特許第5989618号(P5989618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989618
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】ネットワーク間干渉の緩和
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/14 20090101AFI20160825BHJP
   H04W 84/20 20090101ALI20160825BHJP
【FI】
   H04W16/14
   H04W84/20
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-190521(P2013-190521)
(22)【出願日】2013年9月13日
(62)【分割の表示】特願2010-549941(P2010-549941)の分割
【原出願日】2009年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-30232(P2014-30232A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2013年9月18日
【審判番号】不服2015-12688(P2015-12688/J1)
【審判請求日】2015年7月3日
(31)【優先権主張番号】61/035,480
(32)【優先日】2008年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/215,157
(32)【優先日】2008年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コルデイロ、カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ゴパラクリシュナン、プラヴィーン
(72)【発明者】
【氏名】リ、グオキン
【合議体】
【審判長】 佐藤 智康
【審判官】 山本 章裕
【審判官】 吉田 隆之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−219459(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/117473パンフレット(WO,A1)
【文献】 特開2001−339342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無線ネットワークで動作する第1通信デバイスによって、第2無線ネットワークから前記第1通信デバイスへの干渉を検知する段階と、
前記第1通信デバイスから前記第1無線ネットワークのコントロールデバイスに、前記干渉の発生時刻前記干渉を引き起こすデバイスの識別情報及び前記第1通信デバイスの今後の受信スケジュールを含む前記干渉の通知を送信する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記干渉は、前記第1無線ネットワークのスケジュールされた受信時間中に検出された干渉である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1無線ネットワーク及び前記第2無線ネットワークは少なくとも部分的に重複している、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記通知は、(i)ビットエラーレート、(ii)フレームエラーレート、(iii)信号/ノイズ比及び(iv)前記干渉の受信電力の少なくともいずれかをさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第1無線ネットワークで動作する第1通信デバイス
を備え、
前記第1通信デバイスは、前記第1無線ネットワークにおける第2無線ネットワークからの干渉を検知し、前記干渉の発生時刻前記干渉を引き起こすデバイスの識別情報及び前記第1通信デバイスの今後の受信スケジュールを含む前記干渉の通知を前記第1無線ネットワークのコントロールデバイスに無線送信する、装置。
【請求項6】
前記第1通信デバイスは、スケジュールされた受信時間中に前記干渉を検出する、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1無線ネットワーク及び前記第2無線ネットワークは少なくとも部分的に重複している、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
第1無線ネットワークのコントロールデバイスによって、前記第1無線ネットワークで動作するモバイルデバイスから、第2無線ネットワークからの前記モバイルデバイスへの干渉の通知を受信する段階と、
前記第1無線ネットワークの前記コントロールデバイスから、前記第2無線ネットワークのコントロールデバイスに前記干渉の通知を送信する段階と
前記第1無線ネットワークの前記コントロールデバイスによって、前記干渉に基づいて、前記第2無線ネットワークの前記コントロールデバイスとネットワークスケジュールを調整する段階と
を備え、
前記干渉の通知は、前記干渉を引き起こすデバイスの識別情報を含む、方法。
【請求項9】
前記干渉の通知は、前記モバイルデバイスの今後の受信スケジュールを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記干渉の通知は、前記干渉の発生時刻を含む、請求項又はに記載の方法。
【請求項11】
前記第1無線ネットワーク及び前記第2無線ネットワークは少なくとも部分的に重複している、請求項から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
第1無線ネットワークで動作する第1ネットワークコントロールデバイス
を備え、
前記第1ネットワークコントロールデバイスは、前記第1無線ネットワークで動作するモバイルデバイスから、第2無線ネットワークから前記モバイルデバイスへの干渉の通知を受信し、前記第2無線ネットワークの第2ネットワークコントロールデバイスに前記干渉を通知し、前記干渉に基づいて、前記第2ネットワークコントロールデバイスとネットワークスケジュールを調整し、
前記干渉の通知は、前記干渉を引き起こすデバイスの識別情報を含む、装置。
【請求項13】
前記干渉の通知は、前記干渉の発生時刻を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記干渉の通知は、前記モバイルデバイスの今後の受信スケジュールを含む請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1ネットワークコントロールデバイスは、前記干渉に基づいて前記第1無線ネットワークのスケジュールを調整する、請求項12から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記調整は、前記第2ネットワークコントロールデバイスとは独立して実行される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1無線ネットワーク及び前記第2無線ネットワークは少なくとも部分的に重複している、請求項12から16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
コンピュータに、
第1無線ネットワークで動作する第1通信デバイスによって、第2無線ネットワークから前記第1通信デバイスへの干渉を検出する段階と、
前記第1通信デバイスによって、前記第1通信デバイスから前記第1無線ネットワークのコントロールデバイスへ、前記干渉の発生時刻前記干渉を引き起こすデバイスの識別情報及び前記第1通信デバイスの今後の受信スケジュールを含む干渉の通知を送信する段階と
を実行させるためのプログラム。
【請求項19】
コンピュータに、
第1無線ネットワークのコントロールデバイスによって、第1無線ネットワークで動作するモバイルデバイスから、第2無線ネットワークから前記モバイルデバイスへの干渉を示し、前記干渉を引き起こすデバイスの識別情報を含む干渉の通知を受信する段階と、
前記第1無線ネットワークの前記コントロールデバイスによって、前記第1無線ネットワークの前記コントロールデバイスから、前記第2無線ネットワークのコントロールデバイスへ前記干渉の通知を送信する段階と
前記第1無線ネットワークの前記コントロールデバイスによって、前記干渉に基づいて、前記第2無線ネットワークの前記コントロールデバイスとネットワークスケジュールを調整する段階と
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
相互に関係する複数のデバイスを有し、デバイスの1つがピコネットネットワークコントローラ(PNC)となってネットワーク内の通信のほとんどをスケジューリングする小規模な無線ネットワークは、ピコネットと呼ばれることが多い。多数のピコネットが比較的狭い領域に形成される高密度なネットワーク環境下では、隣接するピコネットの物理的な範囲が重複し、異なるピコネットのデバイス間の干渉が引き起こされる場合がある。典型的なPNCは、ネットワーク内の各デバイスについて、各スーパーフレーム中に通信するタイムスロットを確立する。デバイスは複数(時には多数)のスーパーフレームにおいて同一のタイムスロットで通信し続けてよい。故に、ネットワーク間に干渉が発生すると、長期間にわたり各スーパーフレームで干渉が繰り返される場合がある。しかしながら、一旦干渉が発生するとこれを想定することは容易であるが、干渉を緩和するべく異なるピコネットのスケジュールを調整することが難しい場合がある。従来のシステムでは、(1)複数のPNCが直接通信可能、つまり相互のスケジュールを認識している場合には、他のネットワークがアクティブな間に少なくとも1つのPNCが自己のネットワークアイドル期間をスケジューリングすることによりネットワーク間の干渉の発生を防ぐか、(2)複数のPNCが直接通信可能でない場合には、相互に直接通信可能な程度に近いデバイスへPNC機能を再割り当てした後に方法(1)を利用するしかなかった。これらの手法は常に効果的または実現可能であるとは限らない。ネットワークアイドル期間をスケジューリングすると、全体のネットワーク帯域幅を大幅に低減する。PNC機能の再割り当ては、かなり複雑かつ時間のかかるプロセスである。さらに、PNC機能をピコネットの片側に再割り当てすると、隣接する別のピコネットのPNCの範囲から外れてしまい、問題が解決されずに別のピコネットに移動したに過ぎない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本発明の一部の実施形態は、以下の詳細な説明および本発明の実施形態の図示に用いられる添付の図面を参照することにより理解され得る。図面は次の通りである。
【0003】
図1】ネットワーク間に干渉が発生している2つの重複するネットワークのネットワーク図を示す。
図2】本発明のある実施形態による、図1の干渉の緩和を試みるネットワーク図を示す。
図3】本発明のある実施形態による、図2のネットワーク図に関連した方法のフロー図を示す。
図4図2に示す本発明の実施形態とは異なる実施形態による、図1の干渉の緩和を試みる別のネットワーク図を示す。
図5】本発明のある実施形態による、図4のネットワーク図に関連した方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下の説明では、様々な具体的な詳細を示す。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの具体的な詳細を用いることなく実施可能であることが理解されるべきである。また別の場合には、説明の理解を不明瞭にすることを防ぐべく、周知の回路、構造および技術については詳述しない。
【0005】
「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」、「様々な実施形態」等は、説明された本発明の1つまたは複数の実施形態が特定の機能、構造または特性を含んでよいことを示すが、必ずしも全ての実施形態が特定の機能、構造または特性を含むわけではないことを示す。さらに、一部の実施形態は別の実施形態で説明された機能の一部または全てを含んでよく、また全く含まなくてもよい。
【0006】
以下の説明と特許請求の範囲では、「結合した」、「接続した」およびこれらの類似の用語が用いられる場合がある。これらの用語は互いに類義語であることが意図されていないことが理解されるべきである。正確には、特定の実施形態において「接続した」は、2つ以上の要素が互いに物理的または電気的に直接接していることを示すために用いられる。「結合した」は、2つ以上の要素が相互に動作または作用するが、これらは物理的または電気的に直接接している場合と、接していない場合があることを示すために用いられる。
【0007】
特許請求の範囲で用いられているように、特に規定のない限り、共通の要素を示す「第1の」、「第2の」、「第3の」等の序数詞の使用は、単に異なる場合に類似の要素が参照されていることを示すに過ぎず、説明された要素が時間的、空間的、順位的またはあらゆる方法において特定の順序でなくてはならない事を暗示することを意図していない。
【0008】
本発明の様々な実施形態は、ハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアの1つまたはあらゆる組み合わせで実装可能である。本発明は、1つ以上のプロセッサによって実行され、ここに説明する動作の実行を可能にする機械可読媒体内または機械可読媒体上に含まれる命令としても実装可能である。機械可読媒体は、コンピュータなどの機械によって読み取り可能な形式で情報を格納、送信および/または受信するあらゆるメカニズムを含んでよい。例えば機械可読媒体は、これらに限定されないが、ROM、RAM、磁気ディスク格納媒体、光格納媒体、フラッシュメモリデバイス等の有体の格納媒体を含んでよい。また機械可読媒体は、これらに限定されないが、電磁信号、光信号または音声搬送波信号等の命令を符号化するために変調された伝播信号を含んでよい。
【0009】
用語「無線」およびその派生語は、変調された電磁放射を用いることにより非固体の媒体を介してデータを通信する回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネル等の説明に用いられてよい。当該用語は関連付けられたデバイスが無線であることを意味しないが、一部の実施形態ではその場合もある。用語「モバイル」無線デバイスとは、通信中に移動可能な無線デバイスの説明に用いられる。
【0010】
本文書の説明は概して、ピコネットとして知られる無線通信ネットワークに関して記述する。しかしながら、説明する趣旨および技術が他の種類のネットワークで用いられてもよい。特に規定のない限り、本発明の様々な実施形態はピコネットに限定されるものではない。
【0011】
本発明の様々な実施形態では、2つの重複するネットワーク間の干渉を検知するために非コントローラネットワークデバイスを用いる。その後、ネットワーク間でスケジューリング情報が通信され、干渉を回避するべく少なくとも1つのネットワークでスケジュール調整が採用される。1つの実施形態では、干渉を検知したデバイスが、自己のスケジュール済みの通信に関するスケジューリング情報をブロードキャストする。近傍のネットワークのデバイスは当該ブロードキャストを受信し、自己のコントローラへ当該情報を転送する。その後、当該コントローラは自己のネットワークスケジュールを変更し、干渉を回避する。当該技術は、2つのコントローラ間の通信を必要としない。別の実施形態では、干渉を検知したデバイスが、自己のコントローラに干渉を通知し、当該コントローラが近傍のコントローラと通信して、干渉の発生しないスケジューリングを調整する。当該技術では、2つのコントローラが相互通信することが必要である。いずれの実施形態においても、コントローラの機能を別のデバイスに再割り当てすることが必要であり、これは煩雑で時間のかかる作業となり得る。
【0012】
図1はネットワーク間に干渉が発生している2つの重複するネットワークのネットワーク図を示す。ネットワークAは、ピコネットコントローラPNC−Aと、PNC−Aに登録されその通信が実質的にPNC−Aによってスケジュールされ得る、3つの関連付けられたネットワークデバイスA−1、A−2およびA−3とを備える。ネットワークBは、ピコネットコントローラPNC−Bと、PNC−Bに登録されその通信が実質的にPNC−Bによってスケジュールされ得る、3つの関連付けられたネットワークデバイスB−1、B−2およびB−3とを備える。各ネットワークの各デバイスは、少なくとも1つ(指向性通信では複数)のアンテナを有してよい。特に規定のない限り必須ではないが、各ネットワークの一部またはすべてのデバイスは電池で動作するモバイルデバイスであってよい。図示したネットワーク構成において、コントローラPNC−Bの範囲下にもあるデバイスA−1は、PNC−AおよびPNC−Bの両方からの信号を受信可能であるが、典型的にはPNC−Bからの信号を無視する。同様に、PNC−Aの範囲の端にあるデバイスB−2は、PNC−Aからの信号を受信および復号できる可能性があるが、通常これらの信号を無視する。
【0013】
ピコネットのような一部の種類のネットワークでは、周波数の重複が想定されていることから、他のデバイスからまたは他のデバイスへの潜在的な干渉を低減するためにネットワーク内のデバイス間の通信は指向性であってよい。複数のアンテナが共存するデバイスは、各アンテナからわずかに異なる信号を送信し、特定の方向へは比較的強い信号、別の方向へは比較的弱い信号となるように組み合わせ、効果的に指向性を持つ送信を行なうことが可能である。同様に、各アンテナからの信号のうち、特定の方向から信号を分離しつつ、別の方向からの信号を最小化する等、特定の方法で信号を処理することにより、受信にも指向性を持たせることができる。特定の2つのデバイス間の通信を介して、当該処理の特定のパラメータを判断することにより、送信および受信の両方を特定の方向に集中させることが可能である。これは一般的にアンテナトレーニングと呼ばれており、様々なアンテナトレーニングが知られている。アンテナトレーニングは、説明する本発明の実施形態の新規性の一部ではないことからここでは詳述しない。
【0014】
図示した具体例では、しずく形の送信エンベロープが示すように、ネットワークBでデバイスB−2がデバイスB−1へ指向性送信を行なっている。同時に、ネットワークAではデバイスA−2がデバイスA−1へ指向性送信を行なっている。しかしながら、デバイスA−1、A−2、B−1およびB−2の相対的な位置が原因となり、デバイスB−1はデバイスA−2およびB−2からの信号を同時に受信する場合がある。A−2およびB−2が同一または類似の周波数で送信している場合、A−2からB−1が受信する信号が、B−2からB−1が受信する信号に干渉する場合がある。例えば繰り返されるスーパーフレーム内の同一のタイムスロット等の一定の間隔で、A−1/A−2の通信およびB−1/B−2の通信が繰り返された場合、干渉が長期間にわたって繰り返し、B−2からB−1への通信を困難にする場合がある。これらの通信のうちのいずれかのタイムスロットを変更することにより問題が解決することもあるが、従来のシステムでは、相互のネットワークスケジュールを把握していないコントローラによってタイムスロットが決定されている場合がある。
【0015】
図2は本発明のある実施形態による、図1の干渉の緩和を試みるネットワーク図を示す。図3は本発明のある実施形態による、図2のネットワーク図に関連した方法のフロー図300を示す。以下の説明では図2および図3の両方を参照する。この実施形態では、ステップ310で隣接するネットワークからの干渉があることをB−1が判断し、ステップ320でB−1が干渉に関する情報を含む報告をブロードキャストしてよい。ここでの用語「ブロードキャスト」は、送信が特定のデバイスに向けられたものではなく、これが受信可能なあらゆるデバイスによって受信および処理されることを意図していることを示す。ここでの用語「報告」は、伝達を意図された情報を報告するに適したあらゆる形式を含んでよい。例では、しずく形の送信エンベロープで示したように送信が指向性送信であるが、他の実施形態では全方向性送信等の他の技術を用いてもよい。当該ブロードキャストは、ネットワークA内のデバイスによって受信されることを意図しており、例示的な実施形態では、推定された干渉の発生源に向かって送信を行なっている。
【0016】
一部の実施形態では、当該送信の内容は、干渉についての情報を報告するように設計された形式であってよい。例えば、これらに限定されないが、形式は、(1)当該送信が干渉に関する情報を含むことを示すフィールド、(2)送信デバイスの識別情報、(3)干渉デバイスの識別情報(既知の場合)、(4)干渉発生時刻、(5)ビットエラーレート、フレームエラーレート、信号/ノイズ比、干渉信号の受信電力等の信号パラメータ、(6)ピコネットの識別情報、(7)その他等を含んでよい。また、当該干渉報告には、他のネットワークのPNCが自己のネットワークスケジュールを再調整して将来の干渉を回避することを期待して、干渉を受けたデバイス(例えばB−1)の今後の受信スケジュールが含まれてよい。多くのネットワークでは、2つのネットワークコントローラのスケジュールが同期化されないことから、ネットワークBのスーパーフレーム内の干渉のタイミング(および同様にネットワークBのスーパーフレーム内のネットワークスケジュール)を示すのみでは、PNC−Aにとって不十分な場合がある。したがって、あるネットワークのデバイスについてのタイミング情報が別のネットワークにとって意味を持つようなタイミングに変換されることを実現するべく、他の情報も直接または間接的に伝達されてよい。例えば、B−1からの送信は、送信の特定の時点(例えば、ヘッダの開始時、データの終了時等、その他の時点が用いられてもよい)から計測された、ネットワークBの次のスーパーフレームが開始する時間(例えば、時間オフセット)についての情報を含んでよい。その後、送信デバイスの次のスーパーフレーム開始時間を判断するために、送信の記録された受信時間に当該情報が追加され、2つのネットワークのスーパーフレーム間のタイミングの変換を可能にしてよい。送信デバイスと受信デバイスとは互いに近傍にあることから、送信信号の通過時間は実質的には一瞬であり、計算では無視されてよい。
【0017】
図2および図3の例では、ステップ330で、A−2が干渉の通知およびデバイスB−1の今後のスケジュールを受信してよく、その後ステップ350で、ネットワークA内で許容されるあらゆる実現可能な通信形式を介し、情報がPNC−Aへ転送されてよい。ステップ370でPCN−Aが報告を受信して情報を検討した後、ステップ380でPCN−Aは、報告されたネットワークタイミングを自己のネットワークタイミングへと上述の通りに変換し、ステップ390でPCN−Aは、デバイスA−2からデバイスA−1への今後の送信のタイミングを再スケジュールし、ネットワークBのスーパーフレーム内における干渉時間期間を回避してよい。一部の実施形態では、デバイスA−1以外のデバイスがデバイスB−1への干渉を引き起こしていることが見受けられないことから、デバイスA−2からこれらのデバイスへの送信のタイミングは、当該処理によって変化しなくてもよい。デバイスA−1以外のデバイスがネットワークB内の他のデバイスへの干渉を引き起こした場合、これらのデバイスも図2の処理全体を行うことで情報をPNC−Aへ報告してよい。
【0018】
B−1からのブロードキャストが指向性送信であっても、A−2以外のデバイスによって受信される可能性はある。例えば、デバイスB−2も受信する場合がある。しかしながら、B−2はB−1と同じネットワーク内にあり、別のネットワーク向けの干渉報告であることは送信の形式が示すことから、B−2は単に当該報告を無視することができる。デバイスB−2ではなくA−2の動作を示す図3では、自己のネットワークから送信された報告を破棄する当該選択肢をステップ340およびステップ360に示すが、同様の選択肢はネットワーク全体のあらゆる非PNCデバイスによって採用されてよい。
【0019】
別の可能性としては、ネットワークAの別のデバイスも送信を受信することがある。例えば、メッセージを受信可能な程度にA−1がデバイスA−1がデバイスB−1の送信エンベロープの近傍にある場合がある。この場合、ステップ330、340および350を行なうことでデバイスA−1もPNC−Aへ情報を報告してよい。PNC−AはデバイスA−2からの報告を処理しつつ、デバイスA−1からの冗長の報告を単に無視することができる。
【0020】
ネットワークAおよびネットワークBのスーパーフレームのタイミングが初めから同期していないことから、デバイスB−1には、送信がいつネットワークAのデバイスによって正しく受信されるのかが不明である。例えば、デバイスB−1からの干渉報告は、デバイスA−2がデバイスA−3へ送信した際に送信される場合がある。このため、デバイスA−2はデバイスB−1からの送信を検知/復号化することができない。このような不確実さに起因して、デバイスB−1からの干渉報告は、正しく受信されるまで何度も、さらにはスーパーフレームの異なる位置から再送信される必要がある場合がある。一部の実施形態では、デバイスB−1からの干渉報告の受信に成功した場合に、デバイスA−2がデバイスB−1へ確認メッセージ(ACK)を送信してよい。ネットワーク間のフィードバックの有効な形式が存在しない別の実施形態では、B−1は干渉報告が正しく受信されたことを完全に知るすべがなく、干渉が停止した場合にこれを推察するしかない。
【0021】
図4図2に示す本発明の実施形態とは異なる実施形態による、図1の干渉の緩和を試みる別のネットワーク図を示す。図5は本発明のある実施形態による、図4のネットワーク図に関連した方法のフロー図500を示す。以下の説明では図4および図5の両方を参照する。上記と同様に、ステップ510で、デバイスB−1が自己のネットワーク内のデバイスからの送信の受信を試みる際に干渉を検知してよい。その後、ステップ520で、自己のネットワークコントローラPNC−Bへ干渉報告を送信してよい。当該送信は、ブロードキャストではなくPNC−B向けのユニキャスト送信であってよい。
【0022】
送信はこのような干渉をPNC−Bへ報告するために特別に設計された形式であってよいが、当該形式は図2および図3について説明した形式とは異なってもよい。例えば、デバイスB−1の今後の通信スケジュールは既にPNC−Bに知られていることから、当該形式にはこうした情報が含まれない場合がある。しかしながら、これらに限定されないが、形式は、(1)当該送信が干渉に関する情報を含むことを示すフィールド、(2)送信デバイスの識別情報、(3)干渉デバイスの識別情報(既知の場合)、(4)干渉発生時刻、(5)ビットエラーレート、フレームエラーレート、信号/ノイズ比、干渉信号の受信電力等の信号パラメータ、(6)その他等、図2および図3の例における情報に類似のその他の情報を含んでもよい。
【0023】
ステップ530で当該報告を受信すると、PNC−Bはステップ540でPNC−Aとの通信リンクを確立してよい。ステップ550ではその後、2つのPNCがそれぞれのネットワークスケジュールに関する情報を交換し、一方また両方のPNCがネットワークスケジュールの一部を再調整して報告された干渉を回避してよい。上述のように、2つのネットワークのスーパーフレームのタイミングは同期していない場合があることから、2つのネットワーク間でスーパーフレームのタイミングを変換可能とするべく、2つのPNCによる共通のタイミング基準が確立される必要がある。複数のネットワークのデバイスが指向性送信を用いる場合、図1に示した特定の干渉の例では、再スケジューリングについてはB−2からB−1への送信およびA−2からA−1への送信のみを考慮するだけでよい。
【0024】
図2および図3の実施形態、ならびに図4および図5の実施形態の両方において、干渉を検知したネットワークデバイスが干渉を報告しているが、報告の方法は各実施形態によって異なる。第1の方法では、干渉を検知したデバイスの予定されたスケジュールと共に干渉の通知が、干渉するネットワークの方向へブロードキャストされる。当該通知は干渉するネットワーク内のデバイスによって受信され、干渉するネットワークのネットワークコントローラへ転送される。当該ネットワークコントローラはその後、自己のネットワークスケジュールを変更して干渉を引き起こすことを回避してよい。第2の方法では、干渉を検知したデバイスに関連付けられたネットワークコントローラへ干渉が報告され、当該ネットワークコントローラはその後、他のネットワークコントローラに連絡して干渉の発生しないスケジュールの調整を交渉する。第1の方法は、2つのネットワークコントローラが相互に通信可能である必要がなく、互いの範囲外に存在する場合でも実現可能である点において優れている。一方で第1の方法では、1つのPNCのみがそのネットワークスケジュールを調整可能であることから、干渉のないスケジュールを作成できる可能性が若干低くなる点が不利である。
【0025】
以上の説明は例示を目的としており、限定することを意図していない。当業者であれば変更例に想到するであろう。このような変更例は本発明の様々な実施形態に含まれることを意図しており、本発明は以下の特許請求の範囲の趣旨および範囲によってのみ限定される。
[項目1]
第1無線ネットワークで動作する第1通信デバイス
を備え、
前記第1通信デバイスは、前記第1無線ネットワークのスケジュールされた受信時間中に第2無線ネットワークからの干渉を検知し、前記干渉の通知を送信する装置。
[項目2]
前記第1通信デバイスは、前記第1無線ネットワークのコントローラに前記通知を送信する項目1に記載の装置。
[項目3]
前記通知は、前記干渉の時刻および前記干渉を引き起こすデバイスの識別情報のうち少なくとも1つを含む項目2に記載の装置。
[項目4]
前記通知は、前記第1通信デバイスによる通信のスケジュールのブロードキャストを含む項目1に記載の装置。
[項目5]
前記第1通信デバイスに結合された少なくとも1つのアンテナをさらに備える項目1に記載の装置。
[項目6]
前記第1無線ネットワークは、ピコネットを含む項目1に記載の装置。
[項目7]
第1無線ネットワーク内で動作する第1ネットワークコントローラ
を備え、
前記第1ネットワークコントローラは、第2無線ネットワークから第1モバイルデバイスへの干渉の通知を前記第1無線ネットワーク内の前記第1モバイルデバイスから受信し、前記第2無線ネットワークの第2ネットワークコントローラに前記干渉を通知し、前記第2ネットワークコントローラとネットワークスケジュールを調整して前記干渉を回避する装置。
[項目8]
前記第2ネットワークコントローラへの前記通知は、前記干渉の時刻インジケータおよび前記第2無線ネットワーク内の干渉デバイスの識別情報のうち少なくとも1つの提供を有する項目7に記載の装置。
[項目9]
前記第1無線ネットワークおよび前記第2無線ネットワークはピコネットである項目7に記載の装置。
[項目10]
第1無線ネットワーク内に第1ネットワークコントローラ
を備え、
前記第1ネットワークコントローラは、第2無線ネットワーク内の第2モバイルデバイスへの前記第1無線ネットワークからの干渉についての通知を前記第1無線ネットワーク内の第1モバイルデバイスから受信し、前記第2モバイルデバイスにより予定された通信のスケジュールを前記第1モバイルデバイスから受信し、前記第1無線ネットワーク内のネットワーク通信のスケジュールを再調整して前記予定された通信との将来の干渉を回避する装置。
[項目11]
前記通知は、前記干渉の時刻インジケータを有する項目10に記載の装置。
[項目12]
前記通知は、前記第2モバイルデバイスの識別情報を有する項目10に記載の装置。
[項目13]
第1無線ネットワークのスケジュールされた受信時間中の第2無線ネットワークから第1デバイスへの干渉を前記第1無線ネットワーク内の前記第1デバイスによって検知する段階と、
前記検知に応答して、前記第1デバイスから前記干渉の通知を送信する段階と
を備える方法。
[項目14]
前記通知を送信する段階は、前記第1無線ネットワーク内のコントローラへ通知を送信する段階を有する項目13に記載の方法。
[項目15]
前記コントローラへ前記通知を送信する段階は、前記コントローラに前記干渉の時刻を通知する段階を含む項目14に記載の方法。
[項目16]
前記通知を送信する段階は、前記第1デバイスによる通信のスケジュールをブロードキャストする段階を有する項目13に記載の方法。
[項目17]
前記スケジュールをブロードキャストする段階は、前記第1デバイスの識別情報をブロードキャストする段階を含む項目16に記載の方法。
[項目18]
第1無線ネットワークの第1デバイスから、第2無線ネットワークから前記第1デバイスへの干渉についての通知を前記第1無線ネットワークの第1コントローラによって受信する段階と、
前記第2無線ネットワークの第2コントローラに前記干渉について通知する段階と、
前記干渉を回避するべく前記第2コントローラとネットワークスケジュールを調整する段階と
を備える方法。
[項目19]
前記通知する段階は、前記干渉の時刻インジケータを提供する段階を有する項目18に記載の方法。
[項目20]
前記通知する段階は、前記第2無線ネットワークの干渉デバイスの識別情報を有する段階を含む項目19に記載の方法。
[項目21]
第2無線ネットワークの第1モバイルデバイスへの干渉についての通知と、前記第1モバイルデバイスの受信時間のスケジュールとを第1無線ネットワーク内の第1ネットワークコントローラによって受信する段階と、
前記スケジュールされた受信時間中のさらなる干渉の発生を回避するべく、前記第1無線ネットワークのネットワーク通信スケジュールを再調整する段階と
を備える方法。
[項目22]
前記受信する段階は、前記第1無線ネットワークのデバイスから受信する段階を有する項目21に記載の方法。
[項目23]
前記受信する段階は、前記通知および前記スケジュールを前記第1無線ネットワーク内の2つの異なるデバイスから受信する段階を含む項目22に記載の方法。
[項目24]
1つ以上のプロセッサによって実行されると動作を実施する命令を有する有体のコンピュータ可読媒体を備える物品であって、
前記動作は、
第1無線ネットワークのスケジュールされた受信時間中の第2無線ネットワークから第1デバイスへの干渉を前記第1無線ネットワーク内の前記第1デバイスによって検知する段階と、
前記検知する段階に応答して前記第1デバイスから前記干渉の通知を送信する段階と
を備える物品。
[項目25]
前記通知を送信する段階は、前記通知を前記第1無線ネットワーク内のコントローラへ送信する段階を有する項目24に記載の物品。
[項目26]
前記コントローラへ前記通知を送信する段階は、前記コントローラに前記干渉の時刻を通知する段階を含む項目25に記載の物品。
[項目27]
前記通知する段階は、前記第1デバイスによる通信のスケジュールをブロードキャストする段階を有する項目24に記載の物品。
[項目28]
前記スケジュールをブロードキャストする段階は、指向性送信を行なう段階を含む項目27に記載の物品。
[項目29]
1つ以上のプロセッサによって実行されると動作を実施する命令を有する有体のコンピュータ可読媒体を備える物品であって、
前記動作は、
第1無線ネットワークの第1コントローラによって、前記第1無線ネットワークの第1デバイスから、第2無線ネットワークから前記第1デバイスへの干渉についての通知を受信する段階と、
前記第2無線ネットワークの第2コントローラに前記干渉について通知する段階と、
前記干渉を回避するべく前記第2コントローラとネットワークのスケジュールを調整する段階と
を備える物品。
[項目30]
前記通知する段階は、前記干渉の時刻インジケータを送信する段階を有する項目29に記載の物品。
[項目31]
前記通知する段階は、前記第2無線ネットワークの干渉デバイスの識別情報を含む段階を有する項目30に記載の物品。
[項目32]
1つ以上のプロセッサによって実行されると動作を実施する命令を有する有体のコンピュータ可読媒体を備える物品であって、
前記動作は、
第2無線ネットワークの第1モバイルデバイスへの干渉についての通知と、前記第1モバイルデバイスのスケジュールされた受信時間とを第1無線ネットワーク内の第1ネットワークコントローラによって受信する段階と、
前記スケジュールされた受信時間中のさらなる干渉の発生を回避するべく、前記第1無線ネットワークのネットワーク通信スケジュールを再調整する段階と
を備える物品。
[項目33]
前記受信する段階は、前記第1無線ネットワークのデバイスから受信する段階を有する項目32に記載の物品。
[項目34]
前記受信する段階は、前記第1無線ネットワークの2つの異なるデバイスから受信する段階を含む項目33に記載の物品。
図1
図2
図3
図4
図5