(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の実施形態にかかるズームレンズと、これを有する光学装置、およびズームレンズの製造方法について説明する。なお、以下の実施の形態は、発明の理解を容易にするためのものに過ぎず、本願発明の技術的思想を逸脱しない範囲において当業者により実施可能な付加・置換等を施すことを排除することは意図していない。
【0012】
本願に係るズームレンズは、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群を有し、広角端状態から望遠端状態への変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第1レンズ群は、物体側より順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズと、負レンズと、物体側に凸面を向けた正レンズを有し、前記第2レンズ群は、物体側より順に、正レンズと、第1接合レンズと、第2接合レンズを有する構成である。
【0013】
本願のズームレンズでは、第1レンズ群を上記構成にすることで、収差を良好に補正しながら小型化を達成できる。また少ない枚数のレンズで第1レンズ群を構成し、製造時の位置誤差による結像性能の悪化を抑えることができる。
【0014】
また、本願のズームレンズでは、負屈折力の第1レンズ群を上記構成とすることで、収差を良好に補正しながら小型化を達成できる。また少ない枚数のレンズで負屈折力の第1レンズ群を構成し、製造誤差を抑えることができる。
【0015】
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(1)を満足する。
(1) 0.15 < S2 / TLw < 0.28
但し、S2は前記第2レンズ群の、最も物体側のレンズ面から最も像面側のレンズ面までの光軸上の距離、TLwは広角端状態における無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の
空気換算距離である。
【0016】
上記の条件式(1)は、広角端状態での全長(広角端状態における無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の
空気換算距離)と第2レンズ群の厚み(前記第2レンズ群の、最も物体側のレンズ面から最も像面側のレンズ面までの光軸上の距離)の適切なバランスを規定したものである。この条件式(1)を満たすことでいわゆるシェーディングの発生を防ぎ、球面収差やコマ収差を良好に補正することができ、高い結像性能を達成することができる。
【0017】
条件式(1)の上限値を超えると、全長が短かすぎて射出瞳が像面側に変位し、像面における光のケラレ、いわゆるシェーディングを引き起こしてしまうため好ましくない。
【0018】
条件式(1)の下限値を超えると、第2レンズ群の厚みが薄くなりすぎ球面収差やコマ収差の良好な補正が困難となるため好ましくない。
【0019】
なお、本願の効果を確実にするために、条件式(1)の上限値を0.26にすることが好ましい。また、さらに本願の効果を確実にするために、上限値を0.24にすることが好ましい。また、本願の効果を確実にするために、条件式(1)の下限値を0.17にすることが好ましい。また、さらに本願の効果を確実にするために、下限値を0.19とすることが好ましい。
【0020】
以上の構成により、本願によれば、小型でありながら諸収差を良好に補正した高い結像性能を有するズームレンズを実現できる。
【0021】
また、本願のズームレンズでは、第1接合レンズは負の屈折力を有することが望ましい。このように、第1接合レンズを負の屈折力を有するものとすることで球面収差等の収差を良好に補正して高い結像性能を達成することができる。
【0022】
また、本願のズームレンズでは、第2接合レンズは正の屈折力を有することが望ましい。このように、第2接合レンズを正の屈折力を有するものとすることで球面収差等の収差を良好に補正して高い結像性能を達成することができる。
【0023】
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2) 0.85 < f2 /(fw×ft)
1/2 < 1.10
但し、f2は前記第2レンズ群の焦点距離、fwは広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離、ftは望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離である。
【0024】
上記条件式(2)は、正の屈折力を有する第2レンズ群の焦点距離の適切な範囲を全系の中間焦点距離で規定する条件式である。この条件式(2)を満たすことで第2レンズ群の変倍時の移動量の増大やいわゆるシェーディングの発生を防ぐことができ、また、球面収差やコマ収差を良好に補正することができ、高い結像性能を達成することができる。
【0025】
条件式(2)の上限値を超えると、第2レンズ群の変倍時の移動量が増大し、望遠端状態で第1レンズ群と第2レンズ群間の間隔が保てなくなるため好ましくない。または全長が短すぎて射出瞳が像面側に変位し、像面における光のケラレ、いわゆるシェーディングを引き起こしてしまうため好ましくない。
【0026】
条件式(2)の下限値を超えると、第2レンズ群の焦点距離が小さすぎ、球面収差やコマ収差を十分に補正することが困難になるため好ましくない。
【0027】
なお、本願の効果を確実にするために、条件式(2)の上限値を1.07にすることが好ましい。さらに本願の効果を確実にするために、上限値を1.04にすることが好ましい。また、本願の効果を確実にするために、条件式(2)の下限値を0.90にすることが好ましい。さらに本願の効果を確実にするために、下限値を0.95にすることが好ましい。
【0028】
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3) 0.50 < fL1 / f1 < 1.00
但し、fL1は前記第1レンズ群の前記負メニスカスレンズの焦点距離、f1は前記第1レンズ群の焦点距離である。
【0029】
条件式(3)は、全長の短縮や小型化を図るために、第1レンズ群内の負のメニスカスレンズに着目し、その焦点距離を第1レンズ群の焦点距離で規定したものである。この条件式(3)を満たすことで下方コマ収差などの軸外収差、倍率色収差を良好に補正し、周辺光量の低下を防止することができ、高い結像性能を達成することができる。
【0030】
条件式(3)の下限値を超えると、第1レンズ群の負メニスカスレンズの屈折力が大きくなり、倍率色収差の補正が困難となるため好ましくない。
【0031】
条件式(3)の上限値を超えると、第1レンズ群の負メニスカスレンズの屈折力が小さくなり、下方コマ収差などの軸外収差の補正が困難となり、周辺光量が低下するため好ましくない。
【0032】
なお、本願の効果を確実にするために、条件式(3)の上限値を0.95にすることが好ましい。さらに本願の効果を確実にするために、上限値を0.90とすることが好ましい。また、本願の効果を確実にするために、条件式(3)の下限値を0.60にすることがこのましい。さらに本願の効果を確実にするために、下限値を0.65にすることが好ましい。
【0033】
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4) 0.10 < S1 / TLw < 0.20
但し、S1は前記第1レンズ群の、最も物体側のレンズ面から最も像面側のレンズ面までの光軸上の距離、TLwは広角端状態における無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の
空気換算距離である。
【0034】
上記の条件式(4)は、広角端状態での全長(広角端状態における無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の
空気換算距離)と第1レンズ群の厚み(第1レンズ群の、最も物体側のレンズ面から最も像面側のレンズ面までの光軸上の距離)の適切なバランスを規定したものである。この条件式(4)を満たすことで小型化しつついわゆるシェーディングの発生を防止し、球面収差、歪曲収差、及びペッツバール和を良好に補正することができ、高い結像性能を達成することができる。
【0035】
条件式(4)の上限値を超えると、全長が短すぎて射出瞳が像面側に変位し、像面における光のケラレ、いわゆるシェーディングを引き起こしてしまうため好ましくない。
【0036】
条件式(4)の下限値を超えると、全長が長くなりすぎてレンズ系が大型化し、小型化を図ると、球面収差を良好に補正できなくなるため好ましくない。または第1レンズ群の厚みが薄くなりすぎ、歪曲収差やペッツバール和の補正が困難となるため好ましくない。
【0037】
なお、本願の効果を確実にするために、条件式(4)の上限値を0.18にすることが好ましい。さらに本願の効果を確実にするために、上限値を0.16とすることが好ましい。また、本願の効果を確実にするため、条件式(4)の下限値を0.11にすることが好ましい。さらに本願の効果を確実にするため、下限値を0.12にすることが好ましい。
【0038】
また、本願のズームレンズでは、第2レンズ群は、以下の条件式(5)を満足する負レンズを少なくとも一つ有することが望ましい。
(5) 1.810 < ndLi
但し、ndLiは前記負レンズのd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率である。
【0039】
上記の条件式(5)は、前記正の第2レンズ群に少なくとも一つ含まれる負の屈折力を有するレンズのd線(λ=587.6nm)に対する屈折率を規定するものである。この条件式(5)を満たすことで高次の収差の増大を防ぎ、ペッツバール和を良好に補正し、広角端状態での像面湾曲の悪化を抑えることができ、高い結像性能を達成することができる。
【0040】
条件式(5)の下限値を超えると、第2レンズ群に含まれる負レンズの曲率半径が小さくなりすぎ、高次の収差が増大してしまうため好ましくない。またペッツバール和の良好な補正が難しくなり、広角端状態での像面湾曲が悪化するため好ましくない。
【0041】
なお、本願の効果を確実にするために、条件式(5)の下限値を1.860にすることが好ましい。さらに本願の効果を確実にするために、下限値を1.900にすることが好ましい。
【0042】
また、本願のズームレンズでは、第1接合レンズは、物体側から順に、正レンズと負レンズからなることが望ましい。このように、第1接合レンズを正レンズと負レンズの接合により構成することで球面収差や軸上色収差等の収差を良好に補正することができ、高い結像性能を有する小型のズームレンズを達成することができる。
【0043】
また、本願のズームレンズでは、第2接合レンズは、物体側から順に、負レンズと正レンズとの接合で構成されることが望ましい。このように、第2接合レンズを負レンズと正レンズの接合により構成することで球面収差や軸上色収差等の収差を良好に補正することができ、高い結像性能を有する小型のズームレンズを達成することができる。
【0044】
また、本願のズームレンズは、開口絞りを有し、この開口絞りは第1レンズ群の最も像面側のレンズ面より像面側に配置される構成が望ましい。このような構成により、本願のズームレンズは、コマ収差等の軸外収差を良好に補正して高い結像性能を達成することができる。なお、開口絞りは、第2レンズ群の物体側に配置することがより望ましい。これにより、本願のズームレンズは、コマ収差等の軸外収差をより良好に補正して高い結像性能を達成することができる。
【0045】
また、本願のズームレンズでは、無限遠物体から近距離物体への合焦は、第1レンズ群全体を移動することで行う構成が望ましい。これにより、本願のズームレンズは、小型化を達成することができる。
【0046】
また、本願のズームレンズでは、第1レンズ群の最も物体側のレンズ面の物体側に、平行平面ガラスを配置することが望ましい。このような構成にすることで、第1レンズ群の最も像面側のレンズ面を埃や汚れから保護することができる。
【0047】
次に、後述する本願の第1実施例に係るズームレンズを備えたカメラを
図11に基づいて説明する。
【0048】
カメラ1は、
図11に示すように撮影レンズ2として後述する本願の第1実施例に係るズームレンズを備えたレンズ交換式の所謂ミラーレスカメラである。
【0049】
本カメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、撮影レンズ2内のLPF(Optical low pass filter:光学ローパスフィルタ)を介して撮像部3の撮像面上に被写体像を形成する。そして、撮像部3に設けられた光電変換素子により被写体像が光電変換されて被写体の画像が生成される。この画像は、カメラ1に設けられたEVF(Electronic view finder:電子ビューファインダ)4に表示される。これにより撮影者は、EVF4を介して被写体を観察することができる。
【0050】
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、撮像部3により光電変換された画像が不図示のメモリに記憶される。このようにして、撮影者は本カメラ1による被写体の撮影を行うことができる。
【0051】
ここで、本カメラ1に撮影レンズ2として搭載した本願の第1実施例に係るズームレンズは、小型でありながら諸収差を良好に補正した高い結像性能を有するズームレンズである。したがって、本カメラ1は小型化と高い結像性能を実現することができる。なお、後述する第2〜第5実施例に係るズームレンズを撮影レンズ2として搭載したカメラを構成しても上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態では、ミラーレスカメラの例を説明したが、カメラ本体にクイックリターンミラーを有しファインダー光学系により被写体を観察する一眼レフタイプのカメラに上記各実施例に係るズームレンズを搭載した場合でも、上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。
【0052】
次に、本願のズームレンズの製造方法について
図12に基づいて説明する。
図12に示すズームレンズの製造方法は、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群を有するズームレンズの製造方法であって、以下のステップS1〜S4を含むものである。
【0053】
(ステップS1)
第1レンズ群は、物体側より順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズと、負レンズと、物体側に凸面を向けた正レンズを有するようにする。
【0054】
(ステップS2)
第2レンズ群は、物体側より順に、正レンズと、第1接合レンズと、第2接合レンズを有する第2レンズ群を有するようにする。
【0055】
(ステップS3)
ズームレンズは、以下の条件式(1)を満足するようにする。
(1) 0.15 < S2 / TLw < 0.28
但し、S2は前記第2レンズ群の、最も物体側のレンズ面から最も像面側のレンズ面までの光軸上の距離、TLwは広角端状態における無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離である。
【0056】
(ステップS4)
第1レンズ群と第2レンズ群を鏡筒内に物体側から順に配置し、公知の移動機構を設けることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が変化するようにする。
【0057】
斯かる本願のズームレンズの製造方法によれば、変倍時の収差変動を抑え、広角端状態から望遠端状態にわたって高い結像性能を有する小型のズームレンズを製造することができる。
【0058】
以下、本願の数値実施例に係るズームレンズを添付図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は本願の第1実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0059】
本実施例に係るズームレンズは、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2とで構成されている。
【0060】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凹形状の負レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3とからなる。
【0061】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸形状の正レンズL4と、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6との負接合レンズL56と、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズL7と両凸形状の正レンズL8との正接合レンズL78とからなる。
【0062】
本実施例に係るズームレンズにおいて、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSが配置されている。第2レンズ群G2と像面Iとの間には、ローパスフィルタLPFが配置されている。ローパスフィルタLPFは、像面Iに配設されるCCD等の固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのものである。
【0063】
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が変化するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを光軸方向へ移動させることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍を行う。このとき、開口絞りSは第2レンズ群G2とともに光軸方向へ移動し、ローパスフィルタLPFは光軸方向の位置が固定である。
【0064】
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1全体を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0065】
以下の表1に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。表1において、fは焦点距離、BFはバックフォーカス(最も像面側のレンズ面から像面Iまでの光軸上の距離)を示す。[面データ]において、面番号は物体側から数えた光学面の順番、rは曲率半径、dは面間隔(第n面(nは整数)と第n+1面との間隔)、ndはd線(λ=587.6nm)に対する屈折率、νdはd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、物面は物体面、可変は可変の面間隔、絞りSは開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ示している。なお、曲率半径r=∞は平面を示している。また、非球面には面番号に*を付して曲率半径rの欄には近軸曲率半径を示している。
【0066】
[非球面データ]には、[面データ]に示した非球面について、その形状を次式で表した場合の非球面係数及び円錐定数を示す。
X(y)=y
2/[r・{1+(1−κ・y
2/r
2)
1/2}]
+A4・y
4+A6・y
6+A8・y
8+A10・y
10
【0067】
ここで、yを光軸に垂直な方向の高さ、X(y)を高さyにおける非球面の頂点の接平面から当該非球面までの光軸方向に沿った距離(サグ量)、κを円錐定数、A4,A6,A8,A10を非球面係数、rを基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)とする。なお、「E−n」(nは整数)は「×10
−n」を示し、例えば「1.234E-05」は「1.234×10
−5」を示す。2次の非球面係数A2は0であり、記載を省略している。
【0068】
[各種データ]において、FNOはFナンバー、2ωは画角(単位は「°」)、Yは像高、TLはズームレンズの全長(第1面から像面Iまでの光軸上の距離)、空気換算TLはズームレンズの全長の空気換算値、空気換算BFはバックフォーカスの空気換算値、dnは第n面と第n+1面との可変の間隔をそれぞれ示す。なお、Wは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態をそれぞれ示す。
【0069】
ここで、表1に掲載されている焦点距離f、曲率半径r及びその他の長さの単位は一般に「mm」が使われる。しかしながら光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるため、これに限られるものではない。なお、以上に述べた表1の符号は、後述する各実施例の表においても同様に用いるものとする。
【0070】
(表1)第1実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 21.1989 1.10 1.85135 40.10
*2 7.5975 4.41 1.00000
3 -52.6643 0.80 1.49782 82.57
4 42.3237 0.84 1.00000
5 15.6071 1.68 1.84666 23.78
6 32.7790 可変 1.00000
7(絞りS) ∞ 0.65 1.00000
8 37.1408 1.47 1.65844 50.84
9 -29.0801 0.10 1.00000
10 9.6037 2.76 1.59319 67.90
11 -14.5302 3.16 1.74400 44.81
12 9.7023 1.83 1.00000
13 31.5814 0.80 1.90265 35.73
14 9.1997 2.75 1.58913 61.22
15 -15.6188 可変 1.00000
16 ∞ 2.79 1.51680 63.88
17 ∞ 2.11 1.00000
像面 ∞
[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
2 0.7566 -3.95310E-07 -6.33270E-08 1.17320E-09 -1.39090E-10
[各種データ]
変倍比 2.35
W M T
f 11.35 17.00 26.71
FNO 3.64 4.38 5.77
2ω 73.6° 51.2° 33.4°
Y 8.00 8.00 8.00
TL 59.8037 56.6351 59.8037
空気換算TL 58.8531 55.6845 58.8531
BF 20.0378 25.5878 35.1214
空気換算BF 19.0872 24.6372 34.1708
W M T
d6 17.4158 8.6974 2.3323
d15 15.1378 20.6878 30.2214
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -17.41
2 8 17.10
[条件式対応値]
(1) S2/TLw =
0.219
(2) f2/(fw×ft)
1/2= 0.982
(3) fL1/f1 = 0.830
(4) S1/TLw =
0.150
(5) ndLi = 1.903(L7)
【0071】
図2は本願の第1実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0072】
各収差図において、FNOはFナンバー、Yは像高をそれぞれ示す。球面収差図では最大口径に対応するFナンバーを示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値を示し、コマ収差図では各像高の値を示す。dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.8nm)における収差をそれぞれ示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。なお、後述する各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0073】
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0074】
(第2実施例)
図3は本願の第2実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0075】
本実施例に係るズームレンズは、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2とで構成されている。
【0076】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凹形状の負レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3とからなる。
【0077】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸形状の正レンズL4と、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6との負接合レンズL56と、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズL7と両凸形状の正レンズL8との正接合レンズL78とからなる。
【0078】
本実施例に係るズームレンズにおいて、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSが配置されている。第2レンズ群G2と像面Iとの間には、ローパスフィルタLPFが配置されている。
【0079】
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が変化するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを光軸方向へ移動させることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍を行う。このとき、開口絞りSは第2レンズ群G2とともに光軸方向へ移動し、ローパスフィルタLPFは光軸方向の位置が固定である。
【0080】
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1全体を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0081】
以下の表2に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
(表2)第2実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 27.6355 1.10 1.85135 40.10
*2 7.6407 3.86 1.00000
3 -150.2962 1.00 1.59319 67.90
4 31.0526 0.55 1.00000
5 15.2311 1.93 1.78472 25.64
6 55.6807 可変 1.00000
7(絞りS) ∞ 1.00 1.00000
8 27.1591 1.47 1.69680 55.52
9 -42.3201 0.10 1.00000
10 9.7355 4.49 1.59319 67.90
11 -14.9453 1.00 1.79952 42.09
12 9.9794 2.29 1.00000
13 34.1656 1.00 1.95400 33.46
14 9.1459 2.31 1.65844 50.84
15 -16.2105 可変 1.00000
16 ∞ 2.79 1.51680 63.88
17 ∞ 2.11 1.00000
像面 ∞
[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
2 0.7876 -2.07080E-05 -6.78850E-07 6.59940E-09 -3.36460E-10
[各種データ]
変倍比 2.35
W M T
f 11.35 17.30 26.70
FNO 3.65 4.39 5.77
2ω 75.1° 51.6° 34.3°
Y 8.20 8.20 8.20
TL 59.6000 56.3856 59.6000
空気換算TL 58.6494 55.4350 58.6494
BF 20.2437 26.1597 35.5059
空気換算BF 19.2931 25.2091 34.5553
W M T
d6 17.2621 8.1318 2.0000
d15 15.3437 21.2597 30.6059
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -17.41
2 8 17.31
[条件式対応値]
(1) S2/TLw =
0.216
(2) f2/(fw×ft)
1/2= 0.994
(3) fL1/f1 = 0.731
(4) S1/TLw =
0.144
(5) ndLi = 1.954(L7)
【0082】
図4は本願の第2実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0083】
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0084】
(第3実施例)
図5は本願の第3実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0085】
本実施例に係るズームレンズは、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2とで構成されている。
【0086】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凹形状の負レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3とからなる。
【0087】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸形状の正レンズL4と、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6との負接合レンズL56と、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズL7と両凸形状の正レンズL8との正接合レンズL78とからなる。
【0088】
本実施例に係るズームレンズにおいて、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSが配置されている。第2レンズ群G2と像面Iとの間には、ローパスフィルタLPFが配置されている。
【0089】
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が変化するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを光軸方向へ移動させることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍を行う。このとき、開口絞りSは第2レンズ群G2とともに光軸方向へ移動し、ローパスフィルタLPFは光軸方向の位置が固定である。
【0090】
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1全体を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0091】
以下の表3に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
(表3)第3実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 20.9555 1.10 1.85135 40.14
*2 7.6934 4.31 1.00000
3 -73.1411 0.84 1.49782 82.56
4 25.3734 1.02 1.00000
5 15.7101 1.69 2.00069 25.47
6 31.1165 可変 1.00000
7(絞りS) ∞ 0.65 1.00000
8 40.2590 1.43 1.69680 55.52
9 -31.7401 0.10 1.00000
10 9.8087 3.12 1.59319 67.94
11 -14.5256 2.80 1.74400 44.82
12 10.5639 1.73 1.00000
13 27.6157 1.00 1.95000 29.39
14 8.6732 2.76 1.58267 46.46
15 -15.6920 可変 1.00000
16 ∞ 2.79 1.51680 63.88
17 ∞ 2.11 1.00000
像面 ∞
[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
2 0.1520 1.66840E-04 1.76430E-06 -9.16880E-09 3.34540E-10
[各種データ]
変倍比 2.35
W M T
f 11.35 17.30 26.70
FNO 3.64 4.57 5.80
2ω 75.0° 51.5° 34.2°
Y 8.20 8.20 8.20
TL 59.8881 56.7244 59.8834
空気換算TL 58.9375 55.7738 58.9328
BF 19.9000 25.7174 34.9080
空気換算BF 18.9494 24.7668 33.9574
W M T
d6 17.4426 8.4614 2.4299
d15 15.0000 20.8174 30.0080
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -17.41
2 8 17.02
[条件式対応値]
(1) S2/TLw =
0.220
(2) f2/(fw×ft)
1/2= 0.978
(3) fL1/f1 = 0.853
(4) S1/TLw =
0.152
(5) ndLi = 1.950(L7)
【0092】
図6は本願の第3実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0093】
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0094】
(第4実施例)
図7は本願の第4実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0095】
本実施例に係るズームレンズは、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2とで構成されている。
【0096】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凹形状の負レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3とからなる。
【0097】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸形状の正レンズL4と、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6との負接合レンズL56と、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズL7と両凸形状の正レンズL8との正接合レンズL78とからなる。
【0098】
本実施例に係るズームレンズにおいて、第1レンズ群G1の物体側には、平行平面板Pが配置されている。この平行平面板Pにより、第1レンズ群G1中の最も物体側のレンズ面の保護等をすることができる。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSが配置されている。第2レンズ群G2と像面Iとの間には、ローパスフィルタLPFが配置されている。
【0099】
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が変化するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを光軸方向へ移動させることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍を行う。このとき、平行平面板Pは第1レンズ群G1とともに光軸方向へ移動し、開口絞りSは第2レンズ群G2とともに光軸方向へ移動し、ローパスフィルタLPFは光軸方向の位置が固定である。
【0100】
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1全体を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0101】
以下の表4に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
(表4)第4実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 ∞ 1.00 1.51680 63.88
2 ∞ 2.00 1.00000
3 22.1410 1.10 1.85135 40.14
*4 7.6618 4.23 1.00000
5 -97.7669 0.80 1.49782 82.57
6 29.9606 0.84 1.00000
7 14.8029 1.77 1.84666 23.80
8 30.8037 可変 1.00000
9(絞りS) ∞ 0.65 1.00000
10 35.5510 1.46 1.63854 55.34
11 -30.6717 0.10 1.00000
12 9.6339 2.77 1.59319 67.90
13 -15.0148 3.28 1.74400 44.80
14 9.8040 1.78 1.00000
15 28.6661 1.00 1.90366 31.27
16 8.5586 2.77 1.61772 49.78
17 -17.3121 可変 1.00000
18 ∞ 2.79 1.51680 63.88
19 ∞ 2.11 1.00000
像面 ∞
[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
4 0.7721 -7.96219E-06 8.08394E-08 -3.39865E-09 -1.43235E-10
[各種データ]
変倍比 2.35
W M T
f 11.35 17.40 26.71
FNO 3.63 4.56 5.77
2ω 75.0° 51.4° 34.2°
Y 8.19 8.19 8.19
TL 59.9000 56.7320 59.9056
空気換算TL 58.9494 55.7821 58.9493
BF 19.9000 25.8271 34.9480
空気換算BF 18.9494 24.8765 33.9974
W M T
d8 17.4708 8.37574 2.42841
d17 15.0000 20.92712 30.04804
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 3 -17.41
2 10 17.05
[条件式対応値]
(1) S2/TLw =
0.223
(2) f2/(fw×ft)
1/2= 0.980
(3) fL1/f1 = 0.819
(4) S1/TLw =
0.148
(5) ndLi = 1.904(L7)
【0102】
図8は本願の第4実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0103】
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0104】
(第5実施例)
図9は本願の第5実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0105】
本実施例に係るズームレンズは、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2とで構成されている。
【0106】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3とからなる。
【0107】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸形状の正レンズL4と、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6との負接合レンズL56と、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズL7と両凸形状の正レンズL8との正接合レンズL78とからなる。
【0108】
本実施例に係るズームレンズにおいて、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSが配置されている。第2レンズ群G2と像面Iとの間には、ローパスフィルタLPFが配置されている。
【0109】
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が変化するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを光軸方向へ移動させることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍を行う。このとき、開口絞りSは第2レンズ群G2とともに光軸方向へ移動し、ローパスフィルタLPFは光軸方向の位置が固定である。
【0110】
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1全体を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0111】
以下の表5に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
(表5)第5実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 21.8349 1.10 1.85135 40.10
*2 6.9683 3.58 1.00000
3 232.0289 1.00 1.75700 47.73
4 29.0118 0.60 1.00000
5 13.9434 1.92 1.84666 23.78
6 38.9245 可変 1.00000
7(絞りS) ∞ 1.00 1.00000
8 33.9295 1.47 1.67790 55.35
9 -31.2393 0.10 1.00000
10 8.7609 3.86 1.59319 67.90
11 -15.0893 1.00 1.79952 42.09
12 9.7880 2.30 1.00000
13 34.5787 1.00 1.90366 31.27
14 8.1693 2.33 1.61266 44.46
15 -14.8870 可変 1.00000
16 ∞ 2.79 1.51680 63.88
17 ∞ 2.11 1.00000
像面 ∞
[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
2 -0.8415 5.64840E-04 -1.28470E-06 3.29740E-08 5.58720E-11
[各種データ]
変倍比 2.35
W M T
f 11.35 17.30 26.71
FNO 3.59 4.40 5.78
2ω 73.0° 51.0° 34.1°
Y 8.20 8.20 8.20
TL 58.4836 55.3260 58.4795
空気換算TL 57.5330 54.3754 57.5289
BF 20.1001 25.9034 35.0772
空気換算BF 19.1495 24.3528 34.1266
W M T
d6 17.1169 8.1560 2.1357
d15 15.2001 21.0034 30.1772
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -17.41
2 8 16.98
[条件式対応値]
(1) S2/TLw =
0.210
(2) f2/(fw×ft)
1/2= 0.975
(3) fL1/f1 = 0.715
(4) S1/TLw =
0.143
(5) ndLi = 1.904(L7)
【0112】
図10は本願の第5実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0113】
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0114】
なお、上記各実施例は本願発明の一具体例を示しているものであり、本願発明はこれらに限定されるものではない。以下の内容は、本願のズームレンズの光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
【0115】
本願のズームレンズの数値実施例として2群構成のものを示したが、本願はこれに限られず、その他の群構成(例えば、3、4群等)のズームレンズを構成することもできる。具体的には、本願のズームレンズの最も物体側や最も像面側にレンズ又はレンズ群を追加した構成でも構わない。レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0116】
また、本願のズームレンズは、無限遠物体から近距離物体への合焦を行うために、レンズ群の一部、1つのレンズ群全体、或いは複数のレンズ群を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させる構成としてもよい。特に、第1レンズ群の少なくとも一部を合焦レンズ群とすることが好ましい。また、斯かる合焦レンズ群は、オートフォーカスに適用することも可能であり、オートフォーカス用のモータ、例えば超音波モータ等による駆動にも適している。
【0117】
また、本願のズームレンズにおいて、いずれかのレンズ群全体又はその一部を、防振レンズ群として光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させ、又は光軸を含む面内方向へ回転移動(揺動)させることにより、手ぶれ等によって生じる像ぶれを補正する構成とすることもできる。特に、本願のズームレンズでは第2レンズ群の少なくとも一部を防振レンズ群とすることが好ましい。
【0118】
また、本願のズームレンズを構成するレンズのレンズ面は、球面又は平面としてもよく、或いは非球面としてもよい。レンズ面が球面又は平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、レンズ加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防ぐことができるため好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないため好ましい。レンズ面が非球面の場合、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に成型したガラスモールド非球面、又はガラス表面に設けた樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでもよい。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)或いはプラスチックレンズとしてもよい。
【0119】
また、本願のズームレンズにおいて開口絞りは第1レンズ群と第2レンズ群との間に配置されることが好ましく、開口絞りとして部材を設けずにレンズ枠でその役割を代用する構成としてもよい。
【0120】
また、本願のズームレンズを構成するレンズのレンズ面に、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。これにより、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成することができる。
【0121】
また、上記第4実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群の物体側に平行平面板を有する例を示しているが、これに限られない。本願のズームレンズは、第1レンズ群の物体側又は第1レンズ群中の最も物体側に、平行平面板又は実質的に屈折力を有しないレンズを有する構成としてもよい。この構成により、第1レンズ群の最も物体側のレンズ面を埃や汚れから保護することができる。
【0122】
また、本願のズームレンズは、最も像面側に配置されるレンズ成分の像面側のレンズ面から像面までの光軸上の距離(バックフォーカス)が最も小さい状態で、10.0〜30.0mm程度とするのが好ましい。
【0123】
また、本願のズームレンズは、像高を5.0〜12.5mmとするのが好ましく、5.0〜9.5mmとするのがより好ましい。
【0124】
以上述べたように、本願は、小型でありながら諸収差を良好に補正した高い結像性能を有するズームレンズと、これを有する光学
装置を提供することができる。