(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多くの詳細が特定されている。しかしながら、当業者にならば、本発明が、これらの一部または全部の詳細を特定しなくても実施されうることが明らかである。また、本発明を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作の詳細な説明は省略されている。
【0030】
薄膜半導体処理に用いられるプラズマ源は、プラズマ中のイオン濃度とラジカル濃度とを個別に調整することができないゆえに、ドライエッチングに最も望ましい条件を実現できないことが多い。多くの応用において、プラズマエッチングに望ましい条件は、ラジカル濃度を実質的に一定レベルに維持しつつそれと同時にイオン濃度を増加させることによって実現されるだろう。しかしながら、薄膜処理に使用されている従来のプラズマ源を通じてこのタイプの調整を実現することは、たとえ可能だとしても難しい。
【0031】
半導体処理プラズマ中のイオン濃度とラジカル濃度とを個別に制御する概念は、本明細書では、分離型のイオン/ラジカルプラズマ源を提供することとして言及される。分離型のイオン/ラジカルプラズマ源を提供するための概念は、1つには、ラジカルとイオンとを別々のプラズマ源から入射させることである。様々な実施形態において、これら別々のプラズマ源は、空間的に分離されているか、または時間的に分離されているか、すなわち時間によって主にイオンを発生させるか、もしくは主にラジカルを発生させるかが異なるように定められるか、のいずれかであることができる。空間的分離、時間的分離、またはそれらの組み合わせを用いる分離型のイオン/ラジカルプラズマ源の例は、「Semiconductor Processing System Having Multiple Decoupled Plasma Sources(複数の分離型プラズマ源を有する半導体処理システム)」と題された同時継続米国特許出願第13/104,923号に記載されている。
【0032】
半導体基板の何らかの処理を提供するためにプラズマのラジカル種に依存するプラズマ駆動式基板処理システムは、プラズマチャンバと基板処理チャンバとの間における環境要件、すなわち圧力、温度、ガス組成、ガス流量、電力供給などの差ゆえに基板処理チャンバから切り離されているプラズマチャンバ内でプラズマを発生させてよい。
図1は、本発明の一実施形態にしたがった、基板処理チャンバ103から切り離して定められたプラズマチャンバ101を用いる半導体基板処理システム100の概略図を示している。システム100において、プラズマ発生チャンバ101は、複数の流体伝送経路105によって基板処理チャンバ103に流体接続される。このようにして、プラズマ発生チャンバ101内で発生されたプラズマの反応種は、矢印107によって示されるように、流体伝送経路105を通って移動して基板処理チャンバ103内に至る。一実施形態では、流体伝送経路105の一部が、補助電子発生を提供してプラズマ発生チャンバ
101からのイオン抽出を増加させるように定められた活性化可能領域を含むように定められる。基板処理チャンバ103に入る際に、プラズマの反応種は、基板109と相互作用して基板109を所定の方式で処理する。
【0033】
一実施形態において、本明細書で使用される「基板」という用語は、半導体ウエハを言う。しかしながら、その他の実施形態では、本明細書で使用される「基板」という用語は、サファイア、GaN、GaAs、SiC、またはその他の基板材料で形成された基板を言うことができ、ガラスパネル/基板、金属箔、金属シート、ポリマ材料などを含むことができる。また、様々な実施形態において、本明細書で言う「基板」は、形態、形状、および/またはサイズが様々であってよい。例えば、一部の実施形態では、本明細書で言う「基板」は、200mm(ミリメートル)半導体ウエハ、300mm半導体ウエハ、または450mm半導体ウエハに相当していてよい。また、一部の実施形態では、本明細書で言う「基板」は、その他の形状のなかでも特に、フラットパネルディスプレイのための矩形基板のような、非円形基板に相当していてよい。本明細書で言う「基板」は、様々な実施形態の例を示した図のなかで、基板109として記されている。
【0034】
大半のプラズマ処理応用では、基板109を処理するためにプラズマのイオン種およびラジカル種の両方を用いることが望ましい。ラジカル種は、電気的に中性であるので、プロセスガスの流れに併せてプラズマ発生チャンバ101から流体伝送経路105を通って基板処理チャンバ103に移動することができる。しかしながら、イオン種は、電気的に帯電しており、材料表面に接触する際に電気的に中性化される可能性があるので、流体伝送経路105を通してプラズマ発生チャンバ101から基板処理チャンバ103へ制御方式で効率的にイオンを移送することは、難しいだろう。
【0035】
遠隔イオン源から基板処理領域へのイオンの入射は、問題になるかもしれないことがわかるだろう。上記のように、もしイオン源が、基板処理領域から空間的に分離されているならば、イオンは、イオン源と基板処理領域との間で輸送手段を通じて運ばれなければならない。輸送手段は、実施形態ごとに様々に定めることができる。例えば、一実施形態では、イオン源は、基板処理チャンバから物理的に切り離されたチャンバ内で発生し、輸送手段は、管配列によって定められる。別の一実施形態では、イオン源を発生させるためのチャンバは、板アセンブリによって基板処理チャンバから切り離され、輸送手段は、板アセンブリに空けられた複数の貫通孔によって定められる。輸送手段の上記の例は、例として挙げられたに過ぎないことが理解されるだろう。その他の実施形態では、輸送手段は、イオン/ラジカル源、すなわちプラズマが発生される領域と、基板処理領域との間に1つ以上の流体伝送経路を提供する限り、その他の形で定めることができる。
【0036】
最善の状態下において、二次的な基板処理チャンバ内で実現可能なイオン束は、イオン源領域内におけるイオン密度と、ボーム速度との積である。ボーム速度は、イオン源領域内の表面シースの縁におけるイオンの速度を表すものである。表面シースは、材料表面の前面の、イオン源プラズマに接触し、かつ電場の存在下にある領域を表している。単位時間当たりで基板処理チャンバに供給可能なイオンの総数は、すると、イオン源領域内における、すなわちプラズマ発生チャンバ内におけるイオン束を、イオン源領域と基板処理チャンバとの間の輸送手段(流体伝送経路)の総流路面積で乗じた積である。
【0037】
イオン源領域から入射されるイオンゆえの、プラズマ発生チャンバ内における壁への余分なイオン束は、輸送手段を通じてイオン源領域から入射されたイオン束に等しいという、以下のバランス式が存在する。
【数1】
ここで、n
upper=イオン源領域内におけるイオン数密度であり、Δn=基板処理チャンバ内における、イオン源領域からのイオン数密度の追加分であり、V
bohm_upper=イオン源領域内におけるイオンのボーム速度であり、A
open=イオン源領域と基板処理チャンバとの間の輸送手段の総面積であり、A
loss_lower=基板処理チャンバの壁の総面積であり、V
bohm_lower=基板処理チャンバ内におけるイオンのボーム速度である。
【0038】
ボーム速度は、式2によって与えられる。
【数2】
ここで、v
bohm=イオンのボーム速度であり、T
e=イオンの温度(eV)であり、m
i=イオンの質量(amu)である。
【0039】
式1にしたがうと、基板処理チャンバ内におけるイオン密度の最大化は、1)イオン源領域内におけるイオン数密度を増加させること、すなわちn
upperを増加させること、2)イオン源内における電子温度を増加させること、すなわちV
bohm_upperを増加させること、および3)イオン源と基板処理チャンバとの間の輸送手段内におけるイオン損失を最小限に抑えることの、1つ以上によって達成することができる。
【0040】
イオン源と基板処理チャンバとの間の輸送手段の総流路面積は、極めて小さいことが可能である。例えば、圧力が高めのイオン源領域と、圧力が低めの基板処理チャンバとの間に適切な圧力差を維持するためには、小さい管径、または小径の少数の穴が必要とされるだろう。したがって、十分な量の電子発生を実現するためには、大きいガス密度、すなわち高いガス圧力がイオン源領域内で必要とされるだろうゆえに、イオン源領域と基板処理チャンバとの間の輸送手段の流路面積を単純に増加させることは、ふさわしくないだろう。
【0041】
また、イオン源領域内におけるイオン数密度および電子温度を、イオン源領域と基板処理チャンバとの間の輸送手段の流路面積の小ささを補うのに必要な程度まで増加させることは、難しい可能性がある。
図2は、本発明の一実施形態にしたがった、基板処理チャンバ内で1.0E11cc
-1イオン密度を得るために必要とされるイオン源領域内におけるイオン密度を管穴径の関数としてプロットしたものであり、管は、イオン源領域と基板処理チャンバとの間の輸送手段を表している。
図2に示されるように、もし、基板処理チャンバ内における基板の上方で、1.0E11cc
-1のイオン密度が必要とされたならば、イオン源領域内では、1.0E12cc
-1程度のイオン密度が必要だろう。直径2mm(ミリメートル)未満の管輸送手段によって基板処理チャンバ内で1.0E11cc
-1程度のイオン密度レベルを達成することは、非常に特殊で、かつ多くは非現実的な状況でのみ可能だろう。
【0042】
基板処理チャンバ内でイオン束とラジカル束とを別々に制御することのさらなる問題は、特に基板処理チャンバが低圧で動作されるときなどに、低電子温度の存在下でイオン束を発生させることである。例えば、基板に曝される電子温度を超低温に維持することによって基板への「損傷」を最小限に抑える必要があるプロセスでは、イオン束を発生させることが難しいだろう。このようなプロセスには、基板上にエピタキシャル層を形成する原子層堆積プロセスである原子層エッチング(ALE)プロセスなどがある。例えば、低電子温度で薄膜が堆積され、次いで、より高い電子温度を必要とする単分子材料層除去のための処理工程が続くような、ALEプロセスを考える。この例では、先行するALEプロセス工程の電子温度が低いという前提ゆえに、単分子層除去プロセスを達成するようにイオン束を調整することが難しいだろう。
【0043】
基板処理チャンバ内における電子エネルギ分布関数(EEDF)を制御する能力を有することは、それ自体が、基板処理チャンバ内でイオン密度をラジカル密度に相対的に個別(分離)制御する手段であることが理解されるだろう。より具体的には、低エネルギ解離プロセスを回避し高エネルギイオン化プロセスすなわち解離性イオン化プロセスを好む族の電子を「選択する」ようにEEDFを制御する能力を有することによって、基板処理チャンバ内においてイオン束をラジカル束に相対的に増加させることができる、または基板処理チャンバ内においてイオン束を有益でないラジカルの束に相対的に増加させることができる。
【0044】
本明細書では、適切で、かつ大きいイオン束をプラズマ源内に提供するための幾つかのプラズマ駆動式基板処理システムの実施形態であって、多重化されたイオン源およびラジカル源をイオン制御およびラジカル制御のために有効活用するような実施形態が開示される。本明細書で開示されるプラズマ駆動式基板処理システムの実施形態は、また、有害でないイオンエネルギおよび電子エネルギを伴うような大きいイオン束を必要とするだろうALEなどの応用において、そのような大きいイオン束を実現することを可能にする。
【0045】
基板処理チャンバ内への電子ビーム入射は、電荷の追加を通じて「バルク」電子温度およびプラズマ電位を引き下げる働きをする。したがって、基板処理チャンバ内におけるEEDFは、電子ビーム入射を通じて変更することができる。より具体的には、基板処理領域内への電子ビーム入射は、例えば解離性電子衝突プロセスなどの低エネルギ電子衝突プロセスの速度を落とす効果を有する。約100eV(電子ボルト)を超える電子エネルギでは、荷電粒子の発生を含む電子相互作用プロセスが、荷電粒子の発生を伴わない電子相互作用プロセスよりも、大幅に大きい断面積を有する。したがって、高エネルギ電子またはビーム入射電子の族は、高エネルギ電子相互作用プロセスを通じてプラズマ放電を持続させることができる。本明細書で開示されるプラズマ駆動式基板処理システムの実施形態は、基板に利用可能なイオン束を最大にするためにおよび基板処理チャンバ内におけるイオン束制御とラジカル束制御との分離を提供するために、様々なタイプのイオン入射技術を取り入れている。
【0046】
図3Aは、本発明の一実施形態にしたがった、プラズマ駆動式基板処理システム300の縦断面を示している。システム300は、トップ構造301Bと、ボトム構造301Cと、トップ構造301Bとボトム構造301Cとの間に広がる側壁301Aとによって形成されるチャンバ301を含む。チャンバ301は、基板処理領域302を囲っており、前記領域内において、基板109は、基板サポート303上にしっかり保持され、プラズマ359の反応成分325に曝される。基板処理領域302は、トップ板315によってプラズマ発生チャンバ355から切り離されている。動作中、プラズマ359の反応成分325は、矢印361によって記されるように、トップ板315内の複数の流体伝送経路316を通って移動して基板処理領域302に到る。
【0047】
様々な実施形態において、チャンバ側壁301A、トップ構造301B、およびボトム構造301Cは、チャンバ301材料が、プラズマ処理中に曝されるだろう圧力差および温度に構造的に持ちこたえることができ、かつプラズマ処理環境と化学的に適合可能である限り、ステンレス鋼またはアルミニウムなどの様々な材料で形成することができる。また、一実施形態では、チャンバ側壁301A、トップ構造301B、およびボトム構造301Cは、電気伝導性の材料で形成され、電気接地357に電気的に接続される。
【0048】
図3Aの実施形態では、プラズマ発生チャンバ355は、トップ板315の上方に形成される。プラズマ発生チャンバ355は、プロセスガス源319と、そしてトップ板315を通じて各流体伝送経路316と、流体連通している。システム300は、また、プラズマ発生チャンバ355内のプロセスガスをプラズマ359に変換するように配されたコイルアセンブリ351も含む。システム300では、チャンバトップ
構造301Bは、コイルアセンブリ351からプラズマ発生チャンバ355内へのRF(無線周波数)電力の伝送に適した窓353を含む。一実施形態では、窓355は、石英で形成される。別の一実施形態では、窓353は、炭化ケイ素などのセラミック材料で形成される。
【0049】
一実施形態では、RF電力は、1つ以上のRF電力源391A〜391nからコイルアセンブリ351に供給される。各RF電力源391A〜391nは、コイルアセンブリ351への効率的なRF電力伝送を確実にするために、対応する整合回路網393を通じて接続される。複数のRF電力源391A〜391nがある場合は、複数のRF電力源391A〜391nのそれぞれがRF電力周波数および/または振幅に関して独立に制御可能であることが理解されるだろう。一実施形態では、1つ以上のRF電力源391A〜391nは、2MHz、27MHz、60MHz、400kHz、またはそれらの組み合わせのいずれかの周波数を有するRF電力を供給するように定められる。
【0050】
図3Aの誘導電力伝達システムは、例として示されていることが理解されるだろう。その他の実施形態では、プラズマ発生チャンバ355は、異なるやり方でプラズマ359を発生させるように定めることができる。例えば、一実施形態では、プラズマ発生チャンバ355は、容量結合チャンバとして定めることができる。ここでは、チャンバ355のプラズマ359発生領域は、1つ以上の電力供給部に電気的に接続された1対の相隔てられた電極に曝され、したがって、電力(直流(DC)、RF、またはそれらの組み合わせ)は、プロセスガス源319から供給されるプロセスガスをプラズマ359に変換するために、対をなす電極と電極との間およびチャンバ355を経て伝送される。さらに別の一実施形態では、プラズマ発生チャンバ355は、マイクロ波駆動式チャンバとして定めることができる。
【0051】
プラズマ359を発生させるための特定の電力伝達実施形態の如何を問わず、システム300の動作中、プロセスガス源319によって供給されるプロセスガスは、プラズマ発生チャンバ355内でプラズマ359に変換されることが理解されるだろう。その結果、プラズマ359の反応成分325は、プラズマ発生チャンバ355から、トップ板315の複数の流体伝送経路316を通って基板処理領域302内の基板サポート303上方に移動し、基板サポート303上に配された基板109上に到る。
【0052】
一実施形態では、トップ板315の流体伝送経路316から基板処理領域302に入る際に、プロセスガスは、矢印381によって示されるように、周縁通気孔327を通って流れ、排気ポンプ331によって排気口329を経て排気される。一実施形態では、基板処理領域302からのプロセスガスの流量を制御するために、流量絞り333が提供される。また、一実施形態では、流量絞り333は、矢印335によって示されるように周縁通気孔327に向かうようにおよび周縁通気孔327から離れるように移動可能なリング構造として定められる。
【0053】
一実施形態では、プラズマ発生チャンバ355は、最大約1トール(T)の内部圧力で動作するように定められる。また、一実施形態では、基板処理領域302は、約1ミリトール(mT)から約100mTに及ぶ圧力範囲内で動作される。例えば、一実施形態では、システム300は、プロセスガス押出流量が約1000scc/秒(標準立方センチメートル毎秒)で尚、かつ基板処理領域302内における反応成分325の滞在時間が約10ミリ秒(ms)の状態で、約10mTの基板処理領域302圧力を提供するように動作される。上記の動作条件例は、システム300において実現可能な原則無制限の動作条件の1つを表わしていることが理解および認識されるだろう。上記の動作条件例は、考えられるシステム300動作条件に対するいかなる制限も表わしても示唆してもいない。
【0054】
基板サポート303は、基板処理領域302に曝されるように基板109を支えるように配される。基板サポート303は、基板109に対してプラズマ処理動作が実施されている間にその上に基板109を保持するように定められる。
図3Aの実施形態例では、基板サポート303は、チャンバ301の壁301Aに取り付けられたカンチレバーアーム305によって保持される。しかしながら、その他の実施形態では、基板サポート303は、チャンバ301のボトム板301Cにまたはチャンバ301内に配された別の部材に取り付けることができる。様々な実施形態では、基板サポート303は、プラズマ処理中に曝されるだろう圧力差および温度に構造的に持ちこたえることができ、かつプラズマ処理環境と化学的に適合可能である限り、例えばステンレス鋼、アルミニウム、またはセラミックなどの様々な材料で形成することができる。
【0055】
一実施形態では、基板サポート303は、イオンを基板サポート303におよび前記基板サポート303上に保持されている基板109に引き付けるための電場を発生させるためのバイアス電極307を含む。より具体的には、基板サポート303内の電極307は、基板サポート303とトップ板315との間の基板処理領域302全体にバイアス電圧を印加するように定められる。電極307によって発生するバイアス電圧は、プラズマ発生チャンバ355内で形成されるイオンを流体伝送経路316を通じて基板処理領域302内へおよび基板109に向かって引っ張る働きをする。
【0056】
一実施形態では、基板サポート303は、基板109の温度制御を維持するためにプラズマ処理動作中に冷却流体を流すことができる複数の冷却チャネル309を含む。また、一実施形態では、基板サポート303は、基板109を基板サポート303に相対的に上昇および下降させるように定められた複数のリフトピン311を含むことができる。一実施形態では、チャンバ301への/からの基板109の挿入および取り出しを可能にするために、チャンバ壁301A内にドアアセンブリ313が配される。また、一実施形態では、基板サポート303は、プラズマ処理動作中に基板109を基板サポート303上にしっかり保持するための静電場を発生させるように備えられた静電チャックとして定められる。
【0057】
トップ板315は、基板サポート303上に位置決めされた基板109の上方に基板109から離して位置決めされるように、基板サポート303の上方に基板サポート303から離して配される。基板処理領域302は、基板サポート303上に位置決めされた基板109の上に存在するように、トップ板315と基板サポート303との間に存在する。
【0058】
一実施形態では、基板サポート303は、基板処理領域302に垂直に測定されたときのトップ板315と基板サポート303との間のプロセス隙間距離が約1cmから約10cmに及ぶ範囲内で調整可能であるように、矢印383によって示されるように垂直方向に移動可能である。一実施形態では、基板サポート303は、約5cmのプロセス隙間距離を提供するように調整される。また、一実施形態では、プラズマ処理動作の実施中またはプラズマ処理動作とプラズマ処理動作との間のいずれかにおいて、トップ板315に相対的な基板サポート303の垂直位置が、およびその逆に、基板サポート303に相対的なトップ板の垂直位置が調整可能である。
【0059】
プロセス隙間距離の調整は、流体伝送経路316から発せられるイオン束の動的範囲の調整を提供する。具体的には、基板109に到達するイオン束は、プロセス隙間距離を増加させることによって減少させることができる、およびその逆に、プロセス隙間距離を減少させることによって増加させることができる。一実施形態では、基板109におけるイオン束の調整を実現するためにプロセス隙間距離が調整されるときに、プラズマ発生チャンバ355を流れるプロセスガス流量も相応して調整することができ、そうして、基板109におけるラジカル束の制御に対して或る程度の独立性が与えられる。また、基板109におけるおよび基板109全体にわたるイオン密度およびラジカル密度を実質的に一様にするために、流体伝送経路316から発せられて基板処理領域302に入るイオン束およびラジカル束と併せたプロセス隙間距離の制御が行われることがわかるだろう。
【0060】
トップ板315を通る流体伝送経路316の構成は、プラズマ359の反応成分325が基板処理領域302内でどのように分布されるかに影響しうることがわかるだろう。一実施形態では、流体伝送経路316は、その下の基板サポート303に相対的に実質的に一様に分布する形でトップ板315内に形成される。
図3Bは、本発明の一実施形態にしたがった、
図3Aで参照される水平断面
図A−Aを示している。
図3Bに示されるように、流体伝送経路316は、その下の基板サポート303に相対的に実質的に一様に分布する形でトップ板315内に形成される。
【0061】
板315全体にわたる流体伝送経路316の経路間の間隔は、実施形態ごとに異なってよいことがわかるだろう。
図3Cは、本発明の一実施形態にしたがった、トップ板315全体にわたって流体伝送経路316の経路間の間隔を狭められた
図3Bの水平断面図の一態様を示している。
図3Dは、本発明の一実施形態にしたがった、トップ板315全体にわたって流体伝送経路316の経路間の間隔を広げられた
図3Bの水平断面図の一態様を示している。
図3Eは、本発明の一実施形態にしたがった、トップ板315全体にわたって流体伝送経路316の経路間の間隔が一様でない
図3Bの水平断面図の一態様を示している。
【0062】
一実施形態例では、トップ板315を通る流体伝送経路316の総数は、約50から約200に及ぶ範囲内である。一実施形態例では、トップ板315を通る流体伝送経路316の総数は、約100である。しかしながら、トップ板315を通る流体伝送経路316の数および構成について上で言及された実施形態例は、本発明の説明を促すために例として提供されたものであることが理解されるだろう。その他の実施形態では、基板109上で所望のプラズマ処理結果を実現するのに適した混合および分布の反応成分325すなわちラジカルおよび/またはイオンを提供する必要に応じ、基本的にあらゆる数および構成の流体伝送経路316をトップ板315内に形成および配置することができる。
【0063】
図3Aのプラズマ駆動式基板処理システム300は、さらに、電子ビーム367を発生させるようにおよび電子ビーム367をそれが基板処理領域302内を通って基板サポート303の上方を横断するように伝送するように定められた少なくとも1つの電子ビーム源363を含む。各電子ビーム源363は、電力が各電子ビーム源363に独立制御方式で供給可能であるように、電力供給部389から電力を受け取るために電気的に接続される。電子ビーム源363のタイプに応じ、電力供給部389は、DC電力、RW電力、またはそれらの組み合わせを電子ビーム源363に伝送するように定めることができる。
【0064】
一実施形態では、各電子ビーム源363は、基板109を支えるように定められた基板サポート303の表面に実質的に平行な軌道に沿って電子ビーム367を伝送するように定められる。また、各電子ビーム源363は、1つまたは複数の電子ビーム367を発生させるおよび伝送するように定めることもできる。動作中、電子ビーム源363は、アルゴンなどのイオン発生ガスが基板処理領域302を通って流れる間に電子ビーム367を基板処理領域302内に通らせるように動作される。一実施形態では、イオン発生ガスは、プロセスガス源319から供給されるプロセスガス混合の一成分であり、トップ板315内の流体伝送経路316を通って基板処理領域302に流れ込む。
【0065】
電子ビーム源363などによる、基板処理領域302内への電子ビーム367入射は、電子ビーム367付近における、基板処理領域302内での荷電粒子の発生すなわちイオンの発生を増加させる。基板処理領域302内への電子ビーム367入射は、プロセスガスの電子衝突解離を通じて形成されるラジカルよりも大幅に多くのイオンが電子衝突イオン化事象を通じて形成されるように最適化される。一実施形態では、解離よりもイオン化を好むこの傾向を確立するための方法は、電子ビーム367源の位置の最適化、処理領域302内へ入射される電子数の最適化、および/または電子ビーム367のエネルギの最適化のうちの、1つ以上を含んでいてよい。したがって、基板処理領域302に入るおよび基板処理領域302を通る電子ビーム367入射は、ラジカル密度に実質的に影響を及ぼすことなくイオン密度の増加を空間的におよび時間的に制御し、そうして、基板処理領域302内におけるイオン密度制御をラジカル密度制御から効果的に分離することがわかるだろう。
【0066】
図3Aの実施形態は、また、基板サポート303の周縁の外側に、かつ基板サポート303の上方に位置決めされた複数の伝導性グリッド365も含む。伝導性グリッド365は、制御された電圧レベルが各伝導性グリッド365に独立制御方式で印加されるように、電力供給部387に電気的に接続される。特定の実施形態に応じて、電力供給部387は、DC電力、RW電力、またはそれらの組み合わせを伝導性グリッド365に伝送するように定めることができる。
【0067】
一実施形態では、伝導性グリッド365は、各電子ビーム源363の電子ビーム出口に前記出口を覆うように位置決めされる。この実施形態では、伝導性グリッド365への電力は、その伝導性グリッド365に覆われている電子ビーム源363からの電子ビーム367の伝送を強化するようにまたは少なくとも阻止しないように制御することができる。そして、基板サポート303を挟んでアクティブ電子ビーム源363から離れた側に位置決めされた所定の伝導性グリッド365には、その所定の伝導性グリッド365がアクティブ電子ビーム源363によって伝送される電子ビーム367のための電気的シンクとして機能するように、正電荷を加えることができる。
【0068】
前述のように、システム300は、1つ以上の電子ビーム源363を含むことができる。
図3Fは、本発明の一実施形態にしたがった、空間的に分離された複数の電子ビーム367をそれらが基板処理領域302内を通って基板サポート303の上方を一共通方向に横断するように伝送するように電子ビーム源363を定められた一システム300構成における、基板サポート303の上面を示している。電子ビーム源363は、電子ビーム367を連続方式またはパルス方式のいずれかで伝送するように定めるおよび動作させることができる。また、電子ビーム源363は、電子ビーム367を、それらが所定の時間に基板サポート303の一部分の上方を通って単一の共通方向に伝送されるように、空間的に分割された方式で電子ビーム367を伝送するように定めるおよび動作させることができる。この場合は、電子ビーム源363は、空間的に分割された電子ビーム367が総じて、時間平均された実質的に一様な形で伝送されて基板サポート303(およびその上に配された基板109)の全体を横断するように、時間的に多重化された方式でそれらの電子ビーム367を伝送するように定めるおよび動作させることができる。このようにして、電子ビーム367は、総じて、基板サポート303およびその上に配された基板109にわたって実質的に一様なイオン発生効果を提供することができる。
【0069】
図3Fの実施形態では、電子ビーム源363の電子ビーム出口を覆うように、第1の伝導性グリッド365Aが配されている。この第1の伝導性グリッド365Aは、電子ビーム源363からの電子ビーム367の伝送を促進する/強化するために通電することができる。また、この実施形態では、基板サポート303を挟んで電子ビーム源363とは反対側の位置に、第2の伝導性グリッド365Bが配されている。第2の伝導性グリッド365Bは、正電荷を受け取るために電力供給部387に電気的に接続される。このようにして、第2の伝導性グリッド365Bは、電子ビーム源363から基板処理領域302内を通って単一の共通方向に伝送される電子ビーム367のための電気的シンクとして機能する。
【0070】
図3Gは、本発明の一実施形態にしたがった、空間的に分離された複数の電子ビーム367をそれらが基板処理領域302内を通って基板サポート303の上方をそれぞれの複数の方向に横断するように伝送するように複数の電子ビーム源363を定められた一システム300構成における、基板サポート303の上面を示している。各電子ビーム源363は、電子ビーム367を連続方式またはパルス方式のいずれかで伝送するように定めるおよび動作させることができる。また、電子ビーム源363は、電子ビーム367を、それらが所定の時間に選択数の電子ビーム源363から伝送されるように、空間的にラスタ化された方式で伝送するように定めるおよび動作させることができる。この場合は、所定の時間に1つ以上の電子ビーム源363を動作させることができる。また、この実施形態では、電子ビーム源363は、空間的にラスタ化された電子ビーム367が総じて、時間平均された実質的に一様な形で伝送されて基板サポート303(およびその上に配された基板109)の全体を横断するように、時間的に多重化された方式でそれらの電子ビーム367を伝送するように定めるおよび動作させることができる。一実施形態では、各電子ビーム源363は、その電子ビーム367が基板サポート303の中心位置の上方を通って伝送されるように定められるおよび動作される。
【0071】
また、
図3Gの実施形態では、各伝導性グリッド365は、それぞれが独立制御方式で(正または負のいずれかに)帯電可能であるように、電力供給部387に電気的に接続される。一実施形態では、アクティブ電子ビーム源363の電子ビーム出口を覆うように配された伝導性グリッド365が、電子ビーム367の伝送を強化するためにまたは電子ビーム367の伝送を阻止しないために帯電される。そして、基板サポート303を挟んでアクティブ電子ビーム源363とは反対側に位置決めされた別の伝導性グリッド365は、それがアクティブ電子ビーム源363から基板処理領域302内を通って伝送される電子ビーム367のための電気的シンクとして機能するように、正電荷を供給される。
【0072】
図3Hは、本発明の一実施形態にしたがった、
図3Gの複数の電子ビーム源363の動作のラスタ化時間順序を示している。
図3Hに示されるように、電子ビーム源363は、空間的に分離された複数の電子ビーム367を順次伝送するように定められる。例えば、或る時間(時間1)では、第1の電子ビーム源363が、その電子ビーム367を伝送して基板サポート303を横断させるように動作される。次の時間(時間2)では、第1の電子ビーム源の隣りの第2の電子ビーム源363が、その電子ビーム367を伝送して基板サポート303を横断させるように動作される。残る複数の電子ビーム源363は、その電子ビーム367を伝送して基板サポート303の横断させるように連続して順次動作される。最終的には、最後の電子ビーム源363が、最後の時間(時間16)において、その電子ビーム367を伝送して基板サポート303を横断させるように動作される。次いで、電子ビーム源363動作のラスタ化時間順序は、必要に応じて繰り返すことができる。なお、その他の実施形態では、電子ビーム源363は、基板処理領域302内におけるイオン密度に対して所望の効果を実現するために、例えば非順次などの基本的にあらゆる順序で尚、かつ基本的にあらゆる期間にわたってアクティブにすることができる。
【0073】
図3Gおよび
図3Hに示された電子ビーム源363の数は、例として提供されたものであることが理解されるだろう。一実施形態では、基板サポート303の周辺に36個の個別の電子ビーム源363が配備され、これら36個の電子ビーム源363は、隣り合う電子ビーム源363どうしがそのそれぞれが伝送する電子ビームを基板サポート303の中心に相対的に約10度の角度差(θ)で基板サポート303を横断させるように、互いに隔てられている。その他の実施形態では、異なる数の電子ビーム源363を、基板サポートの周辺に実質的に等間隔に配備することができる。基板サポート303の周辺に配備される電子ビーム源の具体的な数の如何を問わず、電子ビーム源363は、そのそれぞれが伝送する空間的にラスタ化された電子ビーム367が総じて、時間平均された実質的に一様な形で基板サポート303(およびその上に配された基板109)の全体を横断するように、時間的に多重化された方式でそれらの電子ビーム367を伝送するように配備するおよび動作させることができることが理解されるだろう。このようにして、電子ビーム367は、総じて、基板サポート303およびその上に配された基板109にわたって実質的に一様なイオン発生効果を提供することができる。
【0074】
様々な実施形態において、電子ビーム源363は、異なるタイプの電子ビーム源として定めることができる。例えば、一部の実施形態では、電子ビーム源363は、中空陰極機器、電子サイクロトロン共鳴機器、レーザ駆動機器、マイクロ波駆動機器、誘導結合型プラズマ発生機器、および容量結合型プラズマ発生機器のうちの、1つ以上として定められる。上で言及されたタイプの電子ビーム源363は、例として提供されていることが理解されるだろう。その他の実施形態では、基板処理領域302内を通る所要の電子ビーム367を発生させて伝送し、基板処理領域302内におけるイオン密度に対して所望の効果をおよびそれに相応して基板109上で所望のプラズマ処理効果を実現するように定められる限り、基本的にあらゆるタイプの電子ビーム源363が、システム300において利用可能である。
【0075】
図4Aは、本発明の一実施形態にしたがった、中空陰極機器401として定められた電子ビーム源363の一例を示している。中空陰極機器401は、基板サポート303の周縁の外側に、かつ基板サポート303の上方に位置決めされる。中空陰極機器401は、基板サポート303よりも上の基板処理領域302の方を向くように方向付けられた出口領域407を有する。中空陰極機器401は、周囲のチャンバ材料から電気的に、かつRF的に隔離されるように、システム300内に配することができる。一実施形態では、中空陰極機器401は、中空陰極機器401の内部空洞の両側に配された1対の電極403A、403Bを含む。電極403A、403Bの一方または両方は、電子ビーム電力源389から電力を受け取るために、電気的に接続される。電子ビーム電力源389は、DC電力供給部389A、RF電力供給部389B、またはそれらの組み合わせを含むように定めることができる。RF電力供給部389Bは、インピーダンスを整合させて、電極403Aおよび/または電極403Bからの伝送RF電力の反射を最小限に抑えるために、整合回路網389Cを通じて電極403Aおよび/または電極403Bに接続される。
【0076】
一実施形態では、電極403A、403Bは、一方の電極403Aが、中空陰極機器401内部を挟んで中空陰極機器401の電子ビーム367出口とは反対側に配され、もう一方の電極403Bが、中空陰極機器401の電子ビーム367出口の隣りに配されるように、位置決めされる。しかしながら、その他の実施形態では、電極403A、403Bは、中空陰極機器401の内部空洞内でその他の場所および/または向きに配することができることが理解されるだろう。また、その他の実施形態では、中空陰極機器401は、中空陰極機器401の内部のプロセスガスに電力を伝え、そのプロセスガスをプラズマ405に変換することができる限り、電極403A、403B以外の電力伝達コンポーネントを取り入れるように定めることができる。例えば、一実施形態では、中空陰極機器401の壁が電気伝導性であり、電力伝達コンポーネントの機能を果たしている。別の一実施形態例では、電力伝達コンポーネントは、中空陰極機器401に近接して配されたコイルとして取り入れられている。
【0077】
中空陰極機器401は、また、そこから、電子ビームを発生させるためのプロセスガスを制御方式で中空陰極機器401の内部に流し込むことができるように、電子ビームガス供給部388にも接続される。中空陰極機器401の内部に入ると、プロセスガスは、電極403A、403B、またはその他のタイプの電力伝達コンポーネントから発せられる電力によって、プラズマ405に変換される。一実施形態では、プロセスガスをプラズマ405に変換するために、2MHz、27MHz、60MHz、400kHz、またはそれらの組み合わせのいずれかの周波数を有するRF電力が、電極403A、403B、またはその他のタイプの電力伝達コンポーネントに伝送される。
【0078】
また、一実施形態では、中空陰極機器401は、中空陰極機器401の内部空洞からの電子抽出を強化するために、活性化電子ビーム367出口領域407を取り入れるように定められる。一実施形態では、活性化可能出口領域407自体が、別の中空陰極として定められる。この実施形態の一ヴァージョンでは、出口領域407は、DC電力、RF電力、またはそれらの組み合わせのいずれかによって通電することができる電極によって周りを囲まれる。プラズマ405からの反応成分が活性化可能出口領域407を通って流れるのに伴って、電極から発せられる電力が出口領域407内で高速電子を遊離させ、これは、中空陰極機器401から伝送される電子ビーム367を強化する。
【0079】
一実施形態では、中空陰極機器401の電子ビーム367出口領域407を覆うように、伝導性グリッド365が配される。より具体的には、伝導性グリッド365は、中空陰極機器401の内部空洞内におけるプラズマ405からの電子抽出を促すために、中空陰極機器401の出口領域407と、基板サポート303よりも上方の基板処理領域302との間に配される。
図4Bは、本発明の一実施形態にしたがった、伝導性グリッド365の正面図を示している。一実施形態では、伝導性グリッド365は、伝導性グリッド電力供給部387から電力を受け取るために、電気的に接続される。電力源387は、DC電力供給部387A、RW電力供給部387B、またはそれらの組み合わせを含むように定めることができる。RF電力供給部387Bは、インピーダンスを整合させて、伝導性グリッド365からの伝送RF電力の反射を最小限に抑えるために、整合回路網387Cを通じて伝導性グリッド365に接続される。
【0080】
また、一実施形態では、伝導性グリッド365は、伝導性グリッド365の独立温度制御を提供するために、ヒータ409に接続され、これは、伝導性グリッド365の清浄状態を維持するために使用することができる。一実施形態では、伝導性グリッド365は、中空陰極機器401の内部空洞内でプラズマ405から電子束を抽出するための抽出グリッドとして動作する。また、一実施形態では、伝導性グリッド365は、伝導性グリッド365上の電荷の極性がパルス間で正と負との間で交替するように、パルス方式で動作させることができる。この実施形態では、伝導性グリッド365は、正電荷パルスを供給されているときはプラズマ405から電子束を抽出するように、そして負電荷を供給されているときはプラズマ405からイオンを抽出するように動作する。したがって、この実施形態では、伝導性グリッド365は、イオン抽出モードと電子抽出モードとの間で交替する方式でパルスを発することができる。また、伝導性グリッドのこのパルス発信は、期間平均するとヌルの電流と、基板処理領域302内におけるイオン駆動イオン化プロセスへのアクセスとを提供する。また、基板サポート303を挟んで中空陰極機器401の出口領域407とは反対側に配された別の伝導性グリッド365は、中空陰極機器401によって伝送された電子ビーム367のための電気的シンクを提供するために、正電荷を有するように動作させることができる。
【0081】
図5Aは、本発明の一実施形態にしたがった、DCバイアス表面電子ビーム源503を取り入れたプラズマ駆動式基板処理システム300の一態様を示している。
図5Aのシステム300は、電子ビーム源363および伝導性グリッド365の代わりにDCバイアス電子ビーム源503を含む。説明を容易にするために、DCバイアス電子ビーム源503は、以下で、電極503として言及される。電極503は、電極503の表面が基板処理領域302に曝されるように、電気絶縁性部材501内に配される。また、電極503は、基板サポート303から切り離して処理チャンバ301内に配される。一実施形態では、電極503は、処理チャンバ301の基板処理領域302内で基板サポート303の周縁の外側に、かつ基板サポート303の上方に配された伝導性バンドとして定められる。一実施形態では、電極503は、基板サポート303の周囲で基板処理領域302の周りを囲むバンドまたはストラップとして定められる。
【0082】
システム300Aでは、電極503は、電力供給部505に電気的に接続される。一実施形態では、電力供給部505は、基板処理領域302内のイオンを電極503に向かって引き付け、電極503から基板処理領域302内へ電子を遊離させるために、電極503に電力を印加するように定められる。様々な実施形態では、電力供給部505から電極503に供給される電力は、DC電力、RF電力、またはDC電力とRF電力との組み合わせであることができる。一実施形態では、電力供給部505によって、電極503に負の電圧が印加される。しかしながら、その他の実施形態では、電力供給部505によって電極503に印加される電圧は、負または正のいずれであることもできる。例えば、一実施形態では、電力供給部505は、電極503に正の電圧を供給し、そうして電子を引き付けるとともに正帯電イオンを反発させるように定められる。また、一実施形態では、電力供給部505は、パルス方式および/または極性交替方式で電極503に電力を供給するように定められる。
【0083】
図5Bは、本発明の一実施形態にしたがった、電極503の拡大図を示している。一実施形態では、電極503は、基板処理領域302の方を向く方向に電極503の表面から出て行く電子束(J
e-)すなわち電子ビームを入射イオン束(J
ion)から発生させるDCバイアス表面を提供する。一実施形態では、電極503に入射するイオン束(J
ion)内のイオンは、Siイオンのように、不活性で、かつ不動態である。この実施形態では、電極503のDCバイアス表面は、ラジカル相互作用を通じて発生する不動態種を補うために用いることができる。一実施形態では、電極503は、DC電力、RF電力、またはそれらの組み合わせのいずれかによって通電することができる。また、一実施形態では、電極503に、低周波数RF電力が供給される。
【0084】
また、一実施形態では、電極503は、基板処理領域302内に中空陰極効果を生じるようにサイズ決定される。より具体的には、もし、電極503のDCバイアス表面が、電極503から放出された電子が十分なエネルギを持って電極503の反対側部分に到達するように、基板処理領域302の周りを囲む十分に大きいバンドまたはストラップとして定められるならば、基板処理領域302自体のなかに中空陰極構成が形成され、そうして、基板処理領域302内におけるイオン化をさらに強化するだろう。
【0085】
図6Aは、本発明の一実施形態にしたがった、平面DCバイアス表面電子ビーム源601を取り入れたプラズマ駆動式基板処理システム300の一態様を示している。
図3Aのシステム300と比べて、
図6Aのシステム300Bは、電子ビーム源363および伝導性グリッド365の代わりに平面DCバイアス電子ビーム源601を含む。説明を容易にするために、DCバイアス電子ビーム源601は、以下で、平面電極601として言及される。一実施形態では、平面電極601は、基板処理領域302内で基板サポート303の上方に配された平面状の伝導性セグメント601として定められる。一実施形態では、平面電極601は、
図5A〜5Bに関連して上述された電極503と組み合わせてシステム300B内に取り入れられる。
【0086】
例えば、一実施形態では、平面電極601は、基板処理領域302に面するように、基板サポート303の方を向く方向でトップ板315の底面上に定められる。一実施形態では、平面電極601は、絶縁部材603によってトップ板315から電気的に絶縁される。また、この実施形態では、平面電極601および絶縁部材603は、ともに、プラズマ発生チャンバ355から基板処理領域302に入る反応成分の流れを妨害することがないように、それぞれ、トップ板315内に存在する複数の流体伝送経路316と位置を揃えて形成された複数の貫通孔を含むことが理解されるだろう。
【0087】
システム300Bでは、平面電極601は、電力供給部605に電気的に接続される。一実施形態では、電力供給部605は、基板処理領域302内のイオンを平面電極601に向かって引き付け、平面電極601から基板処理領域302内へ電子を遊離させるために、平面電極601に負の電圧を印加するように定められる。一実施形態では、電力供給部605は、平面電極601にパルス方式で電力を供給するように定められる。また、一実施形態では、電力供給部605は、平面電極601に正の電圧を供給し、そうして電子を引き付けるとともに正帯電イオンを反発させるように定められる。
【0088】
図6Bは、本発明の一実施形態にしたがった、平面電極601の拡大図を示している。一実施形態では、平面電極601は、基板処理領域302の方を向く方向に平面電極601の表面から出て行く電子束(J
e-)すなわち電子ビームを入射イオン束(J
ion)から発生させるDCバイアス表面を提供する。一実施形態では、平面電極601に入射するイオン束(J
ion)内のイオンは、Siイオンのように、不活性で、かつ不動態である。この実施形態では、平面電極601のDCバイアス表面は、ラジカル相互作用を通じて発生する不動態種を補うために用いることができる。一実施形態では、平面電極601は、DC電力、RF電力、またはそれらの組み合わせのいずれかによって通電することができる。また、一実施形態では、平面電極601に、低周波数RF電力が供給される。
【0089】
前述のように、プラズマ発生チャンバ355と基板処理領域302との間の流体伝送経路316の総流路面積は、極めて小さいことが可能である。例えば、流体伝送経路316は、圧力が高めのプラズマ発生チャンバ355と、圧力が低めの基板処理領域302との間に適切な圧力差を維持するために、小さい管径、または小径の少数の穴を含むことができる。したがって、十分な量の電子の発生を実現するためには、大きいガス密度、すなわち高いガス圧力がプラズマ発生チャンバ355内で必要とされるだろうゆえに、プラズマ発生チャンバ355から基板処理領域302に入るイオン束を高くするために流体伝送経路316の流路面積を単純に増加させることは、ふさわしくないだろう。
【0090】
流体伝送経路316に関連したイオン移送効率の幾何学形状的限界を克服するために、本発明の一実施形態は、流体伝送経路316を、補助イオン発生領域すなわちプラズマブースタとして用いる。
図7は、本発明の一実施形態にしたがった、流体伝送経路316を補助イオン発生領域として用いるプラズマ駆動式基板処理システム300の一態様を示している。
図7の実施形態では、
図3Aのシステム300におけるトップ板315が、活性化可能トップ板701で置き換えられている。トップ板315と同様に、活性化可能トップ板701は、プラズマ発生チャンバ355から基板処理領域302に到るように活性化可能トップ板701内に形成された複数の流体伝送経路316を含む。しかしながら、活性化可能トップ板701は、複数の流体伝送経路316のそれぞれに近接して配された複数の電力伝達コンポーネント702を含む。電力伝達コンポーネント702は、流体伝送経路316内で補助プラズマ704を発生させるために流体伝送経路316に電力を伝達するように定められる。流体伝送経路316は、プラズマ359および補助プラズマ704の両方の反応成分を基板処理領域302に供給するように定められる。
【0091】
システム100Cは、また、DC電力、RW電力、またはそれらの組み合わせを電力伝達コンポーネント702に供給するように定められた電力源703も含む。電力伝達コンポーネント702は、すると、流体伝送経路316内のプロセスガスを補助プラズマ704に変換するために、流体伝送経路316を通じて電力を伝送する働きをする。一実施形態では、システム300Cは、また、流体伝送経路316のそれぞれに二次プロセスガスの供給を提供するために流体伝送経路316のそれぞれと流体連通しているプロセスガス源709も含むことができる。電力伝達コンポーネント702から伝送される電力は、二次プロセスガスを補助プラズマ704に変換するために使用することができる。しかしながら、別の一実施形態では、システム300Cは、二次プロセスガス源709を用いなくてよい。この実施形態では、電力伝達コンポーネント702は、プラズマ発生チャンバ355から流体伝送経路316を通って流れるプロセスガスを補助プラズマ704に変換するように定められる。この実施形態では、流体伝送経路316は、プラズマ増幅領域として動作される。
【0092】
システム300Cにおいて、流体伝送経路316、電力伝達コンポーネント702、および電力源703は、流体伝送経路316内に様々なタイプの補助プラズマ704発生領域を形成するように様々に定めることができることが理解されるだろう。例えば、様々な実施形態において、流体伝送経路316、電力伝達コンポーネント702、および電力源703は、流体伝送経路316が流通中空陰極、流通容量結合領域、流通誘導結合領域、流通マグネトロン駆動領域、流通レーザ駆動領域、またはそれらの組み合わせとして動作するように定めることができる。言い換えると、様々な実施形態において、各流体伝送経路316は、中空陰極、容量結合源、(誘導コイルが流体伝送経路を包み込んでいる)誘導結合源のいずれかとして、またはマグネトロン効果を通じて、または集中レーザ光によって流体伝送経路内の点を照射することを通じてなどのように別の種類のイオン化手段を通じて動作させることができる。一実施形態では、流体伝送経路316は、大量のイオン化を発生させるのに十分な量の高エネルギ電子を実現するために、中空陰極媒体として、または流体伝送経路316への直接的な電子ビーム入射によって動作される。
【0093】
流体伝送経路316内における補助プラズマ704の発生は、補助プラズマ704から基板処理領域302内への妨げられない見通し伝送を提供し、そうして基板処理領域302に入るイオン束の制御増加を提供することが理解されるだろう。また、一実施形態では、電力伝達コンポーネント702は、電子ビームを発生させて流体伝送経路316内を通らせ、流体伝送経路316内で形成される補助プラズマ704内におけるイオンの発生を強化するように定められた電子ビーム源を含む。
【0094】
また、一実施形態では、システム300Cは、随意として、流体伝送経路316を通じてプラズマ発生チャンバ355から基板処理領域302内へ荷電種を向かわせるためにプラズマ発生チャンバ355内に配された電極711を含むことができる。また、電極711は、流体伝送経路316内の補助プラズマ704からの荷電種を基板処理領域302内へ向かわせる働きをすることもできる。電極711は、DC電力、RW電力、またはそれらの組み合わせの供給を受けるために電力源に接続することができることが理解されるだろう。また、電極711上の電荷の極性は、所定の方式で制御するおよび変化させることができる。例えば、一実施形態では、パルス方式で電極711に電力を供給することができる。
【0095】
また、一実施形態では、システム300Cは、
図5Aおよび
図5Bに関連して上述されたように、随意として、電極503とそれに対応する電力源505とを含むことができる。また、一実施形態では、システム300Cは、
図3A〜4Bに関連して上述されたように、随意として、電子ビーム源363と、伝導性グリッド365と、電力源387および389と、電子ビームガス供給部388とを含むことができる。そして、一実施形態では、システム300Cは、
図6Aおよび
図6Bに関連して上述されたように、平面電極601と絶縁部材603とを含むことができる。この実施形態では、平面電極601は、流体伝送経路316から基板処理領域302内へ荷電種を引き付けるために基板処理領域302内に配された抽出グリッドとして動作させることができる。平面電極601に供給される電荷の極性に応じて、流体伝送経路316から基板処理領域302内へ引き付けられる荷電種は、電子または正帯電イオンのいずれかを含むことができる。電極711と同様に、電極503および平面電極601のそれぞれは、DC電力、RF電力、またはそれらの組み合わせの供給を受けることができることが理解されるだろう。また、電極711と同様に、電極503および平面電極601のそれぞれは、例えば連続通電方式またはパルス方式などの独立制御方式で動作させることができる。
【0096】
一実施形態では、基板処理領域302内におけるイオン束対ラジカル束の制御に影響を及ぼすための電子ビーム源として、プラズマ発生チャンバ355内の遠隔プラズマ359源を使用することができる。もし、プラズマ発生チャンバ355内の遠隔プラズマ359源が、基板処理領域302に相対的に実質的に負の電位で動作されるならば、電子は、プラズマ発生チャンバ355の負電位から流体伝送経路316を通って基板処理領域302の正電位に到るように加速させることができる。エネルギ電子は、流体伝送経路316を通って基板処理領域302内へ移動するのに伴って、単純な解離プロセスが好まれないエネルギレジームにおいてイオン化を生じさせる。また、二次電子発生係数は、非常に高いことがあり、多くの場合、電子相互作用プロセスに関連したイオン発生係数よりも高いことがあるゆえに、もし、エネルギ電子が、流体伝送経路316を通って移動するのに伴って散乱するならば、それらのエネルギ電子は、さらなる二次電子を発生させることができる。
【0097】
プラズマ発生チャンバ355から基板処理領域302内への電子ビーム抽出には、様々な種類の遠隔プラズマ359源を使用することができることが理解されるだろう。例えば、幾つかの実施形態は、プラズマ発生領域355を、DCバイアスと組み合わせた容量結合プラズマ359源発生領域、誘導結合プラズマ359源発生領域、またはマイクロ波プラズマ359源発生領域として動作させることができる。また、もし、プラズマ発生チャンバ355と基板処理領域302との間の電位差が、プラズマ発生チャンバ355から基板処理領域302内への電子ビーム抽出に適切でないならば、プラズマ発生チャンバ355から例えば流体伝送経路316内の二次プラズマ源領域内へ電子を抽出するために、電子抽出グリッドを使用することができる。このような二次プラズマ源領域内では、抽出された電子から、より多くのイオンを発生させることができる
【0098】
以上を鑑みると、基板処理領域302内への電子ビーム入射の空間的および/または時間的な多重化は、基板処理領域302内におけるラジカル束に対するイオン束の調整を促すことがわかるだろう。また、主としてラジカル成分であるプラズマ源と組み合わせた電子ビーム励起プラズマ源の使用は、その他のどの手段によっても実現することができない動的範囲のイオン束対ラジカル束比制御を提供することができることがわかるだろう。
【0099】
図8は、本発明の一実施形態にしたがった、半導体基板を処理するための方法800のフローチャートを示している。一実施形態では、
図8の方法を実施するために、
図3A〜4Bのプラズマ駆動式基板処理システム300を使用することができる。方法800は、処理領域に曝されるように基板を基板サポート上に置くための動作801を含む。方法800は、また、処理領域から切り離されたプラズマ発生領域内でプラズマを発生させるための動作803も含む。方法800は、また、プラズマの反応成分をプラズマ発生領域から処理領域に供給するための動作805も含む。方法800は、さらに、処理領域内へ基板よりも上で電子を入射させ、そうして、入射された電子が処理領域内におけるイオン密度を変更して基板の処理に影響を及ぼすようにするための、動作807も含む。
【0100】
方法800の一実施形態では、処理領域内へ基板を入射させることは、基板の上面に実質的に平行な軌道に沿って電子ビームを伝送することを含む。この実施形態の一例では、電子ビームの軌道は、基板サポートの周縁の外側で、かつ基板サポートの上方にある第1の場所から基板サポートの周縁の外側で、かつ基板サポートの上方にある第2の場所に直線状に伸びる。この実施形態の別の一例では、方法800は、電子ビームの軌道が、操舵電場による制御を受けて非直線状に処理領域内を通って伸びるように、処理領域内に操舵電場を形成することを含むことができる。また、一実施形態では、方法800は、第2の場所すなわち電子ビーム終結場所にある伝導性グリッドが、軌道に沿って伝送される電子ビームのための電気的シンクとして機能するように、その伝導性グリッドに正電荷を印加するための動作も含む。方法800の様々な実施形態において、電子は、パルス方式または連続方式で処理領域内へ入射させることができる。
【0101】
一実施形態では、処理領域内へ電子を入射させるための動作807は、空間的に分離された複数の電子ビームを、それらが処理チャンバ内を通って基板の上面の上方を横断するように伝送することを含む。この実施形態の一例では、空間的に分離された複数の電子ビームのそれぞれは、それらが実質的に平行な形で基板の上面の上方を横断するように、一共通方向に伝送される。この実施形態の別の一例では、空間的に分離された複数の電子ビームは、基板の上面に実質的に平行に基板の上面の上方を複数の異なる方向に横断するように伝送される。また、一実施形態では、空間的に分離された複数の電子ビームは、基板に曝されている処理領域の全体にわたり、時間平均された実質的に一様な形で電子が入射されるように、それぞれが異なる時間に伝送される。方法800は、また、入射された電子が基板に向かう結果として発生するイオンを引き付けるために、基板サポートから処理領域全体にバイアス電圧を印加するための動作も含むことができる。
【0102】
図9は、本発明の一実施形態にしたがった、半導体基板を処理するための方法900のフローチャートを示している。一実施形態では、
図9の方法を実施するために、
図5A〜6Bのプラズマ駆動式基板処理システム300A、300B、またはそれらの組み合わせを使用することができる。方法900は、処理領域に曝されるように基板を基板サポート上に置くための動作901を含む。方法900は、また、処理領域から切り離されたプラズマ発生領域内でプラズマを発生させるための動作903も含む。方法900は、また、プラズマの反応成分をプラズマ発生領域から処理領域に供給するための動作905も含む。方法900は、さらに、基板サポートから切り離して処理領域内に配された1つ以上の電極に電力を供給し、そうして、1つ以上の電極に供給された電力が1つ以上の電極から処理領域内へ電子を入射させ、処理領域内におけるイオン密度を変更して基板の処理に影響を及ぼすようにするするための、動作907も含む。
【0103】
一実施形態では、1つ以上の電極は、
図5Aの電極503のように、処理領域に曝されるように基板サポートの周縁の外側に、かつ基板サポートの上方に配された伝導性バンドを含む。一実施形態では、伝導性バンドは、基板サポートの周縁の周りを囲む連続構造として形成される。また、一実施形態では、1つ以上の電極は、
図6Aの平面電極601のように、処理領域に曝されるように基板サポートの上方に、かつ基板サポートを覆うように配された平面状の伝導性セグメントを含む。また、一実施形態では、1つ以上の電極は、処理領域に曝されるように基板サポートの周縁の外側に、かつ基板サポートの上方に配された伝導性バンド、および処理領域に曝されるように基板サポートの上方に、かつ基板サポートを覆うように配された平面状の伝導性セグメントの両方を含む。
【0104】
一実施形態では、動作907において1つ以上の電極に電力を供給することは、直流電力、無線周波数電力、または直流電力と無線周波数電力との組み合わせを1つ以上の電極に供給することを含む。また、一実施形態では、電力は、パルス方式で1つ以上の電極に供給される。一実施形態では、電力は、連続方式で1つ以上の電極に供給される。また、一実施形態では、動作907において1つ以上の電極に電力を供給することは、1つ以上の電極上の電荷の極性を交替させることを含む。また、一実施形態では、方法は、入射された電子が基板に向かう結果として発生するイオンを引き付けるために、基板サポートから処理領域全体にバイアス電圧を印加するための動作も含むことができる。
【0105】
図10は、本発明の一実施形態にしたがった、半導体基板を処理するための方法1000のフローチャートを示している。一実施形態では、
図10の方法を実施するために、プラズマ駆動式基板処理システム300Cを使用することができる。一実施形態では、プラズマ駆動式基板処理システム300Cは、
図10の方法を実施するために、プラズマ駆動式基板処理システム300、300A、および300Bの1つ以上の、コンポーネントと組み合わせることができる。方法1000は、処理領域に曝されるように基板を基板サポート上に置くための動作1001を含む。方法1000は、また、処理領域から切り離されたプラズマ発生領域内でプラズマを発生させるための動作1003も含む。方法1000は、また、プラズマの反応成分を複数の流体伝送経路を通じてプラズマ発生領域から処理領域内へ供給し、そうして、プラズマの反応成分が基板の処理に影響を及ぼすようにするための、動作1005も含む。方法1000は、さらに、複数の流体伝送経路内で補助プラズマを発生させるための動作1007も含む。方法1000は、さらに、補助プラズマの反応成分を複数の流体伝送経路から処理領域内へ供給し、そうして、補助プラズマの反応成分が基板の処理に影響を及ぼすようにするための、動作1009も含む。
【0106】
一実施形態では、動作1007において補助プラズマを発生させることは、複数の流体伝送経路を、流通中空陰極、流通容量結合領域、流通誘導結合領域、流通マグネトロン駆動領域、流通レーザ駆動領域、またはそれらの組み合わせのいずれかとして動作させることを含む。また、一実施形態では、動作1007において複数の流体伝送経路内で補助プラズマを発生させることは、複数の流体伝送経路に直流電力、無線周波数電力、または直流電力と無線周波数電力との組み合わせを伝送することを含む。一実施形態では、電力は、複数の流体伝送経路にパルス方式で伝送される。別の一実施形態では、電力は、複数の流体伝送経路に連続方式で伝送される。また、一実施形態では、動作1007において複数の流体伝送経路内で補助プラズマを発生させることは、複数の流体伝送経路のそれぞれの内部にプロセスガスを供給することを含む。
【0107】
一実施形態では、動作1005においてプラズマの反応成分を複数の流体伝送経路を通じてプラズマ発生領域から処理領域内へ供給することは、複数の流体伝送経路を通じてプラズマ発生領域から処理領域内へ荷電種を向かわせるためにプラズマ発生領域内に配された電極を動作させることを含む。また、一実施形態では、動作1009において補助プラズマの反応成分を複数の流体伝送経路から処理領域内へ供給することは、複数の流体伝送経路から処理領域内へ荷電種を引き付けるために処理チャンバ内に配された抽出グリッドを動作させることを含む。
【0108】
一実施形態では、方法1000は、さらに、処理領域内へ基板よりも上で電子を入射させ、そうして、入射された電子が処理領域内におけるイオン密度を変更して基板の処理に影響を及ぼすようにするための、動作も含む。また、一実施形態では、方法1000は、基板サポートから切り離して処理領域内に配された1つ以上の電極に電力を供給し、そうして、1つ以上の電極に供給された電力が1つ以上の電極から処理領域内へ電子を入射させ、処理領域内におけるイオン密度を変更して基板の処理に影響を及ぼすようにするための、動作も含む。
【0109】
この発明は、幾つかの実施形態の観点から説明されてきたが、当業者ならば、先の明細書を読むことによっておよび図面を吟味することによって、様々な代替、追加、置換、および均等物を認識するだろうことがわかるだろう。本発明は、このようなあらゆる代替、追加、置換、および均等物を、発明の真の趣旨および範囲に含まれるものとして含んでいる。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
半導体基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内で基板を支えるように定められた基板サポートと、
前記処理チャンバから切り離して定められたプラズマチャンバであって、プラズマを発生させるように定められたプラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバを前記処理チャンバに流体接続する複数の流体伝送経路であって、前記プラズマの反応成分を前記プラズマチャンバから前記処理チャンバに供給するように定められた複数の流体伝送経路と、
電子ビームを発生させ、前記処理チャンバ内を通って前記基板サポートの上方を横断するように電子ビームを伝送するように定められた電子ビーム源と、
を備える半導体基板処理システム。
適用例2:
適用例1の半導体基板処理システムであって、
前記電子ビーム源は、前記基板を支えるように定められた前記基板サポートの表面に実質的に平行な軌道に沿って前記電子ビームを伝送するように定められる、半導体基板処理システム。
適用例3:
適用例1の半導体基板処理システムであって、
前記電子ビーム源は、前記処理チャンバ内を通って前記基板サポートの上方を一共通方向に横断するように、空間的に分離された複数の電子ビームを伝送するように定められる、半導体基板処理システム。
適用例4:
適用例1の半導体基板処理システムであって、
前記電子ビーム源は、前記処理チャンバ内を通って前記基板サポートの上方をそれぞれの複数の方向に横断するように、空間的に分離された複数の電子ビームを伝送するように定められる、半導体基板処理システム。
適用例5:
適用例4の半導体基板処理システムであって、
前記電子ビーム源は、前記空間的に分離された複数の電子ビームを順次伝送するように定められる、半導体基板処理システム。
適用例6:
適用例1の半導体基板処理システムであって、さらに、
前記基板サポートの周縁の外側に、かつ前記基板サポートの上方に位置決めされた複数の伝導性グリッドであって、制御された電圧レベルが前記複数の伝導性グリッドのそれぞれに独立制御方式で印加されるように電力供給部に電気的に接続された複数の伝導性グリッドを備える半導体基板処理システム。
適用例7:
適用例6の半導体基板処理システムであって、
前記電子ビーム源は、前記基板サポートの周縁の外側に、かつ前記基板サポートの上方に位置決めされた中空陰極として定められ、前記中空陰極は、前記基板サポートよりも上の前記処理チャンバの一領域の方を向くように方向付けられ、
前記複数の伝導性グリッドのうちの所定の1つは、前記中空陰極からの電子の抽出を促すために、前記中空陰極の出口と、前記基板サポートよりも上の前記処理チャンバの前記領域との間に配される、半導体基板処理システム。
適用例8:
適用例7の半導体基板処理システムであって、
前記複数の伝導性グリッドのうちの別の1つは、前記中空陰極によって伝送される前記電子ビームのための電気的シンクを提供するために、前記基板サポートを挟んで前記中空陰極の前記出口とは反対側に配される、半導体基板処理システム。
適用例9:
適用例7の半導体基板処理システムであって、さらに、
前記複数の伝導性グリッドの温度を制御するために前記複数の伝導性グリッドに接続されたヒータを備える半導体基板処理システム。
適用例10:
適用例7の半導体基板処理システムであって、さらに、
前記中空陰極の内部領域と流体連通しているガス供給部であって、前記中空陰極の前記内部領域にプロセスガスを供給するように定められたガス供給部と、
前記中空陰極の前記内部領域内の1つ以上の電力伝達コンポーネントと電気的に連通している電力供給部であって、前記中空陰極の前記内部領域内で前記プロセスガスをプラズマに変換するために、直流電力、無線周波数電力、または直流電力と無線周波数電力との組み合わせを前記中空陰極の前記内部領域内の前記1つ以上の電力伝達コンポーネントに供給するように定められた電力供給部と、
を備える半導体基板処理システム。
適用例11:
半導体基板を処理するための方法であって、
処理領域に曝されるように基板を基板サポート上に置くことと、
前記処理領域から切り離されたプラズマ発生領域内でプラズマを発生させることと、
前記プラズマの反応成分を前記プラズマ発生領域から前記処理領域に供給することと、
前記処理領域内へ前記基板よりも上で電子を入射させ、そうして、前記入射された電子が前記処理領域内におけるイオン密度を変更して前記基板の処理に影響を及ぼすようにすることと、
を備える方法。
適用例12:
適用例11の半導体基板を処理するための方法であって、
前記処理領域内へ電子を入射させることは、前記基板の上面に実質的に平行な軌道に沿って電子ビームを伝送することを含む、方法。
適用例13:
適用例12の半導体基板を処理するための方法であって、
前記電子ビームの軌道は、前記基板サポートの周縁の外側で、かつ前記基板サポートの上方にある第1の場所から前記基板サポートの周縁の外側で、かつ前記基板サポートの上方にある第2の場所に直線状に伸びる、方法。
適用例14:
適用例13の半導体基板を処理するための方法であって、さらに、
前記第2の場所にある伝導性グリッドが、前記軌道に沿って伝送される前記電子ビームのための電気的シンクとして機能するように、前記伝導性グリッドに正電荷を印加することを備える方法。
適用例15:
適用例11の半導体基板を処理するための方法であって、
前記電子は、パルス方式で前記処理領域内へ入射される、方法。
適用例16:
適用例11の半導体基板を処理するための方法であって、
前記処理領域内へ電子を入射させることは、処理チャンバ内を通って前記基板の上面の上方を横断するように、空間的に分離された複数の電子ビームを伝送することを含む、方法。
適用例17:
適用例16の半導体基板を処理するための方法であって、
前記空間的に分離された複数の電子ビームのそれぞれは、前記空間的に分離された複数の電子ビームが実質的に平行な形で前記基板の上面の上方を横断するように一共通方向に伝送される、方法。
適用例18:
適用例16の半導体基板を処理するための方法であって、
前記空間的に分離された複数の電子ビームの異なる電子ビームは、前記基板に曝されている前記処理領域の全体にわたり、時間平均された実質的に一様な形で電子が入射されるように、それぞれが異なる時点で伝送される、方法。
適用例19:
適用例16の半導体基板を処理するための方法であって、
前記空間的に分離された複数の電子ビームは、前記基板の上面に実質的に平行に前記基板の上面の上方を複数の異なる方向に横断するように伝送される、方法。
適用例20:
適用例11の半導体基板を処理するための方法であって、
前記空間的に分離された複数の電子ビームの異なる電子ビームは、前記基板に曝されている前記処理領域の全体にわたり、時間平均された実質的に一様な形で電子が入射されるように、それぞれが異なる時点で伝送される、方法。
適用例21:
半導体基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内で基板を支えるように定められた基板サポートと、
前記処理チャンバから切り離して定められたプラズマチャンバであって、プラズマを発生させるように定められたプラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバを前記処理チャンバに流体接続する複数の流体伝送経路であって、前記プラズマの反応成分を前記プラズマチャンバから前記処理チャンバに供給するように定められた複数の流体伝送経路と、
前記基板サポートから切り離して前記処理チャンバ内に配された電極と、
前記電極に電気的に接続された電力供給部であって、前記電極から前記処理チャンバ内へ電子を遊離させるために前記電極に電力を供給するように定められた電力供給部と、
を備える半導体基板処理システム。
適用例22:
適用例21の半導体基板処理システムであって、
前記電極は、前記処理チャンバ内で前記基板サポートの周縁の外側に、かつ前記基板サポートの上方に配された伝導性バンドとして定められる、半導体基板処理システム。
適用例23:
適用例22の半導体基板処理システムであって、
前記伝導性バンドは、前記基板サポートの周縁の周りを囲む連続構造として形成される、半導体基板処理システム。
適用例24:
適用例23の半導体基板処理システムであって、さらに、
前記電極を前記処理チャンバの周囲構造から電気的に絶縁するために前記電極の周囲に形成されて配された絶縁部材を備える半導体基板処理システム。
適用例25:
適用例21の半導体基板処理システムであって、
前記電極は、前記処理チャンバ内で前記基板サポートの上方に、かつ前記基板サポートを覆うように配された平面状の伝導性セグメントとして定められる、半導体基板処理システム。
適用例26:
適用例25の半導体基板処理システムであって、さらに、
前記プラズマチャンバを前記処理チャンバから切り離すために前記基板サポートの上方に配されたトップ板アセンブリであって、前記複数の流体伝送経路は、前記トップ板アセンブリ内に定められ、前記平面状の伝導性セグメントは、前記基板サポートの方を向く向きで前記トップ板アセンブリの底面上に定められる、トップ板アセンブリを備える半導体基板処理システム。
適用例27:
適用例26の半導体基板処理システムであって、さらに、
前記平面状の伝導性セグメントを前記トップ板アセンブリおよび前記処理チャンバの周囲構造から電気的に絶縁するために前記平面状の伝導性セグメントと前記トップ板アセンブリとの間に形成され配された絶縁部材を備える半導体基板処理システム。
適用例28:
適用例21の半導体基板処理システムであって、
前記電力供給部は、直流電力、無線周波数電力、または直流電力と無線周波数電力との組み合わせを前記電極に供給するように定められる、半導体基板処理システム。
適用例29:
適用例21の半導体基板処理システムであって、
前記電力供給部は、パルス方式または連続方式のいずれかで前記電極に電力を供給するように定められる、半導体基板処理システム。
適用例30:
適用例21の半導体基板処理システムであって、
前記電極は、前記処理チャンバ内で前記基板サポートの周縁の外側に、かつ前記基板サポートの上方に配された伝導性バンド、および前記処理チャンバ内で前記基板サポートの上方に、かつ前記基板サポートを覆うように配された平面状の伝導性セグメントの両方を含む、半導体基板処理システム。
適用例31:
半導体基板を処理するための方法であって、
処理領域に曝されるように基板を基板サポート上に置くことと、
前記処理領域から切り離されたプラズマ発生領域内でプラズマを発生させることと、
前記プラズマの反応成分を前記プラズマ発生領域から前記処理領域に供給することと、
前記基板サポートから切り離して前記処理領域内に配された1つ以上の電極に電力を供給し、そうして、前記1つ以上の電極に供給された電力が前記1つ以上の電極から前記処理領域内へ電子を入射させ、前記処理領域内におけるイオン密度を変更して前記基板の処理に影響を及ぼすようにすることと、
を備える方法。
適用例32:
適用例31の半導体基板を処理するための方法であって、
前記1つ以上の電極は、前記処理領域に曝されるように前記基板サポートの周縁の外側に、かつ前記基板サポートの上方に配された伝導性バンドを含む、方法。
適用例33:
適用例32の半導体基板を処理するための方法であって、
前記伝導性バンドは、前記基板サポートの周縁の周りを囲む連続構造として形成される、方法。
適用例34:
適用例31の半導体基板を処理するための方法であって、
前記1つ以上の電極は、前記処理領域に曝されるように前記基板サポートの上方に、かつ前記基板サポートを覆うように配された平面状の伝導性セグメントを含む、方法。
適用例35:
適用例31の半導体基板を処理するための方法であって、
前記1つ以上の電極は、前記処理領域に曝されるように前記基板サポートの周縁の外側に、かつ前記基板サポートの上方に配された伝導性バンド、および前記処理領域に曝されるように前記基板サポートの上方に、かつ前記基板サポートを覆うように配された平面状の伝導性セグメントの両方を含む、方法。
適用例36:
適用例31の半導体基板を処理するための方法であって、
前記1つ以上の電極に電力を供給することは、直流電力、無線周波数電力、または直流電力と無線周波数電力との組み合わせを前記1つ以上の電極に供給することを含む、方法。
適用例37:
適用例31の半導体基板を処理するための方法であって、
前記電力は、パルス方式で1つ以上の電極に供給される、方法。
適用例38:
適用例31の半導体基板を処理するための方法であって、
前記電力は、連続方式で1つ以上の電極に供給される、方法。
適用例39:
適用例31の半導体基板を処理するための方法であって、
前記1つ以上の電極に電力を供給することは、前記1つ以上の電極上の電荷の極性を交替させることを含む、方法。
適用例40:
適用例31の半導体基板を処理するための方法であって、さらに、
前記入射された電子が前記基板に向かう結果として発生するイオンを引き付けるために、前記基板サポートから前記処理領域全体にバイアス電圧を印加することを備える方法。
適用例41:
半導体基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内で基板を支えるように定められた基板サポートと、
前記処理チャンバから切り離して定められたプラズマチャンバであって、プラズマを発生させるように定められたプラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバを前記処理チャンバに流体接続する複数の流体伝送経路であって、前記プラズマの反応成分を前記プラズマチャンバから前記処理チャンバに供給するように定められた複数の流体伝送経路と、
前記複数の流体伝送経路内で補助プラズマを発生させるために前記複数の流体伝送経路に電力を伝達するように定められた複数の電力伝達コンポーネントであって、前記複数の流体伝送経路は、前記補助プラズマの反応成分を前記処理チャンバに供給するように定められる、複数の電力伝達コンポーネントと、
を備える半導体基板処理システム。
適用例42:
適用例41の半導体基板処理システムであって、
前記複数の電力伝達コンポーネントは、前記複数の流体伝送経路のそれぞれの内部に曝されるように配された1つ以上の電極を含む、半導体基板処理システム。
適用例43:
適用例41の半導体基板処理システムであって、
前記複数の電力伝達コンポーネントは、前記複数の流体伝送経路のそれぞれの内部に電流を誘導するように配された1つ以上のコイルを含む、半導体基板処理システム。
適用例44:
適用例41の半導体基板処理システムであって、
前記複数の電力伝達コンポーネントは、前記複数の流体伝送経路のそれぞれの内部にレーザエネルギを向かわせるように配された1つ以上のレーザを含む、半導体基板処理システム。
適用例45:
適用例41の半導体基板処理システムであって、
前記複数の電力伝達コンポーネントは、電子ビームを発生させ、前記電子ビームを前記複数の流体伝送経路を通って伝送するように定められた電子ビーム源を含む、半導体基板処理システム。
適用例46:
適用例41の半導体基板処理システムであって、さらに、
前記複数の電力伝達コンポーネントのそれぞれに電気的に接続された電力供給部であって、直流電力、無線周波数電力、または直流電力と無線周波数電力との組み合わせを前記複数の電力伝達コンポーネントのそれぞれに供給するように定められた電力供給部を備える半導体基板処理システム。
適用例47:
適用例41の半導体基板処理システムであって、
前記複数の流体伝送経路は、流通中空陰極、流通容量結合領域、流通誘導結合領域、流通マグネトロン駆動領域、流通レーザ駆動領域、またはそれらの組み合わせとして定められる、半導体基板処理システム。
適用例48:
適用例41の半導体基板処理システムであって、さらに、
前記複数の流体伝送経路のそれぞれの内部と流体連通するように接続されたプロセスガス供給部であって、前記補助プラズマの発生のために前記複数の流体伝送経路のそれぞれの内部にプロセスガスを供給するように定められたプロセスガス供給部を備える半導体基板処理システム。
適用例49:
適用例41の半導体基板処理システムであって、さらに、
前記複数の流体伝送経路を通じて前記プラズマチャンバから前記処理チャンバに荷電種を向かわせるために前記プラズマチャンバ内に配された電極を備える半導体基板処理システム。
適用例50:
適用例41の半導体基板処理システムであって、さらに、
前記流体伝送経路から前記処理チャンバ内へ荷電種を引き付けるために前記処理チャンバ内に配された抽出グリッドを備える半導体基板処理システム。
適用例51:
半導体基板を処理するための方法であって、
処理領域に曝されるように基板を基板サポート上に置くことと、
前記処理領域から切り離されたプラズマ発生領域内でプラズマを発生させることと、
複数の流体伝送経路を通じて前記プラズマの反応成分を前記プラズマ発生領域から前記処理領域内へ供給し、そうして、前記プラズマの反応成分が前記基板の処理に影響を及ぼすようにすることと、
前記複数の流体伝送経路内で補助プラズマを発生させることと、
前記補助プラズマの反応成分を前記複数の流体伝送経路から前記処理領域内へ供給し、そうして、前記補助プラズマの反応成分が前記基板の処理に影響を及ぼすようにすることと、
を備える方法。
適用例52:
適用例51の半導体基板を処理するための方法であって、
前記補助プラズマを発生させることは、前記複数の流体伝送経路を、流通中空陰極、流通容量結合領域、流通誘導結合領域、流通マグネトロン駆動領域、流通レーザ駆動領域、またはそれらの組み合わせのいずれかとして動作させることを含む、方法。
適用例53:
適用例51の半導体基板を処理するための方法であって、
前記補助プラズマの反応成分を前記複数の流体伝送経路から前記処理領域内へ供給することは、前記複数の流体伝送経路から前記処理領域内へ荷電種を引き付けるために前記処理チャンバ内に配された抽出グリッドを動作させることを含む、方法。
適用例54:
適用例51の半導体基板を処理するための方法であって、
前記プラズマの反応成分を前記複数の流体伝送経路を通じて前記プラズマ発生領域から前記処理領域内へ供給することは、前記複数の流体伝送経路を通じて前記プラズマ発生領域から前記処理領域内へ荷電種を向かわせるために前記プラズマ発生領域内に配された電極を動作させることを含む、方法。
適用例55:
適用例51の半導体基板を処理するための方法であって、
前記複数の流体伝送経路内で補助プラズマを発生させることは、前記複数の流体伝送経路に直流電力、無線周波数電力、または直流電力と無線周波数電力との組み合わせを伝送することを含む、方法。
適用例56:
適用例55の半導体基板を処理するための方法であって、
前記電力は、前記複数の流体伝送経路にパルス方式で伝送される、方法。
適用例57:
適用例55の半導体基板を処理するための方法であって、
前記電力は、前記複数の流体伝送経路に連続方式で伝送される、方法。
適用例58:
適用例51の半導体基板を処理するための方法であって、
前記複数の流体伝送経路内で補助プラズマを発生させることは、前記複数の流体伝送経路のそれぞれの内部にプロセスガスを供給することを含む、方法。
適用例59:
適用例51の半導体基板を処理するための方法であって、さらに、
前記処理領域内へ前記基板よりも上で電子を入射させ、そうして、前記入射された電子が前記処理領域内におけるイオン密度を変更して前記基板の処理に影響を及ぼすようにすることを備える方法。
適用例60:
適用例51の半導体基板を処理するための方法であって、さらに、
前記基板サポートから切り離して前記処理領域内に配された1つ以上の電極に電力を供給し、そうして、前記1つ以上の電極に供給された電力が前記1つ以上の電極から前記処理領域内へ電子を入射させ、前記処理領域内におけるイオン密度を変更して前記基板の処理に影響を及ぼすようにすることを備える方法。