(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記薄膜化工程の前に、前記第2の回転数より小さい第4の回転数で前記基板を回転させることで、前記基板の表面上に前記リンス液の液膜をパドル状に形成する液膜形成工程を更に備える請求項1〜3のいずれか一項記載の液処理方法。
前記薄膜化工程では、前記基板の表面のうち、少なくとも前記基板の外周に沿う部分に前記高濃度ガス又は前記ミストを供給する請求項1〜4のいずれか一項記載の液処理方法。
前記乾燥制御手段は、前記基板保持装置を回転させないように前記回転装置を制御しながら、前記基板保持装置に保持された前記基板の表面に前記光を照射するように前記光照射装置を制御する請求項6記載の液処理装置。
前記乾燥制御手段は、前記第2の回転数より小さい第3の回転数で前記基板保持装置を回転させるように前記回転装置を制御しながら、前記基板保持装置に保持された前記基板の表面に前記光を照射するように前記光照射装置を制御する請求項6記載の液処理装置。
前記薄膜化制御手段が前記リンス液を薄膜化させる前に、前記基板保持装置を前記第2の回転数より小さい第4の回転数で回転させるように前記回転装置を制御することで、前記基板の表面上に前記リンス液の液膜をパドル状に形成する液膜形成制御手段を更に備える請求項6〜8のいずれか一項記載の液処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載された基板処理方法によれば、基板上のリンス液が、リンス液より表面張力が小さいイソプロピルアルコールに置換される。これにより、基板の乾燥時に凹凸パターンに作用する応力が低下する。しかしながら、特許文献2に記載された液処理方法では、凹凸パターンの倒れを十分に抑制することができない場合があった。特に、特許文献1に記載された現像処理方法では、イソプロピルアルコールによってレジストパターンが溶解してしまうおそれがあるため、特許文献2に記載された液処理方法を採用することさえも難しく、レジスト―パターンの倒れの発生を十分に抑制することができない場合があった。
【0005】
本発明は、基板表面に形成された凹凸パターンの倒れの発生を十分に抑制することができる液処理方法、液処理装置及び液処理用記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、凹凸パターンの倒れを十分に抑制することができない要因について調査研究を行った結果、次の事象を見出すに至った。基板を回転させることでリンス液を薄膜化させると、凹凸パターンを構成する凸部と、リンス液の液溜りとが基板上に交互に並んだ状態となる。このとき、一部の液溜りの液面高さが他の液溜りの液面高さより低くなる場合がある。例えば、基板の外周部では、基板の中心部に比べ、大きな遠心力でリンス液が振り切られるため、リンス液の液溜りの液面高さが低くなる場合がある。また、遠心力によって外周側に移動するリンス液により、凸部間のリンス液が引き出されることで、外周部以外の部分でも、リンス液の液溜りの液面高さが低くなる場合がある。液面高さが低くなった液溜りに隣接する凸部は、互いに液面高さが異なる液溜りにより挟まれることとなる。すると、凸部の一方側の液溜りによる応力と他方側の液溜りによる応力との差が生じ、その差によって凸部の倒れが生じてしまう場合がある。
【0007】
そこで、本発明に係る液処理方法は、基板の表面上に処理液を供給する処理液供給工程と、基板の表面上にリンス液を供給しながら、第1の回転数で基板を回転させることで、基板の表面上の処理液を洗い流すリンス工程と、基板の表面上に、リンス液の蒸気を高濃度に含む高濃度ガス又はリンス液のミストを供給しながら、第1の回転数より小さい第2の回転数で基板を回転させることで、基板の表面上のリンス液を薄膜化させる薄膜化工程と、基板の表面に光を照射することで、基板の表面上で薄膜化したリンス液を蒸発させ、基板の表面を乾燥させる乾燥工程と、を備える。
【0008】
この液処理方法では、基板の表面上にリンス液を供給しながら、第1の回転数で基板を回転させるリンス工程の後に、リンス液の蒸気を高濃度に含む高濃度ガス又はリンス液のミストを基板の表面上に供給しながら、第1の回転数より小さい第2の回転数で基板を回転させる薄膜化工程が行われる。第1の回転数より小さい第2の回転数で基板が回転することで、基板の表面上のリンス液の一部が振り切られ、基板の表面上のリンス液が薄膜化される。高濃度ガス又はミストの供給により、基板の表面上にリンス液の液滴が付着するため、リンス液の液面高さが部分的に低下したとしても、低下した部分にリンス液が補充される。このため、リンス液の液面高さの部分的な低下を抑制することができる。薄膜化工程の後には、基板の表面に光を照射する乾燥工程が行われる。基板の表面に光を照射することでリンス液の蒸発を全体的に促進し、リンス液の液面高さの部分的な低下を抑制しながら基板を乾燥させることができる。従って、基板が乾燥するまで、各凸部の一方側の液溜りによる応力と他方側の液溜りによる応力との差を小さく保ち、凹凸パターンの倒れを十分に抑制することができる。
【0009】
乾燥工程では、基板を回転させずに、基板の表面に光を照射してもよい。この場合、基板を回転させないことで、基板の表面の各部間で移動速度の差がなくなる。これにより、各部におけるリンス液の乾燥条件が均一化されるため、リンス液の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。
【0010】
乾燥工程では、第2の回転数より小さい第3の回転数で基板を回転させながら、基板の表面に光を照射してもよい。この場合、基板の表面の一部が光照射装置の光の照射範囲に入っていない場合であっても、光を照射する光照射装置に対して基板を回転させることで、基板の表面の全体に万遍なく光が照射される。これにより、基板の表面の各部におけるリンス液の乾燥条件が均一化されるため、リンス液の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。なお、基板を回転させると、基板の表面の各部間で移動速度の差が生じることとなるが、第3の回転数が第2の回転数より小さいため、移動速度の差によるリンス液の乾燥条件の差を十分に小さくすることができる。
【0011】
薄膜化工程の前に、第2の回転数より小さい第4の回転数で基板を回転させることで、基板の表面上にリンス液の液膜をパドル状に形成する液膜形成工程を更に備えてもよい。この場合、薄膜化工程の前段階において、リンス液の液膜をパドル状に形成し、基板の表面を万遍なく液膜で被覆することができる。これにより、薄膜化工程では、リンス液の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。
【0012】
薄膜化工程では、基板の表面のうち、少なくとも基板の外周に沿う部分に高濃度ガス又はミストを供給してもよい。上述したように、基板が回転しているときに、基板の外周部では、基板の中心部に比べ、大きな遠心力でリンス液が振り切られるため、リンス液の液溜りの液面高さが低くなる場合がある。このため、少なくとも基板の外周に沿う部分に高濃度ガス又はミストを供給することで、リンス液の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。
【0013】
本発明に係る液処理装置は、基板を保持する基板保持装置と、基板保持装置に保持された基板に交差する軸線を中心に、基板保持装置を回転させる回転装置と、処理液を供給する処理液供給装置と、リンス液を供給するリンス液供給装置と、リンス液の蒸気を高濃度に含む高濃度ガス又はリンス液のミストを供給するガス又はミスト供給装置と、光を照射する光照射装置と、基板保持装置に保持された基板の表面上に処理液を供給するように処理液供給装置を制御する処理液供給制御手段と、基板保持装置に保持された基板の表面上にリンス液を供給するようにリンス液供給装置を制御しながら、第1の回転数で基板保持装置を回転させるように回転装置を制御することで、基板の表面上の処理液を洗い流すリンス制御手段と、基板保持装置に保持された基板の表面上に高濃度ガス又はミストを供給するようにガス又はミスト供給装置を制御しながら、第1の回転数より小さい第2の回転数で基板を回転させるように回転装置を制御することで、基板の表面上のリンス液を薄膜化させる薄膜化制御手段と、基板保持装置に保持された基板の表面に光を照射するように光照射装置を制御することで、基板の表面上で薄膜化したリンス液を蒸発させ、基板の表面を乾燥させる乾燥制御手段と、を備える。
【0014】
この液処理装置では、基板の表面上にリンス液を供給しながら、第1の回転数で基板を回転させるリンス工程の後に、リンス液の蒸気を高濃度に含む高濃度ガス又はリンス液のミストを基板の表面上に供給しながら、第1の回転数より小さい第2の回転数で基板を回転させる薄膜化工程を行うことができる。第1の回転数より小さい第2の回転数で基板が回転することで、基板の表面上のリンス液の一部が振り切られ、基板の表面上のリンス液が薄膜化される。高濃度ガス又はミストの供給により、基板の表面上にリンス液の液滴が付着するため、リンス液の液面高さが部分的に低下したとしても、低下した部分にリンス液が補充される。このため、リンス液の液面高さの部分的な低下を抑制することができる。薄膜化工程の後には、基板の表面に光を照射する乾燥工程を行うことができる。基板の表面に光を照射することでリンス液の蒸発を全体的に促進し、リンス液の液面高さの部分的な低下を抑制しながら基板を乾燥させることができる。従って、基板が乾燥するまで、各凸部の一方側の液溜りによる応力と他方側の液溜りによる応力との差を小さく保ち、凹凸パターンの倒れを十分に抑制することができる。
【0015】
乾燥制御手段は、基板保持装置を回転させないように回転装置を制御しながら、基板保持装置に保持された基板の表面に光を照射するように光照射装置を制御してもよい。この場合、基板を回転させないことで、基板の表面の各部間で移動速度の差がなくなる。これにより、各部におけるリンス液の乾燥条件が均一化されるため、リンス液の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。
【0016】
乾燥制御手段は、第2の回転数より小さい第3の回転数で基板保持装置を回転させるように回転装置を制御しながら、基板保持装置に保持された基板の表面に光を照射するように光照射装置を制御してもよい。この場合、基板の表面の一部が光照射装置の光の照射範囲に入っていない場合であっても、光照射装置に対して基板を回転させることで、基板の表面の全体に万遍なく光が照射される。これにより、基板の表面の各部におけるリンス液の乾燥条件が均一化されるため、リンス液の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。なお、基板を回転させると、基板の表面の各部間で移動速度の差が生じることとなるが、第3の回転数が第2の回転数より小さいため、移動速度の差によるリンス液の乾燥条件の差を十分に小さくすることができる。
【0017】
薄膜化制御手段がリンス液を薄膜化させる前に、基板保持装置を第2の回転数より小さい第4の回転数で回転させるように回転装置を制御することで、基板の表面上にリンス液の液膜をパドル状に形成する液膜形成制御手段を更に備えてもよい。この場合、薄膜工程の前段階において、リンス液の液膜をパドル状に形成し、基板の表面を万遍なく液膜で被覆することができる。これにより、薄膜化工程では、リンス液の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。
【0018】
薄膜化制御手段は、基板保持装置に保持された基板の表面のうち、少なくとも基板の外周に沿う部分に高濃度ガス又はミストを供給するようにガス又はミスト供給装置を制御してもよい。上述したように、基板が回転しているときに、基板の外周部では、基板の中心部に比べ、大きな遠心力でリンス液が振り切られるため、リンス液の液溜りの液面高さが低くなる場合がある。このため、少なくとも基板の外周に沿う部分に高濃度ガス又はミストを供給することで、リンス液の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。
【0019】
本発明に係る液処理用記録媒体は、液処理装置に用いられ、コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウェアが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、制御プログラムは、上記液処理方法を実行するように工程が組まれている。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る液処理方法、液処理装置及び液処理用記録媒体によれば、基板表面に形成された凹凸パターンの倒れの発生を十分に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る液処理装置の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
本実施形態の液処理装置は、現像処理装置である。まず、この現像処理装置が適用される塗布・現像装置の一例について説明する。
図1〜
図3に示されるように、塗布・現像装置1は、キャリアブロックS1と、キャリアブロックS1に隣接する処理ブロックS2と、処理ブロックS2に隣接するインターフェースブロックS3とを備えている。以下の説明における「前後左右」は、インターフェースブロックS3側を前側、キャリアブロックS1側を後側とした方向を意味するものとする。
【0024】
キャリアブロックS1は、複数のキャリア2を設置するためのキャリアステーション3と、キャリアステーション3と処理ブロックS2との間に介在する搬入・搬出部4とを有している。キャリア2は、複数枚のウェハ(基板)Wを密封状態で収容し、キャリアステーション3上に着脱自在に設置される。キャリア2の一側面2a側には、ウェハWを出し入れするための開閉扉(不図示)が設けられている。搬入・搬出部4には、キャリアステーション3に設置された複数のキャリア2にそれぞれ対応する開閉扉4aが設けられている。搬入・搬出部4内には、キャリアステーション3に設置されたキャリア2からウェハWを取り出して処理ブロックS2に渡し、処理ブロックS2からウェハWを受け取ってキャリア2内に戻す受け渡しアームA1が収容されている。
【0025】
処理ブロックS2は、ウェハWの表面上に下層の反射防止膜を形成する下層反射防止膜形成(BCT)ブロック5と、下層の反射防止膜の上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成(COT)ブロック6と、レジスト膜の上に上層の反射防止膜を形成する上層反射防止膜形成(TCT)ブロック7と、現像処理を行う現像処理(DEV)ブロック8とを有している。これらのブロックは、床面側からDEVブロック8、BCTブロック5、COTブロック6、TCTブロック7の順に積層されている。
【0026】
BCTブロック5には、反射防止膜形成用の薬液を塗布する塗布ユニット(不図示)と、加熱・冷却ユニット(不図示)と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA2とが収容されている。TCTブロック7にも同様に、塗布ユニットと、加熱・冷却ユニットと、搬送アームA4とが収容されている。COTブロック6には、レジスト膜形成用の薬液を塗布する塗布ユニット(不図示)と、加熱・冷却ユニット(不図示)と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA3とが収容されている。
【0027】
図2及び
図3に示されるように、DEVブロック8には、複数の現像処理ユニット(現像処理装置)U1と、複数の加熱・冷却ユニットU2と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA5と、これらのユニットを経ずに処理ブロックS2の前後間でウェハWを搬送する直接搬送アームA6とが収容されている。複数の現像処理ユニットU1は、DEVブロック8の右側で、後側から前側に向かって並べられると共に、上下2段に積層されている。複数の加熱・冷却ユニットU2は、DEVブロック8の左側で、後側から前側に向かって並べられている。搬送アームA5は、現像処理ユニットU1と加熱・冷却ユニットU2との間に設けられ、前後方向及び上下方向に移動可能とされている。直接搬送アームA6は、DEVブロック8の上部に設けられ、前後方向に移動可能とされている。
【0028】
処理ブロックS2の後側には、床面からTCTブロック7に亘るように棚ユニットU3が設けられている。棚ユニットU3は、上下方向に並ぶ複数のセルC30〜C38に区画されている。棚ユニットU3の近傍には、セルC30〜C38間でウェハWを搬送する昇降自在な昇降アームA7が設けられている。処理ブロックS2の前側には、床面からDEVブロック8の上部に亘るように棚ユニットU4が設けられている。棚ユニットU4は、上下方向に並ぶ複数のセルC40〜C42に区画されている。
【0029】
インターフェースブロックS3は、露光装置E1に接続される。インターフェースブロックS3には、処理ブロックS2の棚ユニットU4から露光装置E1にウェハWを渡し、露光装置E1からウェハWを受け取り棚ユニットU4に戻す受け渡しアームA8が収容されている。
【0030】
このような塗布・現像装置1では、まず、レジストパターンが形成されていない複数のウェハWを収容したキャリア2がキャリアステーション3に設置される。このとき、キャリア2の一側面2aは搬入・搬出部4の開閉扉4aに向けられる。次に、キャリア2の開閉扉と搬入・搬出部4の開閉扉4aとが共に開放され、受け渡しアームA1により、キャリア2内のウェハWが取り出され、処理ブロックS2の棚ユニットU3のいずれかのセルに順次搬送される。
【0031】
受け渡しアームA1により棚ユニットU3のいずれかのセルに搬送されたウェハWは、昇降アームA7により、BCTブロック5に対応するセルC33に順次搬送される。セルC33に搬送されたウェハWは、搬送アームA2によってBCTブロック5内の各ユニットに搬送され、このウェハWの表面上に下層反射防止膜が形成される。
【0032】
下層反射防止膜が形成されたウェハWは、搬送アームA2によってセルC33の上のセルC34に搬送される。セルC34に搬送されたウェハWは、昇降アームA7によって、COTブロック6に対応するセルC35に搬送される。セルC35に搬送されたウェハWは、搬送アームA3によりCOTブロック6内の各ユニットに搬送され、このウェハWの下層反射防止膜の上にレジスト膜が形成される。
【0033】
レジスト膜が形成されたウェハWは、搬送アームA3によってセルC35の上のセルC36に搬送される。セルC36に搬送されたウェハWは、昇降アームA7によって、TCTブロック7に対応するセルC37に搬送される。セルC37に搬送されたウェハWは、搬送アームA4によってTCTブロック7内の各ユニットに搬送され、このウェハWのレジスト膜の上に上層反射防止膜が形成される。
【0034】
上層反射防止膜が形成されたウェハWは、搬送アームA4によってセルC37の上のセルC38に搬送される。セルC38に搬送されたウェハWは、昇降アームA7によって直接搬送アームA6に対応するセルC32に搬送され、直接搬送アームA6によって棚ユニットU4のセルC42に搬送される。セルC42に搬送されたウェハWは、インターフェースブロックS3の受け渡しアームA8により露光装置E1に渡され、レジスト膜の露光処理が行われる。露光処理後のウェハWは、受け渡しアームA8によりセルC42の下のセルC40,C41に搬送される。
【0035】
セルC40,C41に搬送されたウェハWは、搬送アームA5により、DEVブロック8内の各ユニットに搬送され、現像処理が行われ、ウェハWの表面上にレジストパターンが形成される。レジストパターンが形成されたウェハWは、搬送アームA5によって棚ユニットU3のうちDEVブロック8に対応したセルC30,C31に搬送される。セルC30,C31に搬送されたウェハWは、昇降アームA7によって、受け渡しアームA1がアクセス可能なセルに搬送され、受け渡しアームA1によって、キャリア2内に戻される。
【0036】
なお、塗布・現像装置1の構成は一例に過ぎずない。塗布・現像装置は、塗布ユニットや現像処理ユニット等の液処理ユニットと、加熱・冷却ユニット等の前処理・後処理ユニットと、搬送装置とを備えるものであればよく、これら各ユニットの個数や種類、レイアウト等は適宜変更可能である。
【0037】
続いて、現像処理ユニット(現像処理装置)U1について、更に詳細に説明する。
図4に示されるように、現像処理ユニットU1は、ウェハWを保持するチャック(基板保持装置)11と、チャック11を回転させる回転装置12と、チャック11を昇降させる昇降装置13と、現像液(処理液)を供給する現像液供給装置(処理液供給装置)14と、リンス液を供給するリンス液供給装置15と、リンス液の蒸気を高濃度に含む高濃度ガスを供給する高濃度ガス供給装置16と、光を照射する光照射装置17と、制御装置18とを備えている。ここで、「リンス液の蒸気を高濃度に含む」の「高濃度」とは、高濃度ガス供給装置16がガス供給を行わない場合の現像処理ユニットU1内におけるリンス液の蒸気の濃度に比べて高濃度であることを意味する。
【0038】
チャック11は、表面Waが上方に面するように略水平に配置されたウェハWの中心部を支持し、吸引吸着等により保持する。回転装置12は、チャック11の下方に設けられ、鉛直上方に延在した回転軸12aと、回転軸12aを回転させる電動モータ等の動力源(不図示)とを有している。回転軸12aの先端部は、チャック11に接続されている。これにより、回転装置12は、チャック11に保持されたウェハWに直交する回転軸12aの中心軸線CLを中心に、チャック11を回転させる。昇降装置13は、回転装置12に隣接するように設けられている。昇降装置13を制御することで、ウェハWの受け渡しを行う受け渡し高さと、現像処理を行う現像高さとの間でチャック11を昇降させることが可能となっている。
【0039】
回転装置12の周囲には、ウェハW上から外側に振り切られて落下する液体を受け止める収容器であるカップ19が設けられている。カップ19は、回転装置12を囲む円環形状の底板20と、底板20の外縁に沿って鉛直上方に突出した円筒状の外壁21と、底板20の内縁に沿って鉛直上方に突出した円筒状の内壁22とを有している。外壁21の全部分は、チャック11に保持されたウェハWの外縁に対し、平面視で外側に位置する。外壁21の上端21aは、上記現像高さのチャック11に保持されたウェハWより上方に位置する。外壁21の上端21a側の部分には、内側に傾いた傾斜壁部21bが形成されている。内壁22の全部分は、チャック11に保持されたウェハWの外縁に対し、平面視で内側に位置する。内壁22の上端22aは、上記現像高さのチャック11に保持されたウェハWより下方に位置する。
【0040】
内壁22と外壁21との間には、内壁22を囲む円に沿って底板20の上面から鉛直上方に突出した仕切壁23が設けられている。底板20のうち、外壁21と仕切壁23との間の部分には、液体を排出するための液体排出孔20aが形成され、液体排出孔20aが形成された部分に液体排出用の排液管24が接続されている。底板20のうち、仕切壁23と内壁22との間の部分には、気体を排出する気体排出孔20bが形成され、気体排出孔20bが形成された部分に気体排出用の排気管25が接続されている。
【0041】
内壁22の上部には、平面視で仕切壁23より外側に張り出した傘状部材26が設けられている。ウェハW上から外側に振り切られた液体は、外壁21及び傘状部材26により、外壁21と仕切壁23との間に導かれ、液体排出孔20aから排出される。仕切壁23と内壁22との間には、液体から発生したガスが進入し、そのガスが気体排出孔20bから排出される。
【0042】
図5に示されるように、カップ19の外壁21の外側には、水平方向に延在するガイドレール27が設けられている。現像液供給装置14は、ガイドレール27に沿って移動する移動体14aと、移動体14aからチャック11側に延在するアーム14bと、アーム14bの先端部に設けられた現像液ノズル14cとを有している。アーム14bは、チャック11に保持されたウェハWの上方にかかるように延在している。現像液ノズル14cは、ガイドレール27の延在方向(図示右方向又は左方向)から見て、チャック11に保持されたウェハWの中心の上方に位置する。現像液ノズル14cには、下方に開口した吐出孔h1が形成されている。吐出孔h1は、ガイドレール27の延在方向に沿って延びた形状を呈している。現像液ノズル14cには、現像液の供給源(不図示)から現像液が送られ、現像液ノズル14cの吐出孔h1から下方に向かって現像液が吐出される。現像液の供給源は、例えば現像液の貯蔵容器及びポンプ等である。
【0043】
リンス液供給装置15は、ガイドレール27に沿って移動する移動体15aと、移動体15aからチャック11側に延在するアーム15bと、アーム15bの先端部に設けられたリンス液ノズル15cとを有している。アーム15bは、チャック11に保持されたウェハWの上方にかかるように延在している。リンス液ノズル15cは、ガイドレール27の延在方向(図示右方向又は左方向)から見て、チャック11に保持されたウェハWの中心の上方に位置する。リンス液ノズル15cには、下方に開口した吐出孔h2が形成されている。リンス液ノズル15cには、リンス液の供給源(不図示)からリンス液が送られ、リンス液ノズル15cの吐出孔h2から下方に向かってリンス液が吐出される。リンス液の供給源は、例えばリンス液の貯蔵容器及びポンプ等である。リンス液は、例えば純水である。
【0044】
高濃度ガス供給装置16は、ガイドレール27に沿って移動する移動体16aと、移動体16aからチャック11側に延在するアーム16bと、アーム16bに沿って設けられた複数のガスノズル16cとを有している。アーム16bは、チャック11に保持されたウェハWの上方にかかるように延在している。複数のガスノズル16cは、ガイドレール27の延在方向から見て、チャック11に保持されたウェハWの中心から外周に亘る部分の上方に位置する(
図7(c)参照)。各ガスノズル16cには、下方に開口した吐出孔h3が形成されている。各ガスノズル16cには、高濃度ガスの供給源から高濃度ガスが送られ、各ガスノズル16cの吐出孔h3から下方に向かって高濃度ガスが吐出される。高濃度ガスの供給源は、例えばリンス液の気化装置及び送風機等である。
【0045】
光照射装置17は、チャック11の上方に設けられている。光照射装置17は、LED等の光源を有し、例えば赤外光等、リンス液の蒸発を促進するのに適した光を下方に照射する。光照射装置17による光の照射範囲は、チャック11に保持されたウェハWの表面Waより広くなっている。
【0046】
制御装置18は、制御用のコンピュータであり、現像処理条件の設定画面を表示する表示部(不図示)と、現像処理条件を入力する入力部(不図示)と、コンピュータ読み取り可能な記録媒体からソフトウェアを読み取る読取部(不図示)とを有している。記録媒体には、制御装置18に制御プログラムを実行させるソフトウェアが記録されており、このソフトウェアが制御装置18の読取部によって読み取られる。記録媒体としては、例えば、ハードディスク、コンパクトディスク、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、メモリカード等が挙げられる。制御装置18は、入力部に入力された現像処理条件と、読取部により読み取られたソフトウェアとに応じて、チャック11、昇降装置13、回転装置12、現像液供給装置14、リンス液供給装置15、高濃度ガス供給装置16及び光照射装置17を制御し、現像処理を実行する。以下、制御装置18の制御手順について説明する。
【0047】
まず、上述した搬送アームA5により、ウェハWが現像処理ユニットU1内に搬入される。ウェハWにはレジスト膜RFが形成され、レジスト膜RFには露光処理が施されている。ウェハWは、レジスト膜RFが上方に面した状態で、略水平に配置される。制御装置18は、昇降装置13によりチャック11を上記受け渡し高さまで上昇させ、搬送アームA5からチャック11上にウェハWを受け取り、チャック11によりウェハWを保持し、昇降装置13によりチャック11を上記現像高さまで下降させる。
【0048】
次に、現像液供給装置14の移動体14aを移動させ、
図6(a)に示されるように、現像液供給装置14の現像液ノズル14cをウェハWの外周から中心に向かって移動させる。このときに、回転装置12によりチャック11を回転させると共に、現像液ノズル14cから現像液L1を吐出させる。これにより、渦巻き状の線に沿って、ウェハWの表面Wa全体に現像液L1を塗布し、
図6(b)に示されるように、現像液L1の液膜LF1を表面Wa上にパドル状に形成する。このように、制御装置18は、チャック11に保持されたウェハWの表面Wa上に現像液(処理液)L1を供給するように現像液供給装置14を制御する処理液供給制御手段として機能する。
【0049】
次に、リンス液供給装置15の移動体15aを移動させ、
図7(a)に示されるように、リンス液ノズル15cをウェハWの中心の上方に位置させ、リンス液ノズル15cからリンス液L2を吐出させる。このとき、回転装置12によりチャック11を回転数ω1(第1の回転数)で回転させる。これにより、ウェハWの表面Wa上の現像液L1を洗い流す。現像液L1と共に、レジスト膜RFの不要部分が洗い流されることで、ウェハWの表面Wa上にレジストパターンPが形成される(
図8参照)。回転数ω1は、例えば500rpm〜1000rpmである。このように、制御装置18は、チャック11に保持されたウェハWの表面Wa上にリンス液を供給するようにリンス液供給装置15を制御しながら、第1の回転数でチャック11を回転させるように回転装置12を制御するリンス制御手段として機能する。
【0050】
次に、
図7(b)に示されるように、回転装置12によりチャック11を回転数ω4(第4の回転数)で回転させ、リンス液ノズル15cからのリンス液L2の供給を停止する。これにより、ウェハWの表面Wa上にリンス液L2の液膜LF2をパドル状に形成する。回転数ω4は、回転数ω1より小さく、例えば10rpm〜30rpmである。このように、制御装置18は、チャック11を第4の回転数で回転させるように回転装置12を制御することで、ウェハWの表面Wa上にリンス液の液膜LF2をパドル状に形成する液膜形成制御手段として機能する。
【0051】
次に、高濃度ガス供給装置16の移動体16aを移動させ、
図7(c)に示されるように、複数のガスノズル16cをウェハWの中心から外周に亘る部分の上方に位置させ、各ガスノズル16cからウェハWの表面Wa上に高濃度ガスG1を供給させながら、回転装置12によりチャック11を回転数ω2(第2の回転数)で回転させる。回転数ω2は、回転数ω1より小さく且つ回転数ω4より大きく、例えば100rpm〜500rpmである。これにより、リンス液の液膜LF2が薄膜化される。このように、制御装置18は、チャック11に保持されたウェハWの表面Wa上に高濃度ガスG1を供給するように高濃度ガス供給装置16を制御しながら、第2の回転数でウェハWを回転させるように回転装置12を制御することで、ウェハWの表面Wa上のリンス液を薄膜化させる薄膜化制御手段として機能する。
【0052】
次に、
図7(d)に示されるように、回転装置12によりチャック11を回転数ω4で回転させ、ガスノズル16cからの高濃度ガスG1の供給を停止する。次に、
図7(e)に示されるように、回転装置12によるチャック11の回転を停止させ、光照射装置17によりウェハWの表面Wa全体に光を照射する。光の照射により、リンス液の蒸発が促進され、ウェハWが乾燥する。このように、制御装置18は、チャック11に保持されたウェハWの表面Waに光を照射するように光照射装置17を制御することで、ウェハWの表面Wa上で薄膜化したリンス液を蒸発させ、ウェハWの表面Waを乾燥させる乾燥制御手段として機能する。以上により、現像処理ユニットU1による現像処理が完了する。
【0053】
以上説明したように、現像処理ユニットU1では、ウェハWの表面Wa上にリンス液L2を供給しながら、回転数ω1でウェハWを回転させるリンス工程の後に、リンス液の蒸気を高濃度に含む高濃度ガスG1をウェハWの表面Wa上に供給しながら、回転数ω1より小さい回転数ω2でウェハWを回転させる薄膜化工程を行うことができる。回転数ω1より小さい回転数ω2でウェハWが回転することで、ウェハWの表面Wa上のリンス液L2の一部が振り切られ、ウェハWの表面Wa上のリンス液L2が薄膜化される。
【0054】
ここで、ウェハWを回転させ、リンス液L2の液膜LF2を薄膜化させると、
図8(a)に示されるように、レジストパターン(凹凸パターン)Pを構成するレジスト部(凸部)Rと、リンス液L2の液溜りLP2とがウェハW上に交互に並んだ状態となる。薄膜化工程において、高濃度ガスG1を供給しないと、一部の液溜りLP2の液面高さが他の液溜りLP2の液面高さより低くなる場合がある。例えば、ウェハWの外周部では、ウェハWの中心部に比べ、大きな遠心力でリンス液が振り切られるため、
図8(b)に示されるように液溜りLP2の液面高さが低くなる場合がある。また、遠心力によって外周側に移動するリンス液L2により、レジスト部R間のリンス液L2が引き出されることで、外周部以外の部分でも、
図8(c)に示されるように液溜りLP2の液面高さが低くなる場合がある。
【0055】
液面高さが低くなった液溜りLP2に隣接するレジスト部Rは、互いに液面高さが異なる液溜りLP2により挟まれることとなる。すると、レジスト部Rの一方側の液溜りLP2による応力と他方側の液溜りLP2による応力との差が生じる。この差によって、レジスト部Rの突出方向に交差する方向に力が作用する。例えば、
図8(b)のレジスト部Raでは、内側に隣接する液溜りLP2の液面高さが、外側に隣接する液溜りLP2の液面高さよりも高い。この場合、レジスト部Raには、内側方向に力F1が作用する。また、
図8(c)のレジスト部Rb,Rcの間では、液溜りLP2の液面高さがゼロとなっている。この場合、レジスト部Rbには内側方向に力F2が作用し、レジスト部Rcには外側方向に力F3が作用する。
【0056】
このように、液面高さが低くなった液溜りLP2に隣接するレジスト部Rには、レジスト部Rの突出方向に交差する方向に力が作用するため、レジスト部Rの倒れが生じてしまう場合がある。これに対し、本実施形態では、高濃度ガスG1の供給により、ウェハWの表面Wa上にリンス液L2の液滴が付着するため、リンス液L2の液面高さが部分的に低下したとしても、低下した部分にリンス液L2が補充される。このため、
図8(a)に示されるように、リンス液L2の液面高さの部分的な低下を抑制することができる。なお、
図8は、リンス液L2の全体の液面高さが、レジストパターンPの高さに比べ同等以下となっている状態を示しているが、薄膜化後に、リンス液L2の液面高さがレジストパターンPの高さより高い部分が存在していてもよい。
【0057】
薄膜化工程の後には、ウェハWの表面Waに光を照射する乾燥工程を行うことができる。ウェハWの表面Waに光を照射することでリンス液L2の蒸発を全体的に促進し、リンス液L2の液面高さの部分的な低下を抑制しながらウェハWを乾燥させることができる。従って、ウェハWが乾燥するまで、各レジスト部Rの一方側の液溜りによる応力と他方側の液溜りによる応力との差を小さく保ち、レジストパターンPの倒れを十分に抑制することができる。
【0058】
乾燥工程では、ウェハWを回転させることなく、ウェハWの表面Waに光が照射されている。ウェハWを回転させないことで、ウェハWの表面Waの各部間で移動速度の差がなくなる。これにより、各部におけるリンス液L2の乾燥条件が均一化されるため、リンス液L2の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。
【0059】
薄膜化工程の前に、ウェハWを回転数ω2より小さい回転数ω4で回転させることで、ウェハWの表面Wa上にリンス液L2の液膜LF2をパドル状に形成する液膜形成工程が行われている。このため、薄膜化工程の前段階において、リンス液L2の液膜LF2をパドル状に形成し、ウェハWの表面Waを万遍なく液膜LF2で被覆することができる。これにより、薄膜化工程では、リンス液L2の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。
【0060】
制御装置18は、薄膜化工程において、複数のガスノズル16cを、ガイドレール27の延在方向から見てウェハWの中心から外周に亘る部分の上方に位置させている。このため、薄膜化工程では、ウェハWの表面Waのうち、ウェハWの外周に沿う部分に高濃度ガスG1が供給されている。上述したように、ウェハWが回転しているときに、ウェハWの中心部に比べ高速で動くウェハWの外周部では、リンス液L2の蒸発が早く進行するため、リンス液L2の液溜りLP2の液面高さが低くなる場合がある。このため、ウェハWの外周に沿う部分に高濃度ガスG1を供給することで、リンス液L2の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。
【0061】
続いて、本実施形態の変形例について説明する。
図9に示される現像処理ユニットU1は、ガスノズル16cを、ガイドレール27の延在方向から見てウェハWの外周部の上方のみに位置させたものである。
図9の現像処理ユニットU1では、
図10に示されるように、ウェハWの表面Waのうち、ウェハWの外周に沿う部分に集中して高濃度ガスG1が供給される。これにより、ウェハWの外周部における液溜りLP2の液面高さの低下をより確実に抑制することができる。なお、外周部は、ウェハWの中心と外周とを結ぶ線分を2等分する線よりも外側の部分であることが好ましく、ウェハWの中心と外周とを結ぶ線分を中心側:外周側が2:1となるように分割する線よりも外側の部分であることがより好ましい。
【0062】
図11に示される現像処理ユニットU1は、ガスノズル16cを、リンス液供給装置15のアーム15bに設けたものである。
図11の現像処理ユニットU1によれば、ガスノズル16c専用の移動体16a及びアーム16bをなくし、装置の単純化を図ることができる。また、アーム15bとアーム16bとを入れ替える制御が不要となるため、制御装置18による制御手順の単純化を図ることができる。
【0063】
図12に示される現像処理ユニットU1は、移動体16a及びアーム16bを、ガイドレール27以外の場所に固定されたアーム16dに置き換えたものである。アーム16dは、現像液供給装置14の移動及び現像液の供給と、リンス液供給装置15の移動及びリンス液の供給とを妨げないように配置されている。
図12の現像処理ユニットU1では、アーム16dを移動させる必要がないため、制御装置18による制御手順の単純化を図ることができる。
【0064】
図13に示される現像処理ユニットU1は、ガスノズル16cを、ガイドレール27の延在方向から見てウェハWの中心の上方のみに位置させたものである。この場合、薄膜化工程において、高濃度ガス供給装置16の移動体16aを移動させ、高濃度ガスG1を供給すべき範囲に応じてガスノズル16cを往復させることが好ましい。例えば、
図14に示されるように、ウェハWの中心の上方とウェハWの外周の上方との間でガスノズル16cを往復させることが好ましい。
図13の現像処理ユニットU1によれば、ガスノズル16cを減らし、装置の単純化を図ることができる。現像処理ユニットU1のリンス液ノズル15cを、高濃度ガスG1の吐出に兼用し、ガスノズル16cをなくしてもよい。これにより、装置の単純化を更に図ることができる。
【0065】
なお、高濃度ガス供給装置16は、リンス液L2のミストを供給するミスト供給装置であってもよい。すなわち、薄膜化工程において、高濃度ガスG1に代えてリンス液L2のミストを供給してもよい。この場合も、薄膜化工程において高濃度ガスG1を供給するのと同様の作用効果が得られる。
【0066】
また、
図15に示されるように、乾燥工程において、チャック11の回転を停止させずに、回転数ω2(第2の回転数)より小さい回転数ω3(第3の回転数)でチャック11を回転させてもよい。この場合、ウェハWの表面Waの一部が光照射装置17の光の照射範囲に入っていない場合であっても、光照射装置17に対してウェハWを回転させることで、ウェハWの表面Waの全体に万遍なく光が照射される。これにより、ウェハWの表面Waの各部におけるリンス液L2の乾燥条件が均一化されるため、リンス液L2の液面高さの部分的な低下をより確実に抑制することができる。なお、ウェハWを回転させると、ウェハWの表面Waの各部間で移動速度の差が生じることとなるが、回転数ω3が回転数ω2より小さいため、移動速度の差によるリンス液L2の乾燥条件の差を十分に小さくすることができる。
【0067】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、ガスノズル16cの配置は適宜変更可能である。リンス液は、純水でなくてもよく、界面活性剤を含む水であってもよい。
【0068】
また、本発明が適用される液処理は、現像処理に限られない。例えば、本発明は、処理液としてのHF(フッ酸)、SC1(アンモニア過水)等を用いてエッチングを行い、リンス液により処理液を洗い流すエッチング処理にも適用可能である。