(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5986030
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】ロープトロリー式クレーンのグラブバケット振れ制御方法
(51)【国際特許分類】
B66C 13/22 20060101AFI20160823BHJP
B66C 19/00 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
B66C13/22 M
B66C19/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-68704(P2013-68704)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-189388(P2014-189388A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005902
【氏名又は名称】三井造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一
(74)【代理人】
【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照
(74)【代理人】
【識別番号】100117938
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 謙二
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】原田 秀和
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 智
(72)【発明者】
【氏名】松浦 昌博
【審査官】
今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−116593(JP,A)
【文献】
特開2001−031369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/22 − 15/06
B66C 19/00 − 23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海脚と陸脚とからなるクレーン本体と、このクレーン本体に設けられていて前記クレーン本体の走行方向を横断する横行方向に延設されたガーダおよびブームと、このガーダおよびブームに沿って前記横行方向に横行するトロリーと、第1巻上げロープおよび第2巻上げロープの繰り出しおよび巻き取りをそれぞれ行なう第1巻上げドラムおよび第2巻上げドラムと、第1開閉ロープおよび第2開閉ロープの繰り出しおよび巻き取りをそれぞれ行なう第1開閉ドラムおよび第2開閉ドラムと、前記第1巻上げロープと前記第2巻上げロープと前記第1開閉ロープと前記第2開閉ロープとにより前記トロリーの下方に懸吊されるバケットと、前記第1巻上げドラムおよび前記第2巻上げドラムを制御する制御装置とを備えるロープトロリー式クレーンのバケット振れ制御方法において、
前記第1巻上げロープを前記走行方向と平行となる前記バケットの左右方向の左端部に連結して、前記第2巻上げロープを前記バケットの前記左右方向の右端部に連結しておき、
前記バケットが前記左右方向の左方に振れた場合に前記第1巻上げロープを巻下げ、前記第2巻上げロープの巻上げを行なうことにより前記バケットの振れを減衰させることを特徴とするロープトロリー式クレーンのバケット振れ制御方法。
【請求項2】
前記バケットの巻上げ高さと振幅に基づき振れ角θを算出して、この振れ角θに比例して前記第1巻上げロープの巻下げを行なうと同時に前記第2巻上げロープの巻上げを行なう請求項1に記載のロープトロリー式クレーンのバケット振れ制御方法。
【請求項3】
海脚と陸脚とからなるクレーン本体と、このクレーン本体に設けられていて前記クレーン本体の走行方向を横断する横行方向に延設されたガーダおよびブームと、このガーダおよびブーム上を前記横行方向に横行するトロリーと、第1巻上げロープおよび第2巻上げロープの繰り出しおよび巻き取りをそれぞれ行なう第1巻上げドラムおよび第2巻上げドラムと、第1開閉ロープおよび第2開閉ロープの繰り出しおよび巻き取りをそれぞれ行なう第1開閉ドラムおよび第2開閉ドラムと、前記トロリーの下方に前記巻上げロープおよび前記開閉ロープにより懸吊されるバケットと、前記第1巻上げドラムおよび前記第2巻上げドラムを制御する制御装置とを備えるロープトロリー式クレーンにおいて、
前記第1巻上げロープが前記走行方向と平行となる前記バケットの左右方向の左端部に連結され、前記第2巻上げロープが前記バケットの前記左右方向の右端部に連結された状
態であり、
前記制御装置が、前記バケットが前記左右方向の左方に揺れた場合に前記第1巻上げロープの巻下げと前記第2巻上げロープの巻上げとを行なって前記バケットの振れを減衰させる構成を備えることを特徴とするロープトロリー式クレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロープトロリー式クレーンにおけるグラブバケットの走行方向の振れを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バラ物運搬船に積載された鉱石や石炭などのバラ物を陸揚げするロープトロリー式クレーン(以後、「アンローダ」と称する。)によって船倉の舷側の近くにあるバラ物を荷役する場合、アンローダの走行方向に向けてグラブバケット(以後、「バケット」と称する。)を振り下ろす、いわゆるバケットの振り込み操作を行う場合がある。
【0003】
しかし、アンローダの走行方向に向かってバケットの振り込み操作を行うと、トロリー上の吊り点に対してバケットの振り込み点がアンローダの走行方向にずれるため、バラ物を掴んだバケットを巻き上げるときに、バケットがアンローダの走行方向に振れる。その振れは、なかなか止まらないため、荷揚げに余分な時間がかかり、効率が悪化する。
【0004】
バケットがアンローダの走行方向に振れた場合、従来は、アンローダをバケットが振れる方向に移動させてバケットの振れ止めを行っていたが、アンローダは、重量が重い上(例えば、800〜2000トン)、走行速度が低速であるため(例えば、30m/min程度)、バケットが振れる方向に小刻みに往復移動させることが困難であり、バケットの振れがなかなか止まらず、停止までに余分な時間がかかっている。
【0005】
一方、2本の巻上ドラムと2本の開閉ドラムからなる4ドラム式のロープトロリー式クレーンが知られているが(例えば、特許文献1参照。)、この発明は、バケットの横行方向の振れ止めを行うための発明であり、バケットの走行方向の揺れ止めについては開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−116593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、バケットの走行方向の振れを速やかに減衰させることにより、荷役時間の短縮を図ることができるロープトロリー式クレーンのバケット振れ制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明に係るロープトロリー式クレーンのバケット振れ制御方法は、海脚と陸脚
とからなるクレーン本体
と、このクレーン本体に設けられていて前記クレーン本体の走行方向を横断する横行方向に延設されたガーダおよびブーム
と、このガーダおよびブームに沿って前記横行方向に横行するトロリーと、
第1巻上げロープおよび第2巻上げロープの繰り出しおよび巻き取りをそれぞれ行なう第1巻上げドラムおよび第2巻上げドラムと、第1開閉ロープおよび第2開閉ロープの繰り出しおよび巻き取りをそれぞれ行なう第1開閉ドラムおよび第2開閉ドラムと、前記第1巻上げロープと前記第2巻上げロープと前記第1開閉ロープと前記第2開閉ロープとにより前記トロリーの下方に懸吊されるバケットと、前記第1巻上げドラムおよび前記第2巻上げドラムを制御する制御装置とを備えるロープトロリー式クレーン
のバケット振れ制御方法において、
前記第1巻上げロープを前記走行方向と平行となる前記バケットの左右方向の左端部に連結して、前記第2巻上げロープを前記バケットの前記左右方向の右端部に連結しておき、前記バケットが
前記左右方向の左方に振れた場合に
前記第1巻上げロープを巻下げ、前記第2巻上げロープの巻上げを行なうことにより前記バケットの振れを減衰させることを特徴とする
。
【0009】
バケットの巻上げ高さと振幅に基づき振れ角θを算出して、この振れ角θに比例して
第1巻上げロープの巻下げ
を行なうと同時に第2巻上げロープの巻上げを行
なう構成にすることができる。
【0010】
上記の目的を達成するための本発明に係るロープトロリー式クレーンは、海脚と陸脚とからなるクレーン本体と、このクレーン本体に設けられていて前記クレーン本体の走行方向を横断する横行方向に延設されたガーダおよびブームと、このガーダおよびブーム上を前記横行方向に横行するトロリーと、第1巻上げロープおよび第2巻上げロープの繰り出しおよび巻き取りをそれぞれ行なう第1巻上げドラムおよび第2巻上げドラムと、第1開閉ロープおよび第2開閉ロープの繰り出しおよび巻き取りをそれぞれ行なう第1開閉ドラムおよび第2開閉ドラムと、前記トロリーの下方に前記巻上げロープおよび前記開閉ロープにより懸吊されるバケットと、前記第1巻上げドラムおよび前記第2巻上げドラムを制御する制御装置とを備えるロープトロリー式クレーンにおいて、前記第1巻上げロープが前記走行方向と平行となる前記バケットの左右方向の左端部に連結され、前記第2巻上げ
ロープが前記バケットの前記左右方向の右端部に連結された状態であり、前記制御装置が、前記バケットが前記左右方向の左方に揺れた場合に前記第1巻上げロープの巻下げと前記第2巻上げロープの巻上げとを行なって前記バケットの振れを減衰させる構成を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、バケットが走行方向に振れた場合に、走行方向前側の巻上げロープの巻き下げと、走行方向後側の巻上げロープの巻き上げを行ってバケットの振れを減衰させるため、バケットの走行方向の振れを速やかに、かつ、確実に減衰させることができ、荷役時間を短縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るロープトロリー式クレーンの側面図である。
【
図6】バケットの振れ制御システムを示すブロック図である。
【
図8】(a),(b)はバケットの巻上げロープの操作方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明に係るロープトロリー式クレーン(以後、「アンローダ」と称する。)1は、海脚2と陸脚3からなるクレーン本体4の陸側にガーダ5を設けると共に、ガーダ5の海側にブーム6を設け、ガーダ5及びブーム6上をトロリー7が横行するようになっている。
【0015】
トロリー7の下方には、後述するロープによってグラブバケット(以後、「バケット」と称する。)12が吊るされている。また、ガーダ5の上方に設けた機械室(図示せず)の内部には、第1、第2の2つの巻上げドラム20,22と、第1、第2の2つの開閉ドラム21,23及び制御装置17が設けられている。第1、第2の巻上げドラム20,22と、第1、第2の開閉ドラム21,23は、個別に駆動できるようになっている。
【0016】
図中、符号Sはバラ積み船、15はホッパを示している。アンローダ1は、
図2のように、2頭矢印Eの方向に走行するようになっている。
【0017】
図4に示すように、第1巻上げドラム20から引き出された第1巻上げロープ9aは、ブーム6の海側先端部に設けたシーブ10a及びトロリー7上のシーブ11aを経てバケット12の左端部(
図3参照)に装着されている。
【0018】
また、第2巻上げドラム22から引き出された第2巻上げロープ9cは、ガーダ5の陸側後端部に設けたシーブ10c及びトロリー7上のシーブ11cを経てバケット12の右端部に(
図3参照)装着されている。
【0019】
他方、第1開閉ドラム21から引き出された第1開閉ロープ9bは、ガーダ5の陸側後端部に取り付けられたシーブ10b及びトロリー7上のシーブ11bに導かれた後、
図3に示すように、下方に導かれてバケット12のバケット本体13,13の連結部に設けた下部移動シーブ24と、タイロッド25を介してピン連結によりバケット本体13,13を支持する上部フレーム26に取り付けた上部固定シーブ27との間に複数回掛け回した後、バケット12の所要箇所に固定されている。
【0020】
また、第2開閉ドラム23から引き出された第2開閉ロープ9dは、ブーム6の海側先端部に設けたシーブ10d及びトロリー7上のシーブ11dに導かれた後、
図3に示すように、下方に導かれてバケット12の下部移動シーブ24と上部固定シーブ27との間に複数回掛け回した後、バケット12の所要箇所に固定されている。
【0021】
ところで、
図4に示す4ドラム式のアンローダでは、第1、第2巻上げドラム20,22及び第1、第2開閉ドラム21,23を、矢印A,B,C,Dで示すように、時計方向に回転させると、トロリー7が矢印Fの方向に横行する。これとは逆に、第1、第2巻上げドラム20,22及び第1、第2開閉ドラム21,23を反時計方向に回転させると、トロリー7が矢印F’の方向に横行する。
【0022】
一方、
図5に示すように、第1巻上げドラム20と第2開閉ドラム23を、矢印A’及びD’のように、反時計方向に回転させると共に、第1開閉ドラム21と第2巻上げドラム22を、矢印B,Cで示すように、時計方向に回転させると、バケット12が矢印Uの方向に巻上げられる。これとは逆に、第1巻上げドラム20と第2開閉ドラム23を時計方向に回転させると共に、第1開閉ドラム21と第2巻上げドラム22を反時計方向に回転させると、バケット12が巻き下げられる。
【0023】
更に、4ドラム式のアンローダ1では、巻上げドラム20,22を停止した状態において、開閉ドラム21,23により開閉ロープ9b,9dを同時に繰り出すと、バケット12が開く。また、開閉ドラム21,23により開閉ロープ9b,9dを同時に巻き込むと、バケット12が閉じられる。
【0024】
上記バケット12の走行方向の振れ止めを行うには、バケット12の走行方向の振れ状態を検出する必要があるが、バケット12の走行方向の振れ状態を検出する方法としては、次の3つの方法を挙げることができる。
【0025】
(1)トロリーにセンサ(CCDカメラ、ビーコン等)を設けて、直接、バケットの走行方向の振れを検出する方法。
【0026】
(2)アンローダの走行モータのインバータトルクの状態を連続的に検知してバケットの走行方向の振れを検出、演算する方法。
【0027】
(3)バケットの振れ状態を目視確認する方法(アンローダの運転室に振れ止めスイッチを設け、オペレータの手動操作で振れ止めを行う。)。
【0028】
この実施形態では、上記(1)の方法を適用した場合について説明する。
【0029】
図1に示すように、トロリー7は、CCDカメラ16を備え、CCDカメラ16によってバケット12の走行方向の振れを撮像して制御装置17に無線で送信するようになっている。制御装置17は、CCDカメラ16から入力した信号を画像処理してバケット12の振れ角θを検出した後、第1巻上げドラム20及び第2巻上げドラム22を制御してバケット12の振れ止めを行うようになっている。
【0030】
図6はバケットの振れ制御システムを示すブロック図であり、制御装置17には、CCDカメラ16の信号、第1巻上げドラム20に設けた第1エンコーダ31の信号、第2巻上げドラム22に設けた第2エンコーダ32の信号が入力される。また、制御装置17からは第1巻上げドラム20の第1制御器33と、第2巻上げドラム22の第2制御器34にそれぞれ制御信号が出力されるようになっている。
【0031】
バケット12の振れ角θによりバケット12の振れ止めを行う場合は、バケット12の巻上げ位置(高さ)Hと、バケット12の振幅の1/2の長さW’を求める必要がある。バケット12の巻上げ位置Hは、(1)式より求める。
すなわち、
H=((L
0 −L)+(L’
0 −L’))/2+H
0 ・・・(1)
ここで、
L
0 :初期状態における第1巻上げドラム20の第1巻上げロープ巻取り長さ
L:現状における第1巻上げドラム20の第1巻上げロープ巻取り長さ
L’
0 :初期状態における第2巻上げドラム22の第2巻上げロープ巻取り長さ
L’:現状における第2巻上げドラム22の第2巻上げロープ巻取り長さ
H
0 :初期状態における巻上げ位置
である。
【0032】
なお、L
0 、L’
0 及びH
0 は、予め、制御装置17に記憶させておく。また、L及びL’は巻取り方向を+(プラス)とする。
【0033】
図7はバケット12の振れ角θを求める説明図であり、バケット12の振れ角θは、(2)式より求める。
すなわち、
sinθ=W’/H・・・(2)
ここで、
W’:投影面上におけるバケット12の走行方向の振幅幅の1/2の長さ
である。
【0034】
なお、バケット12の横行位置Xは、(3)式より求めることができる。
X=X
0 −((L
0 −L’
0 )+(L−L’))/2・・・・・(3)
ここで、
X
0 :初期状態における横行位置
である。
【0035】
しかして、バケット12が走行方向に振れると、CCDカメラ16によって撮像したバケット12の撮像信号、及び現状における第1巻上げドラム20の第1巻上げロープ巻取り長さLが制御装置17に入力される。
【0036】
制御装置17は、上記(1)式よりバケット12の巻上げ位置(高さ)Hを求めると同時に、CCDカメラ16から入力したバケット12の撮像信号を画像処理してバケット12の振幅幅の1/2の長さW’を求めた後、上記(2)式よりバケット12の振れ角θを求める。と同時に、CCDカメラ16によりバケット12の振れ方向を入力する。
【0037】
そして、
図8(a)に示すように、バケット12が左方(例えば、船尾方向)に振れたときは、バケット12の振れ角θに比例して第1巻上げドラム20の第1巻上げロープ9aを繰り出して走行方向前側の第1巻上げロープ9aを巻き下げると同時に、第2巻上げドラム22の第2巻上げロープ9cを巻き戻して走行方向後側の第2巻上げロープ9cを巻き上げてバケット12の重心がトロリー中心を向くようにする。その際、巻上げロープ9a,9cの巻上げ及び巻下げは、急激に行わないように制限を加えて制御することが望ましい。
【0038】
これとは逆に、
図8(b)に示すように、バケット12が右方(例えば、船首方向)に振れたときは、バケット12の振れ角θに比例して第2巻上げドラム22の第2巻上げロープ9cを繰り出して走行方向前側の第2巻上げロープ9cを巻き下げると同時に、第1巻上げドラム20の第1巻上げロープ9aを巻き戻して走行方向後側の第1巻上げロープ9aを巻き上げてバケット12の重心がトロリー中心を向くようにする。
【0039】
そして、
図8(a)及び
図8(b)の減衰操作を繰り返し行うことにより、バケット12の走行方向(船首尾方向)の振れが速やかに減衰される。
【0040】
なお、バケット12の振れ角θと、第1、第2巻上げロープ9a,9cの巻上げ、巻下げ長さとの関係については、試算や試験を行い、予め、制御装置17に入力して置く。また、第1、第2巻上げロープ9a,9cの巻上げ、巻下げ長さは、バケット12が水平になる程度が好ましい。
【符号の説明】
【0041】
2 海脚
3 陸脚
4 クレーン本体
5 ガーダ
6 ブーム
7 トロリー
9a,9c 巻上げロープ
9b,9d 開閉ロープ
12 バケット
20 第1巻上げドラム
21 第1開閉ドラム
22 第2巻上げドラム
23 第2開閉ドラム