(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プラテンが回転軸を中心に回転可能であり、前記複数の分離した位置が前記回転軸から等距離に間をあけられ、かつ/または前記複数の分離した位置が前記回転軸のまわりに等しい角度間隔で間をあけられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の研磨装置。
前記プラテンが、前記キャリアヘッドと前記プラテンとの間の相対運動により、前記複数の分離した位置の各位置が前記基板を横切って繰り返し掃引するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の研磨装置。
前記基板を横切る各位置の掃引ごとに前記検出器から一群のスペクトル測定値を受け取るように構成されたコントローラをさらに含み、前記コントローラが前記一群のスペクトル測定値からスペクトルのシーケンスにおけるスペクトルを生成するように構成される、請求項6に記載の研磨装置。
前記プラテンが回転可能であり、前記コントローラが、前記プラテンの回転ごとにいくつかの数のスペクトルを前記シーケンスに加えるように構成され、前記数が前記複数の分離した位置の数に等しい、請求項7に記載の研磨装置。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、一般に、シリコンウエハ上に導電層、半導体層、または絶縁層を連続して堆積させることによって基板上に形成される。1つの製造ステップは、非平面表面の上に充填層を堆積させることと、充填層を平坦化することとを含む。いくつかの用途では、充填層は、パターン化層の上面が露出されるまで平坦化される。例えば導電性充填層をパターン化絶縁層に堆積させて、絶縁層のトレンチまたは孔を充填することができる。平坦化の後、絶縁層の隆起パターン間に残っている導電層の部分は、基板の薄膜回路間の導電性経路を設けるビア、プラグ、およびラインを形成する。酸化物研磨などの他の用途のために、充填層は、所定の厚さが非平面表面の上に残されるまで平坦化される。加えて、基板表面の平坦化は、通常、フォトリトグラフィで必要とされる。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は平坦化の一般に認められた1つの方法である。この平坦化方法は、一般に、基板をキャリアヘッドに取り付けることを必要とする。基板の露出表面は、一般に、回転研磨パッドに接触して載置される。キャリアヘッドは基板上に制御可能な負荷を与えて、基板を研磨パッドに押しつける。研磨粒子をもつスラリなどの研磨液が、一般に、研磨パッドの表面に供給される。
【0004】
CMPの1つの問題は、研磨プロセスが完了しているかどうか、すなわち、基板層が所望の平面度もしくは厚さに平坦化されたかどうか、またはいつ所望の量の材料が除去されたかを決定することである。基板層の初期の厚さ、スラリ組成物、研磨パッド状態、研磨パッドと基板との間の相対速度、および基板への負荷の変動が、材料除去速度の変動を引き起こすことがある。これらの変動は、研磨終点に達するのに必要な時間の変動を引き起こす。したがって、所望の研磨終点を単に研磨時間の関数として決定するが可能ではないことがある。
【0005】
いくつかのシステムでは、基板は、研磨の間、例えば、研磨パッドの窓を通して光学的にインシトゥでモニタされる。しかし、既存の光学モニタ技法は、半導体デバイス製造業者の次第に増加している要望を満たすことができない。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの光学モニタプロセスにおいて、基板のスペクトルが、インシトゥで、例えば研磨プロセスの間、プラテンに支持された研磨パッドの窓を通して光を導くことによって測定される。プラテンが回転する場合、窓は回転当たり1回基板の下を通ることができる。しかし、いくつかの研磨動作では、例えば、回転速度が低いかまたは過剰研磨を避ける必要がある場合、プラテンの回転当たり1回のスペクトルの測定では、所望の精度で研磨を停止させるのにデータ不足が生じる。プラテンのまわりの異なる角度位置の多数の場所からスペクトルを収集することによって、スペクトルの収集の割合を増加させることができる。加えて、単一光源および単一分光器を使用することによって、多数の感知システムを較正する問題を避けることができる。
【0007】
1つの態様では、研磨装置は、複数の光学開孔を有する研磨パッドを保持するためのプラテンと、基板を研磨パッドに対して保持するためのキャリアヘッドと、キャリアヘッドとプラテンとの間の相対運動を生成するためのモータと、光学モニタシステムとを含む。光学モニタシステムは、少なくとも1つの光源と、共通検出器と、少なくとも1つの光源からプラテンの複数の分離した位置の各々に光を導き、基板が前記各位置の上を通るときに複数の分離した位置の各位置から基板に光を導き、基板が前記各位置の上を通るときに基板から反射光を受け取り、複数の分離した位置の各々から共通検出器に反射光を導くように構成された光学アセンブリとを含む。
【0008】
実施態様は、以下の特徴の1つまたは複数を含むことができる。プラテンは回転軸を中心に回転可能とすることができる。複数の分離した位置は回転軸から等距離に間をあけることができる。複数の分離した位置は回転軸のまわりに等しい角度間隔で間をあけることができる。光学アセンブリは、基板の前記各位置からの光の入射角が同一であるように構成することができる。複数の分離した位置はちょうど2つの位置または3つの位置で構成することができる。
【0009】
少なくとも1つの光源は共通光源とすることができる。光学アセンブリは、共通光源に接続された幹線(trunk)と複数の支線(branch)とを有する分岐光ファイバを含むことができ、複数の支線の各支線は複数の位置のうちの関連する位置に光を導くように構成することができる。光学アセンブリは、共通光源に接続された第1の幹線と複数の第1の支線とを有する第1の分岐光ファイバと、共通検出器に接続された第2の幹線と複数の第2の支線とを有する第2の分岐光ファイバとを含むことができる。複数の第1の支線の各第1の支線は複数の位置のうちの関連する位置に光を導くように構成することができ、複数の第2の支線の各支線は複数の位置のうちの関連する位置から光を受け取るように構成することができる。この装置は複数の分離した位置の各位置に光学プローブを含むことができ、複数の第1の支線からの各第1の支線および複数の第2の支線からの各第2の支線は、関連する光学プローブに光学的に結合することができる。
【0010】
光学アセンブリは、共通検出器に接続された幹線と複数の支線とを有する分岐光ファイバを含むことができ、複数の支線の各支線は複数の位置のうちの関連する位置から光を受け取るように構成することができる。少なくとも1つの光源は複数の光源を含むことができる。複数の光源の各光源は複数の位置の異なる位置に関連することができる。光学アセンブリは複数の光ファイバを含むことができ、複数の光ファイバの各光ファイバは、複数の光源のうちの1つの光源に接続された第1の端部と、複数の位置のうちの関連する位置に光を導くように構成された第2の端部とを有する。光学アセンブリは、共通検出器に接続された幹線と複数の支線とを有する分岐光ファイバを含むことができ、複数の支線の各支線は複数の位置のうちの関連する位置から光を受け取るように構成することができる。
【0011】
少なくとも1つの光源は白色光源とすることができ、検出器は分光器とすることができる。複数の位置から共通検出器までの光路中に複数の光学シャッタを配設することができ、コントローラは、複数の光学シャッタのうちの1つの選択された光学シャッタを開けるように構成することができる。コントローラは、基板に隣接する位置に対応する複数の光学シャッタのうちの1つの選択された光学シャッタを開けるように構成することができる。光スイッチは、複数の位置のうちの選択された1つの位置から検出器に光を通すように構成することができる。プラテンは、キャリアヘッドとプラテンとの間の相対運動により、複数の分離した位置の各位置が基板を横切って繰り返し掃引するように構成することができる。コントローラは、基板を横切る各位置の掃引ごとに検出器から一群のスペクトル測定値を受け取るように構成することができる。コントローラは、一群のスペクトル測定値からスペクトルのシーケンスにおけるスペクトルを生成するように構成することができる。プラテンは回転可能とすることができ、コントローラは、プラテンの回転ごとにいくつかの数のスペクトルをシーケンスに加えるように構成することができ、その数は複数の別個の位置の数に等しい。コントローラは、スペクトルのシーケンスに基づいて、研磨終点、または研磨パラメータの調整の少なくとも一方を決定するように構成することができる。
【0012】
別の態様では、光学モニタシステムを動作させる方法は、プラテンによって支持された研磨パッドに基板に対して保持することと、プラテンと基板との間の相対運動を生成することと、少なくとも1つの光源からプラテンの複数の別個の位置の各々に光を導くことと、相対運動により、複数の別個の位置が基板を横切って掃引し、基板が前記各位置の上を通るときに複数の分離した位置の各位置から基板に光を導くことと、基板が前記各位置の上を通るときに基板から反射光を受け取ることと、複数の分離した位置の各々から共通検出器に反射光を導くこととを含む。
【0013】
別の態様では、機械可読ストレージデバイスにおいて有形的に具現されたコンピュータプログラム製品は、この方法を実行する命令を含む。
【0014】
実施態様は、適宜、以下の利点の1つまたは複数を含むことができる。スペクトルの収集の割合を増加させることができ、研磨を極めて正確に停止させることができる。所望の研磨終点を検出するための終点システムの信頼性を改善することができ、ウエハ内およびウエハ間の厚さ不均一性(WIWNUおよびWTWNU)を低減することができる。加えて、単一光源および単一分光器を使用することによって、多数の感知システムを較正する問題を避けることができる。
【0015】
1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付図面および以下の説明に記載される。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な図面における同様の参照番号および記号は同様の要素を示す。
【0018】
図1は、研磨装置100の一例を示す。研磨装置100は、研磨パッド110が置かれている回転可能な円板状プラテン120を含む。プラテンは回転軸125を中心に回転するように動作可能である。例えば、モータ121は、駆動軸124を回してプラテン120を回転させることができる。研磨パッド110は、外側研磨層112およびより柔軟なバッキング層114をもつ2層研磨パッドとすることができる。
【0019】
研磨装置100は、スラリなどの研磨液132を研磨パッド110上に小出しにするためのポート130を含むことができる。研磨装置は、研磨パッド110を一貫した摩耗状態に維持するために研磨パッド110を磨耗させる研磨パッドコンディショナーをさらに含むことができる。
【0020】
研磨装置100は1つまたは複数のキャリアヘッド140を含む。各キャリアヘッド140は基板10を研磨パッド110に対して保持するように動作可能である。各キャリアヘッド140の研磨パラメータ、例えば、関連する基板に印加される圧力は、独立して制御することができる。
【0021】
特に、各キャリアヘッド140は、可撓性膜144の下に基板10を保持するために保持リング142を含むことができる。各キャリアヘッド140は、膜によって画定された複数の独立して制御可能な加圧可能チャンバ、例えば、3つのチャンバ146a〜146cをさらに含み、チャンバは、独立して制御可能な圧力を、可撓性膜144の関連するゾーン、したがって、基板10の関連するゾーン148a〜148cに印加することができる(
図2を参照)。
図2を参照すると、中心ゾーン148aは実質的に円形とすることができ、残りのゾーン148b〜148eは中心ゾーン148aのまわりの同心環状ゾーンとすることができる。説明を容易にするために
図1および2には3つのチャンバのみが示されているが、1つもしくは2つのチャンバ、または4つ以上のチャンバ、例えば、5つのチャンバとすることができる。
【0022】
図2に戻ると、各キャリアヘッド140は支持構造体150、例えば、カルーセルからつり下げられ、駆動軸152によってキャリアヘッド回転モータ154に接続され、その結果、キャリアヘッドは軸155を中心に回転することができる。適宜、各キャリアヘッド140は、例えばカルーセル150のスライダ上で横方向に、またはカルーセル自体の回転振動によって振動することができる。動作時に、プラテンは回転軸125を中心に回転され、各キャリアヘッドは中心軸155を中心に回転され、研磨パッドの上面の端から端まで横方向に平行移動される。
【0023】
1つのキャリアヘッド140のみが示されているが、追加の基板を保持するためにより多くのキャリアヘッドを備えることができ、その結果、研磨パッド110の表面積を有効に使用できる。したがって、同時研磨プロセスのために基板を保持するように構成されるキャリアヘッドアセンブリの数は、少なくとも部分的に、研磨パッド110の表面積に基づくことができる。
【0024】
研磨装置は、インシトゥ光学モニタシステム160、例えば、分光モニタシステムをさらに含み、インシトゥ光学モニタシステム160は研磨終点を決定するか、または研磨速度を調整するのに使用することができる。
【0025】
図1に戻ると、光学モニタシステム160は、光源162と、光検出器164と、リモートコントローラ190、例えばコンピュータならびに光源162および光検出器164の間で信号を送受するための回路166とを含むことができる。光学モニタシステム160はプラテン120上の複数の分離した位置116から基板をモニタするように構成される。
【0026】
インシトゥ光学モニタシステム160は、光源162からプラテンの複数の位置116の各々に光を導き、基板10が各位置116の上を通るときに複数の位置116の各々から基板10に光を導き、基板10が前記各位置116の上を通るときに基板10から反射光を受け取り、複数の位置116の各々から検出器164に反射光を導くように構成された光学アセンブリを含む。したがって、同じ光源および同じ検出器が各位置116でモニタするために使用される(本明細書で使用する「共通(common)」という用語は、多数の位置でモニタするために光源または検出器を共有することを指し、光源または検出器が普通または従来のものであることを指していない)。いくつかの実施態様では、1つの位置116のみが所与の時間に基板の下にある。
【0027】
複数の位置116はプラテン120の回転軸125から同じ半径Rに配置することができる。しかし、いくつかの実施態様では、位置116は回転軸125から異なる距離に配置される。加えて、複数の位置116は、プラテン120の回転軸125のまわりに等しい角度間隔Aで間をあけることができる。しかし、いくつかの実施態様では、位置116は、回転軸125のまわりに異なる角度間隔で間をあける。
図3に示す1つの実施態様では、光学アセンブリは、120°の角度間隔Aだけ離間したちょうど3つの位置116に光を導く。
図2に示す別の実施態様では、光学アセンブリは、180°の角度間隔Aだけ離間したちょうど2つの位置116に光を導く。別の実施態様では、光学アセンブリは、90°の角度Aだけ離間したちょうど2つの位置116に光を導く。加えて、光学アセンブリは4つ以上の位置に光を導くことができる。
【0028】
プローブ、例えば、光ファイバの端部は、複数の位置118の各々に配置することができる。各プローブは、基板10がプローブの上を通るときに基板10に光を導き、かつ基板10から反射光を受け取るように構成することができる。
【0029】
光学モニタシステム160が基板10をモニタするために、研磨パッド110を通る複数の光学通路(optical access)118が設けられる。研磨パッド通る光学通路118は、複数の位置116の各々に配置することができる。各光学通路118は、複数の位置116のうちの1つに配置することができる。光学通路118は、研磨パッド110の開孔(すなわち、パッドを通り抜ける孔)または中実窓とすることができる。中実窓は、例えば、研磨パッドの開孔を充填する、例えば、研磨パッドに合わせて成形されるか、または研磨パッドに接着的に固定されるプラグとして研磨パッド110に固定することができるが、いくつかの実施態様では、中実窓はプラテン120上に支持され、研磨パッドの開孔中に突き出ることができる。
【0030】
図3を参照すると、研磨パッド110を通る光学通路118は、プラテン120の回転軸125から同じ半径Rに配置することができる。加えて、研磨パッド110を通る光学通路118は、プラテン120の回転軸125のまわりに等しい角度間隔Aで間をあけることができる。
【0031】
光学アセンブリは複数の光ファイバを含むことができる。複数の光ファイバを使用して、共通光源162から研磨パッドの各光学通路118に光を送出し、各光学通路118において基板10から反射された光を検出器164に送出することができる。例えば、第1の分岐光ファイバ170を使用して、光源162から光学通路118の各々に光を送出することができ、第2の分岐光ファイバ180を使用して、基板10から検出器164に光を送出して戻すことができる。第1の分岐光ファイバ170は、光源162に接続された幹線172と、複数の支線174(光学通路の数に等しい)を含むことができる。各支線174の端部を関連する光学通路118の近傍に位置づけて、支線174を関連する光学通路118に光学的に結合させる。同様に、第2の分岐光ファイバ180は、検出器164に接続された幹線182と、複数の支線184(光学通路の数に等しい)を含むことができる。各支線184の端部を関連する光学通路の近傍に位置づけて、支線184を関連する光学通路118に光学的に結合させる。その結果、光学通路118のすべては共通光源162から光を受け取ることができ、共通検出器164は光学通路118のすべてから光を受け取る。
【0032】
いくつかの実施態様では、プラテンの上面は、光ヘッド168が嵌合する複数の凹部128を含むことができる。各光ヘッド168は、光学通路118のうちの1つに垂直に位置合わせされる。各光ヘッド168は、第1の分岐光ファイバ170の関連する支線174の端部を保持し、第2の分岐光ファイバ180の関連する支線184の端部を保持する。光ヘッド168は、適宜、第1の分岐光ファイバ170の支線174の端部と第2の分岐光ファイバ170の支線184の端部とが結合される光パイプまたは光ファイバ169を含むことができる。したがって、光パイプまたは光ファイバ169は、第1の光ファイバ170から光学通路118に光を送出し、光学通路から第2の光ファイバ180に光を送出するのに役立つことができる。光ヘッドは、プラテンの上面を基準にして光パイプまたは光ファイバ169の上部の垂直位置あるいは支線174および184の端部の垂直位置を調整する機構を含むことができる。したがって、中実窓が使用される場合、機構は光パイプまたは光ファイバ169の上部あるいは支線174および184の端部の垂直位置と中実窓との間の垂直距離を設定することができる。
【0033】
光学ヘッド168(ならびに第1および第2の分岐光ファイバ170および180の支線174および184の端部)は、光学通路118と同様の方法でプラテンに位置づけられる。したがって、各光学ヘッド168(ならびに第1の分岐光ファイバ170の各支線174の端部および第2の分岐光ファイバ180の各支線184の端部)は、プラテン120の回転軸125から同じ半径Rに配置することができる。加えて、各光学ヘッド168(ならびに第1の分岐光ファイバ170の各支線174の端部および第2の分岐光ファイバ180の各支線184の端部)は、プラテン120の回転軸125のまわりに等しい角度間隔Aで間をあけることができる。1つの実施態様では、120°の角度間隔Aだけ離間したちょうど3つの光学ヘッド168(ならびに端部付きの第1の分岐光ファイバ170のちょうど3つの支線174および端部付きの第2の分岐光ファイバ180のちょうど3つの支線184)がある。
図2に示した別の実施態様では、研磨パッドは、180°の角度間隔Aだけ離間したちょうど2つの光学ヘッド168(ならびに端部付きの第1の分岐光ファイバ170のちょうど2つの支線174および端部付きの第2の分岐光ファイバ180のちょうど2つの支線184)を含む。
【0034】
光学アセンブリは、基板への光の入射角が各位置116で同一である、例えば、入射角がゼロである(その結果、光線が基板の表面に垂直である)ように構成することができる。例えば、光ファイバ170および180の支線174および184の端部は、プラテン120の上面に垂直となるように光ヘッド168によって保持することができる。加えて、光源162から位置116まで、および位置116から検出器142までの光路中の任意の光変更要素は、同じ波長範囲が各位置116でのスペクトル測定に使用されるように同一とすべきである。
【0035】
回路166の出力は、駆動軸124中の回転カプラ129、例えば、スリップリングを通って光学モニタシステム用のコントローラ190に至るデジタル電子信号とすることができる。同様に、光源は、コントローラ190から回転カプラ129を通って光学モニタシステム160に至るデジタル電子信号の制御コマンドに応答してオンまたはオフにすることができる。代替として、回路166は無線信号によってコントローラ190と通信することができる。
【0036】
光源162は白色光を放出するように動作可能とすることができる。1つの実施態様では、放出される白色光は、200〜800ナノメートルの波長を有する光を含む。好適な光源はキセノンランプまたはキセノン水銀ランプである。
【0037】
光検出器164は分光器とすることができる。分光器は、電磁スペクトルの一部にわたる光の強度を測定するための光学機器である。好適な分光器はグレーチング分光器である。分光器の典型的な出力は波長(または周波数)の関数としての光の強度である。
【0038】
上記のように、光源162および光検出器164は、それらの動作を制御し、それらの信号を受け取るように動作可能なコンピューティングデバイス、例えば、コントローラ190に接続することができる。コンピューティングデバイスは、研磨装置の近くに位置するマイクロプロセッサ、例えば、プログラム可能なコンピュータを含むことができる。制御に関して、コンピューティングデバイスは、例えば、光源の起動をプラテン120の回転と同期させることができる。
【0039】
プラテンの回転により、各光学通路118は基板10の端から端まで走査することになる。プラテン120が回転するとき、コントローラ190は、光源162に光を連続的にまたは一連の閃光で放出させ、光学通路のうちの1つが基板10の下を進む直前に開始し、進んだ直後に終了する光を、またはプラテンの全回転の間光を放出させることができる。これらの場合のいずれでも、検出器164からの信号をサンプリング周期の間積分して、サンプリング周波数におけるスペクトル測定値を生成することができる。
【0040】
図4に示されるように、プラテンの回転(矢印204で示される)により、光学通路118がキャリアヘッドの下を移動するたびに、光学モニタシステムはサンプリング周波数でスペクトル測定を行う。これにより、基板10を横切って、例えば円弧で掃引する場所201で一群のスペクトル測定が行われる。すなわち、一群のスペクトルは基板10を横切る単一の光学通路118の単一の掃引に対応する。例えば、点201a〜201kの各々は、モニタシステムによるスペクトル測定の場所を表す(点の数は例示であり、サンプリング周波数に応じて、図示のものよりも多いまたは少ない測定を行うことができる)。サンプリング周波数は、基板を横切る光学通路118の掃引当たり5個と20個との間でスペクトルが収集されるように選択することができる。例えば、サンプリング周期は1ミリセカンドと100ミリセカンドとの間である。
【0041】
図4は光学通路のうちの1つが基板10を横切るときに測定される基板上の点のみを示しているが、他の光学通路が基板を横切るときに他の群のスペクトル測定が行われることになる。その結果、光学通路118の数に等しいいくつかの群のスペクトル測定値がプラテン回転ごとに生成される。プラテンの多数回転に対して、多数の群のスペクトル測定値が得られる。
【0042】
動作時に、コントローラ190は、例えば、光源の特定の閃光の間に、または検出器の時間フレームの間に光検出器が受け取った光のスペクトルを記述する情報を搬送する回路166からの信号を受け取ることができる。したがって、このスペクトルは研磨中にインシトゥで測定されたスペクトルである。いかなる特定の理論にも限定されることなく、研磨の進行につれて(例えば、基板を横切る単一の掃引の間ではなくプラテンの多数の回転にわたって)、最も外側の層の厚さの変化のために、基板10から反射された光のスペクトルは漸進的に変化し、それにより、時間で変化するスペクトルのシーケンスがもたらされる。さらに、特定のスペクトルが層スタックの特定の厚さで示される。
【0043】
スペクトルのシーケンスは多数の群のスペクトル測定値から生成される。スペクトルのシーケンスは、スペクトル測定値の群当たり1つのスペクトル、例えば、基板を横切った光学通路118の掃引当たり1つのスペクトルを有することができる。したがって、プラテン回転ごとに、シーケンス中のスペクトルの数は、そのプラテン回転の間に収集されたスペクトル測定値の群の数だけ増加することになる。いくつかの実施態様(「現在のスペクトル」と名付けられる)では、最良の一致は、スペクトル測定値の群の各スペクトルと1つまたは複数の基準スペクトル、例えば、1つまたは複数のライブラリからの複数の基準スペクトルとの間で決定することができる。どの基準スペクトルが最良の一致を与えても、例えば、最小差分二乗和を有していても、シーケンス中の次のスペクトルを与えることができる。代替として、スペクトル測定値の群からのどのスペクトルが最良の一致を与えても、例えば、最小差分二乗和を有していても、シーケンス中の次のスペクトルを与えるように選択することができる。いくつかの実施態様では、スペクトル測定値の群からのスペクトルは組み合わせる、例えば、平均化することができ、次に、結果として生じる組合せスペクトルは、シーケンス中の次のスペクトルとして使用するか、または基準スペクトルと比較されて、シーケンス中の次のスペクトルとして使用される最良一致基準スペクトルを決定することができる。
【0044】
このように、プラテンの多数の回転にわたって、スペクトルのシーケンスが得られる。次に、コントローラ190は、例えば、参照により組み込まれる米国特許出願公開第2010−0217430号または第2008−0099443号に記載されているように、このスペクトルのシーケンスを分析して研磨終点を決定することができる。
【0045】
多数の光学通路118と、プラテンの回転当たりに多数の群のスペクトル測定値を収集することとにより、スペクトルは、単一の光学通路118が使用される場合よりも大きな割合で、例えば、2つの光学通路118が使用される場合2倍の割合、または3つの光学通路118が使用される場合3倍の周波数で、シーケンスに加えられる。高い割合でスペクトルをシーケンスに加えるほど、研磨をより正確に停止させることができる。
【0046】
いくつかの実施態様では、スペクトルの多数のシーケンス、例えば、基板の制御可能ゾーンに対応する多数のシーケンスを生成することができる。図示のように、プラテンの1回転にわたって、スペクトルは基板10の異なる半径から得られる。すなわち、あるスペクトルは基板10の中心により近い場所から得られ、あるスペクトルはエッジにより近い場所から得られる。したがって、基板を横切る光学モニタシステムのいかなる所与の走査についても、タイミング、モータエンコーダ情報、および基板および/または保持リングのエッジの光学検出に基づいて、コントローラ190は、走査からの各測定スペクトルに対する半径方向の位置(走査されている基板の中心を基準にして)を計算することができる。研磨システムは、どの基板であるかと、測定スペクトルの基板上の位置とを決定するための追加データを与えるために、回転位置センサ、例えば、静止した光学遮断器を通過することになるプラテンのエッジに取り付けられたフランジをさらに含むことができる。したがって、コントローラ190は、様々な測定スペクトルを基板10aおよび10bの制御可能ゾーン148b〜148e(
図2を参照)に関連づけることができる。いくつかの実施態様では、半径方向位置の正確な計算の代わりとして、スペクトルの測定の時間を使用することができる。
【0047】
プラテンの多数の回転にわたって、スペクトルのシーケンスを、各ゾーンに対して経時的に得ることができる。次に、コントローラ190は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2010−0217430号に記載されているように、スペクトルのこれらのシーケンスを分析して、研磨パラメータ、例えば、キャリアヘッドのチャンバの1つの圧力を調整し、より優れた研磨均一性を達成するか、または基板の多数の領域を終点により近づけるようにすることができる。
【0048】
図1に戻ると、いくつかの実施態様では、光学通路118からの光は、基板10の直下に位置づけられた光学通路からの光のみが検出器162に進むように多重化される。例えば、光学シャッタ250、例えば、液晶シャッタまたは機械シャッタを第2の分岐光ファイバ180の各支線184に挿入することができる。各光学シャッタ250は、光学シャッタ250が設置された支線184に関連する光学通路118が基板10の下を通る直前に開始して開き、光学通路118が基板10の下を通った直後に閉じるようにコントローラ190で制御することができる。光学シャッタは、支線184に存在するように示しているが、支線184の端部に、例えば、光学ヘッド168の中に、または光学ヘッド168の直前に配置することができる。加えて、光学シャッタは、さらに、第1の分岐光ファイバ170の支線174の端部にまで広げることができ、その結果、光学シャッタが閉じられると、光源162からの光は光学通路118を通って出て行かない。別の例として、分岐光ファイバではなく、光スイッチは、光学通路118の各々からの光ファイバを、検出器184に接続される単一の光ファイバに接続するのに使用することができる。基板10の下に位置づけられた光学通路からの光のみが検出器162に進むように、スイッチを制御することができる。他の光学通路118からの光が検出器184に達しないようにすることによって、検出器184に入力する迷光を低減することができ、信号強度を増加させることができ、光学終点検出アルゴリズムの信頼性を改善することができる。しかし、いくつかの実施態様では、例えば、信号強度が十分に強力である場合、シャッタは使用されない。
【0049】
図5を参照すると、光学モニタシステム160は、共通光源ではなく多数の光源162a、162bを含むことができる。この場合、プラテンの複数の位置116の各々に向けた光源が存在し得る。インシトゥ光学モニタシステム160は各光源162a、162bからプラテンの複数の位置116のうちの関連する位置に光を導き、基板10が各位置116の上を通るときに複数の位置116の各々から基板10に光を導き、基板10が前記各位置116の上を通るときに基板10から反射光を受け取り、複数の位置116の各々から検出器164に反射光を導くように構成された光学アセンブリを含む。したがって、同じ検出器であるが異なる光源が、各位置116でモニタするのに使用される。各光源162a、162bは普通なら同一とすることができ、例えば、各々はキセノンまたはキセノン水銀とすることができる。各光源162a、162bは、同じ波長範囲が各位置116でのスペクトル測定で使用されるように実質的に同じスペクトルを出力することができる。
【0050】
複数の光ファイバ170a、170bは、複数の光源162a、162bから位置116に光を導くことができる。複数の光ファイバの各光ファイバは、複数の光源162a、162bのうちの関連する光源に接続された第1の端部と、複数の位置116のうちの関連する位置に光を導くように構成された第2の端部とを有する。例えば、第1の光ファイバ170aは第1の光源162aから第1の光学通路118に光を送出することができ、第2の光ファイバ170bは第2の光源162bから第2の光学通路118に光を送出することができる。分岐した第3の光ファイバ180を使用して、基板10からの光を、光学通路118の各々から検出器164に送出して戻すことができる。
【0051】
このシステムは、光学終点モニタがプラテンに組み付けられている回転プラテンではなく、モニタシステムと基板との間の他のタイプの相対運動に適用可能にすることができる。例えば、いくつかの実施態様では、例えば軌道運動では、光学通路は基板上の異なる位置を横切るが、基板のエッジを横断しない。そのような場合、収集されたスペクトルはやはりグループ化することができ、例えば、スペクトルはある一定の周波数で収集することができ、期間内に収集されたスペクトルは群の一部と見なすことができる。期間は、5個から20個のスペクトルが群ごとに収集される十分な長さにするべきである。
【0052】
さらに、基板を横切る光学通路の掃引ごとに一群のスペクトル測定値を収集するのではなく、システムは、基板を横切る光学通路の掃引当たりただ1つのスペクトルが測定されるように構成することができる。
【0053】
さらに、光源からの光を分割するのに分岐光ファイバを使用するのではなく、ビームスプリッタ、例えば、半透鏡などの他の光学要素を使用して、光源からの光を分割し、または光学通路から光検出器までの光路を再結合することができる。さらに、光源からおよび検出器に光を搬送するのに光ファイバを使用するのではなく、光を導くのに他の光学要素、例えば、ミラーを使用することができる。加えて、光源162および検出器164はプラテン120に支持されるように示されているが、光源162および検出器164はプラテンによって支持されない静止している要素とすることができ、例えば、回転光結合を使用して、プラテン内の光ファイバを、光源162および検出器164につながっている光ファイバに接続することができる。
【0054】
加えて、光学モニタシステムは複数の光源を含むことができるが、光源の数は位置の数未満とすることができる。この場合、複数の光源の1つまたは複数からの光は、例えば、分岐光ファイバまたは他の光学要素を用いて分割し、異なる位置に導くことができる。したがって、複数の光源の各光源は、複数の位置の重なりのないサブセットに光を供給することができる。
【0055】
本明細書で使用されるとき、基板という用語は、例えば、製品基板(例えば、それは多数のメモリまたはプロセッサダイを含む)、テスト基板、ベア基板、およびゲーティング基板を含むことができる。基板は集積回路製造の様々な段階のものとすることができ、例えば、基板はベアウエハとすることができ、または1つまたは複数の堆積および/またはパターン化層を含むことができる。基板という用語は円板ディスクおよび長方形シートを含むことができる。
【0056】
本明細書に記載された本発明の実施形態と機能動作のすべてとは、デジタル電子回路で、または本明細書で開示する構造的手段およびその構造的均等物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアで、またはそれらの組合せで実施することができる。本発明の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、またはマルチプルプロセッサもしくはコンピュータによる実行のための、またはその動作を制御するための、機械可読ストレージデバイスにおいて有形的に具現される1つまたは複数のコンピュータプログラムとして実施することができる。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られている)は、コンパイル型言語またはインタープリタ型言語を含むプログラミング言語の任意の形態で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、構成要素、サブルーチン、またはコンピューティング環境で使用するのに好適な他のユニットとして含む任意の形態で配備することができる。コンピュータプログラムは必ずしもファイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラムもしくはデータを保持するファイルの一部に、当該のプログラムに専用の単一ファイルに、または多数の連携ファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を記憶するファイル)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータで実行されるように配備するか、または1つのサイトにあるかもしくは多数のサイトにわたって分散されており、通信ネットワークによって相互接続される多数のコンピュータで実行されるように配備することができる。
【0057】
本明細書に記載したプロセスおよび論理フローは、入力データに作用して出力を生成することによって機能を遂行するように1つまたは複数のプログラマブルプロセッサが1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行することによって遂行することができる。プロセスおよび論理フローは、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって遂行することができ、装置は専用論理回路として実現することもできる。
【0058】
上述の研磨装置および方法は様々な研磨システムに適用することができる。研磨パッドもしくはキャリアヘッドのいずれか、または両方は、研磨表面と基板との間で相対運動を行うように移動することができる。研磨パッドは、プラテンに固定された円形の(または他の形状の)パッドとすることができる。終点検出システムのいくつかの態様は、例えば、研磨パッドが、直線的に移動する連続的またはリールツーリールベルトである直線的研磨システムに適用可能とすることができる。研磨層は、標準(例えば、充填物を伴う場合も伴わない場合もあるポリウレタン)研磨材料、軟質材料、または固定砥粒材料とすることができる。
【0059】
相対的位置づけという用語はシステム内の部品の相対的方位を記載するのに使用されており、これは重力に対するいかなる特定の方位も意味せず、動作時に研磨表面および基板を垂直方位または他の方位に保持することができることが理解されるべきである。
【0060】
本発明の特定の実施形態を説明した。他の実施形態は以下の特許請求の範囲の範囲内にある。