特許第5999610号(P5999610)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー・ケム・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許5999610-両方向電力変換装置 図000002
  • 特許5999610-両方向電力変換装置 図000003
  • 特許5999610-両方向電力変換装置 図000004
  • 特許5999610-両方向電力変換装置 図000005
  • 特許5999610-両方向電力変換装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5999610
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】両方向電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/20 20060101AFI20160915BHJP
【FI】
   H02K7/20
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-523041(P2015-523041)
(86)(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公表番号】特表2015-523051(P2015-523051A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】KR2014004398
(87)【国際公開番号】WO2014200193
(87)【国際公開日】20141218
【審査請求日】2014年9月3日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0066948
(32)【優先日】2013年6月12日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0076534
(32)【優先日】2013年7月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベク、セオン ムン
(72)【発明者】
【氏名】カン、ジュン スー
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヨウン ボー
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−189163(JP,A)
【文献】 特開2012−100455(JP,A)
【文献】 特開平11−150974(JP,A)
【文献】 再公表特許第2013/002306(JP,A1)
【文献】 特開2003−061397(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0049892(US,A1)
【文献】 米国特許第08664782(US,B1)
【文献】 特開昭59−172949(JP,A)
【文献】 特開平10−210732(JP,A)
【文献】 特開2010−172173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/20
H02P 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーを充電できるように連結される両方向電力変換装置であって、
AC電源の印加を受けてDC電力を生産するか、またはDC電源の印加を受けてAC電力を生産する複数のACDCモーター発電機を含み、
前記複数のACDCモーター発電機は回転軸を介して互いに連結され
前記複数のACDCモーター発電機は、1つ以上のベルトを介して互いに連結され、互いに相応するように回転することを特徴とする、両方向電力変換装置。
【請求項2】
前記複数のACDCモーター発電機は、
各々印加されるAC電源またはDC電源の電源仕様に応じて備えられることを特徴とする、請求項1に記載の両方向電力変換装置。
【請求項3】
前記電源仕様は、
電圧(Voltage)、電流(Ampere)、周波数(Frequency)、消費電力(Power consumption)のうちの1つ以上に該当することを特徴とする、請求項2に記載の両方向電力変換装置。
【請求項4】
前記複数のACDCモーター発電機は、
前記回転軸を回転させるための回転力を提供することを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の両方向電力変換装置。
【請求項5】
前記複数のACDCモーター発電機は、
各々回転力を通じて絶縁されたAC電力あるいはDC電力を生成することを特徴とする、請求項1からの何れか1項に記載の両方向電力変換装置。
【請求項6】
前記複数のACDCモーター発電機は、
各々生成されるAC電力またはDC電力の電源仕様に応じて備えられることを特徴とする、請求項1からの何れか1項に記載の両方向電力変換装置。
【請求項7】
前記電源仕様は、
電圧(Voltage)、電流(Ampere)、周波数(Frequency)、消費電力(Power consumption)のうちの1つ以上に該当することを特徴とする、請求項に記載の両方向電力変換装置。
【請求項8】
前記複数のACDCモーター発電機は、
互いに絶縁された状態に該当することを特徴とする、請求項1からの何れか1項に記載の両方向電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2013年6月12日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2013−0066948号および2013年7月1日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2013−0076534号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【0002】
本発明は、両方向電力変換装置に関し、AC電源およびDC電源の供給を受けて回転および発電が可能な複数のACDCモーター発電機を用いることにより、AC電源をDC電源に変換してバッテリーを充電するか、あるいはDC電源をAC電源に変換してバッテリーを充電することができる両方向電力変換装置に関する。
【0003】
より具体的に、本発明は、AC電源およびDC電源の印加をいずれも受けることができる複数のACDCモーター発電機を互いに物理的に連結させ、1つのACDCモーター発電機の回転力を用いて他のACDCモーター発電機を回転させ、それによってAC電源が絶縁されたDC電源に変換されてバッテリーを充電するか、あるいはDC電源が絶縁されたAC電源に変換されてバッテリーを充電することができる両方向電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0004】
最近、産業および経済が急速に発展するにつれ、このような発展を可能にする電気の使用量も共に増加するようになった。
【0005】
一方、このような電気はDC(Direct current)という直流状態とAC(Alternating current)という交流状態で存在しており、電子機器はこのようなDC電流およびAC電流を様々に使用することになる。通常、発電所から伝送される電気は交流状態のAC電流に該当し、このようなAC電流をDC電流によって駆動される電子機器が使用するためにはコンバーター(Converter)という変換器を介して変換させなければならない。
【0006】
このようなコンバーターはAC−ACコンバーター、AC−DCコンバーター、DC−DCコンバーター、DC−ACコンバーターなど様々な種類が存在しており、従来のコンバーターを調べてみれば、韓国公開特許第10−2013−0050180号は直流−直流コンバーターに関するものであり、磁式方式の補助巻線を用いて整流回路を生成して導通損失を減らすことができる効果を有する。
【0007】
しかし、このような従来のコンバーターは、上述した直流−直流コンバーターだけでなく、大半が磁式方式の誘導電流を用いてACをDCに変換するかまたはDCをACに変換する方式を使っている。
【0008】
このような方式は、AC電流側(以下、1次側)とDC電流側(以下、2次側)を絶縁する過程で別途の絶縁素子(例えば、半導体を用いた集積回路(IC)など)を用いて1次側と2次側を絶縁させなければならない不便があり、そのため、従来のコンバーターは絶縁素子を収容する程度にコンバーターのサイズが大きくならなければならないという問題点を有する。
【0009】
そこで、本発明者は、上述した従来のコンバーターが有する問題点を解決するために、回路的な絶縁素子を用いることなく1次側と2次側を絶縁させ、また、AC電源およびDC電源のうちいずれか1つ以上の供給を受けて、AC電源をDC電源に、あるいはDC電源をAC電源に両方向電力変換してバッテリーを充電することができ、それのみならず、電力変換装置の全体的な大きさをより小型化できる両方向電力変換装置を発明するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した問題点を解決するために導き出されたものであり、本発明の目的は、AC電源およびDC電源の供給を受けて回転および発電が可能な複数のACDCモーター発電機を用いることにより、AC電源をDC電源に変換してバッテリーを充電するか、あるいはDC電源をAC電源に変換してバッテリーを充電することができる両方向電力変換装置を提供することにある。
【0011】
より具体的に、本発明は、別途の絶縁素子を用いることなくAC電源側とDC電源側を絶縁することができる両方向電力変換装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明は、AC電源あるいはDC電源の印加を受ける複数のACDCモーター発電機を物理的に直接連結させることによって絶縁過程が省略可能な両方向電力変換装置を提供することにある。
【0013】
なお、本発明は、複数のACDCモーター発電機のギア比を調節して電源比も共に調節できるようにする両方向電力変換装置を提供することにある。
【0014】
さらに、本発明は、印加されるAC電源あるいはDC電源の電源仕様に応じて互いに異なるように具備可能な両方向電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態による両方向電力変換装置は、AC電源の印加を受けてDC電力を生産するか、またはDC電源の印加を受けてAC電力を生産する複数のACDCモーター発電機を含んで構成される。
【0016】
前記複数のACDCモーター発電機は、回転軸を介して互いに連結されることを特徴とする。
【0017】
前記複数のACDCモーター発電機は、各々印加されるAC電源またはDC電源の電源仕様に応じて備えられることを特徴とする。
【0018】
前記電源仕様は、電圧(Voltage)、電流(Ampere)、周波数(Frequency)、消費電力(Power consumption)のうちの1つ以上に該当しても良い。
【0019】
前記複数のACDCモーター発電機は、前記回転軸を回転させるための回転力を提供しても良い。
【0020】
前記複数のACDCモーター発電機は、前記回転軸と1つ以上のギアを介して互いに締結されても良い。
【0021】
前記複数のACDCモーター発電機は、前記1つ以上のギアが各々有するギア比を通じて電源比が調節されても良い。
【0022】
前記複数のACDCモーター発電機は、各々1つ以上のギアを介して互いにかみ合って締結されても良い。
【0023】
前記複数のACDCモーター発電機は、互いにかみ合って締結された1つ以上のギアが有するギア比を通じて電源比が互いに調節されても良い。
【0024】
前記複数のACDCモーター発電機は、各々回転力を通じて絶縁されたAC電力あるいはDC電力を生成しても良い。
【0025】
前記複数のACDCモーター発電機は、各々生成されるAC電力またはDC電力の電源仕様に応じて備えられることを特徴とする。
【0026】
前記複数のACDCモーター発電機は、1つ以上のベルトを介して互いに連結され、互いに相応するように回転しても良い。
【0027】
前記複数のACDCモーター発電機は、互いに絶縁された状態に該当しても良い。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施形態による両方向電力変換装置は、AC電源側とDC電源側が物理的な手段を介して連結されるため、別途の絶縁素子を用いることがなくても絶縁を可能にする効果を有する。
【0029】
それにより、本発明は、絶縁素子が占めていた空間だけ全体的な大きさが減って電力変換装置の小型化が可能な効果を有する。
【0030】
また、複数のACDCモーター発電機を連結するギアのギア比を調節することができるため、ギア比に相応する電源比も共に調節できる効果を有する。
【0031】
なお、AC電源側とDC電源側が回路的に簡単になるため、回路の設計が容易になる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】従来のコンバーター10が有する回路を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による両方向電力変換装置100の構成を示す図である。
図3】第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120が回転軸130を介して互いに連結された状態を示す図である。
図4】第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120が各々のギアを介して直接連結された状態を示す図である。
図5】第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120がベルト140を介して連結された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明を添付図面に基づいて詳細に説明すれば次の通りである。ここで、繰り返される説明、本発明の要旨を不要に濁す恐れのある公知機能および構成に関する詳細な説明は省略する。本発明の実施形態は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面での要素の形状および大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0034】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対な記載がない限り、他の構成要素を除くことでなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0035】
図1は従来のコンバーター10が有する回路を示す図であり、図2は本発明の一実施形態による両方向電力変換装置100の構成を示す図である。
【0036】
先ず、図1に基づいて従来のコンバーター10を調べてみれば、従来のコンバーター10はAC電源側とDC電源側が別途の絶縁素材11を介して絶縁されている。
【0037】
このような絶縁素材11は、一般的に電子機器または電線などに電気が通じる場合、導電部分の周辺を不導体(例えば、ゴムなど)を用いて被覆または隔離させることを意味するものであり、絶縁素材11は、高温、低温に露出されても劣化しない材質で形成されることができる。
【0038】
図1においては絶縁素材11としてダイオード(Diode)を示しており、ダイオードはp型半導体とn型半導体を接合して生成される接合部分の狭い空間に自由電子と正孔の数が減りつつ形成される絶縁領域を利用してAC電源側(1次側)とDC電源側(2次側)を絶縁するようになる。
【0039】
このようなダイオードを用いた絶縁過程は従来の公知技術を用いるので詳細な説明は省略し、従来のコンバーター10はこのような絶縁素材11を収容するための内部空間を備えなければならず、そのために全体的な大きさが大きくなるという問題点を有する。
【0040】
このような問題点を改善した両方向電力変換装置100を図2に基づいて調べてみれば、両方向電力変換装置100は第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120を含む。
【0041】
先ず、第1ACDCモーター発電機110は、AC電源からAC電力の印加を受けて回転して、後述する第2ACDCモーター発電機120の軸を回転させる役割を果たすことができ、この時に回転する第2ACDCモーター発電機120によって絶縁されたDC電力が生産され、このように生産されたDC電力はバッテリー(図示せず)に供給されてバッテリーを充電させることができる。
【0042】
また、本明細書においては第1ACDCモーター発電機110がAC電源からAC電力の印加を受けるものとして示したが、第1ACDCモーター発電機110はAC電源だけでなくDC電源からDC電力の印加を受けて回転することができ、第1ACDCモーター発電機110が印加を受けることができる電力はACおよびDCが全て該当できるということに留意する。
【0043】
なお、第1ACDCモーター発電機110は、後述する第2ACDCモーター発電機120の回転に沿って回転して絶縁されたAC電力を生産することができ、このように生産されたAC電力はバッテリー(図示せず)に供給されてバッテリーを充電させることができる。
【0044】
このような役割を果たす第1ACDCモーター発電機110は基本的に外部固定子と内部回転子で構成されることができる。外部からAC電力の印加を受けた第1ACDCモーター発電機110の内部回転子は誘導電流によって回転し、このような内部回転子の末端部には第1ギア111が形成されることができる。
【0045】
第1ギア111は第1ACDCモーター発電機110の内部回転子と離隔なしに固定され、内部回転子と相応して回転し、後述する第2ACDCモーター発電機120の第2ギア121と直接にかみ合って第2ACDCモーター発電機120を回転させるか、または後述する回転軸130に形成された回転軸ギア131と直接にかみ合って回転軸130を回転させる役割を果たすことができる。
【0046】
このような第1ACDCモーター発電機110は誘導電流によって生成されるトルクを通じて内部回転子を回転させ、小型モーターの場合、内部回転子に短絡された巻線を複数回巻いて形成するか、大型モーターの場合、内部回転に短絡されていない巻線を複数回巻いて形成することができる。
【0047】
このような第1ACDCモーター発電機110は回転子の類型に応じて誘導電動機、同期電動機、整流子電動機などに分類され、第1ACDCモーター発電機110が上述したような役割を行う限り、第1ACDCモーター発電機110の種類および大きさは制限されないことに留意する。
【0048】
一実施形態において、第1ACDCモーター発電機110は、印加されるAC電力の電源仕様に応じて備えられることができる。言い換えれば、第1ACDCモーター発電機110は、印加されるAC電力の電源仕様に応じて選択され、両方向電力変換装置100の内部に備えられることができる。
【0049】
ここで、電源仕様とは、電圧(Voltage)、電流(Ampere)、周波数(Frequency)、消費電力(Power consumption)などを含む仕様を意味することができ、AC電力が有する電圧が第1ACDCモーター発電機110の消費電圧より低い場合、第1ACDCモーター発電機110がろくに駆動されないことがあるため、AC電力源の電源仕様に応じて第1ACDCモーター発電機110も選択的に変更されることができる。したがって、AC電力が様々に印加されても第1ACDCモーター発電機110はユーザによって電源仕様に相応するように選択されることができる。
【0050】
例えば、AC電源の印加電圧が110vである場合、第1ACDCモーター発電機110は110v用に変更されることができ、印加電圧が220vである場合、第1ACDCモーター発電機110は220v用に変更されることができる。
【0051】
一方、第1ACDCモーター発電機110は110vおよび220vに限定されず、より様々な電圧値に応じていつでも変更できるということに留意する。
【0052】
次に、第2ACDCモーター発電機120は上述した第1ACDCモーター発電機110と相応するように回転して絶縁されたDC電力を生産する役割を果たすことができ、このように生産されたDC電力はバッテリー(図示せず)に供給されてバッテリーを充電させることができる。
【0053】
その逆に、第2ACDCモーター発電機120は、DC電源からDC電力の印加を受けて回転して、上述した第1ACDCモーター発電機110の軸を回転させる役割を果たすことができ、この時に回転する第1ACDCモーター発電機110によって絶縁されたAC電力が生産され、このように生産されたAC電力はバッテリー(図示せず)に供給されてバッテリーを充電させることができる。
【0054】
また、本明細書においては第2ACDCモーター発電機120がDC電力の印加を受けるものとして示したが、第2ACDCモーター発電機120は第1ACDCモーター発電機110と同様にDC電源だけでなくAC電源からAC電力の印加を受けて回転することができ、第2ACDCモーター発電機120が印加を受けることができる電力はACおよびDCが全て該当できるということに留意する。このような役割を果たす第2ACDCモーター発電機120は上述した第1ACDCモーター発電機110と同様に内部的に外部固定子と内部回転子で構成されることができ、内部回転子の末端部には上述した第1ギア111とかみ合う第2ギア121が形成されることができる。
【0055】
このような内部回転子の末端部に形成された第2ギア121は上述した第1ギア111とかみ合って回転して内部回転子を速く回転させ、この時、内部回転子の回転は第2ACDCモーター発電機120の内部に備えられたコイル(巻線で巻かれた導体)によって磁束が切れることになり、この時に生成される起電力を外部に放出し、このような起電力がDC電力に該当することができる。
【0056】
このような内部回転子の末端部に形成された第2ギア121は第1ギア111と直接にかみ合うか、または後述する回転軸ギア131と直接にかみ合うことができる。
【0057】
また、第2ACDCモーター発電機120は、上述した第1ACDCモーター発電機110と同様に、生産されるDC電力の電源仕様に応じて備えられることができる。言い換えれば、第2ACDCモーター発電機120は、生産されるDC電力の電源仕様に応じて選択され、両方向電力変換装置100の内部に備えられることができる。したがって、DC電力が様々に変わっても第2ACDCモーター発電機120はユーザによって電源仕様に相応するように選択されることができる。
【0058】
ここで、電源仕様とは、第1ACDCモーター発電機110において記述したものと同様であるので、これに関する説明は省略する。
【0059】
一方、このような第2ACDCモーター発電機120は上述した第1ACDCモーター発電機110と様々な方式(物理的な方式)で連結されることができ、これは図3に基づいてより詳細に説明する。
【0060】
図3は第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120が回転軸130を介して互いに連結された状態を示す図であり、図4は第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120が各々のギアを介して直接連結された状態を示す図であり、図5は第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120がベルト140を介して連結された状態を示す図である。
【0061】
先ず、図3を参照すれば、第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120はその間に回転軸130を介して連結されることができ、回転軸130には第1ギア111および第2ギア121とかみ合う1つ以上の回転軸ギア131が備えられることができる。
【0062】
このような連結状態に応じ、第1ACDCモーター発電機110がAC電源の印加を受けて時計方向または反時計方向に回転する場合、第1ギア111とかみ合った回転軸ギア131が回転して回転軸130が回転することになり、回転軸130の一側に形成されたまた他の回転軸ギア131が回転し、この回転軸ギア131とかみ合った第2ギア121が回転して第2ACDCモーター発電機120が駆動される。
【0063】
このような両方向電力変換装置100の構成は別途の絶縁素子が不要であるため、中心部に回転軸130さえ連結すれば、AC電源側とDC電源側のサイズを縮小することができる。また、第1ACDCモーター発電機110の物理的な回転力が第2ACDCモーター発電機120に、あるいは第2ACDCモーター発電機120の物理的な回転力が第1ACDCモーター発電機110に損失なしにその通りに伝達されるため、エネルギーの効率面にも優れる。
【0064】
次に、図4を参照すれば、第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120は各々第1ギア111および第2ギア121を介して直接にかみ合って連結されることができ、このような構成は第1ACDCモーター発電機110と第2ACDCモーター発電機120の距離が近いか、両方向電力変換装置100のサイズをより縮小化する場合に用いられることができる。
【0065】
このような構成は上述した図3よりさらに効率的に回転力を伝達することができ、第1ギア111と第2ギア121が直接連結されているため、第1ACDCモーター発電機110が高速で回転する場合に発生する回転力がより容易に第2ACDCモーター発電機120に伝達されることができる。
【0066】
このように、第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120はギアを介してかみ合って回転するため、該当ギアが有するギア比を調節すれば、生産されるAC電力あるいはDC電力の電源比も調節することができる。
【0067】
例えば、AC電源側と連結された第1ACDCモーター発電機110の第1ギア111を第2ギア121より小さいギアで構成する場合、第1ACDCモーター発電機110は速く回転するため、第2ACDCモーター発電機120をより速く回転させてより高いDC電力を生産することができ、第1ACDCモーター発電機110の第1ギア111を第2ギア121より大きいギアで構成する場合、第1ACDCモーター発電機110は遅く回転するため、第2ACDCモーター発電機120においてもより低いDC電力を生産することができる。
【0068】
また、その逆にDC電源側と連結された第2ACDCモーター発電機120の第2ギア121を第1ギア111より小さいギアで構成する場合、第2ACDCモーター発電機120は速く回転するため、第1ACDCモーター発電機110をより速く回転させてより高いAC電力を生産することができ、第2ACDCモーター発電機120の第2ギア121を第1ギア111より大きいギアで構成する場合、第2ACDCモーター発電機120は遅く回転するため、第1ACDCモーター発電機110においてもより低いAC電力を生産することができる。
【0069】
最後に、図5を参照すれば、第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120の内部回転子が同一の方向へ向かっており、このような内部回転子の末端部には各々第1ギア111および第2ギア121が形成されている。
【0070】
また、このような第1ギア111および第2ギア121は直接にかみ合っておらず、別途のベルト140を介して連結される。
【0071】
ここで、ベルト140とは、自動車エンジンにおいてエンジンのクランク軸に取り付けられたタイミングギア(timing gear)とカム軸に取り付けられたタイミングギアを連結するタイミングベルト(timing belt)と相応する意味として解釈される。
【0072】
このような構成によって第1ギア111と第2ギア121は互いに同一な方向を回転することができ、上述した図3および図4でのエネルギー効率より高いエネルギー効率を有する構成に該当する。
【0073】
その理由は、図3および図4は複数のギアが直接にかみ合っているため、第1ギア111、第2ギア121および回転軸ギア131の突起が互いに接して生成される摩擦力がエネルギー効率をある程度相殺させるのに対し、図5の構成はこのような摩擦力が存在しないためにエネルギー効率が相殺されない。
【0074】
一実施形態において、ベルト140の内部面、すなわち、第1ギア111および第2ギア121と接する面には一定間隔で突出した突起が形成されることができる。
【0075】
ここで、一定間隔で突出した突起とは、自動車エンジンのタイミングベルトのように内部面に形成された凹凸構造を意味することができ、このような突起は第1ギア111および第2ギア121に形成された突起の生成間隔と相応するように形成されることができる。それにより、ベルト140は第1ギア111および第2ギア121と離隔なしにかみ合うことができ、また、第1ACDCモーター発電機110の回転力を第2ACDCモーター発電機120に、あるいは第2ACDCモーター発電機120の回転力を第1ACDCモーター発電機110にその通りに伝達することができ、第1ACDCモーター発電機110と第2ACDCモーター発電機120が互いに空回りすることを防止することができる。
【0076】
上述したように、本発明による両方向電力変換装置100は、別途の絶縁素材11を用いることなく、物理的な連結(回転軸130またはベルト140)を介して第1ACDCモーター発電機110および第2ACDCモーター発電機120を連結することができ、また、絶縁素材11を用いた従来のコンバーター10に比べて回路的に簡単になり、絶縁素材11を用いた従来のコンバーター10に比べて全体的な大きさが縮小される。
【0077】
また、本発明による両方向電力変換装置100は、生産されたAC電力あるいは絶縁されたDC電力をバッテリーに供給してバッテリーを充電できるようになる。
【0078】
以上、本発明の特定実施形態を図示し説明したが、本発明の技術思想は添付された図面と上記した説明の内容に限定されず、本発明の思想を外れない範囲内で様々な形態の変形が可能であることは本分野の通常の知識を有する者にとって明らかな事実であり、このような形態の変形は本発明の精神に違背しない範囲内で本発明の特許請求の範囲に属すると言える。
図1
図2
図3
図4
図5