特許第5986146号(P5986146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キャボット マイクロエレクトロニクス コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許5986146-基板を化学機械的に研磨加工する方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5986146
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】基板を化学機械的に研磨加工する方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/14 20060101AFI20160823BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20160823BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20160823BHJP
   C09G 1/02 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   C09K3/14 550C
   H01L21/304 622D
   H01L21/304 622X
   B24B37/00 H
   C09K3/14 550D
   C09K3/14 550Z
   C09G1/02
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-138830(P2014-138830)
(22)【出願日】2014年7月4日
(62)【分割の表示】特願2009-518144(P2009-518144)の分割
【原出願日】2007年6月13日
(65)【公開番号】特開2014-205851(P2014-205851A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2014年8月4日
(31)【優先権主張番号】11/478,023
(32)【優先日】2006年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500397411
【氏名又は名称】キャボット マイクロエレクトロニクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チャン
(72)【発明者】
【氏名】バカッシー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】バイエル,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】カンナ,ディネッシュ
【審査官】 竹口 泰裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−086548(JP,A)
【文献】 特開2006−049479(JP,A)
【文献】 特開平11−116948(JP,A)
【文献】 特開2005−101545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/304、21/463
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を化学機械的に研磨加工する方法であって、
(a)少なくとも第一層および第二層を有する基板であって、前記第一層がタングステンを含み、前記第二層が誘電体層である基板を提供すること、
(b)最終的な化学機械研磨組成物を調製することであって、該化学機械研磨組成物の調製が、下記の工程:
(i)第二層と比較して第一層に対する第一の選択性を有する、研磨材、鉄触媒、少なくとも1つの安定化剤および金属エッチング阻害剤を含む第一の化学機械研磨組成物を提供すること、
(ii)第二層と比較して第一層に対する第二の選択性を有する、研磨材および水酸化テトラアルキルアンモニウム金属エッチング阻害剤を含む第二の化学機械研磨組成物を提供すること(該第二の化学機械研磨組成物が前記第一の化学機械研磨組成物の存在下で安定しており、前記第一および第二の選択性は異なる)、
(iii)第二層と比較して第一層に対する最終的な選択性を達成する比率で前記第一および第二の化学機械研磨組成物を混合して前記最終的な化学機械研磨組成物を調製すること、
を含むこと、
(c)前記基板を、前記最終的な化学機械研磨組成物に接触させること、
(d)前記基板と研磨パッドの間に前記最終的な化学機械研磨組成物を介在させ、前記基板に対して相対的に前記研磨パッドを移動させること、および
(e)前記基板の少なくとも一部を磨耗させて前記基板を研磨すること、
を含み、そして
前記第一の化学機械研磨組成物の金属エッチング阻害剤の濃度と前記第二の化学機械研磨組成物の金属エッチング阻害剤の濃度が同一である、方法。
【請求項2】
前記第二層が酸化ケイ素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第二層と比較して前記第一層に対する第一の選択性が25:1〜1:1である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第二層と比較して前記第一層に対する第二の選択性が0.04:1〜1:1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の化学機械研磨組成物が、
(a)複数の酸化状態を有する無機鉄化合物および有機鉄化合物よりなる群から選択される鉄触媒、
(b)リン酸、フタル酸、クエン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、ベンゾニトリルおよびそれらの混合物よりなる群から選択された少なくとも1つの安定剤、
(c)水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびアミノ酸よりなる群から選択された金属エッチング阻害剤、および
(d)液体キャリア
を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記鉄触媒が硝酸第二鉄であり、前記安定化剤がマロン酸であり、前記阻害剤が水酸化テトラブチルアンモニウムであり、そして前記研磨材がシリカである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記研磨材がシリカである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(b)(iv)前記第一および第二の化学機械研磨組成物の混合物に酸化剤を添加することをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記酸化剤が過酸化水素である、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学機械研磨組成物の製造方法およびそれを用いた基板の研磨加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路はシリコン・ウエハー等の、基板中または上の何百万の能動素子より構成されている。能動素子は化学的および物理的に基板に接続し、および多層配線を用いることで相互接続し、機能回路を形成する。典型的な多層配線は第一金属層、中間誘電体層、および第二ならびにさらなる金属層を含む。
【0003】
物質の層が順に基板上に蓄積し、基板から除去される際に、基板の最上部表面の幾らかの部分は除去される必要性が生じ得る。表面の平坦化または表面の「研磨加工」は、基板表面から物質を除去して、通常、平らな平面を形成するためのプロセスである。平坦化は粗表面、凝集物、結晶格子損傷、スクラッチおよび混入層または物質等の不要な表面トポグラフィーおよび表面欠陥を除去する際に有用である。平坦化は特徴を満たし、かつ、その後の金属被覆および加工のために水平面を提供するために用いられた過剰な堆積物を除くことで、基板上の特徴を形成するのにも有用である。
【0004】
化学機械平坦化または化学機械研磨(CMP)は、基板を平坦にするために用いられる一般的な手法である。CMPは基板から物質を除去するために、化学組成、典型的にはスラリーまたは他の液状媒体を利用する。従来のCMP技術において、基板キャリアまたは研磨ヘッドはキャリアアセンブリ上に置き、CMP装置における研磨パッドと接触するように配置される。キャリアアセンブリは制御可能な圧力を基板に付与し、研磨パッドに対して基板を押し付ける。パッドは外部駆動力によって基板に対して移動される。パッドおよび基板の相対運動は基板表面から物質の一部を除去するために基板表面を磨耗させる役割をし、その結果、基板を研磨する。パッドおよび基板の相対運動による基板の研磨加工は、典型的にはさらに研磨組成物の化学的活性および/または研磨組成物中に懸濁している研磨材の機械的作業によって促進される。
【0005】
研磨組成物は研磨プロセスによって除去された特定層または物質に関して高または低選択性を示し得る。CMPが高選択性を有する研磨組成物と共に行われると、選択された物質の除去率は、基板表面上に露出し磨かれる他の物質の除去率よりも著しく高い。反対に、CMPが低選択性を有する研磨組成物を用いて行われると、基板上面に存在して研磨される各物質は実質的に同じ率で除かれる。非選択的スラリーは有意にトポグラフィーを改善し得、すなわち、幅広い表面特徴またはパターンにわたる選択性スラリーと比較して、ディッシングおよび侵食を減少させる。
【0006】
研磨組成物に加えて、CMP装置および基板上の表面パターンは研磨プロセスの間の選択性に影響を与える。しかしながら、上述の要因はエンドユーザー、すなわち、機器メーカーに特有のことである。従って、固定選択性研磨組成物は、他の機器メーカーと比較した場合の一機器メーカーの管理下において、同一の選択性を示さないであろう。例えば、金属層および誘電体層を含む基板において非選択的であるよう設計された研磨組成物は、実際の基板の研磨中に1:1の選択性を示せず、結果望ましくない侵食を引き起こす。従って、エンドユーザーが容易に特定の基板および/または装置における研磨性能を最適化できるようにする、調節可能な選択性を有する研磨組成物の必要性が存在する。特に、非選択的に単一CMP研磨プロセスにおいてほぼ等しい研磨率と共に金属層および誘電体層を除去するための、エンドユーザーによって調節することができる研磨組成物の必要性が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような調節可能な研磨組成物の製造方法を提供する。これらのおよび他の本発明の利点は、付加的な発明の特徴と同様に、本明細書中に提供される発明の説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも第一層および第二層を有する基板を研磨加工するための化学機械研磨組成物の製造方法を提供し、この方法は、(a)第二層と比較して第一層に対する第一の選択性を有する研磨材を含む第一化学機械研磨組成物を提供すること、(b)第二層と比較して第一層に対する第二の選択性を有する研磨材を含む第二化学機械研磨組成物を提供すること(第二化学機械研磨組成物は第一化学機械研磨組成物の存在下で安定し、第一および第二選択性は異なる)、(c)第二層と比較して第一層に対する最終的な選択性を達成する比率で第一および第二化学機械研磨組成物を混合することを含む。
【0009】
本発明は更に化学機械的な基板の研磨方法を提供し、該方法は(a)少なくとも第一層および第二層を有する基板を提供すること、(b)(i)第二層と比較して第一層に対する第一の選択性を有する研磨材を含む第一化学機械研磨組成物を提供し、(ii)第二層と比較して第一層に対する第二の選択性を有する研磨材を含む第二化学機械研磨組成物を提供し(第二化学機械研磨組成物は第一化学機械研磨組成物の存在下で安定しており、第一および第二選択性は異なる)、(iii)第一および第二化学機械研磨組成物を第二層と比較して第一層に対する最終的な選択性を有する最終的な化学機械研磨組成物を達成できる割合で混合する工程を含む、最終的な化学機械研磨組成物を製造すること、(c)基板を最終的な化学機械研磨組成物と接触させること(d)基板と研磨パッドの間に最終的な化学機械研磨組成物を介在させ、基板に対して研磨パッドを移動させること、(e)基板の少なくとも一部を磨耗させて基板を研磨することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は最終的な化学機械研磨組成物における第一および第二化学機械研磨組成物の比率の機能としての、タングステン(W)除去速度、酸化物除去速度、およびW:酸化物選択性のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は少なくとも第一層および第二層と共に基板を研磨加工するための化学機械研磨組成物の製造方法に関する。該方法は最終的な、望ましい選択性、すなわち、第一層および第二層の物質間において相対的な除去速度を有する化学機械研磨組成物の製造を可能とする。
【0012】
第一層および第二層は異なり、異なる物質を含む。第一および第二層は任意の適切な物質、特にデザインおよび集積回路の製造にふさわしい任意の物質を含み得る。好ましくは、第一層は金属層を含み、第二層は誘電体層を含む。金属層はアルミニウム、銅、ニッケル、鉄、タングステン、タンタル、イリジウム、ハフニウム、チタン、ルテニウム、白金、金、銀、その酸化物、その窒化物、その合金、およびそれらの混合物を含み得る。好ましくは、金属層はタングステンを含む。誘電体層は二酸化ケイ素、ドープした二酸化ケイ素、および酸窒化ケイ素等の、シリコンベース誘電体、および低κ誘電体を含み得る。好ましくは、誘電体層は二酸化ケイ素、ドープした二酸化ケイ素、または酸窒化ケイ素を含む。
【0013】
最終的な、第二層と比較して第一層に対する望ましい選択性は第一化学機械研磨組成物および第二化学機械研磨組成物を、「最終的な」化学機械研磨組成物を形成する特異的な割合において混合することで達成される。第一化学機械研磨組成物は第二層と比較して第一層に対する第一の選択性を有し、および第二化学機械研磨組成物は第二層と比較して第一層に対する第二の選択性を有する。従って、最終的な望ましい選択性を伴った、最終的な化学機械研磨組成物を達成するために必要な第一研磨組成物および第二研磨組成物量の割合は容易に決定することができる。特に、第一および第二研磨組成物の量の割合を調整することで、最終的な化学機械研磨組成物の最終的な選択性は容易にエンドユーザー、すなわち、機器メーカーの様々な要求に合うよう調製することが可能となる。
【0014】
第一研磨組成物は第二層と比較して第一層に対する任意の適切な選択性を有し得る。典型的には、第一選択性は25:1〜1:1(例えば、20:1〜1:1、10:1〜1:1、5:1〜1:1、2:1〜1:1、1.8:1〜1:1、1.5:1〜1:1、および1.2:1〜1:1)である。第二研磨組成物は第二層と比較して第一層に対する任意の適切な選択性を有し得る。典型的には、第二選択性は0.04:1〜1:1(例えば、0.1:1〜1:1、0.2:1〜1:1、0.5:1〜1:1、0.6:1〜1:1、0.8:1〜1:1)である。第一選択性および第二選択性は異なる。第一選択性および第二選択性は、両者が低い状態、すなわち、1:1となることはできない。
【0015】
第二研磨組成物は第一研磨組成物の存在下で安定である。本発明において、「安定」なる用語は、研磨組成物の化学的および物理的安定性の両者を示す。従って、第一研磨組成物および第二研磨組成物の構成要素は、お互いが分解または化学反応により、混合した状態では消費されない。さらに、第一および第二組成物の可溶性の構成要素は混合下でも可溶化した状態を保ち、および第一および第二組成物の不溶性の構成要素は混合下でも懸濁した状態を保つ。
【0016】
第一および第二研磨組成物は研磨材を含む。典型的には、研磨材は第一および第二研磨組成物中に、研磨組成物の総重量に対して0.1重量%以上(例えば、0.5重量%以上、または1重量%以上)の量で存在する。典型的には、研磨材は第一および第二研磨組成物中に、第一および第二研磨組成物の総重量に対して20重量%以下(例えば、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または2.5重量%以下)の量で存在する。
【0017】
研磨材の多くは当技術分野で周知である、任意の適切な研磨材を含み得る。研磨材は望ましくは金属酸化物を含む。適切な金属酸化物はアルミナ、シリカ、チタニア、セリア、ジルコニア、ゲルマニア、マグネシア、その共生成品、およびその組み合わせよりなる群から選択される金属酸化物を含む。好ましくは、金属酸化物はシリカである。シリカはシリカにおけるどのような適切な形態もとり得る。二酸化ケイ素の有用な形態は、限定するものではないが、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、および縮重合シリカを含む。好ましくは、シリカは縮重合シリカである。縮重合シリカ粒子は典型的には、Si(OH)4をコロイド粒子を形成するために濃縮することで調製される。前駆物質であるSi(OH)4は、例えば、高純度のアルコキシシランの加水分解、または水溶性ケイ酸溶液の酸性化によって得ることができる。このような研磨材粒子は米国特許第5,230,833号にしたがって調製することができ、またはDuPont、Bayer、Applied Research、Nissan Chemical、および Clariantからの同様の製品により調製可能であるのと同様、PL−I、PL−2、およびPL−3製品、およびNalco 1050、 2327、および2329製品等の様々な市販製品から得ることができる。
【0018】
研磨材粒子は任意の適切なサイズを有し得る。研磨材粒子は典型的には5nm〜250nmの平均一次粒子サイズ(例えば、平均一次粒径)を有する。好ましくは、研磨材粒子は10nm〜100nmの平均一次粒子サイズを有する。より好ましくは、研磨材粒子は25nm〜80nmの平均一次粒子サイズを有する。
【0019】
第一および第二研磨組成物は液体キャリアを含む。液体キャリアは研磨材およびその中に溶解または懸濁している任意の構成要素の、研磨される基板表面(例えば、平坦化する)への適用を容易にするために用いられる。液体キャリアは典型的には水溶性キャリアであるかおよび水単独であり得(すなわち、水から構成され得る)、基本的には水から構成され、水および適切な水混和性溶媒を含み、またはエマルジョンである。適切な水混和性溶媒はメトノール、エタノール等のアルコールを含み、およびジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエーテルを含む。好ましくは、液体キャリアは、基本的に水から構成され、または水より構成され、より好ましくは脱イオン水を含む。
【0020】
第一および第二研磨組成物はさらに金属エッチング阻害剤を含み得る。金属エッチング阻害剤に有用な化合物の種類は、窒素含有の複素環、アルキルアンモニウムイオン、アミノアルキル、およびアミノ酸等の、窒素含有の官能基を有する化合物を含む。窒素含有の複素環官能基を含む有用な金属エッチング阻害剤の例は、2、3、5−トリメチルピラジン、2−エチル−3、5−ジメチルピラジン、キノキサリン、アセチルピロール、ピリダジン、ヒスチジン、ピラジン、ベンズイミダゾール、およびそれらの混合物を含む。
【0021】
本発明において、「アルキルアンモニウムイオン」なる用語は水溶液中でアルキルアンモニウムイオンを生じ得る官能基を有する窒素含有化合物を示す。窒素含有の官能基を有する化合物を含む水溶液中で生じたアルキルアンモニウムイオンの濃度は溶液pHおよび化合物または選択された化合物の機能をしている。水溶液のpHが9未満において阻害性を有する量のアルキルアンモニウムイオン官能基を生じる窒素含有の官能基金属エッチング阻害剤の例として、モノクワットアイシス(monoquat isies)(イソステアリルエチルイミジドニウム)、水酸化セチルトリメチルアンモニウム、アルカテルグ(alkaterge)E(2−ヘプタデセニル)−4−エチル−2オキサゾリン4−メタノール)、aliquat336(トリカプリルメチル塩化アンモニウム)、ヌオスペット(nuospet)101(4、4ジメチルオキサゾリジン)、水酸化テトラブチルアンモニウム、ドデシルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、およびそれらの混合物を含む。好ましい金属エッチング阻害剤は水酸化テトラブチルアンモニウムである。
【0022】
有用なアミノアルキル金属エッチング阻害剤は、例えば、アミノプロピルシラノール、アミノプロピルシロキサン、ドデシルアミン、およびそれらの混合物を含む。その上に、有用な金属エッチング阻害剤はリジン、チロシン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、シスチン、およびセリン等の合成および天然アミノ酸を含む。
【0023】
より好ましい実施形態において、金属エッチング阻害剤は水酸化テトラブチルアンモニウム、グリシン、またはその組み合わせである。
【0024】
金属エッチング阻害剤は任意の適切な量において存在し得る。典型的には、阻害剤は第一および第二研磨組成物中に0.001重量%以上(例えば、0.005重量%以上、または0.01重量%以上)の量で存在する。典型的には、阻害剤は第一および第二研磨組成物中に2重量%以下(例えば、1重量%以下、または0.1重量%以下)の量で存在する。
【0025】
第一および第二研磨組成物は随意にさらに1以上の他の添加剤を含む。第一および第二研磨組成物は、界面活性剤および/または粘性促進剤および凝固剤(例えば、ポリマー流動制御剤、等、例えば、ウレタンポリマー)を含む、流動制御剤を含み得る。適切な界面活性剤は、例えば、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陰イオン性高分子電解質、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素化界面活性剤、それらの混合物等を含む。
【0026】
第一および第二研磨組成物は任意の適切なpHを有し得る。典型的には、第一および第二研磨組成物は9またはそれ以下(例えば、7以下、6以下、5以下、または4以下)のpHを有する。第一および第二研磨組成物のpHは同一または異なり得る。
【0027】
第一および第二研磨組成物のpHは任意の適切な方法で達成および/または維持され得る。さらに具体的にいうと、第一および第二研磨組成物はさらにpH調整剤、pH緩衝剤、またはその組み合わせを含み得る。pH調整剤は任意の適切なpH−調製化合物であり得る。例えば、pH調整剤は硝酸、水酸化カリウム、またはその組み合わせであり得る。pH緩衝剤は任意の適切な緩衝剤、例えば、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩、アンモニウム塩、等であり得る。第一および第二研磨組成物は、説明したpH範囲内で研磨組成物のpHを達成および/または維持するために用いられる適切な量を提供する、任意の適切な量のpH調整剤および/またはpH緩衝剤を含み得る。
【0028】
第一研磨組成物はさらに少なくとも1種の触媒を含み得る。触媒は金属、非金属、またはそれらの組み合わせであり得る。好ましくは、触媒は鉄触媒である。適切な触媒は鉄(IIまたはIII)硝酸塩、鉄(IIまたはIII)硫酸塩、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、過塩素酸塩、過臭素酸塩、および過ヨウ素酸塩を含む鉄(IIまたはIII)ハロゲン化物等の鉄無機塩類、または酢酸塩、アセチルアセトネート、クエン酸塩、グルコン酸塩、マロン酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、およびコハク酸塩等の有機鉄(IIまたはIII)化合物を含む。より好ましくは、触媒は鉄(IIまたはIII)硝酸塩である。
【0029】
触媒は第一研磨組成物中に任意の適切な量で存在し得る。典型的には、触媒は0.0001重量%以上(例えば、0.001重量%以上、0.005重量%以上、または0.01重量%以上)の量で存在する。典型的には、触媒は2重量%以下(例えば、0.5重量%以下、または0.05重量%以下)の量で存在する。
【0030】
第一研磨組成物はさらに安定化剤を含み得る。安定化剤は触媒の酸化剤との反応を阻害する。有用な安定化剤はリン酸、アジピン酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸、およびEDTA等の有機酸、ホスホン酸化合物、ベンゾニトリル等のニトリル化合物、およびその混合物を含む。好ましくは、安定化剤はマロン酸である。
【0031】
安定化剤は第一研磨組成物中に任意の適切な量で存在し得る。典型的には、安定化剤は触媒に対し1当量〜触媒に対し15当量の範囲量で存在する。より好ましくは、安定化剤は触媒に対し1当量〜触媒に対し5当量の範囲量で存在する。
【0032】
第一および第二研磨組成物の混合後、酸化剤は結果として混合した(すなわち、最終的な)化学機械研磨組成物に添加され得る。酸化剤は、触媒と組み合わせて、第一層、すなわち、金属層を酸化する。使用される酸化剤は好ましくは1以上の非有機または有機過化合物(per−compound)である。Hawley’s Condensed Chemical Dictionaryで定義される過化合物は、少なくとも1個のペルオキシ基(−O−O−)を含む化合物またはその最も高い酸化状態にある元素を含む化合物である。少なくとも1個のペルオキシ基を含む化合物の例は、それらに限定されないが、過酸化水素および過酸化尿素および過炭酸塩等のその付加化合物、過酸化ベンジル、過酢酸およびジ−t−過酸化ブチル等の有機過酸化物、モノ過硫酸塩(SO52-)、ジ過硫酸塩(S282-)、および過酸化ナトリウムを含む。
【0033】
その最も高い酸化状態にある元素を含む化合物の例は、それらに限定されないが、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、過臭素酸、過臭素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、過ホウ酸、および過ホウ酸塩および過マンガン酸塩を含む。非過化合物の例は、それらに限定されないが、臭素酸塩、塩素酸塩、クロム酸塩、ヨウ素酸塩、ヨウ素酸、およびアンモニウム硝酸セリウム等のセリウム(IV)化合物を含む。
【0034】
好ましくは、酸化剤は過酸化水素である。
【0035】
最終的な研磨組成物は任意の適切なpHを有し得る。典型的には、最終的な研磨組成物は9またはそれ以下(例えば、7以下、6以下、5以下、または4以下)のpHを有する。
【0036】
最終的な研磨組成物は、多くは当業者によって知られている任意の適切な技術によって調製される。最終的な研磨組成物はバッチまたは連続プロセスにおいて調製され得る。
【0037】
一般に、最終的な研磨組成物は第一研磨組成物および第二研磨組成物を任意の順序で組み合わせる、および構成要素を研磨組成物中に取り込むことができる任意の方法で混合することによって調整され得る。研磨組成物はまた第一および第二研磨組成物を基板表面において研磨操作が行われている間に混合することで調製され得る。
【0038】
最終的な研磨組成物は第一研磨組成物および第二組成物を含む2パッケージ−システムとして供給され得る。さらには、第一または第二容器中の構成要素においては、異なるpH値を有するか、または代わりに実質的に同様の、または等しい、pH値を有することが適している。過酸化水素等の酸化剤は、第一および第二研磨組成物より別々に供給され、例えば、第一および第二研磨組成物の使用前の近いうちに(例えば、1週間またはそれより前、1日またはそれより前、1時間またはそれより前、10分またはそれより前、または1分またはそれより前)エンドユーザーによって、組み合わされ得る。他の2−容器、または3以上の容器、最終的な研磨組成物の構成要素の組み合わせは、当業者の知識の範囲内である。
【0039】
第一および第二研磨組成物はまた、使用する前に適切な量の液体キャリアを用いて希釈するための濃縮物として提供され得る。このような実施形態において、例えば、第一研磨組成物濃縮物は、研磨材、鉄触媒、安定化剤、金属エッチング阻害剤、および液体キャリアを、適切な量の液体キャリアと濃縮物との希釈において、研磨組成物の各構成要素は研磨組成物中に各構成要素として前述に列挙した適切な範囲内の量で存在しうる量で含み得る。例えば、研磨材、鉄触媒、安定化剤、金属エッチング阻害剤は各々各構成要素として前述に列挙した濃度よりも2倍(例えば、3倍、4倍、または5倍)量の濃度で存在し得、その結果濃縮物が等体積の液体キャリア(例えば、液体キャリアの2等体積、液体キャリアの3等体積、または液体キャリアの4等体積、各々)で希釈されると、各構成要素は研磨組成物中に各構成要素として上記の範囲内の量で存在する。同様に、第二研磨組成物において、研磨材および金属エッチング阻害剤は各構成要素として前述に列挙した濃度よりも2倍(例えば、3倍、4倍、または5倍)量の濃度で存在し得、その結果濃縮物が等体積の液体キャリア(例えば、液体キャリアの2等体積、液体キャリアの3等体積、または液体キャリアの4等体積、各々)で希釈されると、各構成要素は研磨組成物中に各構成要素として上記の範囲内の量で存在する。さらには、当業者によって理解され得るように、濃縮物は最終的な研磨組成物中に存在する適切な割合の液体キャリアを、研磨材、鉄触媒、安定化剤、金属エッチング阻害剤、および他の適切な添加剤は少なくとも部分的または完全に濃縮物中に溶解することを確実にするために、含み得る。
【0040】
本発明はさらに少なくとも第一層および第二層を有する基板の研磨加工方法を提供する。基板の研磨方法は、(a)少なくとも第一層および第二層を有する基板を提供すること、(b)(i)第二層と比較して第一層における第一選択性を有する研磨材を含む第一化学機械研磨組成物を提供し、(ii)第二層と比較して第一層における第二選択性を有する研磨材を含む第二化学機械研磨組成物を提供し(第二化学機械研磨組成物は第一化学機械研磨組成物の存在下において安定し、第一および第二選択性は異なる)、(iii)第二層と比較して第一層における最終的な選択性を有する最終的な化学機械研磨組成物を達成する比率で第一および第二化学機械研磨組成物を混合する工程を含む、最終的な化学機械研磨組成物を製造すること、(c)基板を最終的な化学機械研磨組成物と接触させること、(d)基板と研磨パッドの間に最終的な化学機械研磨組成物を介在させて基板に対して研磨パッドを移動させること、(e)基板の少なくとも一部を磨耗させて基板を研磨することを含む。
【0041】
本発明によれば、任意の適切な技術により、基板は本明細書中に記載した最終的な研磨組成物を用いて平坦化または研磨加工され得る。本発明の研磨方法は特に化学機械研磨(CMP)装置と共に用いるのに適している。典型的には、CMP装置は、使用するときに、進行しおよび軌道、線、または円運動から生じる速度を有する圧盤(platen)、圧盤と接触しおよび進行時に圧盤と移動する研磨パッド、および研磨パッドの表面に対して接触しおよび移動することで磨かれる基板を保持するキャリアを含む。基板の研磨は本発明の研磨パッドおよび研磨組成物に基板を接触させ、少なくとも基板の一部を磨耗させて基板を研磨するために、研磨パッドを基板に対して移動することで行われる。
【0042】
基板は任意の適切な研磨パッド(例えば、研磨表面)を有する最終的な研磨組成物を用いて平坦化されまたは研磨加工され得る。適切な研磨パッドとしては、例えば、織および不織研磨パッドが挙げられる。さらには、適切な研磨パッドは任意の適切な様々な密度、硬さ、厚さ、圧縮率、圧縮におけるリバウンド能力、および圧縮係数のポリマーを含み得る。適切なポリマーは、例えば、塩化ビニル、フッ化ビニル樹脂、ナイロン、フルオロカーボン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリル酸塩、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、その共生成品、およびそれらの混合物を含む。
【0043】
望ましくは、CMP装置はさらに、多くは当業者に周知の、原位置での研磨終点検出システムを含む。光またはワークピースから反射する他の照射を分析することで行う研磨加工プロセスの検査およびモニター技術は、当技術分野で周知である。これらの方法は、例えば、米国特許第5,196,353号、同第5,433,651号、同第5,609,511号、同第5,643,046号、同第5,658,183号、同第5,730,642号、同第5,838,447号、同第5,872,633号、同第5,893,796号、同第5,949,927号および同第5,964,643号中に記載されている。望ましくは、磨かれるワークピースに関する研磨加工プロセスの検出またはモニターは、研磨加工の終点の決定、すなわち、特定のワークピースに関する研磨加工プロセスをいつ終了するかの決定を可能とする。
【0044】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、もちろん、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0045】
実施例1
この実施例は本発明の方法により達成された調節可能な選択性を示す。
【0046】
第一化学機械研磨組成物は25nmの平均一次粒子サイズを有する5重量%の縮重合シリカ(Nalco TX11005)、0.0837重量%の硝酸第二鉄、69ppmのマロン酸、および1250ppmの水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)を含む。第一化学機械研磨組成物はタングステンにおける高除去速度、すなわち、2700Å/分を示す。第二化学機械研磨組成物は25nmの平均粒径を有する5重量%の縮重合シリカ(Nalco TX11005)および1250ppmのTBAHを含む。第二化学機械研磨組成物酸化物における高除去速度は、すなわち、1900Å/分を示す。第一および第二研磨組成物を様々な比率で混合し、および4重量%過酸化水素を添加して、7つの研磨組成物(1A、1B、1C、1D、1E、1F、および1G)を作成した。
【0047】
ウエハーのパターンにしたタングステンを含む同様の基板を7つの研磨組成物を用いて研磨した。タングステンおよび酸化物除去速度の結果を表1に示す。
【表1】
【0048】
表1のデータは図1のグラフにプロットし、これはタングステン除去速度、酸化物除去、およびタングステン:酸化物選択性を示す。結果は、酸化物およびタングステンの両者の好ましい除去速度を保ちながら選択性は容易に制御されることを示す。選択性を調節するこの実施例において、第一および第二研磨組成物の比率を変化させながら、タングステン除去速度は、酸化物除去速度は不変のまま、鉄触媒濃度における変化によって調節される。さらには、望ましい、最終的な選択性を達成するのに必要な第二研磨組成物に対する第一研磨組成物の比率は、容易にタングステン:酸化物選択性に対応する直線の傾斜より計算される。この特定の状態において、直線の傾斜は式Iにより定義される:
選択性=1.4723−0.0131x%酸化物構成要素 (I)
【0049】
実施例2
この実施例は独創的な方法によって達成された調節可能な選択性について示す。
【0050】
研磨材濃度および触媒濃度が体系的に変化した一連の研磨加工実験を、研磨材および触媒濃度およびタングステンおよび酸化物除去速度間の関係を明らかにするために行った。研磨材は25nmの平均一次粒子サイズを有する縮重合シリカ(Fuso)、触媒は硝酸第二鉄であった。研磨材濃度および触媒および物質除去速度およびタングステン:酸化物選択性の結果を表2に示す。
【表2】
【0051】
表2に記載された結果に基づくと、タングステン酸化物除去速度(式II)および酸化物除去速度(式III)における数学的モデルは以下の通りである:
タングステン除去速度(Å/分)=1029+236[触媒濃度(ppm)]−612.7[酵素濃度(ppm)]2 (II)
酸化物除去速度(Å/分)=534+463 [研磨材濃度(重量%)] (III)
【0052】
結果は、タングステン除去速度は触媒濃度の機能のみで、および酸化物除去速度は研磨材濃度に一次従属することを示す。従って、調節可能な選択性を有する化学機械研磨組成物の製造方法は式IIおよび式IIIに基づいて設計し得る。例えば、第一化学機械研磨組成物は22.5ppmの触媒および0.66重量%の研磨材を含み、および第二化学機械研磨組成物は3重量%の研磨材を含む場合、タングステン除去速度、酸化物除去速度、およびタングステン:酸化物選択性は、最終的な化学機械研磨組成物における第二化学機械研磨組成物に対する第一化学機械研磨組成物の様々な比率において計算され得る。計算結果を表3に示す。
【表3】
【0053】
以上の結果から明らかなように、最終的な選択性は最終的な化学機械研磨組成物における第二化学機械研磨組成物に対する第一化学機械研磨組成物の適切な比率を選択することで、エンドユーザーによって容易に制御される。
最後に、本発明の好ましい形態の一部を列挙すると、下記のとおりである。
(1)少なくとも第一層および第二層を有する基板を研磨加工するための化学機械研磨組成物の製造方法であって、
(a)第二層と比較して第一層に対する第一の選択性を有する研磨材を含む第一の化学機械研磨組成物を提供すること、
(b)第二層と比較して第一層に対する第二の選択性を有する研磨材を含む第二の化学機械研磨組成物を提供すること(第二の化学機械研磨組成物が第一の化学機械研磨組成物の存在下で安定しており、第一および第二の選択性は異なる)、および
(c)第二層と比較して第一層に対する最終的な選択性を達成する比率で第一および第二の化学機械研磨組成物を混合すること、
を含む、方法。
(2)前記第一層が金属層であり、前記第二層が誘電体層である、項目1に記載の方法。
(3)前記第一層がタングステンを含む、項目2に記載の方法。
(4)前記第二層が酸化ケイ素、酸窒化ケイ素またはドープした酸化ケイ素を含む、項目2に記載の方法。
(5)前記第二層と比較して前記第一層に対する第一の選択性が25:1〜1:1である、項目1に記載の方法。
(6)前記第二層と比較して前記第一層に対する第二の選択性が0.04:1〜1:1である、項目1に記載の方法。
(7)前記第一の化学機械研磨組成物が、
(a)複数の酸化状態を有する無機鉄化合物および有機鉄化合物よりなる群から選択される鉄触媒、
(b)リン酸、フタル酸、クエン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、ベンゾニトリルおよびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1つの安定化剤、
(c)水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびアミノ酸よりなる群から選択される金属エッチング阻害剤、および
(d)液体キャリア
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(8)前記鉄触媒が硝酸第二鉄であり、前記安定化剤がマロン酸であり、前記阻害剤が水酸化テトラブチルアンモニウムであり、前記研磨材がシリカである、項目7に記載の方法。
(9)前記第二の化学機械研磨組成物が水酸化テトラアルキルアンモニウムおよび液体キャリアをさらに含む、項目1に記載の方法。
(10)前記水酸化テトラアルキルアンモニウムが水酸化テトラブチルアンモニウムである、項目9に記載の方法。
(11)前記研磨材がシリカである、項目9に記載の方法。
(12)(d)前記第一および第二の化学機械研磨組成物の混合物に酸化剤を添加することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(13)前記酸化剤が過酸化水素である、項目12に記載の方法。
(14)基板を化学機械的に研磨加工する方法であって、
(a)少なくとも第一層および第二層を有する基板を提供すること、
(b)(i)第二層と比較して第一層に対する第一の選択性を有する研磨材を含む第一の化学機械研磨組成物を提供すること、
(ii)第二層と比較して第一層に対する第二の選択性を有する研磨材を含む第二の化学機械研磨組成物を提供し、該第二の化学機械研磨組成物が第一の化学機械研磨組成物の存在下で安定しており、第一および第二の選択性は異なり、
(iii)第一および第二の化学機械研磨組成物を、第二層と比較して第一層に対する最終的な選択性を有する最終的な化学機械研磨組成物を達成する比率で混合する工程を含む、最終的な化学機械研磨組成物を製造すること、
(c)基板を最終的な化学機械研磨組成物と接触させること、
(d)基板と研磨パッドの間に最終的な化学機械研磨組成物を介在させ、基板に対して研磨パッドを移動させること、および
(e)基板の少なくとも一部を磨耗させて基板を研磨すること、
を含む、方法。
(15)前記第一層が金属層であり、前記第二層が誘電体層である、項目14に記載の方法。
(16)前記第一層がタングステンを含む、項目15に記載の方法。
(17)前記第二層が酸化ケイ素を含む、項目15に記載の方法。
(18)前記第二層と比較して前記第一層に対する第一の選択性が25:1〜1:1である、項目14に記載の方法。
(19)前記第二層と比較して前記第一層に対する第二の選択性が0.04:1〜1:1である、項目14に記載の方法。
(20)前記第一の化学機械研磨組成物が、
(a)複数の酸化状態を有する無機鉄化合物および有機鉄化合物よりなる群から選択される鉄触媒、
(b)リン酸、フタル酸、クエン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、ベンゾニトリルおよびそれらの混合物よりなる群から選択された少なくとも1つの安定剤、
(c)水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびアミノ酸よりなる群から選択された金属エッチング阻害剤、および
(d)液体キャリア
をさらに含む、項目14に記載の方法。
(21)前記鉄触媒が硝酸第二鉄であり、前記安定化剤がマロン酸であり、前記阻害剤が水酸化テトラブチルアンモニウムであり、および前記研磨材がシリカである、項目20に記載の方法。
(22)前記第二の化学機械研磨組成物が水酸化テトラアルキルアンモニウムおよび液体キャリアをさらに含む、項目14に記載の方法。
(23)前記水酸化テトラアルキルアンモニウムが水酸化テトラブチルアンモニウムである、項目22に記載の方法。
(24)前記研磨材がシリカである、項目22に記載の方法。
(25)(b)(iv)前記第一および第二の化学機械研磨組成物の混合物に酸化剤を添加することをさらに含む、項目14に記載の方法。
(26)前記酸化剤が過酸化水素である、項目25に記載の方法。
図1