【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度 総務省 地球温暖化対策ICTイノベーション推進事業「無駄な消費電力量を削減するRadio On Demand Networksの研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る、無線通信システム、無線通信方法、無線通信装置、無線通信装置制御方法、及び、無線通信装置制御プログラム、の各実施形態について
図1〜
図14を参照しながら説明する。
【0027】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る無線通信システム1は、管理装置10と、複数の無線基地局(無線通信装置)11〜14と、複数の無線端末(無線通信端末)101〜106と、を備える。
管理装置10、及び、複数の無線基地局11〜14は、通信ケーブルNCを介して、互いに通信可能に接続されている。
【0028】
無線基地局11〜14のそれぞれは、無線端末101〜106と無線通信を実行可能に構成される。具体的には、各無線基地局11〜14は、当該無線基地局11〜14との間の距離が所定の閾値距離よりも短い無線端末101〜106と無線通信を実行可能に構成される。
【0029】
本例では、無線基地局11〜14、及び、無線端末101〜106は、無線LAN(Local Area Network)(例えば、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11j、又は、IEEE802.11n等)を構成する。
【0030】
なお、無線基地局11〜14、及び、無線端末101〜106は、移動体通信網、近距離無線通信網(例えば、Bluetooth(登録商標)、及び、ZigBee(登録商標)等)、WiMAX、IEEE802.11ahにより定められる通信網、IEEE1900.6により定められる通信網等を構成していてもよい。
【0031】
また、各無線基地局11〜14は、基地局、Access Point、Base Station、又は、Node Bとも呼ばれる。また、無線端末101〜106のそれぞれは、無線端末、又は、Stationとも呼ばれる。
【0032】
例えば、無線端末101〜106は、パーソナル・コンピュータ、携帯電話端末、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance、Personal Digital Assistant)、スマートフォン、カーナビゲーション端末、又は、ゲーム端末等である。
【0033】
本例では、無線端末101〜106のそれぞれは、異なるユーザにより携帯されている。従って、無線端末101〜106のそれぞれは、当該無線端末を携帯するユーザの移動に伴って移動する。
【0034】
先ず、無線端末101〜106について、より詳細に説明する。
図2に示したように、無線端末101は、無線通信部201と、通信処理部202と、起動信号生成部203と、を備える。ここで、
図2は、無線端末101の構成のうちの、本発明に係る部分のみを示している。なお、無線端末101は、
図2に示した構成以外の構成を更に備えていてもよい。また、無線端末101以外の無線端末102〜106も、無線端末101と同様の構成を有する。
【0035】
無線通信部201は、アンテナを備える。無線通信部201は、アンテナを介して無線信号を送受信する(送信、及び、受信を行う)。
通信処理部202は、無線通信部201により受信された無線信号が表す受信情報に基づく処理を実行する。また、通信処理部202は、送信情報を生成し、生成された送信情報を無線通信部201を介して送信する。
【0036】
起動信号生成部203は、無線端末101を識別するための(即ち、無線端末101に固有の)端末識別情報を保持している(端末識別情報が予め設定されている)。
【0037】
起動信号生成部203は、無線端末101が帰属している無線基地局11〜14である帰属先装置の状態がスリープ状態に設定されている(例えば、帰属先装置から予め設定された期間に亘って無線信号が受信されなかった)場合、予め定められた起動(ウェイクアップ)信号を生成する。起動信号は、起動信号生成部203が記憶している端末識別情報を含む。起動信号生成部203は、生成された起動信号を、無線通信部201を介して送信する。
【0038】
なお、無線通信部201は、起動信号以外の無線信号を送信する場合、及び、無線信号を受信する場合、第1の通信方式に従った無線通信を行う。本例では、第1の通信方式は、無線端末101〜106を無線基地局11〜14に帰属させる(即ち、無線基地局11〜14が無線端末101〜106を収容する)とともに、無線基地局11〜14と無線端末101〜106との間で無線通信を行うための通信方式である。
【0039】
本例では、第1の通信方式は、無線LAN規格に準拠した通信方式であり、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11a、又は、IEEE 802.11n等である。なお、第1の通信方式は、UWB(Ultra Wide Band)、又は、ZigBee(登録商標)等の他の通信方式であってもよい。
【0040】
また、無線通信部201は、起動信号を送信する場合、第2の通信方式に従った無線通信を行う。第2の通信方式は、無線信号を受信するために必要とされる電力が第1の通信方式よりも小さい通信方式である。
【0041】
本例では、第2の通信方式は、無線信号を受信するために必要とされる電力が第1の通信方式よりも極めて小さい通信方式である。本例では、第2の通信方式は、例えば、特許文献1に記載されているような、無線信号の到来の有無の時間に対する変化を情報として通信する方式、又は、無線信号の長さ(例えば、フレーム長)を情報として通信する方式等の、消費される電力の量が比較的大きい、無線信号を復調するための復調回路を使用することなく通信可能な通信方式である。なお、第2の通信方式は、第1の通信方式よりも消費される電力の量が小さい方式であれば、他の通信方式であってもよい。
【0042】
次に、無線基地局11〜14について、より詳細に説明する。
図3に示したように、無線基地局11は、無線通信部301と、通信処理部302と、有線通信部303と、電源制御部304と、帰属情報管理部305と、起動信号受信部306と、端末識別情報比較部307と、を備える。なお、無線基地局11以外の無線基地局12〜14も、無線基地局11と同様の構成を有する。
【0043】
無線通信部301は、第1の通信方式に従った無線通信を実行するように構成される。本例では、無線通信部301は、無線端末101〜106のそれぞれと通信可能に構成される。
【0044】
更に、無線通信部301は、予め設定された送信周期が経過する毎に、無線基地局11と無線通信可能であることを通知するためのビーコン信号(Beaconフレーム)を送信する。本例では、ビーコン信号は、無線基地局11を識別するための識別子(例えば、ESSID(Extended Service Set Identifier)、又は、BSSID(Basic Service Set Identifier)等)を含む。
【0045】
有線通信部303は、有線通信(本例では、通信ケーブルNCを介した通信)を実行するように構成される。有線通信部303は、管理装置10、及び、他の無線基地局12〜14のそれぞれと通信可能に構成される。
【0046】
通信処理部302は、有線通信部303により受信された受信情報に基づく処理を実行する。
更に、通信処理部302は、無線通信部301により無線信号が受信された場合において、当該無線信号の送信元である無線端末101〜106が、無線基地局11(自装置)に帰属している無線端末であるとき、当該無線信号が表す受信情報に基づく処理を実行する。
【0047】
一方、通信処理部302は、無線通信部301により無線信号が受信された場合において、当該無線信号の送信元である無線端末101〜106が、無線基地局11(自装置)に帰属している無線端末でないとき、当該無線信号が表す受信情報に基づく処理を実行しない。即ち、無線基地局11は、自装置に帰属している無線端末101〜106との間の無線通信を許可するように構成される。
【0048】
また、通信処理部302は、送信情報を生成し、生成された送信情報を無線通信部301又は有線通信部303を介して送信する。
なお、無線基地局11は、2つの通信部(無線通信部301、及び、有線通信部303)を備えるが、3つ以上の通信部を備えていてもよい。
【0049】
起動信号受信部306は、無線端末101〜106により送信され、且つ、第2の通信方式に従った起動信号を受信するように構成される。
【0050】
電源制御部304は、無線通信部301、通信処理部302、有線通信部303、帰属情報管理部305、起動信号受信部306、及び、端末識別情報比較部307のそれぞれへの電力の供給を制御可能に構成される。なお、帰属情報管理部305は、負荷情報取得手段の一部、及び、帰属先装置変更手段の一部を構成している。
【0051】
電源制御部304は、無線基地局11の状態が起動状態に設定されている場合、無線通信部301、通信処理部302、有線通信部303、帰属情報管理部305、起動信号受信部306、及び、端末識別情報比較部307のそれぞれへの電力の供給を許可する。
【0052】
一方、電源制御部304は、無線基地局11の状態がスリープ状態に設定されている場合、無線通信部301、及び、通信処理部302、のそれぞれへの電力の供給を禁止し、且つ、有線通信部303、帰属情報管理部305、起動信号受信部306、及び、端末識別情報比較部307、のそれぞれへの電力の供給を許可する。
【0053】
即ち、起動状態は、無線端末101〜106と、予め定められた第1の通信方式に従って任意のデータを無線通信可能な状態である。また、スリープ状態は、無線信号を受信するために必要とされる電力が第1の通信方式よりも小さい第2の通信方式に従って起動信号を受信可能であり、且つ、無線端末101〜106と第1の通信方式に従った無線通信を実行不能な状態である。
【0054】
帰属情報管理部305は、無線基地局11(自装置)に帰属(即ち、自装置が収容)している無線端末101〜106を識別するための情報(例えば、MAC(Medium Access Control)アドレス等)である端末識別情報と、受信信号強度値と、を含む帰属端末情報を記憶する。受信信号強度値は、当該無線端末101〜106から受信された無線信号の強度を表す値である。
【0055】
帰属情報管理部305は、自装置に新たに無線端末101〜106が帰属した場合、当該無線端末101〜106を識別するための端末識別情報を含む帰属端末情報を新たに記憶する。
【0056】
帰属情報管理部305は、自装置に帰属していた無線端末101〜106が、自装置に帰属しなくなった(自装置への帰属が解除された)場合、記憶している帰属端末情報のうちの、当該無線端末101〜106を識別するための端末識別情報を含む帰属端末情報を削除(消去)する。
【0057】
また、本例では、無線基地局11は、無線端末101〜106が自装置に帰属してから、予め設定された帰属期間が経過した場合、当該無線端末101〜106の自装置への帰属を解除する。従って、帰属情報管理部305は、無線端末101〜106の自装置への帰属を解除した場合も、記憶している帰属端末情報のうちの、当該無線端末101〜106を識別するための端末識別情報を含む帰属端末情報を削除する。
【0058】
更に、帰属情報管理部305は、管理装置10により送信された帰属端末情報を受信した場合、記憶している帰属端末情報を、当該受信された帰属端末情報に更新する。本例では、帰属情報管理部305は、先ず、記憶している帰属端末情報のすべてを消去し、その後、受信された帰属端末情報を新たに記憶する。
【0059】
更に、帰属情報管理部305は、自装置の負荷である装置負荷を表す装置負荷情報を取得する。ここで、負荷は、稼働率、及び、チャネル利用率を含む。稼働率は、単位時間あたりの、無線基地局11の状態が起動状態に設定されている時間である。また、チャネル利用率は、単位時間あたりの、無線基地局11が無線通信を行っている時間である。なお、チャネル利用率は、非特許文献1に記載の方法により算出されてもよい。
【非特許文献1】藤本要、他7名、「Radio−On−Demand Networksにおける端末帰属集約を実現するための指標の検討」、電子情報通信学会2011年総合大会、2011年、B−6−137
【0060】
加えて、帰属情報管理部305は、周辺装置情報を取得する。本例では、周辺装置情報は、周辺装置識別情報と、受信信号強度値と、を含む。周辺装置識別情報は、自装置の近傍に位置する他の無線基地局12〜14である周辺装置を識別するための情報(例えば、MACアドレス等)である。受信信号強度値は、周辺装置から受信された無線信号の強度を表す値である。
【0061】
本例では、無線基地局11〜14のそれぞれは、予め設定された期間において、他の無線基地局11〜14により送信された無線信号が受信された場合、当該無線信号の送信元である無線基地局11〜14を周辺装置として特定する。即ち、本例では、自装置としての無線基地局11〜14と無線通信を実行可能な領域内の位置が、自装置の近傍に対応している。
【0062】
そして、無線基地局11〜14のそれぞれは、特定された周辺装置を識別するための情報を周辺装置識別情報として取得する。更に、無線基地局11〜14のそれぞれは、特定された周辺装置から受信された無線信号の強度を表す受信信号強度値を取得する。
【0063】
更に、帰属情報管理部305は、自装置と無線通信を実行可能な無線端末101〜106のうちの、自装置に帰属していない無線端末101〜106を識別するための端末識別情報と、受信信号強度値と、を含む非帰属端末情報を取得し、取得された非帰属端末情報を記憶する。受信信号強度値は、当該無線端末101〜106から受信された無線信号の強度を表す値である。
【0064】
帰属情報管理部305は、記憶されている非帰属端末情報により識別される無線端末101〜106との無線通信が実行不能(即ち、当該無線端末101〜106により送信された無線信号が受信不能)になった場合、当該記憶されている非帰属端末情報を消去する。
【0065】
また、帰属情報管理部305は、記憶されている非帰属端末情報により識別される無線端末101〜106が、自装置に帰属した場合、当該記憶されている非帰属端末情報を消去する。
【0066】
更に、帰属情報管理部305は、記憶されている、帰属端末情報、又は、非帰属端末情報により識別される無線端末101〜106以外の無線端末101〜106との無線通信が実行可能(即ち、当該無線端末101〜106により送信された無線信号が受信可能)になった場合、当該無線端末101〜106を識別するための端末識別情報を含む非帰属端末情報を新たに記憶する。
【0067】
また、帰属情報管理部305は、記憶されている帰属端末情報により識別される無線端末101〜106が、自装置に帰属しなくなった場合、当該無線端末101〜106を識別するための端末識別情報を含む非帰属端末情報を新たに記憶する。
【0068】
帰属情報管理部305は、帰属情報管理部305に記憶されている、帰属端末情報、及び、非帰属端末情報と、上記取得された、装置負荷情報、及び、周辺装置情報と、を有線通信部303を介して、管理装置10へ送信する。
【0069】
端末識別情報比較部307は、起動信号受信部306により起動信号が受信された場合、当該起動信号に含まれる端末識別情報が、帰属情報管理部305が記憶している帰属端末情報のいずれかと一致するか否かを判定する。
【0070】
端末識別情報比較部307は、起動信号受信部306により起動信号が受信された場合において、当該起動信号に含まれる端末識別情報が、帰属情報管理部305が記憶している帰属端末情報のいずれかと一致するとき、起動指示を電源制御部304へ出力する。
【0071】
一方、端末識別情報比較部307は、起動信号受信部306により起動信号が受信された場合であっても、当該起動信号に含まれる端末識別情報が、帰属情報管理部305が記憶している帰属端末情報のいずれとも一致しないとき、起動指示を電源制御部304へ出力しない。
【0072】
また、電源制御部304は、起動状態とスリープ状態とのいずれかに無線基地局11の状態を設定する。
【0073】
更に、電源制御部304は、無線基地局11の状態が起動状態に設定されている場合において、予め定められたスリープ条件が成立したとき、無線基地局11の状態をスリープ状態へ変更する。例えば、スリープ条件は、現時点よりも、予め設定された第1の閾値時間だけ前の時点から、現時点までの間に、通信が行われていない、という条件である。
【0074】
加えて、電源制御部304は、無線基地局11の状態がスリープ状態に設定されている場合において、端末識別情報比較部307により起動指示が出力されたとき、無線基地局11の状態を起動状態へ変更する。
【0075】
本例では、無線基地局11は、無線通信部301、及び、起動信号受信部306のそれぞれと接続されたアンテナを1つ備える。無線通信部301は、無線基地局11の状態が起動状態に設定されている場合、アンテナを介して無線信号を送受信する。また、起動信号受信部306は、無線基地局11の状態がスリープ状態に設定されている場合、アンテナを介して起動信号を受信する。
【0076】
なお、無線基地局11は、無線通信部301と接続された第1のアンテナと、起動信号受信部306と接続された第2のアンテナと、を備えていてもよい。
【0077】
次に、管理装置10について、より詳細に説明する。
図4に示したように、管理装置10は、有線通信部401と、情報取得部402と、情報記憶部403と、帰属先装置決定部404と、帰属端末情報送信部405と、を備える。なお、情報取得部402、及び、帰属先装置決定部404は、負荷情報取得手段の一部を構成している。また、帰属先装置決定部404、及び、帰属端末情報送信部405は、帰属先装置変更手段の一部を構成している。
【0078】
有線通信部401は、有線通信(本例では、通信ケーブルNCを介した通信)を実行するように構成される。有線通信部401は、無線基地局11〜14のそれぞれと通信可能に構成される。
【0079】
情報取得部402は、無線基地局11〜14により送信された、帰属端末情報、非帰属端末情報、装置負荷情報、及び、周辺装置情報を、有線通信部401を介して受信(取得)する。
【0080】
情報記憶部403は、情報取得部402により取得された、帰属端末情報、非帰属端末情報、装置負荷情報、及び、周辺装置情報を記憶する。
本例では、情報記憶部403は、
図5に示した周辺装置テーブルと、
図6に示した装置負荷テーブルと、
図7に示した帰属端末テーブルと、を記憶する。
【0081】
周辺装置テーブルは、無線基地局IDと、周辺無線基地局IDと、受信信号強度値と、を対応付けたテーブルである。即ち、情報記憶部403は、周辺装置情報の送信元としての無線基地局11〜14を識別するための装置識別情報である無線基地局IDと、当該周辺装置情報に含まれる周辺装置識別情報である周辺無線基地局IDと、当該周辺装置情報に含まれる受信信号強度値と、を対応付けて記憶する。
【0082】
また、装置負荷テーブルは、無線基地局IDと、稼働率と、チャネル利用率と、を対応付けたテーブルである。即ち、情報記憶部403は、装置負荷情報の送信元としての無線基地局11〜14を識別するための装置識別情報である無線基地局IDと、当該装置負荷情報が表す稼働率と、当該装置負荷情報が表すチャネル利用率と、を対応付けて記憶する。
【0083】
また、帰属端末テーブルは、無線端末IDと、無線基地局IDと、帰属フラグと、受信信号強度値と、を対応付けたテーブルである。即ち、情報記憶部403は、帰属端末情報に含まれる端末識別情報である無線端末IDと、当該帰属端末情報の送信元としての無線基地局11〜14を識別するための装置識別情報である無線基地局IDと、真である帰属フラグと、当該帰属端末情報に含まれる受信信号強度値と、を対応付けて記憶する。
【0084】
更に、情報記憶部403は、非帰属端末情報に含まれる端末識別情報である無線端末IDと、当該非帰属端末情報の送信元としての無線基地局11〜14を識別するための装置識別情報である無線基地局IDと、偽である帰属フラグと、当該非帰属端末情報に含まれる受信信号強度値と、を対応付けて記憶する。
【0085】
帰属先装置決定部404は、情報記憶部403が記憶している、周辺装置テーブル、装置負荷テーブル、及び、帰属端末テーブルに基づいて、無線端末101〜106が帰属する無線基地局11〜14(帰属先装置)を決定する。
【0086】
本例では、帰属先装置決定部404は、先ず、
図8に示したように、帰属変更テーブルを生成する。帰属変更テーブルは、無線基地局IDと、変更情報と、を対応付けたテーブルである。変更情報は、分散を表す情報、集約を表す情報、又は、維持を表す情報である。
【0087】
変更情報が分散を表す情報であることは、当該変更情報と対応付けられた無線基地局IDにより識別される無線基地局11〜14(対象装置)に帰属している無線端末101〜106の帰属先装置を周辺装置へ変更することを表す。変更情報が集約を表す情報であることは、周辺装置に帰属している無線端末101〜106の帰属先装置を対象装置へ変更可能であることを表す。変更情報が維持を表す情報であることは、対象装置に帰属している無線端末101〜106の帰属先装置を変更しないことを表す。
【0088】
具体的には、先ず、帰属先装置決定部404は、複数の無線基地局11〜14のそれぞれに対して、周辺負荷情報を取得する。周辺負荷情報は、当該周辺負荷情報の対象となる無線基地局11〜14(対象装置)の近傍に位置する他の無線基地局11〜14である周辺装置の負荷である周辺負荷を表す情報である。本例では、周辺負荷は、周辺装置のそれぞれの負荷を平均した値である。
【0089】
即ち、帰属先装置決定部404は、ある無線基地局IDにより識別される無線基地局11〜14(対象装置)に対する周辺負荷情報として、当該無線基地局IDと、周辺装置テーブルにて対応付けられた周辺無線基地局IDのそれぞれと装置負荷テーブルにて対応付けられた負荷を平均した値を表す情報を取得する。
【0090】
帰属先装置決定部404は、複数の無線基地局11〜14のそれぞれに対して、当該無線基地局11〜14(対象装置)に対して取得された、装置負荷情報、及び、周辺負荷情報に基づいて、対象装置に対する変更情報を取得する。
【0091】
本例では、帰属先装置決定部404は、第1の条件、又は、第2の条件が成立した場合、分散を表す情報を変更情報として取得する。また、帰属先装置決定部404は、第3の条件、又は、第4の条件が成立した場合、集約を表す情報を変更情報として取得する。また、帰属先装置決定部404は、第1の条件〜第4の条件のいずれも成立しない場合、維持を表す情報を変更情報として取得する。
【0092】
第1の条件は、装置負荷情報が表す装置負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きく、且つ、周辺負荷情報が表す周辺負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さい、という条件である。
【0093】
また、第2の条件は、装置負荷情報が表す装置負荷が、予め設定された第3の閾値負荷よりも小さく、且つ、当該装置負荷が、周辺負荷情報が表す周辺負荷よりも小さい、という条件である。ここで、第3の閾値負荷は、第1の閾値負荷以下の値に設定される。
【0094】
また、第3の条件は、装置負荷情報が表す装置負荷が、予め設定された第4の閾値負荷よりも小さく、且つ、周辺負荷情報が表す周辺負荷が、予め設定された第5の閾値負荷よりも大きい、という条件である。
【0095】
また、第4の条件は、装置負荷情報が表す装置負荷が、予め設定された第6の閾値負荷よりも小さく、且つ、当該装置負荷が、周辺負荷情報が表す周辺負荷よりも大きい、という条件である。
【0096】
本例では、第1の閾値負荷〜第6の閾値負荷は、同一の値に設定される。なお、第1の閾値負荷〜第6の閾値負荷は、異なる値に設定されていてもよい。
【0097】
本例では、装置負荷L、及び、周辺負荷L
n、に対して取得される変更情報は、
図9に示した通りである。ここで、L
sは、第1の閾値負荷〜第6の閾値負荷の値である。
【0098】
そして、帰属先装置決定部404は、対象装置としての無線基地局11〜14を識別するための無線基地局IDと、当該対象装置に対して取得された変更情報と、を対応付けた帰属変更テーブルを生成する。
【0099】
本例では、帰属先装置決定部404は、帰属変更テーブルを生成するための負荷として、稼働率のみを用いる。なお、帰属先装置決定部404は、帰属変更テーブルを生成するための負荷として、チャネル利用率のみを用いてもよい。また、帰属先装置決定部404は、帰属変更テーブルを生成するための負荷として、稼働率、及び、チャネル利用率の重み付け平均値等を用いてもよい。
【0100】
次いで、帰属先装置決定部404は、生成された帰属変更テーブルと、情報記憶部403が記憶している、装置負荷テーブル、及び、帰属端末テーブルと、に基づいて、複数の無線端末101〜106のそれぞれが帰属する無線基地局11〜14(帰属先装置)を決定する。
【0101】
本例では、帰属先装置決定部404は、複数の無線端末101〜106のそれぞれに対して、帰属先装置決定処理を実行することにより帰属先装置を決定する。
【0102】
帰属先装置決定処理は、先ず、帰属先装置決定処理の対象となる無線端末101〜106(対象端末)が帰属している無線基地局11〜14を特定する。
【0103】
そして、帰属先装置決定処理は、特定された無線基地局11〜14と帰属変更テーブルにおいて対応付けられている変更情報を取得する。次いで、帰属先装置決定処理は、取得された変更情報が分散を表す情報以外の情報である場合、上記特定された無線基地局11〜14を対象端末に対する帰属先装置として決定する(即ち、帰属先装置を変更しない)。
【0104】
一方、帰属先装置決定処理は、取得された変更情報が分散を表す情報である場合、上記特定された無線基地局11〜14に対する周辺装置のうちの、対象端末が無線通信を実行可能な周辺装置を抽出する。更に、帰属先装置決定処理は、抽出された周辺装置の中から、集約を表す変更情報と帰属変更テーブルにおいて対応付けられた無線基地局IDにより識別される周辺装置を抽出する。そして、帰属先装置決定処理は、抽出された周辺装置の中から、1つの周辺装置を選択する。
【0105】
具体的には、帰属先装置決定処理は、稼働時チャネル可用率が最高である周辺装置を選択する。稼働時チャネル可用率は、周辺装置のうちの、単位時間あたりの、当該周辺装置の状態が起動状態に設定されている時間から、当該周辺装置が無線通信を行っている時間を減じた時間である。即ち、稼働時チャネル可用率C
rは、稼働率Rからチャネル利用率Cを減じた値である。
【0106】
これによれば、変更後の帰属先装置の状態が起動状態に設定される時間が長くなる可能性を低減することができる。
【0107】
なお、帰属先装置決定処理は、チャネル利用率が最高である周辺装置を選択するように構成されていてもよい。
これによれば、無線通信装置の状態がスリープ状態に設定される時間が長くなる可能性を高めることができる。
【0108】
また、帰属先装置決定処理は、稼働率、及び、チャネル利用率を重み付け平均した値等に基づいて、1つの周辺装置を選択するように構成されていてもよい。
【0109】
そして、帰属先装置決定処理は、選択された周辺装置を対象端末に対する帰属先装置として決定する(即ち、帰属先装置を変更する)。
【0110】
そして、帰属先装置決定部404は、変更後帰属テーブルを生成する。変更後帰属テーブルは、
図10に示したように、無線基地局IDと、無線端末IDと、を対応付けたテーブルである。具体的には、帰属先装置決定部404は、対象端末を識別するための端末識別情報である無線端末IDと、当該対象端末に対して決定された帰属先装置を識別するための装置識別情報である無線基地局IDと、を対応付けることにより変更後帰属テーブルを生成する。
【0111】
帰属端末情報送信部405は、帰属先装置決定部404により生成された変更後帰属テーブルに基づいて、帰属端末情報を無線基地局11〜14へ、有線通信部401を介して送信する。具体的には、帰属端末情報送信部405は、変更後帰属テーブルに含まれる無線基地局IDにより識別される無線基地局11〜14へ、当該無線基地局IDと対応付けられた無線端末IDを含む帰属端末情報を送信する。
【0112】
このように、無線基地局11は、複数の無線基地局11〜14のそれぞれに対して、当該無線基地局11〜14の負荷である装置負荷を表す装置負荷情報と、当該無線基地局11〜14の近傍に位置する他の無線基地局11〜14である周辺装置の負荷である周辺負荷を表す周辺負荷情報と、を取得する。更に、無線基地局11は、取得された装置負荷情報及び周辺負荷情報に基づいて、無線端末101〜106が帰属する無線基地局11〜14である帰属先装置を変更する。
【0113】
(作動)
次に、上述した無線通信システム1の作動について、
図11に示したシーケンス図を参照しながら説明する。なお、ここでは、管理装置10及び無線基地局11の作動について説明するが、無線基地局11以外の無線基地局12〜14も無線基地局11と同様に作動する。
【0114】
無線基地局11は、先ず、装置負荷情報、及び、周辺装置情報を取得する(ステップS101)。そして、無線基地局11は、記憶している、帰属端末情報、及び、非帰属端末情報と、取得された、装置負荷情報、及び、周辺装置情報と、を管理装置10へ送信する(ステップS102)。本例では、無線基地局11は、予め設定された送信周期が経過する毎に、ステップS101〜ステップS102の処理を実行する。
【0115】
管理装置10は、無線基地局11により送信された、帰属端末情報、非帰属端末情報、装置負荷情報、及び、周辺装置情報を受信する。そして、管理装置10は、受信した情報に基づいて周辺負荷情報を取得し、取得された周辺負荷情報と、装置負荷情報と、周辺装置情報と、に基づいて、
図8に示したように、帰属変更テーブルを生成する(ステップS103)。
【0116】
次いで、管理装置10は、生成された帰属変更テーブルと、装置負荷情報と、帰属端末情報と、非帰属端末情報と、に基づいて、複数の無線端末101〜106のそれぞれが帰属する無線基地局11〜14(帰属先装置)を決定する(ステップS104)。
【0117】
そして、管理装置10は、複数の無線端末101〜106のそれぞれに対して、当該無線端末101〜106を識別するための端末識別情報である無線端末IDと、当該無線端末101〜106に対して決定された帰属先装置を識別するための装置識別情報である無線基地局IDと、を対応付けることにより、
図10に示したように、変更後帰属テーブルを生成する(ステップS105)。
【0118】
その後、管理装置10は、生成された変更後帰属テーブルに含まれる無線基地局IDにより識別される無線基地局11〜14へ、当該無線基地局IDと対応付けられた無線端末IDを含む帰属端末情報を送信する(ステップS106)。
【0119】
これにより、無線基地局11は、管理装置10から帰属端末情報を受信する。無線基地局11は、記憶している帰属端末情報を、受信された帰属端末情報に更新する(ステップS107)。
【0120】
従って、以降の時点においては、無線基地局11は、受信された帰属端末情報により識別される無線端末101〜106から起動信号を受信した場合、無線基地局11の状態をスリープ状態から起動状態へ変更する。
【0121】
以上、説明したように、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、無線端末101〜106に対して、無線基地局11〜14の負荷に応じた適切な帰属先装置を設定することができる。これにより、無線基地局11〜14の負荷が過大となることを防止することができる。また、無線基地局11〜14の状態がスリープ状態に設定される時間が長くなる可能性を高めることができる。この結果、無線基地局11〜14が消費する電力の量を低減することができる。
【0122】
更に、第1実施形態に係る無線通信システム1において、無線基地局11〜14は、状態がスリープ状態である場合において、記憶されている帰属端末情報を含む起動信号を受信したとき、状態を起動状態へ変更するように構成される。更に、無線通信システム1は、複数の無線基地局11〜14のそれぞれに対して、当該無線基地局11〜14が記憶している帰属端末情報を、当該無線基地局11〜14が変更後の帰属先装置である無線端末101〜106を識別するための端末識別情報に更新する。
【0123】
これによれば、無線端末101〜106が起動信号を送信する時点にて、変更後の帰属先装置の状態を起動状態に設定することができる。これにより、無線基地局11〜14の状態が無駄に起動状態に設定されることを回避することができる。また、無線端末101〜106が記憶している情報を変更することなく、帰属先装置を変更することができる。従って、帰属先装置を容易に変更することができる。
【0124】
加えて、第1実施形態に係る無線通信システム1において、無線基地局11〜14に対する装置負荷が第1の閾値負荷よりも大きく、且つ、当該無線基地局11〜14に対する周辺負荷が第2の閾値負荷よりも小さい場合、当該無線基地局11〜14に帰属している無線端末101〜106の少なくとも一部の帰属先装置を、当該無線基地局11〜14に対する周辺装置へ変更する。
【0125】
これによれば、無線基地局11〜14の負荷が過大となることを回避することができる。従って、無線基地局11〜14と無線端末101〜106との間の無線通信の品質が低下することを防止することができる。
【0126】
更に、第1実施形態に係る無線通信システム1において、無線基地局11〜14に対する装置負荷が第3の閾値負荷よりも小さく、且つ、当該装置負荷が当該無線基地局11〜14に対する周辺負荷よりも小さい場合、当該無線基地局11〜14に帰属している無線端末101〜106の少なくとも一部の帰属先装置を、当該無線基地局11〜14に対する周辺装置へ変更する。
【0127】
これによれば、無線基地局11〜14の状態がスリープ状態に設定される時間が長くなる可能性を高めることができる。この結果、無線基地局11〜14が消費する電力の量を低減することができる。
【0128】
加えて、第1実施形態に係る無線通信システム1において、無線基地局11〜14に対する装置負荷が第4の閾値負荷よりも小さく、且つ、当該無線基地局11〜14に対する周辺負荷が第5の閾値負荷よりも大きい場合、当該無線基地局11〜14に対する周辺装置に帰属している無線端末101〜106の少なくとも一部の帰属先装置を、当該無線基地局11〜14へ変更する。
【0129】
これによれば、周辺装置の負荷が過大となることを回避することができる。従って、周辺装置と無線端末101〜106との間の無線通信の品質が低下することを防止することができる。
【0130】
更に、第1実施形態に係る無線通信システム1において、無線基地局11〜14に対する装置負荷が第6の閾値負荷よりも小さく、且つ、当該装置負荷が当該無線基地局11〜14に対する周辺負荷よりも大きい場合、当該無線基地局11〜14に対する周辺装置に帰属している無線端末101〜106の少なくとも一部の帰属先装置を、当該無線基地局11〜14へ変更する。
【0131】
これによれば、周辺装置の状態がスリープ状態に設定される時間が長くなる可能性を高めることができる。この結果、周辺装置が消費する電力の量を低減することができる。
【0132】
なお、第1実施形態に係る無線通信システム1は、無線基地局11〜14が、帰属端末情報、及び、非帰属端末情報を管理装置10へ送信するように構成されていた。ところで、第1実施形態の変形例に係る無線通信システム1は、無線基地局11〜14が、帰属端末情報、及び、非帰属端末情報を送信せず、且つ、無線端末101〜106が、帰属している無線基地局11〜14を識別するための情報、及び、無線通信を実行可能であり且つ帰属していない無線基地局11〜14を識別するための情報を管理装置10へ送信するように構成されていてもよい。
【0133】
また、第1実施形態に係る無線通信システム1は、帰属端末情報として端末識別情報を用いるように構成されていたが、端末識別情報を予め定められた方式に従って変換した情報(例えば、ハッシュ関数等により変換した情報)を帰属端末情報として用いるように構成されていてもよい。この場合、無線端末101〜106は、上記方式に従って端末識別情報を変換した情報を含む起動信号を送信するように構成されることが好適である。
【0134】
なお、第1実施形態の変形例に係る管理装置10は、無線基地局11〜14に帰属する無線端末101〜106のそれぞれのチャネル利用率の和を、当該無線基地局11〜14のチャネル利用率として推定するように構成されていてもよい。なお、非特許文献2において、この方法を用いることにより、無線基地局のチャネル利用率が高い精度にて推定されることが開示されている。
【非特許文献2】行衛秀明、他7名、「Radio−On−Demand Networksにおける端末帰属集約の可能性に関する検討」、電子情報通信学会2011年総合大会、2011年、B−6−138
【0135】
この場合、管理装置10は、無線端末101〜106に対して決定された帰属先装置が、変更後において、単位時間あたりに無線通信を行う時間であるチャネル利用率を推定し、当該推定されたチャネル利用率が1(即ち、100%)よりも大きい場合、当該変更を行わないように構成されることが好適である。
【0136】
これによれば、変更後の帰属先装置のチャネル利用率が過大となることを回避することができる。
【0137】
また、第1実施形態の変形例に係る管理装置10は、帰属変更テーブルにおいて、分散を表す変更情報と対応付けられた無線基地局IDにより識別される無線基地局11〜14に帰属している無線端末101〜106の一部の無線端末101〜106のみに対して、帰属先装置を変更するように構成されていてもよい。この場合、管理装置10は、帰属先装置が変更される無線端末101〜106をランダムに選択してもよい。
【0138】
これによれば、帰属先装置が変更される無線端末101〜106の数が過大となることを回避することができる。
【0139】
なお、第1実施形態の変形例に係る無線基地局11は、無線基地局11の状態がスリープ状態に設定されている場合、有線通信部303への電力の供給も禁止するように構成されていてもよい。この場合、無線基地局11は、有線通信部303が予め設定された起動用信号を受信することにより、有線通信部303への電力の供給を再開するWake−on−LAN等の機能を有するように構成されることが好適である。
【0140】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る無線通信システムについて説明する。第2実施形態に係る無線通信システムは、上記第1実施形態に係る無線通信システムに対して、管理装置を備えない点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0141】
図12に示したように、第2実施形態に係る無線通信システム1は、第1実施形態に係る無線通信システム1から管理装置10を除いた構成を有する。
【0142】
第2実施形態に係る無線基地局11は、第1実施形態に係る無線基地局11の機能に加えて、第1実施形態に係る管理装置10の機能も有する。また、第2実施形態に係る、無線基地局11以外の無線基地局12〜14も、無線基地局11と同様の機能を有する。
【0143】
具体的には、第2実施形態に係る無線基地局11は、
図13に示したように、第1実施形態に係る無線基地局11が備える構成に加えて、負荷情報取得部(負荷情報取得手段)308と、帰属先装置変更部(帰属先装置変更手段)309と、を備える。
【0144】
無線基地局11は、自装置に帰属している無線端末101〜106のそれぞれに対して、帰属先装置を決定するように構成される。即ち、負荷情報取得部308は、自装置に対する装置負荷情報を取得する。更に、負荷情報取得部308は、自装置に対する周辺装置のそれぞれから、装置負荷情報、帰属端末情報、及び、非帰属端末情報を受信する。負荷情報取得部308は、受信された装置負荷情報に基づいて周辺負荷情報を取得する。
【0145】
帰属先装置変更部309は、負荷情報取得部308により取得された、装置負荷情報、及び、周辺負荷情報に基づいて、自装置に対する変更情報を取得する。更に、帰属先装置変更部309は、取得された変更情報を周辺装置へ送信するとともに、周辺装置から当該周辺装置に対する変更情報を受信する。
【0146】
そして、帰属先装置変更部309は、自装置、及び、周辺装置のそれぞれに対する、変更情報、帰属端末情報、非帰属端末情報、及び、装置負荷情報に基づいて、自装置に帰属している無線端末101〜106に対する帰属先装置を決定する。
【0147】
そして、帰属先装置変更部309は、ある無線端末101〜106に対して決定された帰属先装置が周辺装置である場合、当該周辺装置へ、当該無線端末101〜106を識別するための端末識別情報を帰属端末情報として送信する。
【0148】
このようにして、第2実施形態に係る無線通信システム1も、第1実施形態に係る無線通信システム1と同様に作動することができる。この結果、第2実施形態に係る無線通信システム1も、第1実施形態に係る無線通信システム1と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0149】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る無線通信システムについて
図14を参照しながら説明する。
第3実施形態に係る無線通信システム1000は、複数の無線通信端末と、当該無線通信端末と無線通信を実行可能に構成された複数の無線通信装置と、を備えるシステムである。
【0150】
更に、上記複数の無線通信装置のそれぞれは、
当該無線通信装置に帰属している無線通信端末との間の無線通信を許可するように構成され、
上記無線通信端末と、予め定められた第1の通信方式に従って任意のデータを無線通信可能な状態である起動状態と、無線信号を受信するために必要とされる電力が上記第1の通信方式よりも小さい第2の通信方式に従って起動信号を受信可能であり且つ上記無線通信端末と当該第1の通信方式に従った無線通信を実行不能な状態であるスリープ状態と、のいずれかに当該無線通信装置の状態を設定するように構成される。
【0151】
更に、上記無線通信システム1000は、
上記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置の負荷である装置負荷を表す装置負荷情報と、当該無線通信装置の近傍に位置する他の無線通信装置である周辺装置の負荷である周辺負荷を表す周辺負荷情報と、を取得する負荷情報取得部(負荷情報取得手段)1001と、
上記取得された装置負荷情報及び周辺負荷情報に基づいて、上記無線通信端末が帰属する上記無線通信装置である帰属先装置を変更する帰属先装置変更部(帰属先装置変更手段)1002と、
を備える。
【0152】
これによれば、無線通信端末に対して、無線通信装置の負荷に応じた適切な帰属先装置を設定することができる。これにより、例えば、無線通信装置の負荷が過大となることを防止することができる。また、例えば、無線通信装置の状態がスリープ状態に設定される時間が長くなる可能性を高めることができる。この結果、無線通信装置が消費する電力の量を低減することができる。
【0153】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0154】
なお、上記各実施形態において、管理装置10、無線基地局11〜14、及び、無線端末101〜106の各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、管理装置10、無線基地局11〜14、及び、無線端末101〜106のそれぞれは、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。
【0155】
この場合、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0156】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0157】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0158】
(付記1)
複数の無線通信端末と、当該無線通信端末と無線通信を実行可能に構成された複数の無線通信装置と、を備える無線通信システムであって、
前記複数の無線通信装置のそれぞれは、
当該無線通信装置に帰属している無線通信端末との間の無線通信を許可するように構成され、
前記無線通信端末と、予め定められた第1の通信方式に従って任意のデータを無線通信可能な状態である起動状態と、無線信号を受信するために必要とされる電力が前記第1の通信方式よりも小さい第2の通信方式に従って起動信号を受信可能であり且つ前記無線通信端末と当該第1の通信方式に従った無線通信を実行不能な状態であるスリープ状態と、のいずれかに当該無線通信装置の状態を設定するように構成され、
前記無線通信システムは、
前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置の負荷である装置負荷を表す装置負荷情報と、当該無線通信装置の近傍に位置する他の無線通信装置である周辺装置の負荷である周辺負荷を表す周辺負荷情報と、を取得する負荷情報取得手段と、
前記取得された装置負荷情報及び周辺負荷情報に基づいて、前記無線通信端末が帰属する前記無線通信装置である帰属先装置を変更する帰属先装置変更手段と、
を備える無線通信システム。
【0159】
これによれば、無線通信端末に対して、無線通信装置の負荷に応じた適切な帰属先装置を設定することができる。これにより、例えば、無線通信装置の負荷が過大となることを防止することができる。また、例えば、無線通信装置の状態がスリープ状態に設定される時間が長くなる可能性を高めることができる。この結果、無線通信装置が消費する電力の量を低減することができる。
【0160】
(付記2)
付記1に記載の無線通信システムであって、
前記複数の無線通信装置のそれぞれは、
当該無線通信装置の状態を前記起動状態に変更可能な無線通信端末を識別するための端末識別情報を記憶するように構成され、
当該無線通信装置の状態が前記スリープ状態である場合において、前記記憶されている端末識別情報を含む前記起動信号を受信したとき、当該無線通信装置の状態を前記起動状態へ変更するように構成され、
前記複数の無線通信端末のそれぞれは、
当該無線通信端末を識別するための端末識別情報を含む前記起動信号を送信するように構成され、
前記帰属先装置変更手段は、
前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置が記憶している端末識別情報を、当該無線通信装置が前記帰属先装置である無線通信端末を識別するための端末識別情報に更新するように構成された無線通信システム。
【0161】
これによれば、無線通信端末が起動信号を送信する時点にて、変更後の帰属先装置の状態を起動状態に設定することができる。これにより、無線通信装置の状態が無駄に起動状態に設定されることを回避することができる。また、無線通信端末が記憶している情報を変更することなく、帰属先装置を変更することができる。従って、帰属先装置を容易に変更することができる。
【0162】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の無線通信システムであって、
前記帰属先装置変更手段は、
前記無線通信装置に対して取得された装置負荷情報が表す装置負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きく、且つ、当該無線通信装置に対して取得された周辺負荷情報が表す周辺負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さい場合、当該無線通信装置に帰属している無線通信端末の少なくとも一部の帰属先装置を、当該無線通信装置に対する周辺装置へ変更するように構成された無線通信システム。
【0163】
これによれば、無線通信装置の負荷が過大となることを回避することができる。従って、無線通信装置と無線通信端末との間の無線通信の品質が低下することを防止することができる。
【0164】
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記帰属先装置変更手段は、
前記無線通信装置に対して取得された装置負荷情報が表す装置負荷が、予め設定された第3の閾値負荷よりも小さく、且つ、当該装置負荷が、当該無線通信装置に対して取得された周辺負荷情報が表す周辺負荷よりも小さい場合、当該無線通信装置に帰属している無線通信端末の少なくとも一部の帰属先装置を、当該無線通信装置に対する周辺装置へ変更するように構成された無線通信システム。
【0165】
これによれば、無線通信装置の状態がスリープ状態に設定される時間が長くなる可能性を高めることができる。この結果、無線通信装置が消費する電力の量を低減することができる。
【0166】
(付記5)
付記1乃至付記4のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記帰属先装置変更手段は、
前記無線通信装置に対して取得された装置負荷情報が表す装置負荷が、予め設定された第4の閾値負荷よりも小さく、且つ、当該無線通信装置に対して取得された周辺負荷情報が表す周辺負荷が、予め設定された第5の閾値負荷よりも大きい場合、当該無線通信装置に対する周辺装置に帰属している無線通信端末の少なくとも一部の帰属先装置を、当該無線通信装置へ変更するように構成された無線通信システム。
【0167】
これによれば、周辺装置の負荷が過大となることを回避することができる。従って、周辺装置と無線通信端末との間の無線通信の品質が低下することを防止することができる。
【0168】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記帰属先装置変更手段は、
前記無線通信装置に対して取得された装置負荷情報が表す装置負荷が、予め設定された第6の閾値負荷よりも小さく、且つ、当該装置負荷が、当該無線通信装置に対して取得された周辺負荷情報が表す周辺負荷よりも大きい場合、当該無線通信装置に対する周辺装置に帰属している無線通信端末の少なくとも一部の帰属先装置を、当該無線通信装置へ変更するように構成された無線通信システム。
【0169】
これによれば、周辺装置の状態がスリープ状態に設定される時間が長くなる可能性を高めることができる。この結果、周辺装置が消費する電力の量を低減することができる。
【0170】
(付記7)
付記1乃至付記6のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記周辺負荷は、前記周辺装置のそれぞれの負荷を平均した値である無線通信システム。
【0171】
(付記8)
付記1乃至付記7のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記負荷は、単位時間あたりの、前記無線通信装置の状態が前記起動状態に設定されている時間である稼働率、及び、単位時間あたりの、前記無線通信装置が無線通信を行っている時間であるチャネル利用率、の少なくとも1つを含む無線通信システム。
【0172】
(付記9)
付記1乃至付記8のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記帰属先装置変更手段は、
前記周辺装置のうちの、単位時間あたりの、当該周辺装置の状態が前記起動状態に設定されている時間から、当該周辺装置が無線通信を行っている時間を減じた時間である稼働時チャネル可用率が最高である周辺装置を前記変更後の帰属先装置として決定するように構成された無線通信システム。
【0173】
これによれば、変更後の帰属先装置の状態が起動状態に設定される時間が長くなる可能性を低減することができる。
【0174】
(付記10)
付記1乃至付記8のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記帰属先装置変更手段は、
前記周辺装置のうちの、単位時間あたりの、当該周辺装置が無線通信を行っている時間であるチャネル利用率が最高である周辺装置を前記変更後の帰属先装置として決定するように構成された無線通信システム。
【0175】
これによれば、無線通信装置の状態がスリープ状態に設定される時間が長くなる可能性を高めることができる。
【0176】
(付記11)
付記1乃至付記10のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記帰属先装置変更手段は、
前記変更後の帰属先装置を決定し、当該決定された帰属先装置が、当該変更後において、単位時間あたりに無線通信を行う時間であるチャネル利用率を推定し、当該推定されたチャネル利用率が1よりも大きい場合、当該変更を行わないように構成された無線通信システム。
【0177】
これによれば、変更後の帰属先装置のチャネル利用率が過大となることを回避することができる。
【0178】
(付記12)
付記1乃至付記11のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記帰属先装置変更手段は、1つの無線通信装置に帰属している無線通信端末の一部の無線通信端末に対して、前記帰属先装置を変更するように構成された無線通信システム。
【0179】
これによれば、帰属先装置が変更される無線通信端末の数が過大となることを回避することができる。
【0180】
(付記13)
複数の無線通信端末と、当該無線通信端末と無線通信を実行可能に構成された複数の無線通信装置と、を備える無線通信システムに適用される無線通信方法であって、
前記複数の無線通信装置のそれぞれは、
当該無線通信装置に帰属している無線通信端末との間の無線通信を許可するように構成され、
前記無線通信端末と、予め定められた第1の通信方式に従って任意のデータを無線通信可能な状態である起動状態と、無線信号を受信するために必要とされる電力が前記第1の通信方式よりも小さい第2の通信方式に従って起動信号を受信可能であり且つ前記無線通信端末と当該第1の通信方式に従った無線通信を実行不能な状態であるスリープ状態と、のいずれかに当該無線通信装置の状態を設定するように構成され、
前記無線通信方法は、
前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置の負荷である装置負荷を表す装置負荷情報と、当該無線通信装置の近傍に位置する他の無線通信装置である周辺装置の負荷である周辺負荷を表す周辺負荷情報と、を取得し、
前記取得された装置負荷情報及び周辺負荷情報に基づいて、前記無線通信端末が帰属する前記無線通信装置である帰属先装置を変更する、無線通信方法。
【0181】
(付記14)
付記13に記載の無線通信方法であって、
前記複数の無線通信装置のそれぞれは、
当該無線通信装置の状態を前記起動状態に変更可能な無線通信端末を識別するための端末識別情報を記憶するように構成され、
当該無線通信装置の状態が前記スリープ状態である場合において、前記記憶されている端末識別情報を含む前記起動信号を受信したとき、当該無線通信装置の状態を前記起動状態へ変更するように構成され、
前記複数の無線通信端末のそれぞれは、
当該無線通信端末を識別するための端末識別情報を含む前記起動信号を送信するように構成され、
前記無線通信方法は、
前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置が記憶している端末識別情報を、当該無線通信装置が前記帰属先装置である無線通信端末を識別するための端末識別情報に更新する、無線通信方法。
【0182】
(付記15)
無線通信端末と無線通信を実行可能に構成された無線通信装置であって、
当該無線通信装置である自装置に帰属している無線通信端末との間の無線通信を許可するように構成され、
前記無線通信端末と、予め定められた第1の通信方式に従って任意のデータを無線通信可能な状態である起動状態と、無線信号を受信するために必要とされる電力が前記第1の通信方式よりも小さい第2の通信方式に従って起動信号を受信可能であり且つ前記無線通信端末と当該第1の通信方式に従った無線通信を実行不能な状態であるスリープ状態と、のいずれかに前記自装置の状態を設定するように構成され、
前記自装置の負荷である装置負荷を表す装置負荷情報と、当該自装置の近傍に位置する他の無線通信装置である周辺装置の負荷である周辺負荷を表す周辺負荷情報と、を取得する負荷情報取得手段と、
前記取得された装置負荷情報及び周辺負荷情報に基づいて、前記無線通信端末が帰属する無線通信装置である帰属先装置を変更する帰属先装置変更手段と、
を備える無線通信装置。
【0183】
(付記16)
付記15に記載の無線通信装置であって、
前記自装置の状態を前記起動状態に変更可能な無線通信端末を識別するための端末識別情報を記憶するように構成され、
前記自装置の状態が前記スリープ状態である場合において、前記記憶されている端末識別情報を含む前記起動信号を受信したとき、当該自装置の状態を前記起動状態へ変更するように構成され、
前記帰属先装置変更手段は、
前記記憶している端末識別情報を、前記自装置が前記帰属先装置である無線通信端末を識別するための端末識別情報に更新するように構成された無線通信装置。
【0184】
(付記17)
無線通信端末と無線通信を実行可能に構成された無線通信装置に適用される無線通信装置制御方法であって、
前記無線通信装置は、
当該無線通信装置である自装置に帰属している無線通信端末との間の無線通信を許可するように構成され、
前記無線通信端末と、予め定められた第1の通信方式に従って任意のデータを無線通信可能な状態である起動状態と、無線信号を受信するために必要とされる電力が前記第1の通信方式よりも小さい第2の通信方式に従って起動信号を受信可能であり且つ前記無線通信端末と当該第1の通信方式に従った無線通信を実行不能な状態であるスリープ状態と、のいずれかに前記自装置の状態を設定するように構成され、
前記無線通信装置制御方法は、
前記自装置の負荷である装置負荷を表す装置負荷情報と、当該自装置の近傍に位置する他の無線通信装置である周辺装置の負荷である周辺負荷を表す周辺負荷情報と、を取得し、
前記取得された装置負荷情報及び周辺負荷情報に基づいて、前記無線通信端末が帰属する無線通信装置である帰属先装置を変更する、無線通信装置制御方法。
【0185】
(付記18)
付記17に記載の無線通信装置制御方法であって、
前記無線通信装置は、
前記自装置の状態を前記起動状態に変更可能な無線通信端末を識別するための端末識別情報を記憶するように構成され、
前記自装置の状態が前記スリープ状態である場合において、前記記憶されている端末識別情報を含む前記起動信号を受信したとき、当該自装置の状態を前記起動状態へ変更するように構成され、
前記無線通信装置制御方法は、
前記記憶している端末識別情報を、前記自装置が前記帰属先装置である無線通信端末を識別するための端末識別情報に更新する、無線通信装置制御方法。
【0186】
(付記19)
無線通信端末と無線通信を実行可能に構成された無線通信装置に実行される無線通信装置制御プログラムであって、
前記無線通信装置は、
当該無線通信装置である自装置に帰属している無線通信端末との間の無線通信を許可するように構成され、
前記無線通信端末と、予め定められた第1の通信方式に従って任意のデータを無線通信可能な状態である起動状態と、無線信号を受信するために必要とされる電力が前記第1の通信方式よりも小さい第2の通信方式に従って起動信号を受信可能であり且つ前記無線通信端末と当該第1の通信方式に従った無線通信を実行不能な状態であるスリープ状態と、のいずれかに前記自装置の状態を設定するように構成され、
前記無線通信装置制御プログラムは、前記無線通信装置に、
前記自装置の負荷である装置負荷を表す装置負荷情報と、当該自装置の近傍に位置する他の無線通信装置である周辺装置の負荷である周辺負荷を表す周辺負荷情報と、を取得し、
前記取得された装置負荷情報及び周辺負荷情報に基づいて、前記無線通信端末が帰属する無線通信装置である帰属先装置を変更する、処理を実行させるための無線通信装置制御プログラム。
【0187】
(付記20)
付記19に記載の無線通信装置制御プログラムであって、
前記無線通信装置は、
前記自装置の状態を前記起動状態に変更可能な無線通信端末を識別するための端末識別情報を記憶するように構成され、
前記自装置の状態が前記スリープ状態である場合において、前記記憶されている端末識別情報を含む前記起動信号を受信したとき、当該自装置の状態を前記起動状態へ変更するように構成され、
前記無線通信装置制御プログラムは、前記無線通信装置に、
前記記憶している端末識別情報を、前記自装置が前記帰属先装置である無線通信端末を識別するための端末識別情報に更新する、処理を実行させるように構成された無線通信装置制御プログラム。