特許第5992105号(P5992105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5992105電極組立体、これを含む電池及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992105
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】電極組立体、これを含む電池及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20160901BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20160901BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20160901BHJP
   H01M 10/0583 20100101ALI20160901BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20160901BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20160901BHJP
   H01M 10/0565 20100101ALI20160901BHJP
【FI】
   H01M10/04 Z
   H01M10/058
   H01M10/052
   H01M10/04 W
   H01M10/0583
   H01M10/0585
   H01M10/0587
   H01M10/0565
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-532987(P2015-532987)
(86)(22)【出願日】2014年7月8日
(65)【公表番号】特表2015-534226(P2015-534226A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】KR2014006120
(87)【国際公開番号】WO2015005652
(87)【国際公開日】20150115
【審査請求日】2015年3月18日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0079786
(32)【優先日】2013年7月8日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0085340
(32)【優先日】2014年7月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】パク ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】アン イング
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンミョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジェビン
【審査官】 市川 篤
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3680797(JP,B2)
【文献】 特開2001−028275(JP,A)
【文献】 特開2001−167743(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/094286(WO,A2)
【文献】 国際公開第2012/009423(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/133632(WO,A1)
【文献】 特開2001−357892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04−10/0587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極ユニットの積層によって形成された電極組立体であって、
前記電極組立体は、面積が相違する三種類以上の電極ユニットが積層されて形成された2以上の段差を含み、且つ
最も大きい面積を有する電極ユニットの集合体が前記電極組立体の内部に位置し、
前記面積が相違する電極ユニットの間の境界面で互いに異なる極性の電極が対向し、
前記電極組立体の重さの中心が前記電極ユニットの組合せの内部に位置し、
前記面積は、前記電極ユニットの積層方向に対し垂直な方向の表面面積であることを特徴とする電極組立体。
【請求項2】
前記電極ユニットは、単一電極; 分離膜を境界に正極と負極が交互に積層された単位セル; またはこれらの組合せからなるものである請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記単位セルは、ゼリーロール方式、スタック方式、スタックアンドフォールディング方式またはラミネーションアンドスタック方式で製造された請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記それぞれの電極ユニットは、電極面の形状が四角形であり、但し、少なくとも一つの角が曲線であるか、少なくとも一つの辺が曲線である請求項1に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記電極組立体は、三種類以上の電極ユニットのうち少なくとも一つが、残りの電極ユニットと相似形にならないように相違する電極面の形状を有するものである請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の電極組立体が電池ケースに内蔵されている二次電池。
【請求項7】
前記二次電池は、リチウムイオン二次電池またはリチウムイオンポリマー二次電池である請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
請求項6に記載の二次電池を2以上含む電池パック。
【請求項9】
請求項6に記載の二次電池を一つ以上含むデバイス。
【請求項10】
前記デバイスは携帯電話、携帯用コンピューター、スマートフォン、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車または電力貯蔵装置である請求項9に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体、これを含む電池及びデバイスに関し、より具体的には面積が相違する三種類以上の電極ユニットの組合せを含み、前記面積が相違する電極ユニット等の間の境界面で互いに異なる極性の電極が対向されるように形成された電極組立体、これを含む電池及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器に対する技術の開発と需要の増加により、二次電池の需要もまた急激に増加している。その中でも、エネルギー密度と作動電圧が高く、保存と寿命特性に優れたリチウム二次電池は、各種モバイル機器はもちろんのこと、多様な電子製品のエネルギー源として広く用いられている。
【0003】
一般にリチウム二次電池は、電池ケースの内部に電極組立体と電解質を密封する構造に形成され、外形によって大きく円筒型電池、角形電池、パウチ型電池などに分類され、電解液の形態によってリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウムポリマー電池などに分類されることもある。モバイル機器の小型化に対する最近の傾向により、厚さの薄い角形電池、パウチ型電池に対する需要が増加しており、特に、形態の変形が容易で重量の小さなパウチ型電池に対する関心が高い実情である。
【0004】
電池ケースに収納される電極組立体は、その形態によって、ゼリーロール型(巻取型)、スタック型(積層型)またはスタックアンドフォールディング型(複合型)の構造で区分することができる。通常、ゼリーロール型電極組立体は、電流集電体に用いられる金属ホイルに電極活物質をコーティングしてプレッシングした後、所望の幅と長さを有するバンド形態に裁断してから、分離フィルムを利用して負極と正極との間に隔膜を設けた後、螺旋形に巻いて製造される電極組立体を言い、スタック型電極組立体は、負極、分離膜、正極を垂直に積層する方式で製造される電極組立体を言う。一方、スタックアンドフォールディング型電極組立体は、単一電極または負極/分離膜/正極からなる電極積層体等を長さの長いシート状分離フィルムで巻いたり折ったりして製造される電極組立体を言う。
【0005】
しかし、現在まで知られている従来の電極組立体等は、一般に同一の大きさの単位セルや個別電極等を積層する方式で製造されるため、形状自由度が劣ってデザイン的な制約が多かった。一方、デザインを変更するためには、個別電極を製造する時や、電極を積層する時、または電気的に接続する時に複雑で小難しい工程が求められる場合が多く、デザイン変更時には同一の体積に比べて電池の容量が劣るなどの問題点を伴う場合がある。
【0006】
したがって、多様なデザインを具現しながらも、安定性があって大容量特性を発揮することができる電極組立体、及びこれを利用した電池の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、面積が異なる三種類以上の電極ユニットを組み合わせて用いることにより、従来に比べて多様なデザインを具現することができるだけでなく、デザイン的な要素のため発生することになる不要な空間を最小化することができるので空間活用性に優れ、面積が最大である電極ユニットを電極ユニット等の組合せの内部に含むので安定性に優れた電極組立体、これを含む電池及びデバイスの提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の電極ユニットの積層によって形成された電極組立体であって、前記電極組立体は、面積が相違する三種類以上の電極ユニットが積層されて形成された2以上の段差を含み、但し、最も大きい面積を有する電極ユニットの集合体が前記電極組立体の内部に位置し、前記面積が相違する電極ユニット等の間の境界面で互いに異なる極性の電極が対向する電極組立体を提供する。
【0009】
前記電極ユニットは単一電極; 少なくとも一つの正極、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの分離膜を含む少なくとも一つ以上の単位セル; またはこれらの組合せであり得る。
【0010】
前記単位セルは、ゼリーロール方式、スタック方式、スタックアンドフォールディング方式またはラミネーションアンドスタック方式の単位セルであり得る。
【0011】
前記それぞれの電極ユニットは、電極面の形状が四角形であり、但し、少なくとも一つの角が曲線であるか、少なくとも一つの辺が曲線形状を有するものであり得る。
【0012】
前記電極組立体は、三種類以上の電極ユニットのうち少なくとも一つが相違する電極面の形状を有するものであり得る。
【0013】
一方、本発明は、前記のような電極組立体を電池ケースに内蔵する二次電池を提供する。
【0014】
このとき、前記二次電池は、リチウムイオン二次電池またはリチウムイオンポリマー二次電池であり得る。
【0015】
さらに、本発明は、前記二次電池を2以上含む電池パックを提供する。
【0016】
一方、本発明は、前記二次電池を一つ以上含むデバイスを提供し、前記デバイスは携帯電話、携帯用コンピューター、スマートフォン、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車または電力貯蔵装置であり得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、面積が異なる三種類以上の電極ユニットを組み合わせて用いることにより、従来に比べて多様なデザインを具現することができるだけでなく、デザイン的な要素のため発生することになる不要な空間を最小化することができるので空間活用性に優れる。また、面積が最大である電極ユニットを電極ユニット等の組合せの内部に含むので安定性に優れた電極組立体、及びこれを含む電池及びデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による電極組立体の側面図である。
図2】本発明の電極組立体における電極ユニット等の積層例を示した図である。
図3】本発明の電極組立体における電極ユニット等の積層例を示した図である。
図4】本発明の電極組立体における電極ユニット等の積層例を示した図である。
図5】本発明の一実施形態による二次電池の斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態による二次電池の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図を参照し、本発明をより具体的に説明する。但し、図は本発明の理解を助けるためのもので、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の範囲が図に記載された範囲に限られるものではない。また、下記図で同一の符号は同一の構成要素を指し、発明の円滑な理解のために一部の構成要素が誇張、縮小または省略されて表現され得る。
【0020】
本発明は、面積が相違する三種類以上の電極ユニットの組合せを含み、前記電極ユニット等の間に段差が形成されるように積層され、但し、面積が最大である電極ユニットを前記電極ユニット等の組合せの内部に含み、前記面積が相違する電極ユニット等の間の境界面で互いに異なる極性の電極が対向されるように形成された電極組立体に関する。
【0021】
このとき、前記「面積」は、電極ユニット等の積層方向に対し垂直な方向(以下、「平面方向」と言う)の表面面積を意味するものであって、同一の形状を有し表面面積が同一なことを意味する。
【0022】
また、前記「電極ユニット」は電極組立体を構成する基本単位であって、本発明において負極または正極のようなそれぞれの単一電極であってよく、負極と正極が分離膜を境界に交互に積層された単位セルであってよい。このとき、前記単位セルは、一つの負極と一つの正極が分離膜を境界に積層されたものであってよいことはもちろん、2以上の負極と2以上の正極が分離膜を境界に積層されて形成されたものであってよい。さらに、前記単位セルと単一電極の組合せで形成されてもよい。
【0023】
一方、前記「単位セル」との用語は、少なくとも一つの負極と少なくとも一つの正極が分離膜を境界に交互に積層され、電池反応を起こすことができるものであれば特に限定せず、前記単位セルが本発明の段差を有する電極組立体において一つの層を形成することができ、また、段差を有する2以上の層の組合せであってよい。
【0024】
このとき、前記単位セルは、シート状負極及びシート状正極の間にシート状分離膜を介在した後、これらを巻いて製造されるゼリーロール方式で製造された電極積層体であってよい。また、2以上の電極が積層され、但し、前記電極は負極と正極が交互に順次積層され、各電極間に別個の分離膜が挿入されているスタック方式の電極積層体であってよい。また、2以上の電極を長さの長いシート状分離膜上に所定の順に配列した後、前記シート状分離膜をその上に配列された前記電極単位にフォールディングすることにより、連続されたシート状分離膜を境界に少なくとも一つの負極と少なくとも一つの正極とが交互に積層されたスタックアンドフォールディング方式の電極積層体であってよい。
【0025】
さらに、分離膜を境界に少なくとも一つの負極と少なくとも一つの正極とが交互に積層され、所定の接着力で互いにラミネーションされたラミネーションアンドスタック方式の電極積層体であってよい。このとき、前記ラミネーションアンドスタック方式の単位セルは、互いに異なる極性の2以上の電極が交互に積層され、但し、前記電極間に分離膜が挿入され、また単位セルの最外側一面に分離膜が積層されラミネーションされた構造を有することができる。例えば、電極/分離膜/電極/分離膜の最小単位構造、または前記最小単位構造に少なくとも一つの電極と少なくとも一つの分離膜がさらにラミネーションされた電極積層体であってよい。また、前記ラミネーションアンドスタック方式の単位セルは、互いに異なる極性の2以上の電極が交互に積層され、但し、前記電極間に分離膜が挿入され、また単位セルの最外側両面に分離膜が積層されラミネーションされた構造を有することができる。例えば、分離膜/電極/分離膜/電極/分離膜の最小単位構造、または前記最小単位構造に少なくとも一つの電極と少なくとも一つの分離膜とがさらにラミネーションされた電極積層体であってよい。勿論、電極/分離膜/電極の形態にラミネーションされた最小単位構造の電極積層体がさらに用いられてよい。
【0026】
本発明において、前記単位セル等は分離膜を境界に交互に積層される電極の配列が、正極/負極/正極または負極/正極/負極などのように、単位セルを構成する電極積層体の両面に同一の極性を有する電極が位置するように配置されてよく、正極/負極または正極/負極/正極/負極のように、単位セルを構成する電極積層体の両面に互いに異なる極性を有する電極が位置するように配置されてもよい。
【0027】
本発明の電極組立体は、面積が相違する三種類以上の電極ユニットの組合せにより、3以上の層を含む2以上の段差を有する電極組立体を提供する。よって、本発明の電極組立体は、例えば、同一の面積の電極ユニット等を積層して電極積層体を形成し、それぞれ形成された電極積層体を互いに積層することにより、面積が相違する三種類以上の電極積層体の積層による2以上の段差を有する電極組立体が提供され得る。このとき、前記電極組立体は、前記のようにそれぞれの電極積層体を互いに積層することにより形成されてよいことはもちろん、シート状分離膜上にそれぞれの電極積層体を配列し、シート状分離膜を巻き取ることにより形成されてもよいなど、スタック形態、スタックアンドフォールディング形態、またはこれらの組合せなどの多様な方法によって形成されてよい。
【0028】
このとき、本発明によって提供される電極組立体は、面積が相違する三種類以上の電極ユニットのうち面積が最も大きい電極ユニットが電極組立体の内部に位置するように積層されることが好ましい。面積が最大である電極ユニットを電極ユニット等の組合せの内部に含むことにより、電極組立体の重さの中心が電極ユニット等の組合せの内部に位置するので、電極組立体の安定性を高めることができる。さらに、従来に提供される段差を有する電極組立体は千編一律的な形状であって、例えば、電極の積層方向に進むほど電極の大きさが小さくなるか大きくなる形状の電極組立体のみ提供されるだけであった。これにより、二次電池の形状自由度が著しく阻害され、さらに、このような二次電池を用いるデバイスの部品設計もまた二次電池の形状を考慮しなければならないなど制約が多かった。しかし、本発明により提供される電極組立体によって、電池の形状自由度を向上させることができることはもちろん、電極組立体の形状による制限なくデバイスの設計をより多様に形成することができるので好ましい。
【0029】
本明細書で面積が相違する三種類以上の電極ユニットとは、面積が相違する電極ユニットが3層以上積層された組合せを意味し、このとき、前記それぞれの電極ユニットは同種あるいは異種の電極ユニットであり得る。また、本発明において、前記電極ユニット等の面積の差は、電極ユニット等が積層された時、段差を形成し得る程度であればよく、特に限られるものではなく、所望の電池のデザインなどを考慮して自由に調節可能である。
【0030】
本発明において、前記三種類以上の電極ユニットは、電極ユニットの電極面の面積が相違するものであって、これらの積層によって段差を形成することができるものであれば、その面積の差は特に限定しない。さらに、本発明の電極組立体において、それぞれの電極ユニットの厚さは互いに同一であるか相違することがあり、特に限定されない。例えば、本発明において、相対的に面積が大きい電極ユニットが相対的に面積が小さな電極ユニットより薄い厚さを有することもあり、厚い厚さを有することもある。さらに、前記電極ユニットまたはこれらの組合せによって形成された電極積層体もまた、厚さが互いに同一であるか相違することがある。
【0031】
本発明の電極組立体は、同一の面積を有する電極または電極ユニット等の積層時、互いに異なる極性の電極が分離膜を境界に対向するように配置されることはもちろん、面積が相違する電極積層体間の積層によって段差を形成する場合においても、その境界面で互いに異なる極性の電極が分離膜を境界に対向されるように配置されることが好ましい。これによって段差が形成される境界面でも電池反応を図ることができるので、電気容量を増大させることができる。このとき、前記「対向」とは、互いに向かい合うように配置されていることを意味するものであって、特別な記載がない限り、対向される二つの電極の間には分離膜が介在されることを含む。
【0032】
より好ましくは、本発明の電極組立体は、前記面積が相違する電極ユニットの積層によって段差が形成される境界面で互いに相違する極性の電極が対向する場合、面積の大きい電極が負極に、また、面積の小さな電極が正極になるように配置することが好ましい。このように対向することにより、リチウム金属の析出による電池の短絡を抑制することができ、電池の寿命が短縮されるか、電池の安定性が低下される問題を解消することができるので好ましい。
【0033】
本発明の電極組立体に含まれる電極ユニット等は、多様な組合せで形成されてよい。以下では、図を参照して本発明の電極ユニットの構成をより具体的に説明する。
【0034】
図1は、本発明による電極組立体において、電極ユニット等の積層形態を示す電極組立体の側面図である。図1に示されているように、本発明の電極組立体は、面積が相違する3種の電極ユニット110、120、130からなってよく、面積が最大である電極ユニット120の組合せによる電極積層体が電極組立体の内部に配置される。面積が最大である電極ユニット120を電極ユニット等の組合せの内部に含むことにより、電極組立体の重さの中心が電極ユニット等の組合せの内部に位置し、電極組立体の安定性を高めることができる。
【0035】
このとき、前記電極ユニット等は正極10及び負極20が交互に積層され、但し、前記正極10と負極20との間に分離膜30が介在され積層されたスタック型単位セル等を含んでなり得る。このとき、前記それぞれの電極ユニットはそれ自体で一つの層を形成することもでき、2以上の電極ユニットが互いに積層された電極積層体が一つの層を形成することもできる。例えば、図1に示したように、一つの負極と一つの正極が分離膜を境界に積層され形成された単位セル105の電極ユニットが最も下の電極積層体130を形成し、両側に負極が配置され、二つの負極の間に正極が配置され、但し、各電極間に分離膜が介在された単位セル101、103と両側に正極が配置され、二つの正極の間に負極が配置され、但し、各電極間に分離膜が介在された単位セル102、104の組合せによって形成された電極積層体110、120が積層され、電極組立体を形成することができる。
【0036】
図1には、電極積層体を構成する単位セルが全てスタック型単位セルの場合が例示されているが、本発明の電極ユニットは、スタック型単位セル以外にもゼリーロール型単位セル、スタックアンドフォールディング型単位セルで構成されるか、これら単位セルと単一電極の組合せからなってよく、互いに異なる種類の単位セルの組合せからなってもよい。
【0037】
一方、図1に示されたように、本発明の電極組立体は、それぞれの電極積層体110、120、130を積層して形成されたスタック型の電極組立体であってよいが、スタックアンドフォールディング型電極組立体であってよく、これらの組合せであってよいものであって、特に限られない。
【0038】
一方、本発明の前記電極組立体に含まれる正極、負極及び分離膜の材質は特に限定されず、当該技術分野に知られている正極、負極及び分離膜等を制限なく用いることができる。これに限られるものではないが、前記正極はアルミニウム、ニッケル、銅またはこれらのうち少なくとも1種以上が含まれた合金によって製造された正極電流集電体に、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムリン酸鉄、またはこれらのうち1種以上が含まれた化合物及び混合物などのような正極活物質をコーティングして形成され得る。
【0039】
また、前記負極は銅、ニッケル、アルミニウム、またはこれらのうち少なくとも1種以上が含まれた合金により製造された負極電流集電体に、リチウム金属、リチウム合金、カーボン、石油コーク、活性化カーボン、グラファイト、シリコン化合物、錫化合物、チタン化合物、またはこれらの合金などのような負極活物質をコーティングして形成され得る。
【0040】
さらに、前記分離膜は、例えば、微細多孔構造を有するポリエチレン、ポリプロピレンまたはこれらの組合せによって製造される多層フィルムや、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルまたはポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン共重合体のような固体高分子電解質用またはゲル型高分子電解質用高分子フィルムであり得る。
【0041】
また、本発明の電極組立体において、前記電極ユニット等は少なくとも一つ以上の電極タブを備える。このとき、前記電極タブ等の面積や配列位置などは特に限られない。例えば、それぞれの電極ユニットに備えられる電極タブ等は、その面積が互いに同一であるか、相違することがある。従来は、電極組立体に面積が同一で、また同一の形状を有する電極タブを用い、これらを互いに一列で整列して積層することが一般的であった。しかし、本発明は、電極タブの面積を相違するようにする場合、面積が相違する三種類以上の電極ユニットを含むので、電極ユニットごとに最適化された電極タブの大きさが異なることがある。よって、本発明の電極組立体において、電極ユニットの面積によってそれぞれ異なる面積を有する電極タブを選択することが、電気容量を最大化するために一層有利であり得る。
【0042】
また、前記電極タブ等は多様な位置に配置されてよく、例えば、同一の極性の電極タブ等の一部または全部が重畳されるように配置されてよい。従来の電極組立体等の場合、電池ケースの挿入後、電極タブ等の電気的連結を容易にするためには、同一の極性の電極タブ等が全部重畳されるように配置することが一般的であった。但し、この場合、電極積層数が多くなる場合、電極タブの厚さが厚くなるに伴い、電極タブ間の接合性が低下するとの問題点が発生し得る。電極タブ等の全部が重畳されるように配置せず、一部のみ重畳されるように配置する場合、前記のような問題点を相当部分減少させることができるはずである。
【0043】
特に、本発明の電極組立体のように多様な面積を有する電極ユニットを用いて複数の段差を有する電極組立体を形成する場合は、用いられる電極ユニットの面積によって面積が相違する電極タブを用い、これら電極タブ等が一部のみ重畳されるように積層することができる。電極タブをこのように配列することにより電池の容量を最大化することができ、さらに、電極タブの接合性も向上させることができる。
【0044】
次に、本発明の電極組立体において、前記面積が相違する三種類以上の電極ユニットを多様な配列に積層することができる。電極ユニットの積層方法は特に限られるものではないが、前記電極ユニット等は、図2及び図3に示したように、積層される電極積層体等が少なくとも一つの角が一致するように積層することができ、図4に示したように、相対的に大きな領域を持った電極積層体の表面内に他の電極積層体の角部が含まれるように積層することができる。このとき、各電極積層体の重さの中心が一致するように積層することができ、一致しないように積層することもできる。
【0045】
一方、本発明において、互いに相違する電極積層体を形成する電極ユニット等は形状が同一であるか相違することがある。例えば、本発明の電極ユニット等は長方形、正方形、梯形、平行四辺形、菱形などのような四角形状に形成されてもよく、一つ以上の角が曲線からなる四角形状であってよく、一つ以上の辺が曲線からなる形状であってもよい。その外にも、多様な形態の電極ユニットが存在することができ、このような変形例は全て本発明の範疇に属するものと理解されなければならないはずである。
【0046】
例えば、本発明の電極組立体は、図5に示したように、少なくとも一つの電極積層体の電極表面形状が残りの電極積層体の電極形状と相違する電極積層体が積層された電極組立体であってよく、図6に示したように、各電極積層体の電極表面形状が互いに同一で面積が相違する3以上の電極積層体が積層された電極組立体であってよい。このように電極ユニットの形状を多様に形成することにより、多様な形態のバッテリーデザインを具現することができるだけでなく、バッテリー収容空間の変化により電極組立体の形状を変化させることができるので、空間活用性を向上させることができ、これによる電池容量の増大を図ることができる。
【0047】
一方、本発明は、電極組立体が電池ケースに内蔵されている二次電池を提供する。図5及び図6に示されたように、本発明の二次電池200は、電池ケース220の内部に本発明の電極組立体100が内蔵されることにより形成される。このとき、前記電池ケース220は、これに限られるものではないが、パウチ型ケースであり得る。前記パウチ型ケースは、ラミネートシートからなってよく、前記ラミネートシートは最外側を成す外側樹脂層、物質の貫通を防止する遮断性金属層、密封のための内側樹脂層からなってよい。
【0048】
前記電池ケースは、電極組立体の形状に対応する形状を有することができる。但し、前記電池ケースの形状及び大きさが電極組立体の形状及び大きさと完全に一致しなければならないものではなく、電極組立体の電極ユニットのズレ現象による内部短絡を防止することができる程度の形状及び大きさであれば構わない。
【0049】
一方、本発明で提供する電極組立体を用いることにより、リチウムイオン二次電池またはリチウムイオンポリマー二次電池を製造することができる。また、本発明の電極組立体を含む二次電池を2以上含む電池パックを得ることができ、また、前記二次電池を一つ以上含むデバイスを得ることができる。前記デバイスは携帯電話、携帯用コンピューター、スマートフォン、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車または電力貯蔵装置であり得る。
【0050】
本発明の二次電池が前記デバイスに取り付けられる場合、本発明の二次電池の構造によって形成された余剰空間にデバイスのシステム部品が位置するようにすることができる。本発明の二次電池は、電極組立体自体が段差のある形態に形成され、電池ケースを電極形状に合わせて形成し、これをデバイスに取り付ける場合、従来の角形または楕円形電池セルまたは電池パックにはなかった余剰の空間が発生することになる。このような余剰空間にデバイスのシステム部品を取り付ける場合、デバイスのシステム部品と電池セルまたは電池パックを柔軟に配置することができるので、空間活用度を向上させることができるだけでなく、全体デバイスの厚さや体積を減少させてスリムなデザインを具現することができる。
【符号の説明】
【0051】
10: 正極
20: 負極
30: 分離膜
100: 電極組立体
101、102、103、104、105: 単位セル
110、120、130: 電極ユニット
200: 電池
210: 電極リード
220: 電池ケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6