(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985909
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】ガスセンサ
(51)【国際特許分類】
G01N 21/61 20060101AFI20160823BHJP
G01N 21/35 20140101ALI20160823BHJP
【FI】
G01N21/61
G01N21/35
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-154546(P2012-154546)
(22)【出願日】2012年7月10日
(65)【公開番号】特開2014-16268(P2014-16268A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳尾 聖一
【審査官】
比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−017712(JP,A)
【文献】
特開2005−091240(JP,A)
【文献】
特開2012−220351(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/023113(WO,A1)
【文献】
特開2007−192824(JP,A)
【文献】
特開平08−193952(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0285039(US,A1)
【文献】
特表2008−525815(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0019877(US,A1)
【文献】
特開平04−152247(JP,A)
【文献】
特開平09−184803(JP,A)
【文献】
特開2007−147613(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0114421(US,A1)
【文献】
特開2010−086378(JP,A)
【文献】
特開2007−010673(JP,A)
【文献】
徳尾聖一,外,非冷却量子型InSbフォトダイオード赤外線センサのガス濃度計への応用,電気学会ケミカルセンサ研究会資料,2009年 7月23日,P.71−76
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/61
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線を含む光を発光する発光部と、受光した前記発光部からの赤外線を含む光の光量に応じた電気信号を出力する受光部と、前記受光部からの電気信号が入力される信号処理部と、を備えるガスセンサであって、
前記発光部、前記受光部、および前記信号処理部は一つの基板の同一面上に配置され、
前記発光部と前記受光部とは、該発光部の発光面と該受光部の受光面が対向するように配置され、
前記信号処理部は、対向して配置される前記発光部と前記受光部の間に配置されることを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】
前記信号処理部が、更に前記発光部の光量を制御するための信号を出力する請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
前記受光部は、1つの受光部からなる請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項4】
前記受光部は、1つの受光部からなり、該受光部は、測定対象となるガスに対応する赤外線波長を通過させる赤外線透過特性を有する光学部材を備える請求項3に記載のガスセンサ。
【請求項5】
前記受光部は、2つの受光部からなり、該2つの受光部は、それぞれ異なる波長感度である請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項6】
前記受光部は、2つの受光部からなり、該2つの受光部は、それぞれ異なる赤外線透過特性を有する光学部材を備える請求項5に記載のガスセンサ。
【請求項7】
前記基板を覆うようにカバー部材を備え、該カバー部材が少なくとも一つの貫通孔を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスセンサに関する。より詳細には、赤外線を用いたガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線を用いたガスセンサとしては、特許文献1に記載の様なガスセンサが知られている。赤外線光源から発生られた光が、測定対象のガスが導入されるセルを通過し、その後、光学特性が異なるフィルタを通過した光が赤外線検出センサに入光し、赤外線検出センサの出力信号に応じて測定対象のガスの有無や濃度を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−75642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような従来のガスセンサでは、赤外線光源等の発光部と赤外線検出センサ等の受光部とが対向して配置されることは開示されているが、受光部からの信号を処理するための信号処理回路等の信号処理部は、ガスセンサの外部に配置する形態であった。
【0005】
このようにガスセンサの外部に信号処理部を配置すると、装置全体が大型化や、信号伝達時にノイズが増大するという弊害が生じ得る。
【0006】
すなわち、本発明は、装置を大型化せずにかつノイズを低減させることが可能なガスセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために
、本発明は、赤外線を含む光を発光する発光部と、受光した赤外線を含む光に応じて光電変換をする受光部と、前記受光部からの電気信号が入力される信号処理部と、を備えるガスセンサであって、前記発光部、受光部、および信号処理部は一つの基板
の同一面上に配置され、前記発光部と前記受光部とは、
該発光部の発光面と該受光部の受光面が対向
するように配置され、前記信号処理部は、対向して配置される発光部と受光部の間に配置される
。
【0008】
また、本発明のガスセンサの信号処理部は、更に前記発光部の光量を制御するための信号を出力することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のガスセンサの受光部は、1つの受光部からなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のガスセンサの受光部は、1つの受光部からなり、該受光部は、測定対象となるガスに対応する赤外線波長を通過させる赤外線透過特性を有する光学部材を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のガスセンサの受光部は、2つの受光部からなり、該2つの受光部は、それぞれ異なる波長感度であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のガスセンサの受光部は、2つの受光部からなり、該2つの受光部は、それぞれ異なる赤外線透過特性を有する光学部材を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のガスセンサは、基板を覆うようにカバー部材を備え、該カバー部材が少なくとも一つの貫通孔を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、装置を大型化せずにかつノイズを低減させることが可能なガスセンサを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第一の実施形態のガスセンサの断面図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態のガスセンサの上面図である。
【
図3】本発明の第二の実施形態のガスセンサの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のガスセンサの実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0017】
[ガスセンサ]
図1は本発明の第一の実施形態のガスセンサの断面図であり、
図2は本発明の第一の実施形態のガスセンサの上面図(ただし、カバー部材は図示せず)である。
【0018】
図1のガスセンサは、発光部110と、受光部120と、信号処理部130と基板140と、カバー部材150とを備えている。
【0019】
発光部110は、赤外線を含む光を発光するものであれば特に制限されない。一例としては、赤外線発光素子や、電球などが挙げられるがこの限りではない。
【0020】
受光部120は、赤外線を含む光を受光すると、その光に応じて出力電圧や電流を変化させる等により受光部から出力する電気信号を変化させるものであれば特に制限されない。一例としては、フォトトランジスタやフォトダイオードなどの量子型赤外線センサや、焦電センサやサーモパイルなどの熱型赤外線センサが挙げられる。
【0021】
信号処理部130は、受光部から電気信号が入力され、所望の信号処理を行うことが可能なものであれば特に制限されない。信号処理部で行われる信号処理の具体例としては、発光部の光源の駆動信号を変化させるための光量制御信号を生成する信号処理や、発光部と受光部の間に設けられるスリットを制御して光量を制御するための光量制御信号を生成する信号処理や、アンプ等による入力信号の信号増幅や、入力信号の加減算処理や、入力信号に応じたガスの有無判定や、入力信号に応じたガス濃度演算などが挙げられる。
【0022】
基板140は、発光部110、受光部120、信号処理部130を配置することが可能なものであれば特に制限されない。基板140の具体例としては、プリント基板や配線基板、サーキットボード、半導体基板、リードフレームなどが挙げられる。発光部110、受光部120、信号処理部130を表面実装することが可能な基板であることが好ましい。また、基板140には、処理した信号を出力するための出力端子を設けることができる。出力端子は、一般的には、基板140の発行部120等を取り付ける面の反対の面に取り付けられることが多いが、端子を設ける位置は、特に限定されるものではない。
【0023】
カバー部材150は、前記基板を覆うように配置されるものであれば特に制限されない。カバー部材の材質の一例としては、樹脂や金属を成形して得られる部材が挙げられる。また、カバー部材150を備える場合は、被検知対象のガスを発光部110と受光部120の間の空間に導入するための貫通孔151を備えていてもよい。貫通孔151は、本発明のガスセンサがガスの検知を容易にするために、受光部の受光面に直接ガスが入るような位置にあるのがよい。具体的にはカバー部材の上面中央部、さらに好ましくは、受光部の受光面に直接ガスが入るように発行部と受光部の間の受光部寄りの位置に配置するのがよい。一方で、貫通孔151以外の部分から、ガスセンサ内にガスを導入する場合は、貫通孔151を備えている必要はない。また、発光光を効率よく受光部へ届けるために、カバー部材150を光反射効率の高い材料を用いるか、カバー部材150の内部または全体の表面を光反射効処理しても良い。
【0024】
発光部110、受光部120、および信号処理部130は基板140上に配置されている。発光部110と受光部120はその発光面と受光面が対向するように配置されている。信号処理部130は発光部110と受光部120の間に配置されている。このような配置を取ることにより、装置を大型化せずに、かつ、受光部からの信号が外部に出ることなく信号処理部に入力されるので、ノイズを低減することを可能にする。
【0025】
受光部120は、赤外線センサ121と、光学部材123を備えており、1つの受光部を形成している。光学部材123は赤外線センサ121の受光面側に配置され、測定対象となるガスに対応する赤外線波長のみを通過させる赤外線透過特性を有している。具体的には、測定対象となるガス成分により吸収される赤外線波長のみを透過させるように波長帯域が設定されている。
【0026】
測定対象となるガスが、ガスセンサに入ると、発光部110が発光した赤外線の光学部材123が透過する赤外線波長がガスにより吸収される。ガスにより吸収された赤外線の残りは、赤外線センサ121により検出される。ここで、赤外線の光量は、ガスの濃度によって変化する。したがって、ガスセンサに測定対称のガスが入ると、赤外線センサ121により検出される赤外線の光量が変化し、検出した光量の変化を信号処理部130において判定等することにより、ガスの検知を行なう。
【0027】
本発明の第二の実施形態のガスセンサとして、受光部120を、例えば2波長を検出するような構成にすることができる。
図3は第二の実施形態のガスセンサの上面図である。第一の実施形態のように、1波長のみを検出する構成にした場合には、ガスセンサ内の温度変化や干渉ガス等によっても赤外線センサが出力する信号が変化してしまい、ガスの検知に誤差が生じてしまうことがあるが、2波長を検出する構成にした場合、その誤差を少なくすることが可能である。
【0028】
この場合、赤外線センサ121に加え、さらにもう1つの赤外線センサ122を設け、また、それぞれ赤外線透過特性が異なる光学部材123、124を、各赤外線センサ121、122の受光面側に備えている。ここで、赤外線センサ121及び光学部材123と、赤外線センサ122及び光学部材124とは、それぞれが一つずつの受光部を形成している。光学部材123と124とは、それぞれ異なる赤外線透過特性を有している。具体的には、光学部材123は測定対象となるガスにより吸収される赤外線波長のみを透過させるように波長帯域が設定される一方で、光学部材124は、測定対象となるガスにより吸収されない赤外線波長帯域または干渉ガスによる吸収の強い波長帯域とする。
【0029】
測定対象となるガスが、ガスセンサに入ると、発光部が発光した赤外線の光学部材123が透過する赤外線波長がガスにより吸収される。ガスにより吸収された赤外線の残りは、赤外線センサ121により検出される。したがって、ガスセンサに測定対称のガスが入ると、赤外線センサ121により検出される赤外線の光量が変化する。一方、光学部材124は、ガスにより吸収さない赤外線波長帯域を用いた場合赤外線がガスにより吸収された場合でも赤外線センサ122が検出する赤外線の光量は変化しない、また、干渉ガスによる吸収の強い波長帯域を用いた場合干渉ガスの影響があった割合に応じて赤外線センサ122が検出する赤外線の光量が変化する。
【0030】
したがって赤外線センサ121が検出する赤外線の光量と、赤外線センサ122が検出する赤外線の光量との差分を計測することにより、検出対象のガスの有無や濃度を測定することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、二酸化炭素等の小型のガスセンサとして好適である。
【符号の説明】
【0032】
110 発光部
120 受光部
121、122 赤外線センサ
123、124 光学部材
130 信号処理部
140 基板
150 カバー部材
151 貫通孔