(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記重合性LC材料は、高い複屈折を有するアセチレン基またはトラン基を有する1種類以上の重合性化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のLCDの製造方法。
前記重合性LC材料は、アゾベンゼン類、ベンズアルドキシム類、アゾメチン類、スチルベン類、スピロピラン類、スピロオキサジン類、フルギド類、ジアリールエテン類、ケイ皮酸化合物類、2−メチレンインダン−1−オン類および(ビス−)ベンジリデンシクロアルカノン類より選択される1種類以上の光異性化可能な化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のLCDの製造方法。
前記重合性LC材料は、式(III)および(IV)のケイ皮酸化合物より選択される1種類以上の光異性化可能な反応性メソゲン類を含むことを特徴とする請求項7または8に記載のLCDの製造方法。
前記重合性LC材料は、12〜100モル%の式(III)〜(V)のケイ皮酸化合物より選択される1種類以上の光異性化可能な反応性メソゲン類を含むことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のLCDの製造方法。
前記QWFは、カラーフィルターと電極との間に配置されている(ただし、該QWFは該電極と隣接している。)ことを特徴とする請求項13に記載のLCDの製造方法。
前記LCセルの外側に、半波長位相差フィルム(HWF)および/またはQWFを更に有することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のLCDの製造方法。
少なくとも1つのA−プレートおよび/または少なくとも1つのC−プレート位相差子を更に有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のLCDの製造方法。
R−、G−、B−ピクセルのパターンを有するカラーフィルターを有し、および、前記QWFは、直線偏光を円偏光に変換する効率がR、GおよびBの色について最適化されるように調節されている異なるリターデーションを持ったR−、G−およびB−ピクセルのパターンを示し、前記QWFは、それのR−、G−およびB−ピクセルが、前記カラーフィルターの対応するR−、G−およびB−ピクセルをそれぞれ覆うように配置されていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のLCDの製造方法。
前記1/4波長位相差(QWF)フィルムが、軸上1/4波長(λ/4)リターデーション領域と、実質的に軸上リターデーションがない領域とのパターンを有し、前記軸上1/4波長(λ/4)リターデーション領域が本質的に前記反射サブピクセルのみを覆うように配置されていることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のLCDの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の好ましいLCDは、
・以下の要素を有する液晶(LC)セルと、
・互いに平行であって、少なくとも一方が入射光に対して透明である第1および第2の基板と、
・前記LCセルの個々のピクセルを個別に切り替えるのに用いることができる前記基板の一方上の非線形電気素子のアレイと、ただし、該素子は好ましくはトランジスタのようなアクティブ素子で、特に好ましくはTFTであり、
・好ましくは非線形電気素子の該アレイを搭載している基板の反対の基板上で、前記基板の一方の上に設けられ、原色である赤、緑および青(R、G、B)のいずれかを透過する異なるピクセルのパターンを有するカラーフィルターアレイであって、前記カラーフィルターが平坦化層に覆われていても良いカラーフィルターアレイと、
・前記第1の基板の内側に設けられた第1の電極層と、
・前記第2の基板の内側に設けられた第2の電極層と、
・任意の要素として、前記第1および第2の電極上に設けられた第1および第2のアラインメント層と、
・電場を印加することで少なくとも2つの異なる配向間で切り替え可能なLC媒体と、
・前記LCセルの第1の側上の第1の直線偏光子と、
・前記LCセルの第2の側上の第2の直線偏光子と、および
・前記LCセルの前記第1および第2の基板の間に配置され、異なる遅延および/または配向を有する領域のパターンを有する少なくとも1つのパターン化されたQWFと
を有する。
【0033】
ただし、偏光子、QWFおよびLC層の配向方向は、以上および以下で定義する通りである。
【0034】
半透過型VAディスプレイにおいて、LC層は、好ましくは、負の誘電異方性ΔεのLC媒体を有する。電場がない状態で、LC媒体は実質的に垂直方向子配向を有している。電場を印加すると、好ましくは、傾斜平面配向に切り替わる。
【0035】
本発明の半透過型VA−LCDにおいて、AQWFのQWFおよびHWFの二重体はパターン化されたフィルムで置き換えられており、例えば、パターン化されたQWF、またはパターン化されたQWFおよびパターン化されたHWFで、QWFまたはAQWFリターデーションの領域が反射サブピクセル上に形成されており、軸上のリターデーションがない領域が透過サブピクセル上に形成されている。
【0036】
パターン化された(A)QWFのリターディング領域では、光学軸は好ましくはフィルム面に平行である(Aプレート対称)。パターン化された(A)QWFの非リターディング領域は、例えば、光学的に等方性の材料を有しているか、またはフィルム面に対して垂直な光学軸を有する(Cプレート対称)。
【0037】
本発明による半透過型LCDにおいて、パターン化されたリターデーションフィルムは、好ましくは、切り替え可能なLCセルを形成し、切り替え可能なLC媒体を含む基板間に設けられている(「セル内」使用)。光学的位相差板が通常はLCセルと偏光板の間に置かれている従来のディスプレイと比較して、光学的位相差板のセル内使用はいくつかの利点を有する。例えば、光学的位相差板がLCセルを形成するガラス基板の外側に貼り付けられているディスプレイでは、通常、視角特性をかなり損ない得る視差の問題がある。位相差板をLCディスプレイセル内部に設けると、その視差の問題を軽減または回避することすら可能である。
【0038】
好ましくは、セル内リターデーションフィルムは、カラーフィルターとLC媒体との間に配置するか、非常に好ましくは、カラーフィルターと対応する隣接電極層の間であり、または、平坦化層が存在する場合には、カラーフィルターと平坦化層との間である。
【0039】
セル内QWFおよびHWFの厚さは、好ましくは0.5〜3.5ミクロン、非常に好ましくは0.6〜3ミクロン、最も好ましくは0.7〜2.5ミクロンである。
【0040】
セル内QWFの軸上リターデーション(すなわち0°視角)は、好ましくは90〜200nm、最も好ましくは100〜175nmである。
【0041】
セル内HWFの軸上リターデーション(すなわち0°視角)は、好ましくは180〜400nm、最も好ましくは200〜350nmである。
【0042】
セル内HWFの代替または加えて、LCセルの外側でHWFを使用することも可能である。
【0043】
本発明の好ましい実施形態によるLCDのアセンブリを
図1に模式的に示した。
図1の上側は、ディスプレイの前面側、すなわち視聴者の側に相当する。
図1の下側は、ディスプレイの背面側、すなわちバックライト側に相当する。
図1には、例えばガラス基板のような2個の透明な平面平行基板11a/b間に閉じ込められた切り替え可能なLC媒体12の層ならびにそれらの基板を挟持する交差した偏光方向を有する2個の偏光板13a/bを有するLCDの1個のピクセル10を例示的に示してある。
【0044】
このディスプレイはさらに、LC層の背面側に反射電極14aおよび透明電極14bのパターンを有することで、2組の反射サブピクセル10aおよび透過サブピクセル10bを形成している。透明電極14c/14bは、例えばインジウムすず酸化物(ITO)の層である。反射電極14aは、例えばITO層14a1およびLC媒体を透過した光を再度視聴者の方向に戻す(曲がった矢印で示した)反射層14a2を有する。反射層14a2は、例えば金属層(例:Al)であるか、あるいは穴を有するミラーとして形成することができる(ミラーの領域が反射サブピクセルにあり、穴が透過サブピクセルにある)。電極層14a1およびミラー14a2は、隣接する層であることができるか、あるいは
図1に示したように空間的に分離されていても良い。
【0045】
このディスプレイはさらに、赤、緑および青のピクセルを有するカラーフィルター15とパターニングセル内位相差フィルム16を有する。セル内位相差板16は、所定のリターデーション(値は<0または>0)を有する領域16aと軸上リターデーションを持たない領域16bのパターンを有する。リターデーション領域16aは反射サブピクセル10aを覆い、非リターデーション領域16bは透過サブピクセル10bを覆う。
【0046】
図1に示したようにディスプレイがアクティブマトリクス型である場合、それは、好ましくはカラーフィルター15の側と反対側のLCセルの一方の側の例えばTFTのような個々のピクセルを個別に切り替えるのに用いられる非線形電気素子17のアレイも有する。
図1に示すように、TFT層17を後側とし、カラーフィルター15を前側とできるし、反対も可能である。
【0047】
カラーアクティブマトリクスディスプレイでは、例えばミラー14a2をTFT層上(カラーフィルターが前面の基板上の場合)、またはカラーフィルター層上(TFT層が前面の基板上の場合)に形成できる。
【0048】
反射および透過サブピクセル10a/bは好ましくは、
図1で二重矢印によって示したように、異なるセルギャップを有する。好ましくは透過サブピクセル10bのセルギャップは、反射サブピクセル10aのセルギャップの2倍である。
【0049】
異なるセルギャップを得るには、反射サブピクセルは、例えば透明樹脂(フォトレジストなど)から形成することができる段差18を有する。段差18は、LC層セルのカラーフィルター層側に存在しても、
図1に示すように、カラーフィルターの反対側のLC層側に存在してもよい。
【0050】
LC媒体12において所望の表面アラインメントを誘導または強化するために、電極14a/b/cがアラインメント層(不図示)によって覆われていてもよい。さらに任意構成として、カラーフィルター15とセル内位相差フィルム16におけるパターニングとの間に、アラインメント層(不図示)が設けられても良い。ディスプレイは、背面側にバックライトも有する(不図示)。
【0051】
本発明の好ましい態様において、VA LCDはマルチドメインVA(MVA)ディスプレイであり、透過サブピクセルは更に複数、例えば、電場がかかっている状態で異なる配向方向のLCディレクターを有する4つのドメインに分割されており、視角特性が改善されている。マルチドメインアライメントを達成する手段および方法は、当業者に公知であり先行文献に記載されている。例えば、特定の表面構造、好ましくはLC分子を好ましい方向に傾ける四角錐構造を使用するか、または、垂直方向から傾けられた方向に電場を生じるオフセット電極を使用することでマルチドメインアライメントを達成することができ、所望の軸以外の方向にLC分子が配列する。例えば、
図1に示されたVA−LCDにおいて、透過サブピクセルは、45°、135°、225°および315°の(電場がある状態での)配向方向を有する4つのドメインを有することができる。
【0052】
本発明のVA−LCDは半透過型ディスプレイであるため、反射および透過のいずれのモードでも作動する。
図1に示したように、本発明のLCDの動作について、以下に例示的に記載する。
【0053】
本発明で使用されるパターン化されたリターダーのおかけで、ディスプレイの透過部分は標準的な透過型VAディスプレイと同様に作動できる。低電圧の暗い状態の場合、バックライトから放射された光は、背面偏光子により偏光され、垂直配向されたLCセルを変化せずに通過し、背面偏光子に垂直な消光軸に配向された前面偏光子により遮蔽される。電圧駆動の明るい状態の場合、電場はLC分子の負の誘電異方性に作用し、選択的方向面に対して分子を傾かせ、前面および背面偏光子の消光軸から、普通45°、135°、225°および315°である。軸上の複屈折がこのようにシフトするため、セルの厚みに対して効果的に遅延が生じ、直線偏光の状態が楕円偏光から背面偏光子方向に対して±90°に向けられた直線偏光に変化し、前面偏光子を光が通過するようになる。
【0054】
反射状態では円偏光を生成することが要求され、一重のパターン化されたQWFを使用するか、または、例えば、パターン化されたQWFおよび標準的なHWFから、またはパターン化された二重のQWFおよびHWFから生成されるAQWFを使用する。駆動されていない暗い状態の場合、円偏光は変化せずにセルを通過し、反射され反対の掌性に変化し、セル中を変化せずに戻ってくる際に、前面偏光子の透過軸に垂直な方向の直線偏光にQWFまたはAQWFによって変化し、暗い状態が生じる。駆動された明るい状態の場合、セルは軸上リターデーションを今度は幾つか有しており、結果としてQWFまたはAQWFによって生成された円偏光が楕円偏光から直線偏光に変換され、この時点で光はミラーにより変化せずに反射され、入射時と同じ掌性の円偏光に戻され、偏光子の透過軸と同じ方向の直線に戻され、明るい状態となる。
【0055】
本発明のVA−LCDにおいて、好ましくは、偏光子、LCセル、QWFおよび随意的にさらに位相フィルムを含む光学層は、それらの光学軸が互いに相対的に特定の配向方向を有するように配置される。これによって、単一の(有色)QWFによって生じる反射モード中での色度が低下し、追加のHWFが不必要となり、光学フィルムの数を減らすことができる。
【0056】
比較のため、
図2は、従来技術の半透過型VA−LCDにおいて光学要素の典型的な重層の断面図を示し、反射サブピクセル12aおよび透過サブピクセル12bに分割されたLC層、反射子14a、前面および背面偏光子13a/b、前面HWF20aおよび前面QWF21a、および背面HWF20bおよび背面QWF21bを含む。
【0057】
偏光子13a/bの消光軸の方向は、偏光フィルム面内において、それぞれ+45°および−45°である。前面HWF20aおよび前面QWF21aの光学軸の方向は、それぞれ+30°および−30°であり、背面HWF20bおよび背面QWF21bの光学軸の方向は、それぞれ−60°および+60°である。
【0058】
図3は、本発明の第1の好ましい態様による半透過型VA−LCDにおける光学要素の重層の断面図を示し、反射サブピクセル12aおよび透過サブピクセル12bに分割されたLC層、反射子14(反射子14a2および
図1の段差18を含む)、前面および背面偏光子13a/b、および、2つのHWF(20a/b)およびQWF(21a/b)の代わりにパターン化されたセル内QWF16を含む。パターン化されたセル内QWF16は、1/4波長領域16aのパターンを有し、反射サブピクセルおよび光学的等方領域16bを覆い、透過サブピクセルを覆う。偏光子13a/bの透過軸は0°および+90°をそれぞれ向いており、QWF領域16aの光学軸は+45°を向いている。
【0059】
図4は、本発明の第2の好ましい態様による半透過型VA−LCDにおける光学要素の重層の断面図を示し、
図3に示す要素に加え、前面HWF20aを更に含む。偏光子13a/bの透過軸は+30°および+90°をそれぞれ向いており、セル内QWF領域16aの光学軸は−45°を向いており、前面HWF20aの光学軸は+15°を向いている。
【0060】
図5は、本発明の第3の好ましい態様による半透過型VA−LCDにおける光学要素の重層の断面図を示し、
図4に示す要素および背面HWF20bを更に含む。偏光子13a/bの透過軸は+30°および−60°をそれぞれ向いており、セル内QWF領域16aの光学軸は−45°を向いており、前面および背面HWF20a/bの光学軸は+15°および−75°をそれぞれ向いている。
【0061】
図6は、本発明の第4の好ましい態様による半透過型VA−LCDにおける光学要素の重層の断面図を示し、
図3に示す要素を含み、パターン化されたセル内HWF19を加えて有する。パターン化されたセル内HWF19は、半波長位相差を有する領域19aのパターンを有し、反射サブピクセルおよび随意的に光学的等方領域19bを覆っており、透過サブピクセルを覆う。偏光子13a/bの透過軸は0°および+90°をそれぞれ向いており、セル内QWF領域16aの光学軸は+75°を向いており、セル内HWF領域19aの光学軸は+15°を向いている。
【0062】
図7は、本発明の第5の好ましい態様による半透過型VA−LCDにおける光学要素の重層の断面図を示し、
図6に示す要素を含む。ディスプレイは、加えて、フィルム板に垂直な光学軸を有する背面−C板位相差フィルム22と、フィルム面に平行な光学軸を有する背面+A板位相差フィルム23とを有する。偏光子13a/bの透過軸は0°および+90°をそれぞれ向いており、セル内QWF領域16aの光学軸は+75°を向いており、セル内HWF領域19aの光学軸は+15°を向いており、+A板22の光学軸は0°を向いている。
【0063】
好ましい他の態様においては、+A−板および−C−板の代わりに、二軸性の負のCフィルムが使用されている。適当で好ましい二軸性の負のCフィルムは、例えば、WO 03/054111に開示されているものであり、変形らせんのコレステリック構造を有する重合されたLC材料を有し、380nmより短い反射波長を有する。二軸性フィルムは、好ましくは、重層のバックライト側で、偏光子13bおよびLC層12の間に配置され、反射性の要素を阻害しない。
【0064】
他の好ましい態様において、QWFが、さらに、反射サブピクセルを覆う3つの異なるリターデーションを有するR−、G−およびB−ピクセルのパターンを示し、直線偏光を円偏光に変換する効率が赤(R)、緑(G)または青(B)の色それぞれに最適化されるようにフィルムのR−、G−およびB−ピクセルにおけるリターデーションを選択することも可能である。QWFの配置は、それのR−、G−およびB−ピクセルが対応するディスプレイの反射R−、G−およびB−サブピクセルを覆うようにする。
【0065】
R、G、B−ピクセル化QWFでは、R−、G−およびB−ピクセルでのリターデーション値は、好ましくは下記のように選択する。
【0066】
波長600nmの赤色光では、リターデーションは140〜190nm、好ましくは145〜180nm、非常に好ましくは145〜160nm、最も好ましくは150nmである。
【0067】
波長550nmの緑色光では、リターデーションは122〜152nm、好ましくは127〜147nm、非常に好ましくは132〜142nm、最も好ましくは137nmである。
【0068】
波長450nmの青色光では、リターデーションは85〜120nm、好ましくは90〜115nm、非常に好ましくは100〜115nm、最も好ましくは112nmである。
【0069】
R、G、B−ピクセル化HWFでは、R−、G−およびB−ピクセルでのリターデーション値は好ましくは、上記のQWFの好ましい値の2倍である。
【0070】
本発明によるLCDでは、直線偏光板(13a/b)は、例えば、例えば延伸色素ドーププラスチックフィルムを含む標準的な吸収偏光板である。例えばEP−A−0397263に記載のような均一な平面配向を有する重合化LC材料および可視光吸収性の二色性色素を有する直線偏光板を用いることも可能である。
【0071】
Aプレートは例えば、延伸プラスチックフィルムまたは例えばWO98/04651に開示のようなプラナー構造を有する重合化LC材料のフィルムである。負のC−板は、好ましくは、例えばWO 01/20393に開示されるように、ピッチが短いコレステリックでUV領域を反射する重合化されたLC材料である。しかしながら、例えばUS5619352に開示されているような先行技術で公知の他のAプレートおよびCプレート位相差板、またはWO 03/054111で開示されているような二軸性フィルムを用いることも可能である。
【0072】
偏光板(13a/b)およびHWF(20)、QWF(21)、Aプレート(22)およびCプレート(23)のような外部位相差板を、市販のPSAフィルム(感圧接着剤)のような接着層(不図示)によって基板に貼り付けることができる。
【0073】
好ましい態様において、QWFは色消しQWF(AQWF)(または、ブロードバンドまたはワイドバンドQWF)であり、可視スペクトル中の広い波長バンドに渡って、好ましくは全ての可視波長において、直線偏光を円偏光に変換する。この態様のAQWFは、好ましくは、AQWFへの入射光の波長を実質的に1/4波長遅延させるものであり、450nm、550nmおよび650nmの波長で、それぞれ計測される。用語「実質的に1/4波長」とは、AQWFのリターデーションをr、λを光の波長とした際に、比r/λが0.2〜0.3までの範囲を意味し、好ましくは0.22〜0.28、最も好ましくは0.24〜0.26である。リターデーションrはr=d(n
x−n
y)と定義され、dはフィルム厚、n
xおよびn
yはフィルム面の主屈折率である。
【0074】
上記の通り、AQWFは、例えば、セル内または外のQWFおよびHWF層を、直接お互いに隣接させるか、1つ以上の透明でリターデーションのない層(例えば、接着層)で分離することで作製できる。AQWFは、例えば、EP−A−1363144に記載されるように作製することができ、QWFおよびHWFを組み合わせ、両者とも平面配向の重合化LC材料を有しており、互いに平行に配置されており、それらの光学軸は互いに相対的に40°〜80°を向いており、好ましくは55°〜65°、最も好ましくは60°である。
【0075】
特に好ましいものは、PCT/EP/2004/003547に記載のパターニング光学的位相差フィルムである。好ましくは、パターニングフィルムは、以下の工程を含む方法により調製される:
a)基板上に少なくとも1種類の
光異性化可能な化合物を含む重合性LC材料層を設ける工程と;
b)前記LC材料層をプラナー配向に配列する工程と;
c)前記層またはその層の選択された領域における前記LC材料を、前記光異性化可能な化合物の異性化を引き起こす光照射、好ましくはUV照射で露光する工程と;
d)前記材料の前記露光領域の少なくとも一部で前記LC材料を重合させることで、前記配向を固定する工程と;および
e)任意の工程として、前記基板から前記重合フィルムを取り出す工
程。
【0076】
ただし、前記LC材料のリターデーションおよび/または配向は、
光異性化可能な化合物の量および/または種類を変えることで、および/または光照射の強度および/または露光時間を変えることで制御される。
【0077】
本発明によるLCDで用いるのに好適なパターニング位相差板が、先行技術に記載されている。例えば、WO03/019276およびVan der Zandeら、Proceedings of the SID、2003年、第194〜197頁に開示の位相差板を用いることができる。
【0078】
特に好ましいものは、PCT/EP/2004/003547に記載のパターニング光学的位相差フィルムである。好ましくは、パターニングフィルムは、以下の工程を含む方法により調製される:
a)基板上に少なくとも1種類の光重合性化合物を含む重合性LC材料層を設ける工程と;
b)前記LC材料層をプラナー配向に配列する工程と;
c)前記層またはその層の選択された領域における前記LC材料を、前記異性化可能な化合物の異性化を引き起こす光照射、好ましくはUV照射で露光する工程と;
d)前記材料の前記露光領域の少なくとも一部で前記LC材料を重合させることで、前記配向を固定する工程と;および
e)任意の工程として、前記基板から前記重合フィルムを取り出す工程とである。
【0079】
ただし、前記LC材料のリターデーションおよび/または配向は、光重合可能な化合物の量および/または種類を変えることで、および/または光照射の強度および/または露光時間を変えることで制御される。
【0080】
好ましくは、LC材料は、光異性化および光重合を引き起こす光で露光される。光異性化の工程と光重合の工程は、異なる条件下で、特に異なるガス雰囲気下で行われ、特に好ましくは、光異性化は酸素存在下で行われ、光重合は酸素の非存在下で行われる。
【0081】
特別に好ましいものは、異なるリターデーションを有する少なくとも2つの領域およびLC材料の異なる配向を有する少なくとも2つの領域を有する重合液晶(LC)材料を含むパターニングフィルムであり、リターデーションが異なる前記領域は配向も異なっていても良く、あるいはそれらは異なる領域であっても良い。そこで例えば、前記フィルムは、第1および第2の領域のパターンを有し、その第1および前記第2の領域はリターデーションおよび配向の両方が異なる。別の実施形態では、前記フィルムは第1、第2および第3の領域のパターンを有し、前記第1および第2の領域はリターデーションおよび配向のいずれかで異なっており、前記第3の領域は、前記第1および前記第2の領域の少なくともいずれかと、リターデーションおよび配向のうちの少なくとも一つで異なっている。別の実施形態において、前記フィルムは、第1、第2、第3および第4の領域のパターンを有し、それぞれが互いの領域とは異なるリターデーションを有し、前記領域のうちの2つが同じ配向を有する。他の組合せも可能である。
【0082】
本発明で記載の具体的な条件および材料は別として、工程a)〜e)は、当業者には公知であって、文献に記載されている標準的な手順に従って行うことができる。
【0083】
重合性LC材料は、光異性化可能な化合物、好ましくは光異性化可能なメソゲニックまたはLC化合物、非常に好ましくは重合性でもある光異性化可能な化合物を含む。異性化可能な化合物は、特定波長の光、例えばUV光に曝露されると、例えばE−Z−異性化によって形状を変える。それによって、LC材料の均一なプラナー配向の混乱が生じて、複屈折の低下を生じる。配向LC層の光遅延はLC材料の層厚dと複屈折Δnの積d・Δnとして与えられることから、複屈折の低下は、LC材料の照射部分でのリターデーション低下も生じる。次に、フィルム全体の照射領域のin situ重合によって、LC材料の配向およびリターデーションを固定する。
【0084】
LC材料の重合は、例えば熱重合または光重合によって行われる。光重合を用いる場合、LC材料の光異性化および光重合に使用される光の種類は、同一であっても異なっていても良い。LC材料の光異性化および光重合の両方を引き起こす波長の光、例えばUV光を用いる場合、光異性化および光重合の工程は好ましくは、異なる条件下で、特には異なるガス雰囲気下で行う。その場合、好ましくは光異性化は、空気中などの酸素存在下で行い、光重合は酸素の非存在下に、特に好ましくは窒素やアルゴンのような希ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行う。異性化工程を酸素存在下または空気中で行うと、酸素が材料中に存在する光重合剤からのフリーラジカルを捕捉することで、重合を防止する。次の工程では、酸素または空気を除去し、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスに置き換えることで、重合を起こさせる。それによって、工程の制御を良好にすることができる。
【0085】
LC材料の層での異性化の程度、従って複屈折変化は、例えば照射線量、すなわち光の強度、露光時間および/またはパワーを変えることで制御することができる。さらに、光源とLC層の間にフォトマスクを設けることで、互いに異なる特定のリターデーション値を有する領域またはピクセルのパターンを持ったフィルムを製造することができる。例えば、簡単な単色マスクを用いて、2つの異なるリターデーション値からなるフィルムを形成することができる。異なるリターデーションの複数領域を示すより複雑なフィルムは、階調マスクを用いて形成することができる。所望のリターデーション値を得た後、LC層を重合させる。このようにして、初期LC層のものからゼロまでの範囲のリターデーション値を有するポリマー位相差フィルムを形成することができる。初期LC材料層でのリターデーション値は、層厚ならびにLC材料の個々の構成成分の種類および量を適切に選択することで制御される。
【0086】
重合性LC材料は好ましくは、ネマチックまたはスメクチックLC材料、特にはネマチック材料であり、好ましくは少なくとも1種類のジ反応性または多反応性アキラルRMおよび適宜に1種類以上のモノ反応性アキラルRMを含む。ジまたは多反応性RMを用いることによって、構造が永久的に固定され、温度または溶媒などの外部の影響に対する高い機械的安定性と光学特性の高い安定性を示す架橋フィルムが得られる。従って、架橋LC材料を含むフィルムが特に好ましい。
【0087】
本発明で使用される重合性メソゲンモノ−、ジ−および多反応性化合物は、それ自体公知であって、例えば有機化学の標準的な著作、例えば、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、Thieme−Verlag、Stuttgartに記載されている方法によって製造することができる。
【0088】
重合性LC混合物中のモノマーまたはコモノマーとして使用可能な好適な重合性メソゲン化合物の例は、例えばWO93/22397、EP0261712、DE19504224、WO95/22586、WO97/00600およびGB2351734に開示されている。しかしながら、これら文書に開示されている化合物は、単に例と見なされるべきものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0089】
特別に重要な重合性メソゲン化合物(反応性メソゲン類)の例を下記に挙げているが、これらは単に例示的なものとすべきであって、いかなる形でも本発明を限定するものではなく、本発明を説明するためのものである。
【0091】
【化1.2】
上記の式において、Pは重合性基、好ましくはアクリル、メタクリル、ビニル、ビニロキシ、プロペニルエーテル、エポキシ、オキセタンまたはスチリル基であり;xおよびyは1〜12の同一または異なった整数であり;Aは、L
1によってモノ置換、ジ置換もしくはトリ置換されていても良い1,4−フェニレン、または1,4−シクロヘキシレンであり;uおよびvは互いに独立に、0または1であり;Z
0は−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり;R
0は極性基または非極性基であり;L、L
1およびL
2は互いに独立に、H、F、Cl、CNまたは1〜7個のC原子を有するハロゲン化されていても良いアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシ基であり;rは0、1、2、3または4である。上記の式中におけるフェニル環は、1、2、3または4個の基Lによって置換されていても良い。
【0092】
これに関して「極性基」という用語は、F、Cl、CN、NO
2、OH、OCH
3、OCN、SCN、4個以下のC原子を有するフッ素化されていても良いアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ基、あるいは1〜4個のC原子を有するモノ−、オリゴ−またはポリフッ素化アルキルもしくはアルコキシ基から選択される基を意味する。「非極性基」という用語は、「極性基」の上記定義によって網羅されない、1以上、好ましくは1〜12個のC原子を有するハロゲン化されていても良いアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ基を意味する。
【0093】
特別に好ましいものは、例えば上記式Igの化合物のような、高い複屈折を有するアセチレン基またはトラン基を有する1以上の重合性化合物を含む混合物である。好適な重合性トラン類は、例えばGB2351734に記載されている。
【0094】
好適な光異性化可能な化合物は公知である。光異性化可能な化合物の例には、アゾベンゼン類、ベンズアルドキシム類、アゾメチン類、スチルベン類、スピロピラン類、スピロオキサジン類、フルギド類、ジアリールエテン類、ケイ皮酸化合物類などがある。さらに別の例には、例えばEP1247796に記載のような2−メチレンインダン−1−オン類、ならびに例えばEP1247797に記載のような(ビス−)ベンジリデンシクロアルカノン類がある。
【0095】
特に好ましくはLC材料は、1以上のケイ皮酸化合物、特には例えばUS5770107(P0095421)およびEP02008230.1に記載のようなケイ皮酸化合物、特に、ケイ皮酸エステル反応性メソゲン(RM)を含む。非常に好ましくはLC材料は、下記式から選択される1以上のケイ皮酸エステルRMを含む。
【0096】
【化2】
式中、P、Aおよびvは上記の意味を有し;Lは、上記で定義のL
1のいずれか1つの意味を有し;Spは、例えば1〜12個のC原子を有するアルキレンまたはアルキレンオキシなどのスペーサ基または単結合であり;Rは、Yまたは上記で定義のR
0であるか、P−Spを意味する。
【0097】
特に好ましいものは、上記で定義の極性末端基Yを有するケイ皮酸化合物RMである。非常に好ましいものは、RがYである式IIIおよびIVのケイ皮酸化合物RMである。
【0098】
LC材料において光異性化を引き起こすのに使用される光照射は、光異性化可能な化合物の種類によって決まり、当業者は容易に選択することができる。通常、UV光によって誘発される光異性化を示す化合物が好ましい.例えば、式III、IVおよびVの化合物のようなケイ皮酸化合物の場合、代表的にはUV−A範囲(320〜400nm)の波長または365nmの波長を有するUV光を用いる。
【0099】
高含有量で光異性化可能な化合物を含む重合性LC材料は、光学的位相差フィルムのリターデーションの容易な制御および調節が可能になることから、そのような材料が本発明の目的のために特に有用であることが見出された。例えば、高含有量で光異性化可能な化合物を含むLC混合物の配向層は、光異性化を誘発する光照射を受け、照射時間が増大するにつれて、リターデーションの低下が大きくなることを示す。そのような材料では、リターデーションをより広い範囲の値内で変えることができ、ごくわずかなリターデーション変化しか示さない材料と比較して、例えば照射時間を変えることで、より正確に制御することができる。
【0100】
従って、本発明の好ましい実施形態によれば、重合性LC材料の重合性成分は、少なくとも12モル%の光異性化可能な化合物、好ましくはケイ皮酸化合物RM、最も好ましくは式III、IVおよびVから選択されるものを含む。
【0101】
「重合性成分」という用語は、総重合性混合物中の重合性メソゲンおよび非メソゲン化合物を指す。すなわち開始剤、界面活性剤、安定剤、溶剤などの他の非重合性成分および添加剤を含まない。
【0102】
好ましくはLC材料の重合性成分は、12〜100モル%、非常に好ましくは40〜100モル%、特には60〜100モル%、最も好ましくは80〜100モル%の光異性化可能な化合物、好ましくはケイ皮酸化合物RM、最も好ましくは式III、IVおよびVから選択されるものを含む。
【0103】
別の好ましい実施形態では、LC材料の重合性成分は、20〜99モル%、好ましくは30〜80モル%、最も好ましくは40〜65モル%の光異性化可能な化合物、好ましくはケイ皮酸化合物RM、最も好ましくは式III、IVおよびVから選択されるものを含む。
【0104】
別の好ましい実施形態では、LC材料の重合性成分は、100モル%の光異性化可能なRM、好ましくはケイ皮酸化合物RM、最も好ましくは式III、IVおよびVから選択されるものを含む。
【0105】
重合フィルムにおけるLC−分子(ダイレクタ)のチルト角θは、リターデーション測定から求めることができる。それらの測定から、LC材料を光異性化に用いられる光照射に、比較的長時間または比較的高い光強度で露光すると、それの最初のプラナー配向がチルト配向またはスプレイ配向に変わることが示される。特に、これらのスプレイ型フィルムは、低プレチルト基板上の形成されるスプレイ型LCフィルムに通常伴うリバース・チルト欠陥を示さない。従って、本発明による方法は、均一なスプレイ配向の位相差フィルムを得る優れた方途を提供するものである。
【0106】
そこで、本発明の別の好ましい実施形態によれば、フィルムにおけるLC材料の配向は、LC材料において異性化を引き起こすのに用いられる光照射の照射時間および/または強度を変えることで制御される。この好ましい実施形態は、上記の工程a)〜e)に記載されたように、プラナー配向を有する重合性LC材料層中の配向を変えることにより、スプレイ構造を有し、リバース・チルト欠陥の数が少なく、あるいはチルト欠陥がない重合LCフィルムの製造方法に関するものでもある。
【0107】
この実施形態は、好ましくは厚さが3μm未満、非常に好ましくは0.5〜2.5μmである、前記方法によって得られるスプレイ配向フィルムに関するものでもある。
【0108】
最適な照射時間および照射強度は、使用されるLC材料の種類、特にはLC材料中の光異性化可能な化合物の種類および量によって決まる。
【0109】
上述のように、例えばケイ皮酸化合物RMを含む重合性LC材料のリターデーション低下は、ケイ皮酸化合物RMの濃度が高い混合物では大きくなる。他方、高線量のUV光で重合性LC材料を照射すると、スプレイ配向フィルムが形成される。
【0110】
そこで、LC層でのリターデーションおよび配向の変化を制御するための別の方法は、LC層におけるプラナー配向をなお維持しながら、光異性化可能な化合物の濃度の関数として、光異性化によって得られるリターデーションの最大低下を規定することである。
【0111】
プラナーからスプレイへの配向変化が必要とされない本発明によるフィルムの製造方法で使用される重合性LC混合物では、重合性成分は好ましくは、40〜90モル%、非常に好ましくは50〜70%の光異性化可能な式III、IVおよび/またはVのケイ皮酸化合物を含む。
【0112】
プラナーからスプレイへの配向変化が望ましい本発明によるフィルムの製造方法で使用される重合性LC混合物では、重合性成分は好ましくは、100%の式III、IVおよび/またはVの光異性化可能なケイ皮酸化合物を含む。
【0113】
また、プラナーからスプレイへの配向変化が望ましい本発明によるフィルムの製造方法で使用される重合性LC混合物は好ましくは、Rがアルキル基である式IIIまたはIVの光異性化可能なケイ皮酸化合物を含まない。
【0114】
フォトマスク法を用いることによって、この第2の好ましい実施形態による方法を用いて、異なる配向および/または異なるリターデーションを持った領域を有するパターニングフィルムを製造することができる。
【0115】
特に好ましいものは、プラナー配向を持つ少なくとも一つの領域およびスプレイド配向を持つ少なくとも一つの領域を有するフィルムである。
【0116】
さらに好ましいものは、リターデーションがゼロである少なくとも一つの領域を有するフィルムである。
【0117】
上記の方法を用いて、複数の重合LCフィルムを含み、それぞれがLC材料の異なる配向を有する複数層を、以下の工程を含む方法によって製造することもできる:
A)基板上に少なくとも1種類の光異性化可能な化合物を含む重合性LC材料の第1の層を設ける工程と、
B)LC材料の前記第1の層をプラナー配向に配列し、前記材料を重合させることで前記配向を固定する工程と、
C)前記第1の層を基板として用いて、A)およびB)の工程により、LC材料の第2の層を設ける工程である。
【0118】
ただし、前記第1のおよび第2の層の少なくとも一方またはそれらの層の選択された領域中の前記LC材料を、重合前に、前記異性化可能な化合物の異性化を引き起こす光、好ましくはUV光に露光する方法である。
【0119】
特に好ましいものは、2以上、非常に好ましくは2、3または4個の重合LCフィルムを有する多層構造である。
【0120】
例えば、第1の重合プラナーLCフィルムを、上記の方法に従って製造する。そのフィルムを基板として用い、次に同じLC混合物の第2の層でコーティングする。次に、第2の層もプラナー方向に配列する。そうして、2枚のプラナー重合LCフィルムを含む積層構造を製造することができる。重合前に、第2の層を、例えば十分な線量のUV光で照射すると、それはスプレイ構造を示す。従って、プラナーおよびスプレイ型重合LCフィルムを含む積層構造を製造することができる。
【0121】
重合前に、第1の層のLC混合物を例えば十分な線量のUV光で照射すると、第1の層はスプレイ型LCフィルムを生じる。同じLC混合物の第2の層でこのスプレイ型フィルムをコーティングし、照射してから重合させると、第2の層はホメオトロピック的に配列した層を形成することから、スプレイおよびホメオトロピックフィルムの積層構造体を製造することができる。
【0122】
特に好ましいものは、プラナー配向を持つ少なくとも一つの層およびスプレイ配向を持つ少なくとも一つの層を有する多層体である。
【0123】
さらに好ましいものは、スプレイ配向を持つ少なくとも一つの層およびホメオトロピック配向を持つ少なくとも一つの領域を有する多層体である。
【0124】
上記の方法を組み合わせて、異なる配向を持った領域と異なるリターデーションを持った領域のパターンを有するフィルムを製造することもできる。
【0125】
上記の方法を組み合わせて、2以上の層を有する多層体であって、少なくとも一つの層が異なる配向を有する領域および/または異なるリターデーションを領域のパターンを有する多層体を製造することも可能である。
【0126】
ポリマーフィルムを製造するには、重合性LC混合物で好ましくは基板をコーティングし、それを好ましくはプラナー配向に配列し、異性化させて、所望のリターデーションまたは配向パターンを形成し、例えば熱または化学線照射への曝露によってin situで重合させてLC分子の配向を固定する。アラインメントおよび硬化は、混合物のLC相で行われる。
【0127】
本発明によるディスプレイおよび光学素子では、重合性および異性化可能なLC材料を、好ましくは基板として機能するカラーフィルター上に、あるいはカラーフィルター上に設けられたアラインメント層上に塗布する。
【0128】
重合性LC材料は、スピンコーティングまたはブレードコーティングのような従来のコーティング技術によって基板上に塗布することができる。それは、例えばスクリーン印刷、オフセット印刷、オープンリール印刷、凸版印刷、グラビア印刷、輪転グラビア印刷、フレキソ印刷、凹版印刷、パッド印刷、ヒートシール印刷、インクジェット印刷またはスタンプもしくは印刷版による印刷などの専門家には公知である従来の印刷技術によって基板上に塗布することもできる。
【0129】
重合性メソゲン材料を好適な溶媒に溶解させることも可能である。次にその溶液を、例えばスピンコーティングまたは印刷その他の公知の方法によって基板上にコーティングまたは印刷し、溶媒を留去してから重合させる。ほとんどの場合、混合物を加熱して、溶媒の留去を促進することが好適である。溶媒としては、例えば標準的な有機溶媒を用いることができる。溶媒は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトンまたはシクロヘキサノンなどのケトン類;メチル−、エチル−またはブチル酢酸あるいはアセト酢酸メチルなどの酢酸エステル類;メタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコールなどのアルコール類;トルエンまたはキシレンなどの芳香族溶媒;塩化メチレンまたはトリクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;PGMEA(プロピルグリコールモノメチルエーテルアセテート)、γ−ブチロラクトンなどのグリコール類またはそれらのエステル類から選択することができる。上記溶媒の2成分、3成分またはそれ以上の混合物を用いることもできる。
【0130】
重合性LC材料の初期アラインメント(例:プラナーアラインメント)は、例えば材料がコーティングされている基板をラビング処理することで、コーティング時またはコーティング後に材料を剪断することで、アラインメント層を設けることで、磁場または電界をコーティング材料にかけることで、あるいはLC材料に表面活性化合物を加えることで得ることができる。アラインメント法の総説については、例えば、I.Sage著、“Thermotropic Liquid Crystals”、G.W.Gray編、John Wiley &Sons社、1987年、第75〜77頁およびT.UchidaおよびH.Seki著、“Liquid Crystals−Applications and Uses 第3巻”、B.Bahadur著、World Scientific Publishing、Singapore、1992年、第1〜63頁がある。アラインメントの材料および方法についての総説は、J.Cognard著、Mol.Cryst.Liq.Cryst.、第78巻、補足版第1巻、1981年、第1〜77頁にある。
【0131】
好ましい実施形態では、重合性LC材料は基板上のLC分子のプラナーアラインメントを誘導または促進する添加剤を含む。好ましくはその添加剤は、1以上の界面活性剤を含む。好適な界面活性剤は、例えば、J.Cognard著、Mol.Cryst.Liq.Cryst.、第78巻、,補足版第1巻、第1〜77頁、1981年刊に記載されている。特に好ましいものは、ノニオン系界面活性剤、例えば市販のフルオロカーボン系界面活性剤Fluorad FC−171(登録商標;3M社製)またはZonyl FSN(登録商標;デュポン社製)などのフルオロカーボン系界面活性剤およびGB0227108.8に記載の界面活性剤である。
【0132】
別の好ましい実施形態では、アラインメント層を基板上に設け、位相差フィルムを形成する重合性LC材料をそのアラインメント層上に塗布する。アラインメント層は、LC材料においてプラナー配向などの所望の初期配向を誘導する。次に、上記の方法に従って、LC材料を異性化し、硬化させる。好適なアラインメント層は、例えばラビング処理されたポリイミドまたはUS5602661、US5389698またはUS6717644に記載の光アラインメントによって製造されるアラインメント層のように、当業界では公知である。
【0133】
重合は、例えば熱または化学線照射への曝露によって行うことができる。化学線照射とは、UV光、IR光または可視光のような光の照射、X線またはγ線照射、あるいはイオンまたは電子などの高エネルギー粒子の照射を意味する。好ましくは重合は、非吸収波長でのUV照射によって行う。化学線源としては、例えば単一のUVランプまたはUVランプセットを用いることができる。高ランプパワーを用いると、硬化時間を短縮することができる。化学線の別の可能な線源は、UVレーザ、IRレーザまたは可視レーザなどのレーザである。
【0134】
重合は好ましくは、化学線の波長で吸収を行う開始剤の存在下で行う。例えば、UV光によって重合を行う場合、UV照射下に分解して、重合反応を開始するフリーラジカルまたはイオンを生成する光開始剤を用いることができる。アクリル酸エステル基またはメタクリル酸エステル基を有する重合性材料を硬化する場合、好ましくはラジカル光開始剤を用い、ビニル基、エポキシド基およびオキセタン基を有する重合性材料を硬化する場合は、好ましくはカチオン性光開始剤を用いる。加熱すると分解して、重合を開始するフリーラジカルまたはイオンを生成する重合開始剤を用いることも可能である。ラジカル重合用の光開始剤としては、例えば市販のIrgacure 651、Irgacure 184、Darocure 1173またはDarocure 4205(いずれもチバ・ガイギー社製)を用いることができ、一方でカチオン光重合の場合には市販のUVI 6974(ユニオン・カーバイド社製)を用いることができる。
【0135】
硬化時間は、特に重合性材料の反応性、コーティング層の厚さ、重合開始剤の種類およびUVランプのパワーによって決まる。本発明による硬化時間は、好ましくは10分以内であり、特に好ましくは5分以内であり、非常に好ましくは2分未満である。大量生産の場合、3分以内、非常に好ましくは1分以内、特には30秒以内という短い硬化時間が好ましい。
【0136】
混合物は、重合に用いられる光線の波長に対して調節された最大吸収を有する1以上の色素、特にはUV色素、例えば4,4’−アゾキシアニソールまたは市販のTinuvin(チバ社、バーゼル、スイス国)なども含むことができる。
【0137】
別の好ましい実施形態では、重合性材料の混合物は、1個の重合性官能基を有する1以上の非メソゲン化合物を70%以下、好ましくは1〜50%含む。代表的な例は、アクリル酸アルキル類またはメタクリル酸アルキル類である。
【0138】
ポリマーの架橋を増やすため、2官能性または多官能性の重合性メソゲン化合物に代えて、あるいはそれに加えて、重合性LC材料に2以上の重合性官能基を有する1以上の非メソゲン化合物を20%以下で加えてポリマーの架橋を増やすことも可能である。2官能性非メソゲンモノマーの代表的な例には、1〜20個のC原子のアルキル基を有するジアクリル酸アルキル類またはジメタクリル酸アルキル類がある。多官能性非メソゲンモノマーの代表的な例は、トリメチロールプロパントリメタクリレートまたはペンタエリスリトールテトラアクリレートである。
【0139】
重合性材料に1以上の連鎖移動剤を加えて、本発明のポリマーフィルムの物性を変えることも可能である。特に好ましいものは、例えばドデカンチオールなどの1官能性チオール化合物または例えばトリメチロールプロパン・トリ(3−メルカプトプロピオネート)のような多官能性チオール化合物のようなチオール化合物、非常に好ましくは例えばWO96/12209、WO96/25470またはUS6420001に開示のようなメソゲニックまたは液晶性チオール化合物である。連鎖移動剤を加えると、遊離ポリマー鎖の長さおよび本発明のポリマーフィルムにおける2つの架橋間のポリマー鎖の長さを制御することができる。連鎖移動剤の量を増加させると、得られるポリマーフィルムにおけるポリマー鎖長は減少していく。
【0140】
重合性LC材料はさらに、ポリマー結合剤またはポリマー結合剤を形成することができる1以上のモノマーおよび/または1以上の分散補助剤を含むことができる。好適な結合剤および分散補助剤は、例えばWO96/02597に開示されている。しかしながら特に好ましいものは、結合剤も分散補助剤も含まないLC材料である。
【0141】
重合性LC材料はさらに、例えば触媒、増感剤、安定剤、阻害剤、連鎖移動剤、共反応性モノマー、表面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動改善剤、消泡剤、脱泡剤、希釈剤、反応性希釈剤、補助剤、着色剤、染料または顔料などの1以上の他の好適な成分を含むことができる。
【0142】
前述のパターニング層に代えて、熱パターニングでパターニングフィルムを製造することも可能である。例えば、異性化可能な化合物を含む必要がない重合性LC材料の層を用いて、異なる領域を異なる温度にて重合させることで、異なる領域が、異なる複屈折、従って異なるリターデーションを有する。
【実施例】
【0143】
下記の実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。これらの実施例において、別段の断りがない限り、温度はいずれも摂氏単位であり、パーセントはいずれも重量パーセントとして与えられている。輝度、色度およびコントラストのプロットのような光学的性能のシミュレーションは、ベールマン4×4行列計算を用いて行う。
【0144】
<例1−パターニングQWFの製造>
下記の重合性LC混合物を調製する。
(13) 14.4%
(24) 18.0%
(35) 17.0%
(46) 17.0%
(57) 32.0%
イルガキュア651 1.0%
フルオラドFC171 0.6%
【0145】
【化3】
化合物(1)〜(5)は先行技術で報告されている。イルガキュア651は、市販の光開始剤である(チバ社製、バーゼル、スイス国)。フルオラドFC171は、市販のノニオン系フルオロカーボン界面活性剤(3M社製)である。
【0146】
混合物を溶解させて、50重量%キシレン溶液を調製する。この溶液をろ過し(0.2μm PTFE膜)、ガラス/ラビング処理ポリイミドスライド(日本合成ゴム社製、低プレチルトポリイミドJSR AL 1054)上にスピンコーティングする。コーティングフィルムを、階調(0:50:100%透過)マスクを用いて空気中にて、20mWcm
−2の313nm光で露光する。
【0147】
次に、得られたフィルムを、N
2雰囲気下に60秒間にわたり、20mWcm
−2のUV−A照射を用いて光重合することで、異なるリターデーションを持つ領域のパターンを有するパターニングフィルムを得る。
【0148】
<例2(比較例)−2つのQWFおよび2つのHWFを有する半透過型VAディスプレイ>
図2に示した光学層の積層体を有する半透過型VA LCDの光学的性能を計算する。構成要素のパラメータは以下の通りである。
前面偏光板方向: +45°
背面偏光板方向: −45°
LCのリターデーション
(反射サブピクセル): 240nm
LCのリターデーション
(透過サブピクセル): 480nm
前面QWFの光学軸: −30°
背面QWFの光学軸: +60°
前面/背面QWFのリターデーション:138nm
前面HWFの光学軸: +30°
背面HWFの光学軸: −60°
前面/背面HWFのリターデーション:275nm
透過および反射サブピクセルの角度輝度が、
図8A/Bに示されている。軸上輝度は、45.4%(透過)および44.0%(反射)である。
【0149】
反射および透過サブピクセルの明状態での色度プロットが、
図9A/Bに示されている。色度は、10.7%(透過)および7.3%(反射)である。
【0150】
反射および透過サブピクセルの軸上コントラストが、
図10A/Bに示されている。
【0151】
<例3〜8 パターン化されたセル内QWFを有する半透過型VAディスプレイ>
例3〜8のディスプレイにおいて、円偏光をもはや必要としないという事実のおかげで、透過モードにおいて、視角が劇的に増加している。また、このため、視角増強フィルムを使用することで、視角を更に広げることができる。
【0152】
<例3>
図3に示した光学層の積層体を有する本発明のピクセルで構成された半透過型VA LCDの光学的性能を計算する。
【0153】
構成要素のパラメータは以下の通りである。
前面偏光板方向: 0°
背面偏光板方向: +90°
LCのリターデーション
(反射サブピクセル): 240nm
LCのリターデーション
(透過サブピクセル): 480nm
セル内QWFの光学軸
(反射サブピクセル): +45°
セル内QWFのリターデーション
(反射サブピクセル): 138nm
パターン化されたセル内QWFは、例えば、例1に記載されるようにして作製される。
【0154】
透過および反射サブピクセルの角度輝度が、
図11A/Bに示されている。軸上輝度は、45.2%(透過)および43.4%(反射)である。
【0155】
反射および透過サブピクセルの明状態での色度プロットが、
図12A/Bに示されている。色度は、9.5%(透過)および10.6%(反射)である。
【0156】
透過および反射サブピクセルの軸上コントラストが、
図13A/Bに示されている。
【0157】
<例4>
図4に示した光学層の積層体を有する本発明のピクセルで構成された半透過型VA LCDの光学的性能を計算する。
【0158】
構成要素のパラメータは以下の通りである。
前面偏光板方向: +30°
背面偏光板方向: +90°
LCのリターデーション
(反射サブピクセル): 240nm
LCのリターデーション
(透過サブピクセル): 480nm
セル内QWFの光学軸
(反射サブピクセル): −45°
セル内QWFのリターデーション
(反射サブピクセル): 138nm
前面HWFの光学軸: +15°
前面HWFのリターデーション: 275nm
パターン化されたセル内QWFは、例えば、例1に記載されるようにして作製される。
【0159】
透過および反射サブピクセルの角度輝度が、
図14A/Bに示されている。軸上輝度は、45.1%(透過)および44.0%(反射)である。
【0160】
反射および透過サブピクセルの明状態での色度プロットが、
図15A/Bに示されている。色度は、9.5%(透過)および7.0%(反射)である。
【0161】
透過および反射サブピクセルの軸上コントラストが、
図16A/Bに示されている。
【0162】
<例5>
図5に示した光学層の積層体を有する本発明のピクセルで構成された半透過型VA LCDの光学的性能を計算する。
【0163】
構成要素のパラメータは以下の通りである。
前面偏光板方向: +30°
背面偏光板方向: −60°
LCのリターデーション
(反射サブピクセル): 240nm
LCのリターデーション
(透過サブピクセル): 480nm
セル内QWFの光学軸
(反射サブピクセル): −45°
セル内QWFのリターデーション
(反射サブピクセル): 138nm
前面HWFの光学軸: +15°
背面HWFの光学軸: −75°
前面/背面HWFのリターデーション:275nm
パターン化されたセル内QWFは、例えば、例1に記載されるようにして作製される。
【0164】
透過および反射サブピクセルの角度輝度が、
図17A/Bに示されている。軸上輝度は、45.7%(透過)および44.0%(反射)である。
【0165】
透過および反射サブピクセルの明状態での色度プロットが、
図18A/Bに示されている。色度は、8.8%(透過)および7.0%(反射)である。
【0166】
透過および反射サブピクセルの軸上コントラストが、
図19A/Bに示されている。
【0167】
<例6>
図6に示した光学層の積層体を有する本発明のピクセルで構成された半透過型VA LCDの光学的性能を計算する。
【0168】
構成要素のパラメータは以下の通りである。
前面偏光板方向: 0°
背面偏光板方向: +90°
LCのリターデーション
(反射サブピクセル): 240nm
LCのリターデーション
(透過サブピクセル): 480nm
セル内QWFの光学軸
(反射サブピクセル): +75°
セル内QWFのリターデーション
(反射サブピクセル): 138nm
セル内HWFの光学軸
(反射サブピクセル): +15°
セル内HWFのリターデーション
(反射サブピクセル): 275nm
パターン化されたセル内QWFおよびHWFは、例えば、例1に記載されるようにして作製される。
【0169】
反射および透過サブピクセルの角度輝度が、
図20に示されている。軸上輝度は、45.2%(反射)および43.4%(透過)である。
【0170】
透過および反射サブピクセルの明状態での色度プロットが、
図21A/Bに示されている。色度は、9.5%(透過)および10.6%(反射)である。
【0171】
透過および反射サブピクセルの軸上コントラストが、
図22A/Bに示されている。
【0172】
<例7>
図7に示した光学層の積層体を有する本発明のピクセルで構成された半透過型VA LCDの光学的性能を計算する。
【0173】
構成要素のパラメータは以下の通りである。
前面偏光板方向: 0°
背面偏光板方向: +90°
LCのリターデーション
(反射サブピクセル): 240nm
LCのリターデーション
(透過サブピクセル): 480nm
セル内QWFの光学軸
(反射サブピクセル): +75°
セル内QWFのリターデーション
(反射サブピクセル): 138nm
セル内HWFの光学軸
(反射サブピクセル): +15°
セル内HWFのリターデーション
(反射サブピクセル): 275nm
−C−プレートのリターデーション: −325nm
+A−プレートの光学軸: 0°
+A−プレートのリターデーション: 138nm
パターン化されたセル内QWFおよびHWFは、例えば、例1に記載されるようにして作製される。
【0174】
透過および反射サブピクセルの角度輝度が、
図23A/Bに示されている。軸上輝度は、45.4%(透過)および43.4%(反射)である。
【0175】
透過および反射サブピクセルの明状態での色度プロットが、
図24A/Bに示されている。色度は、14.0%(透過)および10.6%(反射)である。
【0176】
透過および反射サブピクセルの軸上コントラストが、
図25A/Bに示されている。