(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、研削ホイールは研削装置に装着されるとその品種を確認することが困難となり、被加工物の種類に対応しない品種の研削ホイールで被加工物を研削することがあり、被加工物の品質を低下させるという問題がある。このような問題は、ウエーハを切削するための切削ブレードが装着される切削装置においても起こり得る。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、研削装置等の加工装置に装着された研削ホイール等の工具の品種を容易に確認することができる工具の管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、加工装置に装着される工具の管理方法であって、
工具ケースに収容される工具、または工具を収容する工具ケースに工具の品種を表示するシールが着脱可能に貼着されており、
該工具を加工装置に装着する際には、該シールを工具または工具を収容する工具ケースから剥離
することにより、少なくとも該シールと該工具ケースとが離間した状態として、加工装置の目視可能な部位に貼着するシール脱着工程を実施し、
工具を加工装置から取り外して工具ケースに収容する際には、加工装置の目視可能な部位に貼着したシールを剥離し、工具または工具を収容する工具ケースに貼り戻すシール貼り戻し工程を実施する、
ことを特徴とする工具の管理方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明による工具の管理方法においては、工具を加工装置に装着する際にはシールを工具または工具を収容する工具ケースから剥離
することにより、少なくとも該シールと該工具ケースとが離間した状態として加工装置の目視可能な部位に貼着するシール脱着工程を実施し、工具を加工装置から取り外して工具ケースに収容する際には加工装置の目視可能な部位に貼着したシールを剥離して工具または工具を収容する工具ケースに貼り戻すシール貼り戻し工程を実施するので、加工装置に装着されている工具の品種を常に目視にて確認することができる。従って、被加工物の種類に対応しない品種の工具で被加工物を加工することがなく、被加工物の品質を低下させるという問題を解消することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明による工具の管理方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【0011】
図1には、本発明による工具の管理方法を実施するための加工装置としての研削装置の斜視図が示されている。
図示の実施形態における研削装置1は、略直方体状の装置ハウジング2を具備している。装置ハウジング2の
図1において右上端には、静止支持板21が立設されている。この静止支持板21の内側面には、上下方向に延びる2対の案内レール22、22および23、23が設けられている。一方の案内レール22、22には粗研削手段としての粗研削ユニット3が上下方向に移動可能に装着されており、他方の案内レール23、23には仕上げ研削手段としての仕上げ研削ユニット4が上下方向に移動可能に装着されている。
【0012】
粗研削ユニット3は、ユニットハウジング31と、該ユニットハウジング31の下端に回転自在に装着されたホイールマウント32に取り付けボルト321によって装着された粗研削ホイール33と、該ユニットハウジング31の上端に装着されホイールマウント32を矢印32aで示す方向に回転せしめるサーボモータ34と、ユニットハウジング31が支持部材310を介して装着されている移動基台35とを具備している。なお、粗研削ホイール33については、後で詳細に説明する。
【0013】
上記移動基台35には被案内レール351、351が設けられており、この被案内レール351、351を上記静止支持板21に設けられた案内レール22、22に移動可能に嵌合することにより、粗研削ユニット3が上下方向に移動可能に支持される。図示の形態における粗研削ユニット3は、上記移動基台35を案内レール22、22に沿って移動させ粗研削ホイール33を研削送りする粗研削送り手段36を具備している。粗研削送り手段36は、上記静止支持板21に案内レール22、22と平行に上下方向に配設され回転可能に支持された雄ねじロッド361と、該雄ねじロッド361を回転駆動するためのパルスモータ362と、上記移動基台35に装着され雄ねじロッド361と螺合する図示しない雌ねじブロックを具備しており、パルスモータ362によって雄ねじロッド361を正転および逆転駆動することにより、粗研削ユニット3を上下方向(後述するチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向)に移動せしめる。
【0014】
上記仕上げ研削ユニット4も粗研削ユニット3と同様に構成されており、ユニットハウジング41と、該ユニットハウジング41の下端に回転自在に装着されたホイールマウント42に取り付けボルト421によって装着された仕上げ研削ホイール43と、該ユニットハウジング41の上端に装着されホイールマウント42を矢印42aで示す方向に回転せしめるサーボモータ44と、ユニットハウジング41が支持部材410を介して装着されている移動基台45とを具備している。なお、仕上げ研削ホイール43については、後で詳細に説明する。
【0015】
上記移動基台45には被案内レール451、451が設けられており、この被案内レール451、451を上記静止支持板21に設けられた案内レール23、23に移動可能に嵌合することにより、仕上げ研削ユニット4が上下方向に移動可能に支持される。図示の形態における仕上げ研削ユニット4は、上記移動基台45を案内レール23、23に沿って移動させ仕上げ研削ホイール43を研削送りする仕上げ研削送り手段46を具備している。仕上げ研削送り手段46は、上記静止支持板21に案内レール23、23と平行に上下方向に配設され回転可能に支持された雄ねじロッド461と、該雄ねじロッド461を回転駆動するためのパルスモータ462と、上記移動基台45に装着され雄ねじロッド461と螺合する図示しない雌ねじブロックを具備しており、パルスモータ462によって雄ねじロッド461を正転および逆転駆動することにより、仕上げ研削ユニット4を上下方向(後述するチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向)に移動せしめる。
【0016】
図示の実施形態における研削装置は、上記静止支持板21の前側において装置ハウジング2の上面と略面一となるように配設されたターンテーブル5を具備している。このターンテーブル5は、比較的大径の円盤状に形成されており、図示しない回転駆動機構によって矢印5aで示す方向に適宜回転せしめられる。ターンテーブル5には、図示の実施形態の場合それぞれ120度の等角度をもって3個のチャックテーブル6が水平面内で回転可能に配置されている。このチャックテーブル6は、円盤状の基台61とポーラスセラミック材によって円盤状に形成された吸着保持チャック62とからなっており、吸着保持チャック62上(保持面)に載置された被加工物を図示しない吸引手段を作動することにより吸引保持する。このように構成されたチャックテーブル6は、図示しないサーボモータによって矢印6aで示す方向に回転せしめられる。ターンテーブル5に配設された3個のチャックテーブル6は、ターンテーブル5が適宜回転することにより被加工物搬入・搬出域A、粗研削加工域B、および仕上げ研削加工域Cおよび被加工物搬入・搬出域Aに順次移動せしめられる。
【0017】
上記装置ハウジング2の手前側には、第1のカセット載置部11aと、第2のカセット載置部12aと、仮置き部13aと、洗浄部14aが設けられている。第1のカセット載置部11aには研削前のウエーハを収容する第1のカセット11が載置され、第2のカセット載置部12aには研削後のウエーハを収容する第2のカセット12が載置されるようになっている。上記仮置き部13aには、第1のカセット載置部11aに載置された第1のカセット11から搬出された研削前のウエーハを仮置きする仮置き手段13が配設されている。また、洗浄部14aには、研削後のウエーハを洗浄する洗浄手段14が配設されている。
【0018】
上記第1のカセット載置部11aと第2のカセット載置部12aとの間には搬送手段15が配設されており、この搬送手段15は第1のカセット載置部11aに載置された第1のカセット11内に収納された研削前のウエーハを仮置き手段13に搬出するとともに洗浄手段14で洗浄された研削後のウエーハを第2のカセット載置部12aに載置された第2のカセット12に搬送する。上記仮置き部13aと被加工物搬入・搬出域Aとの間には搬入手段16が配設されており、この搬入手段16は仮置き手段13に載置された研削前のウエーハを被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6上に搬送する。上記被加工物搬入・搬出域Aと洗浄部14aとの間には搬出手段17が配設されており、この搬出手段17は被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6上に載置されている研削後のウエーハを洗浄手段14に搬送する。
【0019】
次に、上記粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43について、
図2および
図3を参照して説明する。
図2の(a)には粗研削工具としての粗研削ホイール33の斜視図が示されており、
図2の(b)には粗研削ホイール33を収容するための工具ケース7の斜視図が示されており、
図2の(c)には粗研削ホイール33が工具ケース7に収容された状態の斜視図が示されている。
図2の(a)に示す粗研削ホイール33は、環状の砥石基台331と、該砥石基台331の下面に装着された粗研削砥石332からなる複数のセグメントとによって構成されている。砥石基台331には雌ネジ穴331a形成されており、この雌ネジ穴331aに上記ホイールマウント32を挿通して配設された取り付けボルト321(
図1参照)を螺合することにより、ホイールマウント32に装着される。粗研削砥石332は、図示の実施形態においては#300のダイヤモンド砥粒をメタルボンドで結合し外径が450mmに形成されている。このように構成された粗研削ホイール33は、直径が300mmのシリコンウエーハの粗研削用として設定されている。
【0020】
図2の(b)に示す工具ケース7は、収納部71と該収納部71とヒンジ72を介して開閉可能に連結された蓋部73とからなり、適宜の合成樹脂によって一体成形されている。なお、工具ケース7を一体成形する合成樹脂としては、リサイクルが可能なポリプロピレンが望ましい。収納部71は、底壁711と該底壁711の外周縁から立設して形成された側壁712とを有している。底壁711の上面中央部には、粗研削ホイール33の環状の砥石基台331を嵌合して位置規制するための規制部711aが突出して設けられている。上記蓋部73は、天壁731と該天壁731の外周縁から垂下して形成された側壁732とを有している。上述した収納部71と蓋部73は、側壁712と側壁732がヒンジ72を介して開閉可能に連結されている。以上のように構成された収納部71と蓋部73には、蓋部73を収納部71に閉止したとき閉止状態を維持するロック手段74が設けられている。このロック手段74は、収納部71の側壁712に設けられた係止突起741と、蓋部73の側壁732に設けられ係合片742とからなっており、
図2の(c)に示す閉止状態で係止突起741に係合片742が係合するように構成されている。このように構成された工具ケース7における収納部71の規制部711aに環状の粗研削ホイール33を嵌合して収容し、蓋部73の係合片742を収納部71の係止突起741に係合して閉止する。
【0021】
上述した工具ケース7を構成する蓋部73の表面には、
図2の(c)に示すように粗研削ホイール33の品種を表示するシール70が着脱可能に貼着されている。このシール70には、製品番号、粗研削砥石332の種類(#300のダイヤモンド砥粒をメタルボンドで結合し外径が450mmに形成されている)、用途(直径が300mmのシリコンウエーハの粗研削用)が記載されている。なお、粗研削ホイール33の品種を表示するシール70は、粗研削ホイール33を構成する砥石基台331の上面に貼着してもよい。
【0022】
次に、仕上げ研削ホイール43について、
図3を参照して説明する。
図3の(a)には仕上げ研削工具としての仕上げ研削ホイール43の斜視図が示されており、
図3の(b)には仕上げ研削ホイール43を収容するための工具ケース8の斜視図が示されており、
図3の(c)には仕上げ研削ホイール43が工具ケース8に収容された状態の斜視図が示されている。
図3の(a)に示す仕上げ研削ホイール43は、環状の砥石基台431と、該砥石基台431の下面に装着された研削砥石432からなる複数のセグメントとによって構成されている。砥石基台431には雌ネジ穴431a形成されており、この雌ネジ穴431aに上記ホイールマウント42を挿通して配設された取り付けボルト421(
図1参照)を螺合することにより、ホイールマウント42に装着される。仕上げ研削砥石432は、図示の実施形態においては#2000のダイヤモンド砥粒をレジンボンドで結合し外径が450mmに形成されている。このように構成された仕上げ研削ホイール43は、直径が300mmのシリコンウエーハの仕上げ研削用として設定されている。
【0023】
図3の(b)に示す工具ケース8は、上記
図2に示す粗研削ホイール33を収容する工具ケース7と実質的に同一にお構成されている、収納部81と該収納部81とヒンジ82を介して開閉可能に連結された蓋部83とからなり、適宜の合成樹脂によって一体成形されている。収納部81は、底壁811と該底壁811の外周縁から立設して形成された側壁812とを有している。底壁811の上面中央部には、仕上げ研削ホイール43の環状の砥石基台431を嵌合して位置規制するための規制部811aが突出して設けられている。上記蓋部83は、天壁831と該天壁831の外周縁から垂下して形成された側壁832とを有している。上述した収納部81と蓋部83は、側壁812と側壁832がヒンジ82を介して開閉可能に連結されている。以上のように構成された収納部81と蓋部83には、蓋部83を収納部81に閉止したとき閉止状態を維持するロック手段84が設けられている。このロック手段84は、収納部81の側壁812に設けられた係止突起841と、蓋部83の側壁832に設けられ係合片842とからなっており、
図3の(c)に示す閉止状態で係止突起841に係合片842が係合するように構成されている。このように構成された工具ケース8における収納部81の規制部811aに環状の仕上げ研削ホイール43を嵌合して収容し、蓋部83の係合片842を収納部81の係止突起841に係合して閉止する。
【0024】
上述した工具ケース8を構成する蓋部83の表面には、
図3の(c)に示すように仕上げ研削ホイール43の品種を表示するシール80が着脱可能に貼着されている。このシール80には、製品番号、仕上げ研削砥石432の種類(#2000のダイヤモンド砥粒をレジンボンドで結合し外径が450mmに形成されている)、用途(直径が300mmのシリコンウエーハの仕上げ研削用)が記載されている。なお、仕上げ研削ホイール43の品種を表示するシール80は、仕上げ研削ホイール43を構成する砥石基台431の上面に貼着してもよい。
【0025】
上述した粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43を
図1に示す研削装置1に装着するには、上記工具ケース7の蓋部73および工具ケース8の蓋部83を開けて工具ケース7の収納部71および工具ケース8の収納部81から粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43を取り出し、それぞれ上述したように粗研削ユニット3のホイールマウント32および仕上げ研削ユニット4のホイールマウント42に装着する。そして、工具ケース7の蓋部73および工具ケース8の蓋部83に脱着可能に貼着されているシール70およびシール80を剥離し、それぞれ
図1に示す研削装置1の目視可能な部位である装置ハウジング2の手前側上面D1aおよびD1bに貼着する(シール脱着工程)。なお、シール70およびシール80を貼着する部位は、粗研削ユニット3のホイールマウント32および仕上げ研削ユニット4のホイールマウント42に装着された粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43が目視にて確認できる場所であればどこでもよいが、例えば粗研削ユニット3のユニットハウジング31を支持する支持部材310および仕上げ研削ユニット4のユニットハウジング41を支持する支持部材410の側面であるD2aおよびD2bも有効である。このように、粗研削ユニット3のホイールマウント32および仕上げ研削ユニット4のホイールマウント42に装着された粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43の品種を表示するシール70およびシール80を研削装置1の目視可能な部位に貼着するので、研削装置1に装着されている粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43の品種を常に目視にて確認することができる。
【0026】
図示の実施形態における研削装置1は以上のように構成されており、以下その作用について主に
図1を参照して簡単に説明する。
なお、第1のカセット11に収容される被加工物としてのウエーハWは、図示の実施形態においては直径が300mmのシリコンウエーハからなっており、表面に保護テープTが貼着されている。このようにして表面に保護テープTが貼着されたウエーハWは、上記第1のカセット11に裏面を上側にして複数枚収容される。
【0027】
上述したように第1のカセット11に収容された研削前のウエーハWは搬送手段15の上下動作および進退動作により仮置き手段13に搬送され、ここで中心合わせされる。次に、搬入手段16を作動して仮置き手段13において中心合わせされたウエーハWを被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6上に載置する。このように被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6上に載置されたウエーハWは、図示しない吸引手段を作動することにより保護テープTを介してチャックテーブル6上に吸引保持される。従って、チャックテーブル6上に保護テープTを介して吸引保持されたウエーハWは、裏面が上側となる。次に、図示しない回動駆動機構によってターンテーブル5を矢印5aで示す方向に120度回動せしめて、ウエーハWを吸引保持したチャックテーブル6を粗研削加工域Bに位置付ける。
【0028】
ウエーハWを保持したチャックテーブル6が粗研削加工域Bに位置付けられたならば、チャックテーブル6は図示しない回転駆動機構によって矢印6aで示す方向に例えば300rpmの回転速度で回転せしめられる。一方、粗研削ユニット3の研削ホイール33は、矢印32aで示す方向に例えば6000rpmの回転速度で回転しつつ粗研削送り手段36によって所定の研削送り速度で粗研削送りされる。この結果、チャックテーブル6上のウエーハWの裏面(被研削面)には、粗研削加工が施される(粗研削工程)。
【0029】
なお、この間に被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられた次のチャックテーブル6上には、上述したように研削加工前のウエーハWが載置される。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、ウエーハWをチャックテーブル6上に吸引保持する。次に、ターンテーブル5を矢印5aで示す方向に120度回動せしめて、粗研削加工されたウエーハWを保持しているチャックテーブル6を仕上げ研削加工域Cに位置付け、研削加工前のウエーハWを保持したチャックテーブル6を粗研削加工域Bに位置付ける。このようにして、粗研削加工域Bに位置付けられたチャックテーブル6上に保持された粗研削加工前のウエーハWの裏面には粗研削ユニット3によって上述した粗研削加工が施される(粗研削工程)。
【0030】
一方、仕上げ研削加工域Cに位置付けられたチャックテーブル6上に保持された粗研削加工されたウエーハWの裏面には、仕上げ研削ユニット4によって仕上げ研削加工が施される(仕上げ研削工程)。即ち、粗研削加工されたウエーハWを保持したチャックテーブル6は図示しない回転駆動機構によって矢印6aで示す方向に例えば300rpmの回転速度で回転せしめられる。一方、仕上げ研削ユニット4の仕上げ研削ホイール43は、矢印42aで示す方向に例えば6000rpmの回転速度で回転しつつ仕上げ研削送り手段46によって所定の仕上げ研削送り速度で仕上げ研削送りされる。この結果、チャックテーブル6上のウエーハWの裏面(被研削面)には、仕上げ削加工が施される(仕上げ研削工程)。
【0031】
上述したように、粗研削加工域Bに位置付けられたチャックテーブル6上に保持された粗研削加工前のウエーハWの裏面に粗研削加工を実施し、仕上げ研削加工域Cに位置付けられたチャックテーブル6上に保持され粗研削加工されたウエーハWの裏面に仕上げ研削加工を実施したならば、ターンテーブル5を矢印5aで示す方向に120度回動せしめて、仕上げ研削加工したウエーハWを保持したチャックテーブル6を被加工物搬入・搬出域Aに位置付ける。なお、粗研削加工域Bにおいて粗研削加工されたウエーハWを保持したチャックテーブル6は仕上げ研削加工域Cに、被加工物搬入・搬出域Aにおいて研削加工前のウエーハWを保持したチャックテーブル6は粗研削加工域Bにそれぞれ移動せしめられる。
【0032】
なお、粗研削加工域Bおよび仕上げ研削加工域Cを経由して被加工物搬入・搬出域Aに戻ったチャックテーブル6は、ここで仕上げ研削加工されたウエーハWの吸着保持を解除する。そして、被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6上の仕上げ研削加工されたウエーハWは、搬出手段17によって洗浄手段14に搬出される。洗浄手段14に搬送されたウエーハWは、ここで裏面(研削面)および側面に付着している研削屑が洗浄除去されるとともに、スピン乾燥される。このようにして洗浄およびスピン乾燥されたウエーハWは、搬送手段15によって第2のカセット12に搬送され収納される。
【0033】
上述した粗研削工程および仕上げ研削工程を第1のカセット11に収容された研削前のウエーハWの全てに実施する。そして、上記ウエーハWと異なる種類の被加工物を研削する場合には、粗研削ユニット3のホイールマウント32および仕上げ研削ユニット4のホイールマウント42に装着された粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43を交換する必要がある。粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43を交換するために粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43を取り外す際には、加工装置1の上記目視可能な部位である上記D1aおよびD1b或いはD2aおよびD2b等に貼着されているシール70およびシール80を剥離して、剥離したシール70およびシール80をそれぞれ工具ケース7を構成する蓋部73の表面および工具ケース8を構成する蓋部83の表面、または粗研削ホイール33を構成する砥石基台331の上面および仕上げ研削ホイール43を構成する砥石基台431の上面に貼り戻す(シール貼り戻し工程)。なお、粗研削ユニット3のホイールマウント32および仕上げ研削ユニット4のホイールマウント42から取り外した粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43は、シール70およびシール80が貼り戻された工具ケース7および工具ケース8にそれぞれ収容する。
【0034】
上述したように粗研削ユニット3のホイールマウント32および仕上げ研削ユニット4のホイールマウント42に装着された粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43を取り外して工具ケース7および工具ケース8に収容するとともにシール貼り戻し工程を実施したならば、次に研削加工する被加工物に対応した品種の研削ホイールを粗研削ユニット3のホイールマウント32および仕上げ研削ユニット4のホイールマウント42に装着するとともに、上記シール脱着工程を実施する。
【0035】
以上のように、図示の実施形態における工具の管理方法においては、粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43を研削装置1に装着する際には、粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43を収容する工具ケース7の蓋部73および工具ケース8の蓋部83に脱着可能に貼着されている研削ホイールの品種を表示するシール70およびシール80を剥離し、それぞれ研削装置1の目視可能な部位に貼着し、粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43を交換するために粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43を取り外して工具ケース7および工具ケース8に収容する際には、研削装置1の目視可能な部位に貼着されているシール70およびシール80を剥離し、剥離したシール70およびシール80をそれぞれ工具ケース7を構成する蓋部73の表面および工具ケース8を構成する蓋部83の表面、または粗研削ホイール33を構成する砥石基台331の上面および仕上げ研削ホイール43を構成する砥石基台431の上面に貼り戻すので、研削装置に装着されている粗研削ホイール33および仕上げ研削ホイール43の品種を常に目視にて確認することができる。従って、被加工物の種類に対応しない品種の研削ホイールで被加工物を研削加工することがなく、被加工物の品質を低下させるという問題を解消することができる。
【0036】
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々の変形は可能である。例えば、上述した実施形態においては本発明を研削装置に適用した例を示したが、本発明は切削ブレードを装着する切削装置等他の加工装置に広く適用することができる。