(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る樹脂スタンパ製造装置は、微細パターンを加工したナノレベルの微細構造を有するデバイス、例えば、大規模集積回路部品、磁気記録媒体や光記録媒体等の情報記録媒体、レンズや偏光板、波長フィルタ、発光素子、光集積回路等の光学部品、免疫分析やDNA分離、細胞培養等のバイオデバイスをナノインプリント法で作製する際に使用される樹脂スタンパを製造するための装置である。また、本実施形態に係る樹脂スタンパ製造装置は、予め用意される原盤スタンパの微細構造が転写された中間樹脂スタンパを作製すると共に、この中間樹脂スタンパの微細構造を再び目的の樹脂スタンパ(以下、これを単に「樹脂スタンパ」と称して、中間樹脂スタンパと区別する)に転写するように構成されている。
【0018】
≪樹脂スタンパ製造装置≫
図1は、本実施形態に係る樹脂スタンパ製造装置の構成説明図である。
図2(a)は、本実施形態に係る樹脂スタンパ製造装置で使用する原盤スタンパの模式図、
図2(b)は、本実施形態に係る樹脂スタンパ製造装置において、
図2(a)に示す原盤スタンパに基づいて作製され、目的の樹脂スタンパを製造するために使用される中間樹脂スタンパの模式図、
図2(c)は、本実施形態に係る樹脂スタンパ製造装置において、
図2(b)に示す中間樹脂スタンパに基づいて作製される目的の樹脂スタンパの模式図である。
図3は、本実施形態に係る樹脂スタンパ製造装置で使用する湾曲治具の構成説明図であり、
図3(a)は平面図、
図3(b)は、
図3(a)のIII−III断面図である。
【0019】
本実施形態に係る樹脂スタンパ製造装置1は、
図1に示すように、支持基材保管ユニット2と、微細構造転写ユニット3と、中間樹脂スタンパ保管ユニット4と、を主に備えて構成されている。
なお、
図1の微細構造転写ユニット3内において仮想線(破線)で表した符号20で示す中間樹脂スタンパは、同じく仮想線で表した符号30で示す樹脂スタンパをナノインプリント法で作製するものである。また、
図1の微細構造転写ユニット3内において仮想線(破線)で表した符合23で示すものは湾曲部材である。
ちなみに、これらの仮想線で表されるものは、微細構造転写ユニット3内で中間樹脂スタンパ20により樹脂スタンパ30が作製される様子を示しており、微細構造転写ユニット3内で中間樹脂スタンパ20が作製される場合には、後記するように、中間樹脂スタンパ20に代えて支持基材22が配置されると共に、樹脂スタンパ30に代えて原盤スタンパ10が配置されることとなる。
【0020】
<支持基材保管ユニット>
支持基材保管ユニット2は、後に詳しく説明するように、微細構造転写ユニット3で作製される中間樹脂スタンパ20及び樹脂スタンパ30の構成材料となる光透過性の複数の支持基材22を保管する。これらの複数の支持基材22には、各支持基材22を識別可能な、例えばナンバリング等の識別記号を付することが望ましい。
また、支持基材保管ユニット2は、これらの中間樹脂スタンパ20及び樹脂スタンパ30が作製される際には、保管した支持基材22を所定の搬送機構(図示省略)により微細構造転写ユニット3のプレート31に供給する。
ちなみに、搬送機構としては、例えば、支持基材22を真空吸引等により着脱自在に保持するチャック部と、このチャック部を支持するアーム部と、このアーム部を介してチャック部を3次元方向に移動させるアクチュエータとで構成される周知のロボットハンドを挙げることができる。
【0021】
また、支持基材保管ユニット2は、中間樹脂スタンパ20の作製に使用される原盤スタンパ10を保管すると共に、中間樹脂スタンパ20の作製時には、前記の搬送機構(図示省略)により微細構造転写ユニット3のステージ32上に原盤スタンパ10を供給する。そして、中間樹脂スタンパ20の作製後の原盤スタンパ10は、前記の搬送機構により支持基材保管ユニット2に戻されて、支持基材保管ユニット2は、戻された原盤スタンパ10を再び保管する。
【0022】
また、支持基材保管ユニット2は、後に詳しく説明するように、樹脂スタンパ30の作製に使用される後記の湾曲治具23を保管すると共に、樹脂スタンパ30の作製時には、前記の搬送機構(図示省略)により微細構造転写ユニット3のステージ32上に湾曲治具23を供給する。そして、樹脂スタンパ30の作製後の湾曲治具23は、前記の搬送機構により支持基材保管ユニット2に戻されて、支持基材保管ユニット2は、戻された湾曲治具23を再び保管する。
【0023】
<微細構造転写ユニット>
微細構造転写ユニット3は、前記したように、中間樹脂スタンパ20及び樹脂スタンパ30を作製するユニットであり、ステージ32と、プレート31と、ノズル34と、光源33と、を主に備えて構成されている。
【0024】
ステージ32は、中間樹脂スタンパ20の作製時には原盤スタンパ10を支持し、樹脂スタンパ30の作製時には、湾曲治具23を介して支持基材22を支持するチャック機構(図示省略)を備えている。本実施形態でのステージ32のチャック機構は、支持基材22を吸引する真空吸着方式のチャック機構を想定しているが、支持基材22を支持することができればこれに限定されるものではなく、機械的チャック機構であっても構わない。
【0025】
また、ステージ32は、これを上下移動させる昇降機構(図示省略)を備えている。この昇降機構によって、ステージ32は、プレート31に近接し又は離反することが可能となっている。
【0026】
プレート31は、中間樹脂スタンパ20の作製時には支持基材22を支持し、樹脂スタンパ30の作製時には、中間樹脂スタンパ20を支持するチャック機構(図示省略)を備えている。本実施形態でのプレート31のチャック機構は、支持基材22又は中間樹脂スタンパ20を吸引する真空吸着方式のチャック機構を想定しているが、支持基材22又は中間樹脂スタンパ20を支持することができればこれに限定されるものではなく、機械的チャック機構であっても構わない。ちなみに、本実施形態でのプレート31は、光透過性を有している。
【0027】
ノズル34は、中間樹脂スタンパ20の作製時にはステージ32上の原盤スタンパ10に、所定のタンク(図示省略)に貯留された後記する第1の光硬化性樹脂組成物を吐出することで付与する。また、ノズル34は、樹脂スタンパ30の作製時にはステージ32上の支持基材22に、所定のタンク(図示省略)に貯留された後記する第2の光硬化性樹脂組成物を吐出することで付与する。
【0028】
ちなみに、ノズル34は、
図1に示すように、ステージ32上で、プレート31との間に介在するように配置されているが、本実施形態でのノズル34は、後記するように、プレート31に向かってステージ32が移動する際には、ノズル34は、ステージ32とプレート31との間から退避可能となっている。
なお、
図1においては、作図の便宜上、1つのノズル34のみ記載しているが、前記した第1の光硬化性樹脂組成物、及び第2の光硬化性樹脂組成物のそれぞれを別々に吐出する少なくとも2つのノズルを有するものが望ましい。
【0029】
光源33は、後記するように、中間樹脂スタンパ20の作製時にはプレート31及び支持基材22を介して原盤スタンパ10上に付与された第1の光硬化性樹脂組成物を硬化させる光(紫外光)を照射し(
図4(a)から(c)参照)、樹脂スタンパ30の作製時にはプレート31及び中間樹脂スタンパ20を介して支持基材22上に付与された第2の光硬化性樹脂組成物を硬化させる光(紫外光)を照射する(
図5(a)から(d)参照)ものである。
【0030】
<中間樹脂スタンパ保管ユニット>
中間樹脂スタンパ保管ユニット4は、後に詳しく説明するように、微細構造転写ユニット3で作製された複数の中間樹脂スタンパ20を保管する。具体的には、中間樹脂スタンパ保管ユニット4は、中間樹脂スタンパ20を格納する複数のスロット(図示省略)を備えることができ、また、複数の中間樹脂スタンパ20を格納するカセット(図示省略)を着脱自在に備えることもできる。
ちなみに、微細構造転写ユニット3では、原盤スタンパ10に基づいて複数の中間樹脂スタンパ20が作製され、中間樹脂スタンパ20は、作製されるごとに例えばロボットハンド等で構成される搬送機構(図示省略)により中間樹脂スタンパ保管ユニット4に搬送される。
【0031】
また、中間樹脂スタンパ保管ユニット4は、微細構造転写ユニット3で樹脂スタンパ30が作製される際には、保管した複数の中間樹脂スタンパ20から選択された1つを、例えばロボットハンド等で構成される搬送機構(図示省略)により微細構造転写ユニット3のプレート31に供給する。また、この搬送機構は、中間樹脂スタンパ20が予め定めた数量の樹脂スタンパ30を作製した後に、これを中間樹脂スタンパ保管ユニット4に戻す。そして、保管した他の複数の中間樹脂スタンパ20から選択された1つを搬送機構(図示省略)により微細構造転写ユニット3のプレート31に供給する。そして、交換された新たな中間樹脂スタンパ20によって、樹脂スタンパ30が作製されることとなる。
【0032】
≪原盤スタンパ、中間樹脂スタンパ及び樹脂スタンパ≫
本発明の樹脂スタンパ製造装置1で使用する原盤スタンパ10、並びにこの樹脂スタンパ製造装置1で作製される中間樹脂スタンパ20及び樹脂スタンパ30について説明する。
【0033】
<原盤スタンパ>
図2(a)に示すように、原盤スタンパ10は、その表面に中間樹脂スタンパ20(
図2(b))に転写する微細構造10aを有している。この微細構造10aとは、ナノメートルからマイクロメートルのサイズで形成された構造のことを指す。具体的には、複数の微小突起が規則的に配置されたドットパターンや、これとは逆に微小凹部が規則的に配置されたパターン、複数の条が規則的に配置されたラメラパターン(ラインアンドスペースパターン)等が挙げられる。
【0034】
原盤スタンパ10の材料としては、強度と要求される加工精度を実現できるものであれば特に制限はなく、例えば、各種金属材料、ガラス、石英、セラミック、樹脂材料等からなるものが挙げられる。中でも、石英からなる原盤スタンパ10は、透明性が高く、前記した第1の光硬化性樹脂組成物及び第2の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる際に、これに光(紫外光)を効率的に照射することができるので望ましい。
【0035】
原盤スタンパ10の微細構造10aの形成方法としては、特に制限はないが、例えば、フォトリソグラフィ、集束イオンビームリソグラフィ、電子ビーム描画法等が挙げられる。これらの方法は、凹凸パターンの加工精度に応じて適宜に選択することができる。
【0036】
以上のような原盤スタンパ10の表面には、後記するように、中間樹脂スタンパ20の硬化した第1の光硬化性樹脂組成物に対する離型性を高めるために、離型層を形成することができる。離型層としては、既存のフッ素系材料やシリコーン、炭化水素鎖、ダイヤモンドライクカーボン、金属等の樹脂の付着を低減するような材料を用いて形成すればよい。
【0037】
<中間樹脂スタンパ>
図2(b)に示すように、中間樹脂スタンパ20は、支持基材22と、この支持基材22の表面に形成された樹脂層20bとで構成され、樹脂層20bの表面には、樹脂スタンパ30(
図2(c))に転写する微細構造20aを有している。この微細構造20aは、原盤スタンパ10の微細構造10aに対してネガ・ポジの関係を有しており、例えば、原盤スタンパ10の微細構造10aが微小凹部で形成されている場合には、微細構造20aは、これに対応する微小凸部(微小突起)で形成されることとなる。
【0038】
支持基材22としては、樹脂層20bを保持する機能を有するものであれば、形状、材料、サイズ、作製方法は特に限定されない。
支持基材22の形状としては、平面形状で円形、正方形、長方形等が挙げられる。また、支持基材22には、中央孔を有するものも使用することができる。また、支持基材22は,所定の領域に微細パターンを転写することができれば,原盤スタンパ10とその形状,表面積が異なっていてもよい。
支持基材22の材料としては、光透過性材料からなるものが使用される。特に、ガラス、石英、樹脂等の強度と加工性を有するものが好ましい。また、支持基材22の表面には、樹脂層20bとの接着力を強化するために表面処理を施すことができる。
また、支持基材22は、弾性率の異なる2種以上の層で構成することもできる。このような支持基材22においては、弾性率の高い層と低い層との積層順や、組み合わせ、層数等について特に制限はない。このような2種以上の層を有する支持基材22としては、例えば、前記した材料を2種以上選択して各層を形成したものや、前記した材料からなる層と樹脂からなる層とを組み合せたもの、樹脂からなる層同士を組み合せたもの等が挙げられる。
【0039】
前記した樹脂の具体例としては、例えば、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、メラミン樹脂(MF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、不飽和ポリエステル(UP)、アルキド樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂(EP)、ポリイミド(PI)、ポリウレタン(PUR)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、アクリル樹脂、ポリアミド(PA)、ABS樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアリレート、酢酸セルロース、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド、シクロオレフィンポリマ、ポリ乳酸、シリコーン樹脂、シルセスキオキサン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等、が挙げられる。これらのいずれかを単独で用いても、異なる樹脂を複数混合して用いてもよい。
【0040】
前記樹脂層20bは、次に説明する第1の光硬化性樹脂組成物の硬化物で形成されている。この第1の光硬化性樹脂組成物は、光ラジカル重合系材料で構成されている。
本実施形態での第1の光硬化性樹脂組成物に含まれる光硬化性樹脂は、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリル基又はビニル基を有するものが挙げられる。またエポキシ基又はオキセタニル基を有する物が使用される。この光硬化性樹脂にはこれらの反応可能な官能基を骨格中に有するものを複数用いることができる。
【0041】
末端に(メタ)アクリレート基をもつものは具体的にポリ(メタ)アクリル酸メチル、エトキシ化ビスフェノールA型アクリレート樹脂、脂肪族ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、の他、アクリル変性脂環式エポキシド樹脂、2官能アルコールエーテル型エポキシド樹脂、アクリルシリコーン、アクリルジメチルシロキサン樹脂等が挙げられる。
【0042】
また、単量体を用いることもでき、末端に(メタ)アクリレート基又はビニル基を有する材料としては、例えば、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられるがこれらに限定されない。
また、前記の光硬化性樹脂のフッ素化化合物を使用すると離型性を付与することができるので更に望ましい。
【0043】
また、末端にエポキシ基を持つものとしては、例えば、脂環式エポキシド、変性脂環式エポキシド、ビスフェノールA系エポキシド、水添ビスフェノールA系エポキシド、ビスフェノールF系エポキシド、ノボラック型エポキシド、脂肪族環式エポキシド、ナフタレン型エポキシド、ビフェニル型エポキシド、2官能アルコールエーテル型エポキシド、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、エポキシシリコーン、エポキシシルセスキオキサン等が挙げられる。
【0044】
また、オキセタニル基を有するものとしては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン等が挙げられる。
【0045】
また、ビニル基を有する有機成分としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニルオキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニルオキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニルオキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ビニルシリコーン、ビニルシルセスキオキサン等が挙げられる。
以上、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基のいずれかの官能基を有する単量体成分を例示したがこれらに限定されない。また、前記の光硬化性樹脂のフッ素化化合物を使用すると離型性を付与することができるので更に望ましい。
【0046】
本発明の光硬化性樹脂組成物には光ラジカル重合開始剤を含む。ちなみに、後記する第2の光硬化性樹脂組成物には、光カチオン重合開始剤を含む。
【0047】
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、リン系光重合開始剤等が挙げられる。具体的には、アセトフェノン系光重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−シクロへキシルアセトフェノン(イルガキュア(IRGACURE)184、チバジャパン社製)、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン(ダロキュア(DAROCUR)1173、チバジャパン社製)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(イルガキュア(IRGACURE)651、チバジャパン社製)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(ダロキュア(DAROCUR)2959、チバジャパン社製)、2−ヒドロキシ−1−[4−{4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル}フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン(イルガキュア(IRGACURE)127、チバジャパン社製)等が挙げられる。ベンジルケタール系光重合開始剤として、ベンゾフェノン、フルオレノン、ジベンゾスベロン、4−アミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。リン系光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア(IRGACURE)819、チバジャパン社製)、(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(ダロキュア(DAROCURE)TPO、チバジャパン社製)等が挙げられる。
【0048】
<樹脂スタンパ>
図2(c)に示すように、樹脂スタンパ30は、支持基材22と、この支持基材22の表面に形成された樹脂層30bとで構成されている。この樹脂スタンパ30によって前記したように、ナノレベルの微細構造を有するデバイスを製造することができる。
支持基材22は、支持基材保管ユニット2から供給されたものであり、中間樹脂スタンパ20(
図2(b)参照)の前記した支持基材22(
図2(b)参照)と、同じ形状で同じ材質のものが用いられる。
【0049】
樹脂層30bは、柔軟性を有すると共に、支持基材22上で所定の曲率で上方に凸となる曲面(望ましくは球面)で形成されている。このような樹脂層30bの曲面は、後に詳しく説明するように、湾曲治具23上で樹脂スタンパ30を作製することで樹脂層30bに付与されることとなる。
このような樹脂層30bの表面には、中間樹脂スタンパ20(
図2(b))から転写された微細構造30aが形成されている。この微細構造30aは、中間樹脂スタンパ20の微細構造20a(
図2(b)参照)に対してネガ・ポジの関係を有している。つまり、微細構造30aは、曲面に沿って形成されている以外は、原盤スタンパ10(
図2(a)参照)の微細構造10a(
図2(a)参照)と同様に構成されており、例えば、原盤スタンパ10の微細構造10aが微小凹部で形成されている場合には、微細構造30aは、これに対応する(同様の)微小凹部で形成されることとなる。
【0050】
前記樹脂層30bは、次に説明する第2の光硬化性樹脂組成物の硬化物で形成されている。この第2の光硬化性樹脂組成物は、前記した第1の光硬化性樹脂組成物が光ラジカル重合系材料で構成されているのに対して、光カチオン重合開始剤を含むカチオン重合系材料で構成されている。
(メタ)アクリル基、ビニル基を有する光硬化性樹脂の重合を開始させる光カチオン重合開始剤としては、例えば、ベンジルケタール、α‐ヒドロキシケトン、α−アミノケトン、アシルフォスフィンオキサイド、チタノセノン、オキシフェニル酢酸エステル、オキシムエステル等が挙げられる。更に具体的には、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが挙げられる。これらは単独で適用することも可能であるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0051】
また、エポキシ基及びオキセタニル基の重合を開始させる光カチオン重合開始剤としては、求電子試薬であり、カチオン発生源を持っているもので、有機成分を光により硬化させるものであれば特に制限はなく、公知の光カチオン重合開始剤を用いることができる。このような光カチオン重合開始剤としては、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム塩、アルミニウム錯体/シリルエーテル、プロトン酸、ルイス酸等が挙げられる。更に具体的には、例えば、IRGACURE261(チバガイギー社製)、オプトマーSP−150(ADEKA社製)、オプトマーSP−151(旭電化工業社製)、オプトマーSP−152(旭電化工業社製)、オプトマーSP−170(ADEKA社製)、オプトマーSP−171(ADEKA社製)、オプトマーSP−172(ADEKA社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CD−1012(サートマー社製)、サンエイドSI−60L(三新化学工業社製)、サンエイドSI−80L(三新化学工業社製)、サンエイドSI−100L(三新化学工業社製)、サンエイドSI−110(三新化学工業社製)、サンエイドSI−180(三新化学工業社製)、CI−2064(日本曹達社製)、CI−2639(日本曹達社製)、CI−2624(日本曹達社製)、CI−2481(日本曹達社製)、Uvacure1590(ダイセルUCB)、Uvacure1591(ダイセルUCB)、RHODORSILPhotoInItiator2074(ローヌ・プーラン社製)、UVI−6990(ユニオンカーバイド社製)、BBI−103(ミドリ化学社製)、MPI−103(ミドリ化学社製)、TPS−103(ミドリ化学社製)、MDS−103(ミドリ化学社製)、DTS−103(ミドリ化学社製)、DTS−103(ミドリ化学社製)、NAT−103(ミドリ化学社製)、NDS−103(ミドリ化学社製)、CYRAURE UVI6990(ユニオンカーバイト日本社製)等が挙げられる。これらは単独で適用することも可能であるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。このほか公知の光重合開始剤を適用することもできる。
【0052】
以上のような第2の光硬化性樹脂組成物で形成される樹脂層30bは、中間樹脂スタンパ20の樹脂層20bを形成する第1の光硬化性樹脂組成物とは硬化機構が異なるので、後記するように、中間樹脂スタンパ20の微細構造20aを樹脂スタンパ30の樹脂層30bに転写する際にその離型性が良好となる。
【0053】
また、樹脂スタンパ30の樹脂層30bを、柔軟性を有する曲面とすることで、微細構造30aの被転写体(図示省略)への転写時に、曲面の頂上部が被転写体の中心部に接触した後にその接触領域が徐々に被転写体の外周部へ向かって広げられていくので、被転写体の樹脂層との間に空気を巻き込むことなく、この樹脂層の樹脂を薄く均一に被転写体の表面に広げることができる。
【0054】
<湾曲治具>
図3(a)及び(b)に示すように、湾曲治具23は、平面視で正方形の板状のベース23aと、このベース23a上に積層される枠体23bとで構成されている。
枠体23bは、外側の輪郭がベース23aの輪郭である正方形に合せて形成されている。また、枠体23bは、その中央部の正方形の空間により凹部23dを形成している。
そして、湾曲治具23は、ベース23aと枠体23bとが重なり合う部分に、ベース23a及び枠体23bの厚さ方向に貫通する吸着口23cが形成されている。この吸着口23cは、正方形の四辺のそれぞれに対応するように4つ設けられている。
ちなみに、本実施形態での4つ吸着口23cは、
図1に示すステージ32に設けられた吸引穴(図示省略)に対応する位置に設けられており、このステージ32上に湾曲治具23が配置された際には、吸着口23cとステージ32に設けられた吸引穴とが連通するようになっている。
湾曲冶具23は支持基材保管ユニット2に保管され、使用時に微細構造転写ユニット3に移送され、ステージ32上に設置される。なお、湾曲冶具23の保管場所は支持基材保管ユニット2に限定されるものではなく、他の保管ユニットに保管しても良い。
【0055】
≪樹脂スタンパの製造方法≫
次に、本実施形態に係る樹脂スタンパ製造装置1を使用した樹脂スタンパ30の製造方法について説明する。
図4の(a)から(c)は、
図1の樹脂スタンパ製造装置の微細構造転写ユニットで中間樹脂スタンパが作製される工程の工程説明図である。
図5の(a)から(d)は、
図1の樹脂スタンパ製造装置の微細構造転写ユニットで樹脂スタンパが作製される工程の工程説明図である。
【0056】
<中間樹脂スタンパの作製>
図4(a)から(c)に示すように、樹脂スタンパ製造装置1では、樹脂スタンパ30の製造に先立って、中間樹脂スタンパ20が作製される。
まず、
図1に示す支持基材保管ユニット2から取り出された原盤スタンパ10は、
図4(a)に示すように、微細構造転写ユニット3のステージ32に真空吸着により固定される。
また、
図1に示す支持基材保管ユニット2から取り出された支持基材22は、
図4(a)に示すように、プレート31に真空吸着により固定される。これらの原盤スタンパ10及び支持基材22の搬送は、前記したロボットハンド等の搬送機構(図示省略)によって行われる。
【0057】
次に、
図4(a)に示すように、ノズル34から第1の光硬化性樹脂組成物R1が原盤スタンパ10に付与される。
そして、
図4(b)に示すように、ステージ32が図示しない昇降機構によって上昇することで、原盤スタンパ10と支持基材22とが第1の光硬化性樹脂組成物R1を挟むように接触する。そのことで、第1の光硬化性樹脂組成物R1は、原盤スタンパ10と支持基材22との間に押し広げられる。
【0058】
次いで、原盤スタンパ10と支持基材22とが第1の光硬化性樹脂組成物R1を介して密着した状態で、光源33から紫外光が第1の光硬化性樹脂組成物R1に向けて照射される。そのことで、光硬化性樹脂組成物R1は硬化する。
【0059】
また、
図4(c)に示すように、ステージ32が図示しない昇降機構によって下降することで、支持基材22には、原盤スタンパ10の微細構造10aが転写され、微細構造20aを有する樹脂層20bが形成される。つまり、プレート31側には支持基材22上に樹脂層20bが形成された中間樹脂スタンパ20が作製されることとなる。
【0060】
そして、図示しないが、この微細構造転写ユニット3では複数の中間樹脂スタンパ20が作製されると共に、中間樹脂スタンパ20は、作製されるごとに図示しない搬送機構によって、中間樹脂スタンパ保管ユニット4の前記したスロット(図示省略)やカセット(図示省略)に格納される。使用後の原盤スタンパ10は、図示しない搬送機構によって再び支持基材保管ユニット2に戻されて保管される。
【0061】
<樹脂スタンパの作製>
図5(a)から(d)に示すように、樹脂スタンパ製造装置1では、中間樹脂スタンパ20が使用されて樹脂スタンパ30が作製される。
【0062】
まず、
図1に示す中間樹脂スタンパ保管ユニット4から取り出された中間樹脂スタンパ20は、
図5(a)に示すように、プレート31に真空吸着により固定される。
そして、
図1に示す支持基材保管ユニット2から取り出された湾曲治具23は、
図5(a)に示すように、微細構造転写ユニット3のステージ32上に配置される。これらの中間樹脂スタンパ20及び湾曲治具23の搬送は、前記した搬送機構(図示省略)によって行われる。
【0063】
次に、
図1に示す支持基材保管ユニット2から取り出された支持基材22は、
図5(b)に示すように、湾曲治具23上に配置される。この際、前記したように、ステージ32に設けられた図示しない吸引穴と湾曲治具23の吸着口23cとは連通しており、ステージ32の吸引穴に連通するように配置される吸引ポンプ(図示省略)によって、支持基材22は、湾曲治具23を介してステージ32上に真空吸着により固定されることとなる。
そして、
図5(b)に示すように、ノズル34から第2の光硬化性樹脂組成物R2が支持基材22上に付与される。
【0064】
次に、
図5(c)に示すように、ステージ32が図示しない昇降機構によって上昇することで、中間樹脂スタンパ20と支持基材22とが第2の光硬化性樹脂組成物R2を挟むように接触する。
この際、支持基材22は、プレート31によって第2の光硬化性樹脂組成物R2を介して下方に向けて押圧されることで、湾曲治具23の凹部23d(
図3(b)参照)に嵌り込むように下側に凸となって湾曲する。
【0065】
次いで、中間樹脂スタンパ20と湾曲した支持基材22とが第2の光硬化性樹脂組成物R2を介して密着した状態で、光源33から紫外光が第2の光硬化性樹脂組成物R2に向けて照射される。そのことで、光硬化性樹脂組成物R2は硬化する。
【0066】
そして、
図5(d)に示すように、ステージ32が図示しない昇降機構によって下降することで、支持基材22から中間樹脂スタンパ20が離れると、湾曲していた支持基材22は復元して平坦となる。そのことで、支持基材22上に形成される樹脂層30bは、上に凸となるように曲面を形成する。つまり、ステージ32上には、所定の曲率で上方に凸となる曲面に微細構造30aを有する樹脂層30bが支持基材22上に形成された樹脂スタンパ30が作製されることとなる。
【0067】
そして、図示しないが、この微細構造転写ユニット3では、1枚の中間樹脂スタンパ20当りに複数枚の樹脂スタンパ30が作製され、樹脂スタンパ30は、作製されるごとに図示しない搬送機構によって、中間樹脂スタンパ保管ユニット4の前記したスロット(図示省略)やカセット(図示省略)に格納される。
また、使用後の中間樹脂スタンパ20は、図示しない搬送機構によって再び中間樹脂スタンパ保管ユニット4の前記したスロット(図示省略)やカセット(図示省略)に戻されて保管される。
【0068】
次に、本実施形態に係る樹脂スタンパ製造装置1の奏する作用効果について説明する。
本発明の前記実施形態によれば、原盤スタンパ10に基づいて複数の中間樹脂スタンパ20が作製されると共に、これらの中間樹脂スタンパ20のそれぞれに基づいて複数の樹脂スタンパ30が作製されるので、原盤スタンパ10の微細構造10aが樹脂で目詰まりすることなく、効率よく多くの樹脂スタンパ30を製造することができる。
【0069】
なお、本実施形態は前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
前記実施形態では、支持基材保管ユニット2、微細構造転写ユニット3、及び中間樹脂スタンパ保管ユニット4が直列に設置されているが、位置関係については限定されない。よって、支持基材保管ユニット2と中間樹脂スタンパ保管ユニット4が微細構造転写ユニット3に対して同方向にあってもよいし、支持基材保管ユニット2と中間樹脂スタンパ保管ユニット4とが90度回転した位置にあってもよい。
【0070】
また、原盤スタンパ10や支持基材22に対する第1の光硬化性樹脂組成物及び第2の光硬化性樹脂組成物の付与方法としては特に制限はなく、ディスペンス法、インクジェット法、スプレー法、スピンコート法等を使用することができる。
また、支持基材22の表面には第1の光硬化性樹脂組成物や第2の光硬化性樹脂組成物との接着を促進するための接着層を形成することもできる。
また、支持基材保管ユニット2には、表面処理の種類が異なる少なくとも2種類の支持基材22を設置することもできる。すなわち、第1の光硬化性樹脂組成物との接着を促進する表面処理が施された支持基材22と、第2の光硬化性樹脂組成物との接着を促進する表面処理が施された支持基材22を設置することで、中間樹脂スタンパ20に適した支持基材22と樹脂スタンパ30に適した支持基材22を微細構造転写ユニット3に供給することが可能となる。
【0071】
また、前記実施形態では、複数の支持基材22のそれぞれを識別するための識別記号を付することを想定しているが、この識別記号は、操作者が目視で判別できるものの他、光学的に又は磁気的に読取り可能な識別マークであってもよい。また、このような識別記号や識別マークによらずに、中間樹脂スタンパ保管ユニット4に設けられるスロットやカセットの位置、種類に応じて使用された支持基材22を識別するものであってもよい。
このように支持基材22を識別可能とすることで、例えば、作製した樹脂スタンパ30の抜き取り検査で欠陥が見出された場合においても、作製履歴が明らかとなるので欠陥の発生過程を明確に把握することができる。また、上述のように異なる表面処理が施された支持基板22を用いる場合にも、支持基板22を識別可能とすることで表面処理の異なる支持基材22を正確に判別することができる。
【0072】
また、中間樹脂スタンパ保管ユニット4には、樹脂スタンパ30を安定して保管するため温度や湿度の調整機構を有していても良い。
また、中間樹脂スタンパ保管ユニット4内の温度を、第1の光硬化性樹脂組成物や第2の光硬化性樹脂組成物の硬化が促進される程度に高くしておくと、微細構造転写ユニット3で硬化させる際の光源33による露光時間が短くても、中間樹脂スタンパ保管ユニット4内で硬化が促進されるので、中間樹脂スタンパ20及び樹脂スタンパ30の1枚当たりの作製時間を短縮することができる。
【0073】
また、原盤スタンパ10と第1の光硬化性樹脂組成物を接触させる際に、第1の光硬化性樹脂組成物の硬化を促進するために、原盤スタンパ10と第1の光硬化性樹脂組成物を減圧下又は窒素等のガス雰囲気中にさらした後に、原盤スタンパ10と第1の光硬化性樹脂組成物とを接触させてもよい。
また前記実施形態では、湾曲治具23によって、支持基材22を凹状に湾曲させたが、支持基材22を凹状に湾曲させる方法は、特に制限するものではなく、真空吸着法や機械的手法等のさまざまな方法で湾曲させるものであってもよい。
【0074】
また、前記実施形態では、樹脂スタンパ30を作製する際に、支持基材22を湾曲させたが、樹脂スタンパ30と中間樹脂スタンパ20の配置を逆にして、湾曲冶具23上に中間樹脂スタンパ20を配置することで、中間樹脂スタンパ20を湾曲させて凸状の樹脂層30bを有する樹脂スタンパ30を作製することもできる。また、中間樹脂スタンパ20を凹状に湾曲させる方法は、特に制限するものではなく、真空吸着法や機械的手法等のさまざまな方法で湾曲させるものであってもよい。
また、樹脂スタンパ製造装置1は、原盤スタンパ10と支持基材22、又は中間樹脂スタンパ20と支持基材22の位置合わせを行うためのアライメント機構を備えることができる。このアライメント機構は、光学アライメント方式、機械アライメント方式等のいずれであってもよい。
【0075】
また、前記実施形態では、1つの微細構造転写ユニット3を備えているが、複数の微細構造転写ユニット3を備えるものであってもよい。例えば、2つの微細構造転写ユニット3を備えるものは、一方で中間樹脂スタンパ20を作製し、もう一方で樹脂スタンパ30を作製することができ、樹脂スタンパ30の製造スループットを向上することができる。
【0076】
また、前記実施形態では、原盤スタンパ10の微細構造10aを支持基材22上のラジカル重合系材料からなる第1の光硬化性樹脂組成物に転写することで中間樹脂スタンパ20を作製し、この中間樹脂スタンパ20の微細構造20aをカチオン重合系材料からなる第2の光硬化性樹脂組成物に転写することで樹脂スタンパ30を作製したが、これとは逆に、中間樹脂スタンパ20の樹脂層20bにカチオン重合系材料からなる第2の光硬化性樹脂組成物を使用し、樹脂スタンパ30の樹脂層30bにラジカル重合系材料からなる第1の光硬化性樹脂組成物を使用する構成であってもよい。
【実施例】
【0077】
次に、実施例を示しながら本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例1では
図1に示す樹脂スタンパ製造装置1を使用することで、原盤スタンパ10に基づいて中間樹脂スタンパ20と作製した後、この中間樹脂スタンパ20に基づいて樹脂スタンパ30を作製した。
支持基材保管ユニット2に配置する原盤スタンパ10としては、厚さ0.675mm、直径150mmφのシリコンウェハの中央部50mm×50mm角の領域に、直径20nm、深さ30nmの微小凹部がピッチ46nmでヘキサゴナルに複数配列したホールパターンを有するものを用いた。このホールパターンは、EB描画法にてシリコンウェハの表面に形成したものである。また、この原盤スタンパ10のホールパターンを有する面には、OPTOOL DSX(ダイキン工業社製)を用いて離型処理を施した。
【0078】
支持基材保管ユニット2には、A1からA100のナンバリングを施した100枚からなるA群の支持基材22と、B1からB5000のナンバリングを施した5000枚からなるB群の支持基材22とを配置した。なお、支持基材22には、厚さ0.7mmで一辺が120mmの正方形のガラス基板を使用した。また、各支持基材22には、対応するナンバリングの識別記号(A1からA100、B1からB500)をインクジェット法により印刷した。
そして、A群の支持基材22の表面には、KBM5103(信越シリコーン社製)を塗布することで表面処理を行った。また、B群の支持基材22の表面には、KBM403(信越シリコーン製)を塗布することで表面処理を行った。
【0079】
また、樹脂スタンパ製造装置1に配置する湾曲治具23(
図3(a)及び(b)参照)としては、150mm×150mmの正方形のポリテトラフルオロエチレンからなるシート(厚さ50μm)に、枠状(外周150mm×150mm、内周100mm×100mm)のポリテトラフルオロエチレンからなるシート(厚さ50μm)を重ね合わせて作製した。吸着口23cは、
図3(a)及び(b)に示すように、4箇所に設けた。
【0080】
微細構造転写ユニット3のステージ32としては、下部に昇降機構を有するステンレス製の円盤状のものを使用した。ちなみに、このステージ32には、湾曲治具23が配置された際に前記湾曲治具23の吸着口23cに連通するように吸引穴(図示省略)が設けられ、この吸引穴には真空ポンプが連結するように構成した。
【0081】
微細構造転写ユニット3のプレート31としては、石英製の円盤状のものを使用した。ちなみに、このプレート31には、支持基材22又は中間樹脂スタンパ20が配置された際にこれらを吸着する吸引穴(図示省略)が設けられ、この吸引穴には真空ポンプが連結するように構成した。
微細構造転写ユニット3の光源33としては、365nmの波長の光を照射するLED光源を用いた。
【0082】
ノズル34からは第1の光硬化性樹脂組成物及び第2の光硬化性樹脂組成物がそれぞれ別々に供給されるように構成した。ちなみに、本実施例では、
図1には記載しないが、2つのノズル34を有する樹脂スタンパ製造装置1が使用され、各ノズル34からは第1の光硬化性樹脂組成物及び第2の光硬化性樹脂組成物がそれぞれ吐出されるように構成した。
この第1の光硬化性樹脂組成物は、ウレタンアクリレートのUA−53H(新中村化学社製)を100質量部に対して、重合開始剤としてのIRGACURE819(Ciba製)を5質量部混合して調製した光ラジカル重合系材料を用いた。第2の光硬化性樹脂組成物は、OX−SQ(東亞合成社製)を100質量部に対して、重合開始剤としてアデカオプトマーSP−152(ADEKA社製)を5質量部混合して調製した光カチオン重合系材料を用いた。
【0083】
中間樹脂スタンパ保管ユニット4には、微細構造転写ユニット3で作製した中間樹脂スタンパ20を格納するためのスロットを100箇所準備すると共に、各スロットにはN1からN100のナンバリングを施した。また、中間樹脂スタンパ保管ユニット4には、微細構造転写ユニット3で作製した樹脂スタンパ30を格納するためのスロットを5000箇所準備すると共に、各スロットにはM1からM5000のナンバリングを施した。
【0084】
そして、微細構造転写ユニット3では、支持基材保管ユニット2に配置されたA群の100枚の支持基材22を使用して、
図4(a)から(c)で示したように、原盤スタンパ10の微細構造10aを、支持基材22上に形成した第1の光硬化性樹脂組成物からなる樹脂層20bに転写した。これにより、微細構造20aを樹脂層20bに有する100枚の中間樹脂スタンパ20が作製された。そして、A1からA100の識別記号が印刷された支持基材22を有する100枚の中間樹脂スタンパ20のそれぞれは、ナンバリングの小さい支持基材22から順番に作製された。そして、中間樹脂スタンパ20のそれぞれは、作製されるごとに所定の前記搬送装置(図示省略)によって、各スロットに格納された。この際、中間樹脂スタンパ20のそれぞれは、中間樹脂スタンパ保管ユニット4のN1からN100のナンバリングが施された100箇所のスロットのナンバリングの小さい順に、各スロットに格納された。
そして、作製された中間樹脂スタンパ20の微細構造20aを有する樹脂層20bの表面には、OPTOOL DSX(ダイキン工業社製)を用いて離型処理を施した。
【0085】
次に、微細構造転写ユニット3では、中間樹脂スタンパ保管ユニット4のN1からN100のスロットに格納された100枚の中間樹脂スタンパ20のそれぞれを使用して、
図5(a)から(d)に示したように、樹脂スタンパ30が作製された。
【0086】
この際、支持基材22は、支持基材保管ユニット2に配置されたB群の5000枚の支持基材22が使用され、1枚の中間樹脂スタンパ20当りに50枚の樹脂スタンパ30が作製された。また、中間樹脂スタンパ20は、N1からN100のナンバリングの小さい順番で使用され、5000枚の支持基材22もB1からB5000のナンバリングの小さい順番で使用された。そして、作製された樹脂スタンパ30は、作製されるごとに所定の前記搬送装置(図示省略)によって、中間樹脂スタンパ保管ユニット4のM1からM5000のナンバリングが施されたスロットのナンバリングの小さい順に、各スロットに格納された。
なお、50枚の樹脂スタンパ30を作製し終わった使用後の中間樹脂スタンパ20は、取り出された元の中間樹脂スタンパ保管ユニット4のN1からN100のスロットに戻された。
【0087】
次に、本実施例では、作製した樹脂スタンパ30を使用し、後記する微細構造転写装置M(
図7参照)により、シリコンウェハ(厚さ0.3mm、直径65mm)上に塗布したアクリレート系樹脂材料(被転写体)に微細構造30aを転写した。
参照する
図6は、本実施例で作製した樹脂スタンパ30(B1のナンバリングの支持基材22を有するもの)で被転写体に転写した微細構造の電子顕微鏡写真である。
図6に示すように、被転写体のアクリレート系樹脂材料には、原盤スタンパ10のホールパターンに対応するように、微小凸部がヘキサゴナルに複数配列したピラーパターンが形成された。
次に、本実施例で使用した前記の微細構造転写装置Mの構成を説明する。
図7は、本発明の実施例で作製した樹脂スタンパを用いた微細構造転写装置の構成説明図である。
図7に示すように、微細構造転写装置Mは、樹脂スタンパ30及び被転写体5をそれぞれ保持、加圧するためのプレート41、ステージ42と、被転写体5上の光硬化性樹脂組成物Sを硬化させるための光源43とを備える。
ステージ42としては、下部に昇降機構(図示省略)を有するステンレス製の円盤状のものを使用した。ちなみに、このステージ42には、吸引穴(図示省略)が設けられ、この吸引穴には真空ポンプ(図示省略)が連結するように構成した。
プレート31としては、石英製の円盤状のものを使用した。ちなみに、このプレート31には、支持基材22又は中間樹脂スタンパ20が配置された際にこれらを吸着する吸引穴(図示省略)が設けられ、この吸引穴には真空ポンプが連結するように構成した。
光源33としては、365nmの波長の光を照射するLED光源を用いた。
光重合性組成物Sは、感光性物質を添加したアクリレート系樹脂であり、粘度が4mPa・sになるように調合した。被転写体5は、直径65mm、厚さ0.3mmのシリコンウェハを使用した。
次に、微細構造転写装置Mを用いた転写方法を説明する。
まず、微細構造転写装置Mのステージ42に被転写体5を真空吸着し、プレート41に樹脂スタンパ30を真空吸着させた後、被転写体5に光重合性組成物Sを塗布した。その後、ステージ32を上昇させることで、被転写体5上の光硬化性樹脂組成物Sをプレート31に設置した樹脂スタンパ30に押し当てた。その後、プレート31の裏面に設置した光源33から紫外光を照射し、光重合性組成物Sを硬化させる。最後にステージ32を下降させ、樹脂スタンパ30と被転写体5を剥離することで、被転写体5に樹脂スタンパ30の微細構造を転写した。
【0088】
また、上記と同様にB5000のナンバリングの支持基材22を有する樹脂スタンパ30を使用して、シリコンウェハ上に塗布したアクリレート系樹脂材料(被転写体)に微細構造30aを転写した。そして、B1のナンバリングの支持基材22を有する樹脂スタンパ30による被転写体の微小凸部の直径と、B5000のナンバリングの支持基材22を有する樹脂スタンパ30による被転写体の微小凸部の直径とを比較したところ、直径の変動はわずか3nm以内であった。
【0089】
(実施例2)
実施例2では、第1の光硬化性樹脂組成物として、5112X(Solvay製)50質量部、1,6−ビス(アクリロイルオキシ)−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン(東京化成工業製)50質量部、重合開始剤としてのDAROCUR1173を5質量部混合して調製した光ラジカル重合系材料を用いた。また、実施例2では、中間樹脂スタンパ20に離型処理を行わなかった。これ以外は、実施例1と同様にして中間樹脂スタンパ20を100枚作製した。そして、作製した1枚の中間樹脂スタンパ20当りに20枚の樹脂スタンパ30を作製することで、合計2000枚の樹脂スタンパ30を作製した。
【0090】
そして、B1のナンバリングの支持基材22を有する樹脂スタンパ30による被転写体の微小凸部の直径と、B2000のナンバリングの支持基材22を有する樹脂スタンパ30による被転写体の微小凸部の直径とを比較したところ、直径の変動はわずか3nm以内であった。
【0091】
(実施例3)
実施例3では、実施例1で作製したB1〜B5000の樹脂スタンパ30のそれぞれを順番にプレート31に取り付けて、1枚の樹脂スタンパ30当りに10枚の中間樹脂スタンパ20を作製した。つまり、実施例1において原盤スタンパ10の微細構造10aを中間樹脂スタンパ20の樹脂層20bに転写したことに代えて、実施例3では、樹脂スタンパ30の微細構造30aを中間樹脂スタンパ20の樹脂層20bに転写した。ちなみに、実施例1では、原盤スタンパ10は、ステージ32側に取り付けられると共に、中間樹脂スタンパ20は、プレート31側に作製されたが、この実施例3では、原盤スタンパ10の代わりの樹脂スタンパ30は、プレート31側に取り付けられると共に、中間樹脂スタンパ20は、ステージ32側に作製される。
なお、そして、このステージ32側に作製される50000枚の中間樹脂スタンパ20の支持基材22には、C1からC50000のナンバリングを施した支持基材22を使用した。そして、50000枚の支持基材22は、ナンバリングが小さい順番で500枚ずつ100組に分けて中間樹脂スタンパ20が作製される進度に応じて順番に支持基材保管ユニット2に配置した。
【0092】
また、中間樹脂スタンパ保管ユニット4には、ステージ32側で作製される中間樹脂スタンパ20を25枚分のスロットを有するカセットを所定の位置に着脱自在に配置すると共に、作製された中間樹脂スタンパ20がカセットの各スロットに順番に格納されるように搬送機構を調整した。そして、中間樹脂スタンパ保管ユニット4では、中間樹脂スタンパ20の作製進度に応じて2000個のカセットを順番に中間樹脂スタンパ保管ユニット4内に配置することで、C1からC50000のナンバリングを施した支持基材22を有する50000枚の中間樹脂スタンパ20を回収した。
【0093】
次に、回収した50000枚の中間樹脂スタンパ20のそれぞれを順番にプレート31に取り付けて、1枚の中間樹脂スタンパ20当りに50枚の樹脂スタンパ30を作製することで、合計2500000枚の樹脂スタンパ30を作製した。そして、このステージ32側に作製される2500000枚の樹脂スタンパ30の支持基材22には、D1からD2500000のナンバリングを施した支持基材22を使用した。そして、2500000枚の支持基材22は、ナンバリングが小さい順番で500枚ずつ5000組に分けて樹脂スタンパ30が作製される進度に応じて順番に支持基材保管ユニット2に配置した。
【0094】
また、中間樹脂スタンパ保管ユニット4には、ステージ32側で作製される樹脂スタンパ30を25枚分のスロットを有するカセットを所定の位置に着脱自在に配置すると共に、作製された樹脂スタンパ30がカセットの各スロットに順番に格納されるように搬送機構を調整した。そして、中間樹脂スタンパ保管ユニット4では、樹脂スタンパ30の作製進度に応じて100000個のカセットを順番に中間樹脂スタンパ保管ユニット4内に配置することで、D1からD2500000のナンバリングを施した支持基材22を有する2500000枚の樹脂スタンパ30を回収した。
【0095】
また、D1のナンバリングの支持基材22を有する樹脂スタンパ30を使用して、シリコンウェハ上に塗布したアクリレート系樹脂材料(被転写体)に微細構造30aを転写すると共に、D2500000のナンバリングの支持基材22を有する樹脂スタンパ30を使用して、シリコンウェハ上に塗布したアクリレート系樹脂材料(被転写体)に微細構造30aを転写した。そして、D1のナンバリングの支持基材22を有する樹脂スタンパ30による被転写体の微小凸部の直径と、D2500000のナンバリングの支持基材22を有する樹脂スタンパ30による被転写体の微小凸部の直径とを比較したところ、直径の変動はわずか4nm以内であった。
【0096】
このように、実施例1で作製した樹脂スタンパ30を利用して複数枚の中間樹脂スタンパ20を作製し、この中間樹脂スタンパ20から複数枚の樹脂スタンパ30を作製することにより、実施例1よりも原盤スタンパ1枚あたりから作製できる樹脂スタンパ30を大幅に増やすことができ、樹脂スタンパ30の生産性を向上できる。
【0097】
さらに、本実施例では、実施例1の手順で作製した樹脂スタンパ30の全部を用いて中間樹脂スタンパ20を作製した例を示したが、一部の樹脂スタンパ30のみを使用して中間樹脂スタンパ20を作製するようにしてもよい。例えば、パターン精度の優れた樹脂スタンパ30を選択的に中間樹脂スタンパ20作製用のスタンパとして利用することで、最終的に使用される樹脂スタンパ30の品質を向上させることができる。
【0098】
この際、一例としては以下のように中間樹脂スタンパ20作製用の樹脂スタンパ30を管理することができる。まず、原盤スタンパ10から中間樹脂スタンパ20を作製する場合、転写回数とともに転写精度が低下していく傾向にある。そのため、転写順の遅い中間樹脂スタンパ20よりも転写順の早い中間樹脂スタンパ20から作製された樹脂スタンパ30の方がパターン精度は高くなる傾向にある。同様に中間樹脂スタンパ20から樹脂スタンパ30を作製する場合にも転写回数とともに転写精度が低下していくことから、転写順の早い樹脂スタンパ30のパターン精度は高くなる。
【0099】
支持基板22の識別記号等によって、支持基板22を判別可能にすることで作製された樹脂スタンパ30の作製履歴を容易に管理することができるため、上述の転写精度(パターン精度)の関係に基づき、パターン精度の高い樹脂スタンパ30を中間樹脂スタンパ20作製用のスタンパとして選択することができる。また、上述の転写精度の関係に基づいて中間樹脂スタンパ20作製用となる樹脂スタンパ30の対象を予め設定しておくことも可能である。
【0100】
(比較例1)
比較例1では実施例1と異なって、中間樹脂スタンパ20を作製せずに、原盤スタンパ10から直接、樹脂スタンパ30を作製した。但し、この樹脂スタンパ30の微細構造は、実施例1の樹脂スタンパ30と異なって、原盤スタンパ10の微細構造10aが反転したものである。
そして、この比較例1では、樹脂スタンパ30を30枚作製した段階で原盤スタンパ10の離型性が劣化して樹脂スタンパ30の樹脂層20bを形成するための第2の光硬化性樹脂組成物がスタンパ9に付着した。また、この第2の光硬化性樹脂組成物が有機無機ハイブリッド材料であったために、原盤スタンパ10からの洗浄除去が困難となった。
また、比較例1では、原盤スタンパ10を新たなものと取り換えて、樹脂スタンパ30を20枚作製するごとに原盤スタンパ10の離型処理を繰り返したが、離型処理中の休止時間のロス分、樹脂スタンパ30の作製効率が低下することとなった。