(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内視鏡の手元操作部に設けられ、一端が開放されているピストン通路、前記ピストン通路の他端に形成され吸引管路と通じる吸引接続口、前記ピストン通路の内周面に形成され吸引源管路と通じる吸引源接続口を有するシリンダと、
前記シリンダに挿入され一端が前記ピストン通路から突出しており、押圧操作により第1位置から第2位置へと変位するピストンと、
前記ピストンの外周面に形成され、前記ピストンが前記第2位置の際に前記吸引源接続口と連通し、前記第1位置の際に前記ピストン通路の内周面で塞がれる外周面開口、前記ピストンの他端に形成され前記吸引接続口と連通する他端開口を有し、前記外周面開口及び他端端開口を連通させる第1連通路と、
前記ピストンの外周面に形成され、前記ピストンが前記第1位置の際に前記吸引源接続口と連通し、前記第2位置の際に前記ピストン通路の内周面で塞がれる周溝、前記ピストンの外周面に前記周溝から前記ピストンの一端まで形成される切欠き通路を有し、前記周溝及び前記切欠き通路を介して前記吸引源接続口を外部大気に連通させる第2連通路と、
前記ピストン通路内で前記ピストンの回転を規制する回転規制部と、
を備え、
前記ピストンの外周面には、前記周溝よりも他端側で前記周溝に連続し、前記第1位置で前記吸引源接続口と連通し、前記第2位置で前記ピストン通路の内周面と対向する傾斜切欠きが形成されており、
前記ピストン一端への押圧操作により、前記第1位置から前記第2位置に前記ピストンが変位する際に、前記ピストンの押圧ストロークの増加量に対して、前記吸引源接続口と前記外周面開口とが重なる連通開口幅の増加量を3倍以下とする内視鏡用吸引管路切換装置。
前記ピストン一端への押圧操作により、前記第1位置から前記第2位置に前記ピストンが変位する際に、前記ピストンの押圧ストロークの増加量に対して、前記連通開口幅の増加量を1.0倍以上2.5倍以下とする請求項1記載の内視鏡用吸引管路切換装置。
前記吸引源接続口及び前記外周面開口の少なくとも一方に、他端側から一端側に向けて徐々に開口幅が増加する補正開口部が形成されている請求項1または2記載の内視鏡用吸引管路切換装置。
前記吸引源接続口及び前記外周面開口の一方は矩形状に形成され、他方は、前記ピストンの押圧に応じて前記一方に連通し始める部分にV字状の前記補正開口部が形成されている請求項3記載の内視鏡用吸引管路切換装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すように、内視鏡システム2は、電子内視鏡10、プロセッサ装置11、光源装置12、送気送水装置13、及び吸引装置14を備えている。送気送水装置13は、光源装置12に内蔵され、気体の送気を行う周知の送気装置(ポンプなど)13aと、光源装置12の外部に設けられ、洗浄水を貯留する洗浄水タンク13bとを有する。電子内視鏡10は、体内に挿入される可撓性の挿入部16と、挿入部16の基端部分に連設された手元操作部17と、プロセッサ装置11や光源装置12に接続されるユニバーサルコード18とを有する。
【0019】
挿入部16は、先端から順に、先端部16a、湾曲部16b、可撓管部16cを有する。先端部16aには、患者の体内撮影用のカメラユニット43(
図2参照)が内蔵されている。湾曲部16bは、先端部16aの基端に連設され、湾曲自在に構成されている。可撓管部16cは、湾曲部16bの基端に連設され、可撓性を有する。
【0020】
ユニバーサルコード18の先端には、コネクタ19が取り付けられている。コネクタ19は複合タイプのコネクタであり、プロセッサ装置11、光源装置12、及び送気送水装置13がそれぞれ接続されている。コネクタ19には、連結チューブ20を介して吸引装置14が接続されている。
【0021】
プロセッサ装置11は、光源装置12と電気的に接続され、内視鏡システム2の動作を統括的に制御する。プロセッサ装置11は、ユニバーサルコード18や挿入部16内に挿通された伝送ケーブルを介して電子内視鏡10に給電を行い、カメラユニット43の駆動を制御する。また、プロセッサ装置11は、伝送ケーブルを介してカメラユニット43から出力された撮像信号を取得し、各種画像処理を施して画像データを生成する。プロセッサ装置11で生成された画像データは、プロセッサ装置11にケーブル接続されたモニタ21に観察画像として表示される。
【0022】
手元操作部17には、処置具入口22と、送気送水ボタン23と、内視鏡用吸引管路切換装置としての吸引ボタン24と、湾曲操作ノブ25などが設けられている。湾曲操作ノブ25が操作されると、挿入部16内に挿設されたワイヤが押し引きされることにより、湾曲部16bが上下左右方向に湾曲動作する。これにより、先端部16aが患者の体内の所望の方向に向けられる。
【0023】
図2に示すように、挿入部16及び手元操作部17の内部には、送気送水チャンネル26及び処置具挿通チャンネル27が配されている。送気送水チャンネル26は、一端が先端部16aに設けられた送気送水ノズル28に連通している。送気送水チャンネル26の他端は、送気管路26aと送水管路26bとに分岐している。送気管路26aと送水管路26bは、手元操作部17に設けられた送気送水ボタン23に接続している。
【0024】
送気送水ボタン23には、送気管路26a、送水管路26bの他に、送気装置13aに通じる送気源管路29の一端と、洗浄水タンク13bに通じる送水源管路30の一端とが接続されている。送気装置13aは、電子内視鏡10による検査の際に気体(空気や炭酸ガス)を供給する。
【0025】
送気送水ボタン23によって送気操作を行うと、送気装置13aが発生する気体が送気送水ノズル28に送られる。送水操作を行うと、送気装置13aが発生する気体の圧力によって洗浄水タンク13bから洗浄水が送気送水ノズル28に送られる。送気送水ノズル28は、送気送水チャンネル26を介して供給された気体、洗浄水を選択的に噴射して観察窓37を洗浄する。
【0026】
処置具挿通チャンネル27は、一端が処置具出口(吸引口)31に連通し、他端が処置具入口22に連通している。処置具入口22は、注射針や高周波メスなどが先端に配された各種処置具が挿入され、処置具を挿入しない際は栓(図示せず)により塞がれている。また、処置具挿通チャンネル27からは、吸引管路32が分岐しており、この吸引管路32は、吸引ボタン24に接続している。
【0027】
吸引ボタン24には、吸引管路32を有する吸引チューブ38の他に、吸引源管路33を有する吸引源チューブ39(
図5参照)が接続されている。吸引装置14は、吸引源としての吸引ポンプなどを備え、電子内視鏡10による検査の際には常時作動する。吸引ボタン24によって吸引操作を行うと、吸引装置14が発生する負圧により吸引が行われ、遮断操作を行うと負圧が遮断されて吸引が停止する。
【0028】
吸引ボタン24は、操作キャップ41を備え、この操作キャップ41が操作されていない状態では、吸引源チューブ39内の吸引源管路33を外部大気に連通させる。これは吸引装置14が常時作動しているので、吸引源管路33が外部大気と連通しないと、吸引装置14に掛かる負荷が増加するためである。
【0029】
そして、吸引ボタン24は、操作キャップ41が全押し操作された際に、吸引チューブ38内の吸引管路32に、吸引源管路33を連通させる。これにより、吸引管路32及び処置具挿通チャンネル27の負圧吸引力が上昇して、処置具出口31から各種吸引物が吸引される。
【0030】
図3及び
図4に示すように、吸引ボタン24は、シリンダユニット51とピストンユニット52とを備え、ピストンユニット52は、シリンダユニット51に着脱自在に取り付けられる。なお、以下の説明では、
図3及び
図4において、各部品の上方側の端及び端部をそれぞれ「一端」、「一端部」といい、下方側の端または端部をそれぞれ「他端」、「他端部」という。
【0031】
シリンダユニット51は、シリンダ53と、キャップ取付リング54とを有する。シリンダ53は、例えば金属製の有底円筒体から構成されている。シリンダ53内には、一端から他端に向かって筒心に沿って、シリンダキャップ挿入孔53a、ピストン通路53bが形成されている。
【0032】
ピストン通路53bの一端はピストン挿入口53cとして開放されている。また、ピストン通路53bの他端に位置する底部53dには吸引接続口56が形成され、この吸引接続口56に吸引管路32が接続される。ピストン通路53bの内周面53eには、吸引源接続口57が形成され、この吸引源接続口57には接続部58を介して吸引源管路33が接続される。吸引源接続口57は、
図8に示す展開図では矩形状で角部がR形状となっている。
図3及び
図5に示すように、接続部58は、シリンダ53に固定される固定部58aと、この固定部58a及び吸引源チューブ39に嵌合固定される接続パイプ58bとを備える。接続パイプ58bの内部は、吸引源管路33となり、固定部58aの内部は、吸引源接続通路58cとなる。
【0033】
図3及び
図4に示すように、シリンダ53の一端部の外周面には、上から順に雄ねじ部(図示せず)、周溝53f、取付フランジ53gを有する。雄ねじ部は、キャップ取付リング54の内周面に形成した雌ねじ部(図示せず)が螺合する。取付フランジ53gは手元操作部17のケース17aに当接する。ケース17aには、シリンダ取付孔59が形成されており、下方からシリンダ53が挿入される。
【0034】
ピストン通路53bには回転規制溝55が形成されている。回転規制溝55は、吸引源接続口57と対向する位置で筒心方向に沿って内周面53eの一部が切り欠かれ、一端まで延びている。回転規制溝55は、ピストン61の回転規制に用いられる。
【0035】
キャップ取付リング54は、筒状のリング本体54aと、このリング本体54aの外周面に、上から順に形成されるキャップ取付フランジ54b、シリンダ押さえフランジ54cを有する。リング本体54aの内周面には、雌ねじ部(図示せず)が形成されている。この雌ねじ部は、リング本体54aの下端部の内周面に形成されており、シリンダ53の雄ねじ部に螺合する。この螺合によって、シリンダ取付孔59周縁部のケース17aを、シリンダ押さえフランジ54cと、取付フランジ53gとが挟持するため、シリンダ53がケース17aに取り付けられる。周溝53fにはOリング60が入れられている。Oリング60は、ケース17aとシリンダ53との隙間を水密に保持する。
【0036】
ピストンユニット52は、ピストン61と、シリンダキャップ62と、操作キャップ41と、コイルバネ63と、キャップ回転規制ピン64と、ピストン回転規制ピン65とを有する。ピストン61は、上からピストン先端部61aとピストン本体61bとを有し、ピストン先端部61aがピストン本体61bよりも小径となる二段軸状に形成されている。
【0037】
ピストン本体61bには、外周面61cに開口する外周面開口70、他端61dに開口する他端開口71、これら開口70,71を連通させるL字状の第1連通路72が形成されている。ピストン本体61bの外周面61cには、周溝73が形成されている。また、外周面開口70の反対側で外周面61cには規制ピン収納溝75が形成されている。さらに、規制ピン収納溝75の下方には、取付孔74が形成されている。規制ピン収納溝75は、筒心に平行に一端から他端に向けて形成されている。また、外周面61cには、外周面開口70と同じ周方向の位置で、周溝73よりも他端側で周溝73に連続する傾斜切欠き61eが形成されている。この傾斜切欠き61eは、ピストン61が
図3に示す第1位置に位置する際に吸引源接続口57と連通し、ピストン61が
図6に示す第2位置に位置する際にピストン通路53bの内周面53eと対向する。また、傾斜切欠き61eは、固定部58a内の吸引源接続通路58cの延長方向に形成されている。
【0038】
外周面開口70は、ピストン61が第1位置に位置する際に、ピストン通路53bの内周面53eと対向し、ピストン61が第2位置に位置する際に、吸引源接続口57と対向する位置に形成されている。この外周面開口70は、吸引源接続口57よりも小さい。
【0039】
図3及び
図7に示すように、外周面開口70は、V字状開口部70aと円弧状開口部70bとを備えている。V字状開口部70aは補正開口部であり、ピストン61が第1位置から第2位置に移動する際に、ピストン61の押圧ストロークの増加量に対して、吸引源接続口57と外周面開口70とが重なる連通開口幅の増加量を3倍以下とする。このため、V字状開口部70aは、
図8の展開図に示すように、V字状で、吸引源接続口57と外周面開口70とが重なり始める部分に形成されている。本実施形態では、V字状開口部70aのV字角度θ=90°、ピストン61の押圧ストロークの増加量に対して、連通開口幅の増加量は、略2倍としている。また、円弧状開口部70bは、V字状開口部70aに連続し、円弧状に形成されている。ピストン61が第1位置から第2位置に移動する際には、最初にV字状開口部70aが吸引源接続口57と連通する。なお、V字状開口部70aの角度や、円弧状開口部70bの円弧サイズは適宜変更可能である。また、V字とは、先端部がR状のものや、先端部が角状のものも含む。さらに、連通開口幅の増加量は、ピストン61の押圧ストロークの増加量の1.0倍以上3倍以下であればよく、好ましくは1.0倍以上2.5倍以下である。1.0倍未満の場合には、増加量が少な過ぎて吸引量が少なくなる他に、吸引物、特に汚物が詰まり易くなる。3倍を超える場合には、増加量が多過ぎて吸引量が急激に増加する。
【0040】
ピストン先端部61aの一端には、操作キャップ41が固定されている。操作キャップ41は金属製のキャップ本体76と、このキャップ本体76の一端面及び外周面を覆う樹脂製カバー77とからなる。カバー77の上面には指標41aが設けられている。指標41aは、押圧操作を行う際の押圧位置を示している。
【0041】
操作キャップ41とピストン本体61bとの間で、ピストン先端部61aが挿通される状態で、シリンダキャップ62及びコイルバネ63が配されている。シリンダキャップ62は、上部筒部78aと下部筒部78bとからなる金属製の段付きの有底筒状体78と、カバー79とから構成されている。下部筒部78bの底部78cには先端部挿通孔80が形成されている。先端部挿通孔80には、ピストン先端部61aが挿通している。また、下部筒部78bには、複数の通気孔83が形成されている。通気孔83は外部大気に通じている。
【0042】
カバー79は、ゴム又は樹脂製であり、上部筒部78aに嵌着される。上部筒部78aの外周面に係止溝78dが形成されており、カバー79には係止溝78dに嵌合する係止突条79aが形成されている。これら係止溝78dと係止突条79aとの嵌合により、カバー79が上部筒部78aから脱落することがないように保持される。また、カバー79は、上部筒部78aの外周面及び内周面を覆う有底筒状に形成されている。
【0043】
カバー79の下端部内周面には、係止爪79bが内側に向かって突出して形成されている。係止爪79bは、ピストンユニット52をシリンダユニット51に取り付ける際に、キャップ取付フランジ54bを乗り越えて、キャップ取付フランジ54bに係止する(
図3参照)。これにより、
図3に示すように、ピストンユニット52をシリンダユニット51に確実に取り付けることができる。また、取り外す際には、ピストンユニット52をシリンダキャップ62の上部フランジ79cを持って、持ち上げることにより、係止爪79bとキャップ取付フランジ54bとの係止が解除される。
【0044】
電子内視鏡10の使用後、吸引管路32、吸引源管路33、ピストン通路53bなどは体液などの吸引物により汚れているため、洗浄ブラシなどで丁寧に洗浄する必要がある。そこで、係止爪79bとキャップ取付フランジ54bとの係止を解除し、
図4に示すように、ピストンユニット52をシリンダユニット51から取り外すと、ピストン挿入口53cから吸引管路32、吸引源管路33、ピストン通路53bが露呈し、これらを簡単に洗浄することができる。また、ピストンユニット52は、使用後に廃棄され、新しいものに交換される。または、洗浄した後に再利用される。
【0045】
図3に示すように、コイルバネ63は、一端がキャップ本体76の他端面76aに、他端が下部筒部78bの底部78cに当接した状態で縮装されている。これにより、シリンダキャップ62内で、コイルバネ63により操作キャップ41が一端側に向けて常時付勢された状態になる。また、ピストン本体61bの一端は、シリンダキャップ62の他端面である底部78cに突き当てられる。
【0046】
底部78cは、ピン取付孔78eがシリンダ53の中心線に平行に形成されている。ピン取付孔78eには、キャップ回転規制ピン64の一端部が固定されている。キャップ回転規制ピン64は、底部78cの底面から突出し、ピストン本体61bの規制ピン収納溝75に収納される。規制ピン収納溝75にキャップ回転規制ピン64が収納されることにより、ピストン61とシリンダキャップ62との相対回転が規制される。
【0047】
ピストン回転規制ピン65は、ピストン61の取付孔74に固着される。このピストン回転規制ピン65、及びシリンダ53の回転規制溝55は、シリンダ53とピストン61との回転規制部として機能する。ピストン回転規制ピン65は、回転規制溝55に入り込み係止して、シリンダ53とピストン61との相対回転を規制する。
【0048】
ピストン先端部61aが挿通されるシリンダキャップ62の先端部挿通孔80は、内径がピストン先端部61aの外径よりも大きく、ピストン本体61bの外径よりも小さい。これにより、底部78cは、ピストン本体61bの一端に当接する。このようにして、シリンダキャップ62、及びキャップ取付リング54を介して、ピストン61がシリンダ53から離脱することを規制する。
【0049】
ピストン61は、シリンダキャップ62により位置決めされ、
図3に示す第1位置と、
図6に示す第2位置との間で変位する。第1位置は、操作キャップ41が操作されていない非接触状態であり、操作キャップ41がピストン挿入口53cから最も離れている。この操作キャップ41が非接触状態では、ピストン61は、コイルバネ63により操作キャップ41を介してシリンダ53の一端側へ付勢され、底部78cに当接して静止する。これにより、ピストン61は第1位置になる。第2位置は、押圧操作により操作キャップ41が押し込まれた状態であり、操作キャップ41は、ピストン挿入口53cに最も近づき、かつ更なる押し込みが規制される。この操作キャップ41が押し込まれた状態では、ピストン61は、コイルバネ63の付勢に抗してシリンダ53の他端側へ移動する。これに伴い、操作キャップ41がシリンダキャップ62の内部に収容され、カバー77の底面77aがカバー79の内部底面79dに当接して静止する。これにより、ピストン61は、第2位置に位置決めされる。
【0050】
第1位置では、吸引源接続口57に周溝73が位置する。周溝73は、ピストン本体61bの全周に亘って形成されている。この周溝73に連通するように、ピストン本体61bの外周面61cで周溝73からピストン本体61bの一端まで、周方向に90°間隔で3個の切欠き通路87,88,89(
図7参照)が形成されている。切欠き通路87〜89は、ピストンの外周面を平面状に切り欠いて構成されている。したがって、周溝73、切欠き通路87〜89を有する第2連通路は、ピストン61が第1位置の際、周溝73、切欠き通路87〜89、キャップ取付リング54の内部空間、及び通気孔83を介して吸引源接続口57を外部大気に連通させるので、吸引装置14は外部大気から吸引する。なお、周溝73としては、ピストン本体61bの全周に亘って形成される必要はなく、第1位置の際、吸引源接続口57に連通し、切欠き通路87〜89に連通しているものであれば、ピストン本体61bの周方向の一部に形成されていてもよい。
【0051】
ピストン61が第1位置の際には、傾斜切欠き61eが固定部58a内の吸引源接続通路58cと一直線状になり、外部大気との連通が抵抗なく行える。
【0052】
図6に示すように、第2位置では吸引源接続口57に外周面開口70が位置する。ピストン61には、外周面開口70と他端開口71とを連通する第1連通路72が形成されているため、吸引装置14は吸引管路32から吸引する。これにより、先端部16aの処置具出口31から吸引物を吸引することができる。
【0053】
第2位置では、他端開口71を有するピストン61の他端61dが、ピストン通路53bの底部53dに接近または当接する。吸引物がピストン61の他端61dとピストン通路53bの底部53dとの間に滞留すると、時間の経過に伴い粘着性が増して、ピストン61の戻り動作に支障をきたすことがある。特に、吸引物が造影剤である場合には、その傾向が強い。
【0054】
造影剤は、血管など生体内の特定の組織を強調したり、画像にコントラストを付けたりして観察する際に用いられる。この場合には患部への造影剤の投与とともに、特定波長の励起光を照射して蛍光画像が観察される。また、患部をX線撮影する際にも造影剤が用いられる。この場合には、処置具出口31からカニューレなどを出して患部に造影剤を注入し、その部分がX線透視装置によって撮影される。
【0055】
このため、他端開口71には残留物逃がし部90が設けられる。残留物逃がし部90はテーパー91から構成されており、他端61dに向かうに従い次第に開口断面積が大きくなっている。テーパー91の最大径は、外周面61cの外径と同一に形成されることが好ましい。なお、ここでいう同一とは、外周面61cの外径より若干小さい場合も含む。
【0056】
テーパー91は、ピストン61が第2位置の際に、互いに対向するピストン61の他端61dとピストン通路53bの底部53dとの間に付着する造影剤を吸引されやすくする。これにより、第1連通路72から吸引源管路33へ造影剤が排出される。また、テーパー91によって、ピストン61の他端61dと、底部53dとの対向面積が小さくなるため、シリンダ53とピストン61との間に付着する造影剤が少なくなり、ピストン61とシリンダ53との粘着を防ぐことができる。
【0057】
次に上記構成の電子内視鏡10の作用、特にその中でも吸引ボタン24の作用について詳しく説明する。内視鏡システム2の検査準備が完了した後は、カメラユニット43が作動するとともに、送気装置13aによる送気と、吸引装置14による吸引が常時行われる。そして、準備完了後、体内例えば消化管内に挿入部16が挿入される。光源装置12からの光は、ユニバーサルコード18、挿入部16内の光ファイバケーブル、先端部16aの照明窓(図示せず)を通って、消化管内に照射される。先端部16a内のカメラユニット43は、消化管内を撮影して撮像信号を出力する。この撮像信号は、挿入部16内の伝送ケーブル、ユニバーサルコード18を介してプロセッサ装置11に入力され、モニタ21に表示される。
【0058】
消化管内の観察中には、観察対象または先端部16aの観察窓37の洗浄などの必要に応じて、送気送水ボタン23を操作する。送気送水ボタン23によって送気操作が行われると、送気装置13aが発生する気体が送気送水ノズル28に送られる。送水操作が行われると、送気装置13aが発生する気体の圧力によって洗浄水タンク13bから洗浄水が送気送水ノズル28に送られる。送気送水ノズル28は、送気送水チャンネル26を介して供給された気体、洗浄水を選択的に噴射する。
【0059】
消化管内の観察中に患部を発見した場合には、この患部の処置に適した処置具を、電子内視鏡10の処置具入口22に挿入して処置具出口31から突出させ、患部を処置する。
【0060】
消化管内の観察中に、処置具出口31から吸引を行わない場合、
図3に示すように、吸引ボタン24は、操作キャップ41が非接触状態であり、ピストン61が第1位置になっている。ピストン61が第1位置の状態では、周溝73は吸引源接続口57と連通するが、外周面開口70は吸引源接続口57とは連通せず、ピストン通路53bの内周面53eと対向して塞がれている。
【0061】
なお、ピストン61が第1位置にある状態では、吸引源接続口57が、周溝73、切欠き通路87〜89及びピストン通路53bの隙間、キャップ取付リング54の内部空間、通気孔83、有底筒状体78の内部空間、カバー77及びカバー79の隙間を介して外部大気と連通する。その結果、処置具出口31からの吸引を行っていない際でも、吸引装置14に負荷がかかることが防止される。
【0062】
消化管内の観察中に、血液や体内汚物の吸引物を吸引する場合には、操作キャップ41が押圧されてピストン61が第1位置から第2位置に向けて移動する。この際、ピストン61の外周面開口70と吸引源接続口57とは、
図8Aに示す状態から、
図8Bに示すように、最初に外周面開口70のV字状開口部70aが吸引源接続口57と連通する。外周面開口70と吸引源接続口57との連通により、吸引源接続通路58c、吸引源接続口57、外周面開口70、第1連通路72、他端開口71、吸引接続口56を介して、吸引源管路33と吸引管路32とが連通される。
【0063】
図8Cに示すように、さらにピストン61が押圧されると、V字状開口部70aが全て吸引源接続口57と連通し、
図8Dに示すように、ピストン61が第2位置まで移動すると、円弧状開口部70bも吸引源接続口57に連通する。外周面開口70は、吸引源接続口57よりも小さいので、V字状開口部70a及び円弧状開口部70bが確実に吸引源接続口57と連通する。
【0064】
吸引源管路33と吸引管路32とが連通されると、処置具出口31から各種吸引物が吸引される。吸引物は、処置具挿通チャンネル27、吸引管路32、吸引接続口56、他端開口71、第1連通路72、外周面開口70、吸引源接続口57、吸引源接続通路58c、吸引源管路33を介して吸引装置14へ吸引される。
【0065】
本実施形態では、ピストン61の他端開口71に残留物逃がし部90としてのテーパー91を設けているため、造影剤を用いる内視鏡検査で、ピストン61とシリンダ53との粘着を防止することができる。これにより、吸引ボタン24の押圧操作を長時間スムーズに行うことが可能となり、操作性を向上させることができる。
【0066】
吸引を停止する場合には、操作キャップ41に対する押圧を解除する。これにより、コイルバネ63の付勢力でピストン61が
図3に示す第1位置まで戻る。そして、消化管内の観察の終了後、挿入部16を消化管から抜き取る。
【0067】
なお、上記実施形態では、ピストン61の外周面開口70をV字状開口部70a(補正開口部)と円弧状開口部70bとを有する形状とし、シリンダ53の吸引源接続口57を矩形状としているが、
図9に示すように、外周面開口101を矩形状にし、吸引源接続口102をV字状開口部102aと円弧状開口部102bとを有する形状にしてもよい。
【0068】
上記実施形態では、外周面開口70及び吸引源接続口102を、V字状開口部70a,102aと、円弧状開口部70b,102bとを有する形状としているが、円弧状開口部のない三角形状に形成してもよい。さらに、補正開口部としてのV字状開口部は、開口の一部に形成すればよく、左右対称でなくてもよい。
【0069】
吸引源接続口と外周面開口との一方が円形や楕円形等の場合には、ピストンの押圧ストロークの増加量に対して、吸引源接続口と外周面開口とが重なる連通開口幅の増加量を3倍以下とするように、他方の形状を決定する。さらに、ピストンの押圧量に対して吸引量がリニアに増加せずに、所望する増加曲線で吸引量が増加するように、吸引源接続口と外周面開口との形状を決めることにより、操作性を向上させてもよい。例えば、補正開口部の形状は、V字形に限られず、V字の各辺が内側に膨らむように湾曲した形状や、逆に外側に膨らむように湾曲した形状、その他の形状であってもよい。また、補正開口部は、吸引源接続口と外周面開口とのどちらか片方に形成してもよく、両方に形成してもよい。
【0070】
上記実施形態では、残留物逃がし部90として、ピストン61の他端開口71にテーパー91を形成する例で説明している。しかし、これに限るものではなく、
図10に示すように、残留物逃がし部として、他端開口71の内径が第1連通路72に対して一段大きく形成された段差部116をピストン61に形成してもよい。これにより、シリンダ53とピストン61との間に付着する造影剤が少なくなり、ピストン61とシリンダ53との粘着を防ぐことができる。
【0071】
また、
図11に示すように、吸引接続口56に近接する位置で、ピストン61に形成され、第1連通路72から外周面61cに貫通する貫通孔117を、残留物逃がし部としてもよい。これにより、吸引チューブ38から吸引された造影剤が第1連通路72内に進入した際にも、貫通孔117を通って外周面側から排出されるため、シリンダ53とピストン61との間には造影剤が付着しにくくなる。なお、残留物逃がし部としては、以上の構成を組み合わせて、例えばテーパーまたは段差部を他端開口71に形成するとともに、貫通孔を設けてもよい。
【0072】
上記各実施形態においては、撮像装置を用いて体内の患部等の状態を撮像した画像を観察する電子内視鏡を例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限るものではなく、光学的イメージガイドを採用して患部等の状態を観察する内視鏡にも適用することができる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0074】
実施例1では、本発明の吸引ボタン24が組み込まれた電子内視鏡10を用い、操作キャップ41を押圧してエアーを吸引し、その際の吸引量を測定した。吸引器は(株)三幸製作所の電動式可搬型吸引器(ミニックW−II MW2−1400)を用いて40kPaで吸引を行い、(株)ミツトヨ製の外側マイクロメータ(MDC−100MJ)で操作キャップ41を0.1mmごとに押圧した際のそれぞれの吸引量を、(株)キーエンス製の流量センサアンプ(FD−V40A)と流量センサヘッド(FD−A10)とを用いて測定した。
【0075】
実施例2では、V字状開口部のV字角度θ=60°としたピストンを装着した。V字角度θ=60°の場合、ピストンが第1位置から第2位置に移動する際に、ピストンの押圧ストロークの増加量に対して、吸引源接続口と外周面開口とが重なる連通開口幅の増加量は1.15倍となる。その他の条件は、実施例1と同じにした。
【0076】
比較例1では、外周面開口を円形とした従来のピストンを装着した。その他の条件は、実施例1と同じにした。
【0077】
実施例1と比較例1の実験の結果を
図12に示し、実施例2と比較例1の実験の結果を
図13に示す。
図12及び
図13は、押圧量に対する吸引量(L/min)を示している。なお、理想線(押圧量に対して吸引量がリニアに増加する線)を二点鎖線L1、実施例1を実線C1、実施例2を一点鎖線C2、比較例を破線C3で示している。
【0078】
図12において、比較例1では、吸引開始(押圧量=1.5mm)から2.0mmまでの範囲では、吸引量の増加量=2.65L/minであり、他の範囲(押圧量が2.5mm〜3.0mm)での吸引量の増加量=0.56L/minに比べると、急激に吸引量が増加している。また、ピストン61の半押し(押圧量=2.3mm)〜3.0mmの範囲では、吸引量の増加量=0.83L/minであり、3.0mm〜3.7mmの範囲での吸引量の増加量=1.83L/minに比べて吸引量の増加が少ない。比較例1では、同じ押圧量の範囲=0.7mmで、1.0L/minの差が生じている。
【0079】
これに対して、実施例1では、吸引開始直後である吸引開始から2.0mmまでの範囲では、V字状開口部70aが吸引源接続口57に連通しているので、吸引量の増加量=2.0L/minに抑えられ、比較例1に比べて、急激な吸引量の増加が改善された。また、押圧量が2.3mm〜3.0mmの範囲での吸引量の増加量=1.55L/minと、3.0mm〜3.7mmの範囲での吸引量の増加量=1.1L/minとの差も0.45L/minとなり、比較例1に比べて改善された。これにより、比較例1に比べて、押圧量に対する吸引量の変化線、特に吸引開始からピストン61の半押しまでの変化線を、理想線に近づけることができるので、操作性が改善された。例えば、吸引量を2L/minにする場合には、比較例1に比べて理想線に近い押圧量で吸引量を2L/minにすることができる。また、V字状開口部70aに吸引物が詰まることがなく、造影剤が固着することもなかった。さらに、V字状開口部70aに連続する円弧状開口部70bが形成されているので、外周面開口70の一端部に吸引物が詰まることがなく、造影剤が固着することもない。
【0080】
なお、実施例1と同じ条件で3回実験を行ったところ、実施例1とほぼ同じ結果を得られた。また、ピストンの押圧ストロークの増加量に対して、吸引源接続口と外周面開口とが重なる連通開口幅の増加量を3倍にした場合にも、実施例1と同様の効果を得られた。
【0081】
また、実施例2でも、吸引開始から2.0mmまでの範囲では、V字状開口部が吸引源接続口に連通しているので、吸引量の増加量=1.32L/minに抑えられ、比較例1に比べて、急激な吸引量の増加が改善された。また、押圧量が2.3mm〜3.0mmの範囲での吸引量の増加量=1.83L/minと、3.0mm〜3.7mmの範囲での吸引量の増加量=1.91L/minとの差も0.08L/minとなり、比較例1に比べて改善された。さらに、V字状開口部での吸引物の詰まりは僅かにあったが、比較例1と同程度であった。
【0082】
実施例3では、実施例1と同じ吸引ボタン24が組み込まれた電子内視鏡を使用するとともに、処置具出口31から以下の条件で造影剤を吸引させ、吸引ボタン24の動作を確認した。
【0083】
比較例2では、実施例3に対して他端開口71をテーパー状にせず、ピストンの他端まで第1連通路72の内周面が同じ径に形成された吸引ボタンが組み込まれた電子内視鏡を使用した。また、実施例3と同様に吸引管路32から以下の条件で造影剤を吸引させ、吸引ボタンの動作を確認した。
【0084】
動作確認は以下のようにして行った。まず、実施例3及び比較例2の吸引ボタンを押圧操作して1秒間吸引状態にさせ、その後、押圧を解除する動作を繰り返し、造影剤による吸引ボタン固着開始時間と、固着終了時間とを各3回測定した。その結果、表1に示す結果が得られた。測定時の条件としては、吸引装置の吸引圧力が40kPaであり、造影剤としてコンレイ60%(製品名;第一三共株式会社製)を使用した。固着開始時間とは、測定開始から、ピストンへの押圧解除後、第1位置への復帰が押圧解除のときよりは遅れるが、3秒未満で復帰した場合の時間である。この固着開始時間により、造影剤の影響でピストン61がピストン通路53bに貼り付く感触があり、ピストン61が滑らかに動かなくなる時間が判る。固着終了時間とは、ピストンへの押圧解除後、第1位置への復帰がさらに遅くなり、3秒以上復帰しなくなった場合の時間である。この固着終了時間によって、ピストン61が更に滑らかに動かなくなる時間が判る。
【0085】
【表1】
【0086】
実施例3及び比較例2の測定結果から、実施例3では、比較例2よりも固着開始時間及び固着終了時間がともに長くなっており、ピストン61とシリンダ53との粘着を防いでいることが判る。
【0087】
さらに、上記説明より、以下の付記項に記載の発明も把握することができる。
【0088】
[付記項1]
内視鏡の手元操作部に設けられ、一端が開放されているピストン通路、前記ピストン通路の他端に形成され吸引管路と通じる吸引接続口、前記ピストン通路の内周面に形成され吸引源管路と通じる吸引源接続口を有するシリンダと、
前記ピストン通路に他端から挿入され一端が前記ピストン通路から突出しており、非接触状態の第1位置から、前記一端の押圧操作により第2位置へと変位するピストンと、
前記ピストンの外周面に形成され前記第2位置の際に前記吸引源接続口と連通し前記第1位置の際に前記ピストン通路の内周面で塞がれる外周面開口、前記ピストンの他端に形成され前記吸引接続口と連通する他端開口を有し、前記外周面開口及び他端開口を連通させる第1連通路と、
前記ピストンの外周面に形成され前記第1位置の際に前記吸引源接続口と連通し前記第2位置の際に前記ピストン通路の内周面で塞がれる周溝、前記ピストンの外周面に前記周溝から前記ピストンの一端まで形成される切欠き通路を有し、前記周溝及び前記切欠き通路を介して前記吸引源接続口を外部大気に連通させる第2連通路と、
前記ピストン通路内の前記ピストンの回転を規制する回転規制部と、
前記他端開口に設けられ、前記吸引管路から吸引された残留物を吸引しやすくする残留物逃がし部と、
を備える内視鏡用吸引管路切換装置。
[付記項2]
前記残留物逃がし部は、前記ピストンの他端から一端に向かって次第に縮径するテーパー状に形成されている付記項1記載の内視鏡用吸引管路切換装置。
[付記項3]
前記残留物逃がし部は、前記他端開口の内径が前記第1連通路に対して一段大きく形成された段差部である付記項1記載の内視鏡用吸引管路切換装置。
[付記項4]
前記残留物逃がし部は、前記吸引接続口に近接する位置で、前記第1連通路から前記ピストンの外周面に貫通する貫通孔である付記項1記載の内視鏡用吸引管路切換装置。
[付記項5]
前記シリンダに取り付けられ、前記ピストンが前記ピストン通路の一端から離脱することを規制するシリンダキャップと、
前記ピストンの一端に設けられた操作キャップと、
前記操作キャップと前記シリンダキャップとの間に設けられ、前記シリンダキャップに向かって前記ピストンを付勢するバネとを備え、
前記ピストンは、前記第1位置では、前記バネの付勢により前記シリンダキャップに当接して静止し、前記第2位置では、前記バネの付勢に抗して押し下げられた前記操作キャップが前記シリンダキャップに当接して静止する付記項1から4のいずれか1項記載の内視鏡用吸引管路切換装置。
[付記項6]
前記シリンダキャップは、前記ピストン及び前記バネを一体に保持し、前記シリンダに対して着脱自在に取り付けられる付記項5記載の内視鏡用管路切換装置。
[付記項7]
付記項1から6のいずれか1項記載の内視鏡用管路切換装置と、
体内に挿入される挿入部と、前記挿入部に連設される手元操作部と、吸引源に接続される吸引源管路と、前記挿入部に設けられる吸引口と連通する吸引管路と、
を備える内視鏡。
【0089】
また、以上の付記項に記載の発明の効果としては、ピストンの他端開口に設けられた残留物逃がし部によって、ピストンとピストン通路との間に付着する造影剤が少なくなり、ピストンとシリンダとの粘着を防ぐことができる。