【文献】
カラドリウス,[online],2015年 8月19日,掲載日:2013年3月21日,URL,http://www.famitsu.com/news/201303/21030607.html
【文献】
萌え萌え大戦争,[online],2015年 8月19日,掲載日:2012年7月4日,URL,http://www.4gamer.net/games/166/G016680/20120704052/
【文献】
「新・光神話 パルテナの鏡」,週刊ファミ通,株式会社エンターブレイン,2012年 2月 2日,第27巻 第7号,第48−55頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0033】
1.ゲームシステム
図1に本実施形態のゲームシステムの構成例を示す。ゲームシステムは、処理部200、操作部260、撮像部264、記憶部270、表示部290、音出力部292、I/F部294、通信部296を含む。なお本実施形態のゲームシステムの構成は
図1に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0034】
処理部200(プロセッサ)は、操作部260からの操作情報やプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像表示処理、或いは音処理などを行う。処理部200は、記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。この処理部200の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0035】
処理部200は、受信処理部202、送信処理部204、ゲーム処理部206、受け付け処理部208、データリンク処理部210、課金処理部216、表示処理部220、音処理部230を含む。
【0036】
受信処理部202、送信処理部204は、ネットワークを介した情報の受信処理、送信処理を行う。例えばサーバシステムや他の端末装置等の外部装置との情報の受信処理、送信処理を行う。ここで受信処理は、通信部296に情報の受信を指示したり、通信部296が受信した情報を取得して記憶部270に書き込む処理などである。送信処理は、通信部296に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部296に指示する処理などである。表示処理部220は、表示部290に画像を表示するための処理を行う。例えば端末装置側で画像を生成する場合には、表示処理部220は、処理部200で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部290に出力する。サーバシステム側で画像を生成する場合には、サーバシステムからの画像情報に基づく画像を表示部290に表示する処理を行う。音処理部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行う。これにより、楽曲(BGM)、ゲーム音、又は音声などが音出力部292から出力されるようになる。表示部290に表示される画像情報や音出力部292により出力される音情報は、記憶部270の画像情報記憶部272や音情報記憶部273に記憶される。なおゲーム処理部206、受け付け処理部208、データリンク処理部210、課金処理部216の詳細については後述する。
【0037】
操作部260は、プレーヤ(ユーザ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
【0038】
撮像部264(カメラ)は、被写体の撮像を行うものであり、CCDやCMOSセンサなどの画像センサと、フォーカスレンズ等により構成される光学系などにより実現される。
【0039】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(DRAM、VRAM)やHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などにより実現できる。ゲームプログラムや、ゲームプログラムの実行に必要なゲームデータは、この記憶部270に保持される。
【0040】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)やHDDやメモリー(ROM等)などにより実現できる。処理部200は、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0041】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0042】
I/F(インターフェース)部294は、補助記憶装置295(携帯型情報記憶媒体)とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。補助記憶装置295(補助メモリー、2次メモリー)は、記憶部270の容量を補うために使用される記憶装置であり、メモリーカード(SDメモリーカード、マルチメディアカード)、USBメモリーなどにより実現できる。
【0043】
通信部296は、有線や無線のネットワークを介して外部装置(サーバーシステム、他の端末装置等)との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
【0044】
そして本実施形態のゲームシステムには、本実施形態の手法を実現するためのゲーム処理部206、受け付け処理部208、データリンク処理部210、課金処理部216、表示処理部220が設けられる。
【0045】
ゲーム処理部206は、各種のゲーム処理を行う。ここでゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
【0046】
またゲーム処理部206は、操作情報(プレーヤの操作情報)に基づきゲーム空間内を移動する移動体を用いたゲームの処理を行う。移動体は、例えば飛行機(戦闘機)、車、戦車、ロボット、船舶、或いは人等を模したオブジェクトである。3次元ゲームを例にとれば、この移動体のオブジェクトが、ゲーム空間であるオブジェクト空間に配置設定されて、プレーヤの操作情報やコンピュータによる所定のアルゴリズムにしたがって、その移動や動作(モーション)が制御される。
【0047】
具体的には、移動体(キャラクタ)、マップ(地形)、建物、コース(道路)、樹木、壁などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェイスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)が、オブジェクト空間に配置設定される。即ちワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)が決定され、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトが配置される。そしてオブジェクト空間を移動(動作)する移動体の制御が行われる。例えばプレーヤが入力した操作情報や、プログラム(移動アルゴリズム)や、各種データなどに基づいて、移動体をオブジェクト空間内で移動させる制御が行われる。具体的には、移動体の移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)を、1フレーム(例えば1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理が行われる。なおフレームは、移動処理やモーション処理や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0048】
受け付け処理部208は、プレーヤからの入力情報の受け付け処理を行う。例えば操作部260を介して入力された情報の受け付け処理を行う。具体的には受け付け処理部208は、プレーヤの指示情報を入力情報として受け付け、ゲーム処理部206、データリンク処理部210、課金処理部216は、この指示情報(入力情報)に基づいて種々の処理を行う。
【0049】
課金処理部216は、種々の課金処理(課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等)を行う。記憶部270の課金情報記憶部277は、課金処理部216の課金処理の対象となる課金情報を記憶する。
【0050】
そして本実施形態ではデータリンク処理部210が、移動体と他の移動体との間のデータリンクの発動条件が満たされたか否かを判断する。
【0051】
例えばデータリンク処理部210は、移動体と他の移動体とがデータリンク開始の位置関係になった場合に、データリンクの発動条件が満たされたと判断して、データリンク効果を発生させる処理を行う。移動体と他の移動体とがデータリンク開始の位置関係になったか否かは、例えば移動体の位置情報と、他の移動体の位置情報と、データリンク開始の位置関係の判定パラメータ(例えば後述する開始距離等)に基づいて判断できる。例えば、これらの位置情報と判定パラメータに基づいて、移動体と他の移動体が、データリンク開始の距離まで近づいたと判断した場合に、データリンク開始の位置関係になったと判断する。
【0052】
そしてデータリンク処理部210は、発動条件が満たされた場合に、データリンク効果発生処理を行う。即ち、移動体のレーダ関連能力及び移動体の性能の少なくとも一方を変化させる処理であるデータリンク効果発生処理を行う。
【0053】
なお、データリンクの発動条件が満たされたか否かは、データリンク処理部210の発動条件判断部212が判断する。またデータリンク効果を発生させる処理は、データリンク処理部210のデータリンク効果発生処理部214が行う。
【0054】
ここで、データリンク処理は、現実世界におけるデータリンクをゲームにおいて模擬する処理である。このデータリンク処理では、移動体と他の移動体の間で情報が共有されたとして、移動体のレーダ関連能力(レーダ性能、ロックオン性能又はレーダ武器能力等)や移動体の性能(攻撃力、守備力又は移動性能等)を変化させる処理が行われる。例えば、移動体と他の移動体がデータリンクの位置関係になったと判断されると、ゲームにおけるデータリンクの発動条件が満たされたと判断して、データリンク効果の発生をゲームにおいて模擬するデータリンク効果の発生処理を実行する。このデータリンク効果の発生処理では、例えば移動体のレーダ関連能力や移動体の性能に関係するゲームパラメータを変化させる処理が行われる。また、データリンクに関連する表示物の表示処理を実行することを、表示処理部220に指示する処理を行う。データリンクに関連する表示物は、例えばデータリンクされているか否かや、データリンクステータスや、データリンク効果の内容などを報知する表示物である。
【0055】
そして本実施形態では、データリンク処理部210は、ゲームが開始してから所与の第1の期間及びデータリンク効果の発生が解除されてから所与の第2の期間の少なくとも一方の期間の間、データリンク効果の発生(データリンクの発動)を禁止する処理を行う。第1の期間は、例えばゲーム(ミッション)が開始したと判断されるタイミングからカウントされる期間であり、この第1の期間では、データリンクの発動条件が満たされた場合にも、データリンク効果の発生が禁止される。また、第2の期間は、例えばデータリンク効果の発生が解除されたと判断されるタイミングからカウントされる期間であり、第2の期間では、データリンクの発動条件が満たされた場合にも、データリンク効果の発生が禁止される。
【0056】
またデータリンク処理部210は、データリンク開始の位置関係の判定パラメータを、移動体を操作するプレーヤ又は他の移動体を操作する他のプレーヤについてのステータス情報、ゲーム状況情報、入力情報及び課金情報の少なくとも1つの情報に基づいて変化させてもよい。例えば、プレーヤや他のプレーヤのステータス情報、ゲーム状況情報、入力情報又は課金情報等に基づいて、データリンクの開始距離が短くなったり、長くなるように、判定パラメータを変化させる。
【0057】
ここで、プレーヤのステータス情報は、プレーヤのステータスを表す情報としてゲームシステムの記憶部270に記憶される情報である。プレーヤのステータス情報は、例えばプレーヤのゲームレベル(階級等)の情報、プレイ時間の情報(トータルプレイ時間、直近期間の累積プレイ時間等)、プレイ回数の情報(トータルプレイ回数、直近期間のプレイ回数頻度等)、或いはゲーム処理に使用される経験値や攻撃力や守備力等のゲームパラメータの情報などである。
【0058】
ゲーム状況情報は、ゲームの進行度合いを表す情報、ゲームをプレイしているステージやミッションの情報、ゲームプレイしているゲーム空間の情報、或いはゲームプレイ時におけるプレーヤの周囲の状況情報などである。
【0059】
プレーヤの入力情報は、例えば操作部260を用いてプレーヤにより入力され、受け付け処理部208により受け付けられた情報である。このプレーヤの入力情報は、データリンク開始の位置関係や、後述するデータリンク切断の位置関係等を変更するために、プレーヤにより入力された指示情報などである。
【0060】
課金情報は、プレーヤに課された課金についての情報である。この課金情報は、課金処理部216の課金処理の対象となる情報であり、記憶部270の課金情報記憶部277に記憶される。例えば記憶部270には、プレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)がユーザ情報として記憶される。そして、プレーヤのアカウント情報もユーザ情報として記憶されており、課金情報記憶部277に記憶される課金情報は、各プレーヤのアカウント情報に対応づけられる。ここで課金処理において課金の対象となるものは、現金(現実世界の通貨)であってもよいし、ネットワーク上の仮想通貨であってもよい。或いは現金や仮想通貨を支払って取得できる権利(例えばゲームプレイを行う権利、出撃権等)であってもよい。
【0061】
データリンク処理部210は、移動体と他の移動体とがデータリンク切断の位置関係になり、データリンク切断の位置関係の状態が、所与の切断判定時間だけ継続した場合に、データリンク効果の発生を解除する処理を行う。
【0062】
移動体と他の移動体とがデータリンク切断の位置関係になったか否かは、例えば移動体の位置情報と、他の移動体の位置情報と、データリンク切断の位置関係の判定パラメータ(例えば後述する切断距離等)に基づいて判断できる。例えば、これらの位置情報と判定パラメータに基づいて、移動体と他の移動体が、データリンク切断の距離(データリンクの継続限界距離)まで遠ざかったと判断した場合に、データリンク切断の位置関係になったと判断する。
【0063】
そして本実施形態では、このようにデータリンク切断の位置関係になったと判断した場合にも、直ぐにはデータリンク効果の発生を解除する処理を行わない。そして、データリンク切断の位置関係の状態が、所与の切断判定時間だけ継続した場合に、データリンク効果の発生を解除する処理を行う。即ち、移動体と他の移動体が離れた状態で一定時間が経過すると、データリンク効果の発生を解除し、データリンクを終了する。
【0064】
この場合にデータリンク処理部210は、データリンク切断の位置関係の判定パラメータ及び切断判定時間の少なくとも一方を、移動体を操作するプレーヤ又は他の移動体を操作する他のプレーヤについてのステータス情報、ゲーム状況情報、入力情報及び課金情報の少なくとも1つの情報に基づいて設定してもよい。例えば、プレーヤや他のプレーヤのステータス情報、ゲーム状況情報、入力情報又は課金情報等に基づいて、データリンクの切断距離が短くなったり、長くなるように、判定パラメータを変化させる。或いは、プレーヤや他のプレーヤのステータス情報、ゲーム状況情報、入力情報又は課金情報等に基づいて、切断判定時間を短くしたり、長くする。
【0065】
また本実施形態ではゲーム処理部206は、例えばゲーム(ミッション)の開始時(ゲーム開始タイミング)に移動体と他の移動体を同じ場所から発進させる処理を行う。例えばゲーム開始時において移動体の他の移動体の間の距離は、所定距離以下(例えばデータリンクの開始距離以下)になっており、ゲーム上、同じ場所と判断される位置に配置されている。そして、ゲームの開始後は、プレーヤや他のプレーヤの操作情報にしたがった位置、方向に、移動体や他の移動体は移動することになる。
【0066】
このように、ゲーム開始時に移動体と他の移動体を同じ場所から発進させる場合に、前述したようにデータリンク処理部210は、ゲームが開始してから所与の第1の期間の間、データリンク効果の発生を禁止する処理を行う。こうすることで、ゲームを開始した直後に、データリンク効果が発生してしまうような不自然な事態の発生を抑制できる。
【0067】
また表示処理部220は、データリンクについての情報を報知する表示物の表示処理を行う。具体的には表示処理部220は、移動体と他の移動体とがデータリンクされているか否かを報知する表示処理、データリンクステータスを報知する表示処理、及びデータリンク効果の内容を報知する表示処理の少なくとも1つの表示処理を行う。
【0068】
移動体と他の移動体とがデータリンクされているか否かを報知する表示処理は、例えばデータリンクの対象となる他の移動体をプレーヤに認識させ、その他の移動体と、プレーヤの移動体とがデータリンク状態にあることを報知する表示処理である。例えば表示処理部220は、移動体と他の移動体とがデータリンクされている場合には、移動体と他の移動体とを第1のラインで結線(接続)する表示処理を行う。一方、移動体と他の移動体とがデータリンクされていない場合には、移動体と他の移動体とを第1のラインとは異なるパターンの第2のラインで結線(接続)する表示処理を行う。このような表示処理により、移動体と他の移動体とがデータリンクされているか否かを報知する表示処理を実現できる。なお、第1のラインのパターンと第2のラインのパターンを異ならせる表示処理は、第1、第2のラインの画像の描画パターン、色、テクスチャ又は輝度などのパターンを異ならせることで実現できる。
【0069】
また、データリンクステータスを報知する表示処理は、例えば、データリンク中であることや、データリンク中ではないことや、或いはデータリンク効果の発生が禁止されていることなどを、プレーヤに視覚的に認識させる表示処理である。
【0070】
データリンク効果の内容を報知する表示処理は、発生しているデータリンク効果の種類等の内容をプレーヤに視覚的に認識させる表示処理である。この表示処理は、例えば複数の各データリンク効果に対応づけられたアイコン画像等を表示することで実現できる。
【0071】
また表示処理部220は、移動体と他の移動体とがデータリンクされている場合の表示態様と、上述の第1の期間又は第2の期間においてデータリンク効果の発生が禁止されている場合の表示態様とを異ならせる表示処理を行う。即ち、データリンク状態である場合と、データリンク効果発生の禁止状態である場合とを、プレーヤに視覚的に識別させるための表示処理を行う。このようにすることで、移動体と他の移動体が十分に接近して、データリンク可能な状態であるのに、データリンク効果の発生禁止によりデータリンクがされないことを、プレーヤは視覚的に認識できるようになる。
【0072】
またデータリンク処理部210は、データリンク効果の処理として、移動体のレーダ関連能力を変化させる処理を行う。具体的には、移動体のレーダ関連能力を変化させる処理として、レーダ性能を変化させる処理、ロックオン性能を変化させる処理、及びレーダを用いた武器の能力を変化させる処理の少なくとも1つを行う。レーダ性能を変化させる処理は、レーダ精度を変化させたり、レーダの表示性能を変化させる処理などである。ロックオン性能を変化させる処理は、ロックオン範囲、ロックオン距離、ロックオン速度又はロックオン後の命中精度などを変化させる処理などである。レーダを用いた武器の能力を変化させる処理は、レーダを用いて誘導させる武器についての誘導性能、命中精度又は攻撃力などを変化させる処理である。
【0073】
またデータリンク処理部210は、データリンク効果の処理として、移動体の性能を変化させる処理を行ってもよい。例えば、データリンク効果により、移動体の情報収集能力等が向上したと想定して、移動体の移動速度、旋回性能、運動能力、攻撃力又は耐久力等を変化させる。
【0074】
なお、データリンク効果の処理としては、これ以外にも、妨害波の強度が上がったと想定して、敵からロックオン(捕捉)されにくくしたり、敵の攻撃のロックオンの命中精度を下げる処理などの種々の処理を想定できる。
【0075】
また、どのデータリンクの効果を発生させるかを、ゲームプレイの前にプレーヤに事前に選択させてもよい。そして、ゲーム中にデータリンク状態になった場合には、複数のデータリンク効果の中から、事前に選択されていたデータリンク効果を発生するように、データリンク処理部210がデータリンク効果の発生処理を行う。
【0076】
また、データリンク処理部210は、データリンクの発動条件及びデータリンク効果の少なくとも一方を、移動体を操作するプレーヤ又は他の移動体を操作する他のプレーヤについてのステータス情報、ゲーム状況情報、入力情報及び課金情報の少なくとも1つの情報に基づいて設定してもよい。例えば、プレーヤや他のプレーヤのステータス情報、ゲーム状況情報、入力情報又は課金情報等の所与の情報に基づいて、データリンクの発動条件の成立が容易になったり、データリンクの発動の成立が難しくなるように制御する。例えば、移動体と他の移動体が同じ位置関係にある場合でも、プレーヤのステータス情報等の所与の情報により、発動条件が成立したり、発動条件が成立しなかったりするように制御する。
【0077】
図2(A)は本実施形態のゲームシステムのネットワーク構成の例を説明する図である。
図2(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1〜TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1〜TMnはクライアントである。
【0078】
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。
【0079】
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
【0080】
端末装置TM1〜TMn(プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TM1〜TMnとしては、例えば
図2(B)の家庭用ゲーム装置(据え置き型)、
図2(C)の携帯型ゲーム装置、
図2(D)の携帯型通信端末(スマートフォン、フューチャーフォン、携帯電話機)、或いは
図2(E)の業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TM1〜TMnとして、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置を用いてもよい。
【0081】
本実施形態のゲームシステムは、例えば
図2(A)〜
図2(E)で説明した端末装置(TM1〜TMn)により実現できる。或いは、本実施形態のゲームシステムをサーバシステム500により実現したり、端末装置とサーバシステム500の分散処理により実現してもよい。
【0082】
例えば
図3に本実施形態のゲームシステムをサーバシステム500により実現する場合の構成例を示す。
図3のサーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。
【0083】
処理部600は、通信部696を介して受信したデータや、記憶部670に記憶されるデータ、プログラム等に基づいて、サーバの各種サービス・管理に必要な種々の処理を行う。この処理部600の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0084】
処理部600は、受信処理部602、送信処理部604、ゲーム処理部606、受け付け処理部608、データリンク処理部610、課金処理部616、管理処理部618、表示処理部620、音処理部630を含む。
【0085】
受信処理部602は、端末装置等からの情報の受信処理を行う。送信処理部604は、端末装置等への情報の送信処理を行う。ここで受信処理は、通信部696に情報の受信を指示したり、通信部696が受信した情報を取得して記憶部670に書き込む処理などである。送信処理は、通信部696に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部696に指示する処理などである。
【0086】
ゲーム処理部606、受け付け処理部608、データリンク処理部610、課金処理部616は、
図1で説明したゲーム処理部206、受け付け処理部208、データリンク処理部210、課金処理部216と同様のゲーム処理、受け付け処理、データリンク処理、課金処理をサーバシステムとして行うものであり、詳細な説明は省略する。これらの本実施形態のゲーム処理、受け付け処理、データリンク処理、課金処理は、端末装置により実現されるものであってもよいし、サーバシステム(クラウド等)により実現されるものであってもよい。また端末装置とサーバシステムの分散処理により実現されるものであってもよい。
【0087】
管理処理部618は、サーバの各種の管理処理を行う。例えば、サーバが提供する各種サービスの管理処理、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。
【0088】
表示処理部620は、端末装置の表示部に画像を表示するための処理を行う。音処理部630は、端末装置の音出力部から各種の音を出力するための処理を行う。例えば表示処理部620は、画像の生成のための情報である画像情報を生成し、音処理部630は、音(音声、ゲーム音、効果音)の生成のための情報である音情報を生成する。具体的には、画像情報は、本実施形態の手法により生成される画像を各端末装置において生成・表示するための情報であり、画像データそのものであってもよいし、各端末装置が画像を生成・表示するために使用する各種データ(表示画面の設定データ、オブジェクトデータ等)であってもよい。音処理部630が生成する音情報についても同様である。
【0089】
この表示処理部620は、
図1で説明した表示処理部220と同様の表示処理をサーバシステムとして行うが、詳細な説明は省略する。
【0090】
操作部660は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
【0091】
記憶部670は、処理部600や通信部696などのワーク領域となるものであり、その機能はRAMやSSDやHDDなどにより実現できる。
【0092】
記憶部670は、画像情報記憶部672、音情報記憶部673、データリンク効果テーブル情報記憶部676、課金情報記憶部677、ユーザ情報記憶部678を含む。画像情報記憶部672、音情報記憶部673は、表示処理部620、音処理部630により生成された画像情報、音情報を記憶する。データリンク効果テーブル情報記憶部676、課金情報記憶部677は、
図1で説明したデータリンク効果テーブル情報記憶部276、課金情報記憶部277と同様の情報記憶を行う。
【0093】
ユーザ情報記憶部678は、プレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、プレーヤのアカウント情報などがユーザ情報として記憶される。課金情報は、各プレーヤのアカウント情報に対応づけられる。
【0094】
情報記憶媒体680は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、メモリー、或いはHDDなどにより実現できる。
【0095】
通信部696は、有線や無線のネットワーク510を介して端末装置TM1〜TMnや他の外部サーバとの通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
【0096】
なお、本実施形態の処理(ゲーム処理、受け付け処理、シェア処理、記録処理等)は、端末装置においてゲームプログラムを実行することで実現してもよいし、ウェブブラウザプログラムやスクリプト制御を実行することによって実現してもよい。例えばインターネット等の通信回線を通じてゲームに必要な情報を取得してブラウザ上でインタラクティブな表示を実現する、いわゆるブラウザゲームとして本実施形態の処理を実現する構成としてもよい。
【0097】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。なお、以下では、本実施形態のゲームシステムを戦闘機ゲームに適用した場合について主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されない。例えば本実施形態のゲームシステムは、ロールプレイングゲーム(RPG)、アクションゲーム、戦略シミュレーションゲーム、育成ゲーム、カード対戦ゲーム、ドライビングゲーム。或いはスポーツゲームなどの種々のジャンルのゲームに適用することが可能である。この場合には本実施形態における移動体は、これらのゲームに登場してゲーム空間内を移動するオブジェクト(キャラクタ、船、車、電車、動物又はロボット等)になる。
【0098】
2.1 データリンク処理
本実施形態のゲームシステムでは、サーバシステムと端末装置(プレーヤ端末)とがネットワークを介して通信接続されることで、プレーヤは他のプレーヤと一緒にネットワークゲームをプレイして楽しむことができるようになっている
図4は、このネットワークゲームにおける1つのゲームモードであるチーム対抗モードを説明する図である。このゲームモードでは、オンライン上でリアルタイムにゲームを楽しんでいる味方プレーヤPL1〜PL4が、各自の機体・武器を選んで、最大で4機の戦闘機MB1〜MB4(広義には移動体)のチームを編成する。競争相手となる他のプレーヤPL5〜PL8も同様に最大で4機の戦闘機MB5〜MB8のチームを編成し、同じ陣営に属して戦果を競い合うライバル部隊として出撃する。
【0099】
具体的には
図5に示すように、戦場に配置された基地や空母等の出撃場所から、同じチームとして編成された戦闘機MB1〜MB4が、敵拠点に向かって一斉に出撃する。
【0100】
ゲームのルールは、所定の制限時間内に、マップ上のA1〜A3に示す拠点に配置される敵軍のNPC(Non Player Character)に対して自由に攻撃を仕掛け、メンバーの合計スコアが、より高いチームが勝利となる。各自の機体が得意とする敵に対して分担して攻撃(例えば攻撃機は対地攻撃メイン、戦闘機は空中戦メイン)を行うのが、勝利するためのセオリーとなる。このゲームモードは、仲間のプレーヤ達を気にかけつつ、自分がやりたい時・やるべき時・やれる時・やれる範囲で、味方と助け合いながら、ゲームをプレイし、自分の腕前の良さも実感できるゲームとなっている。ライバルチームも高得点を目指して戦闘しているため、高得点の敵NPCをライバルに先んじて撃破したり、ライバルが、手強い高得点の敵NPCに手こずっている間に、弱い敵NPCを大量に破壊して得点を稼ぐなど、様々な戦略を楽しむことができる。
【0101】
制限時間が経過してゲームが終了すると、両部隊のそれぞれのメンバの敵撃破スコアを合算して、部隊のトータルスコアを算出し、より高いスコアのチームが勝利となる。勝利すれば、ライバルチームに勝った達成感を得ることができ、敗北したとしても、自分なりの活躍の仕方で貢献したパイロットとして評価される達成感を得ることが可能になる。
【0102】
このようなネットワークゲームでは、同じチームに属するプレーヤと味方プレーヤとの一体感を如何に創出するかが重要になる。例えば戦闘機が移動するゲーム空間は非常に広いため、プレーヤが操作する戦闘機(以下、適宜、自機と記載する)と味方プレーヤが操作する戦闘機(以下、適宜、僚機と記載する)の間の距離が離れやすい。このため、同じチームに属するはずなのに、互いに離れた場所で一人だけで戦闘しているかのような感覚をプレーヤに与えてしまい、味方プレーヤとの共闘感をプレーヤに感じさせることが難しい。
【0103】
そこで本実施形態では、現実世界の戦闘機などで採用されているデータリンクを、ゲーム処理として模擬するデータリンク処理を採用している。
【0104】
具体的には、自機(広義には移動体)と僚機(広義には他の移動体)との位置関係に基づいて、データリンクの発動条件が満たされたか否かを判断し、発動条件が満たされた場合に、データリンク効果を発生させる処理を、データリンク処理として行う。
【0105】
このようなデータリンク処理を採用することで、味方プレーヤとの共闘感が高まり、対人連携や協力プレーヤの楽しさをプレーヤに感じさせることができる。即ち、NPCではなく人間である現実世界のプレーヤと協力してゲームプレイしているという感覚を、プレーヤに与えることが可能になる。また、対空戦で上手く敵機を撃墜できないレベルのプレーヤであっても、データリンク処理の効果として自機のレーダ性能や機体性能が上がることで、敵機を狙って撃墜するという醍醐味を味合わせることが可能になる。
【0106】
図6(A)〜
図6(C)は、データリンクの発動や切断についての判断処理の一例を示す図である。
【0107】
図6(A)に示すように本実施形態では、機体ごとにデータリンクの開始距離LSのパラメータが設定される。この開始距離LSにより、例えば自機MB1を中心としたデータリンクの開始距離範囲RS1が設定される。この開始距離範囲RS1は、例えば開始距離LSを半径とする球状の領域範囲である。なお、開始距離LSの長さは機体ごとに可変に設定できる。開始距離LSの長さは、現実世界に換算した長さにおいて例えば500m〜2Km程度の長さである。
【0108】
図6(B)はデータリンク開始の位置関係についての説明図である。例えば自機MB1のデータリンクの開始距離範囲RS1に僚機MB2が入ると、データリンク開始の位置関係になったと判定されて、データリンク効果を発生させる処理が行われる。同様に、僚機MB2のデータリンクの開始距離範囲RS2に自機MB1が入った場合にも、データリンク開始の位置関係になったと判定されて、データリンク効果を発生させる処理が行われる。即ち、同じチームの任意の機体がいずれかの開始距離範囲内に入ると、データリンクが発動する。
【0109】
このデータリンクの発動の判断の際には、例えば機体の向いている方向や速度の要素は考慮されない。また、自機MB1の開始距離範囲RS1に複数の機体が存在する場合には、最も近い機体との間でデータリンクが行われ、自機MB1が複数の機体の間でデータリンクが行われないようになっている。なお複数の機体との間でデータリンクを行う変形実施も可能である。
【0110】
なお、例えばネットワークのオンラインゲームをプレイしているプレーヤPAの機体MAとプレーヤPBの機体MBがデータリンク状態となっている場合に、オンラインゲームをプレイしている別のプレーヤPCの画面においては、プレーヤPCの機体MCとプレーヤPAの機体MAがデータリンク状態になることは許容する。例えば非同期方式でデータ通信を行うネットワークゲームにおいては、プレーヤPAの画面での機体MAと機体MCの位置関係(位置座標)と、プレーヤPCの画面での機体MAと機体MCの位置関係は一致しない場合がある。即ち、非同期方式では、通信速度(レスポンス、即時性)を優先しており、プレーヤPAの機体MAの位置座標と、プレーヤPCの機体MCの位置座標とが、同じタイミングで両者のゲーム機に到達することは保証されていないからである。
【0111】
また
図6(C)は、データリンク切断の位置関係についての説明図である。
図6(C)に示すように本実施形態では、機体ごとにデータリンクの切断距離LE(データリンクの継続限界距離)のパラメータが設定される。この切断距離LEにより、例えば自機MB1を中心としたデータリンクの切断距離範囲RE1が設定される。この切断距離範囲RE1は、例えば切断距離LEを半径とする球状の領域範囲である。
【0112】
そして、例えば自機MB1のデータリンクの切断距離範囲RE1から僚機MB2が離れた状態(データリンク切断の位置関係の状態)で、切断判定時間TEが経過すると、データリンクが切断されたと判断し、データリンク効果の発生が解除される。
【0113】
なお、切断距離LEの長さも機体ごとに可変に設定される。従って、自機MB1の切断距離LEと僚機MB2の切断距離LEの長さが異なる場合がある。このような場合には、自機MB1及び僚機MB2の切断距離LEのうち、長い方の切断距離の範囲よりも外に互いに離れた状態(データリンク切断の位置関係の状態)で、切断判定時間TEが経過すると、データリンクが切断されたと判断し、データリンク効果の発生が解除される。
【0114】
なお、自機MB1及び僚機MB2が、切断距離(長い方の切断距離)の範囲よりも外に出ないか、或いは、切断判定時間TE内に再び切断距離(長い方の切断距離)の範囲内に入れば、データリンク状態は解除されずに継続される。
【0115】
図7(A)は、上記で説明した開始距離LS、切断距離LE、切断判定時間TEなどの判定パラメータの説明図である。開始距離LSは、データリンクの発動可能距離を表す判定パラメータである。切断距離LE(終了距離)は、データリンクの継続限界距離を表す判定パラメータである。切断判定時間TEは、切断距離の範囲外に出てからデータリンクが切断されるまでの時間を表す判定パラメータである。
【0116】
そして本実施形態では
図7(B)に示すように、データリンク開始の位置関係の判定パラメータであるLSや、データリンク切断の位置関係の判定パラメータであるLEや、切断判定時間の判定パラメータであるTEを、自機MB1を操作するプレーヤ(広義には移動体を操作するプレーヤ)又は僚機MB2を操作するプレーヤ(広義には他の移動体を操作する他のプレーヤ)についてのステータス情報、ゲーム状況情報、入力情報又は課金情報の少なくとも1つの情報に基づいて変化させている。
【0117】
例えばプレーヤのゲームレベル(階級等)や、ゲームの進行状況や、ゲームのプレイ回数・プレイ時間や、プレーヤが現金や仮想通貨で支払った課金額の情報などに基づいて、開始距離LS、切断距離LE、切断判定時間TEなどの判定パラメータを可変に変化させる。例えばプレーヤのゲームレベルが高い場合には、開始距離LS、切断距離LE、切断判定時間TEを例えば短くする。このようにすれば、データリンクの発動や切断の条件が厳しい条件に設定されるため、プレーヤのゲームの難易度を高めることができる。
【0118】
或いは、プレーヤのプレイ回数が多かったり、プレイ時間が長い場合には、プレーヤへの特典として、開始距離LS、切断距離LE、切断判定時間TEを例えば長くする。このようにすれば、データリンクの発動や切断の条件が緩い条件(有利な条件)に設定されるため、プレーヤにとって有利な設定になる。
【0119】
プレーヤが多くの現金や仮想通貨で支払って、高い課金がなされている場合には、開始距離LS、切断距離LE、切断判定時間TEを例えば長くする。このようにすれば、データリンクの発動や切断の条件が緩い条件に設定されるため、プレーヤにとって有利な設定になる。
【0120】
なお、データリンクの発動や切断の判断処理は
図6(A)〜
図6(C)等で説明した処理には限定されない。例えば
図6(B)において、自機MB1の開始距離範囲RS1と僚機MB2の開始距離範囲RS2とが交わった場合に、データリンク開始の位置関係になったと判断して、データリンクを発動させてもよい。データリンクの切断についても同様である。
【0121】
2.2 データリンク効果の発生の禁止期間
さて、データリンクは現実世界の戦闘機においても採用されているシステムであるが、この現実世界のデータリンクの処理を、ゲームにそのまま適用してしまうと、プレーヤが不自然さを感じるゲームになったり、スムーズなゲーム進行が妨げられるなどの問題が生じることが判明した。
【0122】
例えば
図4で説明したチーム対抗モードでは、
図5に示すようにゲームが開始すると、自機と僚機は同じ出撃場所(基地、空母)から発進する。従って、ゲーム開始時においては自機と僚機の距離は非常に近くなっており、
図6(A)、
図6(B)のデータリンクの発動処理が行われてしまう。このようにデータリンクが発動すると、データリンク効果が発生し、後述するようにプレーヤにとって有利なゲームプレイの設定になる。
【0123】
そして、同じ出撃場所からの発進後に、自機と僚機の距離は互いに離れて行き、今度は、データリンクが切断されて、データリンク効果の発生が解除され、プレーヤにとって不利なゲームプレイの設定になる。
【0124】
この結果、ゲーム開始から所与の期間の間は、データリンクの発動により、プレーヤにとって有利な設定になり、その後に自機と僚機の距離が離れることで、データリンクが切断されてプレーヤにとって不利な設定になるという不自然な状況が発生する。プレーヤにとってみると、ゲーム開始から所与の期間の間は、通常状態であると考えているため、その後にプレーヤに不利な設定になると、不自然感を与えてしまう。
【0125】
そこで本実施形態では
図8に示すように、ゲームが開始してから第1の期間T1の間は、データリンク効果の発生(データリンクの発動)を禁止する処理を行っている。第1の期間T1は、例えば50秒〜150秒程度の長さの期間である。
【0126】
このようにすれば、
図5のように同じ出現場所から自機と僚機が出撃した場合も、ゲームを開始してから第1の期間T1の間はデータリンク効果の発生が禁止されるため、データリンク効果は発生せずに、プレーヤは通常の設定でゲームプレイできる。そして、第1の期間T1の経過後に、自機と僚機が接近して、データリンクの発動条件が満たされると、データリンク効果が発生して、プレーヤは有利な設定でゲームプレイできるようになる。従って、データリンクの効果を適正にプレーヤに感じさせることができ、プレーヤの共闘感を高めて、対人連携や協力プレーヤの楽しさをプレーヤに体感させることが可能になる。
【0127】
また本実施形態では
図8に示すように、データリンク効果の発生が解除(データリンク切断)されてから第2の期間T2の間においても、データリンク効果の発生を禁止する処理を行っている。このような準備期間に相当する第2の期間T2を設定すれば、データリンクが頻繁に発動しすぎることを抑えることが可能になる。例えば、データリンクが頻繁に発動しすぎると、プレーヤのゲームプレイのスムーズさが失われるなどの問題が生じるが、データリンクが切断されてから第2の期間T2の間、データリンク効果の発生を禁止することで、このような問題を解消できる。
【0128】
また第2の期間T2は、データリンクが切断されてしまったことでプレーヤに与えるペナルティの意味合いも有している。即ち、本実施形態ではデータリンク処理を導入することで、自機と僚機がなるべく近い距離を保ちながら共闘することを促している。こうすることで、人間同士で共同でプレイしているというプレーヤの一体感を高めることができるからである。そこで、自機と僚機の距離が近づいて、せっかくデータリンクが発動したのに、その後に自機と僚機の距離が離れてしまった場合には、そのペナルティを与える期間として、第2の期間T2を設定し、その第2の期間T2の間は、データリンク効果の発生を禁止する。こうすること、プレーヤは、自機と僚機の距離をなるべく近づけながら戦うことを目指すようになり、プレーヤの共闘感や対人連携の面白さを、より高めることが可能になる。
【0129】
2.3 データリンクの表示処理
次にデータリンクにおいて行われる表示処理について説明する。
図9は、プレーヤに表示されるゲーム画面の一例である。
図9では、通常の照準表示の他に、B1に示すデータリンク範囲の表示、B2に示すデータリンクステータスの表示、B3に示すリンクロケーター表示、B4に示すデータリンク効果アイコンの表示が行われている。
【0130】
図10(A)〜
図10(C)は、
図9のB1に示すデータリンク範囲表示の例である。このデータリンク範囲表示では、レーダ上での自機と僚機のデータリンク範囲を表示している。このデータリンク範囲の表示処理は、自機と僚機(移動体と他の移動体)とがデータリンクされているか否かを報知する表示処理の例である。
【0131】
具体的には、データリンク中においては例えばレーダ上において
図10(A)に示すような表示処理が行われる。即ち、自機MB1と僚機MB2がデータリンクされている場合には、自機MB1と僚機MB2とを第1のラインで結線する表示処理が行われる。こうすることで、プレーヤは、自機MB1と僚機MB2がデータリンク中であることを、視覚的に即座に認識できるようになる。
【0132】
一方、データリンク切断中においては例えばレーダ上において
図10(B)に示すような表示処理が行われる。即ち、自機MB1と僚機MB2がデータリンクされていない場合には、自機MB1と僚機MB2を第2のラインで結線する表示処理が行われる。この
図10(B)の第2のラインの画像パターンは、
図10(A)の第1のラインの画像パターンとは異なったパターンになっている。例えば
図10(A)の第1のラインは実線のパターンであるが、
図10(B)の第2のラインは点線のパターンになっている。なお、第1、第2のラインのパターンを異ならせる手法としては種々の手法を想定でき、例えば色、輝度又は半透明度などが異なるパターンとしてもよい。
【0133】
図10(C)は、
図8で説明したデータリンク効果の発生禁止の第1、第2の期間T1、T2における表示処理の例である。第1、第2の期間T1、T2では、
図10(A)、
図10(B)のような自機MB1と僚機MB2をラインで結線するような表示処理は行われない。即ち、本実施形態では、自機MB1と僚機MB2とがデータリンクされている場合の表示態様(
図10(A))と、第1、第2の期間T1、T2においてデータリンク効果の発生が禁止されている場合の表示態様(
図10(C))とを異ならせている。このようにすれば、プレーヤは、自機MB1と僚機MB2とがデータリンクの開始距離の範囲内にあるのに、データリンク効果の発生が禁止されていることで、データリンクが発動しないことを、視覚的に認識できるようになる。これにより、データリンクが発動しないことでプレーヤが感じる不自然感を軽減できる。
【0134】
図11(A)、
図11(B)は、
図9のB2に示すデータリンクステータス表示の例である。これは、データリンクステータスを報知する表示処理に相当する。例えばデータリンク中である場合には、
図10(A)に示すように、データリンクのステータスがアクティブであることをプレーヤに報知する。また、
図8のように第1、第2の期間T1、T2でデータリンク効果の発生が禁止されている場合には、
図10(B)に示すように、データリンクのステータスが、効果発生が禁止されて準備期間中であることをプレーヤに報知する。
【0135】
図11(C)は、
図9のB3に示すリンクロケーター表示の例である。例えば
図9において敵ロケーターOBEは、敵機が存在する方向を示す表示となっている。一方、
図11(C)のリンクロケーターOBMは、データリンクの候補となる僚機の方向を示す表示となっている。また、その僚機までの距離や、僚機のプレーヤ名についても表示されている。
【0136】
図11(D)は、
図9のB4に示すデータリンク効果アイコンの例である。このデータリンク効果アイコンの表示処理は、データリンク効果の内容を報知する表示処理に相当する。プレーヤは、データリンク効果アイコンを見ることで、どのような内容のデータリンク効果が発生したのかを視覚的に認識できるようになる。
【0137】
2.4 データリンク効果
図12は、
図1のデータリンク効果テーブル情報記憶部276に記憶されるデータリンク効果テーブルの例である。データリンク効果の発生処理は、データリンク効果テーブルを用いて行われる。
【0138】
本実施形態ではプレーヤのレベルである獲得階級に応じて、発生可能なデータリンク効果が異なっている。プレーヤは、ゲームプレイ前に、データリンク時にどのデータリンク効果を発生させるのかを選択する。例えばゲームプレイ前の装備画面において、出撃装備のセットの1つとして、データリンク時に発生させるデータリンク効果を選択しておく。このようにすれば、
図6(A)、
図6(B)で説明したデータリンクの発動条件が成立した場合に、予め選択しておいたデータリンク効果を発生させることが可能になる。
【0139】
そして、プレーヤの階級がランクRK1である場合には、ベーシックセットのデータリンク効果だけを選択できる。このベーシックセットのデータリンク効果では、ミサイル等の誘導性能や連射性能やロックオン速度が上昇する。
【0140】
プレーヤの階級がランクRK2になると、ベーシックセットに加えて、クリティカルと呼ばれるデータリンク効果を選択できる。このクリティカルのデータリンク効果では、データリンクにより命中精度が上昇したと想定して、ミサイル等の威力が上昇する。
【0141】
プレーヤの階級がランクRK3になると、更に、ロングレンジと呼ばれるデータリンク効果を選択できる。このロングレンジのデータリンク効果では、ミサイル等のロックオン距離が上昇すると共にロックオン範囲が拡大する。
【0142】
プレーヤの階級がランクRK4になると、更に、ハイホーミング・プラスと呼ばれるデータリンク効果を選択できる。このハイホーミング・プラスのデータリンク効果では、ベーシックセットのハイホーミングよりも、更に誘導性能が上昇する。
【0143】
プレーヤの階級がランクRK5になると、更に、クイックターンと呼ばれるデータリンク効果を選択できる。このクイックターンのデータリンク効果では、データリンクにより周辺空域の空力データを共有できたと想定して、ストールすることなく急旋回するクイックターンについての性能が向上する。
【0144】
プレーヤの階級がランクRK6になると、更に、アンチストールと呼ばれるデータリンク効果を選択できる。このアンチストールのデータリンク効果では、データリンクにより周辺空域の空力データを共有できたと想定して、ストール耐性が上昇する。なおランクRK7、RK8のデータリンク効果については詳細な説明を省略する。
【0145】
以上のように本実施形態では、データリンク効果の処理として、自機(移動体)のレーダ関連能力を変化させる処理が行われる。例えば、ミサイル等の誘導性能や連射性能や威力を変化させる処理(レーダを用いた武器の能力を変化させる処理)や、ロックオン性能(ロックオン距離、ロックオン範囲)を変化させる処理などが行われる。また、データリンク効果の処理として、自機(移動体)の性能を変化させる処理が行われる。即ち、データリンクにより空力データ等の情報が共有されたと想定して、自機のクイックターンやストール耐性などの性能を高める処理が行われる。
【0146】
2.5 データリンクの発動条件、データリンク効果の設定
本実施形態では
図13に示すように、データリンクの発動条件、データリンク効果を、自機を操作するプレーヤ(以下、自プレーヤと適宜記載する)又は僚機を操作する他のプレーヤ(以下、味方プレーヤと適宜記載する)についてのステータス情報、ゲーム状況情報、入力情報又は課金情報等に基づいて、設定している。
図14(A)〜
図14(C)はその具体例を示すものである。
【0147】
例えば
図14(A)に示すように、プレーヤ(自プレーヤ又は味方プレーヤ。以下、同様)のレベル(広義にはプレーヤのステータス)が高い場合には、
図7(A)で説明したデータリンクの開始距離LS、切断距離LEが短くなり、開始距離範囲RS、切断距離範囲REも狭くなる。即ち、データリンクの発動条件が不利な条件に設定される。
【0148】
またプレーヤのレベルが高い場合には、データリンク効果も低い性能を発揮する効果に設定される。例えば
図12で説明した誘導性能、ロックオン性能、ストール耐性等が低くなる。即ち、データリンク効果が不利な設定になる。
【0149】
一方、プレーヤのレベルが低い場合には、データリンクの開始距離LS、切断距離LEが長くなり、開始距離範囲RS、切断距離範囲REも広くなる。即ち、データリンクの発動条件が有利な条件に設定される。
【0150】
またプレーヤのレベルが低い場合には、データリンク効果が高い性能を発揮する効果に設定される。例えば誘導性能、ロックオン性能、ストール耐性等が高くなる。即ち、データリンク効果が有利な設定になる。
【0151】
このようにすれば、データリンクの発動条件やデータリンク効果を、プレーヤに与えるハンディ設定のための要素として利用することが可能になる。
【0152】
また
図14(B)に示すように、プレーヤのプレイ回数(又はプレイ時間。以下、同様)が少ない場合には、データリンクの開始距離LS、切断距離LEが短くなる。即ち、データリンクの発動条件が不利な条件に設定される。
【0153】
またプレーヤのプレイ回数が少ない場合には、データリンク効果が不利な設定になる。
【0154】
一方、プレーヤのプレイ回数が多い場合には、データリンクの開始距離LS、切断距離LEが長くなる。即ち、データリンクの発動条件が有利な条件に設定される。
【0155】
またプレーヤのプレイ回数が多い場合には、データリンク効果が有利な設定になる。
【0156】
このようにすれば、プレーヤのプレイ回数やプレイ時間が増えるにつれて、データリンクの発動条件やデータリンク効果が有利な設定になり、プレーヤのゲームプレイを促すことが可能になる。
【0157】
また
図14(C)に示すように、プレーヤの課金が低い場合には、データリンクの開始距離LS、切断距離LEが短くなる。即ち、データリンクの発動条件が不利な条件に設定される。またデータリンク効果も不利な設定になる。
【0158】
一方、プレーヤが多くの現金、仮想通貨を支払って、プレーヤの課金が高い場合には、データリンクの開始距離LS、切断距離LEが長くなる。即ち、データリンクの発動条件が有利な条件に設定される。またデータリンク効果も有利な設定になる。
【0159】
このようにすれば、プレーヤの課金に応じて、データリンクの発動条件やデータリンク効果の設定が変化するようになるため、プレーヤの課金状況(レーダ用課金アイテムの購入、トータル課金量、トータル課金回数、直近期間の累積課金量、又は直近期間の課金回数等)による優遇処理が可能になる。
【0160】
また
図15に示すように、自機MB1と僚機MB2の距離に応じて、レーダ関連能力や移動体性能(データリンク効果)を増加させる処理を行ってもよい。現実世界のデータリンクではこのような処理は行われないが、ゲームにおいてはこのような処理を行うことで、自機と僚機をより接近させて共闘することを、プレーヤに促すことが可能になる。
【0161】
3.詳細な処理例
次に本実施形態の詳細な処理例について
図16、
図17のフローチャートを用いて説明する。
【0162】
図16に示すように、まず、ゲーム(ミッション)が開始されたか否かを判断する(ステップS1)。そして、ゲームが開始されたと判断したら、
図8で説明したように、データリンクの発動(データリンク効果の発生)を禁止する設定を行う(ステップS2)。そして、第1の期間T1が経過したか否かを判断し(ステップS3)、経過した場合には、データリンクの発動を許可する設定を行う(ステップS4)。
【0163】
次に、データリンクの発動条件が満たされたか否かを判断する(ステップS5)。即ち
図6(A)、
図6(B)で説明した発動条件の判断処理を行う。そして発動条件が満たされた場合には、データリンク効果の発生処理を行う(ステップS6)。即ち
図12等で説明したデータリンク効果を発生させる処理を行う。
【0164】
図17は、データリンクの発動とデータリンク効果の発生の詳細例を示すフローチャートである。まず、データリンク開始の位置関係か否かを判断する(ステップS11)。そして、データリンク開始の位置関係である場合には、データリンクの効果を発生する処理を行う(ステップS12)。
【0165】
次に、データリンク切断の位置関係か否かを判断する(ステップS13)。そして、データリンク切断の位置関係である場合には、切断判定時間が経過したか否かを判断する(ステップS14)。そして、経過した場合には、データリンク効果の発生を解除する処理を行う(ステップS15)。そして、データリンクの発動(データリンク効果の発生)を禁止する設定を行う(ステップS16)。即ち、
図8の第2の期間T2でのデータリンク効果の発生禁止の設定を行う。
【0166】
次に、第2の期間T2が経過したか否かを判断する(ステップS17)。そして、経過した場合には、データリンクの発動(データリンク効果の発生)を許可する設定を行う(ステップS18)。
【0167】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(移動体、他の移動体)と共に記載された用語(自機、僚機等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またデータリンクの発動条件の判断処理、データリンクの切断の判断処理、データリンク効果の発生処理、第1、第2の期間の設定処理、データリンクについての表示処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。