(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997285
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】ケーブル型二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20160915BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20160915BHJP
H01M 10/0568 20100101ALI20160915BHJP
H01M 4/75 20060101ALI20160915BHJP
H01M 4/70 20060101ALI20160915BHJP
H01M 4/66 20060101ALI20160915BHJP
H01M 10/0565 20100101ALI20160915BHJP
H01M 2/16 20060101ALI20160915BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20160915BHJP
H01M 4/58 20100101ALI20160915BHJP
H01M 4/505 20100101ALI20160915BHJP
H01M 4/525 20100101ALI20160915BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01M10/0568
H01M4/75 Z
H01M4/70 Z
H01M4/66 A
H01M10/0565
H01M2/16 P
H01M10/052
H01M4/58
H01M4/505
H01M4/525
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-535662(P2014-535662)
(86)(22)【出願日】2012年10月15日
(65)【公表番号】特表2014-534569(P2014-534569A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】KR2012008402
(87)【国際公開番号】WO2013055189
(87)【国際公開日】20130418
【審査請求日】2014年4月9日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0105218
(32)【優先日】2011年10月14日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2011-0105219
(32)【優先日】2011年10月14日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0114438
(32)【優先日】2012年10月15日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ヨ−ハン
(72)【発明者】
【氏名】オ、ビュン−フン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ−ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ホン−チョル
【審査官】
植前 充司
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/093661(WO,A1)
【文献】
特開平09−007629(JP,A)
【文献】
特開2001−110445(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/093660(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/063659(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/096655(WO,A1)
【文献】
特表2013−539174(JP,A)
【文献】
特表2014−511004(JP,A)
【文献】
特表2014−528638(JP,A)
【文献】
特表2014−532277(JP,A)
【文献】
特表2014−532278(JP,A)
【文献】
特表2014−532279(JP,A)
【文献】
特表2014−532280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/058
H01M 2/16
H01M 4/505
H01M 4/525
H01M 4/58
H01M 4/66
H01M 4/70
H01M 4/75
H01M 10/052
H01M 10/0565
H01M 10/0568
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状の水平断面を有して長手方向に延長されたケーブル型二次電池であって、
内部集電体と前記内部集電体の外面を囲んで形成された内部電極活物質層とを備える内部電極;
前記内部電極の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層;及び
前記分離層の外面を囲んで形成され、外部電極活物質層と開放構造の外部集電体とを備える外部電極;を含み、
前記開放構造の外部集電体は、螺旋状に巻き取られたワイヤ型集電体、または螺旋状に巻き取られたシート型集電体であるケーブル型二次電池。
【請求項2】
前記外部電極において、前記開放構造の外部集電体が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記外部電極活物質層が、前記開放構造の外部集電体の外面を囲んで形成されるか;
前記外部電極活物質層が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記開放構造の外部集電体が、前記外部電極活物質層の外面を囲んで形成されるか;
前記開放構造の外部集電体が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記外部電極活物質層が、前記開放構造の外部集電体の外面を囲んで前記分離層と接触するように形成されるか;又は
前記外部電極活物質層が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記開放構造の外部集電体が、前記外部電極活物質層内に被覆され、前記分離層の外面を離隔した状態で囲んで形成されることを特徴とする請求項1に記載のケーブル型二次電池。
【請求項3】
前記内部集電体が、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、もしくは銅;カーボン、ニッケル、チタンもしくは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;または伝導性高分子から製造されたことを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル型二次電池。
【請求項4】
前記導電材が、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、酸化インジウムスズ(ITO)、銀、パラジウム、及びニッケルからなる群から選択された1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項3に記載のケーブル型二次電池。
【請求項5】
前記伝導性高分子が、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄からなる群から選択された1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項3に記載のケーブル型二次電池。
【請求項6】
前記開放構造の外部集電体が、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、もしくは銅;カーボン、ニッケル、チタンもしくは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;伝導性高分子;Ni、Al、Au、Ag、Al、Pd/Ag、Cr、Ta、Cu、BaもしくはITOの金属粉末を含む金属ペースト;または、黒鉛、カーボンブラックもしくは炭素ナノチューブの炭素粉末を含む炭素ペースト;から製造されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【請求項7】
前記導電材が、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、酸化インジウムスズ(ITO)、銀、パラジウム、及びニッケルからなる群から選択された1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項6に記載のケーブル型二次電池。
【請求項8】
前記伝導性高分子が、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄からなる群から選択された1種の化合物または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項6に記載のケーブル型二次電池。
【請求項9】
前記内部電極が、負極であり、前記外部電極が正極であるか、または前記内部電極が、正極であり、前記外部電極が、負極であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【請求項10】
前記内部電極が負極であり、前記外部電極が正極である場合、前記内部電極活物質層が、天然黒鉛、人造黒鉛、もしくは炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、およびSi、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiもしくはFeを含む金属類(Me);前記金属類の合金類;前記金属類の酸化物(MeOx);ならびに前記金属類と炭素との複合体からなる群より選択されたいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含み、
前記外部電極活物質層が、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiCoPO4、LiFePO4、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2zO2(M1及びM2は互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択され、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)からなる群より選択されたいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【請求項11】
前記内部電極が正極であり、前記外部電極が負極である場合、前記内部電極活物質層が、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiCoPO4、LiFePO4、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2zO2(M1及びM2は互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択されたいずれか一つであり、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z=1である)からなる群より選択されたいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含み、
前記外部電極活物質層が、天然黒鉛、人造黒鉛、もしくは炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、及びSi、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeを含む金属類(Me);前記金属類の合金類;前記金属類の酸化物(MeOx);ならびに前記金属類と炭素との複合体からなる群より選択されたいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【請求項12】
前記分離層が、電解質層またはセパレータであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【請求項13】
前記電解質層が、PEO、PVdF、PVdF‐HFP、PMMA、PANまたはポリビニルアセテート(PVAc)を使用したゲル型高分子電解質;および、
PEO、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエーテルイミン(PEI)、ポリエチレンスルフィド(PES)またはポリビニルアセテート(PVAc)を使用した固体電解質;から選択された電解質を含むことを特徴とする請求項12に記載のケーブル型二次電池。
【請求項14】
前記電解質層が、リチウム塩を更に含むことを特徴とする請求項13に記載のケーブル型二次電池。
【請求項15】
前記リチウム塩が、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO2)2NLi、クロロほう酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムから選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項14に記載のケーブル型二次電池。
【請求項16】
前記セパレーターが、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン‐ブテン共重合体、エチレン‐ヘキセン共重合体、及びエチレン‐メタクリレート共重合体からなる群より選択されたポリオレフィン系高分子から製造された多孔性基材;ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルファイド、及びポリエチレンナフタレンからなる群より選択された高分子から製造された多孔性基材;または無機物粒子及びバインダー高分子の混合物から形成された多孔性基材であることを特徴とする請求項12〜15のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【請求項17】
所定形状の水平断面を有して長手方向に延長されたケーブル型二次電池であって、
長手方向に延長された内部集電体と、前記内部集電体の外面を囲んで形成された内部電極活物質層とを備える2以上の第1電極が互いに平行に配置された内部電極;
前記内部電極の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層;及び
前記分離層の外面を囲んで形成され、外部電極活物質層と開放構造の外部集電体とを備える外部電極;を含み、
前記開放構造の外部集電体は、螺旋状に巻き取られたワイヤ型集電体、または螺旋状に巻き取られたシート型集電体であるケーブル型二次電池。
【請求項18】
前記外部電極において、前記開放構造の外部集電体が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記外部電極活物質層が、前記開放構造の外部集電体の外面を囲んで形成されるか;
前記外部電極活物質層が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記開放構造の外部集電体が、前記外部電極活物質層の外面を囲んで形成されるか;
前記開放構造の外部集電体が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記外部電極活物質層が、前記開放構造の外部集電体の外面を囲んで前記分離層と接触するように形成されるか;又は
前記外部電極活物質層が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記開放構造の外部集電体が、前記外部電極活物質層内に被覆され、前記分離層の外面を離隔した状態で囲んで形成されることを特徴とする請求項17に記載のケーブル型二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変形自在なケーブル型二次電池に関し、より詳しくは、外部集電体に関する。
【0002】
本出願は、2011年10月14日出願の韓国特許出願第10−2011−0105218号、2011年10月14日出願の韓国特許出願第10−2011−0105219号、及び2012年10月15日出願の韓国特許出願第10−2012−0114438に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、本出願にすべて援用される。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、外部の電気エネルギーを化学エネルギーの形態に変えて貯蔵しておき、必要なときに電気を作り出す装置をいう。数回充電できるという意味で「充電式電池(rechargeable battery)」という名称も用いられる。よく使用される二次電池としては、鉛蓄電池、ニッケル‐カドミウム電池(NiCd)、ニッケル水素蓄電池(NiMH)、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池(Li‐ion polymer)がある。二次電池は、使い捨ての一次電池に比べて経済的な利点及び環境的な利点を共に提供する。
【0004】
二次電池は現在、低い電力を使用する所に用いられている。例えば、自動車の始動を助ける機器、携帯用装置、道具、無停電電源装置が挙げられる。最近、無線通信技術の発展は携帯用装置の大衆化を主導しており、従来の多くの種類の装置が無線化される傾向もあって、二次電池に対する需要が急増している。また、環境汚染などの防止の面で、ハイブリッド自動車、電気自動車が実用化されているが、これら次世代自動車は二次電池を使用することで、コストと重量を下げ、寿命を伸ばす技術を採用している。
【0005】
一般に、二次電池は円筒型、角形、またはパウチ型の電池が殆どである。二次電池が、負極、正極、及び分離膜で構成された電極組立体を円筒型または角形の金属缶またはアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースの内部に装着し、前記電極組立体に電解質を注入して製造されるためである。従って、このような二次電池の装着には一定空間が必要不可欠であるため、二次電池の円筒型、角形、またはパウチ型の形態は多様な形態の携帯用装置の開発に制約となる問題点がある。そこで、形態の変形が容易な新規な形態の二次電池が求められている。
【0006】
このような要求に応えて、断面の直径に対する長さの比が非常に大きく、可撓性に優れた電池である線型電池が提案された。韓国特許登録第0804411号(特許文献1)には、負極と正極との間に分離膜が介在し、複数の負極と正極で構成された線型電池が開示されており、韓国特許登録第0742739号(特許文献2)には、糸形態の正極糸と負極糸からなる可変型電池が開示されているが、可撓性は良くない。また、外部から加えられる力によってケーブル型二次電池の外部集電体の変形が発生する場合には、内部集電体との接触による短絡が発生する問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許登録第0804411号公報
【特許文献2】韓国特許登録第0742739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、変形が容易であり、二次電池の安定性と優れた性能を維持することができ、外部集電体の変形による短絡の恐れのない新規な線型構造の二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様によれば、内部集電体と前記内部集電体の外面を囲んで形成された内部電極活物質層とを備える内部電極;前記内部電極の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層;及び前記分離層の外面を囲んで形成され、外部電極活物質層と開放構造の外部集電体とを備える外部電極;を含み、所定形状の水平断面を有して長手方向に延長されたケーブル型二次電池が提供される。
【0010】
ここで、前記開放構造の外部集電体は、巻き取られたワイヤ型集電体、巻き取られたシート型集電体、またはメッシュ型集電体であり得る。
【0011】
そして、前記外部電極は、前記分離層の外面を囲んで形成された開放構造の外部集電体、及び前記開放構造の外部集電体の外面を囲んで形成された外部電極活物質層を備えるか;前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層、及び前記外部電極活物質層の外面を囲んで形成された開放構造の外部集電体を備えるか;前記分離層の外面を囲んで形成された開放構造の外部集電体、及び前記開放構造の外部集電体の外面を囲んで前記分離層と接するように形成された外部電極活物質層を備えるか;又は前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層、及び前記外部電極活物質層内に被覆され、前記分離層の外面を離隔した状態で囲んで形成された開放構造の外部集電体を備えることができる。
【0012】
そして、前記内部集電体は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、もしくは銅;カーボン、ニッケル、チタンもしくは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;または伝導性高分子から製造されたものであり得る。
【0013】
このとき、前記導電材は、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、ITO(Indium Thin Oxide)、銀、パラジウム、及びニッケルのうち選択された1種または2種以上の混合物であり得る。
【0014】
そして、前記伝導性高分子は、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄のうち選択された1種の化合物または2種以上の混合物である高分子であり得る。
【0015】
そして、前記開放構造の外部集電体は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、もしくは銅;カーボン、ニッケル、チタンもしくは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;伝導性高分子;Ni、Al、Au、Ag、Al、Pd/Ag、Cr、Ta、Cu、BaもしくはITOの金属粉末を含む金属ペースト;または黒鉛、カーボンブラックもしくは炭素ナノチューブの炭素粉末を含む炭素ペースト;から製造されたものであり得る。
【0016】
このとき、前記導電材は、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、ITO、銀、パラジウム、及びニッケルのうち選択された1種または2種以上の混合物であり得る。
【0017】
そして、前記伝導性高分子は、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄のうち選択された1種の化合物または2種以上の混合物である高分子であり得る。
【0018】
そして、前記内部電極は負極または正極であり得、前記外部電極は前記内部電極に対応する正極または負極であり得る。
【0019】
ここで、前記内部電極が負極であり、前記外部電極が正極である場合、前記内部電極活物質層は、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeである金属類(Me);前記金属類(Me)で構成された合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体からなる群より選択されたいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含み、前記外部電極活物質層は、LiCoO
2、LiNiO
2、LiMn
2O
4、LiCoPO
4、LiFePO
4、
及びLiNi
1-x-y-zCo
xM1
yM2
zO
2(M1及びM2は互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択されたいずれか一つであり、x、y及びzは相互独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)からなる群より選択されたいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことができる。
【0020】
そして、前記内部電極が正極であり、前記外部電極が負極である場合、前記内部電極活物質層は、LiCoO
2、LiNiO
2、LiMn
2O
4、LiCoPO
4、LiFePO
4、
及びLiNi
1-x-y-zCo
xM1
yM2
zO
2(M1及びM2は互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択されたいずれか一つであり、x、y及びzは相互独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z=1である)からなる群より選択されたいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含み、前記外部電極活物質層は、天然黒鉛、人造黒鉛、もしくは炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物、Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiもしくはFeを含む金属類;前記金属類の合金類;前記金属類の酸化物;及び前記金属類と炭素との複合体からなる群より選択されたいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことができる。
【0021】
そして、前記分離層は、電解質層またはセパレータであり得る。
【0022】
ここで、前記電解質層は、PEO、PVdF、PVdF‐HFP、PMMA、PANまたは
ポリビニルアセテート(PVAc)を使用したゲル型高分子電解質;またはPEO、PPO(polypropylene oxide)、PEI(polyethylene imine)、PES(polyethylene sulphide)またはPVAc(polyvinyl acetate)を使用した固体電解質;のうち選択された電解質を含むことができる。
【0023】
そして、前記電解質層は、リチウム塩を更に含むことができる。
【0024】
ここで、前記リチウム塩は、LiCl、LiBr、LiI、LiClO
4、LiBF
4、LiB
10Cl
10、LiPF
6、LiCF
3SO
3、LiCF
3CO
2、LiAsF
6、LiSbF
6、LiAlCl
4、CH
3SO
3Li、CF
3SO
3Li、(CF
3SO
2)
2NLi、クロロほう酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムのうち選択された1種または2種以上であり得る。
【0025】
そして、前記セパレータは、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン‐ブテン共重合体、エチレン‐ヘキセン共重合体、及びエチレン‐メタクリレート共重合体からなる群より選択されたポリオレフィン系高分子から製造された多孔性基材;ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルファイド、及びポリエチレンナフタレンからなる群より選択された高分子から製造された多孔性基材;または無機物粒子とバインダー高分子との混合物から形成された多孔性基材であり得る。
【0026】
また、本発明の他の態様によれば、長手方向に延長された内部集電体と、前記内部集電体の外面を囲んで形成された内部電極活物質層とを備える2以上の第1電極が平行に配置された内部電極;前記内部電極の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層;及び前記分離層の外面を囲んで形成され、外部電極活物質層と開放構造の外部集電体とを備える外部電極;を含み、所定形状の水平断面を有して長手方向に延長されたケーブル型二次電池が提供される。
【発明の効果】
【0027】
本発明の開放構造の外部集電体は、可撓性に優れるだけでなく、一定の弾性を有するため、それを備えるケーブル型二次電池の可撓性を向上させることができる。また、外部から過度な力が本発明のケーブル型二次電池に加えられる場合にも、本発明の開放構造の外部集電体は、形態的特性上、崩れや折れなどの過度な変形が少ないため、内部集電体との接触による短絡の恐れが少なく、活物質の脱離を防止することができる。
【0028】
そして、本発明の開放構造の外部集電体は、外部電極活物質層の内部に存在し、集電体と活物質との間の電気接点(electric contact)を向上させることができるため、電池の特性向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【
図1】本発明の一実施例による一つの内部電極を有し、巻き取られたワイヤ型外部集電体を有するケーブル型二次電池を示した図である。
【
図2】本発明の一実施例による一つの内部電極を有し、メッシュ型外部集電体を有するケーブル型二次電池を示した図である。
【
図3】本発明の一実施例による一つの内部電極を有し、巻き取られたワイヤ型外部集電体が外部電極活物質層内に被覆されているケーブル型二次電池を示した図である。
【
図4】本発明の一実施例による一つの内部電極を有し、メッシュ型外部集電体が外部電極活物質層内に被覆されているケーブル型二次電池を示した図である。
【
図5】本発明の一実施例による複数の内部電極を有するケーブル型二次電池の断面図である。
【
図6】本発明の一実施例による複数の内部電極を有し、外部集電体が外部電極活物質層内に被覆されているケーブル型二次電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0031】
図1ないし
図4には、本発明による一つの内部電極を有し、開放構造の外部集電体を有するケーブル型二次電池の実施例が概略的に示されている。しかし、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想の全てを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0032】
図1ないし
図4を参照すれば、本発明の所定形状の水平断面を有して長手方向に延長されたケーブル型二次電池100、200は、内部集電体110、210と、前記内部集電体110、210の外面を囲んで形成された内部電極活物質層120、220とを備える内部電極;前記内部電極の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層130、230;及び前記分離層130、230の外面を囲んで形成され、外部電極活物質層140、240と開放構造の外部集電体150、250とを備える外部電極;を含む。ここで、所定形状とは、形状を特に制限しないということであり、本発明の本質を損害しない如何なる形状も可能であるという意味である。本発明のケーブル型二次電池は、所定形状の水平断面を有し、水平断面に対する長手方向に長く延びた線型構造を有して可撓性を有するため、変形自在である。
【0033】
また、開放構造とは、その開放構造を境界面にして、該境界面を通過して内部から外部への物質の移動が自由な形態の構造をいうものであり、前記開放構造の外部集電体は、巻き取られたワイヤ型集電体、巻き取られたシート型集電体、またはメッシュ型集電体であり得るが、これらに限定されることはない。
【0034】
本発明の内部電極は、線型の内部集電体110、210、及び前記内部集電体110、210の外面を囲んで形成された内部電極活物質層120、220からなる。そして、電極の短絡を防止するための分離層140、240が前記内部電極の外面を囲んで形成される。
【0035】
このような分離層140、240の外面には、外部電極が形成される。
【0036】
ここで前記外部電極は、分離層と接する、外部電極活物質層と開放構造の外部集電体との配置によってあらゆる具現例が可能である。
【0037】
第一具現例として、
図1及び
図2に示された外部電極は、前記分離層130の外面を囲んで形成された開放構造の外部集電体150と、前記開放構造の外部集電体150の外面を囲んで形成された外部電極活物質層140とを備える。
【0038】
例えば、巻き取られたワイヤ型である開放構造の外部集電体を備えたケーブル型二次電池を示した
図1によれば、前記分離層130の外面にワイヤ型である開放構造の外部集電体150を巻き取る。従来のワイヤ型集電体は、可撓性に優れるが、活物質層との接触面積が小さいため、外部集電体として使用する場合には望ましい水準の伝導性を確保することが難しかった。しかし、本発明のように電極組立体の外面にワイヤ型集電体を巻き取る場合には、活物質層との接触面積が十分広くなるため、一定水準の電池性能が保障される。特に、本発明の外部電極活物質層140は、例えば、活物質スラリーの形態で製造され、巻き取られたワイヤ型である開放構造の外部集電体150の外面にコーティングされて形成されるため、外部電極活物質層140は前記分離層130と接触し、巻き取られたワイヤ型である開放構造の外部集電体150は、外部電極活物質層140の内部に含まれている構造になり、集電体と活物質との間の電気接点を向上させることができ、電池の特性向上に寄与する。
【0039】
このとき、巻き取られたワイヤ型である開放構造の外部集電体は、その形態によって弾性を有し、全体的なケーブル型二次電池の可撓性を向上させる役割をする。また、外部から過度な力が本発明のケーブル型二次電池に加えられる場合にも、本発明の開放構造の外部集電体は、形態的特性上、崩れや折れなどの過度な変形が少ないため、内部集電体との接触による短絡の恐れが少ない。
【0040】
電極活物質層は、電極活物質、バインダー、及び導電材を含み、集電体と結合して電極を構成する。電極が、外部の力によって折られるか又はひどく曲がるなどの変形が起きる場合には、電極活物質の脱離が発生する。このような電極活物質の脱離によって電池性能及び電池容量が低下する。しかし、本発明のケーブル型二次電池は、巻き取られたワイヤ型である開放構造の外部集電体が弾性を有し、外部の力による変形のときに力を分散する役割をするため、活物質層に対する変形が少なく、したがって活物質の脱離を予防することができる。
【0041】
前記開放構造の外部集電体として、巻き取られたワイヤ型集電体の外に、巻き取られたシート型集電体またはメッシュ型集電体を使用しても、上記と同様の効果が発揮される。
【0042】
第二具現例として、
図3及び
図4による外部電極は、前記分離層230の外面を囲んで形成された外部電極活物質層240、及び前記外部電極活物質層240内に被覆され、前記分離層230の外面を離隔した状態で囲んで形成された開放構造の外部集電体250を備える。前記開放構造の外部集電体250が前記外部電極活物質層240内に被覆されることで、電気接点を更に向上できるため、電池の特性向上に寄与する。
【0043】
その他の具現例として、本発明の一実施例によるケーブル型二次電池の外部電極は、前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層と、前記外部電極活物質層の外面を囲んで形成された開放構造の外部集電体とを備える構造;前記分離層の外面を囲んで形成された外部集電体と、前記外部集電体の外面を囲んで前記分離層と接触するように形成された外部電極活物質層とを備える構造;などが可能である。
【0044】
また、前記内部集電体は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;または伝導性高分子で製造されたものが望ましく、前記開放構造の外部集電体は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;伝導性高分子;Ni、Al、Au、Ag、Al、Pd/Ag、Cr、Ta、Cu、BaまたはITOの金属粉末を含む金属ペースト;または黒鉛、カーボンブラックまたは炭素ナノチューブの炭素粉末を含む炭素ペースト;で製造されたものが望ましい。
【0045】
集電体は、活物質の電気化学反応によって生成された電子を集めるか、又は電気化学反応に必要な電子を供給する役割をするものであって、一般に銅やアルミニウムなどの金属を使用する。特に、導電材で表面処理された非伝導性高分子または伝導性高分子からなる高分子伝導体を使用する場合には、銅やアルミニウムのような金属を使用した場合より相対的に可撓性に優れる。また、金属集電体に代替して高分子集電体を使用することで、電池の軽量性を達成することができる。
【0046】
このような導電材としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、ITO、銀、パラジウム、及びニッケルなどが使用可能であり、伝導性高分子としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄などが使用可能である。但し、集電体に用いられる非伝導性高分子は特にその種類が限定されない。
【0047】
前記内部電極は、負極または正極であり得、前記外部電極は、前記内部電極に対応する正極または負極であり得る。
【0048】
本発明の電極活物質層は、集電体を通じてイオンを移動させる作用をし、これらイオンの移動は、電解質層からの吸蔵及び電解質層への放出を通じた相互作用による。
【0049】
このような電極活物質層は、負極活物質層と正極活物質層とに分けることができる。
【0050】
具体的には、前記内部電極が負極であり、前記外部電極が正極である場合、前記内部電極活物質層は負極活物質層であって、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物、Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeである金属類;前記金属類で構成された合金類;前記金属類の酸化物;及び前記金属類と炭素との複合体からなる群より選択されたいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことができ、前記外部電極活物質層は、正極活物質層であって、LiCoO
2、LiNiO
2、LiMn
2O
4、LiCoPO
4、LiFePO
4、
及びLiNi
1-x-y-zCoxM1
yM2
zO
2(M1及びM2は互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択されたいずれか一つであり、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)からなる群より選択されたいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことができる。
【0051】
また、前記内部電極が正極であり、前記外部電極が負極である場合には、内部電極活物質層は正極活物質層であり得、外部電極活物質層は負極活物質層であり得る。
【0052】
本発明の分離層は、電解質層またはセパレータを使用することができる。
【0053】
このようなイオンの通路となる電解質層としては、PEO、PVdF、PVdF‐HFP、PMMA、PANまたは
ポリビニルアセテート(PVAc)を用いたゲル型高分子電解質、またはPEO、PPO、PEI、PESまたはPVAcを用いた固体電解質などを使用する。固体電解質のマトリックスは、高分子またはセラミックガラスを基本骨格にすることが望ましい。一般の高分子電解質の場合には、イオン伝導度が満たされても、反応速度の面でイオンが非常に遅く移動する恐れがあるため、固体よりはイオンの移動が容易なゲル型高分子電解質を使用することが望ましい。ゲル型高分子電解質は、機械的特性が優れないため、それを補完するために気孔構造支持体または架橋高分子を含むことができる。本発明の電解質層は分離膜の役割も果たせるため、別途の分離膜を使用しなくてもよい。
【0054】
本発明の電解質層は、リチウム塩を更に含むことができる。リチウム塩は、イオン伝導度及び反応速度を向上させることができ、これらの非制限的な例としては、LiCl、LiBr、LiI、LiClO
4、LiBF
4、LiB
10Cl
10、LiPF
6、LiCF
3SO
3、LiCF
3CO
2、LiAsF
6、LiSbF
6、LiAlCl
4、CH
3SO
3Li、CF
3SO
3Li、(CF
3SO
2)
2NLi、クロロほう酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムを使用することができる。
【0055】
前記セパレータとしては、その種類は限定されないが、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン‐ブテン共重合体、エチレン‐ヘキセン共重合体、及びエチレン‐メタクリレート共重合体からなる群より選択されたポリオレフィン系高分子から製造された多孔性基材;ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルファイド、及びポリエチレンナフタレンからなる群より選択された高分子から製造された多孔性基材;または無機物粒子とバインダー高分子との混合物から形成された多孔性基材などを使用することができる。
【0056】
本発明は保護被覆を備えるが、保護被覆は絶縁体であって、空気中の水分及び外部衝撃から電極を保護するために外部電極の外面に形成する。保護被覆としては、通常の高分子樹脂を使用でき、例えばPVC、HDPE、またはエポキシ樹脂が使用可能である。
【0057】
以下、一実施例によるケーブル型二次電池、及びその製造方法を
図1を参照して簡略に説明する。
【0058】
一実施例によるケーブル型二次電池100は、所定形状の水平断面を有して
長手方向に延長される内部集電体110;前記内部集電体の外面を囲んで形成された内部電極活物質層120;前記内部電極活物質層120を囲んで充填され、イオンの通路となる電解質層である分離層130;前記分離層130の外面に巻き取られたワイヤ型である開放構造の外部集電体150;そして前記開放構造の外部集電体150の外面を囲んで形成された外部電極活物質層140を備える。
【0059】
まず、ワイヤ形状の内部集電体110を用意し、その内部集電体110の表面に内部電極活物質層120をコーティングする。コーティング方法としては、一般のコーティング方法が適用され得、具体的には、電気メッキ(electroplating)または正極酸化処理(anodic oxidation process)方が使用可能であるが、一定間隔を維持するためには活物質を含む電極スラリーを押出機を用いて押出コーティングする方法で製造することが望ましい。また、活物質を含む電極スラリーである場合には、ディップコーティング(dip coating)または押出機を使用する押出コーティング方法で製造することも可能である。
【0060】
また、前記内部電極活物質層120を包むように電解質層である分離層130を形成する。前記電解質層である分離層130を形成する方法も特に限定されないが、線型であるケーブル型二次電池の特性上、押出コーティング法で製造することが容易である。
【0061】
コーティングされた電解質である前記分離層130の外面にワイヤ型外部集電体を巻く。巻き方は特に限定されないが、巻線機を応用して分離層130の外面にワイヤ型外部集電体に巻くことができる。そして、巻き取られたワイヤ型である開放構造の外部集電体150の外面に、外部電極活物質層140をコーティングして形成する。内部電極活物質層120のコーティング法が外部電極活物質層140のコーティングにも同様に適用され得る。このような外部電極活物質層140は、巻き取られたワイヤ型である開放構造の外部集電体150を包み、分離膜130と接触するように形成することも可能である。
【0062】
最後に、前記外部電極活物質層140の外面に保護被覆160を形成する。前記保護被覆160は絶縁体であって、空気中の水分及び外部衝撃から電極を保護するために最外面に形成する。保護被覆160としては、通常の高分子樹脂を使用でき、例えば、PVC、HDPE、またはエポキシ樹脂が使用可能である。
【0063】
以下、さらに他の可能な実施例を
図5及び
図6を参照して説明する。
【0064】
図5及び
図6を参照すれば、本発明のケーブル型二次電池300、400は、長手方向に延長された内部集電体310、410と、前記内部集電体310、410の外面を囲んで形成された内部電極活物質層320、420とを備える2以上の第1電極が平行に配置された内部電極;前記内部電極の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層330、430;及び前記分離層330、430の外面を囲んで形成され、外部電極活物質層340、440と開放構造の外部集電体350、450とを備える外部電極;を含む。
【0065】
このようなケーブル型二次電池300、400は、複数の電極からなる内部電極を備えるため、負極と正極とのバランスを調整し易く、複数の電極を備えるため、断線を防止することができる。
【0066】
特に、
図6のように前記外部電極が、前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層、及び前記外部電極活物質層内に被覆され、前記分離層の外面を離隔した状態で囲んで形成された開放構造の外部集電体を備えるようになれば、電気接点を更に向上させることができるため、電池の特性向上に寄与する。