特許第5992821号(P5992821)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5992821
(24)【登録日】2016年8月26日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】ブラシ型接点材料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01C 10/00 20060101AFI20160901BHJP
   H01C 10/28 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   H01C10/00 Q
   H01C10/28
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-279443(P2012-279443)
(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公開番号】特開2014-123657(P2014-123657A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2015年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】509352945
【氏名又は名称】田中貴金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000268
【氏名又は名称】特許業務法人田中・岡崎アンドアソシエイツ
(72)【発明者】
【氏名】上田 一夫
(72)【発明者】
【氏名】野村 幸正
【審査官】 田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−351807(JP,A)
【文献】 特開2003−347110(JP,A)
【文献】 特開平06−289051(JP,A)
【文献】 特開平05−226103(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/142159(WO,A1)
【文献】 国際公開第03/100796(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 10/00
H01C 10/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その先端部が被接触対象物に接触する湾曲した金属製の爪を1つ以上有するブラシ型接点材料において、
前記爪の前記先端部は、厚さ方向断面で円弧形状を有し、被接触対象物との接触点から表側の曲率半径R1と、接触点から裏側の曲率半径R2とがR1≧R2となるように成形されており、更に、爪の幅方向の両端部が面取り加工されてなるブラシ型接点材料。
【請求項2】
R1>R2であり、R1/R2が3.0以下である請求項1記載のブラシ型接点材料。
【請求項3】
爪の幅方向の両端部の面取り加工は、ブラシ幅Wの両端部W/10〜W/4の範囲でなされる、チャンファー取り加工又はR面取り加工である請求項1又は請求項2記載のブラシ型接点材料。
【請求項4】
請求項1〜請求項3記載のブラシ型接点材料の製造方法であって、
薄板から、金属製の爪が複数連なってなる帯板材を打抜き加工する工程と、
前記帯板材を半固定の状態で保持し、前記爪の先端部に砥石を当接して研磨することによって成形加工する工程と、を含むブラシ型接点材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジションセンサ等のセンサ類やポテンショメータ等の抵抗器等の摺動接点として用いられるブラシ型接点材料に関する。
【背景技術】
【0002】
ポジションセンサ、車載用各種センサ(スロットルセンサ、ペダルセンサ、車高センサ)等のセンサ類やポテンショメータ、トリマー等の抵抗器等では、センサの本体側の基板部材と、本体側基板に対して回転あるいは直線等の運動をするアセンブリとの間で電気信号や電力等を送受するための摺動子100が用いられている(図1)。この摺動子100には、その先端部をセンサのロータ等に摺動接触させるブラシ型接点材料10が設置されている。ブラシ型接点材料10は、基板との接触部付近で湾曲された爪11が複数連なったものである。そして、各爪11の先端は、被接触物である基板に摺動接触された状態で用いられるものであるから、爪の先端部11aはできるだけスムーズに摺動できる状態にあることが好ましい。
【0003】
ブラシ型接点材料の製造にあたっては、まず、プレス加工による打抜きによって、湾曲のない平面状の摺動接点片(図2参照)を製造する。このとき打抜き加工によって、ブラシの爪の先端部の外周にバリが発生し鋭利になることが多い。爪の先端部にバリが残存すると、爪先端部がスムーズに摺動できないことから、打抜き加工後の摺動接点片の先端部を曲面状に加工するのが一般的である。
【0004】
打抜き加工後の摺動接点片の先端部を曲面に加工する方法としては、かつてはバレル研磨が用いられていた。バレル研磨とは、容器に研磨石等の研磨媒体とプレス上がりの摺動接点片とを投入し、容器を回転させることによって摺動接点片の外周面全体を研磨するという方法である。バレル研磨は寸法の小さい摺動接点片を多数同時に加工することができ、効率的な手段である。しかし、バレル研磨は、特定の部分を集中的に研磨する方法ではなく、先端部のみを確実に曲面加工することが難しく、また、研磨状態にバラツキが生じやすい。
【0005】
本願出願人は、上記バレル研磨によるブラシ型接点材料の製造方法に対して、レーザービームを利用した製造方法及びこの製造方法による接点材料を提案している。この製造方法では、プレス上がりの摺動接点片の爪の先端部に順次レーザービームを照射して、爪の先端部を溶融・凝固させる方法である。この製造方法は、爪の先端部のみを曲面加工することができ、また、レーザービームの照射条件を適切にすることでバラツキのない一定品質の材料を効率的に製造することができる。そして、この製法によるブラシ型接点材料は、爪の先端部が断面円弧形状等の均整のとれた曲面形状を有し、かつ平滑な表面を有するものでありスム―ズな摺動動作ができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3847211号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ブラシ型接点材料に要求されるのは、上記のように、爪の先端部のスム―ズな摺動動作であり、上記のレーザー加工により形成される均整のとれた曲面形状は一応これに応えられるものである。しかし、よりスムーズな摺動動作ができるものが求められている。また、上記のレーザー加工を伴う曲面加工は、レーザー照射後の溶融・凝固部の材料組織が変化し硬度低下が生じ、局所的に消耗・変形しやすく、曲面形状を維持することが難しい。そのため、レーザー照射後に熱処理を行い硬度調整が必要となるが、この熱処理は接点材料製造工程における工程増につながる。
【0008】
更に、レーザー加工によるブラシ型接点材料の場合、溶融・凝固した先端形状は球形状に近づこうとするが、その際に形状コントロールを行うことは不可能である。そして、レーザーの照射条件によっては、蒲鉾状の曲面形状の中央部が盛り上がり集中する傾向にあり、安定した摺動は得られないものがある。
【0009】
そこで本発明は、ブラシ型接点材料について、よりスムーズな摺動動作ができると共に、比較的簡易に製造することができるブラシ型接点材料、及び、その製造方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明は、その先端部が被接触対象物に接触する湾曲した金属製の爪を1つ以上有するブラシ型接点材料において、前記爪の前記先端部は、厚さ方向断面で円弧形状を有し、被接触対象物との接触点から表側の曲率半径R1と、接触点から裏側の曲率半径R2とがR1≧R2となるように成形されており、更に、爪の幅方向の両端部が面取り加工されてなるブラシ型接点材料である。
【0011】
本発明に係るブラシ型接点材料は、爪の先端部の形状制御について、断面円弧形状にしその曲率半径が均等なものの他、表側と裏側の曲率半径が相違する場合を含むものである。そして更に、爪の幅方向の両端部についても面取り加工による成形処理を施すものである。
【0012】
本発明における爪先端部の曲率を調整することの意義は後に詳細に説明する。一方、爪の幅方向の両端部についても面取り加工を行うのは、接点使用時に偏荷重が生じた場合、爪両端部の角がシャープであると相手側接点に局所磨耗が生じることがあるからである。そして、爪両端部を面取り加工することで、使用時の偏荷重による局所磨耗を低減するメリットがある。
【0013】
そして、円弧形状となる爪先端部の断面形状について、被接触対象物との接触点から表側の曲率半径R1と、接触点から裏側の曲率半径R2との関係については、R1>R2であるものが好ましい。外側のR1を大きくすることでスティックスリップ現象が生じることを防止し、接点材料のより滑らかな摺動を確保する。また、内側のR2の方を小さくすることで、接点材料の摺動に伴い発生する切削粉を引き寄せて周辺に散乱するのを抑制するためである。
【0014】
特に、R1とR2との関係については、R1/R2が3.0以下とするのが好ましい。ブラシ型接点材料の通常の使用状態においては、ブラシと基板が70度〜85度の角度をもって接触するように爪の湾曲が設定される(図3参照)。この際、R1/R2=1.0〜3.0とすることで、R1とR2とのつなぎ位置が接触点と近似位置になり、安定的な摺動を示すようになるからである。
【0015】
また、本発明は、爪先端部の断面形状の調整に加えて、両端部を面取り加工するが、この面取り加工部については、ブラシ幅Wの両端部W/10〜W/4の範囲を面取り加工したものが好ましい。そして、この加工部の形状としては、10°〜45°のチャンファー取り(Rつなぎ)、又は、R0.15〜R0.5のR面取りとするのが好ましい。バリ発生の抑制と接触の安定を確保するためである。
【0016】
接点材料の材質としては、従来の接点材料と同様の金属が適用される。特に、Ag系合金(例えば、Ag:39.5wt%、Pd:43.0wt%、Cu:17.0wt%、Pt:0.5wt%、又は、Pt10wt%、Au:10wt%、Ag:30wt%、Pd:35wt%、Cu:14wt%、Zn:1wt%等が知られている)は、接点材料として導電性が優れるとともに、バネ性、硬度(耐摩耗性)も良好であり、好適である。
【0017】
本発明に係るブラシ型接点材料の製造においては、まず、金属板から、爪が複数連なってなる帯板材を打抜き加工することとなる。その後、帯板材の爪の先端部形状を上記で説明した形状に加工するが、この加工方法としては、本願出願人によるレーザー加工を基礎にしても良い。レーザー加工を利用することで、爪の先端部を平滑にしつつ断面円弧形状の均整のとれた曲面形状に成形することができる。そして、このようにレーザー加工後の接点材料の爪の両端部を研磨することで面取り加工することができる。
【0018】
レーザー加工による爪先端部の加工は、打抜き加工後の帯板材を保持した状態で、爪先端部に順次レーザービームを照射し、爪の先端部を溶融・凝固させる。このレーザー加工では、上記したように、溶融した箇所の材料硬度が低下し、そのままブラシ型接点材料としては使用できないことから、熱処理により硬度調整を行う。
【0019】
上記のレーザー加工を応用した製造方法は、条件設定により均整の取れた(R1とR2とが略等しい)円弧形状を得ることができるが、R1、R2を別々に成形することができず、それらの関係を調整することができない。また、硬度を確保するためにレーザー加工後の熱処理が必須であり、工程数が多くなる。そこで、打抜き加工後の帯板材を固定し、爪先端部を順次、砥石により研磨するのが好ましい。
【0020】
砥石研磨による成形加工は、砥石を当てる位置・角度を調整することで爪先端形状を自在に成形でき、特に、部分的にRの異なる先端部を形成することができる。また、砥石の粒度を適宜選択することで、爪先端の表面粗さを調整することができる。更に、機械的研磨による成形は、熱影響部の発生や金属組織を変化させることなく加工できるため、研磨上がりの材料をそのまま使用することができる。
【0021】
研磨による爪先端加工は、砥石を爪先端に当接するものであるが、このとき帯板材は爪先端が半固定状態となるようにする。この加工時において、半固定状態の帯板材は砥石から逃げようとする一方、砥石は帯板材を噛みこもうとする。この相反する動きを利用することで爪先端部を徐々に適切にR形状に研磨することができる。
【0022】
砥石は爪を数個から数十個同時研磨出来る充分な幅のものを使用し、帯板材の鉛直方向から回転・揺動させながら爪先端部に接触・通過させる。爪先端の表裏のRや、端部の面取り加工は、研磨するときの帯板材の保持角度、供給速度、砥石切込量、及び、回転数により制御できる。尚、この加工時には、打抜き後の帯板材の爪先端の研磨部以外をマスキングするのが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るブラシ型接点材料は、爪の先端部形状を適切に成形するものであり、相手側基板に対しスムーズに摺動させることができるとともに、構成金属の硬度を維持するものである。本発明に係るブラシ型接点材料は、砥石研磨による爪先端部の加工工程を経て製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一般的なブラシ型接点材料を備える摺動子の外観。
図2】打抜き加工された摺動材接点片の帯板材の外観。
図3】本発明に係るブラシ型接点材料の爪先端部の断面形状を示す図。
図4】本発明に係るブラシ型接点材料の爪両端部の加工例を説明する図。
図5】本実施形態のプレス上がりの爪先端の状態を示す写真。
図6】実施例1研磨加工後の爪先端の状態を示す写真。
図7】実施例3研磨加工後の爪先端の状態を示す写真。
図8】実施例4〜実施例6の研磨加工後の爪先端の状態を示す写真。
図9】本実施形態で使用したブラシ評価回路の概略図。
図10】実施例1の耐久試験後のリニアリティの測定結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施例を説明する。Ag39.5重量%、Pd43.0重量%、Cu17.0重量%、Pt0.5重量%の組成の材料に圧延加工等を施して、幅23mm、厚さ0.12mmの薄板材を用意した。そして、この薄板材にプレス加工を施して、図2に示されるような複数の摺動接点片10’が帯状に連なる帯板材1を得た。
【0026】
各摺動接点片10’は、基部12と、基部12から延びる2つのブラシ11’とから構成されるものであり、基部12の部分において切断しろ13を介して隣接する摺動接点片10’に連なっている。各ブラシ11’は、櫛歯状に並ぶ同じ長さの3本の爪(幅寸法は0.4mm)を有するものである。また、両ブラシ11’は、爪先端11a’が平行に並ぶように配置され、かつ爪の先端が一直線上に並ぶように配置されている。
【0027】
図5は、プレス上がりの爪の先端の状態を示す写真である。この段階の爪先端部11a’の表面は、プレス加工によって打抜かれたままの荒れた状態であった。そして、先端部の形状は左右非対称であり、内向き加工先端部表面の輪郭は不規則(不定形)な曲線形状であった。詳細には、打抜き加工初期のせん断加工面(プレスダレ面)と、打抜き加工後期の破断加工面(プレスバリ面)とで構成されている。
【0028】
プレス加工後、研磨により爪先端の加工を行った。研磨加工は、打抜き帯板材の爪先端研磨部11a‘以外の部分をマスキングし、切断しろ13をホールドし砥石の下に供給しながら、かつ半固定状態として行った。砥石は爪先端研磨部11a’の複数個を同時に研磨可能な幅の砥石を、帯板材の鉛直方向から回転・揺動させながら先端研磨部11a’と接触・通過させた。また、表裏のR1、R2が相違する爪先端の加工は、研磨時の帯板材の保持角度と供給速度および砥石切込量、回転数を制御した。例えば、以下に示す実施例1〜3の帯板材の研磨角度は、45°とした。また実施例4〜6の帯板材の研磨角度は、30°と共通としつつ砥石の砥石切込量、回転数を変化させて加工した。
【0029】
以上の研磨加工後、曲げ加工を施して湾曲した爪を有する摺動接点が帯状に連なるブラシ型接点材料を得た。各実施例における爪先端部の形状は以下の通りである。尚、爪先端部のR1、R2は、爪の中央部分の断面において測定したものである。
【0030】
【表1】
【0031】
図6図7は、それぞれ実施例1及び実施例3のブラシ型接点材料の爪11aの先端部を示す写真である。得られたブラシ型接点材料の爪の先端部の表面状態は、滑らかな表面状態であった。また、その断面写真から、表側、裏側のRが異なる形状を有する。また、両端部は、面取り加工がなされた傾斜を有する。また、図8は実施例4〜実施例6の爪11aの先端部を示す写真である。これらの実施例爪先端部の形状は、全体に亘って均一ないわゆる蒲鉾形状であった。
【0032】
次に、各実施例の接点材料について、耐久試験を行い電気的特性の評価を行った。図9は、ブラシ評価回路の概略図であり、円弧状の抵抗体を有する基板に、ブラシ型接点材料を水平に取付け、角度0°で出力0V、角度90°で出力5Vとなるように設定されている。耐久試験では、図9の抵抗体上でブラシ型接点材料を200万回摺動させ、その後、電気特性(リニアリティ(直線性))を測定した。リニアリティの測定は、図9の抵抗体に一定電圧をかけ、ブラシ角度を変化させつつセンサ出力電圧(角度vs.ブラシからの出力電圧)を測定した(但し、両端角度範囲は誤差が大きくなるため除外している)。リニアリティは、この測定において、基準出力電圧(理論上の出力)に対するブラシからの出力電位との差の変位を変化率%にして評価するものである。
【0033】
図10は、リニアリティ測定結果の一例であり、実施例1の耐久後のリニアリティ測定結果を示す。角度−電圧データは左側主尺を、リニアリティ(直線性)は右側の副尺を参照する。図10から、この実施例のリニアリティは、理論値に対して±0.7%の幅(リニアリティ)を有し、耐久試験後も優れた直線性を有する。尚、自動車排出ガス規制をクリアするための車載部品規格として±2.0%以内のリニアリティが必要といわれている。そして、今後この基準はより厳しくなることが予測され、更なる性能向上のため±1.5%のリニアリティが要求される可能性がある。実施例1の接点材料は、この厳しい規格にも対応できる。各実施例についてのリニアリティ測定結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
表2から、実施例1〜6のブラシ型接点材料は、いずれもリニアリティが±2%以下であり、現行の車載部品規格をクリアできる特性を有する。また、実施例1のようにR1とR2に差をつけることにより±1%以下の極めて優れた特性実績を得ることができることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上の通り、本発明に係るブラシ型接点材料は、爪の先端部形状について詳細に検討した結果、従来よりもスムーズな摺動動作を可能とするものである。このブラシ型接点材料は、比較的簡易に製造可能であり、成形後の熱処理を要することなく、その構成材料が有する機械的性質を変化させることなく製造可能なものである。本発明は、ポジションセンサ等のセンサ類、抵抗器における摺動子の接点材料として好適である。
図1
図2
図3
図4
図9
図10
図5
図6
図7
図8