【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明では、シリコン単結晶製造装置から窒素、酸素及び一酸化炭素を含む廃アルゴンガスを廃アルゴンガス貯槽に導入する工程と、前記廃アルゴンガス中の固形物を除去する前処理設備で、前記固形物を除去する工程と、触媒反応により、前記酸素を水に、前記一酸化炭素を二酸化炭素にそれぞれ転化する工程と、前記水、前記二酸化炭素及び前記窒素を除去し、回収ガスを得る工程とを有するアルゴンガス回収精製方法であって、
前記触媒反応を二段圧縮機内に触媒を配置することで圧縮熱のみで行い、前記回収ガスを得る工程において、予めドライヤーで前記水を除去してから常温吸着塔で前記窒素、前記二酸化炭素を吸着除去することを特徴とするアルゴンガス回収精製方法を提供する。
【0013】
このようなアルゴンガス回収精製方法であれば、シンプルで低コストとなる設備を用いてシリコン単結晶製造装置から排出された大風量のアルゴンガスに含まれる不純ガスを安定的に除去できる。
【0014】
また、前記シリコン単結晶製造装置と前記廃アルゴンガス貯槽との間に流体搬送機器を設置せずに直接廃アルゴンガス配管で接続することによって、前記廃アルゴンガス配管内に負圧箇所を一切設けず、常に正圧に保つことが好ましい。
【0015】
このようなアルゴンガス回収精製方法であれば、配管に接続する1つ又は多数のシリコン単結晶製造装置やそれらの接続配管からのリークによる大気の侵入を確実に抑えることができる。
【0016】
また、前記転化する工程において、まず、前記二段圧縮機の一段目の圧縮ユニットの手前で、前記廃アルゴンガス中に添加量を制御しながら酸素を添加してから一段圧縮操作を行い、該圧縮操作により生じた圧縮熱により、前記廃アルゴンガスの温度を100〜200℃に上昇させた後、直ちに前記一段目の圧縮ユニット後段に設置した一段目の触媒ユニットで、前記一酸化炭素及び前記添加した酸素を前記触媒反応させることによって、前記二酸化炭素に転化し、
次に前記二段圧縮機の二段目の圧縮ユニットの手前で、前記廃アルゴンガス中に添加量を制御しながら水素を添加してから二段圧縮操作を行い、該圧縮操作により生じた圧縮熱により、前記廃アルゴンガスの温度を100〜200℃に上昇させた後、直ちに前記二段目の圧縮ユニット後段に設置した二段目の触媒ユニットで、前記酸素及び前記添加した水素を前記触媒反応させることによって、前記水に転化することが好ましい。
【0017】
このようなアルゴンガス回収精製方法であれば、廃ガス中の不純ガスをより効率的に除去できる。
【0018】
この場合、前記一段目の圧縮ユニット及び前記二段目の圧縮ユニット以外に加熱源を用いないことが好ましい。
【0019】
このようなアルゴンガス回収精製方法であれば、触媒反応が最低限のエネルギーで実現可能である。
【0020】
この場合、前記一段目の触媒ユニットの直後にインタークーラーを設置し、前記二段目の触媒ユニットの直後にアフタークーラーを設置することによって、前記二段圧縮機外部に冷却装置を設けずに前記廃アルゴンガスを冷却することが好ましい。
【0021】
このようなアルゴンガス回収精製方法であれば、二段圧縮機外部に冷凍装置は不要であり、触媒反応が最低限のエネルギーで実現可能である。
【0022】
また、前記二段圧縮機に前記廃アルゴンガスを導入する際、前記二段圧縮機入口の前記廃アルゴンガス流量の変動に対して、常に吸入圧力あるいは吐出圧力を監視してバイパス制御を行うことによって、前記二段圧縮機に、常に一定量の廃アルゴンガスを流すことが好ましい。
【0023】
このようなアルゴンガス回収精製方法であれば、各触媒ユニットにおける反応が安定化する。
【0024】
また、前記ドライヤーを、シリカアルミナ系、活性アルミナ系、合成ゼオライト系の吸着剤を有するノンパージ型ドライヤーとすることが好ましい。
【0025】
このようなドライヤーで除湿することで、廃ガスのロスを極力低減しながら安定的に水分を除去でき、窒素や二酸化炭素の吸着工程における吸着剤(ゼオライト)への水分による能力低下を防ぐことができる。
【0026】
また、前記常温吸着塔を複数塔式常温吸着塔とすることが好ましい。
【0027】
このような吸着塔を用いることによって、より効率的に、吸着除去を行うことができる。
【0028】
この場合、前記複数塔式常温吸着塔を3塔式常温吸着塔とし、各吸着塔で、前記廃アルゴンガス中の前記窒素、前記二酸化炭素の吸着除去、前記吸着した窒素、二酸化炭素の脱着及び吸着塔の昇圧を交互に切り替えて繰り返すことが好ましい。
【0029】
このような吸着塔を用いるアルゴンガス回収精製方法であれば、各塔で吸着、脱着、昇圧を交互に切り替えて繰り返すことで連続的に廃ガス中の窒素と二酸化炭素を吸着除去することができる。
【0030】
また、前記3塔式常温吸着塔のうちいずれかの吸着塔において前記昇圧を行う際、前記吸着塔に流入する前記廃アルゴンガスの流入量を計測することによって、該流入量に応じて前記昇圧に使用する前記回収ガスの量を制御することが好ましい。
【0031】
このようなアルゴンガス回収精製方法であれば、吸着塔内の圧力変動を吸収して安定的に吸着を行うことができる。
【0032】
また、前記吸着、前記脱着、及び前記昇圧の時間を廃アルゴンガス流量の変動に対応して自動的に変更することが好ましい。
【0033】
このような吸着塔を用いることによって、より効率的に、吸着、脱着、昇圧を交互に切り替えて繰り返すことができる。
【0034】
また、前記廃アルゴンガス流量の変動に伴い、前記廃アルゴンガス貯槽のレベルが低下した際に、前記回収ガスを自動的に前記廃アルゴンガス貯槽に全量返送することが好ましい。
【0035】
このようなアルゴンガス回収精製方法であれば、設備を停止することなく連続的に運転することができる。
【0036】
また、前記回収ガス中の前記窒素、前記酸素及び前記一酸化炭素の濃度が所定の許容値を超える場合に、前記シリコン単結晶製造装置への前記回収ガス供給を直ちに停止し、前記回収ガスの一部又は全量を、屋外へパージ又は前記廃アルゴンガス貯槽に返送することが好ましい。
【0037】
このようなアルゴンガス回収精製方法であれば、不純ガスがシリコン単結晶製造装置側に流れることを防止できる。
【0038】
また、前記常温吸着塔入口において、前記廃アルゴンガス中の前記窒素、前記酸素及び前記一酸化炭素の濃度が所定の許容値を超える場合に、前記常温吸着塔への前記廃アルゴンガス供給を直ちに停止し、前記廃アルゴンガスの一部又は全量を、屋外へパージ又は前記廃アルゴンガス貯槽に返送することが好ましい。
【0039】
このようなアルゴンガス回収精製方法であれば、不純ガスが下流側に流れることを防止できる。
【0040】
更に本発明では、シリコン単結晶製造装置から窒素、酸素及び一酸化炭素を含む廃アルゴンガスを受け入れる廃アルゴンガス貯槽と、
前記廃アルゴンガス中の固形物を除去する前処理設備と、
前記廃アルゴンガスを圧縮することによって生じる圧縮熱のみで、前記酸素を水に、前記一酸化炭素を二酸化炭素にそれぞれ転化する触媒反応を行うことができる、機内に触媒が配置されている二段圧縮機と、
前記水を除去することができる吸着剤を具備するドライヤーと、
前記二酸化炭素及び前記窒素を除去することができる吸着剤を具備する常温吸着塔と
を有するものであることを特徴とするアルゴンガス回収精製装置を提供する。
【0041】
このようなアルゴンガス回収精製装置は、シンプルで低コストなものであり、シリコン単結晶製造装置から排出された大風量のアルゴンガスに含まれる不純ガスを安定的に除去できる。
【0042】
また、前記廃アルゴンガス貯槽とシリコン単結晶製造装置との間に流体搬送機器を設置せずに直接廃アルゴンガス配管で接続するものであることが好ましい。
【0043】
このようなアルゴンガス回収精製装置であれば、配管に接続する1つ又は多数のシリコン単結晶製造装置やそれらの接続配管からのリークによる大気の侵入を確実に抑えることができる。
【0044】
また、前記二段圧縮機は、前記廃アルゴンガスに添加量を制御しながら酸素を添加する酸素流量調節器、第一の圧縮を行う一段目の圧縮ユニット、機内に触媒が配置され、前記第一の圧縮によって生じる圧縮熱のみで、前記一酸化炭素を二酸化炭素に転化する触媒反応を行う一段目の触媒ユニット、前記廃アルゴンガスに添加量を制御しながら水素を添加する水素流量調節器、第二の圧縮を行う二段目の圧縮ユニット及び機内に触媒が配置され、前記第二の圧縮によって生じる圧縮熱のみで、前記酸素を水に転化する触媒反応を行う二段目の触媒ユニットを有するものであることが好ましい。
【0045】
このようなアルゴンガス回収精製装置であれば、廃ガス中の不純ガスをより効率的に除去できる。
【0046】
この場合、前記一段目の圧縮ユニット及び前記二段目の圧縮ユニット以外に加熱源を有しないことが好ましい。
【0047】
このようなアルゴンガス回収精製装置であれば、触媒反応が最低限のエネルギーで実現可能なものとなる。
【0048】
また、前記一段目の触媒ユニットの直後にインタークーラーを設置し、前記二段目の触媒ユニットの直後にアフタークーラーを設置し、前記二段圧縮機外部に冷却装置を設置しないものであることが好ましい。
【0049】
このようなアルゴンガス回収精製装置であれば、二段圧縮機外部に冷凍装置は不要であり、触媒反応が最低限のエネルギーで実現可能なものとなる。
【0050】
また、前記アルゴンガス回収精製装置は、更に、前記二段圧縮機入口の前記廃アルゴンガス流量の変動に対して、常に吸入圧力あるいは吐出圧力を監視してバイパス制御を行う自動圧力調節器を有するものであることが好ましい。
【0051】
このようなアルゴンガス回収精製装置であれば、各触媒ユニットで触媒反応する際、反応が安定化するものとなる。
【0052】
また、前記ドライヤーが、シリカアルミナ系、活性アルミナ系、合成ゼオライト系の吸着剤を有するノンパージ型ドライヤーであることが好ましい。
【0053】
このようなドライヤーであれば、廃ガスのロスを極力低減しながら安定的に水分を除去でき、吸着塔で窒素や二酸化炭素を吸着除去する際、吸着剤(ゼオライト等)へ水分が吸着するのを防ぐことができる。
【0054】
また、前記常温吸着塔が、3塔式常温吸着塔であることが好ましい。
【0055】
このような吸着塔であれば、より効率的に、吸着除去を行うことができる。
【0056】
また、前記アルゴンガス回収精製装置は、更に、前記回収ガス中の前記窒素、前記酸素及び前記一酸化炭素の濃度を測定する回収ガス分析計を有するものであることが好ましい。
【0057】
このような装置を更に有することによって、不純ガスの濃度変化を常に測定することができる。
【0058】
また、前記アルゴンガス回収精製装置は、更に、前記廃アルゴンガス貯槽のレベルが低下する又は前記回収ガス分析計の測定値が許容値を超える場合に、前記回収ガスの一部又は全量を前記廃アルゴンガス貯槽に返送する回収ガス返送用配管を有するものであることが好ましい。
【0059】
このような装置を更に有することによって、不純ガスがシリコン単結晶製造装置側に流れることを防止できる。
【0060】
また、前記アルゴンガス回収精製装置は、更に、前記常温吸着塔入口において、前記廃アルゴンガス中の前記窒素、前記酸素及び前記一酸化炭素の濃度が所定の許容値を超える又は前記回収ガス分析計の測定値が許容値を超える場合に、前記回収ガス又は前記廃アルゴンガスの一部又は全量を屋外へパージするためのパージバルブを有するものであることが好ましい。
【0061】
このような装置を更に有することによって、不純ガスが下流側に流れることを防止できる。