(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記媒体排給路の下方に配設され、当該媒体排給路に形成された第2通気部を介して当該媒体排給路で排給される前記冷却媒体の一部を分流して排給する媒体排給分流路を備えた請求項3に記載の放射線画像撮影装置。
前記媒体排給分流路内に配設され、少なくとも前記信号変換回路基板及び前記画像処理回路基板に供給される電源を生成する機能を有する電源回路基板を備えた請求項6に記載の放射線画像撮影装置。
前記媒体送給路の一端側に当該媒体送給路内に前記冷却媒体を送給する吸気ファンが設けられ、前記媒体排給路に当該媒体排給路内の前記冷却媒体を排給する排気ファンが設けられている請求項1、請求項3、請求項4のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
前記媒体送給路の一端側において前記吸気ファンよりも下流側に前記冷却媒体を前記媒体送給路に送給するクロスフローファンが設けられている請求項8に記載の放射線画像撮影装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、放射線検出パネルでは、放射線から放射線画像情報としての電荷信号が生成される。この電荷信号はチャージアンプによって電圧信号に変換され、この電圧信号に画像処理が施されることにより放射線画像が生成される。チャージアンプによる信号変換前に電荷信号にノイズが乗ることを抑制するため、放射線検出パネルの近傍にチャージアンプを実装した回路基板が配置されている。しかしながら、チャージアンプはその動作に伴い発熱源となるので、熱が放射線検出パネルに与える影響が懸念される。一方、放射線から電荷信号に直接変換される直接変換型FPD(Flat Panel Detector)方式の放射線検出パネルでは、放射線から電荷信号への変換層にアモルファスセレンが使用されている。この放射線検出パネルそのものは発熱源とはならないが、低温度において変換層が変質により損傷してしまう。
【0006】
このため、上記特許文献1〜3に開示された放射線画像撮影装置では放射線検出パネルが冷却されるが、発熱源が冷却対象とされていないので、十分な冷却効果を期待することができなかった。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、発熱源となる信号変換回路基板の冷却効果を高めて放射線検出パネルの損傷を効果的に抑制又は防止することができる放射線画像撮影装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第1実施態様に係る放射線画像撮影装置は、一端から他端へ冷却媒体が送給される媒体送給路と、媒体送給路の上方に配設され、放射線から電荷信号が生成される放射線検出パネルと、冷却媒体の送給方向と平行な媒体送給路の両側部に配設され、電荷信号を電圧信号に変換する機能を有する信号変換回路基板と、媒体送給路内に設けられると共に、冷却媒体を分流して信号変換回路基板側に導く冷却媒体分流部と、
媒体送給路の下方に配設され、媒体送給路の他端に形成された第1通気部を介して媒体送給路に送給された冷却媒体が排給される媒体排給路と、を備えている。
【0009】
第1実施態様に係る放射線画像撮影装置では、放射線検出パネルにより放射線から生成された電荷信号が信号変換回路基板において電圧信号に変換される。放射線検出パネルが媒体送給路の上方に配設されると共に、信号変換回路基板が媒体送給路の両側部に配設されているので、放射線検出パネルから信号変換回路基板までの距離が短くなり、電荷信号にはノイズが乗り難い。
【0010】
ここで、信号変換回路基板は冷却媒体の送給方向と平行に媒体送給路の両側部に配設されると共に、この媒体送給路内には冷却媒体分流部が設けられている。冷却媒体分流部は冷却媒体を分流して信号変換回路基板に導く。このため、冷却媒体が信号変換回路基板に沿って流れるので、信号変換回路基板の動作に伴い発生する熱は冷却媒体により吸収される。
加えて、放射線画像撮影装置では、媒体送給路の下方にこの媒体送給路の他端に形成された第1通気部を介して媒体排給路が設けられているので、媒体送給路から媒体排給路へ1方向に冷却媒体が排給される。このため、冷却媒体の流れの滞りが効果的に抑制されるので、冷却効率が向上される。
【0011】
本発明の第2実施態様に係る放射線画像撮影装置は、
一端から他端へ冷却媒体が送給される媒体送給路
と、媒体送給路
の上方に配設され、放射線から電荷信号が生成される放射線検出パネルと、冷却媒体
の送給方向と平行な媒体送給路の両側部に配設され、電荷信号を電圧信号に変換する機能を有する信号変換回路基板と、媒体送給路内に設けられると共に、媒体送給路の一端側から他端側へ末広がりとなるV字形の偏向板により構成され、冷却媒体を分流して信号変換回路基板側に導く冷却媒体分流部と、を備えている。
【0012】
第2実施態様に係る放射線画像撮影装置では、
信号変換回路基板は冷却媒体の送給方向と平行に媒体送給路の
両側部に配設されると共に、この媒体送給路
内には冷却媒体分流部が設けられている。冷却媒体分流部は冷却媒体
を分流して信号変換回路基板に導く。このため、冷却媒体が信号変換回路基板に沿って流れるので、信号変換回路基板の動作に伴い発生する熱は冷却媒体により吸収される。
加えて、放射線画像撮影装置では、冷却媒体分流部が偏光板により構成されており、この偏光板は媒体送給路の一端側から他端側へ末広がりとなるV字形を有する。このため、媒体送給路内を流れる冷却媒体が偏光板により分流されると共に、媒体送給路の両側部に配設された信号変換回路基板側に向かって冷却媒体の流れが偏向される。
【0013】
本発明の第3実施態様に係る放射線画像撮影装置は、
第1実施態様に係る放射線画像撮影装置において、媒体排給路内に配設され、電圧信号から放射線画像を生成する画像処理の機能を有する画像処理回路基板を備えている。
【0014】
第3実施態様に係る放射線画像撮影装置では、媒体排給路内に画像処理回路基板が設けられているので、画像処理回路基板の動作に伴い発生する熱が排給される冷却媒体により吸収される。このため、画像処理回路基板が発熱源となって放射線検出パネルに損傷を及ぼすことが効果的に抑制又は防止される。
【0015】
本発明の第4実施態様に係る放射線画像撮影装置は、第3実施態様に係る放射線画像撮影装置において、画像処理回路基板の一部を貫通し、第1通気部からの冷却媒体を媒体排給路に排給する基板貫通部を備えている。
【0016】
第4実施態様に係る放射線画像撮影装置では、画像処理回路基板の一部に基板貫通部が設けられているので、第1通気部から媒体排給路に至る冷却媒体の排給方向に直交する断面積(冷却媒体が流れる断面積)が増加される。このため、冷却媒体の流れの滞りが効果的に抑制されるので、冷却効率が向上される。また、冷却媒体が基板貫通部から画像処理回路基板に沿って流れるので、画像処理回路基板がその中央部分から冷却され、画像処理回路基板の冷却効率が向上される。
【0017】
本発明の第5実施態様に係る放射線画像撮影装置は、第1実施態様〜第4実施態様のいずれかの放射線画像撮影装置において、媒体送給路内に信号変換回路基板からの熱を放出するヒートシンクを備えている。
【0018】
第5実施態様に係る放射線画像撮影装置では、信号変換回路基板からの熱を放出するヒートシンクが媒体送給路内に設けられているので、信号変換回路基板の冷却効率が向上される。
【0019】
本発明の第6実施態様に係る放射線画像撮影装置は、
第3実施態様に係る放射線画像撮影装置において、媒体排給路の下方に配設され、媒体排給路に形成された第2通気部を介して媒体排給路で排給される冷却媒体の一部を分流して排給する媒体排給分流路を備えている。
【0020】
第6実施態様に係る放射線画像撮影装置では、媒体排給路の下方にこの媒体排給路に形成された第2通気部を介して媒体排給分流路が設けられているので、媒体送給路から媒体排給路及び媒体排給分流路へ2方向に分流して冷却媒体が排給される。このため、冷却媒体の流れの滞りが更に効果的に抑制されるので、冷却効率がより一層向上される。
【0021】
本発明の第7実施態様に係る放射線画像撮影装置は、第6実施態様に係る放射線画像撮影装置において、媒体排給分流路内に配設され、少なくとも信号変換回路基板及び画像処理回路基板に供給される電源を生成する機能を有する電源回路基板を備えている。
【0022】
第7実施態様に係る放射線画像撮影装置では、媒体排給分流路内に電源回路基板が設けられているので、電源回路基板の動作に伴い発生する熱が排給される冷却媒体により吸収される。このため、電源回路基板が発熱源となって放射線検出パネルに損傷を及ぼすことが効果的に抑制又は防止される。
【0023】
本発明の第8実施態様に係る放射線画像撮影装置では、
第1実施態様、第3実施態様、第4実施態様のいずれかの放射線画像撮影装置において、媒体送給路の一端側に媒体送給路内に冷却媒体を送給する吸気ファンが設けられ、媒体排給路に媒体排給路内の冷却媒体を排給する排気ファンが設けられている。
【0024】
第8実施態様に係る放射線画像撮影装置によれば、媒体送給路の一端側に吸気ファンが設けられているので、媒体送給路内への冷却媒体の送給効率が向上される。更に、媒体排給路に排気ファンが設けられているので、媒体排給路内からの冷却媒体の排給効率が向上される。このため、冷却媒体の流れの滞りが効果的に抑制されるので、冷却効率が向上される。
【0025】
本発明の第9実施態様に係る放射線画像撮影装置では、第8実施態様に係る放射線画像撮影装置において、媒体送給路の一端側において吸気ファンよりも下流側に冷却媒体を媒体送給路に送給するクロスフローファンが設けられている。
【0026】
第9実施態様に係る放射線画像撮影装置によれば、媒体送給路の一端側において吸気ファンよりも下流側にクロスフローファンが設けられており、このクロスフローファンにより媒体送給路に冷却媒体が送給される。クロスフローファンでは、冷却媒体の送給幅が広くなり、かつ均一な送給量での冷却媒体が送給可能であるため、冷却効率が向上される。
【0027】
本発明の第10実施態様に係る放射線画像撮影装置は、
第1実施態様、第3実施態様、第4実施態様、第6実施態様〜第9実施態様
のいずれかに係る放射線画像撮影装置において、冷却媒体分流部は、媒体送給路の一端側から他端側へ末広がりとなるV字形の偏向板により構成されている。
【0028】
第10実施態様に係る放射線画像撮影装置では、冷却媒体分流部が偏光板により構成されており、この偏光板は媒体送給路の一端側から他端側へ末広がりとなるV字形を有する。このため、媒体送給路内を流れる冷却媒体が偏光板により分流されると共に、媒体送給路の両側部に配設された信号変換回路基板側に向かって冷却媒体の流れが偏向される。
【0029】
本発明の第11実施態様に係る放射線画像撮影装置では、第10実施態様に係る放射線画像撮影装置において、偏向板は、対面する側に凸となる湾曲形状により構成されている。
【0030】
第11実施態様に係る放射線画像撮影装置によれば、偏光板が対面する側に凸となる湾曲形状により構成されているので、分流のときの冷却媒体の流れの抵抗が減少される。このため、冷却媒体の流れの滞りが効果的に抑制されるので、冷却効率が向上される。
【0031】
本発明の第12実施態様に係る放射線画像撮影装置は、
第1実施態様に係る放射線画像撮影装置の放射線検出パネル、信号変換回路基板、媒体送給路
、冷却媒体分流部
及び媒体排給路が少なくとも筐体内部に配設されると共に、放射線検出パネル上の表面が撮影面とされる撮影台と、撮影面上に設けられた放射線照射部と、撮影面と放射線照射部との間に設けられた圧迫板と、を備えている。
【0032】
第12実施態様に係る放射線画像撮影装置では、撮影台、放射線照射部及び圧迫板を有するマンモグラフィにおいて、第1実施態様〜第11実施態様に係る放射線画像撮影装置により得られる作用と同様の作用が得られる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る放射線画像撮影装置は、発熱源となる信号変換回路基板の冷却効果を高めて放射線検出パネルの損傷を効果的に抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、図面において同一機能を有する構成要素には同一符号が付されており、重複する説明は適宜省略されている。また、図面において適宜示され、符号Xが付された方向は、放射線画像撮影装置に放射線撮影のために対向した状態の被検者(被撮影者)から見て左側から右側に向かう方向を示している。同様に、符号Yが付された方向は被検者の前面側(胸壁側)から放射線画像撮影装置の背面側に向かう方向を示しており、符号Zが付された方向は被検者の足下の下方側から放射線画像撮影装置の上方側に向かう方向を示している。すなわち、符号X、Y、Zは、XYZ座標におけるX軸、Y軸、Z軸に一致する方向である。
【0036】
[第1実施の形態]
本発明の第1実施の形態は、放射線画像撮影装置としてマンモグラフィ並びにそれに組み込まれた撮影台に本発明を適用した例を説明するものである。
【0037】
(放射線画像撮影装置の全体構成)
図1に示されるように、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10はマンモグラフィである。この放射線画像撮影装置10では立位状態にある被検者の乳房(被撮影体)が放射線の照射により撮影される構成とされている。なお、放射線画像撮影装置10では、椅子例えば車椅子に着座した座位状態にある被検者、上半身だけが立位状態にある被検者の乳房も左右個別の撮影が可能とされている。
【0038】
放射線画像撮影装置10は、前面(被検者の胸壁)側に設けられた側面視で略C字状の形状を有する撮影部12と、撮影部12よりもY方向(背面)側に配設され撮影部12を背面側から支える基台部14とを備えている。撮影部12は、下方側から上方側に向かってZ方向に、撮影台16と、保持部18と、圧迫板20と、支持部22とを備えている。撮影台16の最も上部には、被検者の乳房の下部が当接される撮影面24が設けられている。特に形状が限定されるものではないが、ここでは平面視において撮影面24の形状は、胸壁側から背面側に向かって若干末広がりとなる台形状とされている。放射線透過性や機械的強度の観点から、少なくとも撮影面24は例えば炭素繊維強化プラスチックにより形成されている。保持部18の下方側には撮影台16が支持されている。保持部18の撮影台16によりも上方側には支持アーム26を介して圧迫板20が支持されている。
【0039】
圧迫板20は、撮影面24との間に乳房を挟込み、この乳房をその頂部側から圧迫する構成とされている。圧迫板20は、上方が開口された中空の有底四角柱により形成されている。第1実施の形態では、特に設けていないが、開口された上部を塞ぐ蓋部材が圧迫板20に設けられてもよい。圧迫板20は、撮影面24に対して垂直方向(Z方向)に移動可能とされている。また、支持アーム26には図示を省略した回転軸が設けられており、この回転軸を中心として圧迫板20が圧迫角度が調整可能とされている。
【0040】
支持部22は、保持部18の上方にそれとは別の構成要素として設けられており、側面視において略逆L字状の形状とされている。この支持部22の上側には撮影面24に向けて撮影用或いは測定用としての放射線が照射可能とされる放射線照射部28が設けられている。放射線照射部28に対向する撮影台16の内部には、後述する放射線検出器としての放射線検出パネル30が設けられている。放射線検出パネル30では、放射線照射部28から圧迫板20、乳房及び撮影面24を透過し、乳房の画像情報を担持する放射線の照射を受けて画像情報が検出される。本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、放射線として、X線が使用されている。なお、本発明は、放射線として、X線に限定されない。例えば、放射線には、少なくとも医療に利用されるγ線、電子線、中性子線、陽子線、重粒子線等が含まれる。
【0041】
基台部14の上下方向の中間部には前面側に向かって水平方向に延びる図示を省略した回動軸が設けられている。この回動軸には支持部22及び保持部18が回転自在に軸支されている。つまり、回転軸を回転中心として、基台部14に対して、支持部22を含む撮影部12が回転可能とされている。
【0042】
(放射線画像撮影装置のシステム構成)
図2に示されるように、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、放射線照射部28と、放射線検出パネル30、信号変換回路基板44、画像処理回路基板50、電源部を含む電源回路基板62等の撮影台16に内蔵された回路と、コンソール80とを備えて放射線画像生成システムが構築されている。
【0043】
(放射線照射部の回路構成)
放射線照射部28は放射線源70と、線源制御部72と、通信部74とを備えている。通信部74では、コンソール80との間において曝射条件等の各種情報が送受信される。線源制御部72では、通信部74を介して受信された曝射条件に基づいて放射線源70が制御される。線源制御部72にはマイクロコンピュータが設けられており、このマイクロコンピュータのメモリには通信部74を介して受信された曝射条件等の情報が格納される。曝射条件としては、例えば管電圧、管電流、曝射時間を含む情報が少なくとも含まれており、このような曝射条件に基づいて線源制御部72により放射線源70からの放射線の照射が制御される。
【0044】
(撮影台内部の回路構成)
撮影台16の内部に組込まれた放射線検出パネル30は、走査線延在方向例えば縦方向に延在し、かつ出力線延在方向例えば横方向に複数配列された走査線38と、出力線延在方向に延在し、かつ走査線延在方向に複数配列された出力線40とを備えている。走査線38と出力線40との交差箇所には、放射線が入射されるとこの放射線から電荷信号を生成する検出画素32が設けられている。検出画素32は、走査線延在方向、出力線延在方向のそれぞれに沿って複数配列されている。検出素子32は、放射線が入射されると電荷信号を生成する変換部34と、走査線38により出力線40と変換部34との間の導通、非導通の制御がなされるスイッチ部36とを備えている。本実施の形態における放射線検出パネル30には直接変換型FPDが採用されており、検出画素32の変換部34には例えばアモルファスセレンが使用されている。
【0045】
更に、撮影台16の内部には、ゲートドライバ42と、信号変換回路基板44と、画像処理回路基板50と、電源部を含む電源回路基板62と、高電圧発生部を含む高電圧装置60と、ファン制御部64とを備えている。
【0046】
ゲートドライバ42は放射線検出パネル30に設けられた走査線38に接続されている。ここで、後述する
図6及び
図9に示されるように、放射線検出パネル30は平面視で矩形状とされており、ゲートドライバ42は放射線画像撮影装置10の背面側の一辺部に沿って配設されている。
【0047】
信号変換回路基板44は、放射線検出パネル30に設けられた出力線40に接続されており、検出素子32の変換部34により生成された電荷信号を電圧信号に変換するチャージアンプとしての機能を備えている。
図3に示されるように、信号変換回路基板44は、サンプルホールド回路46、マルチプレクサ47、アナログデジタル(A/D)変換器48を備えている。
【0048】
サンプルホールド回路46は、出力線40毎に配設されており、オペアンプ46A、コンデンサ46B及びスイッチ46Cを備えている。コンデンサ46B、スイッチ46Cはいずれもオペアンプ46Aの入出力間に電気的に並列に接続されている。検出素子32から出力線40を通して伝送された電荷信号はサンプルホールド回路46に保持される。サンプルホールド回路46はオペアンプ46A及びコンデンサ46Bによって電荷信号をアナログ信号(電圧信号)に変換する。サンプルホールド回路46のスイッチ46Cはコンデンサ46Bに蓄積された電荷信号の放電を行うリセット回路として使用されている。サンプルホールド回路46において変換されたアナログ信号はマルチプレクサ47にシリアルに入力される。このマルチプレクサ47はアナログデジタル変換器48にアナログ信号をシリアルに出力する。アナログデジタル変換器48では、アナログ信号がデジタル信号に変換される。
【0049】
ここで、信号変換回路基板44は、ゲートドライバ42が設けられた一辺部並びに胸壁側の一辺部とは別の放射線検出パネル30の対向する両辺部(被検体から見て右側辺部及び左側辺部)に沿って、各々、信号変換回路基板44A、44Bとして分割して配設されている。検出素子32の走査線延在方向の配列ピッチよりも、信号変換回路基板44に搭載されたサンプルホールド回路46の同一方向の配列ピッチが大きい構成とされている。このため、放射線検出パネル30の対向する両辺部に信号変換回路基板44A、44Bを備え、走査線延在方向に配列された出力線40を信号変換回路基板44A、44Bの各々に交互に接続する構成として、検出素子32のサイズの縮小化並びに高密度化がなされている。また、放射線検出パネル30は被検体に近接した箇所に配設されているので、この放射線検出パネル30の辺部には信号変換回路基板44を配設するスペースが確保されない。
【0050】
図2に示されるように、画像処理回路基板50は、信号処理部52と、検出器制御部54と、画像メモリ56と、通信部58とを備えている。信号処理部52では、信号変換回路基板44を経て変換されたデジタル信号に画像処理がなされ、放射線画像情報が生成される。信号処理部52は画像メモリ56に接続されており、信号処理部52において生成された放射線画像情報が画像メモリ56にシリアルに記憶される。画像メモリ56は所定枚数分の放射線画像情報を記憶可能な記憶容量を備えており、放射線画像の撮影が行われる毎に撮影によって得られた放射線画像情報が画像メモリ206に順次記憶される。
【0051】
検出器制御部54は、ゲートドライバ42、信号処理部52、画像メモリ56、通信部58、電源部、高電圧発生部のそれぞれに接続されており、これらの制御を司る。検出器制御部54はマイクロコンピュータを備えており、マイクロコンピュータはCPU(中央演算処理ユニット)、RAMやROM等のメモリ、ハードディスク等の記憶部を備えて構築されている。
【0052】
通信部58は、検出器制御部54からの制御に基づいて、外部機器との間において各種情報の送受信を行う。この形式に限定されるものではないが、第1実施の形態に係る通信部58は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線通信部である。具体的には、通信部58は、検出器制御部54とコンソール80との間において放射線画像の撮影に関する制御を行う各種情報の送受信、検出器制御部54からコンソール80への放射線画像情報の送信等を無線通信により行う。
【0053】
電源回路基板62の電源部はゲートドライバ42、信号変換回路基板44、画像処理回路基板50等の各種回路に電力を供給する構成とされている。高電圧発生装置60高電圧発生部は放射線検出パネル30の変換部34に高電圧を供給する構成とされている。また、ファン制御部64は、後に説明する吸気ファン、排気ファン、クロスフローファンのそれぞれを駆動する制御を司る。
【0054】
(コンソールの回路構成)
図2に示されるように、コンソール80は、サーバコンピュータとして構築され、ディスプレイ80A及び操作パネル80Cを備えている。ディスプレイ80Aは放射線画像撮影装置10の操作メニュー、撮影された放射線画像等を表示するモニターである。操作パネル80Cは、複数の操作キー、スイッチ等を備えており、各種情報や操作指示の入力を行える。コンソール80は、CPU80Eと、ROM80Fと、RAM80Gと、ハードディスクドライブ(HDD)80Hと、ディスプレイドライバ80Bと、操作入力検出部80Dと、通信部82とを備えている。
【0055】
(撮影台内部の構造)
第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10の撮影台16では、
図4〜
図10に示されるように、中空立方体形状の筐体100により全体の輪郭が形作られている。筐体100は、必要に応じて表面に絶縁処理が施されたカーボン繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、アルミニウム、鋼板等の材料により形成されている。
【0056】
この撮影台16の撮影面24側の上段には、背面側の一端(
図5中、符号104A)から胸壁側の他端(
図5中、符号104B)へ冷却媒体102が送給される媒体送給路104が設けられている。媒体送給路100の上方側(撮影面24側)には放射線検出パネル30が配設されており、この放射線検出パネル30の裏面が媒体送給路100の上壁の一部として使用されている。図示を省略するが、実際には媒体送給路100と放射線検出パネル30との間には断熱材が設けられている。
【0057】
冷却媒体102の送給方向と平行な媒体送給路104の両側部の被検者から見て左側の一方には信号変換回路基板44Aが配設されており、被検者から見て右側の他方には信号変換回路基板44Bが配設されている。信号変換回路基板44A、信号変換回路基板44Bはいずれも同一の構成とされている。第1実施の形態において、信号変換回路基板44には、サンプルホールド回路46、マルチプレクサ47及びアナログデジタル変換器48を集積回路(ICチップ)44Cとしてベースフィルム44D上に実装したフレキシブル回路基板が使用されている。この信号変換回路基板44の上方側の一端は放射線検出パネル30の辺部に電気的かつ機械的に接続されており、下方側の他端は画像処理回路基板50に電気的かつ機械的に接続されている。信号変換回路基板44Aは放射線検出パネル30の一方の辺部に沿って胸壁側から背面側に複数配列されており、信号変換回路基板44Bは放射線検出パネル30の対向する他方の辺部に沿って胸壁側から背面側に複数配列されている。信号変換回路基板44は媒体送給路100の両側壁の一部として使用されている。
【0058】
図4、
図5、
図7、
図8〜
図11に示されるように、信号変換回路基板44には、媒体送給路104内に突設し、信号変換回路基板44の動作により発生する熱をこの信号変換回路基板44から放出するヒートシンク110が設けられている。
図11及び
図12に示されるように、ヒートシンク110は、胸壁側から背面側に向かって延設された略水平な板状の放熱フィン110Aを上下方向に複数枚略平行に配置して構成されている。この放熱フィン110Aの枚数は特に限定されるものではないが、例えば3〜5枚が最適な枚数とされている。ヒートシンク110は、熱伝導性に優れかつ加工性に優れたアルミニウム、銅等の材料により形成されている。また、
図8に示されるように、ヒートシンク110は、信号変換回路基板44の集積回路44C上に接着層112を介して取付けられる。接着層112には例えば伝熱ゲルが使用されている。また、信号変換回路基板44のベースフィルム44Dの集積回路44Cが実装された表面とは反対側の裏面は接着層114を介して筐体100の内壁に沿って設けられた内側フレーム116に固定されている。接着層116には接着層112と同様に伝熱ゲルが使用されている。
【0059】
媒体送給路104の下方側には、筐体100の側壁に取付けられた平板状の仕切りフレーム118が設けられている。この仕切りフレーム118は例えばアルミニウム、鋼板等の材料により形成されている。仕切りフレーム118は媒体送給路104の底壁の一部として使用されている。
【0060】
図4〜
図7に示されるように、媒体送給路104内には、冷却媒体102を分流して信号変換回路基板44A、信号変換回路基板44Bのそれぞれに導く冷却媒体分流部120が設けられている。冷却媒体分流部120は、媒体送給路104の背面側から胸壁側へ平面視で末広がりとなるV字形をなす偏向板120A及び偏向板120Bを備えている。ここでは、胸壁側にも冷却媒体102の送給方向と略直交する方向に延設された偏向板120Cが設けられており、冷却媒体分流部120の平面視における形状は三角形とされている。各々の偏向板120A〜120Cは水平方向及び上下方向に沿って平面をなす平板の下部を水平方向に折曲げたL字形断面を有し、この折曲げた部分が仕切りフレーム118の表面に固定されている。特に材料が限定されるものではないが、偏向板120A〜120Cは、アルミニウム、鋼板、樹脂等の材料により形成されている。
【0061】
なお、
図6及び
図9に示されるように、媒体送給路104の上方であって、放射線検出パネル30よりも背面側にはゲートドライバ42が設けられている。また、
図6及び
図7に示されるように、媒体送給路104の上方であって、ゲートドライバ42よりも更に背面側には高電圧発生装置60が設けられている。
【0062】
図4〜
図7及び
図13に示されるように、媒体送給路104の下方には、媒体送給路104の胸壁側に形成された第1通気部118Aを介して媒体送給路104に送給された冷却媒体102が排給される媒体排給路130が配設されている。第1通気部118Aは、仕切りフレーム118を平面視で略矩形状に貫通して(切欠いて)形成されている。媒体排給路130は、撮影台16の中段に位置し、胸壁側から背面側へ冷却媒体102を排給する。
【0063】
図5〜
図7に示されるように、媒体排給路130の上方側には仕切りフレーム118が設けられており、この仕切りフレーム118が媒体排給路130の上壁の一部として使用されている。媒体排給路130の下方側には仕切りフレーム118と略同様な構成の仕切りフレーム132が設けられており、この仕切りフレーム132が媒体排給路130の底壁の一部として使用されている。媒体排給路130の側壁には筐体100の側壁が利用されている。なお、仕切りフレーム118の背面側から後に説明する吸気ファン150と排気ファンとの間まで仕切りフレーム132Cが延設されている。仕切りフレーム132Cは媒体送給路104と媒体排給路130との間を隔てる仕切板として構成されている。
【0064】
図4〜
図7及び
図13に示されるように、媒体排給路130の内部には、画像処理回路基板50が配設されている。ここでは、画像処理回路基板50は、放射線検出パネル30と対向する箇所において、仕切りフレーム118の裏面側に取付けられている。画像処理回路基板50には、第1通気口118Aと重複する箇所において、一部を貫通し、第1通気部118Aからの冷却媒体102を媒体排給路130に排給する基板貫通部50Aが設けられている。
【0065】
図6及び
図7に示されるように、媒体排給路130の更に下方には、媒体排給路130の胸壁側に形成された第2通気部132Aを介して媒体排給路130に排給された冷却媒体102の一部を分流して排給する媒体排給分流路140が配設されている。第2通気部132Aは、仕切りフレーム132を平面視で略矩形状に貫通して形成されている。媒体排給分流路140は、撮影台16の下段に位置し、媒体排給路130の背面側に形成された第3通気部132Bを介して排給される冷却媒体102と合流され、胸壁側から背面側へ冷却媒体102を排給する。なお、第2通気部132Aと第3通気部132Bとの間には仕切りフレーム132の一部が横切っており、仕切りフレーム132の剛性が高められている。
【0066】
媒体排給分流路140の上方側には仕切りフレーム132が設けられており、この仕切りフレーム132が媒体排給分流路140の上壁の一部として使用されている。媒体排給路140の下方側には仕切りフレーム132と略同様な構成の仕切りフレーム142が設けられており、この仕切りフレーム142が媒体排給分流路140の底壁の一部として使用されている。媒体排給分流路140の側壁には筐体100の側壁が利用されている。
【0067】
図6に示されるように、媒体排給分流路140の内部には、電源回路基板62が配設されている。ここでは、電源回路基板62は、放射線検出パネル30及び画像処理回路基板50と対向する箇所において、仕切りフレーム132と仕切りフレーム142との中間に
図7に示される支持台144上に取付けられている。
【0068】
図4、
図6及び
図7に示されるように、媒体送給路104の背面側には媒体送給路104内に冷却媒体102を送給する吸気ファン150が設けられている。吸気ファン150にはプロペラファンが使用される。媒体排給路130及び媒体排給分流路140の背面側には媒体排給路130内及び媒体排給分流路140内の冷却媒体102を排給する排気ファン152が設けられている。吸気ファン150と同様に、排気ファン152にはプロペラファンが使用される。
【0069】
また、媒体送給路104の背面側において吸気ファン150よりも下流側には冷却媒体102を媒体送給路104に送給するクロスフローファン154が設けられている。
(第1実施の形態の作用及び効果)
【0070】
以上説明したように、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、放射線検出パネル30により放射線から生成された電荷信号が信号変換回路基板44において電圧信号に変換される。放射線検出パネル30が媒体送給路104の上方に配設されると共に、信号変換回路基板44が媒体送給路104の両側部に配設されているので、放射線検出パネル30から信号変換回路基板44までの距離が短くなり、電荷信号にはノイズが乗り難い。
【0071】
ここで、信号変換回路基板44は冷却媒体102の送給方向と平行に媒体送給路104の両側部に配設されると共に、この媒体送給路104内には冷却媒体分流部120が設けられている。冷却媒体分流部120は冷却媒体102を分流して信号変換回路基板44に導く。このため、冷却媒体102が信号変換回路基板44に沿って流れるので、信号変換回路基板44の動作に伴い発生する熱は冷却媒体102により吸収される。仮に、放射線検出パネル30の変換部34にアモルファスセレンが使用される場合、約33度の環境温度でアモルファスセレンが変質する。
【0072】
従って、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10によれば、発熱源となる信号変換回路基板44の冷却効果を高めて放射線検出パネル30の損傷を効果的に抑制又は防止することができる。
【0073】
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、媒体送給路104の下方にこの媒体送給路104の他端に形成された第1通気部118Aを介して媒体排給路130が設けられているので、媒体送給路104から媒体排給路130へ1方向に冷却媒体102が排給される。このため、冷却媒体102の流れの滞りが効果的に抑制されるので、冷却効率が向上される。
【0074】
更に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、媒体排給路130内に画像処理回路基板50が設けられているので、画像処理回路基板50の動作に伴い発生する熱が排給される冷却媒体102により吸収される。このため、画像処理回路基板50が発熱源となって放射線検出パネル30に損傷を及ぼすことが効果的に抑制又は防止される。
【0075】
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、画像処理回路基板50の一部に基板貫通部50Aが設けられているので、第1通気部118Aから媒体排給路130に至る冷却媒体102の排給方向に直交する断面積(冷却媒体102が流れる断面積)が増加される。このため、冷却媒体102の流れの滞りが効果的に抑制されるので、冷却効率が向上される。また、冷却媒体102が基板貫通部50Aから画像処理回路基板50に沿って流れるので、画像処理回路基板50がその中央部分から冷却され、画像処理回路基板50の冷却効率が向上される。
【0076】
更に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、信号変換回路基板44からの熱を放出するヒートシンク110が媒体送給路104内に設けられているので、信号変換回路基板44の冷却効率が向上される。
【0077】
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、媒体排給路130の下方にこの媒体排給路130に形成された第2通気部132Aを介して媒体排給分流路140が設けられているので、媒体送給路104から媒体排給路130及び媒体排給分流路140へ2方向に分流して冷却媒体102が排給される。このため、冷却媒体102の流れの滞りが更に効果的に抑制されるので、冷却効率がより一層向上される。
【0078】
更に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、媒体排給分流路140内に電源回路基板62が設けられているので、電源回路基板62の動作に伴い発生する熱が排給される冷却媒体102により吸収される。このため、電源回路基板62が発熱源となって放射線検出パネル30に損傷を及ぼすことが効果的に抑制又は防止される。
【0079】
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、媒体送給路104の一端側に吸気ファン150が設けられているので、媒体送給路104内への冷却媒体102の送給効率が向上される。更に、媒体排給路130に排気ファン152が設けられているので、媒体排給路130内からの冷却媒体102の排給効率が向上される。このため、冷却媒体102の流れの滞りが効果的に抑制されるので、冷却効率が向上される。
【0080】
更に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10によれば、媒体送給路104の一端側において吸気ファン150よりも下流側にクロスフローファン154が設けられており、このクロスフローファン154により媒体送給路104に冷却媒体102が送給される。クロスフローファン154では、冷却媒体102の送給幅が広くなり、かつ均一な送給量での冷却媒体102が送給可能であるため、冷却効率が向上される。
【0081】
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、冷却媒体分流部120が偏光板120A、120Bにより構成されており、この偏光板120A、120Bは媒体送給路104の一端側から他端側へ末広がりとなるV字形を有する。このため、媒体送給路104内を流れる冷却媒体102が偏光板120A、120Bにより分流されると共に、媒体送給路104の両側部に配設された信号変換回路基板44側に向かって冷却媒体102の流れが偏向される。
【0082】
更に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、撮影台16、放射線照射部28及び圧迫板20を有するマンモグラフィにおいて、上記作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0083】
[第2実施の形態]
本発明の第2実施の形態は、第1の実施の形態に係る放射線画像撮影装置10の冷却媒体分流部120の形状を変えた例を説明するものである。
【0084】
(冷却媒体分流部の構成)
図14に示されるように、第2実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、冷却媒体分流部120の偏向板120A及び偏向板120Bが、特に分流開始の上流側において対面する側に凸となる湾曲形状により構成されている。偏向板120A及び偏向板120Bの下流側では、逆に対面する側に凹となる湾曲形状により構成されている。平面視では、丁度、偏向板120A、偏向板120BのそれぞれがS字形とされている。
【0085】
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10によれば、偏向板120A及び偏向板120Bが対面する側に凸となる湾曲形状により構成されているので、分流のときの冷却媒体102の流れの抵抗が減少される。このため、冷却媒体102の流れの滞りが効果的に抑制されるので、冷却効率が向上される。
【0086】
[第3実施の形態]
本発明の第3実施の形態は、第1の実施の形態、第2実施の形態の各々に係る放射線画像撮影装置10の冷却媒体分流部120の構造を変えた例を説明するものである。
【0087】
(冷却媒体分流部の構成)
図15に示されるように、第3実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、冷却媒体分流部120の偏向板120A及び偏向板120Bに、その表面から媒体送給路104側に向かって突設された突起部120Dが設けられている。この突起部120Dは、ここではフィン状とされており、偏向板120A、偏向板120Bのそれぞれの表面積が増加されている。
【0088】
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10によれば、冷却媒体分流部120の偏向板120A及び偏向板120Bの表面積が突起部120Dにより増加されるので、冷却媒体分流部120により分流される冷却媒体102自体が冷却される。このため、上流側において冷却媒体102が冷却されるので、冷却媒体分流部120よりも下流側に配設された信号変換回路基板44等の冷却効率がより一層向上される。
【0089】
(変形例)
図16に示されるように、第3実施の形態の変形例に係る放射線画像撮影装置10では、
図15に示される冷却媒体分流部120と同様に、冷却媒体分流部120の偏向板120A及び偏向板120Bに突起部120Dが設けられている。この変形例に係る放射線画像撮影装置10では、第3実施の形態に係る放射線画像撮影装置10により得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0090】
(その他の実施の形態)
以上、本発明を複数の実施の形態を用いて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、本発明は、マンモグラフィに限定されるものではなく、撮影台の冷却システムを有する放射線画像撮影装置に広く適用可能である。