(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5989861
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】LED照明枠体用の型紙、LED照明装置、LED照明装置の組み立て方法
(51)【国際特許分類】
F21V 15/01 20060101AFI20160825BHJP
G02B 5/02 20060101ALI20160825BHJP
F21V 15/00 20150101ALI20160825BHJP
F21V 29/83 20150101ALI20160825BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20160825BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20160825BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20160825BHJP
F21V 7/22 20060101ALI20160825BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20160825BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20160825BHJP
【FI】
F21V15/01 330
G02B5/02 B
F21V15/00 100
F21V15/01 530
F21V29/83
F21V19/00 170
F21V15/01 360
F21S2/00 497
F21V7/00 510
F21V7/00 530
F21V7/00 100
F21V7/22 100
F21V17/00 250
F21Y115:10
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-131665(P2015-131665)
(22)【出願日】2015年6月30日
【審査請求日】2016年2月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊司
(72)【発明者】
【氏名】井上 翔太
(72)【発明者】
【氏名】久保田 哲治
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−238968(JP,A)
【文献】
特開2005−108788(JP,A)
【文献】
特開2006−030423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 15/01
F21S 2/00
F21V 7/00
F21V 7/22
F21V 15/00
F21V 17/00
F21V 19/00
F21V 29/83
G02B 5/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形状の底面部と、前記底面部の外周に設けられる外周折曲げ部と、前記外周折曲げ部の長辺側を挟んで前記底面部と接続する前記底面部の外形に対応した外形を有し、中央部がくりぬかれ、折り曲げた時に前記底面部と対向する上面折曲げ部と、前記上面折曲げ部の内周側の、短辺側、長辺側にそれぞれ一対形成される内周折曲げ部と、を具備し、
前記底面部、前記外周折曲げ部、前記上面折曲げ部、および前記内周折曲げ部が光反射特性を有するマイクロ発泡樹脂シートにより形成されており、
前記外周折曲げ部、前記上面折曲げ部、前記内周折曲げ部をそれぞれの折曲げ部の境界部の折り曲げ線で折り曲げることで、所定高さ、所定幅を有する内部が空洞の額縁状の枠部を前記底面部の外周に形成できることを特徴とするLED照明枠体用の型紙。
【請求項2】
前記マイクロ発泡樹脂シートの波長450〜650nmの可視光帯域での光学特性として、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率が、全反射率95%以上、拡散反射率が95%以上であることを特徴とする請求項1記載のLED照明枠体用の型紙。
【請求項3】
前記上面折曲げ部と前記内周折曲げ部の縁部には差し込み片が設けられ、前記差し込み片を前記底面部の外周または前記外周折曲げ部に形成された差し込み孔に挿入して固定可能であり、
前記型紙は、前記底面部の外周を形成する前記外周折曲げ部と、前記底面部と対向する上面を形成する前記上面折曲げ部とが一辺を共有し、前記底面部と、前記底面部の外周を形成する前記外周折曲げ部と、前記上面折曲げ部と、前記内周折曲げ部とが、一体に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のLED照明枠体用の型紙。
【請求項4】
前記型紙は、前記底面部と前記底面部の外周を形成する前記外周折曲げ部と、前記底面部と対向する上面と上面の内周を形成する前記上面折曲げ部と前記内周折曲げ部とが別体に形成されており、さらに前記底面部の外周または前記外周折曲げ部に差し込み孔が設けられ、前記底面部と対向する上面と上面の内周を形成する前記上面折曲げ部と前記内周折曲げ部に差し込み片が設けられており、前記差し込み片を前記差し込み孔へ挿入することで、照明装置の枠体を形成することができることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のLED照明枠体用の型紙。
【請求項5】
前記型紙が放熱用の開口部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のLED照明枠体用の型紙。
【請求項6】
前記内周折曲げ部には、LED光源実装用の開口部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のLED照明枠体用の型紙。
【請求項7】
LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブルを具備し、
前記LED光源実装用の開口部に、前記LED光源の発光部が配置されるように、前記フレキシブルフラットケーブルが前記型紙に接着されていることを特徴とする請求項6に記載のLED照明枠体用の型紙。
【請求項8】
請求項7に記載のLED照明枠体用の型紙を折曲げて形成した枠体を用いたLED照明装置。
【請求項9】
前記LED光源が所定間隔で複数配置さていれることを特徴とする請求項8に記載のLED照明装置。
【請求項10】
前記LED照明装置の内面側の露出部が前記開口部を除き全てマイクロ発泡樹脂により形成されていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のLED照明装置。
【請求項11】
前記上面折曲げ部と前記内周折曲げ部の縁部には差し込み片が設けられ、前記差し込み片を前記底面部の外周または前記外周折曲げ部に形成された差し込み孔に挿入して固定されており、
前記差し込み孔の幅と高さが前記差し込み片の幅と高さより小さいことを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載のLED照明装置。
【請求項12】
前記枠部の内面と底面のなす角が70°以上90°未満であることを特徴とする請求項8から請求項11のいずれかに記載のLED照明装置。
【請求項13】
前記LED光源は、前記フレキシブルフラットケーブル上に直列または並列に接続されていることを特徴とする請求項8から請求項12のいずれかに記載のLED照明装置。
【請求項14】
前記底面部の中央に、反射突起が設けられていることを特徴とする請求項8から請求項13のいずれかに記載のLED照明装置。
【請求項15】
前記枠体の前記上面折曲げ部の中央部に形成された環状の開口部の光取り出し面に前記上面折曲げ部を覆うように光拡散板が設けられていることを特徴とする請求項8から請求項14のいずれかに記載のLED照明装置。
【請求項16】
略矩形状の底面部と、前記底面部の外周に設けられる外周折曲げ部と、前記外周折曲げ部と一辺を共有し、折り曲げた時に前記底面部と対向する上面折曲げ部と、前記上面折曲げ部の内周に設けられる内周折曲げ部と、を有する型紙と、
LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブルと、を具備し、
前記型紙は、光反射機能を有するマイクロ発泡樹脂シート製のLED照明枠体用の型紙であり、
前記内周折曲げ部には、LED光源実装用の開口部が設けられ、
前記上面折曲げ部と前記内周折曲げ部の縁部には差し込み片が設けられ、前記底面部または前記外周折曲げ部に差し込み孔が形成され、
前記LED光源実装用の開口部に、前記LED光源の発光面が露出するように、前記フレキシブルフラットケーブルが前記内周折曲げ部の裏面に接着され、
前記外周折曲げ部、前記上面折曲げ部、および前記内周折曲げ部をそれぞれの折曲げ部の境界部の折り曲げ線で折り曲げ、前記差し込み片を前記差し込み孔に挿入して、所定高さ、所定幅を有する内部が空洞の額縁状の枠部を底面の外周に形成して固定することを特徴とするLED照明装置の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品点数が少なく軽量なLED照明装置用枠体、照明装置、および照明装置用枠体の成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーおよび長寿命であることから、LED(Light Emitting Diode)照明が普及しており、LED光源を用いた照明は数多く提案されている。これらの照明装置は、照明装置の枠体の内部に白色レジストなどの光反射性の有機被膜を塗布して光反射特性を向上させるものがある。さらに、照明装置の照度向上や光拡散の目的で、光反射板を用いるものがある。
【0003】
例えば、箱体の内部にLED光源を配置し、当該箱体内に光反射板を配置したLED光源ライトボックスがある(特許文献1)。
【0004】
また、指向性の強いLED光源を用い、LED光源の放射方向の厚みを増大させることなく広い面積で均一な照明光を得ることのできるケーシングの内側に反射手段が設けられた面照明装置が提案されている。(特許文献2)
【0005】
さらに、照明灯具の一対の光出口である平面形状のレンズとケースにより作られる空間の両側端に、LED光源が配置される照明装置がある。(特許文献3)
【0006】
特許文献1は、指向性の強いLED光源を用いた場合でも、表面照度ムラを抑制することを目的としたものである。
【0007】
しかし、特許文献1のように多数のLED光源を用いたのでは、コストが増加する。また、特許文献1は、箱体内に光反射板などを配置するものであり、部品点数が多く、また、箱体の内側面での反射率を高くするためには、さらに別途の反射板を配置する必要がある。このため、構造が複雑となり、重量の増加を招く。
【0008】
特許文献2は、発光源の放射方向に放射面を有する導光体と、導光体の放射面以外の面を閉塞するケーシングとにより構成される照明光源装置である。しかし、放射面に設けられる放射側反射手段の他に、ケーシングには内側反射手段が設けられており、成形されたケーシングが反射板を兼ねるものではない。
【0009】
特許文献3は、光の拡散機能と反射機能を持つ光拡散フィルムが平行に配置したレンズの裏面に取り付けられるか、他方が光反射板に取り付けられる構造を有している。特許文献3の照明装置では、LEDの照射光は、光拡散フィルム間、あるいは光拡散フィルムと光反射板の間で反射しながら、光の照射方向と直交する方向に拡散されレンズから面発光する。しかし、筐体は装置ケース本体とレンズにより構成され、光拡散フィルムや光反射板は筐体の一部であるレンズに貼り付けて使用され、光拡散フィルムや光反射板が照明装置の筐体を兼ねるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−202729号公報
【特許文献2】特開2008−027886号公報
【特許文献3】特開2010−177196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、簡易な構造で組立作業性に優れたLED照明枠体用の型紙、型紙を組み立てて製作した枠体を用いたLED照明装置、およびLED照明装置の組み立て方法を提供することを目的とする。
本発明では、型紙に光反射特性を有するマイクロ発泡樹脂シートを用いることで、軽量な枠体が反射板を兼ねるLED照明装置を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達するために第1の発明は、
略矩形状の底面部と、前記底面部の外周に設けられる
外周折曲げ部と、
前記外周折曲げ部の長辺側を挟んで前記底面部と接続する前記底面部の外形に対応した外形を有し、中央部がくりぬかれ、折り曲げた時に前記底面部と対向する上面折曲げ部と、前記上面折曲げ部の内周側の、短辺側、長辺側にそれぞれ一対形成される内周折曲げ部と、を具備し、前記底面部、
前記外周折曲げ部、前記上面折曲げ部、および前記内周折曲げ部が光反射特性を有するマイクロ発泡樹脂シートにより形成されており、
前記外周折曲げ部、前記上面折曲げ部、前記内周折曲げ部をそれぞれの折曲げ部の境界部の折り曲げ線で折り曲げることで、所定高さ、所定幅を有する内部が空洞の額縁状の枠部を前記底面部の外周に形成できることを特徴とするLED照明枠体用の型紙である。
【0013】
前記マイクロ発泡樹脂シートの波長450〜650nmの可視光帯域での光学特性として、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率が、少なくとも、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上であり、さらに全反射率95%以上、拡散反射率が95%以上であることが望ましい。
【0014】
前記
上面折曲げ部と前記内周折曲げ部の縁部には差し込み片が設けられ、前記差し込み片を前記底面部
の外周または前記
外周折曲げ部に形成された差し込み孔に挿入して固定可能であり、前記型紙は、前記
底面部の外周を形成する
前記外周折曲げ部と、前記底面部と対向する上面を形成する前記上面折曲げ部とが一辺を共有し、前記底面部と
、前記
底面部の外周を形成する
前記外周折曲げ部と、前記
上面折曲げ部と、前記内周折曲げ部とが、一体に形成されていることが望ましい。
【0015】
前記型紙は、前記底面部と前記
底面部の外周を形成する
前記外周折曲げ部と、前記
底面部と対向する上面と
上面の内周を形成する
前記上面折曲げ部と前記内周折曲げ部とが別体に形成されており、さらに前記底面部
の外周または前記
外周折曲げ部に差し込み孔が設けられ、前記
底面部と対向する上面と
上面の内周を形成する
前記上面折曲げ部と前記内周折曲げ部に差し込み片が設けられており、前記差し込み片を前記差し込み孔へ挿入することで、照明装置の枠体を形成することもできる。
【0016】
前記型紙が放熱用の開口部を有してもよい。これにより、枠体の額縁状の枠部内の熱を開口部から、枠体の外部に放出することが可能になる。このように、放熱用の開口部を枠体の外周や上面など照明装置を取り付けた時に、照明装置の裏側となる見えにくい位置に設けることが望ましい。
【0017】
前記
内周折曲げ部には、LED光源実装用の開口部が設けられてもよい。前記開口部は、折り曲げ成形前の型紙切断加工時に設けておくことが望ましいが、開口部がLED光源などを実装しない放熱孔の場合には、折り曲げ成形後に、開口部を設けても良い。
【0018】
LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブルを具備し、前記LED光源実装用の開口部に、前記LED光源の発光部が配置されるように、前記フレキシブルフラットケーブルが接着されてもよい。
【0019】
第1の発明によれば、光反射特性を有するマイクロ発泡樹脂シートにより形成された型紙であるため、当該型紙を折り曲げることで、光反射特性に優れた照明用の枠体を得ることができる。また、このような型紙から形成される枠体は、反射板、基板の役割を同時に果たすため、枠体内部に白色レジストのような反射特性を有する皮膜を設けたり、別途の反射板を設ける必要がない。特に、マイクロ発泡樹脂シートは、全反射率、拡散反射率ともに優れるので反射板として有効である。
【0020】
また、波長450〜650nmの可視光に対する光学特性として、少なくとも、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上であり、好ましくは全反射率が95%以上、拡散反射率が95%以上であれば、効率よく光を反射させることができる。
【0021】
また、型紙を組み立てる際、差し込み片を差し込み孔に挿入するだけで、各部が固定されるため、組立作業性が良好である。
【0022】
前記型紙が放熱用の開口部を有すれば、効率よく光源で生じた熱を放熱することができる。
【0023】
また、
内周折曲げ部には、LED光源実装用の開口部が設けられれば、LED光源を型紙の開口部から露出させることができる。
【0024】
また、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブルを用いることで、LED光源を所定位置に容易に配置することができる。このため、LED光源の基板も不要となる。
【0025】
第2の発明は、第1の発明にかかるLED照明枠体用の型紙を折曲げて枠体が形成されることを特徴とするLED照明装置である。
【0026】
前記LED光源が所定間隔で複数配置されてもよい。複数のLED光源は直列に接続されていても、並列に接続されていても良い。
【0027】
前記LED照明装置の内面側の露出部は、LED光源の開口部を除き全て反射板として機能させることもできる。このようにすることで、反射板を別体で取り付ける必要がない。
【0028】
前記
上面折曲げ部と前記内周折曲げ部の縁部には差し込み片が設けられ、前記差し込み片を前記底面部
の外周または前記
外周折曲げ部に形成された差し込み孔に挿入して固定されており、前記差し込み孔の幅と高さが前記差し込み片の幅と高さより小さいことが望ましい。
【0029】
前記枠部の内面と底面のなす角が70°以上90°未満であることが望ましい。
さらには、70°以上80°未満であることが望ましい。このような角度に設定した枠体内面にLED光源を取り付けることで、LED照明の使用時のグレア性を低減することができる。
【0030】
前記LED光源は、前記フレキシブルフラットケーブル上に直列または並列で接続されることが望ましい。このようにすることで、容易にLED光源を枠体に取り付けることができ、枠体上で自由に折り曲げたり、折り重ねたりすることができる。このため、銅箔やガラエポ等の基板上にLED光源を配置することなく、フレキシブルフラットケーブルを枠体に貼り付けるだけで、照明装置を製造することができる。
【0031】
前記底面部の中央に、反射突起が設けられてもよい。底面部中央に反射突起を設けることで、LED光源から遠い底面部近傍とLED光源の近傍の照明器具の明るさを均等にすることができ、照明器具の照射面から均一な明るさの光りを照射することができる。
【0032】
前記枠体の
前記上面折曲げ部の中央部に形成された環状の開口部の光取り出し面に
前記上面折曲げ部を覆うように光拡散板が設けられてもよい。光拡散板は、乳白色のガラス製やアクリル樹脂製のものを用いることができるが、ガラス製の拡散板を用いるよりは、アクリル樹脂製の拡散板を用いることが望ましい。
【0033】
第2の発明によれば、組立性に優れた照明装置を得ることができる。すなわち、型紙を用いて容易にLED照明用枠体を組立てることができ、通常の樹脂成形と異なり、成形型の製造の必要がなく、型紙形状を変えるだけ設計変更を行えることから、低コストで照明器具の枠体を製造することができる。
【0034】
また、LED光源が所定間隔で複数配置されれば、より均一な光を下方に拡散させて照射することができる。
【0035】
また、開口部を除き、LED照明の内面側が反射板として機能するため、別途の反射板が不要である。これにより、照明装置の軽量化が可能になる。
【0036】
差し込み孔の幅と高さが差し込み片の幅と高さと等しくても良いが、差し込み組立て部からの漏光を防止するためには、差し込み孔の幅と高さが差し込み片の幅と高さよりわずかに小さいことが望ましい。また、差し込み孔の幅と高さが差し込み片の幅と高さより小さければ、差し込み片を圧入して、差し込み孔を変形させて差し込み孔に挿入できるため、より確実に固定が可能である。
【0037】
枠部の内面と底面のなす角が70°以上90°未満であれば、効率よく光を反射させて拡散させることができる。このため、照明装置内部の輝度分布の均一化に役立つと同時に光源が直接見にくくなることから、グレア性の低減に役立つ。また、内面と底面の角度は、型紙の設計を変更すれば、鋭角でなく90°以上の鈍角にすることも可能である。このように、鈍角に設計することで、LED光源を光照射面の直下から見える位置にも配置できるので、直接照明にも適用できる。
【0038】
また、LED光源がフレキシブルフラットケーブル上に接続されることで、LED光源を所定位置に容易に配置することができる。LED光源をフレキシブルフラットケーブル上に配置するので、LED光源から発生する熱をフレキシブルフラットケーブルの導線を通じて外部に効率的に逃がすことができる。
【0039】
また、底面部の中央に反射突起を設けることで、より均一な光を下方に均一に拡散させて照射することができる。これによりLED光源からの距離が遠い部分の明るさをLED光源の近傍と均一にすることができる。
【0040】
また、光取り出し面に光拡散板を設けることで、より均一な光を下方に拡散させて照射することができる。
【0041】
第3の発明は、
略矩形状の底面部と、前記底面部の外周に設けられる外周折曲げ部と、前記外周折曲げ部と一辺を共有し、折り曲げた時に前記底面部と対向する上面折曲げ部と、前記上面折曲げ部の内周に設けられる内周折曲げ部と、を有する型紙と、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブルと、を具備し、
前記型紙は、光反射機能を有するマイクロ発泡樹脂シート製のLED照明枠体用の型紙であり、前記
内周折曲げ部には、LED光源実装用の開口部が設けられ、前記
上面折曲げ部
と前記内周折曲げ部の縁部には差し込み片が設けられ、前記底面部または前記
外周折曲げ部に差し込み孔が形成され、前記LED光源実装用の開口部に、前記LED光源の発光面が露出するように、前記フレキシブルフラットケーブルが
前記内周折曲げ部の裏面に接着され、
前記外周折曲げ部、前記上面折曲げ部、および前記内周折曲げ部を
それぞれの折曲げ部の境界部の折り曲げ線で折り曲げ、前記差し込み片を前記差し込み孔に挿入して、所定高さ、所定幅を有する内部が空洞の額縁状の枠部を底面の外周に形成して固定することを特徴とするLED照明装置の組み立て方法である。
【0042】
第3の発明によれば、容易にLED照明装置を組み立てることができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、簡易な構造で組立作業性に優れたLED照明枠体用の型紙、LED照明装置、およびLED照明装置の組み立て方法を提供することができる。特に、本発明の照明装置は、前記枠体用型紙、LED光源と電源または制御装置につなぐことのできる配線があれば、反射板やLED光源固定用の基板等を設けることなくLED照明装置を作成できる。特に、本発明の枠体は拡散反射率が高いマイクロ発泡樹脂を使用し、枠体内部においてLED光源から放出された光を繰り返し枠体に反射させることで、光拡散板の光取り出し面から均一な光を容易に取り出すことができ、グレア感のない面状LED照明装置を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図2】(a)はフレキシブルフラットケーブル15の正面図、(b)はフレキシブルフラットケーブル15の背面図。
【
図3】フレキシブルフラットケーブル15が貼り付けられた型紙1を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は型紙1を示す展開図である。型紙1は、LED照明の枠体用の型紙である。型紙1は、光反射特性を有するマイクロ発泡樹脂シート(多数の微細機構を有する多孔質部材)から形成される。本発明で用いるマイクロ発泡樹脂シートは、厚み方向の中央に発泡層を有し、両面に非発泡層を有する絶縁性の発泡樹脂シートである。ここで、発泡層とは、発泡により、気泡を生成させた層をいう。
【0046】
本発明では、マイクロ発泡樹脂シートの厚さは0.4mm〜2.0mmで、非発泡層の厚さは10〜30μmである。また、マイクロ発泡樹脂シートは、平均気泡径が0.2μmから40μmの範囲であることが好ましい。ここで、平均気泡径が0.2μmより小さすぎると、光の透過度が高くなり反射率が低下する。平均気泡径が大きすぎると拡散反射率が低下するため、平均気泡径は0.2μmから40μm以下とする必要がある。さらに平均気泡径は0.5μmから20μmであることが好ましい。
【0047】
マイクロ発泡樹脂シートは熱可塑樹脂からなり、波長450〜650nmの可視光帯域での光学特性として、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率が、全反射率90%以上、拡散反射率90%以上、反射率の波長依存性が1%以下の範囲内にある。全反射率は、好ましくは95%以上、拡散反射率ともに95%以上である。マイクロ発泡樹脂シートは、全反射率、拡散反射率ともに優れるので、反射板として有効である。
【0048】
ここで、本発明のマイクロ発泡樹脂シートは、絶縁性を有する基板で、その体積固有抵抗は10
12Ω〜10
11Ωである。この範囲であれば、本発明における絶縁性を十分確保できる。
【0049】
本発明において、マイクロ発泡樹脂シートは、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、難燃PC樹脂、アクリル系樹脂、例えばPMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)のいずれかから構成することが好ましい。上記の他、マイクロ発泡樹脂シートには、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂に難燃性を持たせた透明樹脂を使用することもできる。
【0050】
型紙1は、金型による打ち抜きで形成してもよく、または、金型を用いることなく作図装置にカッターを付けることやレーザカットなどにより形成してもよい。
ここで、
折曲げ部の折り曲げ線位置に、折り曲げやすいようにマイクロ発泡樹脂シートにカッターで、浅い切込みを入れることが望ましい。このようにすることで、マイクロ発泡樹脂シートが折り曲げやすくなり、枠体が組み立てやすくなる。展開型紙を用いて枠体を形成する場合には、折り曲げ線を以外は変形を受けないことから、枠体は、成形前のマイクロ発泡樹脂の光学特性を維持できる。
【0051】
型紙1は、底面部3、
外周折曲げ部5a、5b、
上面折曲げ部5c、
内周折曲げ部5d、5e等から構成される。すなわち、底面部3、
外周折曲げ部5a、5b、
上面折曲げ部5c、
内周折曲げ部5d、5eは、マイクロ発泡樹脂シートにより形成される。底面部3は、略矩形の形状であり、底面部3の外周には、短辺側に
外周折曲げ部5aが一対形成され、長辺側に
外周折曲げ部5bが一対形成される。
【0052】
一方の側の
外周折曲げ部5bの側方には
上面折曲げ部5cが設けられる。すなわち、底面部3と
上面折曲げ部5cが一方の側の
外周折曲げ部5bを挟んで配置される。
上面折曲げ部5cは底面部3の外形に対応した外形を有し、中央部がくりぬかれた環状である。
【0053】
上面折曲げ部5cの内周側には、短辺側に
内周折曲げ部5dが一対形成され、長辺側に
内周折曲げ部5eが一対形成される。なお、底面部3、
外周折曲げ部5a、5b、
上面折曲げ部5c、
内周折曲げ部5d、5eのそれぞれの境界部が、実際に型紙を折り曲げる部分となる。なお、
外周折曲げ部5a、5b、
上面折曲げ部5c、
内周折曲げ部5d、5eの配置は図示した例には限られない。また、
上面折曲げ部5c、
内周折曲げ部5d、5eは、直接底面部3とは接してはいないが、他の
外周折曲げ部5a、5b等を介して、底面部3の外周に設けられているものとして説明する。
【0054】
次に、開口部11、開口部13、差し込み孔7について説明する。
外周折曲げ部5a、5bには、開口部13が1つまたは複数設けられる。開口部13は、放熱用の孔である。また、
外周折曲げ部5a、5bには、複数の差し込み孔7が、各辺に沿って設置される。また、
外周折曲げ部5bの両端には、差し込み孔7が形成され、
外周折曲げ部5aの両端(縁部)には、差し込み片9が形成される。ここで、開口部13は、放熱用の孔であるため、必ずしも必要ではないが、照明装置の熱設計上必要であれば適宜設けることができる。
【0055】
上面折曲げ部5cの外周(縁部)には、
外周折曲げ部5bと接続している部位を除き、周方向に所定間隔で差し込み片9が併設される。また、
内周折曲げ部5d、5eの内周側の辺(縁部)には、それぞれ差し込み片9が併設される。また、
内周折曲げ部5d、5eには、開口部11が設けられる。開口部11は、LED光源17の実装用の孔である。
【0056】
図2(a)は、フレキシブルフラットケーブル15を示す正面図であり、
図2(b)は、フレキシブルフラットケーブル15を示す背面図である。なお、以下の説明において、フレキシブルフラットケーブル15への配線等については、図示を省略する。
【0057】
フレキシブルフラットケーブル15は、回路導体(例えば銅箔または回路により形成された回路)の一方の面と他方の面を樹脂(例えばPETやポリイミド、ポリエチレンナフタレート)で被覆したものである。具体的には、断面矩形の導体を一定間隔に並べ、上下をプラスチックフイルムテープで挟み、熱と圧力を加えて、テープ接合面を熱溶着または、接着剤により熱融着したものである。所定の長さに切断されたフレキシブルフラットケーブル15の内部には、少なくとも一対の回路導体が形成されており、フレキシブルフラットケーブル15の端部近傍では、これらの回路導体同士を導通させる導体部材22が設けられる。導体部材22は、内部の回路導体と導通する。すなわち、回路導体と導体部材22によって配線回路19が形成される。
【0058】
フレキシブルフラットケーブル15には、複数のLED光源17が所定の間隔で配置される。LED光源17の電極端子を、フレキシブルフラットケーブル15の表面から、内部の配線回路19に貫通させるか、あるいは被覆樹脂の一方の面を剥がして、電極端子と配線回路19をはんだ付けや低温ろう付けを行うことで、内部の配線回路19とLED光源17とを導通させて、フレキシブルフラットケーブル15へLED光源17を実装することができる。なお、LED光源17は、配線回路19に対して、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよい。
【0059】
図3は、型紙1にフレキシブルフラットケーブル15が接着された状態を示す図である。フレキシブルフラットケーブル15は、
内周折曲げ部5d、5e
の裏面側に貼り付けられる。この際、LED光源17の発光部(発光面)が、開口部11に露出するように配置される。
【0060】
次に、型紙1を用いて形成される枠体(照明装置)について説明する。
図4は、枠体21を示す底面図であり、
図5は、
図4のA−A線断面図である。
【0061】
各折曲げ部を折り曲げて、まず、
外周折曲げ部5aの両端部の差し込み片9は、
外周折曲げ部5bの両端部の差し込み孔7に差し込まれる。また、
上面折曲げ部5cの外周の差し込み片9は、
外周折曲げ部5a、5bの辺に沿って配置される差し込み孔7に挿入される。また、
内周折曲げ部5d、5eの差し込み片9は、
外周折曲げ部5a、5bの差し込み孔7(底面部3との境界部近傍の差し込み孔7)に挿入される。
【0062】
すなわち、
外周折曲げ部5a、5bは、枠体21の側面部を構成し、
上面折曲げ部5cは、底面部3と対向する面となる。また、
内周折曲げ部5d、5eは、枠部2の内周面を構成する。
【0063】
なお、差し込み孔7の幅と高さは、差し込み片9の幅と高さより小さいことが望ましい。このようにすることで、差し込み孔7に差し込み片9を差し込む際、差し込み片9が変形し、差し込み片9の抜けにくくなる。このため、より確実に形状を保持することができる。
【0064】
このように、
外周折曲げ部5a、5b、
上面折曲げ部5c、
内周折曲げ部5d、5eを折り曲げることによって、底面部3の外周に、所定高さ、所定幅を有する内部が空洞の額縁状の枠部2が形成されて固定される。なお、枠部2の内面と底面部3のなす角Bは、70°以上90°未満であることが望ましい。角Bが90°以上であると、光の取り出し口である枠部2の開口部から、LED光源17からの光が直接出射して、間接光の効果が薄れる。また、角Bが70°未満であると、LED光源17からの光が照明装置23(底面部3)の中央まで届きにくくなる。
【0065】
枠部2の内部の空洞部に、フレキシブルフラットケーブル15が配置され、開口部11からは、LED光源17の発光面が、内側(底面部3側)に向くように配置される。また、LED光源17が配置される部位の
外周折曲げ部5a、5bには、開口部13が配置される。開口部13は、LED光源17からの熱を外部に放出する。
【0066】
また、枠部2の内周面と底面部3とで囲まれた空間は、開口部11(LED光源17)を除き、全面が型紙1を構成するマイクロ発泡樹脂シートが露出する。このため、照明装置23の内面側の露出部を、全て反射板として機能させることができる。
【0067】
LED光源17を発光させると、LED光源17からの光が直接に照射されるのではなく、照明装置23の内面における拡散反射を繰り返して枠部2で囲まれた光取り出し部から照射される。このため、レンズ等を用いることなく、光を下方に均一に拡散させて照射することができる。この結果、照度むらや影が生じることがなく、やわらかく落ちついた間接照明的な効果を演出することができる。なお、照明装置23を天井に設置する場合には、底面部3は、天面側となり、光取り出し部が下方に向けて配置される。
【0068】
以上、本実施の形態によれば、反射特性に優れる型紙1を用いて、枠体21を形成するため、組立作業性が良好である。また、型紙1にフレキシブルフラットケーブル15が貼り付けられるため、部品点数が少なく、枠体21が光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シート製であるため、枠体21の内面全体を反射板として機能させることができる。また、型枠を折り曲げて枠体を構成するため、例えば、真空成型などでは成形できないような逆テーパ型の枠体でも形成することができる。
【0069】
また、型紙1は、
底面部3の外周を形成する部分(
外周折曲げ部5a、5b)の一辺と、
底面部3と対向する上面を形成する部分(
上面折曲げ部5c)の一辺とを共有し、底面部3と
底面部3の外周を形成する部分(
外周折曲げ部5a、5b)と、
底面部3と対向する上面と
上面の内周を形成する部分(
上面折曲げ部5c、
内周折曲げ部5d、5e)とが、一体に形成されている。すなわち、型紙1は複数に分離しない。このため、組立が容易である。
【0070】
また、LED光源17が、枠部2の内面側に配置されることで、LED光源17が見えないため、光源が目立ちにくい。
【0071】
また、LED光源17の背面側には、開口部13が形成されるため、放熱性にも優れる。
【0072】
次に、第2の実施形態について説明する。
図6は、枠体21a(照明装置23a)の断面図である。なお、以下の説明において、枠体21(照明装置23)等と同一の機能を奏する構成については、
図1〜
図5と同一の符号を付し、重複する説明を省力する。
【0073】
枠体21aは枠体21とほぼ同様の構成であるが、
内周折曲げ部5d、5eの差し込み片9が、底面部3側に形成された差し込み孔7に差し込まれる点で異なる。すなわち、枠体21は、枠部2の断面形状が略三角形であったが、枠体21aでは、枠部2が略台形となる。なお、この場合でも、枠部2の内面と底面部3のなす角は、70°以上90°未満であることが望ましい。さらに、70°以上80°未満であることがより望ましい。
【0074】
枠体21a
では、開口部13aが底面部3に形成される。すなわち、放熱用の孔が、枠体21aの側面ではなく、底面側に配置される。
【0075】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、放熱用の開口部13、13aは、側面または底面のいずれに形成されてもよい。
【0076】
次に、第3の実施形態について説明する。
図7は、枠体21b(照明装置23b)の断面図である。照明装置23bは照明装置23とほぼ同様の構成であるが、
枠体の上面折曲げ部の中央部に形成された環状の開口部の光取り出し面に上面折曲げ部を覆うように光拡散板25が設けられる点で異なる。枠体21bの底面部3と対向する開口部には、開口部を塞ぐように、光拡散板25が設けられる。光拡散板25は、例えば光透過性を有するガラスまたは樹脂製である。
【0077】
光拡散板25は、光が透過する際に、光を拡散させる。このため、光拡散板25を用いることで、LED光源17から照射され、枠体21bの内面で拡散反射した光を、さらに拡散させることができる。
【0078】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、光拡散板25によって、より確実に光を拡散させて、広範囲に光を広げることができる。
【0079】
次に、第4の実施形態について説明する。
図8は、枠体21c(照明装置23c)の底面図であり、
図9は、
図8のC−C線断面図である。照明装置23cは、照明装置23とほぼ同様であるが、反射突起27が設けられる点で異なる。
【0080】
反射突起27は、底面部3の中心線上に沿って、長手方向に連続して形成される。反射突起27は、底面部3に対して傾斜する傾斜面を有し、枠部2で囲まれる開口部側に突出する。すなわち、反射突起27は、LED光源17との対向面が、光取り出し口側に傾斜する。なお、反射突起27は、型紙1の製造前に、予めマイクロ発泡樹脂シートに対して真空成型等によって形成される。
【0081】
反射突起27を配置することで、LED光源17から離れた位置において、光取り出し口側に光を多く出射させることができる。このため、
位置による明るさの差異を少なくすることができる。
【0082】
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、反射突起27によって、より光を均一に出射させることができる。
【0083】
次に、第5の実施形態について説明する。
図10は、型紙1aを示す平面図である。型紙1aは、型紙1を、別体の2つの型紙に分割したものである。擬態的には、型紙1aは、底面部3と
底面部3の外周を形成する部分(
外周折曲げ部5a、5b)と、
底面部3と対向する上面と
上面の内周を形成する部分(
上面折曲げ部5c、
内周折曲げ部5d、5e)とが別体に形成される。
【0084】
また、底面部3または
外周折曲げ部5a、5bに差し込み孔7が設けられ、
底面部3と対向する上面と
上面の内周を形成する部分(
上面折曲げ部5c、
内周折曲げ部5d、5e)に差し込み片9が設けられる。差し込み片9を差し込み孔7へ挿入することで、照明装置の枠体を形成する
ことができる。すなわち、分離した型紙を組み合わせて一体化することで、型紙1を用いた照明用枠体と同様の枠体を得ることができる。
【0085】
第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、本発明の型紙は、必ずしも全体が一体でなくてもよく、一部が分離されていてもよい。以上、本発明では、組み立て性に優れ、拡散反射率の高い型紙構造のマイクロ発泡樹脂製の反射板を枠体として用いるので、これとは別に反射板を設けることなく、均一な明るさを有しグレア感のない面発光照明装置を容易に得ることができる。
【0086】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0087】
1、1a………型紙
2………枠部
3………底面部
5a、5b
………外周折曲げ部
5c………上面折曲げ部
5d、5e………内周折曲げ部
7………差し込み孔
9………差し込み片
11………開口部
13、13a………開口部
15………フレキシブルフラットケーブル
17………LED光源
19………配線回路
21、21a、21b、21c………枠体
22………導体部材
23、23a、23b、21c………照明装置
25………光拡散板
27………反射突起
【要約】
【課題】 簡易な構造で組立作業性に優れたLED照明枠体用の型紙、LED照明装置、およびLED照明装置の組み立て方法を提供する。
【解決手段】 型紙1は、金型による打ち抜きで形成してもよく、または、金型を用いることなく作図装置にカッターを付けることやレーザカットなどにより形成してもよい。型紙1は、底面部3、折曲げ部5a、5b、5c、5d、5e等から構成される。枠部2の内部の空洞部に、フレキシブルフラットケーブル15が配置され、開口部11からは、LED光源17の発光面が、内側に向くように配置される。また、枠部2で囲まれた空間は、開口部11(LED光源17)を除き、全面が型紙1を構成するマイクロ発泡樹脂シートが露出する。このため、照明装置23の内面側の露出部を、全て反射板として機能させることができる。
【選択図】
図5