特許第5992010号(P5992010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5992010UV吸収剤及び抗酸化剤としてのベンゾトロポロン誘導体の使用並びに日焼け止め及び/又は化粧品組成物におけるその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992010
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】UV吸収剤及び抗酸化剤としてのベンゾトロポロン誘導体の使用並びに日焼け止め及び/又は化粧品組成物におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/365 20060101AFI20160901BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20160901BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20160901BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20160901BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20160901BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20160901BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20160901BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20160901BHJP
   A61P 17/18 20060101ALI20160901BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20160901BHJP
   A61K 31/235 20060101ALI20160901BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20160901BHJP
   A61K 31/165 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   A61K8/365
   A61K8/37
   A61K8/42
   A61K8/55
   A61K8/46
   A61K8/60
   A61Q17/04
   A61P17/16
   A61P17/18
   A61K31/192
   A61K31/235
   A61K31/704
   A61K31/165
【請求項の数】1
【全頁数】121
(21)【出願番号】特願2014-80808(P2014-80808)
(22)【出願日】2014年4月10日
(62)【分割の表示】特願2011-515320(P2011-515320)の分割
【原出願日】2009年6月18日
(65)【公開番号】特開2014-159446(P2014-159446A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2014年4月11日
(31)【優先権主張番号】08158977.2
(32)【優先日】2008年6月25日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】08166349.4
(32)【優先日】2008年10月10日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】09155560.7
(32)【優先日】2009年3月19日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,バーバラ
(72)【発明者】
【氏名】エルライン,ラインホルト
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツォーク,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】エイチン,カイ
(72)【発明者】
【氏名】バイシュ,ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ポルトマン,ステファニー
【審査官】 松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−504168(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0137129(US,A1)
【文献】 特表平06−507610(JP,A)
【文献】 特開昭56−008309(JP,A)
【文献】 特開2005−281247(JP,A)
【文献】 西独国特許出願公告第01091114(DE,B)
【文献】 2.老化防止剤,新化粧品ハンドブック,日光ケミカルズ株式会社,2006年10月30日,518−524頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
UV光を遮蔽し、同時に酸化的損傷に対してヒト及び動物の毛髪及び皮膚を防護するための、式:
【化1】
[式中、
R1、R7及びR8は、水素であり、
R2及びR4は、互いに独立して、水素又はC1〜C18アルキルであり、
R3は、COOR9又はCONR9R10であり
R9及びR10は、互いに独立して、水素又はC1〜C18アルキル(これは、1個若しくは複数のEで置換されていてもよい)であり、
Eは、-OR18;-COOR18;-PO3(R18)2又はSO3R18であり、
R18は、水素又はC1〜C18アルキルであり、
R5は、水素;ヒドロキシ;C1〜C18アルキル又はC1〜C30ヒドロキシアルキルであり、
R6は、水素;ヒドロキシ;C1〜C30アルキル;C1〜C30アルコキシ又はベンゾトロポロン環系にα-又はβ-結合した単糖、二糖又はオリゴ糖残基であり、前記残基は、ヘキソース又はペントースサブユニットからなる]
のベンゾトロポロンを含む剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗酸化剤及びUV吸収剤としての1種又は複数のベンゾトロポロン及びそれらの誘導体の使用並びに日焼け止め及び/又は化粧品組成物におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
生体系の酸化的損傷は、多くの異なる内部及び外部要因によって引き起こされる。反応性酸素種(ROS)及びラジカルは、皮膚細胞における酸化的損傷及び老化過程の誘発に重要な役割を果たしている。老化過程は、皺並びに皮膚の色調及び弾性の喪失を特徴とする。したがって、オキシダント及び/又はラジカルの悪影響を防止又は軽減するために、多くの異なる化粧品及び/又は局所用医薬品で天然及び合成の抗酸化剤が用いられている。
【0003】
フェノール化合物は、最も集中的に研究され、広く用いられる天然及び合成抗酸化剤である。様々な種類の天然フェノール系抗酸化剤の例は、とりわけ、α-トコフェノール、ケルセチン、モリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、チモール及びカルバクロールである。ビタミンα-トコフェノールは、ヒト血漿及び低密度リポタンパク質関連要素における主な脂溶性の連鎖破壊型抗酸化剤である。抗酸化剤としてのその作用の機構、及び一般にフェノール系化合物の作用の機構は、脂質過酸化の連鎖成長段階が進行する速度よりも非常に速い速度で連鎖を伝搬するペルオキシルラジカルへのそのフェノールのH-原子の移動であると考えられている。
【0004】
食品、化粧品、パーソナルケア及び家庭用品における抗酸化剤として用いられる多くのフェノール系化合物は、必ずしも光化学的に安定であるとは限らず、それらの利用性は制限される。
【0005】
紫外(UV)光が、ラジカル生成並びに多くの生物学的な悪影響の別の重要な原因であることもよく知られている。したがって、UV吸収特性を有する光安定性抗酸化剤は二つの面で好都合である:
- 第一に、それらは、生体分子及び化学分子に対するフリーラジカルで開始される損傷を防止することができ、
- 第二に、それらは、UV光を吸収することによって第二の防衛線として機能する。
【0006】
紫外線(光)が、ヒトの皮膚に有害であることはよく知られている。その波長によって、UV照射は、種々の種類の皮膚損傷を引き起こす。UV-B線(約290nmから約320nm)は、日焼けの原因であり、皮膚癌を引き起こし得る。UV-A線(約320nmから約400nm)は、皮膚の黒化を生じる一方、日焼け及び皮膚癌の誘発にも寄与する。更に、UVAは主に、内因性光感作物質との相互作用を介してフリーラジカル/反応性酸素種を生成させる。これらのフリーラジカルは、DNA、タンパク質及び膜に間接的な損傷を引き起こす。したがって、皮膚におけるフリーラジカル反応は、それらが、皮膚腫瘍、皮膚皺発生及び皮膚老化を含む様々な皮膚疾患に関与するので、皮膚研究の最も興味深い主題の一つである。
【0007】
サンケア製品の目的は、太陽紫外(UV)線への一回及び反復曝露によって生じた皮膚損傷の低減である。UV光に対して及び酸化的ストレスから皮膚を保護することを目的として、複数の防衛線が開発されてきた。したがって、サンケア製品は、第一の防衛線としてUV吸収剤を含む。それらの目的は、太陽のUV照射を弱めることである。抗酸化剤は、第二の防衛線としてサンケア製品に用いられる。それらの目的は、反応性ラジカルを中和することである。
【発明の概要】
【0008】
驚くべきことに、ベンゾトロポロン部分が、一分子においてUV光遮蔽及び抗酸化性を与えることができることが見いだされた。
【0009】
更に、それらの金属イオンキレート特性も、酸化過程を阻害するそれらの潜在能力に寄与し得る。微量金属は、例えば、脂質ヒドロペルオキシドをフリーラジカルに分解することによってフリーラジカル形成にかなり寄与し得る。金属酸化促進剤、特に鉄又は銅誘導体を安定な生成物に変換するベンゾトロポロンのような金属キレート剤は、金属イオンによって開始されるフリーラジカル形成を阻害する。金属イオンにキレートするベンゾトロポロンの能力は、金属塩がベンゾトロポロン含有溶液に添加される場合明らかである。金属塩の添加後に、溶液はしばしば、直ちにその色を変化させる。
【0010】
ベンゾトロポロン部分は、テアフラビンが最もよく知られている一部の天然起源化合物の特有の構造特徴である。テアフラビンは、紅茶に見られ、抗酸化性がその中で最も認められている、広範囲の生物活性を示す。テアフラビンは、それらを低い褪色が望ましい局所塗布に不適当にする一群の濃い橙赤色顔料である。
【0011】
更に、それらは、調製するのにやっかいであり、取扱うのに非常に不安定で、困難であり又は大規模な量で天然資源から単離するのにやっかいである。
【0012】
今回、ベンゾトロポロン部分からなる化合物が、強力な抗酸化性を有する有効で、光安定性のUV吸収剤であり、したがって、日焼け止め用途におけるUV照射に対するヒト及び動物の髪及び皮膚の保護に用いられるのに好適であることが見いだされた。
【0013】
本発明は、部分的に単に適度に着色しており、したがって、パーソナルケア用途に好適であるベンゾトロポロン及びそれらの誘導体に関する。
【0014】
大量製造に適切な、天然同一誘導体のための新規な合成プロトコルも示される。
【0015】
好ましくは、ベンゾトロポロン部分は、3,4,6-トリヒドロキシ-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-オンである。
【0016】
好ましくは、本発明は、UV照射に対してヒト及び動物の毛髪及び皮膚を防護するための式のベンゾトロポロン部分の使用に関する:
【化1】
【0017】
[式中、
R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、水素;OH;C1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル、C1〜C30アルコキシ、C3〜C12シクロアルキル又はC1〜C30ヒドロキシアルキル(これらは、1個又は複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、CN、又は-CO-R17で置換されていてもよい);C1〜C30モノ又はジアルキルアミノ;COR9;COOR9;CONR9R10;CN;SO2R9;OCOOR9;OCOR9;NHCOOR9;NR9COR10;NH2;*-(CO)-NH-(CH2)n1-(PO)-(OR11)2;-(CO)-O-(CH2)n1-(PO)-(OR11)2;サルフェート;スルホネート;ホスフェート;ホスホネート;-(CH2)n2-[O-(SO2)]n3-OR11;-O-(CH2)n4(CO)n5-R11;-(O)n6-(CH2)n7-(PO)-(OR9)2;-(O)n6-(CH2)n7-SO2-OR9;ハロゲン;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式でベンゾトロポロン系に直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-(CO)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
R1、R7及びR8は、互いに独立して、水素;C1〜C12アルキル又はC3〜C12-シクロアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個若しくは複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、若しくはCOOR9で置換されていてもよい);COR9;CONR9R10;SO3R9;SO2R9;PO3(R9)2;PO2(R9)2;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式でベンゾトロポロン系に直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X2)1又は0-*、式中、n=1〜10、X2=-C(=O)-;-O-CO-*))であり、
R9及びR10は、互いに独立して、水素;C1〜C18アルキル又はC3〜C12-シクロアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;若しくは糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-*、式中、n=1〜10))であるか、又は
R9及びR10は一緒になって、5若しくは6員環を形成し、
R11は水素;又はC1〜C5アルキルであり、
n1、n2、n4及びn7は、互いに独立して、1から5の数であり、
n3、n5及びn6は、互いに独立して、0;又は1であり、
Dは、-CO-;-COO-;-S-;-SO-;-SO2-;-O-;-NR14-;-SiR19R20-;-POR11-;-CR12=CR13-;又は-C≡C-であり、
Eは、-OR18;-SR18;-NR14R15;-NR14COR15;-COR17;-COOR16;-CONR14R15;-CN;ハロゲン;若しくはSO3R18;SO2R18;PO3(R18)2;PO2(R18)2;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-*、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
Gは、E;C1〜C18アルキル(これは、Dで任意により中断されている);C1〜C18ペルフルオロアルキル;C1〜C18アルコキシ(これは、Eで任意により置換されているか、及び/又はDで任意により中断されている)であり、ここで、
R12、R13、R14及びR15は、互いに独立して、水素;C6〜C18アリール(これは、OH、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であるか、又は
R14及びR15は一緒になって、5又は6員環を形成し、
R16は、水素;C6〜C18アリール(これは、OH、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R17は、H;C6〜C18アリール(これは、OH、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);又はC1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R18は、水素;C6〜C18アリール(これは、OH、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R19及びR20は、互いに独立して、水素;C1〜C18アルキル;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキルで任意により置換されている)であり、
R21はC1〜C18アルキル;又はC6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキルで置換されている)であり、
*は、この基が、ベンゾトロポロン部分に向けられていることを意味する]。
【0018】
C1〜C30アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、アミル、イソアミル若しくはtert-アミル、ヘキシル、2-エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ウンデシル、エイコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘプタコシル、オクタコシル又はトリアコンチルのような直鎖又は分岐鎖の基である。
【0019】
C1〜C30アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブチルオキシ、sec-ブチルオキシ、tert-ブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、tert-アミルオキシ、ヘキシルオキシ、2-エチルヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ウンデシルオキシ、エイコシルオキシ、テトラコシルオキシ、ペンタコシルオキシ、ヘプタコシルオキシ、オクタコシルオキシ又はトリアコンチルオキシのような直鎖又は分岐鎖の基である。
【0020】
C2〜C30アルケニルは、アリル、メタリル、イソプロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、イソブテニル、n-ペンタ-2,4-ジエニル、3-メチル-ブト-2-エニル、n-オクト-2-エニル、n-ドデク-2-エニル、イソ-ドデセニル、n-ドデク-2-エニル、n-オクタデク-4-エニル、エイコセニル、テトラコセニル、ペンタコエンシル、ヘプタコセニル、オクタコセニル又はトリコンテニルのような直鎖又は分岐鎖の基である。
【0021】
C3〜C12シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、及び好ましくはシクロヘキシルである。
【0022】
それぞれのアルキル又はシクロアルキルは、飽和又は不飽和であり得る。
【0023】
それぞれのアルキル、シクロアルキル又はアルコキシは、好ましくは1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断され得る。
【0024】
それぞれのアリールは、好ましくはGで置換され得る。
【0025】
それぞれのヘテロアリールは、好ましくはG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、CN、又は-CO-R28で置換され得る。
【0026】
式(1)の化合物は、それらのプロトン化又は脱プロトン化の形態で存在し得る。
【0027】
R1、R7及びR8が水素であり、
R2、R3、R4、R5及びR6が、式(1)におけるように定義される、
化合物が好ましい。
【0028】
R2、R3、R4、R5及びR6が、互いに独立して、水素;OH;C1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル、C1〜C30アルコキシ、C3〜C12シクロアルキル又はC1〜C30ヒドロキシアルキル(これらは、1個又は複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C6〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、CN、又は-CO-R17で置換されていてもよい);C1〜C30モノ又はジアルキルアミノ;COR9;COOR9;CONR9R10;CN;SO2R9;OCOOR9;NHCOOR9;NR9COR10;NH2;*-(CO)-NH-(CH2)n1-(PO)-(OR11)2;-(CO)-O-(CH2)n1-(PO)-(OR11)2;サルフェート;スルホネート;ホスフェート;ホスホネート;-(CH2)n2-[O-(SO2)]n3-OR11;-O-(CH2)n4(CO)n5-R11;-(O)n6-(CH2)n7-(PO)-(OR9)2;-(O)n6-(CH2)n7-SO2-OR9;ハロゲン;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式でベンゾトロポロン系に直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-(CO)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
R1、R7及びR8が、互いに独立して、水素;C1〜C12アルキル又はC3〜C12-シクロアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C6〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、CN又はCOOR9で置換されていてもよい);COR9;CONR9R10;SO3R9;SO2R9;PO3(R9)2;PO2(R9)2;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式でベンゾトロポロン系に直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X2)1又は0-*、式中、n=1〜10、X2=-C(=O)-;O-CO-))であり、
R9及びR10が、互いに独立して、水素;C1〜C18アルキル又はC3〜C12-シクロアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;若しくは糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-*、式中、n=1〜10))であるか、又は
R9及びR10が一緒になって、5若しくは6員環を形成し、
R11が水素;又はC1〜C5アルキルであり、
n1、n2、n4及びn7が、互いに独立して、1から5の数であり、
n3及びn5が、互いに独立して、0;又は1であり、
Dは、-CO-;-COO-;-S-;-SO-;-SO2-;-O-;-NR14-;-SiR19R20-;-POR11-;-CR12=CR13-;又は-C≡C-であり、
Eが、-OR18;-SR18;-NR14R15;-NR14COR15;-COR17;-COOR16;-CONR14R15;-CN;ハロゲン;若しくはSO3R18;SO2R18;PO3(R18)2;PO2(R18)2;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-*、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
Gが、E;C1〜C18アルキル(これは、Dで任意により中断されている);C1〜C18ペルフルオロアルキル;C1〜C18アルコキシ(これは、Eで任意により置換されているか、及び/又はDで任意により中断されている)であり、ここで、
R12、R13、R14及びR15が、互いに独立して、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であるか、又は
R14及びR15が一緒になって、5若しくは6員環を形成し、
R16が、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R17が、H;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);又はC1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R18が、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R19及びR20が、互いに独立して、水素;C1〜C18アルキル;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキルで任意により置換されている)であり、
R21はC1〜C18アルキル;又はC6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキルで置換されている)であり、
*が、この基が、ベンゾトロポロン部分に向けられていることを意味する、式(1)の化合物が好ましい。
【0029】
R1、R7及びR8が水素であり:
R2、R3、R4、R5及びR6が、式(1)における通りに定義される、式(1)の化合物が好ましい。
【0030】
R6が、水素;OH;C1〜C30アルキル又はC1〜C30アルコキシ(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);ホスフェート;ホスホネート又は糖残基(アノマー酸素を介して芳香族ベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
R5が、水素;置換又は非置換のC1〜C18アルキル;又は糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式でベンゾトロポロン系に直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
R2及びR4が、互いに独立して、水素;又は置換若しくは非置換のC1〜C18アルキルであり、
R3が、水素;又はカルボキシレートCOOXであり、ここで、
Xは、Na、K又はNH4であり、
D及びEが、式(1)における通りに定義される、式(1)の化合物が更に好ましい。
【0031】
R2、R3、R4、R5及びR6の少なくとも1個が、互いに独立して、ベンゾトロポロン環系にα-又はβ-連結された単糖、二糖又はオリゴ糖残基であり、前記残基は、ヘキソース又はペントースサブユニットからなる、式(1)の化合物が更に好ましい。
【0032】
R3及びR6が、互いに独立して、ベンゾトロポロン環系にα-又はβ-連結された単糖、二糖又はオリゴ糖残基であり、前記残基は、ヘキソース又はペントースサブユニットからなり、
R2、R4、R5が、式(1)における通りに定義される、式(1)の化合物が更に好ましい。
【0033】
R2、R3、R4、R5及びR6が、互いに独立して、水素;C1〜C12アルキル、C1〜C30
ルコキシ;又はEで置換されたC1〜C12アルケニルであり、
Eが、カルボキシレート;OCOR9;サルフェート;スルホネート;ホスホネート;又はホスフェートであり、
R9が、式(1)における通りに定義される、化合物が好ましい。
【0034】
R3が、式:
【化2】
【0035】
[式中、
R22は、水素;C1〜C12アルキル(これは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、又は-CO-R17で置換されていてもよい);オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してカルボキシル基にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-カルボキシル基、式中、n=1〜10))である]
の基であり、
R17が、H;C6〜C18アリール(これはC1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);又はC1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R1、R2、R4、R5、R6、R7及びR8、D、G並びにEが、式(1)における通りに定義される、式(1)の化合物が更に好ましい。
【0036】
R2、R3、R4、R5、R6、R9、R10、R11及びR12の少なくとも1個が、互いに独立して、サルフェート;スルホネート;ホスフェート;若しくはホスホネートであり、及び/又はR1、R7及びR8が、隣接する酸素と一緒になって、互いに独立して、サルフェート、スルホネート、ホスフェート又はホスホネート基を形成する、式(1)の化合物が更に好ましい。
【0037】
抗酸化剤及び/又はラジカル捕捉剤として、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7又はR8が、式(1)における通りに定義され、但し、R6がヒドロキシである場合、R1、R2、R3、R4、R5、R7又はR8の少なくとも1個は水素ではないことを条件とする、式(1)の化合物。
【0038】
抗酸化剤及び/又はラジカル捕捉剤としての、
R3が、OH;C1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル、C1〜C30アルコキシ、C3〜C12シクロアルキル又はC1〜C30ヒドロキシアルキル(これらは、1個又は複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C14アラルキル、CN、又は-CO-R17で置換されていてもよい);C1〜C30モノ又はジアルキルアミノ;COR9;COOR9;-OC(=O)R9;CONR9R10;CN;SO2R9;OCOOR9;NHCOOR9;NR9COR10;NH2;-(CO)-NH-(CH2)n1-(PO)-(OR11)2;サルフェート;スルホネート;ホスフェート;ホスホネート;-(CH2)n2-[O-(SO2)]n3-OR11;-O-(CH2)n4(CO)n5-R11;-(O)n6-(CH2)n7-(PO)-(OR'9)2;-(O)n6-(CH2)n7-(SO2)-OR'9;ハロゲン;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))がより好ましく、
R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R17、B、E、D、G、n1、n2、n3、n4、n5、n6、及びn7は、式(1)における通りに定義される、式(1)の化合物。
【0039】
R6が、OH;C1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル、C1〜C30アルコキシ、C3〜C12シクロアルキル又はC1〜C30ヒドロキシアルキル(これらは、1個又は複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C14アラルキル、CN、又は-CO-R17で置換されていてもよい);C1〜C30モノ又はジアルキルアミノ;COR9;COOR9;-OC(=O)R9;CONR9R10;CN;SO2R9;OCOOR9;NHCOOR9;NR9COR10;NH2;-(CO)-NH-(CH2)n1-(PO)-(OR11)2;サルフェート;スルホネート;ホスフェート;ホスホネート;-(CH2)n2-[O-(SO2)]n3-OR11;-O-(CH2)n4(CO)n5-R11;-(O)n6-(CH2)n7-(PO)-(OR'9)2;-(O)n6-(CH2)n7-SO2-OR'9;ハロゲン;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
R1、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R11、R17、B、E、D、G、n1、n2、n3、n4、n5、n6、及びn7は、式(1)における通りに定義される、式(1)の化合物が更に好ましい。
【0040】
1個又は複数の糖残基を有する式(1)の化合物が更に好ましい。
【0041】
本発明によるベンゾトロポロン化合物の例は、以下の表1に記載される。
【表1】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
本発明に用いられる通りのベンゾトロポロン誘導体は、従来技術から部分的に知られており、それらは、部分的に新規化合物に相当する。
【0048】
本新規化合物は、式:
【化3】
【0049】
[式中、
R'2、R'4、R'5及びR'6は、互いに独立して、水素;OH;C1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル、C1〜C30アルコキシ、C3〜C12シクロアルキル又はC1〜C30ヒドロキシアルキル(これらは、1個又は複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断され得る);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、CN、又は-CO-R'17で置換されていてもよい);C1〜C30モノ又はジアルキルアミノ;COR'9;COOR'9;OCOR'9;CONR'9R'10;CN;SO2R'9;OCOOR'9;NHCOOR'9;NR'9COR'10;NH2;-(CO)-NH-(CH2)n1-(PO)-(OR'11)2;サルフェート;スルホネート;ホスフェート;ホスホネート:-(CH2)n2-[O-(SO2)]n3-OR'11;-O-(CH2)n4(CO)n5-R'11;-(O)n6-(CH2)n7-(PO)-(OR'9)2;-(O)n6-(CH2)n7-SO2-OR'9;ハロゲン;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介して芳香族ベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
R'1、R'7及びR'8は、互いに独立して、水素;C1〜C12アルキル又はC3〜C12-シクロアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、G、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、又は-CO-R'17で置換されていてもよい);COOR'9;COR'9;CONR'9R'10;SO3R'9;SO2R'9;PO3(R'9)2;PO2(R'9)2;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-SO2-))であり、
R'3は、OH;C1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル、C1〜C30アルコキシ、C3〜C12シクロアルキル又はC1〜C30ヒドロキシアルキル(これらは、1個又は複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、CN、又は-CO-R'17で置換されていてもよい);C1〜C30モノ又はジアルキルアミノ;COR'9;COOR'9;CONR'9R'10;CN;SO2R'9;OCOOR'9;NHCOOR'9;NH2;-(CO)-NH-(CH2)n1-(PO)-(OR'11)2;サルフェート;スルホネート;ホスフェート;ホスホネート;-(CH2)n2-[O-(SO2)]n3-OR'11;-O-(CH2)n4(CO)n5-R'11;-(O)n6-(CH2)n7-(PO)-(OR'9)2;-(O)n6-(CH2)n7-SO2-OR'9;ハロゲン;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
R'9及びR'10は、互いに独立して、水素;C1〜C12アルキル又はC3〜C12シクロアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;若しくは糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-*、式中、n=1〜10、X1=;-C(=O)-;-O-CO-))であり、又は
R'9及びR'10は一緒になって、5若しくは6員環を形成し、
R'11は水素;又はC1〜C5アルキルであり、
n1、n2、n4及びn7は、互いに独立して、1から5の数であり、
n3、n5及びn5は、互いに独立して、0;又は1であり、
Dは、-CO-;-COO-;-S-;-SO-;-SO2-;-O-;-NR'14-;-SiR'19R'20-;-POR'11-;-CR'12=CR'13-;又は-C≡C-であり、
Eは、-OR'18;-SR'18;-NR'14R'15;-NR'14COR'15;-COR'17;-COOR'16;-CONR'14R'15;-CN;ハロゲン;若しくはSO3R'18;SO2R'18;PO3(R1'8)2;PO2(R'18)2;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介して芳香族ベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
Gは、E;C1〜C18アルキル(これは、Dで任意により中断されている);C1〜C18ペルフルオロアルキル;C1〜C18アルコキシ(これは、Eで任意により置換されているか、及び/又はDで任意により中断されている)であり、
R'12、R'13、R'14及びR'15は、互いに独立して、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であるか、又は
R'14及びR'15は一緒になって、5若しくは6員環を形成し、
R'16は、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R'17は、H;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);又はC1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R'18は、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R'19及びR'20は、互いに独立して、水素;C1〜C18アルキル;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキルで任意により置換されている)であり、
R'1、R'2、R'3、R'4、R'5、R'6、R'7又はR'8の少なくとも1個は、糖残基(アノマー酸素を介してベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))である]
に相当する。
【0050】
R'1、R'3、R'4、R'7及びR'8が水素であり、
R'6がOHであり、
R'2及びR'5が、互いに独立して、-C(=O)-C1〜C30アルキル、C4〜C30アルキル又はC4〜C30アルケニル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい)であり、
D及びEが、式(1)における通りに定義される、
式(1')の化合物が好ましい。
【0051】
R'2、R'3、R'4及びR'6が、互いに独立して、水素;OH;C1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル、C1〜C30アルコキシ、C3〜C12シクロアルキル又はC1〜C30ヒドロキシアルキル(これらは、1個又は複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、CN、又は-CO-R'17で置換されていてもよい);C1〜C30モノ又はジアルキルアミノ;COR'9;COOR'9;OCOR'9;CONR'9R'10;CN;SO2R'9;OCOOR'9;NHCOOR'9;NR'9COR'10;NH2;-(CO)-NH-(CH2)n1-(PO)-(OR'11)2;サルフェート;スルホネート;ホスフェート;ホスホネート;-(CH2)n2-[O-(SO2)]n3-OR'11;-O-(CH2)n4(CO)n5-R'11;-(O)n6-(CH2)n7-(PO)-(OR'9)2;-(O)n6-(CH2)n7-SO2-OR'9;ハロゲン;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介して芳香族ベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
R'1、R'7及びR'8が、互いに独立して、水素;C1〜C12アルキル又はC3〜C12-シクロアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、G、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、又は-CO-R'17で置換されていてもよい);COOR'9;COR'9;CONR'9R'10;SO3R'9;SO2R'9;PO3(R'9)2;PO2(R'9)2;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-SO2-))であり、
R'9及びR'10が、互いに独立して、水素;C1〜C12アルキル又はC3〜C12シクロアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;若しくは糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-*、式中、n=1〜10、X1=;-C(=O)-;-O-CO-))であり、又は
R'9及びR'10が一緒になって、5若しくは6員環を形成し、
R'11が水素;又はC1〜C5アルキルであり、
n1、n2、n4及びn7が、互いに独立して、1から5の数であり、
n3、n5及びn5が、互いに独立して、0;又は1であり、
Dが、-CO-;-COO-;-S-;-SO-;-SO2-;-O-;-NR'14-;-SiR'19R'20-;-POR'11-;-CR'12=CR'13-;又は-C≡C-であり、
Eは、-OR'18;-SR'18;-NR'14R'15;-NR'14COR'15;-COR'17;-COOR'16;-CONR'14R'15;-CN;ハロゲン;若しくはSO3R'18;SO2R'18;PO3(R'18)2;PO2(R'18)2;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介して芳香族ベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
Gが、E;C1〜C18アルキル(これは、Dで任意により中断されている);C1〜C18ペルフルオロアルキル;C1〜C18アルコキシ(これは、Eで任意により置換されているか、及び/又はDで任意により中断されている)であり、ここで、
R'12、R'13、R'14及びR'15が、互いに独立して、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であるか、又は
R'14及びR'15が一緒になって、5若しくは6員環を形成し、
R'16が、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R'17が、H;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);又はC1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R'18が、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R'19及びR'20は、互いに独立して、水素;C1〜C18アルキル;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキルで任意により置換されている)であり、
R'5が、*-(CH2)-(CH2)-(CO)-O-R'15;又は*-(CH2)-(CH2)-OHであり、
R'15が、水素;又はC3〜C30アルキル(これは、1個若しくは複数のEで任意により置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで任意により中断されていてもよい)である、
式(1')の化合物も好ましい。
【0052】
サルフェート、ホスフェート、及びホスホネートから選択される少なくとも1個の基を含む、式:
【化4】
【0053】
[式中、
R'2、R'3、R'4、R'5及びR'6は、互いに独立して、水素;OH;C1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル、C1〜C30アルコキシ、C3〜C12シクロアルキル又はC1〜C30ヒドロキシアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、1個又は複数のG、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、CN、又は-CO-R'17で置換されていてもよい);C1〜C30モノ又はジアルキルアミノ;COR'9;COOR'9;OCOR'9;CONR'9R'10;CN;SO2R'9;OCOOR'9;NHCOOR'9;NR'9COR'10;NH2;-(CO)-NH-(CH2)n1-(PO)-(OR'11)2;サルフェート;スルホネート;ホスフェート;ホスホネート;-(CH2)n2-[O-(SO2)]n3-OR'11;-O-(CH2)n4(CO)n5-R'11;-(O)n6-(CH2)n7-(PO)-(OR'9)2;-(O)n6-(CH2)n7-(SO2)-OR'9;ハロゲン;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介して芳香族ベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
R'1、R'7及びR'8は、互いに独立して、水素;C1〜C12アルキル又はC3〜C12-シクロアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);C4〜C20ヘテロアリール(これは、G、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C7〜C25アラルキル、又は-CO-R'17で置換されていてもよい);COOR'9;COR'9;CONR'9R'10;SO3R'9;SO2R'9;PO3(R'9)2;PO2(R'9)2;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介してベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-SO2-))であり、
R'9及びR'10は、互いに独立して、水素;C1〜C12アルキル又はC3〜C12-シクロアルキル(これらは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい);C6〜C20アリール(これは、1個又は複数のGで置換されていてもよい);オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;若しくは糖残基(アノマー酸素を介してα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-*、式中、n=1〜10、X1=;-C(=O)-;-O-CO-))であり、又は
R'9及びR'10は一緒になって、5若しくは6員環を形成し、
R'11は水素;又はC1〜C5アルキルであり、
n1、n2、n4及びn7は、互いに独立して、1から5の数であり、
n3及びn5は、互いに独立して、0;又は1であり、
Dは、-CO-;-COO-;-S-;-SO-;-SO2-;-O-;-NR'14-;-SiR'19R'20-;-POR'11-;-CR'12=CR'13-;又は-C≡C-であり、
Eは、-OR'18;-SR'18;-NR'14R'15;-NR'14COR'15;-COR'17;-COOR'16;-CONR'14R'15;-CN;ハロゲン;若しくはSO3R'18;SO2R'18;PO3(R'18)2;PO2(R'18)2;オルガノシラニル;オルガノシロキサニル;又は糖残基(アノマー酸素を介して芳香族ベンゾトロポロン系にα-又はβ-様式で直接連結されているか、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン、アルケニレン、アルカジエン若しくはアルカトリエンスペーサを介して連結されている(糖-(CH2)n-(X1)1又は0-ベンゾトロポロン系、式中、n=1〜10、X1=-O-;-C(=O)-;-O-CO-;-COO-;-NH-;-S-;-SO2-))であり、
Gは、E;C1〜C18アルキル(これは、Dで任意により中断されている);C1〜C18ペルフルオロアルキル;C1〜C18アルコキシ(これは、Eで任意により置換されているか、及び/又はDで任意により中断されている)であり、ここで、
R'12、R'13、R'14及びR'15は、互いに独立して、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であるか、又は
R'14及びR'15は一緒になって、5若しくは6員環を形成し、
R'16は、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R'17は、H;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);又はC1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R'18は、水素;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシで任意により置換されている);C1〜C18アルキル(これは、-O-で任意により中断されている)であり、
R'19及びR'20は、互いに独立して、水素;C1〜C18アルキル;C6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキルで任意により置換されている)であり、
R'21はC1〜C18アルキル;又はC6〜C18アリール(これは、C1〜C18アルキルで置換されている)である]
の化合物も好ましい。
【0054】
式:
【化5】
【0055】
[式中、
R'3は、ヒドロキシ;*-(CO)-O-R'15;-(CO)-NH-(CH2)n1-(PO)-(OR'16)2;又は-(SO2)-OR'17であり、
R'5は、-(CH2)n2-[O-(SO2)]n3-OR'18であり、
R'6は、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ又はC1〜C18ヒドロキシアルキル(これらは、1個又は複数のC2〜C4アルケニレンで中断されていてもよい);-O-(CH2)n4(CO)n5-R'19;-(O)n6-(CH2)n7-(PO)-(OR'20)2;-(O)n6-(CH2)n7-(SO2)-OR'20;又は式(1a):
【化6】
【0056】
[式中、
R'7、R'8、及びR'10は、互いに独立して、水素;-CO-C1〜C20アルキル;-COOH;-COO-C1-C5アルキルであり、
R'9は、水素;-CO-C1〜C20アルキル;-COOH;-COO-C1〜C5アルキル;又は式:
【化7】
【0057】
(式中、
R'11、R'12、R'13及びR'14は、互いに独立して、水素;又は-CO-C1〜C20アルキルである)
の基である]
の基であり、
Aは、*-(CH2)n6-(O)n7-**であり、
R'15、R'16、R'17、R'18、R'19及びR'20は、互いに独立して、水素;又はC1〜C5アルキルであり、
n1、n2、n4及びn6は、互いに独立して、1から5の数であり、
n3、n5及びn7は、互いに独立して、0;又は1である]
の化合物も最も好ましい。
【0058】
式:
【化8】
【0059】
[式中、
R'3は、*-(CO)-O-OR'15;又は*-(CO)-NH-R'15であり、
R'6はC1〜C30アルキル(これは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい)であり、
R'15は、C3〜C30アルキル(これは、1個若しくは複数のEで置換されているか、及び/又は1個若しくは複数のDで中断されていてもよい)であり、
D及びEは、式(1')における通りに定義される]
の化合物も非常に好ましい。
【0060】
本発明によるベンゾトロポロンは、植物抽出物由来のような天然源、及び/又はピロガロール誘導体及び1,2-ジヒドロキシ-ベンゼン誘導体などの特定の前駆体化合物の化学的酸化により合成されたものから単離される。
【0061】
本発明の別の実施形態は、上記した一般式(1)の化合物を調製する方法であって、前記方法が、一般式(1a)の化合物を一般式(1b):
【化9】
【0062】
の化合物と反応させる工程を含む方法に関する。
【0063】
この変換は、種々の酸化剤で仲介され得る。酸化剤は、分子酸素であることもできる。
【0064】
好ましくは、前記反応工程は、例えば、カテコラーゼによって触媒される。例は、(1a)の(1c)へのラッカーゼ触媒若しくはチロシナーゼ触媒による転換、又は過酸化水素の存在下でのペルオキシダーゼ触媒による酸化、続けて(1b)とのその後の反応である。
【0065】
4-、5-及び/又は6-位の置換基を有する1,2,3-トリヒドロキシベンゼン誘導体は、独国特許第1091114号に記載された通りの一般式(1c)のo-ベンゾキノンとの反応によって式(1)のベンゾトロポロン誘導体に転換され得る。
【0066】
一般式(1b)の化合物の、式(1)のベンゾトロポロンへの変換は、その場で(in-situ)生成させたo-ベンゾキノンの酸化的カップリングによっても達成され得る。
【0067】
以下の反応スキームにおいて、中間体及び不安定な一般式(1c)のo-ベンゾキノンの形成を介した一般式(1b)の化合物による一般式(1a)の化合物の変換が示される。o-ベンゾキノンは、式(1a)の1,2-ジヒドロキシベンゼンから生成される。
【化10】
【0068】
酵素的変換は好ましくは、水性緩衝液系中、又は有機溶媒との混合物中若しくは単一の有機溶媒中で行われる。
【0069】
反応温度は、-20から100℃、より好ましくは0から40℃、最も好ましくは10から30℃である。
【0070】
本発明によって用いることができる好適な酵素は、ラッカーゼE.C.[1.10.3.2]、カテコールオキシダーゼE.C.[1.10.3.1]、チロシナーゼE.C.[1.14.18.1]の群及びそれらの組合せから選択される任意のポリフェノールオキシダーゼである。
【0071】
好ましくは、ラッカーゼ及び/又はチロシナーゼが用いられる。更により好ましくは、ラッカーゼが用いられる。
【0072】
最も好ましくは、カワラタケ(Trametes versicolor)由来のラッカーゼが適用される。
【0073】
別の好ましい実施形態は、架橋酵素結晶(CLEC)、好ましくはラッカーゼの形態の上述のポリフェノールオキシダーゼの適用を包含する。
【0074】
酵素的形成は、過酸化水素のような更なる酸化剤又は2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシ-1-ピペリジニルオキシ(CAS番号2226-96-2)又はTEMPO(CAS番号2564-83-2)のようなN-オキシドを用いることによって促進され得る。
【0075】
所望の反応を行うことができる酵素の更なるクラスは、ペルオキシダーゼ[E.C. 1.11.1.7]である。これらは酸化剤として分子酸素の代わりに過酸化水素を用いる。
【0076】
分子酸素のほかに、無機又は有機酸化剤も、前記酸化カップリング反応に用いることができる。典型的な無機酸化剤は、例えば、K3[Fe(CN)6]、過ヨウ素酸塩(過ヨウ素酸カリウムなど)、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウムなど)、酸化銀又は酸化鉛のような酸化物、過酸化水素などである。無機酸化剤を用いることによるベンゾトロポロン誘導体の合成は、例えば、L. Hornerら(Monatshefte fur Chemie、1967年、98巻(3号)、852〜73頁及びZeitschriff fur Naturforshung、1959年、14b、741〜746頁)又はA. Critchlowら(Jounal of the Chemical Society、1951年、1318〜25頁)によって記載されている。
【0077】
しかし、これらの方法は、有害な重金属廃棄物の生成の難点がある。更に、微量の重金属不純物は、最終化合物からほとんど除去することができず、これは目的の用途にとって非常に望ましくない。
【0078】
この方法は、式(1a)の様々な異なるカテコール構造及び式(1b)の異なるトリヒドロキシベンゼン構造に適用でき、対応する式(1)のフェノールをもたらす。
【0079】
一般式(1d)の化合物は、非置換を置換ヒドロキシル基に転換する任意の合成手段で一般式(1)のベンゾトロポロンに更に変換することができる。このような方法及び技術は、いずれの当業者にもよく知られている:
【化11】
【0080】
本発明によるベンゾトロポロンは好ましくは、化粧品又は医薬品調製物に用いられる。
【0081】
化粧品又は医薬品調製物は、通例の方法を用いて式(1)のベンゾトロポロンをアジュバントと物理的に混合することによって、例えば、特に、既知の化粧品用UV吸収剤、例えば、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸イソオクチルエステルなどの溶解特性を利用して、個々の成分を一緒に単に撹拌することによって調製され得る。
【0082】
化粧品又は医薬品調製物は、その組成物の全重量に基づいて、0.001から20重量%、好ましくは0.01から3重量%の少なくとも1種の式(1)のベンゾトロポロンを含む。
【0083】
本発明による式(1)のベンゾトロポロンと、以下に記載される通りの任意選択の更なる光保護剤(表2〜4に記載される通りの)及び/又は更なる抗酸化剤との重量に基づく混合比1:99から99:1、特に1:95〜95:1、好ましくは10:90から90:10の使用が好ましい。20:80から80:20、特に40:60から60:40、好ましくは約50:50の混合比が特に重要である。このような混合物は、とりわけ、溶解度を改善させ、又はUV吸収を増加させるために用いることができる。
【0084】
抗酸化効果を最適化するために、その局所適用は、化粧品調製物の全重量の0.001%から10%の濃度範囲内で少なくとも1種の更なる親水性又は親油性抗酸化剤を含み得る。それらの更なる抗酸化剤は好ましくは、
- トコフェノール(α、β、γ、δ異性体、特にビタミンE)及びその誘導体(特に、ビタミンE誘導体、例えば、ビタミンE酢酸エステル、ビタミンEリノール酸エステル、ビタミンEニコチン酸エステル及びビタミンEコハク酸エステルなど)
- トコトリエノール(α、β、γ、δ異性体)(一つの不飽和脂肪鎖を含む)、及びその酸のエステル
- アスコルビン酸並びにそのリン酸などの酸のエステル及びまたナトリウム、カリウム、リチウム及びマグネシウム塩、テトライソパルミチン酸アスコルビル、更にピロリドンカルボン酸とのエステル及び一般式(3)H(CH2)n(CHR)COOH及び(4)CH3(CH2)mCH=CH(CH2)nCOOH[式中、Rは水素原子又はOH基、m、nは、0から20の整数(ここで、m+nの合計は最大21である)]を有する酸のエステル、
- レチノイド(ビタミンAの天然及び/若しくは合成同族体全て、又は皮膚におけるビタミンAの生物活性を有するレチナール様化合物、並びにこれらの化合物の幾何異性体及び立体異性体を含む)。好ましい化合物は、レチノール、レチノールエステル(例えば、レチナールのC2〜C22アルキルエステル(飽和又は不飽和アルキル鎖)(パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニルを含む))、レチナール、及び/若しくはレチノイン酸(トランスレチノイン酸及び/又は13-シスレチノイン酸を含む)、又は誘導体である。本明細書で有用である他のレチノイドは、Parishらに1987年6月30日に付与された米国特許第4,677,120号、Parishらに1989年12月5日に付与された同第4,885,311号、Purcellらに1991年9月17日に付与された同第5,049,584号、Purcellらに1992年6月23日に付与された同第5,124,356号に記載されている。他の好適なレチノイドは、トコフェリル-レチノエート[レチノイン酸のトコフェロールエステル(トランス又はシス)、アダパレン[6-(3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)-2-ナフトエ酸]及びタザロテン(6-[2-(4,4-ジメチルチオクロマン-6-イル)-2-エチニル]ニコチン酸エチル)である
- カロテノイド(α-、β-、γ-、及びδ-カロテン、ルテイン、キサントフィル、ゼアキサンチン、ビオラキサンチン、クリプトキサンチン、フコキサンチン、アンテラキサンチン、リコペン、ジデヒドロリコペン及びテトラデヒドロリコペンのカロテノイドなど)
- 酵素抗酸化物質(グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ、スーパーオキシドディスムターゼなど)
- ユビキノン及びイデベノン(ヒドロキシデシルユビキノン)、並びにユビキノール及びその誘導体
- リポ酸及びその誘導体(α-リポ酸など)
- ルチン酸及びその誘導体(α-グルコシルルチン、水溶性フラボノイド、ルチン水和物(ビタミンP)など)
- 植物抽出物(白茶及び緑茶抽出物、紅茶抽出物、チコリ葉抽出物((キクニガナ(Cichorium intubybus))、トケイソウ抽出物(チャボトケイソウ(Passiflora incarnata))、ルイボス(Aspalathus linearis)抽出物、ローズマリー抽出物、カエデ科カエデの木(Aceraceae Maple tree)又はバラ科サクラの木(Rosaceae Cherry tree)の紅葉抽出物、ウコン(Curcuma longa L)(クルクミノイド活性成分)、エーデルワイス(Leontopodium alpinum)抽出物、アンマロク(Emblica officinalis) (フィランツス・エンブリカ(phyllanthus emblica))木抽出物など)
- フェノール酸(コーヒー酸、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸など)
- フラボノイド及びポリフェノール(非置換フラボノン、モノ置換フラボノン及びそれらの混合物からなる群から選択されるフラボノン;非置換カルコン、モノ置換カルコン、ジ置換カルコン、トリ置換カルコン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるカルコン;非置換フラボン、モノ置換フラボン、ジ置換フラボン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるフラボン;1種又は複数のイソフラボン;非置換クマリン、モノ置換クマリン、ジ置換クマリン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるクマリン;フラボノール、アントシアニン、カテキン((-)-エピガロカテキン-3-ガラート、(-)-エピカテキン、(-)-エピガロカテキン及びそれらの混合物のような緑茶カテキンなど)、テアフラビン、プロアントシアニジン(グレープシード(Grape seed)抽出物)など)。米国特許第5,686,082号及び同第5,686,367号に広範に開示されているフラボノイドも用いられ得る。
【0085】
- クロロゲン酸及びフェルラ酸並びにそれらの誘導体
- トロポロン誘導体(トロポロン(CAS番号535-75-5)それ自体、ヒノキチオール、ノオトカチン、スチピタト酸、プベルリン酸、スチピタトン酸、プベルロン酸、γ-ツジャプリシン、β-ツジャプリシン、コルヒセイン又は特許出願国際公開第2008/003529A1号に記載された通りのトロポロン誘導体及びそれらの混合物など)
を含む群から好ましくは選択される。
【0086】
UV照射が皮膚又は毛髪を透過するときに引き起こされる光化学反応連鎖を中断させる第三の種類の抗酸化剤を用いることもできる。このような抗酸化剤の典型的な例は、アミノ酸及びその誘導体(例えば、グリシン、ヒスチジン、アセチルヒスチジン、チロシン、カプロイルチロシン、トリプトファン)、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、ペプチド(D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン及びそれらの誘導体(例えば、アンセリン)など)、オーロチオグリコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン並びにそれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)並びにまたそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)及びまたスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-チオニンスルホキシミン)である。
【0087】
しかしまた、(金属)キレート剤(特に、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)及び好ましくはBissetらに1996年1月30日に付与された米国特許第5,487,884号、1995年10月31日に発行されたBushらの国際公開第91/16035号及び同第91/16034号に開示されたもの。ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、ヒドロキシルコハク酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EDDS、EGTA及びそれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、フェルラ酸、フルフリリデングリシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、N-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]スルファニル酸(及びその塩、例えば、その二ナトリウム塩)、亜鉛及びその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレン及びその誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(特に、ヒドロキシスチルベン、レスベラトロール及びピノシルビン)、並びにそれらの述べた活性成分の本発明による適切な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及び脂質)。HALS(=「ヒンダードアミン光安定化剤」)も挙げることができる。更なる合成及び天然抗酸化剤は、特許国際公開第0025731号:構造1〜3(2頁)、構造4(6頁)、構造5〜6(7頁)及び化合物7〜33(8〜14頁)に記載されている。
【0088】
局所適用は、以下の群:
- ステロイド系抗炎症薬(ヒドロコルチゾン及びそれらの誘導体などのコルチコステロイドが含まれるが、これらに限定されない)
- 非ステロイド系抗炎症薬(オキシカム、サリチレート誘導体、酢酸誘導体、フェナメート、プロピオン酸誘導体、ピラゾールなどが含まれるが、これらに限定されない)
- 天然抗炎症性薬(α-ビサボロール、アラントイン、アロエベラの凍結乾燥抽出物、パンテノール、ベツリン、カンゾウ(Glycyrrhiza glabra)の化合物(グリチルレチン酸、グリシリジン酸、及びそれらの誘導体(塩及びエステル)、例えば、グリシリジン酸ナトリウム、グリシリジン酸カリウム、グリシリジン酸アンモニウムなどを含むが、これらに限定されない)
- ボツリン酸、そのアルカリ塩及びアルカリ土類金属の塩、ボスウェリア酸、そのアルカリ塩及びアルカリ土類金属の塩、ローズマリー酸、そのアルカリ塩及びアルカリ土類金属の塩
- 多価不飽和脂肪酸、リノール酸(18:2n6)、α-リノレン酸(18:3n3)、γ-リノレン酸(18:3n6)、オクタデカンテトラエン酸(18:4n3)、ジホモ-γ-リノレン酸(20:3n6)、エイコサンテトラエン酸(20:4n3)、アラキドン酸(20:4n6)、エイコサンペンタエン酸(20:5n3)、及び一般式(5)R1(CH2)m-(CHOH)-(CH2)nR2(式中、R1及びR2は、水素原子又はOH基であり、m、nは、0から17の整数(ここで、m+nは最大21である)である)のアルコールとのそれらのエステルなど
- フィトステロール、及びそれらの以下の一般式(6)及び(7):
【化12】
【0089】
(式中、Rは8〜10個の炭素原子を有するイソアルキル又はイソアルケニル基であり、nは0から50の整数である)のポリエトキシレート誘導体、特にカンペステロール、β-シトステロール、スチグマステロール、コレステロール、Δ-5-アベナステロール、Δ-7-アベナステロール、ブラッシカステロール、スピナステロール及び
- フコステロール
由来の、抗炎症性作用を有する少なくとも1種の成分を、その組成物の好ましくは0.1%から10%、より好ましくは約0.5%から約5%更に含み得る。
【0090】
本発明による化粧品又は医薬品調製物は、更なる抗酸化剤を含み得る。
【0091】
好適な抗酸化剤の例には、p-ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体(p-ヒドロキシ安息香酸のエチルイソブチル、グリセリルエステル)、サリチレート(オクチルアミル、フェニル、ベンジルメチル、グリセロール及びジプロピレングリコールのエステル)、マロン酸ベンジリデン、[(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)メチル]プロパンジオン酸のようなフェニルメチルプロパン酸誘導体、ビス(2-エチルヘキシル)エステル(CAS番号872182-46-2)ヒドロキシル又はメトキシ置換ベンゾフェノン、尿酸又はタンニン酸及びその誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0092】
本発明による化粧品組成物に用いられ得る更に追加の抗酸化剤は、アセチルシステイン、3-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、コーヒー酸、クロロゲン酸、デシルメルカプトメチルイミダゾール、チオジプロピオン酸ジアセチル、トリオレイン酸ジガロイル、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、ルチニル二硫酸二ナトリウム、チロジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、没食子酸ドデシル、エリソルビン酸、フェルラ酸エチル、ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン(例えば、tert-ブチルヒドロキノン、ジアミルヒドロキノン、ジ-tert-ブチルヒドロキノン)、p-ヒドロキシアニソール、ヒドロキシルアミン塩酸塩、ヒドロキシルアミン硫酸塩、チオグリコール酸イソオクチル、コジック酸、マデカッソシド、コハク酸メトキシ-PEG-7-ルチニル、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、フロログルシノール、没食子酸プロピル、ローズマリー酸及びその誘導体、ルチン、エリソルビン酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、チオジグリコール、チオジグリコールアミド、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、トコフェレス-5、トコフェレス-10、トコフェレス-12、トコフェレス-18、トコフェレス-50、トコフェルソラン、o-トリルビグアニド、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、デクスパンテノール、α-ヒドロキシカルボン酸(特に、グリコール酸、乳酸、マンデル酸)及びその塩、ジメチロールメチルヒダントイン、N-アシルアミノ酸及びその塩(特に、N-オクタノイルグリシン)並びにヒノキトール、並びに一般式
R-O-CH2-CHOH-CH2-OH、(式中、
Rは、分岐又は非分岐のC3〜C18アルキル基であり、ここで、該アルキル基は、1個若しくは複数のヒドロキシル及び/若しくはC1〜C4アルコキシ基(複数可)で置換され得るか、及び/又は該アルキル鎖は、最大4個の酸素原子で中断され得る)
のグリセロールモノアルキルエーテルの長期安定化のためのそれらの混合物からなる群から選択される。
【0093】
本発明による化粧品組成物に用いられ得る更なる追加の抗酸化剤は、同様にアラニン二酢酸、ケルセチン、モリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、チモール、カルバクロール、カテキン、並びにガムベンゾイン樹脂の誘導体、ルチン及びその誘導体、並びにベンジルホスホネート(例えば、ジメチル2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート及びモノエチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネートのカルシウム塩)からなる群から選択される。
【0094】
本発明による化粧品組成物に用いられ得る更なる追加の抗酸化剤は、式:
【化13】
【0095】
(式中、
Xは、O、NH又はNR27であり、
R13、R14、R15及びR16は、互いに独立して、H;ハロゲン;ヒドロキシ;C1〜C24アルキル;少なくとも1個のEで置換されている及び/又は少なくとも1個のDで中断されているC1〜C24アルキル;C1〜C24ペルフルオロアルキル;C6〜C14ペルフルオロアリール;C5〜C12シクロアルキル;Gで置換されている及び/又はS-、-O-、若しくは-NR27-で中断されているC5〜C12シクロアルキル;-NR27R28;C1〜C24アルキルチオ;-PR29R30;C5〜C12シクロアルコキシ;Gで置換されているC5〜C12シクロアルコキシ;C6〜C24アリール;G、C1〜C24アルキル、C5〜C12シクロアルキル、C7〜C25アラルキル、C1〜C24ペルフルオロアルキル、C6〜C14ペルフルオロアリール又はC1〜C24ハロアルキルで置換されているC6〜C24アリール;C4〜C20ヘテロアリール;G、フッ素、C1〜C24アルキル、C5〜C12シクロアルキル、C7〜C25アラルキル、C1〜C24ペルフルオロアルキル、C6〜C14ペルフルオロアリール又はC1〜C24ハロアルキルで置換されているC4〜C20ヘテロアリール;C2〜C24アルケニル;C2〜C24アルキニル;C1〜C24アルコキシ;少なくとも1個のEで置換されている及び/又は少なくとも1個のDで中断されているC1〜C24アルコキシ;C7〜C25アラルキル;Gで置換されているC7〜C25アラルキル;C7〜C25アラルコキシ;G又は-CO-R31で置換されているC7〜C25アラルコキシであるか、又は
R13及びR14は、基:
【化14】
【0096】
(式中、
R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25及びR26は、互いに独立して、H;ハロゲン;ヒドロキシ;C1〜C24アルキル;少なくとも1個のEで置換されている及び/又は少なくとも1個のDで中断されているC1〜C24アルキル;C1〜C24ペルフルオロアルキル;C6〜C14ペルフルオロアリール;C5〜C12シクロアルキル;少なくとも1個のGで置換されている及び/又は少なくとも1個のS-、-O-、若しくは-NR27-で中断されているC5〜C12シクロアルキル;C5〜C12シクロアルコキシ;Gで置換されているC5〜C12シクロアルコキシ;C6〜C24アリール;少なくとも1個のGで置換されているC6〜C24アリール;C2〜C20ヘテロアリール;少なくとも1個のGで置換されているC2〜C20ヘテロアリール;C2〜C24アルケニル;C2〜C24アルキニル;C1〜C24アルコキシ;少なくとも1個のEで置換されている及び/又は少なくとも1個のDで中断されているC1〜C24アルコキシ;C7〜C25アラルキル;少なくとも1個のGで置換されているC7〜C25アラルキル;C7〜C25アラルコキシ;少なくとも1個のG又は少なくとも-CO-R31で置換されているC7〜C25アラルコキシであり、
Dは、-CO-;-COO-;-S-;-SO-;-SO2-;-O-;-NR27-;-POR29-;-CR32=CR33-;又は-C≡C-であり、
Eは、-OR34;-SR34;-NR27R28;-[NR27R28R36]+Z-;-COR31;-COOR35;-CONR27R28;-CN;-N3;-OCOOR35;又はハロゲンであり、
Gは、E;又はC1〜C24アルキルであり、
R32、R33、R27、R28及びR36は、互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C1〜C24アルキルで置換されているC6〜C18アリール;又はC1〜C24アルコキシ;C1〜C24アルキル;少なくとも1個の-O-で中断されているC1〜C24アルキル;
【化15】
【0097】
であり、又は
R27及びR28は一緒になって、5又は6員の環、特に
【化16】
【0098】
【0099】
を形成し、
Zは、ハロゲンであり、
R31及びR25は、互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C1〜C24アルキル若しくはC1〜C24アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C24アルキル;又は少なくとも1個の-O-で中断されているC1〜C24アルキルであり、
R34は、水素;C6〜C18アリール;C1〜C24アルキル若しくはC1〜C24アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C24アルキル;又は少なくとも1個の-O-で中断されているC1〜C24アルキルであり、
R29及びR30は、互いに独立して、C1〜C24アルキル;C6〜C18アリール;又はC1〜C24アルキルで置換されているC6〜C18アリールであり、
R15及びR16は更に、直接又はフェノールの酸素を介してフェノール環系にα-又はβ-連結されたモノ-、ジ-又はオリゴサッカライドであってもよい)
の化合物に相当する。
【0100】
式(1)の化合物のほかに、本発明による化粧品組成物は、例えば、国際公開第00/25731号に開示された通りのフェノール若しくはラクトンタイプの抗酸化剤及び/又は国際公開第03/103622号に開示された通りのヒンダードアミン光安定化剤、例えば、ヒンダードニトロキシル、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン塩の化合物も含み得る。
【0101】
本組成物に更に有用な更なる成分は、更に以下及び参照される刊行物に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0102】
式(1)の化合物と混合して用いられる得る有機UVフィルターの例は、表2〜4に記載される:
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【0105】
【0106】
【表4】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
パーソナルケア用途
式(1)のベンゾトロポロンは、特にスキンケア製品、浴室及びシャワー用添加剤、香料及び臭気物質を含む製剤、ヘアケア製品、歯磨剤、脱臭剤及び制汗剤、装飾剤、光防護用配合物並びに活性成分を含む調製物のために、単一成分として又は他の安定化剤若しくはUV吸収剤と混合して用いられ得る。
【0111】
スキンケア製品は、特に、ボディオイル、ボディローション、ボディゲル、トリートメントクリーム、皮膚保護軟膏、シェービング剤(髭剃りクリーム又はジェルなど)、スキンパウダー(ベビーパウダーなど)、保湿ジェル、保湿スプレー、リバイタライジングボディスプレー、セルライトジェル及び剥離剤である。
【0112】
好適な浴室及びシャワー用添加剤は、シャワー用ジェル、バスソルト、泡立て剤及びセッケンである。
【0113】
香料及び臭気物質を含む調製物は、特に、芳香、香料、化粧水及びシェービングローション(アフターシェーブ剤)である。
【0114】
好適なヘアケア製品は、例えば、ヒト及び動物、特にイヌのためのシャンプー、ヘアコンディショナー、髪をスタイリング及び処理する製品、パーマ剤、ヘアスプレー及びラッカー、ヘアジェル、髪固定剤、及び髪染色剤又は脱色剤である。
【0115】
好適な歯磨剤は、特に、練り歯磨き(tooth cream)、練り歯磨き(toothpaste)、洗口剤、口内洗浄剤、歯石防止剤及び義歯用清浄剤である。
【0116】
好適な装飾剤は、特に、口紅、マニキュア液、アイシャドー、マスカラ、水乾両様のメイクアップ用品、ルージュ、パウダー、脱毛剤及び日焼けローション(suntan lotions)である。
【0117】
活性剤を含む好適な化粧品配合物は、特に、ホルモン剤、ビタミン剤、植物抽出剤及び抗菌剤である。
【0118】
言及したボディケア製品は、クリーム、軟膏、ペースト、フォーム、ジェル、ローション、パウダー、メイクアップ、スプレー、スティック又はエアロゾルの形態であり得る。
【0119】
これらの製品は好ましくは、式(1)のベンゾトロポロン並びに任意により、他のUV吸収剤、立体障害アミン、錯化剤及びフェノール系又は非フェノール系抗酸化剤を含む。
【0120】
したがって、本発明は、少なくとも1種の式(1)の化合物を含むボディケア製品にも関する。
【0121】
式(1)の化合物は、ボディケア及び家庭用品において、全配合物に基づいて、約5から約50000ppm、好ましくは約10から約10000ppm、最も好ましくは約500から約5000ppmの濃度で存在する。
【0122】
本発明による化粧品組成物は、以下に記載された通りの1種又は複数の更なる化合物も含み得る。
【0123】
脂肪アルコール
6から18個、好ましくは8から10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベットアルコール(guerbet alcohol)、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、C12〜C15アルコールのベンゾエート、アセチル化ラノリンアルコールなど。
【0124】
脂肪酸のエステル
直鎖C6〜C24脂肪酸と直鎖C3〜C24アルコールとのエステル、分岐鎖C6〜C13カルボン酸と直鎖C6〜C24脂肪アルコールとのエステル、直鎖C6〜C24脂肪酸と分岐鎖アルコール(特に、2-エチルヘキサノール)とのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖又は分岐鎖C6〜C22脂肪アルコールとのエステル(特に、リンゴ酸ジオクチル)、直鎖及び/又は分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオール又はトリマートリオール)及び/又はゲルベットアルコールとのエステル、例えば、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸並びにそれらの工業グレード混合物(例えば、天然油脂の除圧、ロエレンのオキソ合成(Rolelen's oxosynthesis)由来のアルデヒドの還元、又は不飽和脂肪酸の二量化で得られる)と、アルコール、例えば、イソプロピルアルコール、カプロイックアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノイルアルコール、リノレニルアルコール、エラエオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラッシジルアルコール並びにそれらの工業グレード混合物(例えば、油脂に基づく工業グレードメチルエステル又はロエレンのオキソ合成由来のアルデヒドの高圧水素化で、並びに不飽和脂肪アルコールの二量化におけるモノマー留分として得られる)とのエステル。
【0125】
このようなエステル油の例は、ミリスル酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、オクタン酸セテアリル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、酢酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、乳酸ミリスチル、ジカプリン酸/カプリン酸プロピレングリコール、ヘプタン酸ステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシスレアリン酸オクチルなどである。
【0126】
グリセリルエステル及び誘導体を含む天然又は合成トリグリセリド
他のアルコールとの反応により変性された、C6〜C18脂肪酸に基づくジ又はトリグリセリド(カプリル酸/トリカプリン酸トリグリセリド、コムギ胚芽グリセリドなど)。ポリグリセリンの脂肪酸エステル(ポリグリセリル-n、例えば、カプリン酸ポリグリセリル-4、イソステアリン酸ポリグリセリル-2など、又はヒマシ油、水添植物油、スイートアーモンド油、コムギ胚芽油、ゴマ油、水添綿実油、ココナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、水添ヒマシ油、シアバター、ココアバター、大豆油、ミンク油、ヒマワリ油、ベニバナ油、マカダミアナッツ油、オリーブ油、水添獣脂、杏仁油、ヘーゼルナッツ油、ボラージ油など)。
【0127】
ワックス
長鎖酸とアルコールとのエステル及びワックス様特性を有する化合物を含み、例えば、カルナバワックス、ミツロウ(白色又は黄色)、ラノリンワックス、カンデリラワックス、オゾケライト、ジャパンワックス、パラフィンワックス、微結晶ワックス、セレシン、セテアリルエステルワックス、合成ミツロウなど。また、親水性ワックス、例えば、セテアリルアルコール又は部分グリセリドなど。
【0128】
真珠光沢ワックス
アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;、無置換又はヒドロキシ置換の多価カルボン酸と6から22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪物質、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル及び脂肪カーボネート(これらは、全部で少なくとも24個の炭素原子を有する)、特にラウロン(laurone)及びジステアリルエーテル;脂肪酸(ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸又はベヘン酸など)、12から22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドと、12から22個の炭素原子を有する脂肪アルコール並びに/又は2から15個の炭素原子及び2から10個のヒドロキシ基を有するポリオールとの開環生成物、並びにそれらの混合物。
【0129】
炭化水素油
鉱油(軽及び重)、ペトロラタム(黄色又は白色)、微結晶ワックス、パラフィン系及びイソパラフィン系化合物、ポリデセン及びポリブテンのような水素化イソパラフィン系分子、水素化ポリイソブテン、スクアレン、イソヘキサデカン、イソドデカン並びに植物及び動物界由来の他のもの。
【0130】
シリコーン又はシロキサン(オルガノ置換ポリシロキサン)
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにまた、アミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、グリコシド-及び/又はアルキル-変性シリコーン化合物(これらは、室温で液体又は樹脂状形態であり得る)。直鎖ポリシロキサン、ジメチコン(Dow Corning 200 fluid、Rhodia Mirasil DM)、ジメチコノール、環状シリコーン流動体、シクロペンタシロキサン揮発物(Dow Corning 345 fluid)、フェニルトリメチコン(Dow Corning 556 fluid)。200から300のジメチルシロキサン単位の平均分枝鎖を有するジメチコンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコンも好適である。更に、好適な揮発性シリコーンに関するToddらによる詳細な調査は、Cosm. Toil.91、27(1976年)に見ることができる。
【0131】
フッ素化又は全フッ素化油
ペルフルオロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロペンタン、ポリペルフルオロメチルイソプロピルエーテル。
【0132】
乳化剤
通常利用できる乳化剤はいずれも、本組成物に用いられ得る。乳化剤系は、例えば、以下のものを含む:炭素環式酸及びそれらの塩:ナトリウム、カリウム及びアンモニウムのアルカリセッケン、カルシウム又はマグネシウムの金属セッケン、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸などの有機系セッケン。リン酸アルキル又はリン酸エステル、過リン酸塩、リン酸ジエタノールアミン、セチルリン酸カリウム。エトキシル化カルボン酸又はポリエチレングリコールエステル、アクリル酸PEG-n。8から22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール、2から30モルのエチレンオキシド及び/又は0から5モルのプロピレンオキシドと12から22個の炭素原子を有する脂肪酸との、及びアルキル基中8から15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの分岐鎖脂肪アルコール。脂肪酸ポリグリコールエーテル、例えば、ラウレス-n、セテアレス-n、ステアレス-n、オレス-n。脂肪酸ポリグリコールエーテル、例えば、ステアリン酸PEG-n、オレイン酸PEG-n、ヤシ油脂肪酸PEG-nなど。モノグリセリド及びポリオールエステル。1から30モルのエチレンオキシドとポリオールとの付加生成物のC12〜C22脂肪酸モノ及びジエステル。脂肪酸とポリグリセロールとのエステル、例えば、モノステアリン酸グリセロール、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸トリグリセリル、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2又はダイマー酸ポリグリセリル。複数のこれらの物質クラス由来の化合物の混合物も好適である。脂肪酸ポリグリコールエステル、例えば、モノステアリン酸ジエチレングリコール、脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、脂肪酸とサッカロースのエステル(スクロエステルなど)、グリセロールとサッカロースのエステル(スクログリセリドなど)。ソルビトール及びソルビタン、6から22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸とエチレンオキシド付加生成物のソルビタンモノ及びジエステル。ポリソルベート-nシリーズ、ソルビタンエステル、例えば、セスキイソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸PEG-(6)ソルビタン、ラウリン酸PEG-(10)-ソルビタン、ジオレイン酸PEG-17ソルビタン。グルコース誘導体、C8〜C22アルキル-モノ及びオリゴ-グルコシド並びにエトキシル化類似体(糖成分としてグルコースが好ましい)。O/W型乳化剤、例えば、セスキステアリン酸メチルグルセス-20、ステアリン酸ソルビタン/ヤシ油脂肪酸スクロース、セスキステアリン酸メチルグルコース、セテアリルアルコール/セテアリルグルコシド。W/O型乳化剤、例えば、ジオレイン酸メチルグルコース/イソステアリン酸メチルグルコース。硫酸塩及びスルホン化誘導体、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジオクチルコハク酸塩、アルキルラウリルスルホン酸塩、直鎖スルホン化パラフィン、スルホン化テトラプロピレンスルホン酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム及びエタノールアミン、ラウリルエーテル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホコハク酸エステル、イソチアン酸アシル、アルカノールアミド硫酸塩、タウリン、メチルタウリン、イミダゾール硫酸塩。アミン誘導体、アミン塩、エトキシル化アミン、オキシドアミン(アルキルイミダゾリンなどのヘテロ環を含む分子鎖を有する)、ピリジン誘導体、イソキノテイン、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウム、四級アンモニウム、例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTBA)、ステアリルアルコニウム。アミド誘導体、アルカノールアミド、例えば、アシルアミドDEA、エトキシル化アミド、例えば、PEG-nアシルアミド、オキシドアミド。ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び誘導体、ジメチコン、コポリオール、シリコーンポリエチレンオキシドコポリマー、シリコーングリコールコポリマー、プロポキシル化又はPOE-nエーテル(Meroxapols)、ポロキサマー又はポリ(オキシエチレン)m-ブロック-ポリ(オキシプロピレン)n-ブロック(オキシエチレン)。少なくとも1個の四級アンモニウム基と少なくとも1個のカルボキシレート及び/又はスルホネート基を分子中に保有する双性イオン界面活性剤。特に好適である双性イオンは、ベタイン、例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(それぞれがアルキル又はアシル基中に8から18個の炭素原子をそれぞれ有する)、及びまたココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネート、N-アルキルベタイン、N-アルキルアミノベタインである。アルキルイミゾリン、アルキルペプチド、リポアミノ酸、自己乳化型基剤及びK.F.DePolo、「A short textbook of cosmetology」、第8章、表8-7、250〜251頁に記載された通りの化合物。
【0133】
非イオン性乳化剤、例えば、PEG-6ミツロウ(及び) ステアリン酸PEG-6 (及び) イソステアリン酸ポリグリセリル-2[Apifac]、ステアリン酸グリセリル (及び) ステアリン酸PEG-100[Arlacel 165]、ステアリン酸PEG-5グリセリル [arlatone 983 S]、オレイン酸ソルビタン (及び)リシノール酸ポリグリセリル-3。[Arlacel 1689]、ステアリン酸ソルビタン及びヤシ脂肪酸スクロース[arlatone2121]、ステアリン酸グリセリル及びラウレス-23[Cerasynth 945]、セテアリルアルコール及びセテス-20[Cetomarcrogol Wax]、セテアリルアルコール及びポリソルベート60及びPEG-150及びステアレート-20[Polawax GP200、Polawax NF]、セテアリルアルコール及びセテアリルポリグルコシド[Emulgade PL 1618]、セテアリルアルコール及びセテアレス-20[Emulgade 1000NI、Cosmowax]、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油[[Emulgade F Special]、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油及びセテアリル硫酸ナトリウム[Emulgade F]、ステアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10[Emulgator E 2155]、セテアリルアルコール及びスゼアレス-7及びステアレス-10[Emulsifying wax U.S.N.F]、ステアリン酸グリセリル及びステアリン酸PEG-75 [Gelot 64]、酢酸プロピレングリコールセテス-3。[Hetester PCS]、酢酸プロピレングリコールイソセス-3[Hetester PHA]、セテアリルアルコール及びセテス-12及びオレス-12[Lanbritol Wax N21]、ステアリン酸PEG-6及びステアリン酸PEG-32[Tefose 1500]、ステアリン酸PEG-6及びセテス-20及びステアレス-20[Tefose 2000]、ステアリン酸PEG-6及びセテス-20及びステアリン酸グリセリル及びステアレス-20[Tefose 2561]、ステアリン酸グリセリル及びセテアレス-20[Teginacid H、C、X]。
【0134】
アニオン性乳化剤、例えば、ステアリン酸PEG-2(SE)、ステアリン酸グリセリル(SE)[Mo
nelgine、Cutina KD]、ステアリン酸プロピレングリコール[Tegin P]、セテアリルアルコール及びセテアリル硫酸ナトリウム[Lanette N、Cutina LE、Crodacol GP]、セテアリルアルコール及びラウリル硫酸ナトリウム[Lanette W]、リン酸トリラネス-4及びステアリン酸グリコール及びステアリン酸PEG-2[Sedefos 75]、ステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウム[Teginacid Special]。カチオン性酸ベース、例えば、セテアリルアルコール及び臭化セトリモニウム。
【0135】
乳化剤は、本組成物の全重量に基づいて、例えば、1から30重量%、特に4から20重量%、好ましくは5から10重量%の量で用いられ得る。
【0136】
O/W型エマルジョンで配合される場合、このようなエマルジョン系の量は好ましくは、油相の5%から20%に相当し得る。
【0137】
過脂肪剤
過脂肪剤としての使用に好適な界面活性剤は、例えば、ラノリン及びレシチン及びまたポリエトキシル化又はアクリル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド及び脂肪酸アルカノールアミドであり、後者は、同時に泡安定化剤としても作用する。
【0138】
界面活性剤
好適な低刺激性界面活性剤(すなわち、特に皮膚により十分許容される界面活性剤)の例には、脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩、モノ及び/又はジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸イセチオン酸塩、脂肪酸サルコシン酸塩、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタミン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン及び/又はタンパク質脂肪酸縮合生成物が含まれ、後者は好ましくは、コムギタンパク質に基づく。
【0139】
粘稠度調整剤/増粘剤/レオロジー調整剤
二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ポリサッカライド又はそれらの誘導体、例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、グアール-グアール、寒天、アルギニン酸塩、カラゲナン、ゲラン、ペクチン、又は変性セルロース、例えば、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース。更に、ポリアクリレート又は網状アクリル酸のホモポリマー、及びポリアクリルアミド、カルボマー(カーボポールタイプ980、981、1382、ETD2001、ETD2020、Ultrez10)又はSalcareシリーズ、例えば、Salcare SC80(ステアレス-10アリルエーテル/アクリレートコポリマー)、Salcare SC81(アクリレートコポリマー)、Salcare SC91及びSalcare AST(アクリル酸ナトリウムコポリマー/PPG-1トリデセス-6)、sepigel305(ポリアクリルアミド/ラウレス-7)、Simulgel NS及びSimulgel EG(ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー)、Stablilen 30(アクリレート/イソデカン酸ビニルクロスポリマー)、Pemulen TR-1(アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー)、Luvigel EM(アクリル酸ナトリウムコポリマー)、Aculyn28(アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)など。
【0140】
ポリマー
好適なカチオン性ポリマーは、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えば、Amerch
ol製Polymer JR 400という名称で得られる四級化ヒドロキシメチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えば、Luviquata(BASF)、ポリグリコールとアミンの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(LamequataL/Grunau)、四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えば、アミドメチコン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretin/Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(Merquat 550/Chemviron)、ポリアミノポリアミド(例えば、FR-A-2 252 840に記載された通りの)、並びにその架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、四級化キトサンの誘導体(場合により、微小結晶として販売される);ジハロアルキル(例えば、ジブロモブタン)とビスジアルキルアミン(例えば、ビスジメチルアミノ-1,3-プロパン)との縮合生成物、カチオン性グアールガム(例えば、Celanese製Jaguar C-17、Jaguar C-16)、四級化アンモニウム塩ポリマー(例えば、Miranol製Mirapol A-15、Mirapol AD-1、Mirapol AZ-1)である。アニオン性、双性イオン、両性イオン及び非イオン性ポリマーとして、考慮されるのは、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポリマー及びそのエステル、非架橋ポリアクリル酸及びポリオールで架橋されたポリアクリル酸、アクリルアミドプロピル-トリメチル-アンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート、tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタ
クリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー及びまた任意により誘導体化セルロースエーテル及びシリコーンである。更に、EP 1093796(3〜8頁、段落17〜68)に記載された通りのポリマーが用いられ得る。
【0141】
カチオン性界面活性剤
セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ジメチコンコポリオール、アミドメチコン、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー、グアールヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第7版1997年に記載された通りのヒドロキシセチルヒドロキシエチルジモニウムクロリドクオタニウム化合物、例えば、クオタニウム-80、国際化粧品材料辞典及びハンドブック、第7版1997年に記載された通りのポリクオタニウム化合物、例えば、ポリクオタニウム-5、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-32、ポリクオタニウム-37。
【0142】
生体活性成分
生体活性成分は、例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レニノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、エセンシャルオイル、植物エキス及びビタミン複合体を意味するものとして理解される。
【0143】
脱臭活性成分
脱臭活性成分としては、例えば、制汗剤、例えば、クロロヒドレートアルミニウム(J. Soc. Cosm. Chem. 24、281(1973年)を参照のこと)である。Hoechst AG、Frankfurt(FRG)のLocronaという商標で、例えば、その使用が特に好ましい式Al2(OH)5Cl×2.5H2Oに相当するクロロヒドレートアルミニウム(J. Pharm. Pharmacol. 26、531(1975年)を参照のこと)が市販されている。このクロロヒドレートのほかに、ヒドロキシアセテートアルミニウム及び酸性アルミニウム/ジルコニウム塩を用いることもできる。エステラーゼ阻害剤は、更なる脱臭活性成分として添加され得る。このような阻害剤は好ましくは、クエン酸トリアルキル、例えば、クエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル及び特に、クエン酸トリエチル(Hydagen CAT、Henkel)であり、これらは酵素活性を阻害し、したがって、臭気形成を減少させる。エステラーゼ阻害剤として考慮される更なる物質は、ステロールサルフェート又はホスフェート、例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及びシトステロールの硫酸又はリン酸エステル、ジカルボン酸及びそのエステル、例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル、並びにヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステルである。細菌叢に影響を与えて、汗分解性細菌を死滅させるか、その細菌の増殖を阻害する抗菌活性成分は、同様に調製物(特にスティック剤)に存在させ得る。例には、キトサン、フェノキシエタノール及びクロルヘキシジングルコネートが含まれる。5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール(Triclosan、Irgasan、Ciba Specialty Chemicals Inc.)も特に有効であると判明した。
【0144】
ふけ防止剤
ふけ防止剤としては、例えば、クリンバゾール(climbazole)、オクトピロックス(octop
irox)及びジンクピリチオン(zinc pirithion)が用いられ得る。一般的な膜形成剤には、例えば、キトサン、微結晶キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸を高比率で含む第四級セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸とその塩及び同様の化合物が含まれる。
【0145】
ヒドロトロピー剤
流動挙動の改善のために、ヒドロトロピー剤、例えば、エトキシル化又は非エトキシル化モノアルコール、ジオール、若しくは低数の炭素原子を有するポリオール又はそれらのエーテル(例えば、エタノール、イソプロパノール、1,2-ジプロパンジオール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び同様の生成物)を用いることもできる。その目的のためのポリオールは、好ましくは2から15個の炭素原子及び少なくとも2個のヒドロキシ基を含む。このポリオールは、更なる官能基、特にアミノ基を含んでもよく、及び/又は窒素で変性されてもよい。典型的な例は、以下の通りである:グリセロール、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール及びまた、100から1000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール、1.5から10の固有の縮合度を有する工業用オリゴグリセロール混合物、例えば、40から50重量%のジグリセロール含有量を有する工業用ジグリセロール混合物);メチロール化合物、例えば、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリロール及びジペンタエリトリトール;低級アルキル-グルコシド、特に、アルキル基中に1から8個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル及びブチルグルコシド;5から12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えば、ソルビトール又はマンニトール;5から12個の炭素原子を有する糖、例えば、グルコース又はサッカロース;アミノ糖、例えば、グルカミン;ジアルコールアミン、例えば、ジエタノールアミン又は2-アミノ-1,3-プロパンジオール。
【0146】
防腐剤
好適な防腐剤には、例えば、メチル-、エチル-、プロピル-、ブチル-パラベン、塩化ベンズアルコニウム、2-ブロモ-2-ニトロ-プロパン-1,3-ジオール、ジヒドロ酢酸、ジアゾリジニル尿素、2-ジクロロ-ベンジルアルコール、dmdmヒダントイン、ホルムアルデヒド溶液、メチルジブロモグルタニトリル、フェノキシエタノール、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、イミダゾリジニル尿素、トリクロサン及び以下の参考文献:K.F.Depolo-A Short Textbook Of Cosmetology、第7章、表7-2、7-3、7-4及び7-5、210〜219頁に記載された更なる物質クラスが含まれる。
【0147】
細菌阻害剤
細菌阻害剤の典型的な例は、グラム陽性細菌に対して特定の作用を有する防腐剤、例えば、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6-ジ(4
-クロロフェニル-ビグアニド)ヘキサン)又はTCC(3,4,4'-トリクロロカルバニリド)である。多数の芳香族物及び精油も抗菌特性を有する。典型的な例は、丁子油、ミント油及びタイム油中の活性成分ユージノール、メントール及びチモールである。重要な天然脱臭剤は、ライム花油に存在しているテルペンアルコールファルネソール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール)である。グリセロールモノラウレートも静菌剤であることが判明している。存在する追加の細菌阻害剤の量は通常、本調製物の固体含有量に基づいて0.1から2重量%である。
【0148】
香油
天然及び/又は合成芳香族物質の混合物。天然芳香族物質は、例えば、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、橙花、イランイランノキ)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニシード、コリアンダー、キャラウェイ、ジュニパー)、果実皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ニクズク、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスツス(costus)、アイリス、カルムス)、木材(マツ、ビャクダン、ユソウボク、シーダー、シタン)、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針状葉及び小枝(トウヒ、マツ、スコッチパイン、モンタナマツ)、樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバヌム、オポポナックス)からの抽出物(エキス)である。動物原料、例えば、シベット及び海猫香も考慮に入れられる。典型的な合成芳香物質は、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール又は炭化水素タイプの生成物である。エステルタイプの芳香物質化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル及びサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えば、ベンジルエチルエーテルが含まれる;アルデヒドには、例えば、8から18個の炭化水素原子を有する直鎖アルカノール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブルジオナルが含まれる;ケトンには、例えば、イオノン、イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンが含まれる;アルコールには、例えば、アネトール、シトロネロール、ユージノール、イソユージノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピノールが含まれる;並びに炭化水素には、主にテルペン及びバルサムが含まれる。しかし、魅力的なにおいを一緒に生じる種々の芳香物質の混合物を用いることが好ましい。芳香成分として主に用いられる比較的低揮発性のエーテル油、例えば、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、シナモン葉の油、ライム花油、ネズの実油、ベチベルソウ油、オリバヌム油、ガルバヌム油、ラボラヌム油及びラバンジン油も、香油として好適である。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、レモン油、タンジェリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタル、ラバンジン油、ムスカテルセージ油、ダマスコン、ブルボンゼラニウム油、サリチル酸シクロヘキシル、バートフィクスクール(vertofix coeur)、イソ-E-Super、Fixolide NP、エバーニル(evernyl)、イラルダインγ(iraldein gamma)、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット(romillat)、イロチル(irotyl)及びフロラマット(floramat)を単独で又は互いに混合して用いることが好ましい。
【0149】
他のアジュバント
更に、化粧品調製物には、アジュバントとして、消泡剤(シリコーンなど)、構造化剤(マレイン酸など)、可溶化剤(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール又はジエチレングリコールなど)、不透明化剤(ラテックス、スチレン/PVP又はスチレン/アクリルアミドコポリマーなど)、推進剤(プロパン/ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2、N2又は空気など)、酸化染料前駆体としてのいわゆるカプラー及び顕色剤成分、還元剤(チオグリコール酸及びその誘導体、チオ乳酸、システアミン、チオリンゴ酸又はメルカプトエタンスルホン酸など)、又は酸化剤(過酸化水素、臭素酸カリウム又は臭素酸ナトリウムなど)を含めることができる。
【0150】
好適な防虫剤は、例えば、N,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオール又はin
sect repellent 3535であり、好適なセルフタンニング剤は、例えば、ジヒドロキシアセトン及び/又はエリトルロース若しくはジヒドロキシアセトン及び/又はWO 01/85124に記載された通りのジヒドロキシアセトン前駆体及び/又はエリトルロースである。
【0151】
式(1)の化合物、並びにこれらの化合物と、表2〜4に記載された通りの他のUV吸収剤、フェノール系若しくは非フェノール系抗酸化剤と、又は錯体形成剤との混合物は特に、光分解に対するボディケア及び家庭用品を保護するために好適である。
【0152】
本安定化剤系は特に、ボディケア製品、特に、
- スキンケア剤、例えば、錠剤若しくは液状セッケン、セッケンを含まない洗浄剤又は洗浄ペーストの形態の皮膚洗浄及び清浄剤、
- 浴剤、例えば、液体(泡浴剤、乳剤、シャワー剤)又は固形浴剤、例えば、浴用キューブ及びバスソルト;
- スキンケア剤、例えば、スキンエマルジョン、マルチエマルジョン又はスキンオイル;ボディオイル、ボディローション、ボディジェル;スキン保護軟膏;
- 化粧用パーソナルケア製剤、例えば、デイクリーム若しくはパウダークリームの形態のフェースメイクアップ、フェースパウダー(ルース又はプレスト)、口紅又はクリームメイクアップ、アイケア剤、例えば、アイシャドー剤、マスカラ、アイライナー、アイクリーム又はアイフィックスクリーム;リップケア剤、例えば、リップスティック、リップグロス、リップコントゥールペンシル、ネイルケア剤、例えば、マニキュア液、マニキュア脱液、ネイル用硬化剤又はキューティクル除剤;
- フットケア剤、例えば、フットバス、フットパウダー、フットクリーム又はフットバルサム、特殊脱臭剤及び制汗剤又はカルス除去剤;
- 光防護剤、例えば、サンミルク、ローション、クリーム又はオイル、サンブロック又はトロピカル、プレタンニング剤又はアフターサン剤;
- スキンタンニング剤、例えば、セルフタンニングクリーム;
- 脱色剤、例えば、皮膚を脱色する製剤又はスキンライトニング剤;
- 防虫剤、例えば、防虫剤オイル、ローション、スプレー又はスティック;
- 脱臭剤、例えば、脱臭スプレー、ポンプアクションスプレー、脱臭ジェル、スティック又はロールオン;
- 制汗剤、例えば、制汗剤スティック、クローム又はロールオン;
- ブレミッシュスキン用の清浄及びケアのための製剤、例えば、合成清浄剤(固体及び液体)、ピーリング及びスクラブ剤又はピーリングマスク;
- 化学形態の脱毛剤(脱毛(depilation))、例えば、脱毛パウダー、液体脱毛剤、クリーム又はペースト形態の脱毛剤、ジェル形態又はエアロゾルフォームの脱毛剤;
- シェービング剤、例えば、シェービングセッケン、起泡性シェービングクリーム、非起泡性シェービングクリーム、フォーム及びジェル、乾燥シェービングのためのプレシェーブ剤、アフターシェーブローション;
- 芳香剤、例えば、調製物(におい、オーデコロン、オードトワレ、オードパフューム、パフュームドトワレ、パフューム)、香油又はパフュームクリームを含む芳香及び臭気物質:
- 化粧用ヘアトリートメント剤、例えば、シャンプー及びコンディショナーの形態の毛髪洗浄剤、ヘアケア剤、例えば、プレトリートメント剤、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中ヘアトリートメント、ヘア構造化剤(例えば、パーマネントウェーブ(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)のためのヘアウェービング剤)、縮毛矯正剤、液体ヘアセッティング剤、ヘアフォーム、ヘアスプレー、脱色剤(例えば、過酸化水素溶液)、ライトニングシャンプー、脱色クリーム、脱色パウダー、脱色ペースト又はオイル、一時的、半永久的又は永久的ヘア着色剤、自己酸化性染料を含む調製物、又は天然ヘア着色剤(ヘンナ染料又はカモミールなど);
- 歯磨剤、特に練り歯磨き(tooth cream)、練り歯磨き(toothpaste)、洗口剤、口内洗浄剤、歯石防止剤及び入れ歯用清浄剤;
- 装飾剤、特にリップスティック、マニキュア液、アイシャドー、マスカラ、乾湿メイクアップ、ルージュ、パウダー、脱毛剤及び日焼け止めローション;
- 活性成分を含む化粧品配合物、特にホルモン剤、ビタミン剤、植物抽出物剤及び抗菌剤を安定化させるために好適である。
【0153】
活性成分を含む好適な化粧品配合物は、特にホルモン剤、ビタミン剤、植物抽出物及び抗菌剤である。
【0154】
提供形態
記載された最終配合物は、広範な提供形態、例えば、
- WO、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルジョン、及び全ての種類のマイクロエマルジョンとしての液体製剤の形態で、
- ジェルの形態で、
- オイル、クリーム、ミルク又はローションの形態で、
- スティックの形態で、
- スプレー(推進剤ガスを有するスプレー又はポンプアクションスプレー)又はエアロゾルの形態で、
- フォームの形態で、又は
- ペーストの形態で
存在し得る。
【0155】
皮膚のための化粧品調製物として特に重要なものは、光防護剤、例えば、サンミルク、ローション、クリーム、オイル、サンブロック又はトロピカル、日焼け前製剤又は日焼け後製剤、またスキンタンニング剤、例えば、セルフタンニングクリームである。特に興味深いものは、日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼け止めミルク、及びスプレー形態の日焼け止め剤である。
【0156】
ヘアのための化粧品調製物として特に重要なものは、ヘアトリートメント用の上述の調製物、特に、シャンプーの形態の毛髪洗浄剤、ヘアコンディショナー、ヘアケア剤、例えば、プレトリートメント剤、ヘアトニックス、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中ヘアトリートメント、縮毛矯正剤、液体ヘアセット剤、ヘアフォーム及びヘアスプレーである。特に重要なものは、シャンプー形態のヘア洗浄剤である。
【0157】
シャンプーは、例えば、以下の組成:
0.01から5重量%の式(1)の化合物、
12.0重量%のラウレス-2-硫酸ナトリム、
4.0重量%のコカミドプロピルベタイン、
3.0重量%の塩化ナトリウム、
及び合計100%の水
を有する。
【0158】
例えば、特に以下のヘア化粧品配合物が用いられ得る:
a1)自然乳化型ストック配合物(本発明による式(1)の化合物、任意により別の安定化剤、PEG-6-C10オキソアルコール及びセキスオレイン酸ソルビタンを含み、これに、水及び任意の所望の四級アンモニウム化合物、例えば、4%のミンクアミドプロピルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクオタニウム80が添加される);
a2)自然乳化型ストック配合物(本発明による式(1)の化合物、任意により別の安定化剤、クエン酸トリブチル及びモノオレイン酸PEG-20-ソルビタンを含み、これに、水及び任意の所望の四級アンモニウム化合物、例えば、4%のミンクアミドプロピルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクオタニウム80が添加される);
b)四倍濃縮溶液(quat-doped solutions)(ブチルトリグリコール及びクエン酸トリブチル中本発明による式(1)の化合物;及び任意により別の安定化剤を含む);
c)混合物及び溶液(アルキルピロリドンと一緒の本発明による式(1)の化合物;及び任意により別の安定化剤を含む)。
【0159】
本発明のボディケア製品の例は以下の表に記載される:
【表5】
【0160】
家庭用品
本発明の安定化剤系は、家庭用清浄及び処理剤、例えば、洗濯用製品及び織物軟化剤、液体洗浄及び精錬剤、ガラス洗浄剤、中性クリーナー(汎用クリーナー)、酸性家庭用クリーナー(浴槽)、浴室クリーナー、WCクリーナー、例えば、洗浄剤、リンス剤及び食器用洗剤、キッチン及びオーブンクリーナー、クリアリンス剤、食器用洗剤、靴クリーム、つや出しワックス、床洗浄剤及び床磨き剤、金属、ガラス及びセラミッククリーナー、繊維ケア製品、敷物クリーナー及びカーペットシャンプー、さび、色及び汚れを取るための薬剤(染み抜き剤塩)、家具及び汎用磨き剤、並びに皮革及びビニール製品ドレッシング剤(皮革及びビニール製品スプレー)及びエアフレッシュナーにおいても用いられる。
【0161】
家庭用清浄剤は、以下の成分の1種以上の水溶液又はアルコール(エタノール又はイソプロピルアルコール)溶液である:
- アニオン性、非イオン性、両性及び/又はカチオン性界面活性剤
- セッケン(動物及び植物油脂の鹸化によって調製された)
- 有機酸(塩酸、リン酸、又は硫酸のような)、
- 塩基性製品のための、無機塩基(NaOH又はKOH)又は有機塩基;
- 表面の清浄改善のための研磨剤、
- 表面の維持及び保護のためのワックス及び/又はシリコーン、
- ポリリン酸塩、
- 次亜塩素酸塩又はハロゲンを取り除く物質;
- TAEDのような漂白活性化剤を含む過酸化物、例えば、過ホウ酸ナトリウム又はH2O2;
- 酵素;
- 洗浄剤における、変色防止剤、防汚化合物、グレースケール防止剤、発泡防止剤、蛍光増白剤;
- ワックスを基剤とする清浄剤は、ベンジン、テレビン及び/又はパラフィンから選択される溶媒並びにワックスを基剤とする乳化剤を含み得る;
- ケイ酸塩、ポリリン酸塩、粉末状清浄剤用ゼオライトのような充填剤;
- 顔料、レーキ又は可溶性染料
- 香料;及び
- 光安定化剤、抗酸化剤及びキレート剤。
【0162】
着色清浄剤及び装飾用化粧品は、以下の染料を含み得る:
- 無機顔料、例えば、酸化鉄(赤酸化鉄(Iron Oxide Red)、黄酸化鉄(Iron Oxide Yell
ow)、黒酸化鉄(Iron Oxide Black)など)、ウルトラマリン、緑酸化クロム又はカーボンブラック;
- 天然又は合成有機顔料;
- HCタイプ、例えば、HCレッド(Red)NO.3、HCブルー(Blue)NO.2のヘア用直接染料並びに国際化粧品材料辞典及びハンドブック、第7版1997年に列挙される全ての他のヘア染料のような、溶媒中に溶解させ得る分散染料、或いはカラーインデックスインターナショナル(Color Index International)又はソサイアティオブダイヤーアンドカラリスト(Society of Dyers and Colourists)に列挙される分散染料;
- カラーワニス(多くのアニオン性染料のCa-、Ba-又はAl-塩のような、可溶性染料の不溶性塩);
- 可溶性アニオン性又はカチオン性染料(酸性染料(アニオン性)、塩基性染料(カチオン性)、直接染料、反応性染料又は溶媒染料のような)。
【0163】
一般に、家庭用品及びボディケア製品の着色に対し、電磁放射線の可視光(波長約4000〜700nm)に吸収を有する全ての物質が適する。吸収はしばしば、以下の発色団によって引き起こされる:アゾ-(モノ-、ジ、トリス-、又はポリ-)スチルベン-、カロテノイド-、ジアリールメタン-、トリアリールメタン-、キサンテン-、アクリジン-、キノリン-、メチン-(またポリメチン-)、チアゾール-、インダミン-、インドフェノール-、アジン-、オキサジン-、チアジン-、アントラキノン-、インジゴイド-、フタロシアニン-及び更なる合成、天然及び/又は無機発色団。
【0164】
本発明はまた、排水管用清浄剤、消毒溶液、室内装飾材料用清浄剤、自動車用ケア製品(例えば、塗装、タイヤ、クロム、ビニール、皮革、織物、ゴム、プラスチック及び織物を清浄し並びに/又は研磨及び保護するために)、脱脂剤、研磨剤(ガラス、木材、皮革、プラスチック、大理石、花コウ岩、及びタイルなど)、金属研磨剤及び清浄剤などの家庭用ケア製品及び繊維ケア製品に関する。抗酸化剤は、上記製品並びにドライヤーシート中の香料を保護するために適する。本発明はまた、キャンドル、ジェル状キャンドル、エアフレッシュナー及び香料オイル(家庭用)などの家庭用ケア製品に関する。
【0165】
家庭用清浄剤及び処理剤の典型例は、以下の表に記載される:
【表6】
【0166】
本発明による式(1)の化合物は、例えば、必要であれば高温で、油相又はアルコール若しくは水相中での溶解によって取り込まれる。
【0167】
本ボディケア製品及び家庭用品は、これらの製品中に存在する成分の色変化及び化学的分解に対して高い安定性を有する。例えば、染料を含む本組成物は、優れた色安定性を有することが見いだされる。
【実施例】
【0168】
A.調製実施例
(実施例A1)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-2)の合成
【化17】
【0169】
1,2-ジヒドロキシベンゼン1.12gを、酢酸ナトリウムバッファー100ml(0.025mM、pH 4.65)及びエタノール30mlに溶解する。
没食子酸1.74gを、引き続き酵素原液1mLを加える。
酢酸ナトリウムバッファー10ml(0.025mM、pH 4.65)に凍結乾燥した酵素10mg(Trametes versicolor由来のラッカーゼ、Fluka)を溶解することにより、酵素原液を調製する。
TLCにて没食子酸が無くなることにより反応の終了が示されるまで、反応混合物を数時間激しく撹拌する。
反応混合物を濾別し、残渣を水で洗浄し、60℃で真空乾固する。
化合物(B-2)に相当する固体0.21gを得る。
UV-Vis(MeOH):λmax=400nm(ε=11413)、λmax=276nm、ε=23972。
【0170】
(実施例A2)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-3)の合成
【化18】
【0171】
1,2-ジヒドロキシベンゼン1.12g及び没食子酸メチルエステル1.88gを、酢酸ナトリウムバッファー80ml(0.025mM、pH 4.65)及びエタノール20mlに溶解する。
酵素原液1mLを加えた後、反応混合物を数時間激しく撹拌する。
酢酸ナトリウムバッファー10ml(0.025mM、pH 4.65)に凍結乾燥した酵素10mg(Trametes versicolor由来のラッカーゼ、Fluka)を溶解することにより、酵素原液を調製する。
TLCにて没食子酸メチルエステルが無くなることにより反応の終了が示されるまで、反応混合物を数時間激しく撹拌する。
反応混合物を濾別し、残渣を水で洗浄し、60℃で真空乾固する。
化合物(B-3)に相当する固体0.15gを得る。
UV-Vis(MeOH): λmax=395nm(ε=13523)、λmax=277nm、ε=26379。
【0172】
(実施例A3)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-4)の合成
【化19】
【0173】
3-メトキシカテコール1.43g及び没食子酸1.74gを、酢酸ナトリウムバッファー100ml(0.025mM、pH 4.65)及びエタノール30mlに溶解する。
引き続き酵素原液1mLを反応混合物に加える。
酢酸ナトリウムバッファー10ml(0.025mM、pH 4.65)に凍結乾燥した酵素10mg(Trametes versicolor由来のラッカーゼ、Fluka)を溶解することにより、酵素原液を調製する。
TLCにて没食子酸が無くなることにより反応の終了が示されるまで、反応混合物を数時間激しく撹拌する。
反応混合物を濾別し、残渣を水で洗浄し、30℃で真空乾固する。
化合物(B-4)に相当する固体0.49gを得る。
UV-Vis(MeOH): λmax=396nm(ε=8489)、λmax=307nm、ε=24015。
【0174】
(実施例A4)
ラッカーゼ触媒による化合物B-5の合成
【化20】
【0175】
3-メトキシカテコール43g及び没食子酸メチルエステル1.88gを、酢酸ナトリウムバッファー80ml(0.025mM、pH 4.65)及びエタノール20mlに溶解する。
引き続き酵素原液1mLを反応混合物に加える。
酢酸ナトリウムバッファー10ml(0.025mM、pH 4.65)に凍結乾燥した酵素10mg(Trametes versicolor由来のラッカーゼ、Fluka)を溶解することにより、酵素原液を調製する。
TLCにて没食子酸メチルエステルが無くなることにより反応の終了が示されるまで、反応混合物を数時間激しく撹拌する。
反応混合物を濾別し、残渣を水20mlで洗浄し、45℃で真空乾固する。
化合物(B-5)に相当するベージュ色固体0.52gを得る。
UV-Vis(MeOH): λmax=403nm(ε=11667)、λmax=308nm(ε=29426)。
【0176】
(実施例A5)
ラッカーゼ触媒による化合物B-6の合成
【化21】
【0177】
3-メチルカテコール1.24g及び没食子酸メチルエステル1.84g(両方ともにFLUKAから市販されている)を、リン酸バッファー80ml(pH=5、0.05M)とエタノール20mlとの混合物に溶解し、開放ビーカー中室温にて24時間ラッカーゼ溶液2ml(T.versicolor、46U)で処理する。
【0178】
得られた固体を濾別し、水で洗浄し、乾燥させる。
化合物(B-6)0.64gを得る。
1H-NMR (DMSOD6, 300 MHz): 10.00 (広幅, 1 H); 9.60 (広幅, 1 H); 8.22 (d, 1 H); 7.55 (d, 1 H); 7.51 (s, 1 H); 2.33 (s, 3 H).
13C-NMR (DMSOD6, 75 MHz): 17.1; 53.7; 115.6; 1213.2; 128.6; 130.0; 133.1; 139.2; 147.7; 150.8; 153.8; 167.2; 184.8.
UV-Vis(MeOH): λmax=396nm(ε=12328)、λmax=280nm(ε=27527)。
【0179】
(実施例A6)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-7)の合成
【化22】
【0180】
オルト酢酸トリエチル92.5gを、キシレン375ml中のピロガロール72.5g(両方ともにFLUKAから市販されている)に加え、約120℃で加熱する。
生成したエタノールを5時間かけて留去させる(理論上約66.5mL)。
赤褐色だが透明の溶液が生成する。
冷却した後、溶液を水(3回)で洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させる。
キシレンを除去した後、残渣が残り、これを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶する。
生成物85.7g(77%)を得る。
あるいは、シリカゲルのカラム(溶離液ヘキサン-酢酸エチル/1-1)上で粗生成物を精製して、化合物(B-7-2)85gを白色粉体として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.71 (dd, 1 H); 6.48 (dd, 1 H); 6.45 (dd, 1 H); 3.61 (q, 2 H);1.82 (s, 3 H); 1.21 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 15.2; 24.9; 58.6; 101.3; 110.5; 121.7; 128.5; 133.64; 138.6; 147.8。
【化23】
【0181】
過アセチル化したα-D-グルコシルブロミド50.0g(グルコースペンタ-アセテート及び48%HBr溶液からこれ自体調製される)及び保護化したピロガロール(B-7-2)12.0gを、室温でクロロホルム100ml及び水1.7mlに溶解する。
炭酸カリウム42.0g及びベンジルトリブチルアンモニウムクロリド3.8gを加える。
混合物を2日間撹拌する。
固体を濾別し、有機相を0.1N塩化水素、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインで順次抽出する。
硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させるとシロップ状物が得られ、これをジエチルエーテルから結晶化する:
固体のグルコシド(B-7-3)28.5gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.74 (t, 1 H); 6.63 (d, 1 H); 6.58 (d, 1 H); 5.14 - 5.34 (m, 4 H); 4.30 (dd, 1 H); 4.12 (dt, 1 H); 3.58 (q, 2 H); 2.03 - 2.07 (4 x s, 4 x 3 Hずつ); 1.80 (s, 3 H); 1.20 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 15.2; 21.0 (4 x C); 24.9; 58.4; 62.1; 68.5; 71.5; 72.4; 73.0; 100.4; 103.9; 113.1; 121.6; 128.5; 136.0; 139.3; 148.4; 169.4; 170.4; 170.6。
【化24】
【0182】
化合物(B-7-3)20.0g及びパラ-トルエンスルホン酸25mgを、水0.5mlを含むクロロホルム100mlに溶解し、全ての出発物質が消費されるまで室温で4時間撹拌する。
次いで混合物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。
得られた残渣をシリカゲルのカラム(溶離液:酢酸エチル)に通して酸を除去し、化合物(B-7-4)14.4gを白色泡沫状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.71 (d, 2 H); 6.50 (dd, 1 H); 6.17 (広幅, OH); 5.61 (広幅, OH); 5.27 (五重線, 2 H); 5.14 (t, 1 H); 4.93 (d, 1 H); 4.27 (dd, 1 H); 4.18 (dd, 1 H); 3.85 (ddd, 1 H); 2.10 (s, 3 H); 2.08 (s, 3 H); 2.04 (s, 3 H); 2.03 (s, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 20.8; 20.9; 21.0; 21.1; 62.0; 86.4; 71.6; 72.5; 72.6; 102.0; 109.9; 112.0; 120.2; 135.1, 144.7; 145.6; 169.5; 170.1; 170.2; 170.7。
【化25】
【0183】
化合物B-9-3にて記載した通りに、ナトリウムメタノレートを用いて化合物(B-7-4)を収率85%で脱保護化する。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 6.61 (d, 1 H); 6.52 (t, 1 H); 6.44 (d, 1 H); 4.65 (d, 1 H); 3.77 (d, 1 H); 3.63 (dd, 1 H); 3.27 - 3.44 (m, 4 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 61.3; 70.2; 73.8; 76.5; 77.1; 103.2; 109.1; 110.8; 119.0; 135.4; 145.9; 146.3。
【化26】
【0184】
化合物(B-7-5)0.60gを室温でリン酸バッファー20ml(0.05M、pH=5)に溶解する。
【0185】
激しく撹拌しながら、エタノール2mlに溶解した没食子酸メチルエステル0.38gを加え、引き続きラッカーゼ溶液2ml(T.versicolor 1mg/1ml バッファー(26U/mg))を加える。
この混合物を終夜撹拌し、濾別し、濾液を水で洗浄する。
僅かにオレンジがかった粉体0.37g(40%)を得る:
1H-NMR (DMSOD6, 300 MHz): 8.27 (d, 1 H); 7.52 (d, 1 H); 7.51 (s, 1 H); 5.23 (d, 1 H); 5.06 (広幅 2 H); 4.56 (広幅 1 H); 3.86 (s, 3 H); 3.70 (d, 1 H); 3.20 - 3.40 (m, 5 H).
13C-NMR (DMSOD6, 75 MHz): 53.7; 61.4; 70.5; 74.0; 77.0; 100.7; 113.6; 114.9; 117.2; 124.1; 130.0; 138.7; 138.9; 150.2; 152.8; 154.2; 167.2; 184.1.
UV-Vis(MeOH): λmax=399nm(ε=10816)、λmax=287nm(ε=26118)。
【0186】
(実施例A7)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-9)の合成
【化27】
【0187】
実施例B-7-3におけるα-グルコシルブロミドにて記載した通りに得られた、化合物(B-7-2)1.4g及び過アセチル化したα-ラクトシルブロミド9.29gを、室温で水0.2mlを含むクロロホルム15mlに溶解する。
ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(Fluka)0.45g及び微粉末の炭酸カリウム(技術グレード)4.90gをこの混合物に順次加える。
全ての出発物質が消費されるまで、混合物を30時間激しく撹拌する。
次いで混合物をセライトで濾過して微粉末を除去し、蒸発させる。
次いで得られた残渣をシリカゲルの短カラム(溶離液ヘキサン-酢酸エチル/6-1から1-1)で精製する。
化合物(B-9-1)4.64gを無色のシロップ状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.73 (t, 1 H); 6.58 (t, 2 H), 5.36 (dd, 1 H), 5.27 (m, 1 H), 5.08 - 5.16 (m, 2 H), 4.97 (dd, 1 H), 4.52 (dd, 1 H), 4.48 (ddd, 1 H), 4.06 - 4.18 (m, 4 H), 3.86 - 3.95 (m, 2 H), 3.72 (m, 1 H), 3.52 - 3.62 (m, 2 H), 2.04 - 2.16 (7 x s, 各3 H), 1.80 (s, 3 H), 1.26 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.6; 15.2; 20.8; 20.97 (2x C); 21.1; 21.2; 21.4; 24.9; 58.4; 60.7; 61.1; 61.5; 62.1; 66.9; 69.4; 71.0; 71.2; 71.8; 73.0; 73.2; 76.3; 100.2; 101.3; 103.8; 112.8; 121.5; 128.5; 135.9; 139.4; 148.3; 169.1; 169.7; 169.8; 170.1; 170.2; 170.3, 170.4。
【化28】
【0188】
化合物(B-9-1)4.32gを、水0.2mlを含むクロロホルム20ml及びトルエンスルホン酸55mgに溶解する。
全ての出発物質が消費されるまで、混合物を室温で1時間撹拌する。
溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルパッド(溶離液ヘキサン-酢酸エチル/1-1)で濾過して、化合物(B-9-2)3.36gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.73 (dd, 2 H); 6.51 (dd, 2 H), 6.19 (広幅 OH); 5.45 (広幅 OH); 5.27 (dd, 1 H), 5.17 (d, 1 H), 5.14 (dd, 1 H); 5.10 (d, 1 H), 4.97 (dd, 1 H), 4.88 (d, 1 H); 4.52 (dd, 1 H), 4.08 - 4.19 (m, 3 H), 3.86 - 3.95 (m, 2 H), 3.72 (ddd, 1 H), 1.98 - 2.16 (7 x s, 各3 H)。
【化29】
【0189】
アルゴン雰囲気中、室温で化合物(B-9-2)3.08gを、ナトリウムメタノレート0.27gを含むメタノール20mlとジクロロメタン7mlとの混合物に溶解する。
混合物を2.5時間撹拌し、混床式イオン交換樹脂(Amberlite MB-30)4.0gで処理する。
濾過し、蒸発させて、化合物(B-9-3)1.84gを灰色粉体として得る。
1H-NMR (CD3OD,300 MHz): 6.56 (dd, 1 H), 6.45 (dd, 1 H), 6.30 (t, 1 H), 4.73 (d, 1 H); 4.38 (d, 1 H); 3.90 (t, 1 H); 3.46 - 3.82 (m, 11 H)。
【化30】
【0190】
化合物(B-9-2)0.10g、没食子酸0.025g及びラッカーゼ2mg(T.versicolor、Fluka、26U/mg)を、室温でリン酸バッファー10ml(pH=4.8、0.1M)及びアセトン2mlに溶解し、全ての出発物質が消費されるまで、開放ビーカー中激しく撹拌する。茶色がかった固体(B-9)90mgを得る。
1H-NMR (OC(CD3)2,300 MHz): 8.45 (d, 1 H); 7.84 (d, 1 H); 7.58 (s, 1 H); 5.82 (d, 1 H); 5.47 (dd, 1 H); 5.43 (d, 1 H); 5.40 (dd, 1 H); 5.21 (dd, 1 H); 5.07 (t, 1 H); 4.92 (dd, 1 H); 4.10 - 4.42 (m, 6 H); 2.06 (s, 3 H); 2.02 (s, 3 H); 2.01 (s, 3 H); 2.00 (s, 3 H); 1.99 (s 3 H); 1.98 (s, 3 H); 1.97 (s, 3 H)。
【0191】
(実施例A8)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-13)の合成
【化31】
【0192】
米国特許第4,675,392号(1987年)に従って得られた保護化した糖(B-7-0)23.8g、及び化合物(B-7-2)10.9gをアセトン500mlに溶解し、炭酸カリウム35.0g及びヨウ化ナトリウム230mgで処理する。
全ての出発物質が消費されるまで、この混合物を50℃で終夜激しく撹拌する。
冷却した後、固体を濾別し、溶媒を蒸発させる。
残渣をシリカゲルパッド(溶離液ヘキサン-酢酸エチル/10-4)で精製する。
化合物(B-13-1)28.2gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.72 (dd, 1 H); 6.49 (d, 1 H), 6.41 (d, 1 H); 5.16 (dd, 1 H); 5.06 (t 1 H); 4.97 (dd, 1 H); 4.52 (dd, 1 H); 4.25 (dd, 1 H); 4.08 - 4.14 (m, 3 H); 4.02 (dt, 1 H); 3.64 - 3.77 (m, 2 H); 3.59 (q, 2 H); 1.91 - 2.07 (4 x s, 各3 H及び2 H); 1.80 (s; 3 H); 1.20 (t, 3 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 15.2, 20.8; 20.9; 21.1; 24.9; 25.0; 29.9; 58.3; 62.2; 66.1; 66.8; 68.7; 71.6; 72.1; 73.1; 101.2; 101.8; 108.6; 121.6; 128.2; 134.9; 142.3; 147.9; 169.3; 169.5; 170.3; 170.7。
【化32】
【0193】
化合物(B-13-1)28.0g及びパラ-トルエンスルホン酸35mgを、水0.9mlを含むクロロホルム150mlに溶解し、室温で2時間撹拌する。
次いで混合物を硫酸ナトリウムで濾過し、蒸発させ、残渣をシリカゲルの短カラム(溶離液ヘキサン-酢酸エチル/10-5)に通して酸を除去する。
溶媒を蒸発させて、化合物(B-13-2)20.8gを白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.70 (t, 1 H); 6.57 (dd, 1 H); 6.43 (dd, 1 H); 5.84 (OH); 5.52 (OH); 5.20 (t, 1 H); 5.02 (t, 1 H); 5.00 (dd, 1 H); 4.23 (DDD, 1 H); 3.99 - 4.15 (m, 4 H); 3.72 (m, 2 H); 1.95 - 2.05 (4 x s, 各3 H及び2 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 20.9; 21.0 (2 x C); 21.1; 29.6; 62.2; 66.1; 66.3; 68.7; 71.5; 72.2; 73.1; 100.9; 104.9; 109.2; 119.9; 133.2; 144.7; 146.4; 169.5; 169.7; 170.3; 170.9。
【化33】
【0194】
化合物(B-13-2)3.0gを、2.1当量のナトリウムメタノレートを含むメタノール25mlに溶解する。
混合物を氷浴中で10分間撹拌し、次いで更なるメタノール20mlを含むAmberlite IRC 50を用いて中和させる。
僅かに茶褐色がかった溶液を濾別し、蒸発させ、水から凍結乾燥させて、僅かにフワフワした化合物(B-13-3)1.8gを得る。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 6.60 (t, 1 H); 6.46 (d, 1 H); 6.41 (d, 1 H); 4.32 (d, 1 H); 4.15 - 4.23 (m, 2 H); 3.60 - 3.85 (m, 4 H); 3.18 - 3.38 (m, 4 H); 2.13 (t, 2 H).
13C-NMR (CD3 OD , 75 MHz): 29.7; 61.7; 66.3; 66.7, 70.5; 74.0; 76.7; 77.0; 103.2; 105.1; 108.9; 118.9; 134.4; 145.5; 147.7。
【化34】
【0195】
化合物(B-13-1)1.20g及び市販されている没食子酸メチルエステル0.70gを、室温でエタノール6mlを含むリン酸バッファー60ml(50mmol、pH=5)に溶解する。
ラッカーゼ原液4ml(10mg/10ml(23U/mg))溶液を加えることにより反応を開始する。
開放ビーカー中で終夜インキュベートした後、更にラッカーゼ46Uを加え、インキュベーションを続ける。
更に24時間後、反応混合物を遠心分離機にかけ、透明な上澄み液を凍結乾燥させる。
得られた茶褐色粉体をメタノール60ml中で撹拌し、再度遠心分離機にかける。この手順を2度繰り返し、次いでメタノールを蒸発させ、残渣をシリカゲルパッド(溶離液ジクロロメタン-メタノール-水/10-4-0.4)で精製する。ベンゾトロポロン化合物(B-13)0.44gを得る。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 8.24 (s 1H); 7.64 (s, 1 H); 7.18 (s, + H); 4.32 (d, 1 H); 4.09 - 4.17 (m, 2 H); 3.96 (s, 1 H); 3.81 - 3.89 (m, 3 H); 3.68 (dd, 1 H); 3.17 - 3.33 (m, 4 H); 2.22 (t, 2 H).
13C-NMR (CD3 OD , 75 MHz): 29.5; 52.4; 61.7; 66.3 (2 x C); 70.6; 74.0; 76.9; 77.0; 103.3; 110.3; 113.6; 116.2; 124.1; 130.2; 137.8; 138.3; 150.8; 151.8; 153.9; 167.5; 183.0.
UV-Vis (MeOH): λmax = 404 nm (ε = 10478), λmax = 306 nm (ε = 28087). 水溶性: 10.467%。
【0196】
(実施例A9)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-16)の合成
【化35】
【0197】
過アセチル化したα-D-ガラクトシルブロミド5.0g(FLUKAから市販されている)及び保護化されたピロガロール(B-7-2)1.3gを、室温でクロロホルム15ml及び水0.2mlに溶解する。
【0198】
炭酸カリウム4.5g及びベンジルトリブチルアンモニウムクロリド0.4gを加える。
出発物質が完全に消費されるまで、混合物を室温で激しく撹拌する(約19時間)。
固体をセライトで濾別し、有機相を蒸留させて茶褐色のシロップ状物を得、これをシリカゲルカラム(溶離液 酢酸エチル-ヘキサン/1-1)で精製する。
化合物(B-16-1)2.48gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.68 (t, 1 H); 6.58 (dd, 1 H); 6.52 (dd, 1 H); 5.38 (dd; 1 H); 5.36 (dd, 1 H); 5.00 - 5.01 (m, 2 H); 4.05 - 4.17 (m, 2 H); 3.93 (dt, 1 H); 3.51 (q, 2 H); 1.95 - 2.11 (4 x s, 4 x 各3H); 1.74 (s, 3 H); 1.14 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 15.2; 20.9; (2 x C); 21.0 (2 x C); 25.0; 58.4; 61.4; 67.1; 69.0; 71.1; 71.3; 101.2; 104.0; 113.1; 121.5; 128.5; 136.1; 139.5; 148.3; 169.5; 170.2; 170.3: 170.4。
【化36】
【0199】
化合物(B-16-1)2.5g及びパラ-トルエンスルホン酸(FLUKA)45mgを、水0.15mlを含むクロロホルム10mlに溶解し、全ての出発物質が消費されるまで室温で6時間撹拌する。
混合物を固体の炭酸水素ナトリウム0.02gで中和し、次いでセライト及び硫酸ナトリウムのパッドで濾過し、蒸発させる。
化合物(B-16-2)2.1gを白色泡沫状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.73 (d; 1 H); 6.72 (s, 1 H); 6.63 (dd, 1 H); 6.13 (広幅, OH); 5.46 (q, 2 H); 5.04 (dd, 1 H); 5.03 (d, 1 H); 4.02 - 4.27 (m, 3 H); 2.20 (s, 3 H); 2.14 (s, 3 H); 2.06 (s, 3 H); 2.02 (s, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 20.9; 21.0 (2 x C); 21.2; 61.6; 67.6; 69.3; 70.7; 71.7; 102.5; 109.5; 111.8; 120.2; 134.9, 144.7; 145.4; 170.1; 170.2; 170.4 (2 x C)。
【化37】
【0200】
化合物(B-9-3)にて記載した通りに、ナトリウムメタノレートを用いて化合物(B-16-2)(2.0g)を脱保護化する。
充分脱保護化された糖(B-16-3)1.3gを得る。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 6.68 (dd, 1 H); 6.50 - 6.54 (m, 2 H); 4.68 (d, 1 H); 3.75 - 3.90 (m, 4 H); 3.53 - 3.65 (m, 2 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 61.30; 69.12; 71.35; 73.57; 76.00; 104.51; 109.21; 110.59; 118.32; 124.32; 145.17; 148.05。
【化38】
【0201】
化合物(B-16-3)0.10gを室温でリン酸バッファー4ml(0.05M、pH=5)に溶解する。
激しく撹拌しながら、没食子酸メチルエステル0.80g及びラッカーゼ1mg(T.versicolor:26U/mg)を加える。
この混合物を開放ビーカー中で終夜撹拌し、濾別し、濾液を水で洗浄する。
化学式(B-16)のベンゾトロポロン化合物に相当する僅かにオレンジ色の粉体0.07gを得る。
1H-NMR (DMSOD6, 300 MHz): 8.26 (d, 1 H); 7.56 (d, 1 H); 7.51 (s, 1 H); 5.16 (d, 1 H); 3.88 (s, 3 H); 3.40 - 3.70 (m, 6 H)。
【0202】
(実施例A10)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-15)、(B-29)の合成
【化39】
【0203】
出発フェノール(B-7-2)(23.4g)及び市販されている(6-ブロモ)エチルヘキサノエート(28.0g)を室温でジメチルホルムアミド200mlに溶解する。
混合物を炭酸カリウム82.6gで処理し、24時間激しく撹拌する。
反応を完結させるため、スラリー液を60℃に2時間加熱する。
冷却した後、混合物を濾過し、残渣を酢酸エチルで洗浄する。
洗液及び濾液を合わせ、1N塩化水素、水及びブラインで順次抽出する。
通常の後処理により残渣を得、これを短シリカパッド(溶離液:酢酸エチル-ヘキサン/2-8)で精製する。
化合物(B-15-1)37.2gを無色油状物として得る。
【0204】
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.69 (dd, 1 H); 6.46 (ddd, 2 H); 4.08 (q, 2 H); 4.07 (t, 2 H); 3.57 (dq, 1 H); 2.30 (t, 2 H); 1.78 (m, 5 H); 1.68 (m, 2 H); 1.50 (m, 2 H); 1.24 (t, 3 H); 1.70 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.60; 15.19; 24.93; 25.04; 25.84; 29.41; 34.54; 58.26; 60.46; 69.54; 101.58; 108.76; 121.45; 128.11; 135.00; 142.36; 147.96; 173.58。
【化40】
【0205】
化合物(B-15-1)37.0g及びパラ-トルエンスルホン酸(FLUKA)100mgを、水1.0mlを含むクロロホルム200mlに溶解し、全ての出発物質が消費されるまで室温で撹拌する。
混合物を固体の炭酸水素ナトリウムで中和し、次いでセライト及び硫酸ナトリウムのパッドで濾過し、蒸発させる。
化合物(B-15-2)19.3gを無色油状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.67 (t, 1 H); 6.55 (dd, 1 H); 6.40 (dd, 1 H); 5.91 (広幅, 2 H); 4.12 (q, 2 H); 3.97 (t, 2 H); 2.31 (t, 2 H); 1.77 (m, 2 H); 1.67 (m, 2 H); 1.46 (m, 2 H); 1.22 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.58; 24.92; 25.84; 29.10; 34.46; 60.77; 69.09; 104.52; 109.02; 119.84; 133.14; 144.59; 146.78; 174.10。
【化41】
【0206】
化合物(B-15-2)2.80gを、室温でリン酸バッファー40ml(0.05M、pH=5)及びアセトン8.00mlに溶解する。
激しく撹拌しながら、没食子酸メチルエステル2.10g及び西洋ワサビペルオキシダーゼ10mg(FLUKA:約200U/mg)を加える。
次いで3%過酸化水素溶液5mlをこの混合物に30分以内に滴下する。
4時間後アセトン16mlを加え、混合物を18時間撹拌し、次いで更に過酸化水素溶液5mlを加え、混合物を12時間撹拌する。
次いで混合物を遠心分離機にかけ、ペレットを水に繰り返し溶解し、遠心分離機にかける。
最後に、ペレットを水/アセトン(容量/容量:1-1)から遠心分離機にかけ、次いで乾燥する。
化合物(B-29)1.56gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 8.33 (d, 2 H); 7.89 (d, 1 H); 7.02 (s, 1 H); 6.33 (広幅, 1 H); 4.25 (t, 2 H); 4.15 (t, 2 H); 3.97 (s, 3 H); 2.37 (t, 2 H); 1.97 (m, 2 H); 1.75 (m, 2 H); 1.59 (m, 2 H); 1.26 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.63; 24.94; 25.83; 29.01; 34.48; 53.41; 60.69; 69.34; 110.26; 114.71; 125.04; 131.26; 137.17; 138.96; 150.98; 153.47; 167.06; 173.74; 182.39。
【化42】
【0207】
化合物(B-29)1.0gを、室温で水1.00ml及びリパーゼNOVO435(Novozymes)0.5gを含むトルエン100mlに溶解する。
エチルエステルの開裂が完結するまで、反応物を50℃で撹拌する。
次いで混合物を濾別し、アセトンで洗浄し、蒸発させて、酸(B-15)0.88gを得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 8.26 (d, 2 H); 7.52 (d, 1 H); 7.36 (s, 1 H); 4.19 (t, 2 H); 3.83 (s, 3 H); 2.24 (t, 2 H); 1.80 (m, 2 H); 1.59 (m, 2 H); 1.47 (m, 2 H); 1.26 (t, 3 H).
13C-NMR (DMSO6, 75 MHz): 25.12; 25.88; 29.17; 34.51; 53.67; 69.26; 111.37; 114.61; 116.67; 123.95; 130.38; 138.52; 138.71; 152.08; 154.14; 167.16; 174.98; 183.47。
【0208】
(実施例A11)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-36)の合成
【化43】
【0209】
化合物(B-15-2)3.75g及び没食子酸(FLUKA)2.80gを、室温でアセトン18mlとリン酸-クエン酸バッファー(pH=5、0.05M)との混合物に溶解する。
激しく撹拌しながら、市販されている(FLUKA)西洋ワサビペルオキシダーゼ7mg(約200U/mg)を加える。
この混合物を3%過酸化水素溶液9mlで1時間以上処理する。
6時間後、混合物を濾別し、残渣を最少量のジクロロメタンで抽出して、酸(B-36)1.67を得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 13.20 (OH); 9.60 (OH); 9.53 (OH); 8.30 (d, 1 H); 7.60 (d, 1 H); 7.42 (s, 1 H); 4.20 (t, 2 H); 4.02 (q, 2 H); 2.29 (t, 3 H), 1.79 (五重線 2 H); 1.60 (m, 2 H); 1.45 (m, 2 H); 1.44 (t, 3 H).
13C-NMR (DMSO6, 75 MHz): 14.97 25.04; 25.77; 29.07; 34.32; 60.43; 69.27; 111.17; 115.28; 116.79; 125.08; 130.72; 138.25; 138.74; 152.04; 152.09; 154.06; 168.27; 173.37; 183.51。
【0210】
(実施例A12)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-31)の合成
【化44】
【0211】
市販されている(FLUKA)メチルカテコール2.0g及び没食子酸5.4gを、室温でリン酸バッファー100ml(0.05M、pH=5)及びアセトン20mlに溶解する。
市販されている(FLUKA)西洋ワサビペルオキシダーゼ7.0mg(約200U/mg)を加え、引き続き混合物を過酸化水素溶液(3%)10mlで1時間処理する。
更に2時間室温で撹拌した後、得られた沈殿物を濾別し、水で充分に洗浄し、乾燥させて、化合物(B-31)0.69gを得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 8.24 (d, 1 H); 7.63 (d, 1 H); 7.51 (s, 1 H); 2.35 (s, 3 H).
13C-NMR (DMSO6, 75 MHz): 17.15; 116.27; 119.26; 124.27; 128.85; 129.70; 133.12; 139.16; 147.38; 150.75; 153.66; 168.18; 186.52。
【0212】
(実施例A13)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-34)の合成
【化45】
【0213】
市販されている(FLUKA)メチルカテコール2.0g及び没食子酸オクチルエステル(FLUKA)3.0gを、室温でリン酸バッファー35ml(0.05M、pH=5)及びアセトン30mlに溶解する。
市販されている(FLUKA)T.versicolor由来のラッカーゼ5.0mgを加え、混合物を室温で24時間撹拌する。
得られた沈殿物を濾別し、水で充分に洗浄し、乾燥させて、化合物(B-34)2.10gを得る。
【0214】
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 8.30 (d, 1 H); 8.17 (OH); 7.90 (d, 1 H); 7.31 (s, 1 H); 6.61 (OH); 4.45 (t, 2 H); 2.46 (s, 3 H), 1.80 (五重線 2 H); 1.30 - 1.50 (m, 10 H); 0.89 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.46; 16.55; 23.02; 26.40; 29.05; 29.55; 29.62; 32.16; 66.69; 115.98; 118.36; 124.43; 129.55; 129.59; 132.21; 139.88; 146.25; 149.39; 152.79; 168.68; 183.42.
UV-Vis(MeOH): λmax=282nm(ε=27979)、λmax=398nm(ε=12446)。
【0215】
(実施例A14)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-33)の合成
【化46】
【0216】
化合物(B-7-1)30.0g、市販されている(FLUKA)1-ブロモ-ドデカン37.5ml、炭酸カリウム105g及びヨウ化ナトリウム22.9gを、アセトン300ml中で2時間還流させる。
濾過し、溶媒を除去して残渣を得、これを短シリカパッド(溶離液:酢酸エチル-ヘキサン/1-10)で精製する。
化合物(B-33-1)33.1gを無色油状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.74 (t, 1 H); 6.49 (t, 2 H); 4.08 (t, 2 H); 3.63 (dq, 2 H); 1.82 (s, 3 H); 1.77 (五重線 2 H); 1.28 - 1.50 (m, 10 H); 1.20 (t, 3 H); 0.89 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.48; 15.23; 24.99; 26.28; 29.71; 29.75 (2 x C); 29.94; 29.96; 30.00; 30.02; 32.23; 58.30; 69.95; 101.51; 108.72; 121.43; 128.14; 135.05; 142.53; 147.96。
【化47】
【0217】
化合物(B-33-1)24.3g及びパラ-トルエンスルホン酸(FLUKA)115mgを、水0.95mlを含むクロロホルム150mlに溶解し、全ての出発物質が消費されるまで室温で撹拌する。
次いで混合物をブライン及び水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。
化合物(B-33-2)19.3gを無色油状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.74 (t, 1 H); 6.60 (dd, 1 H); 6.46 (dd, 1 H); 5.45 (広幅, 2 H); 4.03 (t, 2 H); 1.81 (五重線 2 H); 1.27 - 1.49 (m, 18 H); 0.90 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.45; 23.07; 26.38; 29.66; 29.71; 29.76; 29.94; 29.97; 30.00; 30.03; 32.29; 69.51; 104.33; 108.90; 119.95; 132.88; 144.26; 146.61。
【化48】
【0218】
化合物(B-33-2)0.80g及び没食子酸オクチルエステル(FLUKA)1.15gをアセトン30mlに溶解し、次いでリン酸バッファー9ml(0.05M、pH=5)を加える。
市販されている(FLUKA)T.versicolor由来のラッカーゼ10.0mgを加え、混合物を室温で48時間撹拌する。
得られた沈殿物を遠心分離機にかけ、水-アセトン(容量/容量1-1)で充分に洗浄し、ジオキサン/水から凍結乾燥させて、化合物(B-33)0.42gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 8.34 (OH); 8.33 (d, 1 H); 7.89 (d, 1 H); 7.02 (s, 1 H); 6.28 (OH); 4.36 (t, 2 H); 4.24 (t, 2 H); 1.94 (五重線 2 H); 1.81 (五重線 2 H); 1.15 - 1.56 (m, 28 H); 0.89 (t, 6 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.49 (2 x C); 23.02; 23.06; 26.29; 26.38; 29.06; 29.39; 29.55; 29.62; 29.71 (2 x C); 29.95 (2 x C); 29.99 (2 x C); 32.15; 32.28; 66.78; 69.79; 110.28; 114.79; 116.20; 125.48; 131.44; 137.08; 138.99; 150.90; 151.12; 153.49; 166.66; 182.41。
【0219】
(実施例A15)
ラッカーゼ触媒による化合物B-35の合成
【化49】
【0220】
化合物(B-33-2)0.50g及び没食子酸メチルエステル(FLUKA)0.63gをアセトン20mlに溶解する。
リン酸バッファー12ml(0.05M、pH=5)を加える。
市販されている(FLUKA)T.versicolor由来のラッカーゼ5.0mgを加え、混合物を室温で24時間撹拌する。
得られた沈殿物を遠心分離機にかけ、水で充分に洗浄し、ジオキサン/水から凍結乾燥させて、化合物(B-35)0.62gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 8.34 (d, 1 H); 8.33 (OH); 7.89 (d, 1 H); 7.04 (s, 1 H); 6.27 (OH); 4.25 (t, 2 H); 3.97 (s, 3 H); 1.94 (五重線 2 H); 1.52 (五重線 2 H); 1.25 - 1.50 (m, 12 H); 0.88 (t, 6 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.49; 23.05; 26.27; 29.37; 29.70; (2 x C); 29.89; 29.95; 29.99; 30.01; 32.27; 54.41; 69.79; 110.28; 114.70; 116.19; 125.09; 131.36; 137.12; 139.02; 150.93; 151.11; 153.52; 167.10; 182.42。
【0221】
(実施例A16)
ラッカーゼ触媒による化合物B-32の合成
【化50】
【0222】
乾燥テトラヒドロフラン100mlに溶解した市販されているオレイン酸エチル(FLUKA)25.0gを、アルゴン雰囲気下0℃にて70分以内で水素化アルミニウムリチウム3.05gの乾燥テトラヒドロフラン50mlスラリー液に滴下する。
出発エステルが完全に消費された後、氷水10ml及び1N水酸化ナトリウム溶液10mlを順次加えることにより、過剰の水素化物をクエンチする。
得られた沈殿物をセライトパッドで濾過する。
濾液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、アルコール(B-32-1)21.5gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 5.34 (dt, 2 H); 3.63 (t, 2 H); 2.04 (m, 4 H); 1.56 (五重線 2 H); 1.24 - 1.40 (m, 26 H); 0.88 (t, 6 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.47; 23.05; 26.12; 27.56; 27.580; 29.60; 29.68; 29.77; 29.86; 29.88; 30.02; 30.11; 30.13; 32.26; 33.17; 63.34; 129.99; 130.12。
【化51】
【0223】
化合物(B-32-1)21.5gをピリジン11mgと共にジクロロメタン120mlに溶解し、0℃に冷却する。
メシルクロリド10mlをこの混合物に加え、出発アルコールが完全に消費されるまで撹拌を続ける。
次いで混合物を1N塩化水素、飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで順次抽出する。
【0224】
生成物を通常通り回収して、化合物(B-32-2)26.7gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 5.33 (dt, 2 H); 4.20 (t, 2 H); 2.98 (s, 3 H); 2.01 (m, 4 H); 1.71 (五重線 2 H); 1.24 - 1.42 (m, 26 H); 0.87 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.47; 23.04; 25.78; 27.53; 27.58; 29.37; 29.50 (2 x C); 29.68 (2 x C); 29.87; 30.05; 30.12; 32.25; 37.71; 70.44; 129.89; 130.19。
【化52】
【0225】
化合物(B-32-2)13.5g、化合物(B-7-2)23.9g、ヨウ化ナトリウム0.7g及び炭酸カリウム47.6gをアセトン500mlに加え、50℃に2日間加熱する。
出発物質が消費された後、混合物を濾別し、溶媒を蒸発させ、残渣を短シリカパッド(溶離液:ヘキサン 酢酸エチル 容量/容量2-1)に通す。
化合物(B-32-3)29.2gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.74 (t, 1 H); 6.50 (dt, 2 H); 5.35 (dt, 2 H); 4.08 (t, 2 H); 3.63 (dq, 2 H); 2.03 (m, 4 H); 1.83 (s, 3 H); 1.80 (五重線 2 H); 1.26 - 1.40 (m, 26 H); 1.20 (t, 3 H); 0.89 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.49; 15.23; 23.06; 24.99; 26.29; 27.58; 29.60; 29.61; 29.70; 29.74; 29.84; 29.89; 30.03; 30.07; 30.14; 32.28; 58.31; 69.94; 101.52; 108.72; 121.44; 128.14; 129.98; 130.14; 135.04; 142.53; 147.96。
【化53】
【0226】
化合物(B-32-3)21.3g及びパラ-トルエンスルホン酸(FLUKA)50mgを、水1mlを含むクロロホルム80mlに溶解し、全ての出発物質が消費されるまで室温で撹拌する。
混合物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。
短シリカパッド(溶離液:ヘキサン 酢酸エチル 容量/容量 5-2)を通過させて、化合物(B-32-4)を収率16.7gで無色油状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.74 (t, 1 H); 6.50 (dt, 2 H); 5.35 (dt, 2 H); 4.08 (t, 2 H); 3.63 (dq, 2 H); 2.03 (m, 4 H); 1.80 (五重線 2 H); 1.26 - 1.40 (m, 26 H); 0.89 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.49; 23.06; 24.99; 26.29; 27.58; 29.60; 29.61; 29.70; 29.74; 29.84; 29.89; 30.03; 30.07; 30.14; 32.28; 58.31; 69.94; 101.52; 108.72; 121.44; 128.14; 129.98; 130.14; 135.04; 142.53; 147.96。
【化54】
【0227】
化合物(B-32-4)0.80g及び没食子酸メチルエステル(FLUKA)0.78gをアセトン25mlに溶解し、次いでリン酸バッファー8ml(0.05M、pH=5)を加える。
市販されている(FLUKA)T.versicolor由来のラッカーゼ5.0mgを加え、混合物を室温で24時間撹拌する。
次いで混合物をジクロロメタンで抽出し、有機相を水で繰り返し洗浄して、化合物(B-32)0.23gを得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 8.33 (s, 1 H); 7.56 (s, 1 H); 7.44 (s, 1 H); 5.35 (dt, 2 H); 4.21 (t, 2 H); 3.88 (s, 3 H); 3.63 (dq, 2 H); 2.03 (m, 4 H); 1.80 (五重線 2 H); 1.17 - 1.35 (m, 26 H); 0.89 (t, 3 H).
13C-NMR (DMSO6, 75 MHz): 14.75; 22.92; 26.19; 27.42; 29.42 (3 x C); 29.51 (3 x C); 29.66; 29.92 (2 x C); 32.10; 53.69; 69.44; 111.43; 114.65; 116.73; 124.04; 130.27 (2 x C); 130.45 (2 x C); 138.56; 138.75; 152.11; 154.24; 167.23; 183.57。
【0228】
(実施例A17)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-37)の合成
【化55】
【0229】
化合物(B-16-2)1.50g及び没食子酸メチルエステル(FLUKA)3.0gを、室温でリン酸バッファー330ml(0.05M、pH=5)に溶解する。
市販されている(FLUKA)T.versicolor由来のラッカーゼ8.0mg(28.6U/g)を加え、混合物を室温で24時間撹拌する。
次いで混合物を濾別し、残渣を乾燥させて、化合物(B-37)1.02gを得る。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 8.25 (d, 1 H); 7.75 (d, 1 H); 7.33 (s, 1 H); 5.45 - 5.57 (m, 4 H); 5.29 (dd, 1 H); 4.38 (t, 1 H); 4.25 (d, 1 H); 3.90 (s, 3 H); 2.03 - 2.18 (4 x s, 各3 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 20.00 (2 x C); 20.22; 20.58; 52.93; 62.12; 67.74; 69.12; 71.05; 71.97; 99.53; 112.89; 113.72; 118.05; 124.61; 129.67; 138.24; 139.16; 148.75; 152.89; 154.18; 167.83; 170.13; 170.34; 170.59; 171.05; 183.50。
【0230】
(実施例A18)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-38)の合成
【化56】
【0231】
過アセチル化したマルトシルブロミド5.0g(文献:K. P. RavindranathanらのJ. Carbohydr. Chem.、1990年、9巻(5号)、777頁に従って得られた)、化合物(B-7-2)1.40g及び炭酸カリウム2.50gを、トリブチルベンジルアンモニウムブロミド0.23gを含むクロロホルム15ml中室温で2日間激しく撹拌する。
混合物をセライトで濾過し、溶媒を蒸発させる。
残渣をシリカゲルカラム(溶離液:ヘキサン 酢酸エチル 容量/容量 1-1)で精製して、無色泡沫状物(B-38-1)3.4gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.68 (dt, 1 H); 6.52 (dt, 2 H); 5.37 (dd, 1 H); 5.30 (t, 1 H), 5.26 (dt, 1 H); 5.16 (dd, 1 H); 4.95 - 5.04 (m, 2 H); 4.82 (dd, 1 H); 4.36 (m, 1 H); 4.20 (m, 2 H); 4.04 (m, 1 H); 3.98 (dd, 1 H); 3.95 (m 1 H); 3.78 (m, 1 H); 3.51 (dq, 2 H); 1.93 - 2.10 (7 x s, 各3 H); 1.74 (d, 3 H); 1.18 (dt, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz)。
【化57】
【0232】
化合物(B-38-1)1.30g及びパラ-トルエンスルホン酸(FLUKA)13mgを、水0.06mlを含むクロロホルム10mlに溶解し、全ての出発物質が消費されるまで室温で撹拌する。
混合物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。
化合物B-38-2を収量1.19gで泡沫状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.66 (d, 2 H); 6.43 (m, 1 H); 6.06 (OH); 5.37 (dd, 1 H); 5.28 (dd, 1 H); 5.26 (dd, 1 H); 5.03 (dd, 1 H), 4.97 (dd, 1 H); 4.87 (d, 1 H); 4.80 (dd, 1 H); 4.49 (dd, 1 H); 4.19 (ddd, 1 H); 4.02 (dd, 1 H); 4.00 (t, 1 H); 3.90 (ddd, 1 H); 3.7 (ddd, 1 H); 1.93 - 2.08 (7 x s, 各3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 20.94 (2 x C); 21.05 (2 x C); 22.00 (2 x C); 21.25; 61.86; 62.58; 68.34; 69.00; 69.56; 70.32; 72.27; 72.70; 73.18; 74.97; 95.96; 101.97; 110.76; 112.18; 120.40; 135.38; 144.59; 145.71; 169.49; 170.00; 170.08; 170.14; 170.53; 170.61 (2 x C)。
【化58】
【0233】
化合物(B-38-2)0.37g及び没食子酸メチルエステル(FLUKA)0.49gを、室温でリン酸バッファー20ml(0.05M、pH=5)に溶解する。
市販されている(FLUKA)T.versicolor由来のラッカーゼ2.0mg(28.6U/g)を加え、混合物を室温で24時間撹拌する。
次いで混合物を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、化合物(B-38)0.34gを得る。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 7.84 (d, 1 H); 7.45 (d, 1 H); 7.02 (s, 1 H); 5.35 - 5.50 (m, 4 H); 5.16 (t, 1 H); 5.07 (tt, 1 H), 4.92 (dd, 1 H); 4.67 (d, 1 H); 4.23 - 4.34 (m, 2 H); 4.04 - 4.21 (m, 4 H); 3.87 (s, 3 H); 1.99 - 2.14 (7 x s, 各3 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 19.62; 19.66; 19.78; 19.88; 19.96; 20.10; 20.23; 52.59; 60.47; 62.12; 68.65; 68.94; 69.77; 70.57; 72.19; 73.03; 74.35; 75.14; 96.48; 98.93; 107.90; 114.92; 116.78; 123.96; 129.48; 138.97; 148.61; 152.02; 153.61; 166.72; 169.97; 170.32; 170.43; 170.61; 170.70; 171.09; 171.25; 171.29; 182.98。
【0234】
(実施例A19)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-39)の合成
【化59】
【0235】
過アセチル化したラクトシルブロミド10.0g(文献:K. P. RavindranathanらのJ. Carbohydr. Chem.、1990年、9巻(5号)、777頁に従って得られた)、化合物(B-7-2)2.80g及び炭酸カリウム5.20gを、トリブチルベンジルアンモニウムブロミド0.23g及び水0.20mlを含むクロロホルム33ml中室温で3日間激しく撹拌する。
混合物をセライトで濾過し、溶媒を蒸発させる。
残渣をシリカゲルカラム(溶離液:ヘキサン 酢酸エチル 容量/容量 1-1)で精製して、無色泡沫状物(B-39-1)5.7gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.74 (t, 1 H); 6.59 (dt, 2 H); 5.43 (dd, 1 H); 5.36 (t, 1 H); 5.33 (dt, 1 H), 5.23 (dd, 1 H); 5.06 (m, 2 H); 4.86 (dd, 1 H); 4.45 (m, 1 H); 4.25 (m, 2 H); 4.10 (dd, 1 H); 4.04 (dd, 1 H); 3.95 (m 1 H); 3.80 (m, 1 H); 3.58 (dq, 2 H); 1.99 - 2.10 (7 x s, 各3 H); 1.81 (d, 3 H); 1.21 (dt, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 15.16; 20.88; 20.97; 21.03; 21.08; 21.17; 21.23; 21.32; 24.92; 58.40; 61.84; 62.26; 68.35; 68.83; 69.59; 70.31; 72.30; 72.66; 72.87; 73.00; 99.62; 99.69; 103.78; 112.86; 121.56; 128.48; 135.82; 139..16; 148.32; 169.45; 169.69; 169.98; 170.16; 170.31; 170.41; 170.56。
【化60】
【0236】
化合物(B-39-1)4.32g及びパラ-トルエンスルホン酸(FLUKA)55mgを、水0.20mlを含むクロロホルム20mlに溶解し、全ての出発物質が消費されるまで室温で撹拌する。
混合物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。
短シリカパッド(溶離液:ヘキサン 酢酸エチル 容量/容量 1-1)に通して、化合物(B-39-2)を収量3.36gで無色油状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.73 (d, 2 H); 6.51 (dd, 1 H); 6.19 (OH); 5.45 (OH); 5.36 (dd, 1 H); 5.28 (t, 1 H); 5.16 (dd, 1 H), 5.11 (dd, 1 H); 4.98 (dd, 1 H); 4.88 (d, 1 H); 4.56 (dd, 1 H); 4.54 (d, 1 H); 4.05 - 4.18 (m, 3 H); 3.84 - 3.93 (m, 2 H); 3.74 (ddd, 1 H); 1.98 - 2.16 (7 x s, 各3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 20.90 (2 x C); 21.03 (2 x C); 21.08 (2 x C); 21.24; 61.86; 62.60; 68.34; 68.99; 69.56; 70.33; 72.27; 72.73; 73.15; 74.99; 95.96; 101.90; 110.69; 112.18; 120.37; 135.37; 144.61; 145.69; 169.50; 170.01; 170.10; 170.14; 170.55; 170.61 (2 x C)。
【化61】
【0237】
化合物(B-39-2)1.0g及び没食子酸メチルエステル(FLUKA)2.40gを、室温でリン酸バッファー150ml(0.05M、pH=5)に溶解する。
市販されている(FLUKA)T.versicolor由来のラッカーゼ10.0mg(286U)を加え、混合物を室温で24時間撹拌する。
次いで混合物を濾別し、残渣を水で洗浄する。
引き続き、残渣を酢酸エチルから繰り返し蒸発させる。
化合物(B-39)0.81gを得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 10.01 (OH); 9.79 (OH); 8.25 (d, 1 H); 7.59 (d, 1 H); 7.41 (s, 1 H); 5.82 (d, 1 H); 5.40 (t, 1 H); 5.31 (d, 1 H); 5.25 (dd, 1 H); 5.05 (dd, 1 H), 4.99 (t, 1 H); 4.90 (dd, 1 H); 4.46 (dd, 1 H); 4.00 - 4.21 (m, 6 H); 3.89 (s, 3 H); 1.94 - 1.99 (7 x s, 各3 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 19.70; 19.75; 19.88; 19.96; 20.05; 20.22; 20.35; 52.67; 60.49; 62.15; 68.67; 68.84; 68.96; 69.78; 70.55; 72.18; 73.06; 75.10; 95.53; 100.10; 108.94; 114.70; 116.64; 123.87; 129.37; 138.95; 148.56; 151.88; 153.06; 166.60; 169.99; 170.34; 170.47; 170.63; 170.73; 171.06; 171.11; 171.29; 182.76。
【0238】
(実施例A20)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-45)の合成
【化62】
【0239】
標準条件を適用して、市販されているブロモエタノールをアセチルクロリドでアセチル化することにより得られたブロモアセテートA(4.26g)、フェノール(B-7-2)5.00g、市販されているカリウムtert.ブトキシド2.86g及びヨウ化ナトリウム15mgを、アルゴン雰囲気下乾燥ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、75℃に18時間加熱する。室温に冷却した後、赤色溶液を1N塩化水素、飽和炭酸水素ナトリウム、水及びブラインで順次抽出する。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて油状の残渣を得、これをシリカゲルカラム(溶離液:ヘキサン 酢酸エチル 容量/容量 4-1)で精製する。純白のB-45-1(3.33g)を得る。
【0240】
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.75 (dd, 1 H); 6.52 (dd, 2 H); 4.38 - 4.43 (m, 2 H); 4.29 - 4.35 (m, 2 H); 3.60 (dq, 2 H); 2.09 (s, 3 H); 1.82 (s, 3 H); 1.21 (t, 3 H)。
【化63】
【0241】
アセテートB-45-1(2.45g)を、室温でナトリウムメタノレート0.05gを含む乾燥メタノール6mlに溶解する。出発エステルが消費するまで混合物を撹拌し、弱酸性のイオン交換体で中和し、濾過し、蒸発させて、茶褐色のシロップ状物を得る。シリカゲルカラム(溶離液:ヘキサン 酢酸エチル 容量/容量 4-1)で精製して、アルコールB-45-2(1.92g)を無色油状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.75 (dd, 1 H); 6.54 (ddd, 2 H); 4.21 (dt, 2 H); 3.92 - 3.98 (m. 2 H); 3.60 (q, 2 H); 2.22 (t, OH); 1.82 (s, 3 H); 1.21 (t, 3 H)。
【化64】
【0242】
アセタールB-45-2(2.59g)及びパラ-トルエンスルホン酸50mgを、水0.40mlを含むクロロホルム20mlに溶解し、出発物質が完全に消費されるまで室温で撹拌する。得られた白色沈殿物を濾別し、クロロホルムで濯いで、フェノジオールB-45-3(1.30g)を得る。母液を後処理することにより、更に生成物が回収できる。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 6.59 (ddd, 1 H); 6.44 (dd, 2 H); 4.01 (q, 2 H); 3.86 (t. 2 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 60.72; 70.47; 104.80; 109.17; 1118.78; 134.54; 145.62; 147.51。
【化65】
【0243】
化合物(B-45-3)1.00g及び没食子酸メチルエステル(FLUKA)1.089gを、室温でリン酸バッファー20ml及びアセトン6ml(0.05M、pH=5)に溶解する。
市販されている(FLUKA)T.versicolor由来のラッカーゼ4.0mg(28.6U/g)を加え、混合物を室温で24時間撹拌する。
得られた沈殿物を濾別し(最初の濾液)、脱イオン水で充分に濯ぐ。乾燥させ、酢酸エチルから再結晶させた後、化合物B-45(0.42g)を得る。最初の濾液を新たにインキュベートし、濾過して、更に生成物0.43gを得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 9.60 (広幅, OH); 8.30 (d, 1 H); 7.54 (d, 1 H); 7.42 (s, 1 H); 5.00 (広幅, OH); 4.24 (t, 2 H); 3.87 (s, 3 H); 3.80 (t, 2 H).
13C-NMR (DMSO6, 75 MHz): 53.72; 60.25; 71.40; 111.31; 114.61; 116.89; 124.08; 130.41; 138.46; 138.69; 151.95; 152.16; 154.23; 167.22; 183.66。
【0244】
(実施例A21)
リパーゼ触媒による化合物(B-19)の合成
【化66】
【0245】
化合物B-36(0.72g)をジオキサン20ml及び水1mlに溶解する。混合物を60℃に加熱し、僅かな真空(500mmbar)下、市販されているリパーゼ(NovozymesからのNOVO435)0.40gで処理する。出発物質を消費した(TLC-制御)後、混合物を濾過し、凍結乾燥させて、二酸B-19(0.60g)を得る。
【0246】
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 8.37 (d, 1 H); 7.75 (d, 1 H); 7.18 (s, 1 H); 4.25 (t, 2 H); 2.35 (t, 2 H); 1.93 (五重線, 2 H); 1.73 (五重線, 2 H); 1.60 (五重線, 2 H).
13C-NMR (DMSO6, 75 MHz): 25.10; 25.88; 29.16; 34.50; 69.34; 111.19; 115.28; 116.82 125.09; 130.74; 138.24; 138.75; 152.05; 152.13; 154.08; 168.28; 174.98; 183.55.
(実施例A22)
化合物(B-46)の合成
【化67】
【0247】
化合物B-31(2.00g)を、アルゴン雰囲気下0℃で乾燥DMF(10ml)に溶解する。引き続きこの混合物にN-3ジメチルアミノプロピルN-エチルカルボジイミド塩酸塩(Aldrich)1.60g、ジ-イソプロピルエチルアミン2.60ml及び4-N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)15mgを加える。激しく撹拌しながら、DMF(2ml)に溶解したアミンA(1.45g)を加える。次いで混合物を室温に加温する。トロポロンB-31が完全に消費されるまで撹拌を続ける。次いで反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩化水素、飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで順次抽出する。通常の後処理により、アミドB-46(0.34g)を得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 9.82 (広幅 OH); 9.60 (広幅, OH); 8.69 (t 広幅, NH); 7.96 (d, 1 H); 7.43 (d, 1 H); 7.40 (s, 1 H); 3.95 - 4.08 (m, 4 H); 3.31 - 3.49 (m, 2 H); 2.36 (s, 3 H); 2.07 (ddd, 2 H); 1.24 (t, 6 H).
31P-NMR (DMSO6, 121 MHz): 29.05。
【0248】
(実施例A23)
化合物(B-47)の合成
【化68】
【0249】
化合物B-46(1.00g)を0℃でアセトニトリル20mlに溶解する。次いで得られた懸濁液をトリメチルブロモシラン(Fluka)0.66mlで処理する。透明な混合物を出発物質が消失するまで、室温で更に3時間、ブロモシラン(3x0.66ml)を更に添加して撹拌する。沈殿物を濾別し、水から凍結乾燥させて、酸B-47(0.74g)を得る。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 7.83 (d, 1 H); 7.45 (d, 1 H); 7.31 (s, 1 H); 3.54 - 3.66 (m, 2 H); 2.35 (s, 3 H); 2.06 (ddd, 2 H).
31P-NMR (DMSO6, 121 MHz): 27.22。
【0250】
(実施例A24)
化合物(B-48)の合成
【化69】
【0251】
化合物B-31(2.00g)をアルゴン雰囲気下0℃で乾燥DMF(15ml)に溶解する。引き続きこの混合物にBOP(Aldrich)3.60g及びジ-イソプロピルエチルアミン2.60mlを加える。激しく撹拌しながら、DMF(4ml)に溶解したアミンA(1.60g)を加える。次いで混合物を室温に加温する。トロポロンB-31が完全に消費されるまで撹拌を続ける。次いで反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩化水素、飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで順次抽出する。通常の後処理により、アミドB-48(1.20g)を得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 9.82 (広幅 OH); 9.60 (広幅, OH); 8.60 (t 広幅, NH); 7.93 (d, 1 H); 7.42 (d, 1 H); 7.40 (s, 1 H); 3.89 - 4.03 (m, 4 H); 3.29 (広幅 q, 2 H); 2.36 (s, 3 H);1.75 (ddd, 2 H); 1.46 - 1.66 (m, 4 H); 1.20 (t, 6 H).
31P-NMR (DMSO6, 121 MHz): 32.71。
【0252】
(実施例A25)
化合物(B-49)の合成
【化70】
【0253】
化合物B-46にて記載した通りに化合物B-48(1.00g)を処理して、酸B-49(0.54g)を得る。
【0254】
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 7.88 (d, 1 H); 7.50 (d, 1 H); 7.39 (s, 1 H); 3.31 (広幅 t, 2 H); 2.42 (s, 3 H); 1.74 (m, 6 H).
31P-NMR (DMSO6, 121 MHz): 30.97。
【0255】
(実施例A26)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-50)の合成
【化71】
【0256】
B-7-2におけるプロトコルに従い、オルト酢酸トリエチル43.8g及び没食子酸メチルエステル53.2g(共にFLUKAから市販されている)をキシレン180ml中約120℃で加熱する。
【0257】
セライトで濾過し、キシレンを除去した後、B-50-1(69.22g)が残り、これを次のステップで使用する。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.39 (d, 1 H); 7.12 (d, 1 H); 6.21 (OH); 3.60 (dq, 2 H);1.82 (s, 3 H); 1.20 (dt, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 15.13; 24.94; 52.60; 58.76; 102.56; 113.71; 123.79; 129.62; 137.89; 138.49; 147.74; 167.08。
【化72】
【0258】
水素化アルミニウムリチウム0.85gを、アルゴン雰囲気下0℃で乾燥テトラヒドロフラン30mlに懸濁させる。次いでテトラヒドロフラン40mlに溶解したB-50-1(6.00g)を、激しく撹拌しながらこの混合物に1.5時間かけてゆっくり加え、これにより反応物を室温に加温する。次いで混合物を水及び0.5N塩化水素でpH=7まで注意深くクエンチし、セライトで濾過し、蒸発させ、ジクロロメタンに溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。通常の後処理により、B-50-2(4.4g)を黄色油状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.52 (広幅 (OH), 6.45 (d, 1 H); 6.39 (d, 1 H); 4.48 (s, 2 H); 3.55 (q, 2 H); 3.10 (OH); 1.75 (s, 3 H); 1.15 (q, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 15.17; 24.87; 58.49; 68.26; 99.98; 109.95; 123.54; 133.30; 134.52; 138.99; 147.96。
【化73】
【0259】
B-6におけるプロトコルに従い、3-メトキシカテコール(FLUKAから市販されている)0.74g及びアセタールB-50-2(1.20g)を、リン酸バッファー130ml(pH=5、0.05M)とアセトン25mlとの混合物に溶解し、開放ビーカー中室温にて24時間ラッカーゼ(T.versicolor、26U)6mgで処理する。
得られた固体を濾別し、水で洗浄し、ジオキサンから凍結乾燥させて、B-50(0.25g)を黄色粉体として得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 9.40 (OH); 9.25 (OH); 7.53 (d, 1 H); 7.11 (d, 1 H); 7.10 (s, 1 H); 5.45 (OH); 4.42 (s, 2 H); 3.95 (s, 3 H).
13C-NMR (DMSO6, 75 MHz): 56.71; 66.46; 107.17; 116.40; 117.80; 131.62; 133.24; 135.47; 137.94; 151.34; 153.13; 154.67; 182.60。
【0260】
(実施例A27)
化合物(B-51)の合成
【化74】
【0261】
化合物B-50(0.20g)及びピリジン三酸化硫黄錯体(Fluka)0.12gを、室温で乾燥クロロホルム5ml及び乾燥ジメチルホルムアミド0.5mlに溶解する。得られた沈殿物を濾別し、真空乾固させて、化合物B-51(0.25g)を得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 8.90 (d, 2 H); 8.55 (tt, 1 H); 8.03 (dt, 2 H); 7.50 (d, 1 H); 7.13 (d, 1 H); 7.10 (s, 1 H); 4.68 (s, 2 H); 3.94 (s, 3 H).
13C-NMR (DMSO6, 75 MHz): 56.72; 71.22; 107.52; 116.46; 117.80; 127.70; 132.79; 133.58; 135.79; 137.93; 143.29; 146.35; 151.42; 153.12; 154.66; 182.59。
【0262】
(実施例A28)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-52)の合成
【化75】
【0263】
B-6におけるプロトコルに従い、2-(3,4ジヒドロキシフェニル)エチルアルコール(Fluka)1.00g及び没食子酸メチルエステル1.20gを、リン酸バッファー150ml(pH=5、0.05M)に溶解し、開放ビーカー中室温にて1日間ラッカーゼ(T.versicolor、26U)5mgで処理する。
得られた固体を濾別し、水で洗浄し、ジオキサンから凍結乾燥させて、B-52(0.33g)を黄色粉体として得、これには反応中間体が混入している。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz) (生成物): 10.0 (OH); 8.62 (d, 1 H); 8.55 (OH); 7.55 (d, 1 H); 6.84 (s, 1 H); 3.55 (s, 3 H); 3.64 (t, 2 H); 3.10 (t, 2 H).
13C-NMR (DMSO6, 75 MHz): 39.10; 53.83; 62.44; 111.75; 115.30; 121.91; 122.48; 127.00; 130.63; 134.83; 147.53; 150.60; 153.96; 167.29; 186.12。
【0264】
(実施例A29)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-53)の合成
【化76】
【0265】
B-35におけるプロトコルに従い、化合物B-33-2(2.00g)及び没食子酸ドデシルエステル(FLUKA)2.30gを、アセトン75ml及びリン酸バッファー50ml(0.05M、pH=5)に溶解する。市販されている(FLUKA)T.versicolor由来のラッカーゼ7.0mgを加え、混合物を室温で24時間撹拌する。
得られた沈殿物を濾別し、水-アセトン(1/1、容量/容量)で充分に洗浄し、次いでジオキサンから凍結乾燥させて、化合物B-53(0.60g)を得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 8.27 (OH); 8.26 (d, 1 H); 7.82 (d, 1 H); 7.18 (OH); 6.96 (s, 1 H); 6.20 (OH); 4.28 (t, 2 H); 4.17 (t, 2 H); 1.82 (五重線 2 H); 1.72 (五重線 2 H); 1.25 - 1.50 (m, 36 H); 0.80 (dt, 6 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.49; 23.05; 26.28; 26.37; 29.05; 29.37; 29.65; 29.70; (2 x C); 29.89; 29.95; 29.99; 30.00; 32.27; 66.78; 69.80; 110.30; 114.81; 116.19; 125.51; 131.47; 137.09; 139.02; 150.93; 151.13; 153.52; 166.67; 182.46。
【0266】
(実施例A30)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-54)の合成
【化77】
【0267】
市販されている(FLUKA)2,3,4-トリヒドロキシアセトフェノンA(0.50g)を、亜鉛粉末約2.0g及び半濃縮の塩化水素5mlと混合し、加熱還流させる(E.Clemmensen、Ber.、1914年、51頁に従う)。反応が進行している間、更に半濃縮の塩化水素を混合物に加えると、全ての出発物質が約3〜4時間で消費されるまで、定常的に水素が発生する。冷却後、液相をデカントする。茶褐色の粘稠性残渣を注意深く濾過することにより除去し、濾液をブラインで飽和させる。次いで水相をジエチルエーテルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、B-54-1を結晶化したシロップ状物として得(0.30g)、これは例えば昇華等による更なる精製を行うことができる。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 6.40 (d, 1 H); 6.26 (d, 1 H); 2.50 (q, 2 H); 1.13 (t, 3 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 14.11; 22.76; 106.54; 118.69; 122.67; 133.01; 143.61; 143.66。
【化78】
【0268】
B-5における標準プロトコルに従い、トリオールB-54-1(0.30g)を、ラッカーゼ3mgを含むリン酸バッファー20mlに溶解する。終夜撹拌して黄色沈殿を得、これを濾過により取り出し、ジオキサンから凍結乾燥させて、黄色粉体0.170gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 8.78 (OH); 7.53 (d, 1 H); 6.79 (d, 1 H); 6.15 (2 x OH); 2.97 (q, 2 H); 2.74 (q, 2 H); 1.53 (OH); 1.21 (t, 3 H); 1.14 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 13.74; 14.58; 19.56; 28.11; 116.29; 120.55; 128.44; 128.57; 131.19; 132.42; 134.27; 147.12; 148.57; 152.08; 181.62。
【0269】
(実施例A31)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-55)の合成
【化79】
【0270】
文献(E.Clemmensen、Ber.、1914年、51頁)に従い、市販されているピロガロールA(Fluka)2.82g及び酪酸(Fluka)4.00gを、酸性イオン交換樹脂(Amberlyst15)3gの存在中120℃に終夜加熱する。冷却後、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで洗浄する。有機相を蒸発させ、残った未反応のピロガロールを短シリカゲルパッド(溶離液:ヘキサン 酢酸エチル 容量/容量 1-1)により除去して、無色固体B-55-1(2.28g)を得る。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 7.26 (d, 1 H); 6.38 (d, 1 H); 2.85 (t, 2 H); 1.70 (六重線, 2 H); 0.92 (t, 3 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 13.16; 18.53; 39.62; 107.34; 113.27; 122.63; 132.39; 151.91; 152.17; 205.94。
【化80】
【0271】
B-54-1に従い、化合物B-55-1(1.60g)を活性化亜鉛と反応させて、化合物B-55-2(0.74g)を無色固体として得る。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 6.36 (d, 1 H); 6.24 (d, 1 H); 2.40 (t, 2 H); 1.36 - 1.47 (m, 2 H); 1.16 - 1.28 (m, 2 H); 1.12 (t, 3 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 14.47; 22.55; 29.44; 32.65; 106.61; 119.71; 121.32; 132.87; 143.58; 143.76。
【化81】
【0272】
B-5における標準プロトコルに従い、トリオールB-54-2(0.45g)を、ラッカーゼ7mgを含むリン酸バッファー100ml及びアセトン5mlに溶解する。15分間撹拌して黄色沈殿を得、これを濾過により取り出し、ジオキサンから凍結乾燥させて、黄色粉体0.280gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 8.85 (OH); 7.58 (d, 1 H); 6.85 (d, 1 H); 6.21 (2 x OH); 3.00 (t, 2 H); 2.79 (t, 2 H); 1.37 - 1.72 (m, 8 H); 0.96 (dt, 6 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 14.37 (2 x C); 23.17; 23.22; 25.97; 31.63; 32.45; 34.56; 116.31; 119.32; 128.32; 128.99; 131.40; 132.35; 133.16; 147.36; 148.55; 152.27; 181.55。
【0273】
(実施例A32)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-56)の合成
【化82】
【0274】
文献(E. Clemmensen、Ber.、1914年、51頁)に従い、市販されているピロガロールA(Fluka)3.96g及び2-エチルヘキサン酸(Fluka)4.53gを、酸性イオン交換樹脂(Amberlyst15)3gの存在下120℃に終夜加熱する。冷却後、残渣を酢酸エチルで抽出し、半飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで洗浄する。有機相を蒸発させ、残った未反応のピロガロールを短シリカゲルパッド(溶離液:ヘキサン 酢酸エチル 容量/容量 1-1)により除去して、茶色がかった油状物B-56-1(4.14g)を得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.26 (d, 1 H); 6.52 (d, 1 H); 3.26 (m, 1 H); 1.68 - 1.84 (m, 2 H); 1.40 - 1.64 (m, 2 H); 1.20 - 1.31 (m, 4 H); 0.86 (dt, 6 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 12.34; 14.25; 22.99; 26.26; 30.11; 32.48; 107.53; 114.40; 122.86; 131.53; 150.30; 151.54; 210.17。
【化83】
【0275】
B-54-1に従い、化合物B-56-1(4.00g)を活性化亜鉛と反応させて、化合物B-56-2(1.80g)を暗シロップ状物として得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.51 (d, 1 H); 6.39 (d, 1 H); 2.45 (d, 2 H); 1.49 - 1.64 (m, 2 H); 1.24 - 1.35 (m, 7 H); 0.87 (dt, 6 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 11.16; 14.50; 23.45; 25.95; 29.21; 32.85; 34.18; 40.12; 107.35; 121.11; 121.72; 131.81; 141.74; 142.77。
【化84】
【0276】
B-5における標準プロトコルに従い、トリオールB-56-2(1.80g)を、ラッカーゼ7mgを含むリン酸バッファー50ml及びアセトン20mlに溶解する。29時間以上撹拌して油状物を得、これを通常方法で後処理する。シリカゲルカラム(溶離液:ジクロロメタン メタノール 容量/容量 20-1)での最終の精製により、暗赤色シロップ状物B-56(0.64g)を得、しかしながらこれにはまだ反応中間体が僅かに混入している。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 8.86 (OH); 7.57 (d, 1 H); 6.80 (d, 1 H); 2.97 (d, 1 H); 2.74 (d, 1 H); 0.80 - 1.40 (m, 30 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 11.20; 11.37; 14.47 (2 x C); 23.39; 23.48; 25.72; 26.05; 29.15; 29.35; 32.89; 33.08; 33.28; 39.02; 39.94; 40.56; 116.50; 118.07; 128.32; 129.15; 131.03; 132.74; 134.32; 147.38; 149.03; 152.65; 181.11。
【0277】
(実施例A33)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-57)の合成
【化85】
【0278】
文献(E.Clemmensen、Ber.、1914年、51頁)に従い、市販されているピロガロールA(Fluka)3.g及びラウリン酸(Fluka)4.77gを、酸性イオン交換樹脂(Amberlyst15)2.4gの存在下120℃に終夜加熱する。冷却後、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで洗浄する。有機相を蒸発させ、残った未反応のピロガロールを短シリカゲルパッド(溶離液:ヘキサン 酢酸エチル 容量/容量 1-1)により除去して、シロップ状物B-57-1(2.658g)を得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.15 (d, 1 H); 6.35 (d, 1 H); 2.85 (t, 2 H); 1.63 (五重線, 2 H); 1.17 - 1.29 (m, 16 H); 0.80 (t, 3 H).
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): 13.65; 22.35; 24.86; 29.02; 29.07; 29.13; 29.18; 29.30 (2 x C); 31.59; 37.65; 107.04; 112.85; 121.95; 131.64; 150.83; 151.29; 205.47。
【化86】
【0279】
B-54-1に従い、化合物B-57-1(1.95g)を活性化亜鉛と反応させて、化合物B-57-2(1.21g)を蝋状固体として得、これをジクロロメタンから結晶化させることができる。
1H-NMR (CD3OD, 300 MHz): 6.42 (d, 1 H); 6.28 (d, 1 H); 2.49 (t, 2 H); 1.53 (五重線, 2 H); 1.24 - 1.34 (m, 18 H); 0.87 (t, 3 H).
13C-NMR (CD3OD, 75 MHz): 13.85; 22.83; 24.59; 29.55; 29.71; 29.82 (2 x C); 29.84; 29.89 (2 x C); 30.42; 32.13; 106.77; 119.86; 121.46; 132.75; 143.48; 143.70。
【化87】
【0280】
B-5における標準プロトコルに従い、トリオールB-57-2(0.59g)を、ラッカーゼ12mgを含むリン酸バッファー250ml及びアセトン10mlに溶解する。酢酸エチルで抽出し、通常の後処理をした後、3.5時間撹拌して、茶褐色シロップ状物0.17gを得る。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): 8.82 (OH); 7.58 (d, 1 H); 6.82 (d, 1 H); 2.96 (t, 2 H); 2.89 (t, 2 H); 1.20 - 1.52 (m, 40 H); 0.88 (t, 6 H)。
【0281】
(実施例A34)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-58)の合成
【化88】
【0282】
B-7における標準プロトコルに従い、トリオールB-7-4(3.50g)及び没食子酸(Fluka)1.44gをアセトン230ml及び46mlに溶解する。ラッカーゼ7mgを加え、混合物を2日間インキュベートする。通常の後処理により、化合物B-58(1.80g)を得る。
1H-NMR (DMSO-D6, 300 MHz): 9.95 (OH); 9.72 (OH); 8.28 (d, 1 H); 7.62 (d, 1 H); 7.40 (s, 1 H); 5.79 (d, 1 H); 5.35 (t, 1 H); 5.15 (dd, 1 H); 5.02 (t, 1 H); 4.36 (dt, 1 H); 4.10 - 4.16 (m, 2 H); 2.01 (s, 3 H); 1.99 (s, 3 H); 1.98 (s, 3 H); 1.96 (s, 3 H)。
【0283】
(実施例A35)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-59)の合成
【化89】
【0284】
B-7における標準プロトコルに従い、トリオールB-7-5(1.50g)及び没食子酸(Fluka)2.60gをアセトン30ml及び7mlに溶解する。西洋ワサビペルオキシダーゼ10mg及び3%過酸化水素溶液3mlを加え、混合物を4日間インキュベートする。この間、更に酵素(合計20mg)及び過酸化物溶液(合計4ml)を定期的に加える。次いで混合物を凍結乾燥し、得られた残渣をメタノールに溶解し、遠心分離機にかける。最後にメタノール溶液を蒸発させて残渣を得、カラムクロマトグラフィー(溶離液:アセトン-水 容量/容量 10-1)により精製して、化合物B-59(0.27g)を得る。
1H-NMR (CD36OD, 300 MHz): 8.31 (d, 1 H); 7.91 (d, 1 H); 7.35 (s, 1); 5.19 (d, 1 H); 3.95 (dd, 1 H); 3.75 (dd, 1 H); 3.42 - 3.62 (4 H)。
【0285】
(実施例A36)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-60)の合成
【化90】
【0286】
B-16におけるプロトコルに従い、保護された糖B-16-2(0.05g)、没食子酸0.025g及びラッカーゼ2mgをバッファー10ml及びアセトン2ml中でインキュベートして、生成物B-60(20mg)を得る。
1H-NMR (CD36OD, 300 MHz): 8.23 (d, 1 H); 7.71 (d, 1 H); 7.30 (s, 1 H); 5.42 - 5.54 (m, 2 H); 5.31 (dd, 1 H); 4.42 (dd, 1 H); 4.15 - 4.30 (m, 3 H); 2.19 (s, 3 H); 2.11 (s, 3 H); 2.08 (s 3 H); 1.99 (s, 3 H)。
【0287】
(実施例A37)
ラッカーゼ触媒による化合物(B-61)の合成
【化91】
【0288】
B-50におけるプロトコルに従い、3-メチルカテコール(FLUKAから市販されている)0.39g及びアセタールB-50-2(0.70g)をリン酸バッファー80ml(pH=5、0.05M)とアセトン15mlとの混合物に溶解し、開放ビーカー中室温にて24時間ラッカーゼ3mg(T.versicolor、26U)で処理する。
得られた固体を濾別し、水で洗浄し、ジオキサンから凍結乾燥させて、B-61(0.26g)を濃黄色粉体として得る。
1H-NMR (DMSO6, 300 MHz): 9.40 (2 x OH); 7.44 (d, 1 H); 7.27 (s, 1 H); 7.16 (d, 1 H); 5.45 (OH); 4.40 (s, 2 H); 2.33 (s, 3 H).
13C-NMR (DMSO6, 75 MHz): 17.34; 66.45; 118.92; 118.99; 126.45; 131.33; 133.13; 133.44; 137.00; 145.45; 149.98; 154.30; 183.78。
【0289】
B. 利用実施例
(実施例B1)
光安定性の測定
光安定性の評価に用いた方法は、UVフィルターの高度に希釈された溶液の照射に基づく。
【0290】
ある特定の線量の照射後の分析を、UV分光法で行う。光学距離1cmのキュベット中の溶液の吸光度が0.2以下であるように、エタノール中UV吸収剤の濃度を1・10-5から1・10-6モル/lの値に調整する。フィルター分子の相互保護はこのような条件下で排除され得る。
【0291】
図1は、試料の照射用の実験構成を示す。
【化92】
【0292】
図1:試料の照射用構成。1:メタルハライドランプ(Macam Flexicure)、2:液体光ガイド、3:光学台、4:カットオフフィルター、λ>290nmに対して透過性、5:UV吸収剤溶液を含む密閉キュベット、6:電磁撹拌機。
【0293】
試料の照射前に、試料位置でのUVB強度をUV放射計(RM-12、Dr.Grobel Electronic GmbH)で測定する。
この放射計は、波長分解放射計(Gamma C11)を用いて、メタルハライドランプ(光ガイド及びカットオフフィルターを含む)のスペクトル出力の測定値との比較によって較正する。
したがって、RM-12放射計の読取りと、対応するランプのスペクトル出力との関係は、知られており、UVB強度を測定することによって波長分解強度を決定することができる。光ガイドの端部とキュベットの間の距離を変化させることによって、UVB強度は、100μW/cm2から4500μW/cm2の範囲で変化させることができる。
試料照射のために、最高可能強度を用いた(Macam103放射計で測定した4.5mW/cm2 UVB強度)。
照射時間は、0〜180分で変化させる。
試料が180分後に受けた線量は、60MEDに相当する。
照射の間に、試料を撹拌した。照射のある特定の間隔後に、試料をVU分光計(Perkin Elmer、Lambda 16)で分析した。
それぞれの線量の照射における吸光度の値から、その濃度をランベルト-ベールの法則を用いて計算し得る。
物質の半減期を得るために、一次速度モデルを実験データに適合させた。ランプのUVスペクトル及びCOLIPA標準サンのUVスペクトルは知られているので、COLIPA標準サン照射の条件下でUV吸収剤のそれぞれの半減期を計算し得る[Bernd Herzog、Stefan Muller、Myriam Sohn、Uni Ostewalder、「New Insight and Prediction of Photoatability of Sunscreens」、SOFW Journal 133、26〜36頁(2007年)]。
【0294】
一部の特定のベンゾトロポロンの照射(10MED)後の調べたハーフタイム値及び回復は、以下の表に記載する:
【表7】
【0295】
本発明による化合物番号B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-13、B-19、B-32及びB-36は、高い光安定性を示し、全ての場合に、90%を超えるベンゾトロポロンが、10MEDの照射後に回復される。
【0296】
天然供給源由来の多くの化合物は、不十分で、低い光安定性の欠点を示すが、特に、化合物番号B-3及びB-5は、異常に高い固有の光安定性を示す。
【0297】
(実施例B2)
UV遮蔽特性
ベンゾトロポロン誘導体のUV遮蔽特性は、それらのエタノール中UVスペクトルを測定することによって調査した。
【0298】
以下の表に、対応するA1%1cm値とともに調査した吸収最大値(λmax)を記載する。
【表8】
【0299】
本発明によるベンゾトロポロン化合物番号(B-1)、(B-2)、(B-3)、(B-4);(B-5)及び(B-6)は、高いA1%1cm値で示された通りのUV領域における高い遮蔽特性を示す。
【0300】
ベンゾトロポロン化合物(B-1)は、UV-C及びUV-B領域で高い吸収を示すが、化合物番号(
B-2)、(B-3)、(B-4)、(B-5)及び(B-6)は、UV-C/UV-B遮蔽特性、並びに約390nm〜400nmで第2の吸収最大値をもつUV-A遮蔽特性を示す。
【0301】
(実施例B3)
DPPHアッセイ
抗酸化性の試験のために、DPPHアッセイを用いる。DPPH(2,2-ジフェニル-1-ピクリル-ヒドラジル)は、安定なラジカルであり、そのラジカル形態で515nmにおいて吸収する。抗酸化剤(AH)による還元後に、その吸収は消失する:
DPPH* + AH → DPPH-H + A* (1)
【化93】
【0302】
反応(1)の速度は、異なる抗酸化剤に対してむしろ異なり得る。ビタミンC及びEの場合、平衡は数分で達するが、他の抗酸化剤については、数時間かかることもある。
【0303】
この試験において、抗酸化剤とDPPHのモル濃度の比を変化させ(この比は、「EC」=有効濃度と称される)、平衡状態におけるDPPHの濃度をそれぞれの比に対して測定する。抗ラジカル活性は、初期DPPH濃度を50%だけ減少させるのに必要な抗酸化剤の量と定義され、いわゆるEC50値によって特徴づけられる。EC50値が小さいほど、抗酸化剤はより効率的になる。したがって、その逆数1/EC50は、抗ラジカル力を定量するために用いることができる。
【0304】
エタノール中DPPH及び抗酸化剤の溶液は、別個に調製され、反応を開始するために一緒に添加される(0.5cm3の250μM抗酸化剤溶液を、2.5cm3の100μM DPPH溶液に添加する)。その吸収は、Perkin Elmer Lambda 20分光光度計を用いて測定する。
【0305】
調査したEC50値及び逆数1/EC50値を以下の表に記載する:
【表9】
【0306】
本発明による大部分のベンゾトロポロン化合物は、最新技術の抗酸化剤であるビタミンC及びビタミンEと比較して、EC50値及び1/EC50値で測定された著しく高い抗酸化力/ラジカル捕捉力を有する。
【0307】
ベンゾトロポロン誘導体(B-13)は、DPPHアッセイにおいて最新技術の抗酸化剤レスベラトロールよりも更により有効である。
【0308】
C.配合実施例
【表10】
【0309】
同等の配合物を、化合物B-2の代わりに、同量の化合物B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、B-9、B-10、B-11、B-12、B-13、B-14、B-15、B-16、B-17、B-18、B-20、B-21、B-22、B-23、B-24、B-26、B-27、B-28、B-31、B-32、B-33、B-34、B-35、B-36、B-37、B-38、B-39及びB-44を用いて得る。
【表11】
【0310】
3部のペトロラタムに溶解させた0.6部の化合物B-32を、75℃で温油相に添加する。次いで、この油相を75℃で温水相に添加し、均一な浅黄色のクリームが得られるまで、撹拌及び均質化する。
【表12】
【0311】
【0312】
同等の配合物を、化合物B-2の代わりに、同量の化合物B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、B-9、B-10、B-11、B-12、B-13、B-14、B-15、B-16、B-17、B-18、B-20、B-21、B-22、B-23、B-24、B-26、B-27、B-28、B-31、B-32、B-33、B-34、B-35、B-36、B-37、B-38、B-39及びB-44を用いて得る。
【表13】
【0313】
【表14】
【0314】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【0315】
【表19】
【0316】
【表20】
【0317】
【表21】
【表22】
【0318】
【表23】
【0319】
【表24】
【表25】
【表26】
【0320】
【表27】
【表28】
【表29】
【0321】
本発明の特徴を、その好ましい実施形態に適用した場合に、示し、説明し及び指摘してきたが、例証された工夫の形態及び詳細において及びそれらの操作において、様々な省略及び置換並びに変更が、本発明の精神から逸脱することなく当業者によって行われ得ることが理解される。例えば、同じ結果を達成するために実質的に同じ方法で実質的に同じ機能を果たすそれらの要素及び/又は方法ステップの全ての組合せが、本発明の範囲内であることが明示的に意図される。