特許第5989703号(P5989703)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989703
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】送受信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/38 20060101AFI20160825BHJP
   H04B 1/40 20150101ALI20160825BHJP
【FI】
   H04L27/00 G
   H04B1/40
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-67175(P2014-67175)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-192243(P2015-192243A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2015年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130247
【弁理士】
【氏名又は名称】江村 美彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167863
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 恵
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 肇
(72)【発明者】
【氏名】鳥光 悟
【審査官】 岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−205280(JP,A)
【文献】 特開2012−134981(JP,A)
【文献】 特開平11−041134(JP,A)
【文献】 特開2009−105558(JP,A)
【文献】 特開2005−312021(JP,A)
【文献】 大森 昭 他,23GHz帯映像無線伝送装置用モジュールの開発,古河電工時報第135号,2016年 2月,pp.36-41
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/00 − 27/38
H04B 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信しようとする第1周波数帯の信号を少なくとも1つの送信側周波数変換器を用いて第2周波数帯に変換して送信する送信装置と、前記送信装置から送信された前記第2周波数帯の信号を少なくとも1つの受信側周波数変換器を用いて前記第1周波数帯に戻す受信装置を有する送受信システムにおいて、
前記送信装置は、
前記送信側周波数変換器に供給するローカル信号を発生するための第1発振器と、
前記第1発振器の基準となる信号を発生する第2発振器と、
前記第1周波数帯の信号に前記第2発振器と同期したパイロット信号を挿入するための合成器と、を有し、
前記受信装置は、
前記受信側周波数変換器に供給するローカル信号を発生するための第3発振器と、
前記第3発振器の基準となる信号を発生する第4発振器と、
前記受信側周波数変換器によって周波数変換された信号から前記パイロット信号を抽出する帯域通過フィルタと、
前記帯域通過フィルタの前段に設けられ、前記パイロット信号が前記帯域通過フィルタの通過帯域内に位置するように、前記受信側周波数変換器から出力される信号を周波数変換するパイロット信号周波数変換器と、
前記パイロット信号周波数変換器に供給するローカル信号を生成する第5発振器と、を有し、
前記第4発振器は、前記帯域通過フィルタを通過した信号を基準信号として動作し、
前記帯域通過フィルタの通過帯域幅は、前記第1発振器、前記第2発振器、前記第4発振器、および、前記第5発振器の発振周波数が変動した場合であっても、前記パイロット信号以外の成分を通過しない帯域幅に設定され
前記第2発振器と前記パイロット信号の周波数比をNとし、
前記第2発振器が有する周波数変動幅をa(Hz)とし、
前記第1発振器と前記第2発振器の周波数比をα1とし、
前記第4発振器が有する周波数変動幅をd(Hz)とし、
前記第3発振器と前記第4発振器の周波数比をα2とし、
前記第5発振器が有する周波数変動幅をe(Hz)とし、
前記パイロット信号の周波数と、前記第1周波数帯の中で最も近接した周波数成分との間隔をw(Hz)とし、
前記帯域通過フィルタの半値全幅をSとした場合に、
S<2×(w−N×a−α1×a−α2×d−e)
を満たすように、前記帯域通過フィルタの半値全幅Sが設定されている、
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項2】
前記wが1MHz以下であることを特徴とする請求項1に記載の送受信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送受信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1GHz以下の周波数信号を、より高い周波数へ周波数変換し、無線で送受信を行う装置に関する技術が開示されている。このような技術では、送信装置と受信装置の周波数同期が重要である。このため、特許文献1に開示された技術では、送信側で送出する周波数帯に、送信側の周波数変換情報をパイロット信号として挿入し、受信側で、パイロット信号を抽出することで、周波数同期をとるようにしている。従来においては、特に、23GHz帯に割り当てられたCATV番組中継用周波数帯を用いて、CATV信号を無線中継するシステムの開発が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−92142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された従来技術では、送信しようとする主信号の近くにパイロット信号を配置する場合、受信側の再生回路において、主信号をパイロット信号と誤って判断することにより、正しく信号が再生されないことがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、パイロット信号を正しく再生することが可能な送受信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、送信しようとする第1周波数帯の信号を少なくとも1つの送信側周波数変換器を用いて第2周波数帯に変換して送信する送信装置と、前記送信装置から送信された前記第2周波数帯の信号を少なくとも1つの受信側周波数変換器を用いて前記第1周波数帯に戻す受信装置を有する送受信システムにおいて、前記送信装置は、前記送信側周波数変換器に供給するローカル信号を発生するための第1発振器と、前記第1発振器の基準となる信号を発生する第2発振器と、前記第1周波数帯の信号に前記第2発振器と同期したパイロット信号を挿入するための合成器と、を有し、前記受信装置は、前記受信側周波数変換器に供給するローカル信号を発生するための第3発振器と、前記第3発振器の基準となる信号を発生する第4発振器と、前記受信側周波数変換器によって周波数変換された信号から前記パイロット信号を抽出する帯域通過フィルタと、前記帯域通過フィルタの前段に設けられ、前記パイロット信号が前記帯域通過フィルタの通過帯域内に位置するように、前記受信側周波数変換器から出力される信号を周波数変換するパイロット信号周波数変換器と、前記パイロット信号周波数変換器に供給するローカル信号を生成する第5発振器と、を有し、前記第4発振器は、前記帯域通過フィルタを通過した信号を基準信号として動作し、前記帯域通過フィルタの通過帯域幅は、前記第1発振器、前記第2発振器、前記第4発振器、および、前記第5発振器の発振周波数が変動した場合であっても、前記パイロット信号以外の成分を通過しない帯域幅に設定され、前記第2発振器と前記パイロット信号の周波数比をNとし、前記第2発振器が有する周波数変動幅をa(Hz)とし、前記第1発振器と前記第2発振器の周波数比をα1とし、前記第4発振器が有する周波数変動幅をd(Hz)とし、前記第3発振器と前記第4発振器の周波数比をα2とし、前記第5発振器が有する周波数変動幅をe(Hz)とし、前記パイロット信号の周波数と、前記第1周波数帯の中で最も近接した周波数成分との間隔をw(Hz)とし、前記帯域通過フィルタの半値全幅をSとした場合に、S<2×(w−N×a−α1×a−α2×d−e)を満たすように、前記帯域通過フィルタの半値全幅Sが設定されている、ことを特徴とする。
このような構成によれば、パイロット信号を正しく再生することが可能となる。
【0008】
また、本発明は、前記wが1MHz以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば、23GHz帯に割り当てられたCATV番組中継用周波数帯を用いて、CATV信号を無線中継する場合であっても、パイロット信号を正しく再生することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パイロット信号を正しく再生することが可能な送受信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る送受信システムの送信装置の構成例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る送受信システムの受信装置の構成例を示す図である。
図3】送信装置の合成器によって合成されたパイロット信号と主信号の関係を示す図である。
図4】従来技術を用いた場合に、受信装置が信号の受信を開始し、パイロット信号が初めて入力された場合の帯域通過フィルタに入力される信号の例を示す図である。
図5】本発明の実施形態において、受信装置が信号の受信を開始し、パイロット信号が初めて入力された場合の帯域通過フィルタに入力される信号の例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る送受信システムの送信装置の他の構成例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る送受信システムの受信装置の他の構成例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る送受信システムの受信装置の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(A)本発明の実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係る送受信システムを構成する送信装置10の構成例を示すブロック図であり、また、図2は、本発明の実施形態に係る送受信システムを構成する受信装置20の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、送信装置10は、合成器11、発振器12,13、および、周波数変換器14を有している。ここで、合成器11は、図示しない上位の装置から供給される、例えば、360〜660MHzの入力信号(主信号)に対して、発振器12から供給される、例えば、155MHzの基準信号から生成した465MHzのパイロット信号を合成して出力する。発振器12は、例えば、155MHzの基準信号を発生して合成器11および発振器13に供給する。発振器13は、例えば、PLL(Phase Locked Loop)回路によって構成され、発振器12から供給される155MHzの基準信号を、α倍(例えば、148倍)し、22,940MHzのローカル信号として周波数変換器14に出力する。周波数変換器14は、発振器13から供給される22,940MHzのローカル信号によって、合成器11から供給される信号をアップコンバートし、23,300〜23600MHzの信号として出力する。なお、このとき、アップコンバートされた信号に含まれるパイロット信号の周波数は23,405MHzとなる。
【0013】
図2は、受信装置20の構成例を示す図である。この図2に示すように、受信装置20は、周波数変換器21,22、発振器23、帯域通過フィルタ24、周波数変換器25、および、発振器26,27を有している。ここで、周波数変換器21は、発振器27から供給される22,940MHzのローカル信号に基づいて入力信号をダウンコンバートし、例えば、360〜660MHzの主信号と465MHzのパイロット信号とを出力する。発振器23は、535MHzの信号を発生して出力する。周波数変換器22は、発振器23から供給される535MHzの信号をローカル信号とし、周波数変換器21から出力される信号をダウンコンバートして出力する。帯域通過フィルタ24は、周波数変換器22によってダウンコンバートされた信号のうち、パイロット信号を通過させ、それ以外の信号(例えば、主信号)は減衰して出力する。周波数変換器25は、発振器23から供給される535MHzの信号をローカル信号とし、帯域通過フィルタ24から供給されるパイロット信号を、アップコンバートして出力する。発振器26は、周波数変換器25から供給される信号を基準信号として、155MHzの信号を生成して、発振器27に供給する。発振器27は、パイロット信号がまだ抽出されていない段階(受信開始当初)では、22,940MHzの信号を内部で生成して周波数変換器21に供給し、パイロット信号が抽出されると、発振器26から供給される155MHzの信号を148倍し、22,940MHzの信号として周波数変換器21に供給する。
【0014】
(B)実施形態の動作
つぎに、図1に示す実施形態の動作について説明する。なお、以下で例示する周波数等の数値は一例であって、これらの数値に本発明が限定されるものではない。また、以下では、従来技術における動作を説明した後に、本実施形態の動作について説明する。
【0015】
送信装置10の発振器12は、155MHzの基準信号を発生し、発振器13と合成器11に供給する。なお、発振器12が発生する基準信号の周波数変動幅は、0.0001MHzとする。発振器13は、発振器12から供給される基準信号をα1倍(具体的には148倍)し、22,940MHzの信号として周波数変換器14に出力する。合成器11は、発振器12から供給される155MHzの信号をN倍(具体的には3倍)し、465MHzのパイロット信号を生成して、入力信号である主信号と合成する。なお、入力信号の周波数は360〜660MHzとする。
【0016】
図3は、送信装置10の合成器11によって合成されたパイロット信号と主信号の関係を示す図である。この図に示すように、ハッチングが施された領域で示す主信号の周波数は、360〜660MHzとされ、また、パイロット信号の周波数は465MHzとされている。主信号の低域側の帯域の上限と、高域側の帯域の下限の間隔は2MHzとされ、高域側の帯域の下限と、パイロット信号との間隔wは0.75MHzとされ、低域側の帯域の上限と、パイロット信号との間隔は1.25MHz(=2−0.75MHz)とされている。
【0017】
図3に示す信号は、周波数変換器14に供給される。周波数変換器14は、発振器13から供給される22,940MHzの信号によって、図3に示す信号をアップコンバートする。この結果、図3に示す信号は、主信号の周波数帯域は23,300〜23,600MHzとなり、また、パイロット信号は23,405MHzとなる。このような信号は、送信装置10から、受信装置20に向けて無線信号として送信される。
【0018】
受信装置20は、送信装置10から送信された信号を受信する。周波数変換器21に入力されるローカル信号の周波数は、パイロット信号が抽出されていない状態で、発振器26から周波数変動幅dの範囲で任意の発振周波数とする。ここで、d=0.001MHzとし、発振器26の基準信号がない状態では、155−0.001MHzの発振周波数を持つとする。発振器26と発振器27の周波数比α2は、送信装置10と同じ148に設定されている。さらに周波数変換器22のローカル信号となる発振器23の周波数を535MHzとし、その周波数変動幅を0.001MHzとする。また、帯域通過フィルタ24の中心周波数を70MHzとし、半値全幅を2MHzとする。
【0019】
このような設定において、受信装置20が信号の受信を開始し、パイロット信号が初めて入力されると、帯域通過フィルタ24に入力される信号は、図4に示すようになる。この図4において、パイロット信号の周波数は、69.852±0.001MHz(=535±0.001−(23405−148×(155−0.001)))であり、パイロット信号の低域側に配置された主信号の上限は68.602±0.001MHz(=69.852±0.001−1.25)であり、パイロット信号の高域側に配置された主信号の下限は70.602±0.001MHz(=69.852±0.001+0.75)となる。帯域通過フィルタ24の通過帯域が70.0±1.0MHz(図4において太い破線で示す領域)とすると、パイロット信号の高域側に配置された主信号の下限側が帯域通過フィルタ24を通過することになる。このため、従来の受信装置20では、主信号をパイロット信号と誤検知することにより、システムとして正しく動作しなくなる。
【0020】
そこで、本実施形態では、以下の式(1)に基づいて、帯域通過フィルタ24の半値全幅Sを設定することにより、以上のような誤検出および誤動作を防止する。
【0021】
S<2×(w−N×a−α1×a−α2×d−e) ・・・(1)
【0022】
ここで、Nは、発振器12とパイロット信号の周波数比を示す。a(Hz)は、発振器12が有する周波数変動幅を示す。αは、発振器12と発振器13の周波数比を示す。d(Hz)は、発振器26が有する周波数変動幅を示す。e(Hz)は、発振器23が有する周波数変動幅を示す。w(Hz)は、パイロット信号と主信号の周波数帯の中で最も近接した間隔を示す(図3参照)。
【0023】
前述した具体的な値を式(1)に代入すると、以下の結果を得る。
S<2×{0.75−3×0.0001−148×(0.0001+0.001)−0.001}≒1.17MHz ・・・(2)
【0024】
以上の式(2)から、帯域通過フィルタ24の半値全幅Sを1.17MHz未満に設定することで、主信号がパイロット信号として誤検出されることを防止できる。図5は、帯域通過フィルタ24の半値全幅Sを、一例として、1.0MHzに設定した場合における通過帯域と主信号の関係を示す図である。なお、パイロット信号の周波数は69.852±0.001MHzであり、パイロット信号の低域側に配置された主信号の上限は68.602±0.001MHzであり、パイロット信号の高域側に配置された主信号の下限は70.602±0.001MHzであり、図4の場合と同様である。式(2)の結果に基づいて、帯域通過フィルタ24の通過帯域を70.0±0.5MHzにする(図4において太い破線で示す領域とする)と、パイロット信号の高域側に配置された主信号の下限付近の信号は帯域通過フィルタ24を通過しなくなる。このため、このような設定によれば、受信装置20では、主信号をパイロット信号と誤検知することを防止できる。
【0025】
以上に説明したように、本発明の実施形態では、受信装置20が有するパイロット信号を抽出するための帯域通過フィルタ24の半値全幅Sを、式(1)に基づいて設定するようにしたので、発振器等の周波数が変動した場合であっても、主信号をパイロット信号として誤検出し、システムが誤動作することを防止できる。
【0026】
(E)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の実施形態における各部位の周波数は一例であって、本発明が前述した周波数のみに限定されるものではなく、例示した周波数以外の周波数を選択することも可能である。
【0027】
また、以上の実施形態では、送信装置10が、1つの周波数変換器14によってアップコンバートするようにしたが、複数の周波数変換器によってアップコンバートするようにしてもよい。このような構成の一例を図6に示す。図6に示す例では、送信装置10Aは、周波数変換器14によって所定の中間周波数までアップコンバートした後、周波数変換器16によって所望の周波数(例えば、23,330〜23,600MHz)までアップコンバートするようにしている。
【0028】
また、受信装置20の周波数変換器21を複数の周波数変換器によって目的の周波数までダウンコンバートするようにしてもよい。図7は、複数の周波数変換器よって目的の周波数の信号を得る受信装置20Aの構成例である。この例では、発振器26から発振器30と発振器31に供給される信号によって生成された2つの周波数の信号によって、周波数変換器21と周波数変換器32によって、目的とする周波数(例えば、360〜660MHzの主信号と465MHzのパイロット信号)の信号を得る構成としている。このような構成によっても、本発明と同様の効果を期待することができる。
【0029】
なお、このような構成の場合には、前述した式(1)は、以下のように変形することができる。ここで、α1は発振器12と発振器13(発振器26と発振器31)との周波数比を示し、βは発振器12と発振器15(発振器26と発振器30)との周波数比を示す。
【0030】
S<2×{w−N×a−α1×(a+d)−β×(a+d)−e} ・・・(3)
【0031】
図6および図7に示す例では、以上に示す式(3)に基づいて、帯域通過フィルタ24の半値全幅Sを求めることによって、安定してパイロット信号を抽出することができる。
【0032】
なお、図8に示す受信装置20Bでは、2つの周波数変換器の間からパイロット信号を得る構成となっている。このような構成の場合には、式(4)に基づいて、帯域通過フィルタ24の半値全幅Sを求めることによって、安定してパイロット信号を抽出することができる。
【0033】
S<2×(w−N×a−α1×a−β×a−α2×d−e) ・・・(4)
【符号の説明】
【0034】
10 送信装置
11 合成器
12 発振器(第2発振器)
13 発振器(第1発振器)
14 周波数変換器(送信側周波数変換器)
20 受信装置
21 周波数変換器(受信側周波数変換器)
22 周波数変換器(パイロット信号周波数変換器)
23 発振器(第5発振器)
24 帯域通過フィルタ
25 周波数変換器
26 発振器(第4発振器)
27 発振器(第3発振器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8