特許第5991874号(P5991874)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5991874
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】加工装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 49/10 20060101AFI20160901BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   B24B49/10
   H01L21/78 F
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-165772(P2012-165772)
(22)【出願日】2012年7月26日
(65)【公開番号】特開2014-24151(P2014-24151A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】藤 泰行
(72)【発明者】
【氏名】田中 英明
(72)【発明者】
【氏名】内田 文雄
(72)【発明者】
【氏名】大野 勝利
(72)【発明者】
【氏名】立石 俊幸
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−144034(JP,A)
【文献】 特開2009−194326(JP,A)
【文献】 特開2009−083016(JP,A)
【文献】 特開2003−242469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 49/00 − 49/10
H01L 21/301
B24B 27/06
B24B 53/00
B23Q 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物に加工を施す加工装置であって、
該被加工物を保持する保持手段と、
該保持手段で保持された被加工物に加工を施す加工手段と、
該加工手段を制御する制御手段と、
該被加工物を加工する加工条件情報を格納した情報コードを読取る読取手段と、を備え、
該制御手段は、該読取手段で読取った加工条件情報に基づいて該加工手段を作動させ、
該情報コードは、該加工条件情報とともに、該加工装置のメーカーから該加工装置の使用者側に提供されるレポートに表示される、
加工装置。
【請求項2】
前記加工手段は、被加工物を切削する切削ブレードを有し、
前記情報コードが有する前記加工条件情報は、該切削ブレードのドレス条件情報、及び/又は、プリカット条件情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記加工手段は、被加工物を切削する切削ブレードを有し、
前記情報コードが有する前記加工条件情報は、切削ブレードに対応した加工条件情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
【請求項4】
前記加工手段は、被加工物を切削する切削ブレードを有し、
前記加工条件情報は、スピンドル回転数、送り速度、カットインデックス、切削水、切削水量のいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物を加工する加工装置に関するものであり、より詳しくは、加工条件などの必要な情報を装置に入力するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、半導体製造工程や電子部品製造工程で用いられる加工装置として、切削装置、研削装置、研磨装置、レーザー加工装置等の各種の加工装置が知られている。
【0003】
そして、加工装置で被加工物に加工を施すためには、加工装置に加工条件を入力することに加え、加工装置側の各種設定を行う必要がある。このような各種設定は、タッチパネル式の表示モニタで行われる構成が知られており、この表示モニタに関連する技術について開示する文献も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
特許文献1では、表示モニタの操作に関連し、順番間違えや作業抜かしを生ずることなく加工条件等の入力設定操作を適正に行わせることができる加工装置について開示している。具体的には、操作画面の一部に、加工手段により被加工物に対する加工開始から加工終了までに設定操作を要する一連の操作項目、例えば、「デバイスデータ選択」「データ編集」「カット準備」「カット実行」「ワーク取り外し」を、カテゴリー別に大別し、設定操作を要する順番で時系列に図表化して表示する操作フロー表示部を有することで、操作項目毎の操作順序を常に明確にし、順番間違えや作業抜かしを生じないように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−194326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に半導体製造工程や電子部品製造工程で使用される切削装置、研削装置、研磨装置、レーザー加工装置、バイト切削装置、洗浄装置、テープマウント装置、分割装置等々、各種の加工装置では、加工を開始する前に必要な加工条件を入力する必要がある。
【0007】
例えば、切削装置であれば、以下のような情報を入力することが想定される。
加工条件:被加工物サイズ、ブレードの切り込み深さ、加工送り速度、切削ピッチ、切削水量、等
アライメント条件:ターゲットパターン、アライメント時の光量、等
洗浄条件:洗浄水量、洗浄時間、乾燥時間、等
ドレス・プリカット条件:被加工物サイズ、ブレードの切り込み深さ、加工送り速度、切削ピッチ、切削水量、等
その他設定:カット余裕幅、軸の戻り速度、エアーカーテンやウォーターカーテンの動作タイミング、等
【0008】
以上のような各種の情報を逐一入力するのは、非常に手間であるとともに、作業者が誤って適切でない値を入力して加工装置を作動させると、被加工物や加工装置を破損させてしまうことが懸念される。
【0009】
加えて、入力情報が多岐に渡るなどして、入力作業の手間が多くかかればかかるほど、作業者に負担を強いることになり、誤入力(入力エラー)が発生する確率も高まることになる。
【0010】
仮に、特許文献1に開示されるような技術を用いた場合であっても、数値入力や選択入力を作業者が手入力によって実施する限りにおいては誤入力が発生する可能性が残るため、誤入力の発生をより確実に低減させるための改良が求められていた。
【0011】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加工装置で被加工物に加工を施すのに必要な情報を容易に入力できるとともに、作業者の誤入力によって被加工物や加工装置を破損させてしまうおそれを低減できる加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明によると、被加工物に加工を施す加工装置であって、被加工物を保持する保持手段と、保持手段で保持された被加工物に加工を施す加工手段と、加工手段を制御する制御手段と、被加工物を加工する加工条件情報を格納した情報コードを読取る読取手段と、を備え、制御手段は、読取手段で読取った加工条件情報に基づいて加工手段を作動させ、情報コードは、加工条件情報とともに、加工装置のメーカーから加工装置の使用者側に提供されるレポートに表示される、加工装置が提供される。
【0015】
請求項に記載の発明によると、加工手段は、被加工物を切削する切削ブレードを有し、情報コードが有する加工条件情報は、切削ブレードのドレス条件情報、及び/又は、プリカット条件情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置が提供される。
【0016】
請求項に記載の発明によると、加工手段は、被加工物を切削する切削ブレードを有し、情報コードが有する加工条件情報は、切削ブレードに対応した加工条件情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置が提供される。請求項4に記載の発明によると、加工手段は、被加工物を切削する切削ブレードを有し、加工条件情報は、スピンドル回転数、送り速度、カットインデックス、切削水、切削水量のいずれかを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、加工装置で被加工物に加工を施すのに必要な情報を容易に入力できるとともに、作業者の誤入力によって被加工物や加工装置を破損させてしまうおそれを低減できる加工装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施に適した加工装置(切削装置)の斜視図である。
図2】制御装置の構成について示すブロック図である。
図3】(A)は読取装置による取扱説明書の情報コードの読取りについて説明する図である。(B)は読取装置の構成例について示す斜視図である。
図4】レポートの例について示す図である。
図5】制御装置で実行する機能について説明する機能ブロック図である。
図6】(A)は切削ブレードに情報コードを付帯する例について示す図である。(B)はブレードケースに情報コードを付帯する例について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。加工装置の一例として、半導体ウェーハの切削装置2の外観斜視図が図1に示されている。切削装置2は、切削ブレードを有する切削ユニット10等の加工手段がハウジング8内に収容された加工装置本体4と、加工装置本体4のハウジング8に装着された表示モニタ6などを有して構成される。
【0020】
切削ユニット10に隣接してチャックテーブル12がX軸方向に移動可能に配設されている。14は内部にウェーハ22を複数収容可能なカセット24を載置するカセット載置台(エレベータ)であり、上下方向に移動可能に構成されている。なお、加工時にウェーハ22を保持する保持手段としては、チャックテーブル12のようにテーブルで構成する他、エッジクランプ(端を挟持する形態)による保持手段が使用されることも考えられる。
【0021】
50はレポート52等に記録(表示や磁気などによる記録)された情報コード54Aを読取るための読取装置である。作業者は、この読取装置50でレポート52の情報コード54Aを読取ることで、詳しくは後述するように、必要な設定作業に応じた加工条件情報などの入力を瞬時に行うことができる。
【0022】
図2の概略図に示されるように、切削装置2には、切削装置2を自動制御するための制御装置30が設けられている。制御装置30は、例えばマイクロコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理するCPU(中央処理装置)31と、制御プログラムや各種データベース等を格納するROM(リードオンリーメモリ)32と、演算結果等を格納する読み書き可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)33と、入出力インターフェース34とを備えて構成される。
【0023】
ROM32には、切削ユニット10などを自動制御するための制御プログラムや、制御プログラムによって読み出されることが想定される各種データベースが記憶される。
【0024】
RAM33は、制御プログラムや各種データの読み込みや、オペレータにより入力される加工条件の一時的な記憶などを行う。
【0025】
入出力インターフェース34には、加工条件や装置を操作する操作指令を入力する入力手段として機能するとともに、各種情報を表示する表示手段としても機能する表示モニタ6(図1参照)が接続されている。なお、二つの表示モニタを備えるなどによって、入力手段と表示手段をそれぞれ個別に設ける構成としてもよい。
【0026】
入出力インターフェース34には、レポート52等に記録(表示や磁気などによる記録)された情報コード54A(図4参照)を読取るための読取装置50が接続されている。
【0027】
入出力インターフェース34には、切削ユニット10を回転させるモータや、チャックテーブル12を移動させるモータなどの各種駆動装置が接続されており、制御プログラムの実行による演算結果に基づいて、各種駆動装置が加工条件に則って駆動されるようになっている。
【0028】
図3(A)(B)、及び図4に示すように、読取装置50は、レポート52に記録された情報コード54Aを読取るべく構成されている。本実施形態では、読取装置50は、切削装置2の壁面に着脱自在に設けられるとともに、切削装置2側と接続コード51を介して接続されることで、作業者が手で掴んで自由に動かすことが可能なハンディタイプにて構成されている。読取装置50には、情報コード54Aを認識するための読取部50aが形成されており、当該読取部50aを情報コード54Aにかざすことによって、非接触により情報コード54Aが認識されるように構成されている。
【0029】
以上の形態によれば、必要なときだけ切削装置2から読取装置50を取り外して情報コード54Aの認識を行うことができ、読取装置50の設置箇所に困ることがない。また、非接触による認識可能な構成とすることによれば、レポート52をかざすだけで容易に情報コード54Aを認識させることができ、作業性に優れた構成が実現できる。なお、読取装置50の具体的な構成については特に限定されるものではなく、ハンディタイプの他にも固定型とすることなども考えられる。
【0030】
図4に示すように、本実施形態では、メーカーから提供される物品の一例として、レポート52に情報コード54A,54Bが表示されることとしている。このレポート52には、切削装置2に入力が必要となる加工条件情報56A,56Bが表示されており、この加工条件情報56A,56Bに記載される各種項目の情報がそれぞれ情報コード54A,54Bに格納されることとなっている。
【0031】
図4の例では、紙面の上部には、切削ブレードのドレスを実施する際のドレス条件が加工条件情報56Aとして表記されており、この加工条件情報56Aが情報コード54Aに格納されている。なお、ドレッサーボードを切削することにより実施するドレッシング(ドレス条件の設定が必要)に加えて、ダミーワークや被加工物の余剰部分などを切削することにより実施するプリカット(プリカット条件の設定が必要)を実施する場合には、プリカット条件(加工条件情報56Aの位置に表示)とプリカット条件情報が格納された情報コードも表記される。また、プリカットのみ実施する場合にはドレス条件に代えてプリカット条件(加工条件情報56Aの位置に表示)のみの表記とプリカット条件情報が格納された情報コードが表記される。このように、加工条件情報として、ドレス条件、プリカット条件のいずれか一方、或いは、両方が表示されることが考えられ、また、情報コードにおいても、ドレス条件、プリカット条件のいずれか一方、或いは、両方が情報として格納されることが考えられる。
【0032】
同様に、紙面の下部には、切削ブレードによる切削加工の際に設定が必要となる加工条件が加工条件情報56Bとして表記されており、この加工条件情報56Bが情報コード54Bに格納されている。
【0033】
なお、情報コード54A,54Bは、例えば、本実施形態のように二次元バーコード(単なるバーコードでもよい)の形態でレポート52の紙面に表示されて視認可能とするほか、磁気によってレポート52内に視認不能に格納されるものであってもよい。また、情報コード54A,54Bはレポート52の紙面に表示されることとするほか、シールなどによってレポート52に貼付されるものであってもよい。
【0034】
また、上述した読取装置50とレポート52の実施形態とするほかにも、作業者によって情報コード54A(例えば番号、記号などの文字列)を読取装置50に入力する形態なども考えられる。つまり、読取装置50においては、情報コード54Aに格納される情報が認識できるものであればよく、その認識させる形態についても特に限定されるものではない。
【0035】
図5は、本発明において特徴的な機能について説明する機能ブロック図である。この図5では、読取装置50と、制御装置30と、切削ユニット10が示されている。
【0036】
そして、この図5に示すように、制御装置30においては、図2に示すCPU31、ROM32、RAM34により、加工条件情報認識部36と、加工条件設定部37と、加工制御部38としてそれぞれ機能する各種機能部が構成される。
【0037】
加工条件情報認識部36では、読取装置50によって読取られた情報コード54Aを解析し、情報コード54Aに格納されるデータを展開して、図4に示される加工条件情報56Aに含まれる情報を取得する。
【0038】
加工条件情報認識部36は、取得した情報を加工条件設定部37へと出力する。加工条件設定部37では、既に設定されていた加工条件情報を、加工条件情報認識部36から出力された加工条件情報に置き換える。
【0039】
そして、加工制御部38では、加工条件情報認識部36にて新たに設定された加工条件情報に基づいて、切削ユニット10の駆動を制御する。具体的には、図4に示される加工条件情報56Aに従って切削ユニット10の駆動が制御され、切削ブレードの真円出しを行うためのドレッシングが実施される。
【0040】
以上のようにして、本発明を実施することができる。即ち、被加工物としてのウェーハ22に加工を施す切削装置(加工装置)2であって、ウェーハ22被加工物を保持するチャックテーブル(保持手段)12と、チャックテーブル12で保持されたウェーハ22に加工を施す切削ユニット(加工手段)10と、切削ユニット10を制御する制御装置(制御手段)30と、ウェーハ22を加工する加工条件情報56Aを有した情報コード54Aを読取る読取装置(読取手段)50と、を備え、制御装置30は、読取装置50で読取った加工条件情報56Aに基づいて切削ユニット10を作動させる切削装置2とする。
【0041】
そして、以上の構成によれば、作業者は加工条件情報56Aを逐一入力する必要がなく、情報コード54Aを読取装置50に読取らせるだけで瞬時に必要な情報の入力を完了することができる。このようにして、加工装置で被加工物に加工を施すのに必要な情報が容易に入力できるとともに、作業者の誤入力によって被加工物や加工装置を破損させてしまうおそれも低減できる。
【0042】
また、情報コード54Aは、加工装置のメーカーから加工装置の使用者側(ユーザー側)に提供される物品に表示されることが考えられる。
【0043】
これによれば、加工装置の使用者側では、作業者において加工条件情報56Aを逐一入力させることを強いることが無く、作業者の作業負担を軽減することができる。また、極めて短時間で入力作業を終えることが可能となるため、加工装置の稼働率を高めることが可能となる。加えて、作業者に細かな条件設定の方法、つまりは、例えば、タッチパネルの使い方などについて教育する手間も削減できることになる。
【0044】
また、加工装置のメーカーから加工装置の使用者側(ユーザー側)に提供される物品としては、例えば、図4に示すような加工条件情報56A,56Bが表示されたレポート52とすることができる。このレポート52は、例えば、テストカットレポートなどとしてメーカーから使用者側に提供されることが考えられる。
【0045】
このような実施形態によれば、レポート52を手にした作業者は、情報コード54Aに記憶された実際の加工条件情報56Aの内容を確認した上で、加工条件情報56Aの読取り作業を実施することができ、安心感を持って作業に当たることができる。
【0046】
また、本実施形態のように、加工手段として切削ユニット10を備える切削装置2について、本発明を実施する場合には、図6(A)に示すように、切削ユニットに設けられる切削ブレード26に情報コード27を表示することや、図6(B)に示すように、切削ブレードを収容するブレードケース28に情報コード27を表示することとしてもよい。
【0047】
そして、このような実施形態により、切削ユニット20は、ウェーハ22を切削する切削ブレード26を有し、情報コード27は、切削ブレード26のドレス条件情報、及び/又は、プリカット条件情報をさらに含み、情報コード27は、切削ブレード26(図6(A))または切削ブレードが収納されるブレードケース28(図6(B))に表示される、ことが実現可能となる。
【0048】
これによれば、切削ブレード26、或いは、ブレードケース28に付された情報コード27を読取ることによって、ドレス、及び/又は、プリカットに必要な加工条件情報を取得することができ、例えば、メーカー側としては、切削ブレードの仕様に応じたドレス、及び/又は、プリカット条件情報を、切削ブレードやブレードケースに付帯して使用者側に提供することが可能となる。また、このように切削ブレードやブレードケースに付帯して提供することにより、使用者側において、他の切削ブレードの情報コードを誤って読取ってしまうといった不具合を未然に回避することができる。
【0049】
なお、ドレス条件やプリカット条件としては、例えば、ドレスボードやダミーワーク(被加工物)のサイズと厚み、カットモード(加工方法:一方向切削か往復切削か等)、被加工物への切り込み深さ、または、被加工物の切り残し量、加工送り速度、加工本数または加工距離、加工ピッチ等が考えられる。
【0050】
また、同様に、切削ユニット20は、ウェーハ22を切削する切削ブレード26を有し、情報コード27が有する加工条件情報は、切削ブレードに対応した加工条件情報であり、情報コード27は、切削ブレード26(図6(A))または切削ブレードが収納されるブレードケース28(図6(B))に表示される、ことが実現可能となる。
【0051】
これによれば、切削ブレード26、或いは、ブレードケース28に付された情報コード27を読取ることによって、切削ブレード26に対応した加工条件情報を取得することができ、例えば、メーカー側としては、切削ブレードの仕様に応じた加工条件情報を、切削ブレードやブレードケースに付帯して使用者側に提供することが可能となる。また、このように切削ブレードやブレードケースに付帯して提供することにより、使用者側において、他の切削ブレードの情報コードを誤って読取ってしまうといった不具合を未然に回避することができる。
【0052】
なお、「切削ブレードに対応した加工条件情報」としては、切削ブレード26において加工の対象とされるウェーハのサイズと厚み、カットモード(加工方法:一方向切削か往復切削か等)、被加工物への切り込み深さ、または、被加工物の切り残し量、加工送り速度、加工ピッチ、加工の際の水量、ウェーハのアライメントターゲット、アライメント光量、カーフチェック光量、などが考えられる。特に、使用者側において加工されるウェーハの種別と切削ブレードが一対一で対応するような場合には、加工条件情報を切削ブレードに付帯して使用者側に提供することによって、使用者側では、当該ウェーハを当該切削ブレードで加工する場合において最適な加工条件を読取ることが可能となり、極めて信頼性に優れた運用を実施することが可能となる。
【0053】
さらに、上記の各実施形態において、使用者側において、任意に加工条件が設定されることによって、読取られた加工条件情報とは異なる加工条件が設定されてしまった場合には、異常警報を発する装置構成としてもよい。
【0054】
これによれば、意図しない加工条件の設定が使用者側によって行われてしまい、被加工物や加工装置を破損させてしまうといった不具合の発生を防止することが可能となる。
【0055】
なお、以上の実施形態では、加工装置として切削装置2を用いて説明したが、このほか、研削装置、研磨装置、レーザー加工装置、洗浄装置、など、各種の加工装置において本発明を実施することは可能である。
【符号の説明】
【0056】
2 切削装置
10 切削ユニット
30 制御装置
34 入出力インターフェース
36 加工条件情報認識部
37 加工条件設定部
38 加工制御部
50 読取装置
52 レポート
54A 情報コード
56A 加工条件情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6