(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987715
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20160825BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20160825BHJP
G01J 5/48 20060101ALI20160825BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
H01L21/68 F
H01L21/68 R
G01J5/48 A
G06T1/00 305
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-20705(P2013-20705)
(22)【出願日】2013年2月5日
(65)【公開番号】特開2014-153770(P2014-153770A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】金原 勇貴
(72)【発明者】
【氏名】早原 竜二
(72)【発明者】
【氏名】小坂井 守
【審査官】
佐田 宏史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−237023(JP,A)
【文献】
特開2006−128205(JP,A)
【文献】
矢田部 秀人,“赤外線カメラの現状と動向”,映像情報,日本,産業開発機構株式会社,1994年 2月 1日,Vol.26, No.3,pp.47-53
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68−21/683
G01J 5/48
G06T 1/00
G01B 11/00−11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャックまたは該静電チャックに吸着されたウェハを測定対象とした温度分布を計測する温度計測装置が計測した温度分布を画像として取得する画像認識部と、
前記画像から前記測定対象の形状を示す情報を取得する形状認識部と、
前記形状認識部が取得した前記情報を用いて、前記画像における前記測定対象のサイズ、位置、角度のうち少なくとも一つを調整する画像処理部と
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理装置は、さらに、前記形状認識部で得られた情報を用いて、前記調整結果から不要部分を除去することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記温度分布を計測する手法として、サーモグラフィー、もしくは熱電対アレイを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記形状認識部は、前記画像における隣接する画素との温度差を用いたエッジ検出手法を用いて形状を示す情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記形状認識部は、前記測定対象の形状を示す情報として、前記静電チャックの形状を特徴づける構造を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記静電チャックの形状を特徴づける構造は、複数のピン穴であることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理部は、前記画像における前記測定対象のサイズ、角度または位置のうち、少なくとも一つが所定のものになるように、前記画像を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記形状認識部は、前記エッジ検出手法を用いて、前記画像が表す温度分布における前記測定対象の外周円を検出し、該外周円を用いて、前記静電チャックの形状を特徴づける構造を検出することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項9】
静電チャックまたは該静電チャックに吸着されたウェハを測定対象とした温度分布を計測する温度計測装置が計測した温度分布を画像として取得する第1の過程と、
前記画像から前記測定対象の形状を示す情報を取得する第2の過程と、
前記第2の過程にて取得した前記情報を用いて、前記画像における前記測定対象のサイズ、位置、角度のうち少なくとも一つを調整する前記第2の過程にて取得した前記情報を用いて、前記画像における前記測定対象のサイズ、位置、角度のうち、少なくとも一つを調整する第3の過程と
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
静電チャックまたは該静電チャックに吸着されたウェハを測定対象とした温度分布を計測する温度計測装置が計測した温度分布を画像として取得する画像認識部、
前記画像から前記測定対象の形状を示す情報を取得する形状認識部、
前記形状認識部が取得した前記情報を用いて、前記画像における前記測定対象のサイズ、位置、角度のうち、少なくとも一つを調整する画像処理部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静電チャックに吸着された基板(ウェハ)の温度分布を取得する方法として、熱電対をマトリクス上に均等に配置する熱電対アレイを、基板に載せて、各熱電対の温度を測定する方法がある(例えば、特許文献1)。
また、一般に物体表面の温度分布を測定する方法として、物体から放射される赤外線量を測定するサーモグラフィーもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−9546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法やサーモグラフィーによる測定方法においては、ウェハなどの測定対象と、熱電対あるいはサーモグラフィーとの位置関係を、測定機会間で厳密に一致させるのが困難である。このため、例えば、ある測定結果におけるある点の、別の測定結果における温度が分からないなど、ある測定機会の測定結果と、別の測定機会の測定結果とを比較するのが困難であるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、静電チャックまたは該静電チャックに吸着されたウェハの温度分布の測定結果同士を容易に比較することができる画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様は、静電チャックまたは該静電チャックに吸着されたウェハを測定対象とした温度分布を計測する温度計測装置が計測した温度分布を画像として取得する画像認識部と、前記画像から前記測定対象の形状を示す情報を取得する形状認識部と、前記形状認識部が取得した前記情報を用いて、前記画像における前記測定対象のサイズ、位置、角度のうち少なくとも一つを調整する画像処理部とを具備する事を特徴とする画像処理装置である。
【0007】
(2)また、本発明の他の態様は、(1)に記載の画像処理装置であって、前記画像処理装置は、さらに、前記形状認識部で得られた情報を用いて、前記調整結果から不要部分を除去することを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
(3)また、本発明の他の態様は、(1)または(2)に記載の画像処理装置であって、前記温度分布を計測する手法として、サーモグラフィー、もしくは熱電対アレイを用いることを特徴とする画像処理装置である。
【0009】
(4)また、本発明の他の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の画像処理装置であって、前記形状認識部は、前記画像における隣接する画素との温度差を用いたエッジ検出手法を用いて形状を示す情報を取得することを特徴とする画像処理装置である。
【0010】
(5)また、本発明の他の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の画像処理装置であって、前記形状認識部は、前記測定対象の形状を示す情報として、前記静電チャックの形状を特徴づける構造を検出することを特徴とする画像処理装置である。
【0011】
(6)また、本発明の他の態様は、(5)に記載の画像処理装置であって、前記静電チャックの形状を特徴づける構造は、複数のピン穴であることを特徴とする画像処理装置である。
【0012】
(7)また、本発明の他の態様は、(1)から(6)のいずれかに記載の画像処理装置であって、前記画像処理部は、前記画像における前記測定対象のサイズ、角度または位置のうち、少なくとも一つが所定のものになるように、前記画像を調整することを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
(8)また、本発明の他の態様は、(5)に記載の画像処理装置であって、前記形状認識部は、前記エッジ検出手法を用いて、前記画像が表す温度分布における前記測定対象の外周円を検出し、該外周円を用いて、前記静電チャックの形状を特徴づける構造を検出することを特徴とする。
【0014】
(9)また、本発明の他の態様は、静電チャックまたは該静電チャックに吸着されたウェハを測定対象とした温度分布を計測する温度計測装置が計測した温度分布を画像として取得する第1の過程と、前記画像から前記測定対象の形状を示す情報を取得する第2の過程と、前記第2の過程にて取得した前記情報を用いて、前記画像における前記測定対象のサイズ、位置、角度のうち少なくとも一つを調整する前記第2の過程にて取得した前記情報を用いて、前記画像における前記測定対象のサイズ、位置、角度のうち、少なくとも一つを調整する第3の過程とを有することを特徴とする画像処理方法である。
【0015】
(10)また、本発明の他の態様は、コンピュータを、静電チャックまたは該静電チャックに吸着されたウェハを測定対象とした温度分布を計測する温度計測装置が計測した温度分布を画像として取得する画像認識部、前記画像から前記測定対象の形状を示す情報を取得する形状認識部、前記形状認識部が取得した前記情報を用いて、前記画像における前記測定対象のサイズ、位置、角度のうち、少なくとも一つを調整する画像処理部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、静電チャックまたは該静電チャックに吸着されたウェハの温度分布の測定結果同士を容易に比較することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明の一実施形態による温度分布測定システム100の構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】同実施形態における温度計測装置30が測定した画像の例を示す図である。
【
図3】同実施形態における画像処理装置40の構成を示す概略ブロック図である。
【
図4】同実施形態におけるエッジ検出部42が検出したエッジを表すエッジ画像の例を示す図である。
【
図5】同実施形態における外周円検出部43の動作を説明するフローチャートである。
【
図6】同実施形態におけるピン穴検出部44の動作を説明するフローチャートである。
【
図7】同実施形態におけるサイズ位置調整部45の動作を説明するフローチャートである。
【
図8】同実施形態におけるサイズ位置調整部45が変換した画像データが表す画像の例を示す図である。
【
図9】同実施形態における不要部削除部46が生成した画像データが表す画像の例を示す図である。
【
図10】同実施形態における対象温度領域抽出部48が生成した画像データが表す画像の例を示す図である。
【
図11】同実施形態におけるサイズ位置調整部45の処理結果の温度範囲の例を示すグラフである。
【
図12】サーモグラフィー画像における温度の頻度分布例を示すグラフである。
【
図13】同実施形態におけるサイズ位置調整部45の処理結果の頻度分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態による温度分布測定システム100の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態における温度分布測定システム100は、静電チャック10に吸着されたウェハ20を測定対象とし、その表面温度の分布を測定する。静電チャック10は、静電気の引力を利用してウェハ20を、吸着する。また、本実施形態における静電チャック10は、ヒータを内蔵しており、吸着したウェハ20を加熱する。温度分布測定システム100は、ウェハ20に対する温度計測装置30の相対的な位置に多少の違いがあっても、出力の温度分布画像におけるウェハ20の大きさ、角度および位置が、所定の大きさ、角度および位置となるように、温度分布画像を変換する。
【0019】
温度分布測定システム100は、温度計測装置30、画像処理装置40、出力装置50を含んで構成される。ここで、温度計測装置30は、測定対象であるウェハ20の表面温度分布を測定し、測定した温度を画素として認識させた画像データを生成する。画像処理装置40は、温度計測装置30から、温度計測装置30が生成した画像データを取得する。画像処理装置40は、出力の温度分布画像におけるウェハ20の大きさおよび位置が、所定の大きさおよび位置となるように、取得した画像データを変換して、出力の温度分布画像の画像データを生成する。なお、画像処理装置40は、画像データを画像信号にして出力するようにしてもよいし、テキストデータとして出力するようにしてもよい。出力装置50は、画像処理装置40が生成した画像データが表す温度分布画像を表示する。
【0020】
図2は、温度計測装置30が測定した温度分布画像の例を示す図である。尚、当該実施形態においては、温度計測装置30としてサーモグラフィーを使用し、温度分布画像としてサーモグラフィー画像を得る。なお、温度計測装置30として、熱電対アレイを用いるようにしてもよい。
図2のサーモグラフィー画像G1では、温度が高い領域ほど、明るく、白に近い色となっている。サーモグラフィー画像G1の大部分を占める円形の温度が高い領域W1は、ウェハ20に対応している領域である。また、
図2では、ウェハ20に対応する領域W1内に3つある黒い線T1、T2、T3は、温度計測装置30による測定と同時に、特定のポイントの温度を測定するために設置された熱電対の線である。また、黒い丸H1、H2、H3は、吸着されたウェハ20を静電チャック10から取り外す際に用いられるリフトピンを通すために、静電チャック10に開けられたピン穴に対応する領域である。このピン穴に対応する領域は、静電チャック10から加熱されないため、温度が低くなっており、黒い丸として、サーモグラフィー画像に現れる。3つのピン穴は、静電チャック10の中心から等距離にあり、これらを結ぶと正三角形となる。
【0021】
図3は、画像処理装置40の構成を示す概略ブロック図である。画像処理装置40は、画像認識機構401、形状認識機構402、画像処理機構403、および出力部49によって構成されている。画像認識機構401は画像データ取得部41で構成されている。形状認識機構402は、エッジ検出部42、外周円検出部43、ピン穴検出部44で構成されている。画像処理機構403はサイズ位置調整部45、不要部削除部46、不要部記憶部47、対象温度領域抽出部48で構成されている。画像データ取得部41は、温度計測装置30から、温度分布の画像データを取得する。エッジ検出部42は、画像データ取得部41が取得した画像データに対して、エッジ検出を行い、エッジ検出結果を表すエッジ画像データを生成する。外周円検出部43は、エッジ画像データが表すエッジのうち、ウェハ20の外周円に対応する部分を判定し、温度分布画像における、該外周円の中心位置と半径とを算出する。
【0022】
ピン穴検出部44は、エッジ画像データが表すエッジのうち、3つのピン穴各々に対応する部分を判定し、温度分布画像中の3つのピン穴各々の位置を算出する。ピン穴検出部44は、3つのピン穴各々に対応する部分を判定する際に、外周円検出部43が算出した外周円の中心位置と半径とを参照して、ピン穴に対応する部分を探索する領域(以降、ピン穴候補領域という)を算出する。そして、ピン穴検出部44は、エッジ画像データが表すエッジのうち、該ピン穴候補領域内にあるものを、ピン穴に対応する部分とし、その重心位置をピン穴の位置とする。
【0023】
サイズ位置調整部45は、ピン穴検出部44が検出した3つピン穴の位置を通る円の半径と中心位置とを算出する。サイズ位置調整部45は、該円の中心位置が所定の位置となり、該円の半径が所定の大きさとなり、該円の中心位置と3つのピン穴のうちの一つとを通る直線が、鉛直方向(y軸の負の方向)に対して所定の角度となる変換を、画像データ取得部41が取得した画像データに対して行う。なお、本実施形態において、座標は、画像の左上端を原点とし、x軸は右方向を正とし、y軸は下方向を正とする。
【0024】
なお、このサイズ位置調整部45は、変換の対象をウェハ20の温度分布に相当する画像データのみとしてもよい。すなわち、ウェハ20のよりも外側に相当する部分の画像データについては変換しなくてもよい。また、
図4のエッジ画像G1eに示したエッジT1e、T2e、T3eが示す熱電対の線の領域や、エッジH1e、H2e、H3eが示すピン穴の領域など、サーモグラフィー画像に映りこんでいるウェハ20ではないものの部分を、エッジ画像に基づき判定し、該部分の画像データを変換しないようにしもよい。
【0025】
不要部削除部46は、サイズ位置調整部45によって変換された画像データから、不要部記憶部47が記憶している不要部情報が示す領域のデータを削除する。なお、ここで、データの削除とは、削除対象の領域に属する画素の画素値を所定の値(例えば空欄(null値))に置き換えることである。不要部記憶部47は、削除対象の領域、すなわち温度分布を取得したい領域以外の領域を示す不要部情報を予め記憶し、形状認識機構で得られたデータに応じてその範囲を選定する。例えば、エッジ検出部42で得られたエッジ分布において、その閾値を含めその外側、もしくは内側を除去するなどの手法を用いる。不要部情報が示す領域としては、例えば、上述したピン穴とその周辺、静電チャックの最外周より外側の範囲など、温度分布に偏りが生じてしまうことが、静電チャック10の構造上やむを得ない領域が挙げられる。
【0026】
対象温度領域抽出部48は、サイズ位置調整部45によって変換された画像データのうち、予め設定された温度範囲外のデータを、所定の値(例えば空欄(null値))に置き換える。出力部49は、不要部削除部46による処理結果の画像データ、対象温度領域抽出部48による処理結果の画像データ、およびサイズ位置調整部45による処理結果の画像データの中から、ユーザの操作入力などにより指定された画像データを出力する。この出力された画像データは、出力装置50に入力される。
【0027】
図4は、エッジ検出部42が検出したエッジを表すエッジ画像の例を示す図である。
図4のエッジ画像G1eは、
図2のサーモグラフィー画像G1に対して、エッジ検出部42が処理を行った場合の例である。エッジ画像G1eでは、ウェハ20の外縁部がエッジW1eとして、3つの熱電対がエッジT1e、T2e、T3eとして、3つのピン穴がエッジH1e、H2e、H3eとして検出されている。
【0028】
図5は、外周円検出部43の動作を説明するフローチャートである。外周円検出部43は、予め決められた複数の半径候補各々(Sa1、Sa5)と、複数の中心候補各々(Sa2、Sa4)とについて、ステップSa3の処理を行う。ステップSa3では、外周円検出部43は、選択された半径候補、中心候補の円周上にあるピクセルのうち、エッジ検出部42が検出したエッジと一致する数をカウントする。半径候補と中心候補との全ての組み合わせについて、ステップSa3の処理を行った後、外周円検出部43は、ステップSa3におけるカウント数が最大となったときの半径候補と中心候補とを、外周円の半径および中心として検出する。
【0029】
図6は、ピン穴検出部44の動作を説明するフローチャートである。ピン穴検出部44は、外周円検出部43が外周円の半径と中心とを検出すると、該半径と中心の座標とを用いて、各ピン穴候補領域を算出する(Sb1)。ステップSb1におけるピン穴候補領域の算出方法の一形態について説明する。ピン穴検出部44は、外周円が特定の半径、中心であるときの、3つのピン穴各々のピン穴候補領域(以下、既定ピン穴候補領域という)を表す情報と、該特定の半径および中心の座標とを予め記憶している。既定ピン穴候補領域は、ピン穴を含む所定の大きさの領域であればよいが、ここではピン穴を含む矩形領域である場合を説明する。
【0030】
ピン穴検出部44は、これらの既定ピン穴候補領域を表す情報を、外周円検出部43が検出した外周円の半径と中心とを用いて、該外周円のときの領域に変換することで、ピン穴候補領域を算出する。ここでは、特定の半径が半径rpであり、特定の中心の座標が(0,0)であり、既定ピン穴候補領域のうちの一つが座標(xa、ya)と座標(xb、yb)とを結ぶ線分を対角線とする矩形領域であるとする。
【0031】
外周円検出部43が検出した外周円の半径が半径rであり、中心の座標が座標(x、y)であるとすると、ピン穴検出部44は、以下の各式により算出した座標(Xa、Ya)と座標(Xb、Yb)とを結ぶ線分を対角線とする矩形領域を、上述の既定ピン穴候補領域のうちの一つに対応するピン穴候補領域とする。
Xa=xa×r/rp+x
Ya=ya×r/rp+y
Xb=xb×r/rp+x
Yb=yb×r/rp+y
【0032】
次に、ピン穴検出部44は、ステップSb1にて算出した3つのピン穴候補領域各々において、ピン穴中心の位置を算出し(Sb2)、処理を終了する。ピン穴算出方法の例として、エッジ検出手法を用いて、ある閾値以上の範囲の中心部をピン穴中心部と認識するなどの方法がある。
【0033】
図7は、サイズ位置調整部45の動作を説明するフローチャートである。サイズ位置調整部45は、まず、ピン穴検出部4が検出した3つのピン穴を通る円を算出する(Sc1)。次に、サイズ位置調整部45は、ステップSc1にて算出した円の中心とピン穴とを結ぶ線と、y軸の負の方向との角度を算出する(Sc2)。なお、ここでは、角度を算出するピン穴は、調整後の位置がy軸上となるピン穴、すなわちy座標値が最も小さいピン穴とする。サイズ位置調整部45は、ピン穴が所定の位置になるように、画像データ取得部41が取得した画像データを調整し(Sc3)、処理を終了する。
【0034】
なお、このステップSc3の変換は、ステップSc1にて算出した円の中心に応じた並行移動と、半径に応じた拡大/縮小と、ステップSc2にて算出した角度に応じた回転である。上述の並行移動は、算出した円の中心を画像の中心まで移動させる並行移動である。また、上述の拡大/縮小は、算出した円の半径rcを所定の大きさRcにさせる、算出した円の中心を中心としたRc/rc倍の拡大である。また、上述の回転は、角度を算出したピン穴がy軸上に来るようにする、算出した円の中心周りの、算出した角度の逆回転である。
【0035】
図8は、サイズ位置調整部45が調整した画像データが表す画像の例を示す図である。
図8において、画像G1tが、サイズ位置調整部45が変換した画像データが表す画像の例であり、ウェハ20に該当する領域W1tについてのみ温度分布がプロットされている。また、熱電対の線に対応する領域T1t、T2t、T3tおよび、ピン穴に対応する領域H1t、H2t、H3tについては、温度分布がプロットされていない。また、3つのピン穴に対応する領域H1t、H2t、H3tの各重心を通る円Crの半径は、所定の大きさRcとなっており、中心Ctが、画像G1tの中心と一致している。これにより、ウェハ20に該当する領域W1tについても、その中心は、画像G1tの中心と一致しており、その半径は、特定の大きさとなっている。
【0036】
図9は、不要部削除部46が生成した画像データが表す画像の例を示す図である。
図9において、画像G2tは、不要部情報が示す領域のデータを不要部削除部46が削除した画像データが表す画像の例である。
図8の画像G1tと比較すると、ピン穴とその周辺や、ヒータ電極とその周辺の領域については、温度分布がプロットされていないことがわかる。なお、サイズ位置調整部45により、画像G2tは、ウェハ20に対応する領域が所定の大きさ、所定の位置に変換されているので、不要部情報は、該所定の大きさおよび所定の位置にあわせておけばよく、測定機会の度に変更する必要がない。
【0037】
図10は、対象温度領域抽出部48が生成した画像データが表す画像の例を示す図である。画像G3tは、対象温度領域抽出部48が生成した画像データが表す画像の例である。画像G3tにおいて、黒く塗りつぶされた部分は、予め設定された温度範囲、もしくはエッジ検出部42の処理結果において閾値以上の範囲より外の領域である。
【0038】
図11は、サイズ位置調整部45による調整結果の温度範囲の例を示すグラフである。
図11において、横軸は隣接する測定点との温度の差を示し、縦軸は該差に収まっている面積の百分率である。サーモグラフィー30が生成したサーモグラフィー画像では、ウェハ20と温度計測装置30との距離が変わってしまうと、測定点間の距離が変わってしまう。すなわち、温度計測装置30が生成した温度分布画像の間では、測定点間の距離が異なる。このため、温度計測装置30が生成したサーモグラフィー画像の間で、隣接する測定点との温度差を比較することはできない。
【0039】
しかし、本実施形態では、温度分布画像におけるピン穴の位置を検出し、該位置を用いて、ウェハ20の大きさが所定にものになるように、サイズ位置調整部45は、温度分布画像を調整している。そのため、サイズ位置調整部45の調整結果では、測定点間の距離が常に一定となっており、
図11に示すようなグラフの間で比較をすることができる。
【0040】
図12は、温度分布画像における温度の頻度分布例を示すグラフである。
図12のグラフは、横軸が温度であり、縦軸が面積(画素数)である。
図12は、温度計測装置30が生成した温度分布画像(
図2の画像G1)の頻度分布であるため、ウェハ20以外にも温度分布画像G1に写りこんでいる熱電対の線の領域T1、T2、T3や、ピン穴の領域H1、H2、H3、ウェハ20の外側の領域など、余計な領域も含んだ頻度分布となっている。
【0041】
図13は、サイズ位置調整部45の処理結果の頻度分布を示すグラフである。
図13のグラフは、横軸が温度であり、縦軸が面積(画素数)である。
図13は、サイズ位置調整部45が生成した画像(
図8の画像G1t)の頻度分布であるため、ウェハ20以外の熱電対の線の領域T1、T2、T3、ウェハ20の外側の領域、ピン穴の領域H1、H2、H3など、余計な領域が含まれていない。そのため、
図12では、低温側(20℃付近)にあった山が、
図13にはない。
【0042】
このように、本実施形態では、エッジ検出部42によるエッジ検出結果を用いて、静電チャックのピン穴の位置を検出し、該検出したピン穴の位置を用いて、温度分布画像におけるウェハ20の大きさ、角度および位置が所定のものになるように、温度分布画像を調整するので、測定結果同士を容易に比較することができる。
なお、比較する内容によっては、例えば、大きさが所定のものになるようになど、大きさ、角度および位置のうち、いずれかが所定のものになるに調整するようにしてもよい。
【0043】
また、温度分布画像を調整する際に、温度分布画像のエッジ検出結果から検出すると、実際よりも大きくなってしまうことが多いウェハ20の外形(外周)ではなく、ピン穴の位置を用いているので、調整における誤差を小さくすることができる。
【0044】
なお、
図1では、温度分布測定システム100が、静電チャック10に吸着されたウェハ20の表面温度の分布を測定している場合を示しているが、静電チャック10の表面温度分布を測定してもよい。静電チャック10の表面温度分布を測定するときは、静電チャック10にウェハ20が吸着されていない状態で測定する。なお、静電チャック10は、吸着しているウェハ20の温度を能動的に制御するために、加熱装置や、冷却装置のいずれかを備えるものであってもよいし、これらのいずれも備えないものであってもよい。
【0045】
また、本実施形態では、3つのピン穴が中心から等距離にある場合を説明したが、これに限られない。例えば、2つのピン穴が中心から等距離にあってもよいし、4つ以上のピン穴が中心から等距離にあってもよいし、複数のピン穴が、それぞれ中心から異なる距離にあってもよい。例えば、2つのピン穴が中心から等距離にある場合は、2つのピン穴を結ぶ線分の長さと、傾きと、該線分の中点の位置とが所定のものとなるように、調整すればよい。
【0046】
また、本実施形態として、形状を求める手法として外周、およびピン穴をマーカとして用いたが、それに限らず形状を決める構造、もしくは測定時にマーキングを施すなどの手法を用いて形状を認識させても良い。例えば、静電チャック10を装置に設置する際に使用するボルトをマーカとしたり、マーキング用に装置に発熱体を設置させたり、もしくはウェハ上温度分布に影響を及ぼさないよう、ヒーターパターンにマーキング用の温度差発生機構を設けたりして、形状を認識させれば良い。
【0047】
また、
図1における画像処理装置40の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより画像処理装置40を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0048】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0049】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0050】
10…静電チャック
20…ウェハ
30…サーモグラフィー
40…画像処理装置
41…画像データ取得部
42…エッジ検出部
43…外周円検出部
44…ピン穴検出部
45…サイズ位置調整部
46…不要部削除部
47…不要部記憶部
48…対象温度領域抽出部
49…出力部
50…出力装置
100…温度分布測定システム
401…画像認識機構
402…形状認識機構
403…画像処理機構