(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、各実施形態はいずれも例示であり、本発明の限定的な解釈を与えるものでない。
(第1の実施形態)
−非水電解質二次電池−
まず、非水電解質二次電池について以下に簡単に説明する。
図12は、非水電解質二次電池の外観を示す斜視図である。リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池21は、
図12に示すように、正極端子1と、負極端子2と、電池ケース3と、防爆弁4とを備える。非水電解質二次電池21は、電池ケース3の内部に図示しない電極体を収納する。電極体は正極用電極板と負極用電極板とをセパレータを介して巻回された構造であり、正極端子1は正極用電極板と、負極端子2は負極用電極板と電気的にそれぞれ接続されている。電池ケース3は、例えば、アルミニウム製又はステンレス(SUS)製の角形電槽缶である。防爆弁4は、電池ケース3内の圧力が上昇した際に外部へその圧力を開放する役割がある。防爆弁4は、リチウムイオン電池の場合、一般的に約0.5〜1.0[MPa]で開くように設定される。防爆弁4の材質は、電池ケース3と同様にアルミニウム又はステンレスであってもよい。また、防爆弁4の材質は、ニッケル等の金属のほか、有機材料や無機材料を用いることもでき、所定の圧力までは破断しない強度を有し、電解液によって腐食されない等の条件を満たす材料であれば、使用することができる。
【0018】
図13は、非水電解質二次電池の内部構造を示す図であり、正面から見た断面図である。非水電解質二次電池21は、
図13に示すように、
図12で示す構成の他、正極集電体7と、負極集電体8と、電極体12とを備える。また、電極体12は、セパレータ9と、正極用電極板10と、負極用電極板11とを備え、セパレータ9を介して正極用電極板10と負極用電極板11とを共に巻回した構造となっている。なお、電極体12は、この巻回により巻芯部12aを形成する。
【0019】
正極用電極板10は、両面に正極合剤を保持させた集電体である。その集電体は、例えば、厚さ20[μm]のアルミニウム箔であり、ペースト状の正極合剤は、遷移金属のリチウム含有酸化物であるリチウムコバルト酸化物(LiCoO
2)に結着剤としてのポリ弗化ビニリデンと導電材としてのアセチレンブラックとを添加後混練したものである。そして、正極用電極板10は、このペースト状の正極合剤をアルミニウム箔の両面に塗布、乾燥、圧延した後、それを帯状に切断する手順で得られる。
【0020】
負極用電極板11は、両面に負極合剤を保持させた集電体である。その集電体は、例えば、厚さ10[μm]の銅箔であり、ペースト状の負極合剤は、グラファイト粉末に結着剤としてのポリ弗化ビニリデンを添加後混練したものである。そして、負極用電極板11は、このペースト状の負極合剤を銅箔の両面に塗布、乾燥、圧延した後、それを帯状に切断する手順で得られる。
【0021】
セパレータ9は、多孔膜を用いる。例えば、セパレータ9は、ポリエチレン製微多孔膜を用いることができる。また、セパレータに含浸させる電解液は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びジメチルカーボネート(DMC)を1:1:1の割合に混合した混合液に1[mol/l]の六弗化リン酸リチウムを添加したものを用いることができる。
【0022】
−ガス吸収材の設置形態−
非水電解質二次電池21はその内部で発生するガスを防爆弁4から噴出させるが、本発明者らは、このガスの外部への噴出を最小限に抑えるために、ガス吸収材を様々な形態で設置する手段を着想した。まず、ガス吸収材を非水電解質二次電池21の内部に設置する形態について以下に説明する。
【0023】
図1は、非水電解質二次電池にカプセル形のガス吸収体を設置した一例を示す図である。
図1(a)は、正面から見た図であり、
図1(b)は、
図1(a)のX−Xの方向に見た矢視図である。ただし、
図1では、
図13の正極集電体7、負極集電体8及び電極体12等を省略している。
【0024】
非水電解質二次電池21は、
図1に示すように、電池ケース3の内部にガス吸収材を含むカプセル形ガス吸収体13を収納する。具体的には、カプセル形ガス吸収体13は、防爆弁4を内側から覆うように防爆弁4の近傍に配置され、保持部材や接着剤等により固定される。
【0025】
−カプセル形のガス吸収体−
次に、カプセル形のガス吸収体について以下に説明する。
図2は、カプセル形のガス吸収体の一例を示す図である。
図2(a)は正面から見た図であり、
図2(b)は側方から見た図である。カプセル形ガス吸収体13は、ガス吸収材6を内部に充填したガス吸収材の容器となるカプセル5を備える。カプセル5は、熱溶融性の樹脂で形成される中空構造のものである。この熱溶融性の樹脂は、例えば、120〜200[℃」程度で溶融するポリエチレンやポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、カプセル5は、熱以外にも圧力や接触する物質等所定の条件により破壊されるものを用いてもよい。また、カプセル5は、強度等を考慮して一部を熱溶融性の樹脂以外の材料で構成してもよい。
【0026】
ガス吸収材6は、電池ケース3内部に発生するガスを吸収するものであればよく、例えば、活性炭、ゼオライト、カーボンブラック、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属間化合物等を挙げることができるが、分子化合物を形成する材料を用いることが好ましい。
【0027】
カプセル形ガス吸収体13は、例えば、一部に挿入口を有する熱溶融性樹脂容器のカプセル5にその挿入口からガス吸収材6を入れ、その挿入口を溶着により閉じてガス吸収材6を封入することにより得ることができる。熱溶融性樹脂容器は、袋状のものであってもよい。
【0028】
電池ケース3内部に発生するガスは、例えば、リチウムイオン電池の場合、CO、CO
2、CH
4、C
2H
4、C
2H
6、C
3H
6、H
2等が挙げられ、その総量は約30〜200[l]、70Ah級のもので約175[l]、ガス噴出速度は約5〜20[l/sec]である。
【0029】
電池ケース3内部に発生するガス全てをガス吸収材6で吸収することは設置スペース等の観点から難しいが、ガス吸収材6は少なくともCO等の有毒ガスやCH
4等の可燃性ガスを吸収する機能を有することが好ましい。
【0030】
また、ガス吸収材6は、各ガスの吸収に適したガス吸収材を複数組み合わせたものを用いてもよい。ガス吸収材を複数組み合わせる場合、それらを均一に混合する方式や同一種の層を積層するいわゆる多層方式を用いることができる。
【0031】
非水電解質二次電池21の電池ケース3の内部にカプセル形ガス吸収体13を収納しておくと、たとえ電池ケース3の内部に発生するガスによって温度や圧力が上昇しても、所定の温度でカプセル5は溶融するため、ガス吸収材6は電池ケース3内部に拡散してガスを吸収することができる。
【0032】
ガス吸収材6は、1つ以上の多孔体等に担持させ、その多孔体をカプセル5に充填してもよい。この多孔体は、メッシュやハニカム構造等であってもよい。ガス吸収材6としては、活性炭、ゼオライト、イオン交換樹脂等を用いてもよいが、分子化合物を形成する材料であることが好ましい。分子化合物を形成する材料とは、1つの化合物の結晶の三次元網目構造の中にできる隙間に、他の化合物が入りこんでできる一種の付加化合物である。そのため、分子化合物を形成する材料の構成では所定の条件があるため一概にはいえないが、化合物の組み合わせにより様々なガスを効果的に吸収することができ、しかもガス吸収材自体をコンパクトにすることができる。
【0033】
−分子化合物を形成する材料−
ガス吸収材6として用いる分子化合物を形成する材料は、以下の特性が求められる。
(1)ガス吸収能が高いこと。特に、吸収速度が速いこと。短時間に大量かつ高圧のガスを吸収する機能を有すること。
(2)コンパクトであること。分子化合物を形成する材料の配置スペースが小さいと、電池のエネルギー密度の低下を抑えることができる。
(3)高耐熱性であること。例えば、500[℃]以上のガスを吸収すること。
(4)高強度であること。高圧、例えば、5[MPa]程の圧力に耐えること。
(5)長寿命であること。例えば、5〜10年後においても高い吸収能を維持していること。
(6)低コストであること。電池の寿命までに一度ガスを吸収するかどうか不明である。
(7)高安全性を有すること。分子化合物を形成する材料自体が有毒又は可燃性でないこと。
【0034】
ガスの発生から集束するまでの時間は、電池サイズ等により様々であり、ガス吸収体は、複数のガス吸収材でその全てのガスを吸収するように設計されていることが好ましく、特に、そのガス吸収材は、上記特性を有する「分子化合物を形成する材料」を用いることが好ましい。
【0035】
使用する分子化合物を形成する材料はガスとの接触効率や容器に充填した場合の充填効率等を考慮すると、平均粒子径が10〜5000[μm]、好ましくは200〜300[μm]であり、その比表面積が、30[m
2/g]以上、好ましくは200[m
2/g]以上である。
【0036】
−分子化合物−
分子化合物とは、単独で安定に存在することのできる化合物の2種類以上の化合物が水素結合やファンデルワールス力等に代表される、共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物であり、水和物、溶媒化物、付加化合物、包接化合物等が含まれる。このような分子化合物は、分子化合物を形成する化合物と電解液との接触反応により形成することができ、電解液を固体状の化合物に変化させることができる。
【0037】
−分子化合物を形成する材料の例−
分子化合物を形成する材料としては、化合物と電解液との接触反応により、電解液をホスト化合物で包接してなる包接化合物が挙げられる。分子化合物を形成する材料のうち、電解液を包接した包接化合物を形成するホスト化合物としては、有機化合物、無機化合物及び有機・無機複合化合物よりなるものが知られており、また、有機化合物においては単分子系、多分子系、高分子系ホスト等が知られている。
【0038】
単分子系ホストとしては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類、クリプタンド類、シクロファン類、アザシクロファン類、カリックスアレン類、シクロトリベラトリレン類、スフェランド類、環状オリゴペプチド類等が挙げられる。
【0039】
また、多分子系ホストとしては、尿素類、チオ尿素類、デオキシコール酸類、コール酸類、ペルヒドロトリフェニレン類、トリ−o−チモチド類、ビアンスリル類、スピロビフルオレン類、シクロフォスファゼン類、モノアルコール類、ジオール類、ヒドロキシベンゾフェノン類、アセチレンアルコール類、フェノール類、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラキスフェノール類、ポリフェノール類、ナフトール類、ビスナフトール類、ジフェニルメタノール類、カルボン酸アミド類、チオアミド類、ビキサンテン類、カルボン酸類、イミダゾール類、ヒドロキノン類、有機アンモニウム塩類等が挙げられる。
【0040】
さらに、高分子系ホストとしては、キチン類、キトサン類、1,1,2,2−テトラキスフェニルエタンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類、α,α,α',α'−テトラキスフェニルキシレンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類等が挙げられる。さらにまた、その他、有機りん化合物、有機ケイ素化合物等も用いることができる。
【0041】
無機系ホスト化合物としては、酸化チタン、グラファイト、アルミナ、遷移金属ジカルゴゲナイト、フッ化ランタン、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、銀塩、ケイ酸塩、リン酸塩、ゼオライト、酸化マグネシウム、シリカ、多孔質ガラス等が挙げられるが、特に多孔質になっている無機多孔質系素材が有効であり、シリカ、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミナ、ゼオライト、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム等の多孔質物質が好ましい。
【0042】
さらに、有機金属化合物にもホスト化合物としての性質を示すものがあり、例えば、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機インジウム化合物、有機ガリウム化合物、有機テルル化合物、有機スズ化合物、有機ジルコニウム化合物、有機マグネシウム化合物等が挙げられる。また、有機カルボン酸の金属塩や有機金属錯体等を用いることも可能であるが、有機金属化合物であれば、特にこれらに限定されるものではない。
【0043】
これらの分子化合物を形成する材料は、吸収材として1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。電解液を吸収できるものであれば特に限定されるものではないが、有機系素材及び無機系多孔質素材が特に有効である。具体的には、上記電解液の溶媒としては、炭酸エチレン・炭酸プロピレン等の環状炭酸エステル系高誘電率・高沸点溶媒に、低粘性率溶媒である炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル等の低級鎖状炭酸エステルを用い、一部に低級脂肪酸エステルを用いる場合もある。
【0044】
そのため、電解液の吸収材としては、1つの吸収材が複数の溶媒を包接できる多様性のある吸収材を用いるのが好ましく、有機系素材及び無機系多孔質素材が特に有効である。例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン等のシクロデキストリン類、カリックスアレン類、尿素、デオキシコール酸、コール酸、1,1,6,6−テトラフェニルヘキサ−2,4−ジイン−1,6−ジオール等のアセチレンアルコール類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール類、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類、ビス−β−ナフトール等のナフトール類、ジフェン酸ビス(ジシクロヘキシルアミド)等のカルボン酸アミド類、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン等のヒドロキノン類、キチン、キトサン、シリカ、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミナ、ゼオライト、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、有機金属化合物等が好適である。
【0045】
以下、分子化合物を形成する材料(1)多孔質シリカ、(2)ケイ酸カルシウム、(3)メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの3種類と、一般的な吸着材(4)活性炭、(5)ゼオライトの2種類、計5種類のガス吸収材を用いて、ガスの吸収量を比較した。比較対象とするガスは、リチウムイオン電池より噴出するガス成分の例として代表的な電解液成分である、ジメチルカーボネート(以下、「DMC」という。)を用いた。
【0046】
比較方法は、以下の通りである。
(a)まず、試料1[g]をサンプル瓶に入れる。ここで、試料とは、上記5種類のいずれか1種類のガス吸収材をいう。
(b)(a)のサンプル瓶にDMCを少しずつ加え、スパーテル(薬さじ)で攪拌混合する。
(c)試料がスパーテルや、サンプル瓶の壁面へ付着し始めたところを終点とし、加えたDMCの総重量を試料1[g]当たりのDMCの吸収量とする。
以上(a)から(c)までを上記5種類のガス吸収材で実施した結果は以下の通りである。
【0047】
DMCの吸収量は、(1)多孔質シリカでは0.47[g/ml]、0.13[g/g]であり、(2)ケイ酸カルシウムでは0.52[g/ml]、4.32[g/g]であり、(3)メタケイ酸アルミン酸マグネシウムでは0.65[g/ml]、1.60[g/g]であったのに対し、(4)活性炭では0.42[g/ml]、1.05[g/g]であり、(5)ゼオライトでは0.40[g/ml]、0.86[g/g]であった。
【0048】
以上の結果から、上記3種類の分子化合物を形成する材料は、体積当たりのDMCの吸収量が活性炭及びゼオライトより多いことがわかる。また、ケイ酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、重量当たりのDMCの吸収量も活性炭及びゼオライトより多いことがわかる。以上のことから、分子化合物を形成する材料は、適宜材料を選択することによって、その他の吸着材よりも体積当たり、及び重量当たりの吸収能力を期待することができる。
【0049】
図1の非水電解質二次電池21は、次のメカニズムにより、内部に発生するガスの電池ケース3の外部への噴出を最小限に抑えることができる。例えば、過充電により電池ケース3内の温度が異常に上昇し始めると、まず、カプセル5が加熱により溶融する。すると、カプセル5内に充填されているガス吸収材6が電池ケース3内部に拡散する。そして、ガス吸収材6は電池ケース3内部に充満するガスを吸収する。さらに、電池ケース3の内圧が上昇して防爆弁4が作動した場合にも、ガスが弁近傍でガス吸収材6と接触することによって、電池ケース3の外部への噴出を最小限に抑えることができる。
【0050】
(第2の実施形態)
図3は、非水電解質二次電池にカプセル形のガス吸収体を設置した他の例を示す図であり、正面から見た断面図である。
【0051】
非水電解質二次電池21は、
図3に示すように、カプセル形ガス吸収体13を電極体の巻芯部12aに配置する。カプセル形ガス吸収体13は、予め、巻芯部12aの大きさに合わせて作製し、正極用電極板と負極用電極板とをセパレータを介して巻回した後に巻芯部12aに挿入される。このとき、カプセル形ガス吸収体13は、電極体の巻芯部12aに直接保持されてもよく、保持部材や接着剤等により固定されてもよい。
【0052】
図3の非水電解質二次電池21は、
図1で説明したメカニズムと同様にして、内部に発生するガスの電池ケース3の外部への噴出を最小限に抑えることができる。さらに、
図3の非水電解質二次電池21は、デッドスペースである電極体の巻心部12aにカプセル形ガス吸収体13を収納する構成であるため、電池の構造をほとんど変えることなく、十分な量のガス吸収材6を保持させることができる。
【0053】
(第3の実施形態)
カプセル形ガス吸収体は、電池ケース3の内部全体に分散させて設置してもよい。
図4は、非水電解質二次電池にカプセル形のガス吸収体を設置した他の例を示す図であり、正面から見た断面図である。ただし、
図4では、
図11の正極集電体7、負極集電体8及び電極体12等を省略している。複数のカプセル形ガス吸収体は、領域13A内に分散して設置されるが、その大きさや形状等は特に限定されない。
【0054】
カプセル形ガス吸収体は、例えば、以下ようにして電池ケース3の内部全体に分散させることができる。
(1)ガス吸収材を熱溶融性樹脂でコーティング処理してカプセル形ガス吸収体を造粒する。
(2)(1)のカプセル形ガス吸収体を電極板の合剤ペーストに混合し、塗布、乾燥を経てカプセル形ガス吸収体を含む電極板を得る。このとき、カプセル形ガス吸収体は、正極板又は負極板、あるいはその両方に混合してもよい。
(3)(2)の電極板を巻回して電池ケース3内に挿入する。
(4)(3)の電池ケース3内に電解液を注液するときに電解液とカプセル形ガス吸収体とを混合して電池ケース3内にカプセル形ガス吸収体を分散させる。
【0055】
(第4の実施形態)
図5は、カプセル形のガス吸収体の他の例を示す図である。非水電解質二次電池21は、
図5に示すように、電池ケース3の内部にガス吸収材を含むカプセル形ガス吸収体13を収納する。具体的には、カプセル形ガス吸収体13は、防爆弁4と一体的な構造となっており、ガス吸収体13の容器13aの一端側に防爆弁4を、他端側にガス吸収材を入れて蓋をする熱溶融性樹脂13bをそれぞれ備え、電池ケース3の側面内部から防爆弁4を外部に露出して配置されている。なお、ガス吸収体13の容器13aは、強度等を考慮して熱溶融性樹脂と異なる材料を用いており、電池ケース3と一体的な構造であってもよい。
【0056】
(第5の参考形態)
次に、ガス吸収材を非水電解質二次電池21の外部に設置する形態について以下に説明する。
図6は、非水電解質二次電池にカートリッジ形のガス吸収体を設置した一例を示す斜視図である。非水電解質二次電池21は、
図6に示すように、電池ケース3の外部にカートリッジ弁14b、14cを有するカートリッジ形ガス吸収体14が取り付けられている。具体的には、カートリッジ形ガス吸収体14のカートリッジ弁14bは、防爆弁4に直接接続されている。カートリッジ形ガス吸収体14の取り付けはネジ止めや接着剤等様々な方法が考えられるが、取り付け又は取り外しを簡単にするために非水電解質二次電池21及びカートリッジ形ガス吸収体14の両方に着脱可能な接続部を設けることが好ましい。
【0057】
−カートリッジ形のガス吸収体−
カートリッジ形のガス吸収体について以下に説明する。
図7は、カートリッジ形のガス吸収体の一例を示す図であり、正面から見た断面図である。カートリッジ形ガス吸収体14は、ガス吸収材6と、ガス吸収材の容器となるカートリッジケース14aとを含む。カートリッジケース14aは、ガスを流入させるためのカートリッジ弁14bと、ガスを流出させるためのカートリッジ弁14cとを備え、その内部にガス吸収材6が充填されている。なお、カートリッジ弁14b及びカートリッジ弁14cは、複数設けていてもよい。
【0058】
カートリッジケース14aの材料としては、SUS、Al、Al合金、Mg合金、Ti合金等に代表される金属材料、フッ素系樹脂等の高耐食性材料、ポリプロピレン、カーボンファイバ等の軽量材料、及びこれらの複合材料が挙げられる.
【0059】
ガス吸収材6は、カートリッジケース14a内に満杯に充填するよりも、例えば、2割程度の空間を設けることが好ましい。このようにすると、ガス吸収材6がカートリッジケース14a内を舞うことによってその利用率が向上するため、ガス吸収能を高めることができる。
【0060】
カートリッジ形ガス吸収体14は、防爆弁4とカートリッジ弁14bとを接続するための接続部を備えてもよい。このようにすると、非水電解質二次電池21とカートリッジ形ガス吸収体14との取り付け又は取り外しは、この接続部によって簡単に実施することができる。また、カートリッジ形ガス吸収体14同士を、具体的には、一方のカートリッジ弁14bと他方のカートリッジ弁14cとを接続するための接続部を備えてもよい。このようにすると、非水電解質二次電池21に複数のカートリッジ形ガス吸収体14を接続させることができる。
【0061】
図8は、カートリッジ形ガス吸収体同士の接続を示す図であり、正面から見た断面図である。上方のカートリッジ形ガス吸収体141のカートリッジ弁141bは、下方のカートリッジ形ガス吸収体142のカートリッジ弁142cに直接接続されている。このようにすると、全体的にガス吸収能を高めることができる。
【0062】
カートリッジ形ガス吸収体の接続は、気密性が高く、電池の防爆弁と着脱可能な形状であれば特に限定されるものでないが、カートリッジ弁の口径は電池の防爆弁の口径よりも大きいことが好ましく、さらに、ガス流出弁の設定圧力はガス流入弁よりも高いことが好ましい。
【0063】
カートリッジ形ガス吸収体14は、サーモシールや試験紙等を備えてもよい。このようにすると、交換時期のカートリッジ形ガス吸収体14を確認することができる。また、ガス吸収材の使用されていないカートリッジ形ガス吸収体14は、電池の寿命がきても所定の条件で再利用することもできる。
【0064】
図6の非水電解質二次電池21は、次のメカニズムにより、内部に発生するガスの外部への噴出を抑えることができる。例えば、過充電により電池ケース3内の温度が異常に上昇すると、電池ケース3内でガスが発生し、その後内圧が上昇して防爆弁が作動する。ガスは、防爆弁4からカートリッジ弁14bを介してカートリッジケース14a内に流入し、ガス吸収材6に接触することによって吸収される。そのため、ガスは外部に噴出しない。また、カートリッジ形ガス吸収体14が目詰まり等によりカートリッジケース14a内の圧力が上昇した場合にも、カートリッジ弁14cが作動することによって、カートリッジケース14aの破裂を防止する。
【0065】
(第6の参考形態)
カートリッジ形ガス吸収体14は、様々な方法でガス吸収材6を内部に担持させてもよい。各ガスや使用形態に最適なガス吸収材6の担持方法により、全体的なガス吸収能を高めることができる。
【0066】
図9は、ガス吸収材の担持方法の構成例を示す図である。
図9(a)は、ガス吸収材の担持方法の一例を示す図である。カートリッジケース14aは、下方の中央部にカートリッジ弁14bと、上方の両端部にカートリッジ弁14cとを備える。カートリッジケース14aの内部は、上下に入り組んだガスの流路14dを形成し、下方部にガス吸着材6を担持させている。
【0067】
図9(b)は、ガス吸収材の担持方法の他の例を示す図である。カートリッジケース14aは、下方の一端側にカートリッジ弁14bと、上方の他端側にカートリッジ弁14cとを備える。カートリッジケース14aの内部は、上下に入り組んだガスの流路14dを形成し、下方部にガス吸着材6を担持させている。
【0068】
図9(a)、(b)に示すガス吸着材6の担持方法では、ガスを長時間ガス吸着材6に接触させることができ、全体的なガス吸収能を高めることができる。
【0069】
また、カートリッジ形ガス吸収体14は、カートリッジケース14aの内部の一部をハニカム構造にしてガス吸収材6をそこに担持させてもよい。
【0070】
また、カートリッジ形ガス吸収体14は、カートリッジケース14aに複数の細孔及びガス吸収材6の滞留する空間を設けるようにしてもよい。
【0071】
(第7の参考形態)
カートリッジ形ガス吸収体14は、非水電解質二次電池21を複数並べて用いる形態(以下、このような形態を「モジュール」という。)において、各防爆弁4に接続された集中配管の排出口に取り付けてもよい。
【0072】
図10は、カートリッジ形のガス吸収体を集積配管の排出口に取り付けた一例を示す図である。カートリッジ形ガス吸収体14は、
図10に示すように、集中配管15の排出口に直接取り付けられている。このような二次電池システムでは、モジュール22から排出されるガスをまとめて吸収することができる。カートリッジ形ガス吸収体14は、上述でもあるように吸収させるガスに応じて複数接続してもよい。
【0073】
本実施形態では、集積配管の排出口に直接カートリッジ形ガス吸収体14を接続したが、例えば、ガスを一旦集積容器に集めて何らかの処理をする場合は、その集積容器にカートリッジ形ガス吸収体14を取り付けてもよい。
【0074】
また、カートリッジ形ガス吸収体14は、集中配管の内部に取り付けてもよい。また、カートリッジ形ガス吸収体14は、カートリッジ弁14bを複数設け、集中配管の代わりに各防爆弁4にカートリッジ弁14bをそれぞれ直接接続するように取り付けてもよい。
【0075】
(第8の参考形態)
図11は、カートリッジ形のガス吸収体を集積配管の排出口に取り付けた他の例を示す図である。カートリッジ形ガス吸収体14は、
図11に示すように、配管16の排出口に直接取り付けられている。
図11では、モジュール22から排出されるガスは、放熱手段15aを有する集中配管15、液体貯蔵手段17、配管16を順に介してカートリッジ形ガス吸収体14に送られる。このような二次電池システムでは、モジュール22から排出されるガスで冷却して液体化できる成分は予め液体貯蔵手段17に貯蔵されて除去されているため、カートリッジ形ガス吸収体14はそれ以外のガス成分だけを吸収するだけでよく、カートリッジ形ガス吸収体14を効率良く用いることができる。放熱手段15aは、防爆弁4から噴出するガスを冷却できるものであればよく、複数の冷却フィンやラジエータ等を用いることができる。また、液体貯蔵手段17は、各ガス成分の液体に対応させた容器やフィルタ等を用いることができる。
【0076】
以上の各実施形態では非水電解質二次電池を用いて説明してきたが、非水電解質二次電池と同様に内部でガスが発生する電池全般に対しても各実施形態を適用することができる。