(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では本発明についてより詳細に説明する。
【0013】
本発明によるタッチパネルは、画面部、ルータ部、フレキシブルプリント回路基板(Flexible printed circuit boards、FPCB)部、前記画面部とルータ部を連結する2個以上のルータ連結領域を含む第1パッド部、および前記ルータ部とフレキシブルプリント回路基板(Flexible printed circuit boards、FPCB)部を連結する2個以上のFPCB連結領域を含む第2パッド部を含み、前記2個以上のFPCB連結領域のうち少なくとも一部領域は開口領域がある伝導性パターンを含むことを特徴とする。
【0014】
以下の説明において、伝導性パターンまたは伝導性基板と関わる説明は、透明基材の一面または両面に伝導性パターンが備えられた1つの伝導性基板を含むタッチパネルに関するものであるか、透明基材と伝導性パターンを含む伝導性基板が2つ積層して含まれるタッチパネルに関するものであるかを区分して説明しなくても、特に言及がない限り、本発明によるタッチパネルの全実施状態に適用されることができる。
【0015】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記2個以上のFPCB連結領域のうち開口領域の比率は10〜99%であってもよいが、これのみに限定されるものではない。但し、ACF(Anisotropic Conductive Film)の導電性ボールの大きさ(壊れる前の大きさ)より遮蔽領域に該当する領域の幅が大きいことが接触観点から好ましいため、ACFに含まれている導電性ボールの大きさ(壊れる前の大きさ)に応じ、当業者が遮蔽された領域の線幅をACF内に含まれた導電性ボールの大きさ(壊れる前の大きさ)より大きく設定した後、これに合う開口面積を選択して用いるか、あるいは逆に定められた開口面積の比率に対応する線幅以下に該当する導電性ボールを含むACFを選定して用いることができる(
図6参照)。一般的に、このような観点から解釈すれば、開口面積が約20〜70%の間の領域を有するようにFPCB連結領域を設計することが好ましいと言える。
【0016】
したがって、本発明において、前記タッチパネルはFPCB連結領域とフレキシブルプリント回路基板(Flexible printed circuit boards、FPCB)部を連結し、導電性ボールを含むACF(Anisotropic Conductive Film)をさらに含み、前記FPCB連結領域内の開口領域間の最短距離または遮蔽領域の最短幅は前記導電性ボールの最大大きさより大きいか等しくてもよい。
【0017】
前記開口領域の形態は直線、曲線、波線、ジグザグ線などからなる閉鎖図形の形態であってもよく、前記線のうち少なくとも2種類が混在した閉鎖図形の形態であってもよい。また、前記開口領域の形態は多角形、円形などであってもよいが、これらのみに限定されるのではない。
図5には本発明の一実施状態によるタッチパネルの第2パッド部を示す。
【0018】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記2個以上のルータ連結領域のうち少なくとも一部領域は開口領域がある伝導性パターンを含むことができる。前記2個以上のルータ連結領域のうち開口領域の比率は10〜99%であってもよいが、これのみに限定されるのではない。前記開口領域の形態は直線、曲線、波線、ジグザグ線などからなる閉鎖図形の形態であってもよく、前記線のうち少なくとも2種類が混在した閉鎖図形の形態であってもよい。また、前記開口領域の形態は多角形、円形などであってもよいが、これらのみに限定されるのではない。
【0019】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記画面部は第1伝導性パターンを含み、前記ルータ部および第1パッド部は第2伝導性パターンを含み、前記第2パッド部は第3伝導性パターンを含むことができる。
【0020】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記第2伝導性パターンのうち少なくとも一部は前記第1伝導性パターンと線幅が異なってもよく、前記第3伝導性パターンのうち少なくとも一部は前記第1伝導性パターンと線幅が異なってもよい。
【0021】
より具体的には、前記第2伝導性パターンのうち少なくとも一部の線幅は前記第1伝導性パターンの線幅より大きくてもよい。例えば、前記第2伝導性パターンのうち少なくとも一部と前記第1伝導性パターンの線幅の差は5マイクロメーター以上であってもよく、15マイクロメーター以上であってもよく、30マイクロメーター以上であってもよく、100マイクロメーター以下であってもよい。
【0022】
また、前記第3伝導性パターンのうち少なくとも一部の線幅は前記第1伝導性パターンの線幅より大きくてもよい。例えば、前記第3伝導性パターンのうち少なくとも一部と前記第1伝導性パターンの線幅の差は5マイクロメーター以上であってもよく、15マイクロメーター以上であってもよく、30マイクロメーター以上であってもよく、100マイクロメーター以下であってもよい。
【0023】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記第1伝導性パターン、第2伝導性パターンおよび第3伝導性パターンは印刷法によって形成されることができる。具体的な例として、リバースオフセット印刷法またはグラビア印刷法によって透明基材上に伝導性パターンを形成することができ、伝導性層が形成された基材上にリバースオフセット印刷法またはグラビアオフセット印刷法によってエッチングレジストを形成した後、これを利用して伝導性層をエッチングすることによって伝導性パターンを形成することもできる。本発明においては、パターン精密度のためにリバースオフセット印刷法がより好ましい。
【0024】
本発明の一実施状態によれば、前述したように線幅が互いに異なる2種以上の伝導性パターンを含みつつも、1つの工程で製造するために、印刷法に用いられるクリシェのパターンの幅と深さを調節することができる。一実施状態によれば、パターンの深さが同一なクリシェにおいてパターンの幅と深さ間の関係を調節することによって前記のような伝導性パターンを1つの工程で形成することができる。また1つの実施状態によれば、パターンの深さが互いに異なる2以上の領域を含むクリシェを用いることができ、この場合、所望のパターンの幅に応じて適宜なパターンの深さを有するクリシェを用いることにより、前記のような伝導性パターンを1つの工程で形成することができる。このようなクリシェはダブルエッチングによって得ることができる。
【0025】
一例として、本発明においては、溝部パターンを含むクリシェとして、前記溝部パターンが、互いに交差しない線形パターンからなる領域を含み、前記線形パターンからなる領域は、その領域内で線形パターンの線を2個以上を含むスクエア領域として前記線形パターンの線幅Wと深さD、前記スクエア領域のうち前記線形パターンが備えられない領域の比Rおよび前記線形パターンに対応するパターン形成用マスクパターンの開口線幅W
0が下記関係式1および2を満たす領域を含むことを特徴とするクリシェを用いることができる。
[関係式1]
W=2D+W
0+X
[関係式2]
D≧42.9exp(−R/0.35)−1.5
ここで、Xは定数であり、
D、W、W
0およびXはマイクロメーター単位の値であり、
Rは0超過1未満の値である。
【0026】
この時、前記スクエア領域における前記線形パターンの線幅WとピッチPおよび前記スクエア領域のうち前記線形パターンが備えられない領域の比Rは下記関係式3をさらに満たすことができる。
[関係式3]
R=P(P−W)/P
2=(P−W)/P
ここで、W、PおよびXはマイクロメーター単位の値であり、
Rは0超過1未満の値である。
【0027】
前記線形パターンは規則または不規則パターンであってもよく、前記線形パターンは直線、曲線、ジグザグ線またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0028】
前記クリシェにおいて、前記関係式1および2を満たす領域が全体溝部パターン領域のうち50%以上であることが好ましい。
【0029】
前記クリシェが互いに異なる2以上のパターンを含む場合、前記2以上のパターンは深さDが同一であり、前記深さDは前記線形パターンが備えられない領域の比Rが最も小さいパターンを基準に前記関係式1および2を満たすことが好ましい。
【0030】
前記クリシェが互いに異なる2以上のパターンを含む場合、前記2以上のパターンは深さDが互いに異なる2以上の領域を含み、前記パターンの深さが互いに異なる2以上の領域は各々前記関係式1および2を満たすことが好ましい。このようなクリシェはダブルエッチングによって製造されることができる。
【0031】
また1つの例として、本発明においては、溝部パターンを含むクリシェとして、前記溝部パターンが網状パターンからなる領域を含み、前記網状パターンからなる領域は、その領域内で網状パターンを構成する線の交差点を3個以上を含むスクエア領域として前記網状パターンの線幅Wと深さD、前記スクエア領域のうち前記網状パターンが備えられない領域の比Rおよび前記網状パターンに対応するパターン形成用マスクパターンの開口線幅W
0が下記関係式1および4を満たす領域を含むことを特徴とするクリシェを用いることができる。
[関係式1]
W=2D+W
0+X
[関係式4]
D≧33.8exp(−R/0.235)+0.82
ここで、Xは定数であり、
D、W、W
0およびXはマイクロメーター単位の値であり、
Rは0超過1未満の値である。
【0032】
前記スクエア領域における前記網状パターンの線幅W、ピッチPおよび前記スクエア領域のうち前記網状パターンが備えられない領域の比Rは下記関係式5をさらに満たすことができる。
[関係式5]
R=(P−W)
2/P
2=(1−W/P)
2
ここで、W、PおよびXはマイクロメーター単位の値であり、
Rは0超過1未満の値である。
【0033】
前記網状パターンは規則または不規則パターンであってもよく、前記関係式1および4を満たす領域が全体溝部パターン領域のうち50%以上であることが好ましい。
【0034】
前記溝部パターンは前記スクエア領域のうち互いに異なる2以上のパターンを含み、前記2以上のパターンは深さDが同一であり、前記深さDは前記線形パターンが備えられない領域の比Rが最も小さいパターンを基準に前記関係式1および4を満たすことが好ましい。
【0035】
前記クリシェが互いに異なる2以上のパターンを含む場合、前記2以上のパターンは深さDが互いに異なる2以上の領域を含み、前記パターンの深さが互いに異なる2以上の領域は各々前記関係式1および4を満たすことが好ましい。このようなクリシェはダブルエッチングによって製造されることができる。
【0036】
また1つの例として、本発明においては、溝部パターンを含むクリシェとして、前記溝部パターンが網状パターンおよび網状パターンの分節したパターンからなる領域を含み、前記領域は、その領域内で網状パターンを構成する線の交差点を3個以上含むスクエア領域として前記網状パターンの線幅Wと深さD、前記スクエア領域のうち前記網状パターンおよび網状パターンの分節したパターンが備えられない領域の比Rおよび前記網状パターンおよび網状パターンの分節したパターンに対応するパターン形成用マスクパターンの開口線幅W
0が下記関係式1および4を満たす領域を含むことを特徴とするクリシェを用いることができる。
[関係式1]
W=2D+W
0+X
[関係式4]
D≧33.8exp(−R/0.235)+0.82
ここで、Xは定数であり、
D、W、W
0およびXはマイクロメーター単位の値であり、
Rは0超過1未満の値である。
【0037】
ここで、網状パターンの分節したパターンとは、網状パターンが断線によって変形されたパターンを意味する。
【0038】
前記スクエア領域における前記網状パターンおよび網状パターンの分節したパターンの線幅W、ピッチPおよび前記スクエア領域のうち前記網状パターンおよび網状パターンの分節したパターンが備えられない領域の比Rは下記関係式5をさらに満たすことができる。
[関係式5]
R=(P−W)
2/P
2=(1−W/P)
2
ここで、W、PおよびXはマイクロメーター単位の値であり、
Rは0超過1未満の値である。
【0039】
前記クリシェにおいて、前記関係式1および4を満たす領域が全体溝部パターン領域のうち50%以上であることが好ましい。
【0040】
前記クリシェの前記溝部パターンは互いに交差しない線形パターン、網状パターンまたはこれらをいずれも含むことができる。
【0041】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記第1伝導性パターンは線幅が20マイクロメーター以下の伝導性ラインを含むことができ、15マイクロメーター以下、10マイクロメーター以下、7マイクロメーター以下、4マイクロメーター以下、または3マイクロメーター以下の線幅を有する伝導性ラインを含むことができる。本発明において、前記伝導性ラインの線幅は0.5〜10マイクロメーターの範囲内で調節されることができる。前記第3伝導性パターンの開口率、すなわち、パターンによって覆われない透明基材の面積比率は70%以上であることが好ましく、90%以上、93%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上であってもよい。
【0042】
本発明において、前記第1伝導性パターンの線高さは、0.01マイクロメーター以上1マイクロメーター以下、1マイクロメーター以上2マイクロメーター以下、2マイクロメーター以上5マイクロメーター以下、5マイクロメーター以上10マイクロメーター以下、または10マイクロメーター以上であってもよく、当業者であれば、用途、工程や材料に応じて選択することができる。
【0043】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記第1伝導性パターンと第2伝導性パターンの線幅は互いに同一に形成されることができる。このようにして、第1伝導性パターンと第2伝導性パターンの電気的な接続がより安定することができる。
図1に本発明の一実施状態による伝導性パターンを例示する。
【0044】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記第1伝導性パターン、第2伝導性パターンおよび第3伝導性パターンは各々独立して直線からなってもよいが、曲線、波線、ジグザグ線などの様々な変形が可能である。また、前記形態の線のうち少なくとも2種類が混在した形態であってもよい。
【0045】
特に、従来には、ルータ部とフレキシブルプリント回路基板(Flexible printed circuit boards、FPCB)部を連結するFPCB連結領域の全体が伝導性物質で塗布されたが、本発明においては、前記FPCB連結領域のうち少なくとも一部領域を開口領域がある伝導性パターンで構成することにより、印刷法によって画面部と共に1つの工程で形成することができる。これにより、低費用と簡単な工程でタッチパネルを提供することができる。
【0046】
また、本発明においては、FPCB連結領域の全体が伝導性物質で塗布されているものではなく、開口領域がある伝導性パターンで構成することにより、本発明によるタッチパネルの第2パッド部とFPCB部の付着時の付着力をより向上させることができる。
【0047】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記第1伝導性パターン、第2伝導性パターンおよび第3伝導性パターンは各々独立して三角以上、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形または七角形以上の多角形パターンを含むことができる。
【0048】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記第1伝導性パターン、第2伝導性パターンおよび第3伝導性パターンは各々独立して規則パターンを含むことができる。ここで、規則パターンとは、パターンの形状が規則性を有することを意味する。例えば、前記第1伝導性パターン、第2伝導性パターンおよび第3伝導性パターンは各々独立して長方形または正方形のようなメッシュ形状や、六角形のような形状のパターンを含むことができる。
【0049】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記第1伝導性パターン、第2伝導性パターンおよび第3伝導性パターンは各々独立して不規則パターンを含むことができる。ここで、不規則パターンとは、パターンの形状が規則性を有しないことを意味する。特に、前記第3伝導性パターンは、モアレ現象の防止のために少なくとも一部の不規則パターンを含むことが好ましい。
【0050】
本発明によるタッチパネルにおいて、前記第1伝導性パターンは規則的なパターンであり、伝導性パターンを構成する線のうち任意の複数の線が交差して形成される交差点を含み、この時、このような交差点の数は3.5cm×3.5cm面積で3,000〜122,500個であってもよく、13,611〜30,625個であってもよく、19,600〜30,625個であってもよい。また、本発明の一実施状態によれば、ディスプレイに装着時、4,000〜123,000個である場合がディスプレイの光学特性を大きく害しない光特性を示すことを確認した。
【0051】
また、本発明によるタッチパネルにおいて、前記第1伝導性パターンは不規則的なパターンであり、伝導性パターンを構成する線のうち任意の複数の線が交差して形成される交差点を含み、この時、このような交差点の数は3.5cm×3.5cm面積で6,000〜245,000個であってもよく、3,000〜122,500個であってもよく、13,611〜30,625個であってもよく、19,600〜30,625個であってもよい。また、本発明の一実施状態によれば、ディスプレイに装着時、4,000〜123,000個である場合がディスプレイの光学特性を大きく害しない光特性を示すことを確認した。
【0052】
前記第1伝導性パターンのピッチは600μm以下であってもよく、250μm以下であってもよいが、これは、当業者が所望する透過度および伝導度に応じて調整することができる。
【0053】
本発明に用いられる第1伝導性パターンは、比抵抗1×10
6オーム・cm〜30×10
6オーム・cmの物質が好適であり、7×10
6オーム・cm以下であるものがより好ましい。
【0054】
本発明において、前記第1伝導性パターンは不規則的なパターンであってもよい。
【0055】
前記不規則的なパターンは、連続して連結された閉鎖図形の輪郭構造を含み、前記不規則的な任意の単位面積(1cm×1cm)内で同一形態の閉鎖図形は存在せず、前記閉鎖図形の頂点数は、前記閉鎖図形と同一の個数の四角形の頂点数と異なってもよい。より具体的には、前記閉鎖図形の頂点数は、前記閉鎖図形と同一の個数の四角形の頂点数と比較した時により多くてもよく、1.9〜2.1倍さらに多くてもよいが、これのみに限定されるのではない。
【0056】
前記閉鎖図形は互いに連続して連結されたものであり、例えば、前記閉鎖図形が多角形である場合は、互いに隣り合う閉鎖図形が少なくとも1つの辺を共有する形態であってもよい。
【0057】
前記不規則的なパターンは、連続して連結された閉鎖図形の輪郭構造を含み、前記不規則的なパターンは、任意の単位面積(1cm×1cm)内で同一形態の閉鎖図形は存在せず、前記閉鎖図形の頂点数は、前記閉鎖図形の各々の重心間の最短距離を連結して形成した多角形の頂点数と異なってもよい。より具体的には、前記閉鎖図形の頂点数は、前記閉鎖図形の各々の重心間の最短距離を連結して形成した多角形の頂点数と比較した時により多くてもよく、1.9〜2.1倍さらに多くてもよいが、これのみに限定されるのではない。
【0058】
前記不規則的なパターンは、連続して連結された閉鎖図形の輪郭構造を含み、前記不規則的なパターンは、任意の単位面積(1cm×1cm)内で同一形態の閉鎖図形は存在せず、前記閉鎖図形は、下記数学式1の値が50以上であってもよい。
[数学式1]
(頂点間の距離の標準偏差/頂点間の距離の平均)×100
前記数学式1の値は伝導性パターンの単位面積内で計算されることができる。前記単位面積は伝導性パターンが形成される面積であってもよく、例えば、3.5cm×3.5cmなどであってもよいが、これのみに限定されるのではない。
【0059】
本発明において、前記頂点は、伝導性パターンの閉鎖図形の輪郭を構成する線が互いに交差する点を意味するものとして定義することにする。
【0060】
前記不規則的なパターンは、規則的に配列された単位ユニットセル内に各々任意の点を配置した後、各々の点が他の点からの距離に比べて最も近くにある点と連結してなった閉鎖図形の輪郭構造の形態であってもよい。
【0061】
この時、前記規則的に配列された単位ユニットセル内に任意の点を配置する方式にランダムネスを導入する場合に、前記不規則的なパターンが形成されることができる。例えば、前記ランダムネスを0として付与する場合は、単位ユニットセルが正方形であれば伝導性パターンは正方形のメッシュ構造が形成され、単位ユニットセルが正六角形であれば伝導性パターンはハニカム(honeycomb)構造が形成されることになる。すなわち、前記不規則的なパターンは、前記ランダムネスが0でないパターンを意味する。
【0062】
本発明による不規則パターン形状の伝導性パターンにより、パターンをなす線の偏り現象などを抑制することができ、ディスプレイから均一な透過率を得るようにすると同時に単位面積に対する線密度を同一に維持させることができ、均一な伝導度を確保できるようになる。
【0063】
本発明の1つの好ましい実施状態によれば、第2伝導性パターンおよび第3伝導性パターンはストライプパターンであることが好ましく、第1伝導性パターンは前述した規則、不規則またはこれらの組み合わせパターンを含むことができる。
【0064】
前記伝導性パターンの製作時、制限された面積にパターンをデザインした後、前記制限された面積を繰り返して連結する方式を利用することによって大面積パターンを製作することもできる。前記パターンを繰り返して連結するためには、各4辺の点の位置を固定することによって反復的なパターンが互いに連結されるようにすることができる。この時、制限された面積は規則性によるモアレ現象を防止するために1cm
2以上の面積を有することが好ましく、5cm
2以上の面積を有することがより好ましいが、所望する伝導性パターン面積に応じて当業者が選択することができる。
【0065】
前述した伝導性パターンを製作するためには、先ず、目的とするパターン形状を決定した後、印刷法を利用することによって透明基材上に前述した伝導性パターンを形成することができる。
【0066】
前記印刷法は、伝導性パターン材料を含むペーストを目的とするパターン形状で透明基材上に転写した後に焼成する方式で行われることができる。前記転写方法は特に限定されないが、凹版またはスクリーンなどのパターン転写媒体に前記パターン形状を形成し、これを利用して所望のパターンを透明基材に転写することができる。前記パターン転写媒体にパターン形状を形成する方法は当技術分野で周知の方法を利用することができる。
【0067】
前記印刷法は特に限定されず、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの印刷法が利用されることができ、これらのうち1種以上の複合方法が利用されることもできる。前記印刷法は、ロール・ツー・ロール(roll to roll)方法、ロール・ツー・プレート(roll to plate)、プレート・ツー・ロール(plate to roll)またはプレート・ツー・プレート(plate to plate)方法を利用することができる。
【0068】
本発明においては、精密な伝導性パターンを実現するためにリバースオフセット印刷法を応用することが好ましい。
図2は、リバースオフセット印刷方法を利用した直接間接工程を例示したものである。
図2によれば、ブランケットと呼ばれるシリコン系ゴム上にエッチング(Etching)時にレジスト(Resist)役割を行うことができるインクを全面積にかけてコーティングした後、これを1次クリシェと呼ばれるパターンが彫られた凹版を通じて必要のない部分を除去し、2次でブランケットに残っている印刷パターンを金属などが蒸着されたフィルムあるいはガラスのような基材に転写した後、これを焼成およびエッチング工程を経て所望のパターンを形成する方法を行うことができる。このような方法を利用する場合、金属が蒸着された基材を用いることによって全領域での線高さの均一性が確保されることで厚さ方向の抵抗を均一に維持できるという長所を有する。
【0069】
本発明が適用できるまた他の例は
図3のようなグラビアオフセット(Gravure offset)方式を利用したものである。グラビアオフセット印刷は、パターンが彫られた凹版にペーストを充填した後、ブランケットに1次転写を行った後、ブランケットと透明基材を密着させて2次転写を行う方式で行われることができる。この他に、グラビア印刷は、ロール上にパターンが彫られたブランケットを巻き、ペーストをパターン内に充填した後、透明基材に転写する方式に変形して行われることができる。本発明においては、前記方式のみならず、前記方式が複合的に利用されることもできる。
【0070】
本発明の一実施状態によれば、前記第1伝導性パターン部、第2伝導性パターンおよび第3伝導性パターン部は各々独立して黒化することができる。これにより、伝導性パターンが金属材料からなる場合にも、可視性をより減少させることができる。直接に伝導性材料を印刷してパターンを形成する場合は、前記伝導性パターンを黒化させるために、伝導性パターンの形成のためのペーストあるいはインクに黒化物質を添加するか、前記ペーストあるいはインクを印刷および焼成後に黒化処理を行うことによって伝導性パターンを黒化させることができる。
【0071】
前記インクあるいはペーストに添加できる黒化物質としては、金属酸化物、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、黒色顔料、着色したガラスフリットなどが挙げられる。焼成後の黒化処理は、インクあるいはペーストがAg系である場合、酸化溶液、例えば、FeまたはCuイオン含有溶液に浸漬、塩素イオンなどのハロゲンイオン含有溶液に浸漬、過酸化水素、硝酸などへの浸漬、ハロゲンガスでの処理などを通じて処理することができる。
【0072】
金属材料を直接印刷する方法でないエッチングを通じて形成する方法の場合、また他の形態の黒化例は、人がながめる面に黒化層を蒸着した後、伝導度付与のための層をその上に蒸着して、後続エッチング工程時に一度にパターニングする方法を利用することができる。一例として、MoOxNyを通じて黒化層を蒸着した後、Al層をその上に蒸着し、このような基材上にレジストインクを印刷してエッチングする場合、MoOxNyとAlはリン酸、硝酸、酢酸、水の混合液のようなエッチング液(Etchant)に同時にパターン化されることで所望の面の黒化を処理することができる。
【0073】
本発明において、前記第1伝導性パターン、第2伝導性パターンおよび第3伝導性パターンは透明基材上に形成されることができる。前記透明基材は特に限定されないが、光透過率が50%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは88%以上であることが好ましい。具体的には、前記透明基材としてはガラスを用いることができ、プラスチック基板またはプラスチックフィルムを用いることもできる。前記プラスチック基板またはフィルムとしては当技術分野で周知の材料を用いることができ、例えば、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエポキシ系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系およびセルロース系のうちから選択された1種以上の樹脂で形成されたものを用いることができる。より具体的には、PET(Polyethylene terephthalate)、PVB(polyvinylbutyral)、PEN(polyethylene naphthalate)、PES(polyethersulfon)、PC(polycarbonate)、アセチルセルロイドのような可視光透過率80%以上のフィルムが好ましい。前記プラスチックフィルムの厚さは12.5〜500マイクロメーターであることが好ましく、50〜450マイクロメーターであることがより好ましく、50〜250マイクロメーターであることがさらに好ましい。前記プラスチック基板は、プラスチックフィルムの一面または両面に水分、ガス遮断のためのガスバリア層、強度の補強および透過率の向上、ヘイズ(Haze)値の低下のためのハードコート層のような様々な機能性層が積層された構造の基板であってもよい。前記プラスチック基板に含まれてもよい機能性層は前述したものに限定されず、様々な機能性層が備えられることができる。
【0074】
本発明において、前記第1伝導性パターン、第2伝導性パターンおよび第3伝導性パターンの材料としては電気伝導度に優れる金属を用いることが好ましい。また、前記伝導性パターン材料の比抵抗値は1 microOhm・cm以上100 microOhm・cm以下であることが好ましく、より好ましくは1 microOhm・cm以上5 microOhm・cm以下の値を有したものが良い。伝導性パターン材料の具体的な例として、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属酸化窒化物および金属合金(alloy)からなる群から選択される1種以上を含むことができる。より具体的には、Ag、Cu、Cr、Al、Mo、Ni、これらの酸化物、これらの窒化物、これらの酸化窒化物およびこれらの合金からなる群から選択される1種以上を含むことができる。前記伝導性パターン材料は、直接印刷の場合、粒子形態に変換して用いることができ、この時、粒子形態は、前述した金属の単一組成あるいは混合組成を有する粒子が可能である。
【0075】
本発明において、前記伝導性パターン材料を含むインクあるいはペーストを用いる場合、前記インクあるいはペーストは、印刷工程が容易になるように、前述した伝導性パターン材料以外に有機バインダーをさらに含むこともできる。前記有機バインダーは、焼成工程において揮発する性質を有することが好ましい。前記有機バインダーとしてはポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂および変性エポキシなどが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0076】
前記タッチパネルは電源に連結されることができ、この時、開口率を考慮した単位面積当たりの抵抗値は、常温で0.01ohm/square〜1000ohm/square、好ましくは5ohm/square〜150ohm/squareである。
【0077】
また、本発明によるタッチパネルの少なくとも一面には、反射防止フィルム、偏光フィルム、耐指紋フィルムのうち少なくとも1つが備えられることができる。設計仕様に応じ、前述した機能性フィルム以外に他種類の機能性フィルムをさらに含むこともできる。前記のようなタッチパネルは、OLEDディスプレイパネル(OLED Display Panel)、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、および陰極線管(Cathode−Ray Tube、CRT)、PDPのようなディスプレイ装置に適用されることができる。
【実施例】
【0078】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。但し、下記の実施例は本発明を例示するためのものであって、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【0079】
<実施例>
PET(polyethylene terephthalate)基材上にAl金属を蒸着した後、印刷工程を通じて伝導性パターンを形成し、エッチングおよび剥離工程を経て、
図5のようなFPCB連結領域を含む伝導性パターンを形成した。
下記表1のように、開口領域の比率を異ならせたFPCB連結領域を含むパッド部サンプルの2種にFPCBをACF'(Anisotropic Conductive Film)を用いて付着した後、これを
図4のようなTexture Analyzer XT Plus(Speed:50mm/min)を用いて付着力テスト(Peel Test)を行った。
【表1】
【0080】
前記表1の結果のように、本発明においては、ルータ部とフレキシブルプリント回路基板(Flexible printed circuit boards、FPCB)部を連結するFPCB連結領域の全体が伝導性物質で塗布されているものではなく、開口領域がある伝導性パターンで構成することにより、本発明によるタッチパネルとFPCB部の付着時の付着力をより向上できたことが分かる。