドであり、脂肪酸アルカノールアミドは、同時に泡安定剤としても働く。
【0072】
適切な弱界面活性剤、換言すると、皮膚に特に申し分なく許容される界面活性剤の例としては、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ及び/若しくはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、及び/又はタンパク質脂肪酸縮合生成物が挙げられ、タンパク質脂肪酸縮合生成物は、コムギタンパク質を主体とすることが好ましい。
【0073】
真珠光沢蝋としては、例えば、アルキレングリコールエステル、特にジステアリン酸エチレングリコール;脂肪酸アルカノールアミド、特にココ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;非置換又はヒドロキシ置換多価カルボン酸と、6〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、特に、酒石酸の長鎖エステル;脂質物質、例えば、合計で少なくとも24個の炭素原子を有する、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル、及び脂肪カーボネート、特にラウロン及びジステアリルエーテル;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸などの脂肪酸;12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドと、12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコール及び/又は2〜15個の炭素原子及び2〜10個のヒドロキシ基を有するポリオールとの開環生成物、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0074】
稠度調節剤としては、特に、12〜22個の炭素原子、好ましくは16〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコール又はヒドロキシ脂肪アルコール、加えて、部分グリセリド、脂肪酸、及びヒドロキシ脂肪酸が挙げられる。このような物質を、アルキルオリゴグルコシド及び/又は同一鎖長の脂肪酸N-メチルグルカミド及び/又はポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレートと組み合わせたものが好ましい。適切な増粘剤としては、例えば、各種Aerosil(親水性ケイ酸)、多糖、特に、キサンタンガム、グアーガム、寒天、アルギネート及びチロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース、また、比較的高分子量の、脂肪酸のポリエチレングリコールモノ及びジエステル、ポリアクリレート(例えば、GoodrichのCarbopol(登録商標)又はSigmaのSynthalen(登録商標))、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、界面活性剤、例えば、エトキシ化脂肪酸グリセリド、脂肪酸と、ポリオール、例えばペンタエリトリトール又はトリメチロールプロパンとのエステル、同族体分布が制限された脂肪アルコールエトキシレート、及びアルキルオリゴグルコシド、並びに塩化ナトリウムや塩化アンモニウムなどの電解質が挙げられる。
【0075】
適切なカチオン性ポリマーは、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えば、AmercholからPolymer JR 400(登録商標)の名称で入手可能な四級化ヒドロキシメチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールとアミンの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Grunau)、四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretin(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron);例えばFR-A-2 252 840に記載されているポリアミノポリアミド及びその架橋水溶性ポリマー;カチオン性キチン誘導体、例えば、場合により微結晶として分散させた四級化キトサン;ジハロアルキル、例えばジブロモブタンと、ビスジアルキルアミン、例えばビスジメチルアミノ-1,3-プロパンの縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えば、CelaneseのJaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)C-16、四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば、MiranolのMirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1である。
【0076】
アニオン性、双性イオン性、両性、及び非イオン性のポリマーとしては、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びそのエステル、非架橋ポリアクリル酸及びポリオール架橋されたポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/メタクリル酸tert-ブチルアミノエチル/メタクリル酸2-ヒドロキシプロピルコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタムターポリマー、さらに、場合により誘導体化されたセルロースエーテル及びシリコーンが挙げられる。
【0077】
適切なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、さらに、アミノ、脂肪酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素、グリコシド、及び/又はアルキルで変性させたシリコーン化合物であり、これらは、室温において液体又は樹脂のどちらの形態でもよい。200〜300個のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコンと水素添加シリケート(hydrogenated silicate)の混合物である、シメチコンも適する。加えて、適切な揮発性シリコーンについてのToddらによる詳細な調査を、Cosm. Toil. 91、27 (1976)において見ることもできる。
【0078】
脂質の典型的な例は、グリセリドであり、蝋としては、場合により、親水性蝋、例えばセチルステアリルアルコール若しくは部分グリセリドと組み合わせて、特に、蜜蝋、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋、モンタン蝋、パラフィンワックス、硬化マシ油及び脂肪酸エステル、又は室温で固体のマイクロワックスが挙げられる。脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリン酸又はリシノール酸マグネシウム、アルミニウム、及び/又は亜鉛を安定剤として使用してもよい。
【0079】
生体活性成分は、例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、疑似セラミド、精油、植物抽出物、及びビタミン複合体を意味すると理解される。
【0080】
消臭活性成分としては、例えば、制汗剤、例えばアルミニウムクロロハイドレート(J. Soc. Cosm. Chem. 24、281 (1973)を参照されたい)が挙げられる。Hoechst AG(フランクフルト(FRG))のLocron(登録商標)の商標で、例えば、式Al2(OH)5Cl×2.5 H2Oに相当するアルミニウムクロロハイドレートが市販されており、これの使用が特に好ましい(J. Pharm. Pharmacol. 26、531 (1975)を参照されたい)。クロロハイドレートのほかに、ヒドロキシ酢酸アルミニウム及び酸性アルミニウム/ジルコニウム塩を使用することも可能である。別の消臭活性成分としてエステラーゼ阻害剤を加えてもよい。このような阻害剤は、クエン酸トリアルキル、例えば、クエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、特にクエン酸トリエチル(Hydagen(登録商標)CAT、Henkel KGaA、デュッセルドルフ/FRG)であることが好ましく、これら阻害剤は、酵素活性を阻害し、したがって臭気生成を低減する。エステラーゼ阻害剤として挙げられる別の物質は、硫酸ステロール又はリン酸ステロール、例えば、硫酸又はリン酸ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及びシトステロール、ジカルボン酸及びそのエステル、例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル、並びにヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、又は酒石酸ジエチルエステルである。微生物叢に影響を及ぼし、汗を分解する細菌を死滅させ、又はその増殖を阻害する抗菌活性成分も、調製物(特にスティック調製物)中に同様に存在してよい。例として、キトサン、フェノキシエタノール、及びグルコン酸クロルヘキシジンが挙げられる。5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール(Irgasan(登録商標)、Ciba Specialty Chemicals Inc.)も、特に有効であることがわかっている。
【0081】
フケ防止剤としては、例えば、クリンバゾール(climbazole)、オクトピロックス、及びジンクピリチオンを使用することができる。通例の膜形成剤としては、例えば、キトサン、微結晶性キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、高い比率のアクリル酸を含有する第四級セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩、並びに同類の化合物が挙げられる。水相の膨潤剤としては、モンモリロナイト、粘土鉱物物質、Pemulen、さらに、アルキルで変性させたタイプのCarbopol (Goodrich)を使用することができる。別の適切なポリマー及び膨潤剤は、Cosm. Toil. 108、95 (1993)にあるR. Lochheadによる総説において見ることができる。
【0082】
第一の光防止物質に加えて、紫外線が皮膚又は毛髪を透過すると引き起こされる光化学反応連鎖を遮断する、抗酸化剤の種類の第二の光防止物質を使用することも可能である。そのような抗酸化剤の典型的な例は、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、ペプチド、例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン、及びその誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコピン)及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグリコース(aurothioglycose)、プロピルチオウラシル、及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、並びにこれらのグリコシル-、N-アセチル-、メチル-、エチル-、プロピル-、アミル-、ブチル-、ラウリル-、パルミトイル-、オレイル-、γ-リノレイル-、コレステリル-及びグリセリルエステル)、さらにこれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、及び塩)、さらに、許容されるごく少量(例えば、pmol〜μmol/kg)のスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-チオニンスルホキシイミン)、また(金属)キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール並びにこれらの誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロール及び誘導体(例えば、酢酸ビタミンE)、ビタミンA及び誘導体(例えば、パルミチン酸ビタミンA)、さらにベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、樹脂質のノルジヒドログアイアレチン酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、N-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]スルファニル酸(及びその塩、例えば、ナトリウム塩)、亜鉛及びその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレン及びその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)、並びに言及したこれら活性成分の本発明による適切な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、及び脂質)である。HALS(=「ヒンダードアミン光安定剤」)化合物も挙げることができる。存在する抗酸化剤の量は、通常は、紫外線吸収剤(複数可)の重量に対して0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜3重量%である。
【0083】
流動性を向上させるために、屈水剤、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、又はポリオールを用いることも可能である。この目的のために挙げられるポリオールは、2〜15個の炭素原子及び少なくとも2個のヒドロキシ基を有することが好ましい。
【0084】
ポリオールは、別の官能基、特にアミノ基を含んだものでもよく、及び/又は窒素で変性させたものでもよい。典型的な例は、以下の通りである。
【0085】
- グリセロール、
- アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、さらに、平均分子量が100〜1000ダルトンであるポリエチレングリコール、
- 固有縮合度が1.5〜10である工業級オリゴグリセロール混合物、例えば、ジグリセロール含有量が40〜50重量%である工業級ジグリセロール混合物、
- メチロール化合物、例えば、特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトール、及びジペンタエリトリトール、
- 低級アルキルグルコシド、特に、アルキル基中に1〜8個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル及びブチルグルコシド、
- 5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えば、ソルビトール又はマンニトール、
- 5〜12個の炭素原子を有する糖、例えば、グルコース又はサッカロース、
- アミノ糖、例えば、グルカミン、
- ジアルコールアミン、例えば、ジエタノールアミン又は2-アミノ-1,3-プロパンジオール。
【0086】
適切な保存剤としては、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール、又はソルビン酸、及び化粧品規則の別表6、パートA及びBにリストされているこれ以外の物質群が挙げられる。
【0087】
香油としては、天然及び/又は合成芳香性物質の混合物を挙げることができる。天然芳香性物質は、例えば、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、ジュニパー)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メース、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、カルムス(calmus))、木(マツノキ、ビャクダン、ユソウボク、シダーウッド、ローズウッド)、草本(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉及び小枝(スプルース、マツ、ヨーロッパアカマツ、モンタナマツ)、樹脂及びバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポポナックス)からの抽出物である。動物性原料、例えば、シベット及びカストリウムも挙げられる。典型的な合成芳香性物質は、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、又は炭化水素型の生成物である。
【0088】
エステル型の芳香性物質化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル(ethylmethylphenyl glycinate)、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル、及びサリチル酸ベンジルである。エーテルとしては、例えば、ベンジルエチルエーテルが挙げられ、アルデヒドとしては、例えば、8〜18個の炭化水素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、サイクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール、及びブルゲオナールが挙げられ、ケトンとしては、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンが挙げられ、アルコールとしては、例えば、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、及びテルピノールが挙げられ、炭化水素としては、主として、テルペン及びバルサムが挙げられる。しかし、調和して魅力的な香りを生じる、種々の芳香性物質の混合物を使用することが好ましい。香気成分として主に使用される、揮発性の比較的低い精油、例えば、セージ油、カミツレ油、チョウジ油、メリッサ油、ニッケイ葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、乳香油、ガルバナム油、ラボラナム(labolanum)油、及びラバンディン油も、香油として適する。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、サイクラメンアルデヒド、リナロール、ボアザンブレンフォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン(ambroxan)、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデライス(sandelice)、レモン油、タンジェリン油、オレンジ油、グリコール酸アリルアミル、シクロベルタール、ラバンディン油、オニサルビア油、β-ダマスコン、ゼラニウムバーボン油、サリチル酸シクロヘキシル、ヴェルトフィクスクール(vertofix coeur)、イソイースーパー(iso-E-Super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エバーニル(evernyl)、イラルデインガンマ(iraldein gamma)、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット(romillat)、イロチル(irotyl)、及びフロラマット(floramat)を単独で、又は互いに混ぜ合わせて使用することが好ましい。
【0089】
着色剤としては、例えば、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaftの刊行物「Kosmetische Farbemittel」、Verlag Chemie、Weinheim、1984、81〜106ページに編集されているような、化粧用に適切であり、且つ認可されている物質を使用することができる。着色剤は、混合物全体に対して0.001〜0.1重量%の濃度で通常使用する。
【0090】
抗菌剤の典型的な例は、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6-ジ(4-クロロフェニル-ビグアニド)ヘキサン)、又はTCC(3,4,4'-トリクロロカルバニリド)などの、グラム陽性細菌に対して特異的作用を及ぼす保存剤である。
【0091】
多くの種類の芳香性物質及び精油も、抗菌性を有する。典型的な例は、チョウジ油、ハッカ油、及びタイム油中の活性成分であるオイゲノール、メントール、及びチモールである。対象となる天然消臭剤は、ライム花油中に存在するテルペンアルコールのファルネソール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール)である。モノラウリン酸グリセロールも、静菌剤となることがわかっている。追加の抗菌剤の存在量は、調製物の固形分に対して通常0.1〜2重量%である。
【0092】
さらに、化粧品組成物は、補助剤として、シリコーンなどの消泡剤、マレイン酸などの構造化剤(structurant)、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコールなどの可溶化剤、ラテックス、スチレン/PVP若しくはスチレン/アクリルアミドコポリマーなどの乳白剤、EDTA、NTA、β-アラニン二酢酸、ホスホン酸などの錯化剤、プロパン/ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2、N2、空気などの噴射剤、酸化染料前駆体のようないわゆる発色剤及び顕色剤成分、チオグリコール酸及びその誘導体、チオ乳酸、システアミン、チオリンゴ酸、α-メルカプトエタンスルホン酸などの還元剤、又は過酸化水素、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウムなどの酸化剤を含有することも可能である。
【0093】
虫除け剤としては、例えば、N,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオール、又は虫除け剤3535が挙げられ、適切なセルフタンニング剤は、例えば、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、又はジヒドロキシアセトンとエリトルロースの混合物である。
【0094】
本発明による化粧品製剤は、多種多様な化粧品調製物中に含有される。例えば、特に以下の調製物が挙げられる。
【0095】
- スキンケア調製物、例えば、タブレット型又は液体石けんの形態の肌洗浄及びクレンジング用調製物、合成洗浄料、又は洗浄ペースト、
- 入浴用調製物、例えば、液体(泡風呂剤、乳剤(milk)、シャワー調製物)又は固体入浴用調製物、例えば、固形入浴剤(bath cube)及びバスソルト、
- スキンケア調製物、例えば、肌用乳液、多層乳液、又は肌用オイル、
- 化粧用パーソナルケア調製物、例えば、日中用クリーム若しくはパウダークリーム、フェイスパウダー(ルース若しくはプレスト)、頬紅、又はメーキャップクリームの形態の顔用メーキャップ化粧品、目もとケア調製物、例えば、アイシェード調製物、マスカラ、アイライナー、アイクリーム、又は目もと用下地クリーム(eye-fix creams)、リップケア調製物、例えば、リップスティック、リップグロス、リップペンシル、ネイルケア調製物、例えば、ネイルラッカー、ネイルラッカーリムーバー、ネイルハードナー、又はキューティクルリムーバー、
- 足もとケア調製物、例えば、足浴剤、足用パウダー、足用クリーム若しくは足用バルサム、専用の消臭剤及び制汗剤、又は胼胝除去用調製物、
- 光防止調製物、例えば、日焼け止め乳液、ローション、クリーム、若しくはオイル、日光遮断剤若しくは熱帯対応品(tropical)、日焼け前用調製物、又は日焼け後用調製物、
- 日焼け用調製物、例えば、セルフタンニングクリーム、
- 脱色素(depigmenting)調製物、例えば、肌を白くする調製物又は肌色を明るくする調製物、
- 虫除け剤、例えば、虫除けオイル、ローション、スプレー、又はスティック、
- 消臭剤、例えば、消臭剤スプレー、ポンプ式スプレー、消臭剤ゲル、スティック、又はロールオン剤、
- 制汗剤、例えば、制汗剤スティック、クリーム、又はロールオン剤、
- トラブル肌のクレンジング及びケア用調製物、例えば、合成洗浄料(固体若しくは液体)、ピーリング若しくはスクラブ調製物、又はピーリング用マスク、
- 化学形態の脱毛用調製物(除毛)、例えば、脱毛用パウダー、液体脱毛用調製物、クリーム又はペースト形態の脱毛用調製物、ゲル又はエアゾール形態の脱毛用調製物、
- シェービング用調製物、例えば、シェービング用石けん、起泡性シェービングクリーム、非起泡性シェービングクリーム、フォーム剤、及びゲル、ドライシェービング用のプレシェーブ調製物、アフターシェーブ剤、又はアフターシェーブローション、
- 香水調製物、例えば、香水(オーデコロン、オードトワレ、オードパルファン、パルファンドトワレ、パルファン)、香油、又は香水クリーム、
- 化粧用毛髪処理調製物、例えば、シャンプー及びコンディショナーの形態の毛髪洗浄用調製物、ヘアケア調製物、例えば、前処理調製物、養毛剤、整髪用クリーム、整髪用ゲル、ポマード、毛髪用リンス、トリートメントパック剤、強力毛髪トリートメント剤、毛髪構築用調製物、例えば、パーマネントウェーブ(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)用の、毛髪にウェーブを入れる調製物、毛髪をストレートにする調製物、液体毛髪固定用調製物、毛髪用フォーム剤、毛髪用スプレー、脱色用調製物、例えば、過酸化水素溶液、髪色を明るくするシャンプー、脱色用クリーム、脱色用パウダー、脱色用ペースト若しくはオイル、一時的、半永久的、若しくは永久的なヘアカラー剤、自己酸化型染料を含有する調製物、又はヘンナやカミツレなどの天然ヘアカラー剤。
【0096】
前記の最終製剤は、多種多様な提示形態、例えば以下のような形態で存在してよい。
【0097】
- W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルション、及びすべての種類のマイクロエマルションとしての液体調製物の形態、
- ゲルの形態、
- オイル、クリーム、乳液、又はローションの形態、
- パウダー、ラッカー、タブレット、又はメーキャップ化粧品の形態、
- スティックの形態、
- スプレー(噴射剤ガスを備えたスプレー若しくはポンプ式スプレー)又はエアゾールの形態、
- フォーム剤の形態、又は
- ペーストの形態。
【0098】
肌用の化粧品組成物として特に重要なのは、光防止調製物、例えば、日焼け止め乳液、ローション、クリーム、オイル、日光遮断剤又は熱帯対応品、日焼け前用調製物、又は日焼け後用調製物、さらに日焼け用調製物、例えば、セルフタンニングクリームである。特に対象となるのは、日光防止クリーム、日光防止ローション、日光防止オイル、日光防止乳液、及びスプレー形態の日光防止調製物である。
【0099】
毛髪用の化粧品組成物として特に重要なのは、上で挙げた毛髪処理用調製物、特に、シャンプーの形態の毛髪洗浄用調製物、毛髪用コンディショナー、ヘアケア調製物、例えば、前処理調製物、養毛剤、整髪用クリーム、整髪用ゲル、ポマード、毛髪用リンス、トリートメントパック剤、強力毛髪トリートメント剤、毛髪をストレートにする調製物、液体毛髪固定用調製物、毛髪用フォーム剤、毛髪用スプレーである。特に対象となるのは、シャンプーの形態の毛髪洗浄用調製物である。
【0100】
シャンプーは、例えば、0.01〜5重量%の本発明による紫外線吸収剤、12.0重量%のラウレス-2-硫酸ナトリウム、4.0重量%のコカミドプロピルベタイン、3.0重量%の塩化ナトリウム、及び全体が100%になる量の水という組成を有する。
【0101】
例えば、特に、以下の毛髪用化粧品製剤を使用することができる。
【0102】
a1)本発明による紫外線吸収剤、PEG-6-C10オキソアルコール、及びセスキオレイン酸ソルビタンからなる自然乳化型保存製剤に、水及び所望の任意の第四級アンモニウム化合物、例えば、4%のミンクアミドプロピル-ジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクアテルニウム80を加えたもの、
a2)本発明による紫外線吸収剤、クエン酸トリブチル、及びモノオレイン酸PEG-20-ソルビタンからなる自然乳化型保存製剤に、水及び所望の任意の第四級アンモニウム化合物、例えば、4%のミンクアミドプロピル-ジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクアテルニウム80を加えたもの、
b)本発明による紫外線吸収剤のブチルトリグリコール及びクエン酸トリブチル中の4倍濃縮溶液(Quat-doped solution)、
c)本発明による紫外線吸収剤とn-アルキルピロリドンの混合物又は溶液。
【0103】
以下の実施例は本発明を限定することなく説明する。
【実施例】
【0104】
実施例1:シロキサンビスビフェニルトリアジンS-1の合成
1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン0.72g(0.00315mol、97%)を、トルエン25mlに65℃で溶解させた、式:
【化22】
【0105】
に対応するアリルビスビスフェニルトリアジン2-[4,6-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(2-プロペン-1-イルオキシ)-フェノール(CAS-No.357436-15-8; B-19)1.60g(0.003mol)及び15滴の白金(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体(ビニル末端ポリ(ジメチルシロキサン)中の溶液、Aldrich社から購入した)の混合物に加えた。加熱を120℃で18時間続けた。エタノール25mL及び炭1gの添加後、混合物を80℃で1時間撹拌した。固体を濾別し、少量の1/1のエタノール/トルエン混合物で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、70〜80℃で乾燥させ、高粘度の油を得、該油は経時的に固化した。
【0106】
黄色がかった粉末 1.709g(75%収率)
UV(テトラヒドロフラン): λmax = 319nm、ε= 72200 M-1 cm-1
【0107】
実施例2:シランビスビフェニルトリアジンS-2の合成
生成物を、トルエン25ml中のアリルビスビフェニルトリアジンB-19 1.60g(3mmol)、トリエチルシラン0.39g(3.3mmol)及び15滴の白金(0)触媒を反応させることによって、実施例1と同様に調製した。
【0108】
黄色の樹脂1.55g(80%収率)を得、該樹脂は数時間後に固化した。粉砕すると黄色がかった粉末が得られた。
【0109】
UV(テトラヒドロフラン): λmax= 319nm、ε= 76300 M-1 cm-1
【0110】
実施例3:シロキサンビスビフェニルトリアジンS-3の合成
生成物を、トルエン25ml中のアリルビスビフェニルトリアジンB-19 1.60g(3mmol)、ポリ(ジメチルシロキサン)(一水素及びモノ-n-ブチル末端、平均Mw = 1000ダルトン、製品名Silaplane FM-0111、Chisso社から購入した)5.42g(3.3mmol)及び15滴の白金(0)触媒を反応させることによって、実施例1と同様に調製した。
【0111】
黄色のワックス4.07g(〜88%収率)を得た。
UV(テトラヒドロフラン): λmax= 319nm、ε= 68200 M-1 cm-1
【0112】
実施例4:シロキサンビスビフェニルトリアジンS-4の合成
生成物を、トルエン25ml中のアリルビスビフェニルトリアジンB-19 1.60g(3mmol)、ポリ(ジメチルシロキサン-co-メチルヒドロシラン)(トリメチルシリル末端、平均Mw=1500ダルトン、33mol % MeHSiO) 0.82g(0.5mmol)及び15滴の白金(0)触媒を反応させることによって、実施例1と同様に調製した。
【0113】
黄色の樹脂 1.13g(〜50%収率)を得、該樹脂は数時間後に固化した。粉砕すると黄色がかった粉末が得られた。
【0114】
UV(テトラヒドロフラン): λmax= 316nm、ε= 35650 M-1 cm-1
【0115】
実施例5:シロキサンビスビフェニルトリアジンS-5の合成
生成物を、トルエン25ml中のアリルビスビフェニルトリアジンB-19 1.60g(3mmol)、ポリ(ジメチルシロキサン)(ヒドリド末端、平均Mn〜580、CAS No.70900-21-9、Aldrichから購入した)0.96g(1.7mmol)及び15滴の白金(0)触媒を反応させることによって、実施例1と同様に調製した。
【0116】
黄色の樹脂1.88g(76%収率)を得、該樹脂は数時間後に固化した。粉砕すると黄色がかった粉末が得られた。
【0117】
融点:46.8℃、UV(テトラヒドロフラン): λmax =319nm、ε= 118100 M-1 cm-1
【0118】
実施例6:シロキサンビスビフェニルトリアジンS-6の合成
生成物を、トルエン25ml中のアリルビスビフェニルトリアジンB-19 1.15g(2.2mmol)、2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン0.15g(0.6mmol)及び15滴の白金(0)触媒を反応させることによって、実施例1と同様に調製した。
【0119】
黄色の樹脂 0.34gを得、該樹脂は数時間後に固化した。粉砕すると褐色がかった粉末が得られた。
【0120】
融点:115.5℃
UV(テトラヒドロフラン): λmax= 319nm、ε= 29300 M-1 cm-1
【0121】
実施例7:シロキサンビスビフェニルトリアジンS-7の合成
生成物を、トルエン25ml中のアリルビスビフェニルトリアジンB-19 1.15g(2.2mmol)、ポリ(ジメチルシロキサン-co-メチルヒドロシラン)(トリメチルシリル末端、Mw = 1500ダルトン、24 mol% MeHSiO)0.71g(0.5mmol)及び15滴の白金(0)触媒を反応させることによって、実施例1と同様に調製した。
【0122】
褐色がかった樹脂1.44gを得、該樹脂は数時間後に固化した。粉砕するとベージュの粉末が得られた。
【0123】
融点:79.7℃
UV(テトラヒドロフラン): λmax= 318nm、ε= 31300 M-1 cm-1
【0124】
実施例8:シロキサンビスビフェニルトリアジンS-8の合成
生成物を、トルエン25ml中のアリルビスビフェニルトリアジンB-19 1.15g(2.2mmol)、トリエトキシルシラン0.56g(3.3mmol)及び15滴の白金(0)触媒を反応させることによって、実施例1と同様に調製した。
【0125】
黄色がかった樹脂0.57gを得、該樹脂は数時間後に固化した。粉砕すると黄色がかった粉末が得られた。
【0126】
融点:62.23℃
UV (テトラヒドロフラン): λmax= 320nm、ε= 75800 M-1 cm-1
【0127】
溶解度
溶解度の測定
【表3】
【0128】
本発明によるシラン及び/又はシロキサン基を含有するビスビフェニルトリアジン誘導体S-1、S-2、S-3及びS-5の溶解度データは新規ビスビフェニルトリアジン誘導体が特に高い油溶性紫外線吸収剤であることを示す。
【0129】
光安定性
光安定性の測定
光安定性の評価に使用した方法は、紫外線フィルターの高希釈度溶液に対する照射に基づく。一定線量の照射後に紫外分光法によって分析を行った。エタノール中の紫外線吸収剤の濃度は、光路長が1cmのセルにおける溶液の吸光度が0.2以下となるように、1・10-5mol/l〜1・10-6mol/lの間の値に調節する。このような条件下では、フィルター分子間の相互の防止を排除することができる。図1に、サンプルに照射を行う実験装置を示す。
【0130】
【0131】
サンプルに照射する前に、紫外放射計(RM-12、Dr. Grobel Electronic GmbH)を用いて、サンプル位置でのUVB強度を測定する。この放射計は、波長分解放射計(Gamma C11)を使用し、ハロゲン化金属ランプ(光ガイド及びカットオフフィルターを含む)のスペクトル出力の測定値と比較することにより校正した。したがって、RM-12放射計の読み取り値と、対応するランプのスペクトル出力との関係がわかり、UVB強度測定による波長分解強度を決定することができる。光ガイドの末端とセルの間の距離を変えることにより、UVB強度は、100μW/cm2〜4500μW/cm2の範囲で変えることができる。
【0132】
サンプル照射については、可能な最高強度を使用した(Macam 103放射計での測定による4.5mW/cm2のUVB強度)。照射時間は、0分〜180分において変えた。180分後にサンプルが受けていた線量は、60MEDに相当する。照射中、サンプルを撹拌した。照射から一定の間隔をおいた後、紫外線分光計(Perkin Elmer、Lambda 16)でサンプルを分析した。
【0133】
各線量の照射における吸光度の値から、ランベルト・ベールの法則を使用して、濃度を算出することができる。物質の半減期を得るために、一次動力学モデルを実験データに適合させた。ランプの紫外スペクトル及びCOLIPA標準日光の紫外スペクトルは既知であるので、COLIPA標準日光照射の諸条件下で、紫外線吸収剤のそれぞれの半減期を算出することができる[Bernd Herzog、Stefan Muller、Myriam Sohn、Uli Osterwalder、「New Insight and Prediction of Photostablity of Sunscreens」、SOFW Journal 133、26〜36 (2007)]。
【0134】
いくつかの特定のベンゾトロポロンについての調査した半減時間値及び照射(10MED)後の回復率を、以下の表に示す。
【表4】
【0135】
本発明による化合物番号S-1、S-2、S-3、S-4、S-5、S-6、S-7及びS-8は、高い光安定性を有し、10MEDの照射後、すべての場合において、99%を超えるシラン及びシロキサンが回復する。
【0136】
紫外線遮蔽性
ビスビフェニルトリアジン誘導体の紫外線遮蔽性を、エタノール中でその紫外スペクトルを測定することにより調査した。
【0137】
以下の表において、調査した最大吸光度(λmax)、及び対応するA1%1cm値を示す。
【表5】
【0138】
本発明によるビス(ビフェニル)トリアジン化合物番号S-1、S-2、S-3、S-4、S-5、S-6、S-7及びS-8は、700を超えるA1%1cm値が示すように、紫外領域において高い遮蔽性を有する。