特許第6010451号(P6010451)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010451
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】成膜方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20161006BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20161006BHJP
   C23C 16/56 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   H01L21/31 B
   H01L21/31 C
   H01L21/316 X
   C23C16/56
【請求項の数】21
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2012-279922(P2012-279922)
(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公開番号】特開2014-123676(P2014-123676A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2015年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】立花 光博
(72)【発明者】
【氏名】池川 寛晃
(72)【発明者】
【氏名】和村 有
(72)【発明者】
【氏名】尾谷 宗之
(72)【発明者】
【氏名】小川 淳
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏輔
【審査官】 溝本 安展
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−239102(JP,A)
【文献】 特開2011−066367(JP,A)
【文献】 特開2010−080924(JP,A)
【文献】 特開2011−210872(JP,A)
【文献】 特開2010−062370(JP,A)
【文献】 特開2012−009823(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0075858(US,A1)
【文献】 特開2013−153143(JP,A)
【文献】 特開2012−069871(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0055319(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0324826(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0236598(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0164945(US,A1)
【文献】 特開2012−049394(JP,A)
【文献】 特開2010−239103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/56
H01L 21/316
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ内に回転可能に収容され、複数の基板を上面に載置可能な載置部を有する回転テーブルと、
前記回転テーブルの前記上面の上方において区画され、前記回転テーブルの前記上面に向けてガスを供給する第1の反応ガス供給部を有する第1の処理領域と、
前記回転テーブルの周方向に沿って前記第1の処理領域から離間して配置され、前記回転テーブルの前記上面に対してガスを供給する第2の反応ガス供給部を有する第2の処理領域と、
前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間に設けられ、前記回転テーブルの前記上面に対して分離ガスを供給する分離ガス供給部と、該分離ガス供給部からの前記分離ガスを前記第1の処理領域と前記第2の処理領域へ導く狭い空間を前記回転テーブルの前記上面に対して形成する天井面とを有する分離領域と、を備える成膜装置を用いて、前記複数の基板上に、所定の第1の元素を含む酸化膜に第2の元素を含ませ化膜を成膜する成膜方法であって、
前記第1の反応ガス供給部から前記分離ガスを供給し、前記第2の反応ガス供給部から酸化ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを少なくとも1回回転させるプリ酸化工程と、
該プリ酸化工程の後に、前記第1の反応ガス供給部から前記第1の元素を含む第1の反応ガスを供給し、前記第2の反応ガス供給部から前記酸化ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを所定回数回転させ、前記基板上に前記第1の元素を含む酸化膜を成膜する成膜工程と、
前記第1の反応ガス供給部又は前記第2の反応ガス供給部の一方から前記第2の元素を含む第2の反応ガスを供給し、前記第1の反応ガス供給部又は前記第2の反応ガス供給部の他方から不活性ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを所定回数回転させ、前記酸化膜上に前記第2の元素をドープするドープ工程と、を含む成膜方法。
【請求項2】
前記ドープ工程の前後に、前記第1の反応ガス供給から前記分離ガスを供給し、前記第2の反応ガス供給部から不活性ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを回転させる第1及び第2のパージ工程を有する請求項1に記載の成膜方法。
【請求項3】
記成膜工程と前記ドープ工程との間に、前記第1の反応ガス供給部から前記分離ガスを供給し、前記第2の反応ガス供給部から前記酸化ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを少なくとも1回回転させるポスト酸化工程を有する請求項2に記載の成膜方法。
【請求項4】
前記プリ酸化工程、前記成膜工程、前記ポスト酸化工程、前記第1のパージ工程、前記ドープ工程及び前記第2のパージ工程を1サイクルとし、該サイクルを所定回数繰り返して前記第1の元素を含む酸化膜上に前記第2の元素がドープされた層の積層膜を前記酸化膜として成膜する請求項に記載の成膜方法。
【請求項5】
前記サイクルを前記所定回数繰り返した後、前記プリ酸化工程、前記成膜工程及び前記ポスト酸化工程を1回ずつ行ってから前記酸化膜の成膜を終了する請求項に記載の成膜方法。
【請求項6】
前記第2のパージ工程の後に、前記第1の反応ガス供給部から前記第1の反応ガスを供給し、前記第2の反応ガス供給部から不活性ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを所定回数回転させる第1の反応ガス供給工程を更に有し、
該第1の反応ガス供給工程の後、前記成膜工程に戻るサイクルを含む請求項3乃至5のいずれか一項に記載の成膜方法。
【請求項7】
前記成膜工程、前記ポスト酸化工程、前記第1のパージ工程、前記ドープ工程、前記第2のパージ工程及び前記第1の反応ガス供給工程を1サイクルとし、該サイクルを所定回数繰り返して前記第1の元素を含む酸化膜上に前記第2の元素がドープされた層の積層膜を前記酸化膜として成膜する請求項に記載の成膜方法。
【請求項8】
前記ポスト酸化工程と前記第1のパージ工程との間に、
第3の元素を含む第3の反応ガスを前記第1の反応ガス供給部から供給し、前記第2の反応ガス供給部から前記酸化ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを所定回数回転させ、前記酸化膜上に前記第3の元素を含む第2の酸化膜を成膜する第2の成膜工程と、
前記第1の反応ガス供給部から前記分離ガスを供給し、前記第2の反応ガス供給部から前記酸化ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを少なくとも1回回転させる第2のポスト酸化工程と、を更に有する請求項に記載の成膜方法。
【請求項9】
前記成膜工程、前記ポスト酸化工程、前記第2の成膜工程、前記第2のポスト酸化工程、前記第1のパージ工程、前記ドープ工程、前記第2のパージ工程及び前記第1の反応ガス供給工程を1サイクルとし、該サイクルを所定回数繰り返して前記第1の元素を含む前記酸化膜上に前記第3の元素を含む前記第2の酸化膜が積層された酸化膜に前記第2の元素がドープされた層の積層膜を前記酸化膜として成膜する請求項に記載の成膜方法。
【請求項10】
前記サイクルを前記所定回数繰り返した後、前記成膜工程及び前記ポスト酸化工程を1回ずつ行ってから前記酸化膜の成膜を終了する請求項又はに記載の成膜方法。
【請求項11】
前記ポスト酸化工程の後、第3の元素を含む第3の反応ガスを前記第1の反応ガス供給部から供給し、前記第2の反応ガス供給部から前記酸化ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを所定回数回転させ、前記酸化膜上に前記第3の元素を含む第2の酸化膜を成膜する第2の成膜工程を更に有し、
該第2の成膜工程の後、前記プリ酸化工程に戻るサイクルを含む請求項に記載の成膜方法。
【請求項12】
前記サイクルを所定回数繰り返した後、前記プリ酸化工程と、前記成膜工程と、前記ポスト酸化工程を1回ずつ行ってから前記酸化膜の成膜を終了する請求項11に記載の成膜方法。
【請求項13】
前記サイクル終了後の前記ポスト酸化工程は、前記サイクル中の前記ポスト酸化工程よりも長時間行う請求項5、10又は12に記載の成膜方法。
【請求項14】
前記第3の元素は金属元素又はSiである請求項11又は12に記載の成膜方法。
【請求項15】
前記第1の元素は金属元素である請求項1乃至14のいずれか一項に記載の成膜方法。
【請求項16】
前記金属元素は、Hf、Zr、Alである請求項14又は15に記載の成膜方法。
【請求項17】
前記第2の元素はNである請求項1乃至16のいずれか一項に記載の成膜方法。
【請求項18】
前記第2の反応ガスはNHであり、プラズマ処理されて前記酸化膜上に供給される請求項17に記載の成膜方法。
【請求項19】
前記第2の元素はSiである請求項1乃至16のいずれか一項に記載の成膜方法。
【請求項20】
前記酸化ガスは、Oガスである請求項1乃至19のいずれか一項に記載の成膜方法。
【請求項21】
前記分離ガスは、不活性ガスである請求項1乃至20のいずれか一項に記載の成膜方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜方法に関し、特に、酸化膜に所定の元素をドープする成膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路(IC、Integrated Circuit)の製造プロセスには、半導体ウエハ上に薄膜を成膜する工程がある。この工程については、ICの更なる微細化の観点から、ウエハ面内における均一性の向上が求められている。このような要望に応える成膜方法として、原子層成膜(ALD、Atomic Layer Deposition)法または分子層成膜(MLD、Molecular Layer Deposition)法と呼ばれる成膜方法が期待されている。ALD法では、互いに反応する2種類の反応ガスの一方の反応ガス(反応ガスA)をウエハ表面に吸着させ、吸着した反応ガスAを他方の反応ガス(反応ガスB)で反応させるサイクルを繰り返すことにより、反応生成物による薄膜がウエハ表面に成膜される。ALD法は、ウエハ表面への反応ガスの吸着を利用するため、膜厚均一性及び膜厚制御性に優れるという利点を有している。
【0003】
ALD法を実施する成膜装置として、いわゆる回転テーブル式の成膜装置がある(例えば、特許文献1参照)。この成膜装置は、真空容器内に回転可能に配置され、複数のウエハが載置される回転テーブルと、回転テーブルの上方に区画される反応ガスAの供給領域と反応ガスBの供給領域とを分離する分離領域と、反応ガスA及び反応ガスBの供給領域に対応して設けられる排気口と、これらの排気口に接続される排気装置とを有している。このような成膜装置においては、回転テーブルが回転することによって、反応ガスAの供給領域、分離領域、反応ガスBの供給領域、及び分離領域をウエハが通過することとなる。これにより、反応ガスAの供給領域においてウエハ表面に反応ガスAが吸着し、反応ガスBの供給領域において反応ガスAと反応ガスBとがウエハ表面で反応する。このため、成膜中には反応ガスA及び反応ガスBを切り替える必要はなく、継続して供給することができる。従って、排気/パージ工程が不要となり、成膜時間を短縮できるという利点がある。
【0004】
かかる特許文献1に記載の回転テーブル式の成膜装置を用いて所定の元素を含む酸化膜を成膜する場合、反応ガスAを上述の所定の元素を含む反応ガス(例えば、シリコンを含むシリコン系ガス等)とし、反応ガスBをオゾン等の酸化ガスとすれば、所定の元素を含む酸化膜を成膜することができる。この場合、所定の元素を含むガス(反応ガスA)がまずウエハの表面に吸着し、その状態で酸化ガス(反応ガスB)が供給され、ウエハの表面上で反応ガスAと反応ガスBとが反応し、所定の元素を含む酸化膜の分子層が形成される。このように、所定の元素を含む反応ガスがまずウエハの表面上に吸着し、次いでウエハ表面上で酸化ガスと反応することにより、所定の元素を含む酸化膜がウエハの表面上に成膜される。
【0005】
かかる成膜方法によれば、異なる種類の元素を含む酸化膜を積層して成膜し、ラミネート構造とする場合には、各酸化膜について、上述の成膜プロセスを繰り返せば成膜が可能となる。例えば、かかる成膜プロセスにより、ZrAlO、HfAlO、HfSiOといったラミネート構造を有する酸化膜の成膜も可能となり、High−k膜等への応用も期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4661990号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、ゲート酸化膜等に用いられるHigh−k膜の成膜において、2つの金属元素を含む複合酸化膜に、更に窒素をドープした膜が求められており、例えば、HfSiON、HfAlON等の成膜方法の確立が求められている。
【0008】
上述のように、回転テーブル式の成膜装置においては、成膜時間を短縮できる利点があり、かかる回転テーブル式の成膜装置を用いて、複合酸化膜に窒素をドープしたHfSiON、HfAlON等の効率的で高品質の成膜を行うプロセスの開発が期待されている。また、このような、酸化膜に窒素をドープした成膜は、種々の適用範囲があり、単膜に窒素をドープする場合や、単膜に窒素以外の元素、例えばシリコン等をドープする成膜が求められる場合もある。
【0009】
そこで、本発明は、かかる要請に応えるべく、回転テーブル式の成膜装置を用いて、酸化膜に所定の元素をドープすることができる生産性の高い成膜方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る成膜方法は、チャンバ内に回転可能に収容され、複数の基板を上面に載置可能な載置部を有する回転テーブルと、
前記回転テーブルの前記上面の上方において区画され、前記回転テーブルの前記上面に向けてガスを供給する第1の反応ガス供給部を有する第1の処理領域と、
前記回転テーブルの周方向に沿って前記第1の処理領域から離間して配置され、前記回転テーブルの前記上面に対してガスを供給する第2の反応ガス供給部を有する第2の処理領域と、
前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間に設けられ、前記回転テーブルの前記上面に対して分離ガスを供給する分離ガス供給部と、該分離ガス供給部からの前記分離ガスを前記第1の処理領域と前記第2の処理領域へ導く狭い空間を前記回転テーブルの前記上面に対して形成する天井面とを有する分離領域と、を備える成膜装置を用いて、前記複数の基板上に、所定の第1の元素を含む酸化膜に第2の元素を含ませ化膜を成膜する成膜方法であって、
前記第1の反応ガス供給部から前記分離ガスを供給し、前記第2の反応ガス供給部から酸化ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを少なくとも1回回転させるプリ酸化工程と、
該プリ酸化工程の後に、前記第1の反応ガス供給部から前記第1の元素を含む第1の反応ガスを供給し、前記第2の反応ガス供給部から前記酸化ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを所定回数回転させ、前記基板上に前記第1の元素を含む酸化膜を成膜する成膜工程と、
前記第1の反応ガス供給部又は前記第2の反応ガス供給部の一方から前記第2の元素を含む第2の反応ガスを供給し、前記第1の反応ガス供給部又は前記第2の反応ガス供給部の他方から不活性ガスを供給し、前記分離ガス供給部から前記分離ガスを供給した状態で前記回転テーブルを所定回数回転させ、前記酸化膜上に前記第2の元素をドープするドープ工程と、を含む。

【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、酸化膜に所定の元素を高い生産性でドープすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態による成膜方法を実施するのに好適な成膜装置を示す断面図である。
図2図1の成膜装置の真空容器内の構造を示す斜視図である。
図3図1の成膜装置の真空容器内の構造を示す概略上面図である。
図4】反応ガスノズル及び分離ガスノズルを含む図1の成膜装置の一部断面図である。
図5】天井面を含む図1の成膜装置の他の一部断面である。
図6】本発明の実施形態1に係る成膜方法により成膜されたHfON膜の一例を示した図である。
図7】HfON膜のベースとなるHfO膜の単膜の一例を示した図である。
図8】本発明の実施形態1に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。
図9】本発明の実施形態2に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。
図10】本発明の実施形態3に係る成膜方法により成膜されたHfON膜の一例を示した図である。
図11】本発明の実施形態3に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。
図12】本発明の実施形態4に係る成膜方法により窒素をドープする対象となるHfSiO膜の一例を示した図である。
図13】本発明の実施形態4に係る成膜方法により成膜されたHfSiON膜の一例を示した図である。
図14】本発明の実施形態4に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。
図15】本発明の実施形態5に係る成膜方法により成膜されたHfSiON膜の一例を示した図である。
図16】本発明の実施形態5に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。
図17】本発明の実施形態6に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。
図18】本発明の実施形態7に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。なお、添付の全図面中、同一または対応する部材または部品については、同一または対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的とせず、したがって、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定されるべきものである。
【0014】
〔実施形態1〕
(成膜装置)
まず、図1乃至図3を用いて、本発明の実施形態1に係る成膜方法を実施するのに好適な成膜装置について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る成膜方法を実施するのに好適な成膜装置を示す断面図である。図2は、図1の成膜装置の真空容器内の構造を示す斜視図である。また、図3は、図1の成膜装置の真空容器内の構造を示す概略上面である。
【0016】
図1から図3までを参照すると、実施形態1に係る成膜装置は、ほぼ円形の平面形状を有する扁平なチャンバ1と、このチャンバ1内に設けられ、チャンバ1の中心に回転中心を有する回転テーブル2とを備えている。チャンバ1は、有底の円筒形状を有する容器本体12と、容器本体12の上面に対して、例えばOリングなどのシール部材13(図1)を介して気密に着脱可能に配置される天板11とを有している。
【0017】
回転テーブル2は、中心部にて円筒形状のコア部21に固定され、このコア部21は、鉛直方向に伸びる回転軸22の上端に固定されている。回転軸22は、チャンバ1の底部14を貫通し、その下端が回転軸22(図1)を鉛直軸回りに回転させる駆動部23に取り付けられている。回転軸22及び駆動部23は、上面が開口した筒状のケース体20内に収納されている。このケース体20は、その上面に設けられたフランジ部分がチャンバ1の底部14の下面に気密に取り付けられており、ケース体20の内部雰囲気が外部雰囲気から隔離される。
【0018】
また、チャンバ1内の外縁部には、排気口610が設けられ、排気ポート630に連通している。排気ポート630は、圧力調整器650を介して、真空ポンプ640に接続され、チャンバ1内が、排気口610から排気可能に構成されている。
【0019】
回転テーブル2の表面には、図2及び図3に示すように回転方向(周方向)に沿って複数(図示の例では5枚)半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)Wを載置するための円形状の凹部24が設けられている。なお図3には便宜上1個の凹部24だけにウエハWを示す。この凹部24は、ウエハWの直径(例えば300mm)よりも僅かに(例えば2mm)大きい内径と、ウエハWの厚さにほぼ等しい深さとを有している。従って、ウエハWを凹部24に載置すると、ウエハWの表面と回転テーブル2の表面(ウエハWが載置されない領域)とが同じ高さになる。
【0020】
図2及び図3は、チャンバ1内の構造を説明する図であり、説明の便宜上、天板11の図示を省略している。図2及び図3に示すように、回転テーブル2の上方には、各々例えば石英からなる反応ガスノズル31、反応ガスノズル32、及び分離ガスノズル41,42が配置されている。図示の例では、チャンバ1の周方向に間隔をおいて、搬送口15(後述)から時計回り(回転テーブル2の回転方向)に分離ガスノズル41、反応ガスノズル31、分離ガスノズル42、及び反応ガスノズル32の順に配列されている。これらのノズル31、32、41、及び42は、それぞれの基端部であるガス導入ポート31a、32a、41a、及び42a(図3)を容器本体12の外周壁に固定することにより、チャンバ1の外周壁からチャンバ1内に導入され、容器本体12の半径方向に沿って回転テーブル2に対して平行に伸びるように取り付けられている。
【0021】
反応ガスノズル31には、第1の反応ガスが貯留される第1の反応ガス供給源が開閉バルブや流量調整器(ともに不図示)を介して接続され、反応ガスノズル32には、第1の反応ガスと反応する第2の反応ガスが貯留される第2の反応ガス供給源が開閉バルブや流量調整器(ともに不図示)を介して接続されている。
【0022】
ここで、第1の反応ガスは、金属元素又は半導体元素を含むガスであることが好ましく、酸化物又は窒化物となったときに、酸化膜又は窒化膜として用いられ得るものが選択される。第2の反応ガスは、金属元素又は半導体元素と反応して、金属酸化物又は金属窒化物、若しくは半導体酸化物又は半導体窒化物を生成し得る酸化ガス又は窒化ガスが選択される。具体的には、第1の反応ガスは、金属元素(又は半導体元素)を含む有機金属(又は半導体)ガスであることが好ましい。また、第1の反応ガスとしては、ウエハWの表面に対して吸着性を有するガスであることが好ましい。第2の反応ガスとしては、ウエハWの表面に吸着する第1の反応ガスと酸化反応又は窒化反応が可能であり、反応化合物をウエハWの表面に堆積させ得る酸化ガス又は窒化ガスであることが好ましい。
【0023】
具体的には、例えば、第1の反応ガスとしては、ハフニウム元素を含む反応ガスであり、酸化膜としてHfOを形成するテトラキスエチルメチルアミノハフニウム(以下、「TDMAH」と称す。)や、チタン元素を含む反応ガスであり、窒化膜としてTiNを形成するTiCl等であってもよい。第2の反応ガスとしては、酸化ガスとして例えばオゾンガス(O)が用いられてもよく、窒化ガスとして例えばアンモニアガス(NH)が用いられてもよい。
【0024】
また、分離ガスノズル41、42には、ArやHeなどの希ガスや窒素(N)ガスなどの不活性ガスの供給源が開閉バルブや流量調整器(ともに不図示)を介して接続されている。本実施形態においては、不活性ガスとしてNガスが使用される。
【0025】
図4は、反応ノズル31、32及び分離ガスを含む図1の成膜装置の一部断面図である。図4に示すように、反応ガスノズル31、32には、回転テーブル2に向かって下方に開口する複数のガス吐出孔33が、反応ガスノズル31、32の長さ方向に沿って、例えば10mmの間隔で配列されている。図3に示すように、反応ガスノズル31の下方領域は、第1の反応ガスをウエハWに吸着させるための第1の処理領域P1となる。反応ガスノズル32の下方領域は、第1の処理領域P1においてウエハWに吸着された第1の反応ガスを酸化又は窒化させる第2の処理領域P2となる。また、分離ガスノズル41、42の下方領域は、第1の処理領域P1と第2の処理領域P2とを分離し、第1の反応ガスと第2の反応ガスとの混合を防止する分離領域Dとなる。
【0026】
図2及び図3を参照すると、チャンバ1内には2つの凸状部4が設けられている。凸状部4は、頂部が円弧状に切断された略扇型の平面形状を有し、本実施形態においては、内円弧が突出部5(後述)に連結し、外円弧が、チャンバ1の容器本体12の内周面に沿うように配置されている。
【0027】
図4は、反応ガスノズル31から反応ガスノズル32まで回転テーブル2の同心円に沿ったチャンバ1の断面を示している。図示のとおり、凸状部4は、天板11の裏面に取り付けられている。このため、チャンバ1内には、凸状部4の下面である平坦な低い天井面44(第1の天井面)と、この天井面44の周方向両側に位置する、天井面44よりも高い天井面45(第2の天井面)とが存在している。
【0028】
また、図4に示す通り、凸状部4には周方向中央において溝部43が形成されており、溝部43は、回転テーブル2の半径方向に沿って延びている。溝部43には、分離ガスノズル42が収容されている。もう一つの凸状部4にも同様に溝部43が形成され、ここに分離ガスノズル41が収容されている。なお、図4において、分離ガスノズル42に形成されるガス吐出孔42hが示されている。ガス吐出孔42hは、分離ガスノズル42の長手方向に沿って所定の間隔(例えば10mm)をあけて複数個形成されている。また、ガス吐出孔の開口径は例えば0.3から1.0mmである。図示を省略するが、分離ガスノズル41にも同様にガス吐出孔が形成されている。
【0029】
高い天井面45の下方の空間には、反応ガスノズル31、32がそれぞれ設けられている。これらの反応ガスノズル31、32は、天井面45から離間してウエハWの近傍に設けられている。なお、説明の便宜上、図4において、反応ガスノズル31が設けられる、高い天井面45の下方を空間481で表し、反応ガスノズル32が設けられる、高い天井面45の下方を空間482で表す。
【0030】
低い天井面44は、狭隘な空間である分離空間Hを回転テーブル2に対して形成している。分離ガスノズル42からNガスが供給されると、このNガスは、分離空間Hを通じて空間481及び空間482へ向かって流れる。このとき、分離空間Hの容積は空間481及び482の容積よりも小さいため、Nガスにより分離空間Hの圧力を空間481及び482の圧力に比べて高くすることができる。すなわち、空間481及び482の間において、分離空間Hは圧力障壁を提供する。しかも、分離空間Hから空間481及び482へ流れ出るNガスは、第1の領域P1からの第1の反応ガスと、第2の領域P2からの第2の反応ガス(酸化ガス又は窒化ガス)とに対するカウンターフローとして働く。したがって、第1の領域P1からの第1の反応ガスと、第2の領域P2からの第2の反応ガスとが、分離空間Hにより分離される。よって、チャンバ1内において第1の反応ガスと酸化ガス又は窒化ガスとが混合して反応することが抑制される。
【0031】
なお、回転テーブル2の上面に対する天井面44の高さh1は、成膜時のチャンバ1内の圧力、回転テーブル2の回転速度、供給する分離ガス(Nガス)の供給量などを考慮し、分離空間Hの圧力を空間481及び482の圧力に比べて高くするのに適した高さに設定することが好ましい。
【0032】
再び図1乃至図3を参照すると、天板11の下面には、回転テーブル2を固定するコア部21の外周を囲むように突出部5が設けられている。この突出部5は、本実施形態においては、凸状部4における回転中心側の部位と連続しており、その下面が天井面44と同じ高さに形成されている。
【0033】
先に参照した図1は、図3のI−I'線に沿った断面図であり、天井面45が設けられている領域を示している。
【0034】
図5は、天井面44が設けられている領域を示す一部断面図である。図5に示すように、略扇型の凸状部4の周縁部(チャンバ1の外縁側の部位)には、回転テーブル2の外端面に対向するようにL字型に屈曲する屈曲部46が形成されている。この屈曲部46は、回転テーブル2と容器本体12の内周面との間の空間を通して、空間481及び空間482の間でガスが流通するのを抑制する。扇型の凸状部4は天板11に設けられ、天板11が容器本体12から取り外せるようになっていることから、屈曲部46の外周面と容器本体12との間には僅かに隙間がある。屈曲部46の内周面と回転テーブル2の外端面との隙間、及び屈曲部46の外周面と容器本体12との隙間は、例えば回転テーブル2の上面に対する天井面44の高さと同様の寸法に設定されている。
【0035】
再び図3を参照すると、回転テーブル2と容器本体の内周面との間において、空間481と連通する第1の排気口610と、空間482と連通する第2の排気口620とが形成されている。第1の排気口610及び第2の排気口620は、図1に示すように各々排気管630を介して真空排気手段である例えば真空ポンプ640に接続されている。
【0036】
回転テーブル2とチャンバ1の底部14との間の空間には、図1及び図5に示すように加熱手段であるヒータユニット7が設けられ、回転テーブル2を介して回転テーブル2上のウエハWが、プロセスレシピで決められた温度(例えば450℃)に加熱される。回転テーブル2の周縁付近の下方側には、回転テーブル2の下方の空間へガスが侵入するのを抑えるために、リング状のカバー部材71が設けられている。図5に示すように、このカバー部材71は、回転テーブル2の外縁部及び外縁部よりも外周側を下方側から臨むように設けられた内側部材71aと、この内側部材71aとチャンバ1の内壁面との間に設けられた外側部材71bと、を備えている。外側部材71bは、凸状部4の外縁部に形成された屈曲部46の下方にて、屈曲部46と近接して設けられ、内側部材71aは、回転テーブル2の外縁部下方(及び外縁部よりも僅かに外側の部分の下方)において、ヒータユニット7を全周に亘って取り囲んでいる。
【0037】
図1に示すように、ヒータユニット7が配置されている空間よりも回転中心寄りの部位における底部14は、回転テーブル2の下面の中心部付近におけるコア部21に接近するように上方側に突出して突出部12aをなしている。この突出部12aとコア部21との間は狭い空間になっている。また、底部14を貫通する回転軸22の貫通孔の内周面と回転軸22との隙間が狭くなっていて、これら狭い空間はケース体20に連通している。そしてケース体20にはパージガスであるNガスを狭い空間内に供給してパージするためのパージガス供給管72が設けられている。さらに、チャンバ1の底部14には、ヒータユニット7の下方において周方向に所定の角度間隔で、ヒータユニット7の配置空間をパージするための複数のパージガス供給管73が設けられている(図5には一つのパージガス供給管73を示す)。さらにまた、ヒータユニット7と回転テーブル2との間には、ヒータユニット7が設けられた領域へのガスの侵入を抑えるために、外側部材71bの内周壁(内側部材71aの上面)から突出部12aの上端部との間を周方向に亘って覆う蓋部材7aが設けられている。蓋部材7aは例えば石英で作製することができる。
【0038】
パージガス供給管72からNガスを供給すると、このNガスは、回転軸22の貫通孔の内周面と回転軸22との隙間と、突出部12aとコア部21との間の隙間とを通じて、回転テーブル2と蓋部材7aとの間の空間を流れ、第1の排気口610又は第2の排気口620(図3)から排気される。また、回転パージガス供給管73からNガスを供給すると、このNガスは、ヒータユニット7が収容される空間から、蓋部材7aと内側部材71aとの間の隙間(不図示)を通じて流出し、第1の排気口610又は第2の排気口620(図3)から排気される。これらNガスの流れにより、チャンバ1の中央下方の空間と、回転テーブル2の下方の空間とを通じて、空間481及び空間482内のガスが混合するのを抑制することができる。
【0039】
また、チャンバ1の天板11の中心部には分離ガス供給管51が接続されていて、天板11とコア部21との間の空間52に分離ガスであるNガスを供給するように構成されている。この空間52に供給された分離ガスは、突出部5と回転テーブル2との狭い隙間50を介して回転テーブル2のウエハ載置領域側の表面に沿って周縁に向けて吐出される。空間50は分離ガスにより空間481及び空間482よりも高い圧力に維持され得る。従って、空間50により、第1の処理領域P1に供給される第1の反応ガスと、第2の処理領域P2に供給される第2の反応ガスとが、中心領域Cを通って混合することが抑制される。すなわち、空間50(又は中心領域C)は分離空間H(又は分離領域D)と同様に機能することができる。
【0040】
さらに、チャンバ1の側壁には、図2図3に示すように、外部の搬送アーム10と回転テーブル2との間で基板であるウエハWの受け渡しを行うための搬送口15が形成されている。この搬送口15は図示しないゲートバルブにより開閉される。また回転テーブル2におけるウエハ載置領域である凹部24はこの搬送口15に臨む位置にて搬送アーム10との間でウエハWの受け渡しが行われることから、回転テーブル2の下方側において受け渡し位置に対応する部位に、凹部24を貫通してウエハWを裏面から持ち上げるための受け渡し用の昇降ピン及びその昇降機構(いずれも図示せず)が設けられている。
【0041】
また、本実施形態による成膜装置には、図1に示すように、装置全体の動作のコントロールを行うためのコンピュータからなる制御部100が設けられており、この制御部100のメモリ内には、制御部100の制御の下に、後述する成膜方法を成膜装置に実施させるプログラムが格納されている。このプログラムは後述の成膜方法を実行するようにステップ群が組まれており、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスクなどの媒体102に記憶されており、所定の読み取り装置により記憶部101へ読み込まれ、制御部100内にインストールされる。
【0042】
(成膜方法)
次に、図1乃至図5において説明した成膜装置を用いた本発明の実施形態1に係る成膜方法について説明する。
【0043】
図6は、本発明の実施形態1に係る成膜方法により成膜されたHfON膜の一例を示した図である。図6に示されるように、HfO膜とHfON膜が交互に形成された状態となっているが、これは、HfO層をベースとして、HfO層の上層に窒素元素(N)がドープされたHfON層が多層に形成された状態を意味している。
【0044】
図7は、HfON膜のベースとなるHfO膜の単膜の一例を示した図である。図7に示すように、HfO膜は、単膜であるので、HfO膜のみで構成される。
【0045】
一方、図6に戻ると、ベースとなるHfO膜の所定間隔毎に、HfON膜が形成された状態が示されている。実際の成膜プロセスでは、所定の膜厚でHfO膜を成膜し、成膜した最上層にNをドープしてHfON層を形成し、次いで次の層のHfO層を形成し、最上層にNをドープしてHfON層を形成する、というサイクルを繰り返すことにより、図6に示すHfON膜が成膜される。実施形態1においては、図6に示したような、HfO膜にNをドープして多層のHfON膜を成膜するプロセスについて説明する。
【0046】
なお、図6においては、図示の関係上、HfO膜とHfON膜の境界が明確となっているが、実際の膜では、HfON膜のNの濃度は下方に行くにつれて徐々に低下し、HfO膜とHfON膜の境界はもっと曖昧なものとなる。また、HfON膜は、高い誘電率を有するいわゆるHigh−k膜として用いられている膜である。
【0047】
図8は、本発明の実施形態1に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。図8において、回転テーブル2と、第1の処理領域P1及び反応ガスノズル31と、第2の処理領域P2及び反応ガスノズル32と、分離領域D及び分離ノズル41、42が簡略的に示されている。
【0048】
図8に示された成膜プロセスを実施する前に、ウエハWがチャンバ1内に搬入され、回転テーブル2の上に載置される必要がある。そのためには、まず、図示しないゲートバルブを開き、搬送アーム10により搬送口15(図3)を介してウエハWを回転テーブル2の凹部24内に受け渡す。この受け渡しは、凹部24が搬送口15に対向する位置に停止したときに、凹部24の底面の貫通孔を介してチャンバ1の底部側から不図示の昇降ピンが昇降することにより行われる。このようなウエハWの受け渡しを、回転テーブル2を間欠的に回転させて行い、回転テーブル2の5つの凹部24内に夫々ウエハWを載置する。
【0049】
続いてゲートバルブを閉じ、真空ポンプ640によりチャンバ1を最低到達真空度まで排気する。この状態から、以下のように図8に示す成膜プロセスを実施する。
【0050】
図8のStep1において、待機工程が行われる。待機工程においては、分離ガスノズル41、42から分離ガスであるNガスを所定の流量で吐出し、分離ガス供給管51及びパージガス供給管72、72(図1参照)からもNガスを所定の流量で吐出する。また、反応ノズル31からはNガス、反応ノズル32からはArガスを所定の流量で吐出する。Arガスは希ガスであり、不活性ガスの一種である。また、Nガスは希ガスではないが、不活性ガスの一種である。つまり、総てのノズル31、32、41、42から不活性ガスを吐出する。これにより、チャンバ1内の雰囲気は、不活性ガス雰囲気となる。これに伴い、圧力調整器650によりチャンバ1内を予め設定した処理圧力に調整する。次いで、回転テーブル2を時計回りに所定の回転速度で回転させながら、ヒータユニット7によりウエハWを例えば50℃から650℃までの範囲の温度に加熱する。これにより、成膜プロセス開始の準備が整った待機状態となる。なお、回転テーブル2の回転速度は、用途に応じて、例えば1rpm〜240rpmの範囲で可変とすることができるが、本実施形態に係る成膜方法では、6rpmの回転速度で回転テーブル2を回転させる例を挙げて説明する。
【0051】
なお、本実施形態では、分離ノズル41、42及び反応ガスノズル31からはNガスをパージし、反応ガスノズル32からはArガスを吐出しているが、これら不活性ガスの種類の組み合わせは、用途に応じて適宜変更してもよい。例えば、反応ガスノズル31、32の双方から、ArガスやHeガス等の希ガスを供給するようにしてもよいし、逆に、反応ガスノズル32からもNガスを供給してもよい。この点は、分離ノズル41、42についても同様であり、用途に応じて所望の不活性ガスを選択することができる。
【0052】
Step2では、第1の酸化ガス・フロー工程が行われる。第1の酸化ガス・フロー工程においては、第1の処理領域P1の反応ガスノズル31及び分離ガスノズル41、42からは継続的にNガスが供給されるが、第2の処理領域P2の反応ガスノズル32からは、酸化ガスとしてOガスが供給される。そして、少なくとも1回回転テーブル2が回転する間は、この状態を継続する。なお、ウエハWは、Step1から連続的に所定の回転速度で回転しており、本実施形態においては、6rpmで回転している。酸化ガス・プリフロー工程は、ウエハWの表面の全体を酸化ガスに曝すプロセスであり、下地準備として、ウエハWの最表面を酸化する処理を行う。これにより、回転テーブル2の周方向に沿って配置された複数のウエハWの各々にOガスを供給して酸化処理し、複数のウエハWをほぼ同じ状態にすることができる。なお、回転テーブル2を少なくとも1回回転させるのは、Oガスは反応ガスノズル32のみから供給されており、供給開始時の位置に関わらず複数枚の総てのウエハWの表面にOガスを供給するためには、回転テーブル2を最低1回転させ、総てのウエハWに必ず反応ガスノズル32の下方を通過させる必要があるからである。
【0053】
なお、Oガスの供給は、酸化を最低限にするような制約のあるプロセスでなければ、ウエハWを複数回回転させて行っても何ら問題は無いので、Oガスを供給した状態でウエハWを1回転より多く回転させてもよい。例えば、第1の酸化ガス・フロー工程において、ウエハWを2〜3回回転させてもよいし、1.5回転等、端数が出るような回転数であってもよい。
【0054】
なお、第1の酸化ガス・フロー工程は、HfO成膜工程の前に行われる酸化工程であることから、プリ酸化工程と呼んでもよい。
【0055】
Step3では、HfO成膜工程が行われる。HfO成膜工程においては、ウエハWに対し、反応ガスノズル31からHf含有有機金属ガスの一種であるテトラキスエチルメチルアミノハフニウム(TDMAH)ガスを供給し、反応ガスノズル32からOガスを供給する。すなわち、HfO成膜工程においてはTDMAHガスとOガスとが同時に供給される。ただし、これらのガスは分離領域Dにより分離され、チャンバ1内で互いに混合することは殆ど無い。
【0056】
TDMAHガスとOガスとが同時に供給されるときに、回転テーブル2の回転によりウエハWが第1の処理領域P1を通過すると、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程において酸化処理されたウエハWの表面にTEMAZガスが吸着する。このとき、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程において、総てのウエハWの表面が酸化処理されているので、TEMAZガスは、総てのウエハWの表面上に問題無く吸着できる。次いで、第2の処理領域P2を通過すると、ウエハWの表面に吸着したTDMAHガスがOガスにより酸化され、ウエハWの表面にHfO膜(主にHfOの分子層)が成膜される。以下、所望の膜厚を有するHfO膜が成膜されるまで、所定の回数分回転テーブル2を回転させる。つまり、Step3のHfO成膜工程では、HfO膜が所望の膜厚となるまで回転テーブル2の回転が繰り返されてよい。回転テーブル2の1回転で、1層分のHfO膜が形成されるので、回転数の調節によりHfO膜の膜厚を制御することができる。
【0057】
そして、TDMAHガスとOガスとの供給を停止することにより、Step3のHfO成膜工程が終了する。TDMAHガスとOガスの供給停止は、ほぼ同時に行われるので、Step3のHfO成膜工程の終了段階では、表面にTDMAHガスが吸着したままの状態のウエハWと、TDMAHガス吸着後にOガスが供給されてHfO膜が形成された状態のウエハWが混在している。
【0058】
Step4では、第2の酸化ガス・フロー工程が行われる。第2の酸化ガス・フロー工程では、第1の処理領域P1に設けられた反応ガスノズル31及び分離領域Dに設けられた分離ガスノズル41、42からNガスが供給され、第2の処理領域P2に設けられた反応ガスノズル32からはOガスが供給される。この状態で少なくとも1回回転テーブル2が回転し、回転テーブル2の上面に載置された複数のウエハWの総てがOガスに曝される。これにより、第2の処理領域P2を通過した地点でStep3のHfO成膜工程が終了したウエハWであっても、第2の酸化ガス・フロー工程において必ず第2の処理領域P2を通過し、酸化処理が行われてHfO膜が形成された状態でHfO成膜プロセスを終了することができる。
【0059】
なお、第2の酸化ガス・フロー工程は、HfO成膜工程の直後に行われる成膜工程であるため、ポスト酸化工程と呼んでもよい。
【0060】
また、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程と、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程とは、同じ回転数で行われてもよいし、異なる回転数で行われてもよい。スループットを高める観点から、例えば、両工程とも1回転だけ回転テーブル2を回転させる処理内容としてもよい。第1の酸化ガス・フロー工程と第2の酸化ガス・フロー工程は、互いに独立しているので、両工程とも、用途に応じて自在に回転数を設定することができる。
【0061】
Step5では、第1のパージ工程が行われる。第1のパージ工程では、Oガスを排気するとともに、反応ガスノズル31からはNガスを供給し、反応ガスノズル32からはArガスを供給し、分離ガスノズル41、42からは、分離ガスとしてNガスを引き続き供給した状態で回転テーブル2を所定回数回転させ、チャンバ1内を不活性ガス雰囲気とする。これにより、Oガスはチャンバ1内から除去され、HfO膜の酸化が一旦停止される。なお、図8においては、反応ガスノズル31からNガスが供給され、反応ガスノズル32からArガスが供給されているが、これらは、Nガス及び希ガスを含む不活性ガスであれば、種々のものを選択でき、組み合わせも任意の組み合わせとすることができる。また、回転テーブル2の回転数は、チャンバ1内を不活性ガス雰囲気にすることができれば、何回転であってもよい。
【0062】
Step6では、窒素ドープ工程が行われる。窒素ドープ工程においては、反応ガスノズル31からはNガスが供給され、反応ガスノズル32からはNHガスが供給され、分離ガスノズル41、42からはNガスが供給された状態で回転テーブル2を所定回数回転させ、HfO膜の表面に窒素をドープする。なお、NHは、窒化ガスとして供給されるが、その際、必要に応じてプラズマ処理を行うようにしてもよい。チャンバ1内は、300℃程度の比較的低い温度でプロセスが実行されているが、300℃程度の温度だと、窒素の活性化が十分でない場合が多いため、窒素をラジカル化すべく、反応ガスノズル32から供給されたNHガスにプラズマ処理を行い、ラジカル化されたNHイオンをHfO膜の表面に供給することが好ましい。これにより、窒素の反応を促進し、窒素ドープを適切に行うことができる。
【0063】
プラズマ処理は、種々の方式により行ってよいが、例えば、誘導結合プラズマ(ICP、Inductively Coupled Plasma)方式を用いて、RF(高周波、Radio Frequency)コイルによる誘導磁界によりプラズマを発生させることにより行ってもよい。
【0064】
回転テーブル2の回転数は、必要なNドープを行うのに必要な所定回数に設定されてよい。窒素のラジカルは、比較的短寿命であり、窒化を行うのは容易ではない場合が多い。よって、窒素ドープ工程においては、窒化反応が比較的困難である点を考慮し、所定量のNドープを行うのに必要なだけ、窒素ドープ工程を行うようにしてよい。
【0065】
なお、ドープとは、微量の不純物を添加することを意味し、本実施形態においては、HfO膜に微量のNを添加することを意味する。
【0066】
Step7では、第2のパージ工程が行われる。第2のパージ工程では、第1のパージ工程と同様に、反応ガスノズル31からArガスが供給され、反応ガスノズル32からNガスが供給され、分離ガスノズル41、42からNガスが供給された状態で、所定回数回転テーブル2を回転させる。第2のパージ工程により、窒素ドープ工程でドープされた窒素をHfO膜上に定着させる。なお、第2のパージ工程においても、不活性ガスであれば、反応ガスノズル31、32から供給するガスは、種々のものとすることができる。
【0067】
Step7の第2のパージ工程の後は、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程に戻る。第1の酸化ガス・フロー工程では、上述の通り、反応ガスノズル31からNガスが供給され、反応ガスノズル32からOガスが供給され、分離ガスノズル41、42からNガスが供給された状態で回転テーブル2が少なくとも1回転する。これにより、ウエハWの表面を酸化し、酸化した状態で再びHfO成膜工程を実施する。
【0068】
Step2〜Step7の工程を1サイクルとし、当該サイクルを必要な回数繰り返して図6に示したHfON層が多層で形成された構成の成膜を行う。これにより、HfO層の表面にNがドープされたHfON層を多層に亘って形成し、多層構造のHfON膜を成膜することができる。
【0069】
Step2〜Step7のサイクルを所定回数繰り返した後は、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程とStep3のHfO成膜工程を1回ずつ行い、Step8の第3の酸化ガス・フロー工程に移る。
【0070】
Step8の第3の酸化ガス・フロー工程は、第2の酸化ガス・フロー工程と同様の工程であり、最後のHfO成膜工程でウエハWの表面上に吸着したままのTDMAHガスを総て酸化する工程である。よって、反応ガスノズル32からOガスが供給されるとともに、反応ガスノズル31及び分離ガスノズル41、42からNガスが供給され、ウエハWの表面の酸化が行われる。
【0071】
なお、第3の酸化ガス・フロー工程は、HfO膜の膜質改善のため、第1及び第2の酸化ガス・フロー工程よりも長時間行うようにしてもよい。これにより、形成されたHfO膜に十分に酸素を供給することができ、HfO膜の膜質を向上させることができる。
【0072】
また、第1乃至第3の酸化ガス・フロー工程及びHfO成膜工程で用いる酸化ガスについては、図8においては、Oガスを用いた例を挙げて説明したが、種々の酸化ガスを用いることができ、例えば、水(HO)、酸素、ラジカル酸素等のガスを用いるようにしてもよい。
【0073】
Step9の待機工程では、反応ガスノズル31からはNガス、反応ガスノズル32からはArガス、分離ガスノズル41、42からはNガスと、総てのノズル31,32、41、42から不活性ガスが供給された状態で、ウエハWを回転させる。これにて最終的な酸化ガス・フロー工程も終了し、再び待機状態となる。これにより、HfON成膜プロセスを終了する。
【0074】
なお、Step5で説明した第1のパージ工程及びStep7で説明した第2のパージ工程は、必ずしも必須ではなく、必要に応じて設けるようにしてよい。但し、Step6の窒素ドープ工程を適切に行うためには、窒素ドープ工程の前後に第1及び第2のパージ工程を設ける方が好ましい。
【0075】
同様に、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程及びStep8の第3の酸化ガス・フロー工程についても、適切なHfO成膜工程を行う観点から設けることが好ましいが、他の条件等の工夫により、HfO成膜工程において適切にHfO成膜を行うことが可能である場合には、省略することも可能である。
【0076】
このように、実施形態1に係る成膜方法によれば、HfO膜の酸化膜層を形成した後にNをドープする工程を設けることにより、Nドープを膜内に分布させつつ確実に行うことができ、回転テーブル式による高い生産性を維持しつつHfON膜を成膜することができる。
【0077】
〔実施形態2〕
図9は、本発明の実施形態2に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。実施形態2においては、図6に示したHfON膜を、実施形態1とは異なる成膜プロセスで形成する成膜方法について説明する。なお、実施形態2においても、成膜装置は実施形態1において説明した成膜装置を用いるので、その説明は省略する。なお、実施形態1と同様の成膜装置を用いる点は、以後の実施形態においても同様とする。
【0078】
図9において、Step1では、待機工程が行われる。待機工程は、実施形態1のStep1における待機工程と同様であるので、その説明を省略する。なお、待機工程に入る前のウエハWの搬入の手順についても、実施形態1の説明と同様であるので、その説明を省略する。
【0079】
Step2の第1の酸化ガス・フロー工程(プリ酸化工程)、Step3のHfO成膜工程、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程(ポスト酸化工程)、Step5の第1のパージ工程、Step6の窒素ドープ工程及びStep7の第2のパージ工程は、実施形態1に係る成膜方法のStep2〜Step7と同様であるので、その説明を省略する。
【0080】
Step8では、Hf原料ガス供給工程が行われる。Hf原料ガス供給工程においては、反応ガスノズル31からHfの原料ガスであるTDMAHガスが供給され、反応ガスノズル32からArガスが供給され、分離ガスノズル41,42からNガスが供給された状態で、回転テーブル2を所定回数回転させる。
【0081】
実施形態1において説明したように、Step6の窒素ドープ工程においては、300℃程度の低温プロセスのため、窒素が活性化し難い傾向にある。一方、Oガスの方は、300℃程度で十分活性化し、容易に反応する状態にある。このような状態で、Step7の第2のパージ工程からStep3のHfO成膜工程に直接移行し、Oガスが連続的に供給されると、Oガスの反応の方が激しいため、NがウエハWの表面に残らずに消滅してしまい、Nドープが適切に行われないおそれがある。
【0082】
よって、そのような状態を回避すべく、Hf原料ガス供給工程を設け、Oガスによる反応を緩和させている。TDMAHガスを先に供給してウエハWの表面に吸着させることにより、Step3のHfO成膜工程に入ったときに、酸化すべきTDMAHガスが多く存在するので、表面に添加した窒素を消散させてしまう現象を防ぐことができる。
【0083】
このような目的でHf原料ガス供給工程を設けているので、Hf原料ガス供給工程においては、Step3のHfO成膜工程で、ドープした窒素が適切に残留するように、回転テーブル2は、必要な所定回数回転させるようにする。
【0084】
このように、窒素ドープ工程の後にHf原料ガス供給工程を設けることにより、窒素のドープをより確実なものとすることができる。
【0085】
実施形態2に係る成膜方法においては、Step3のHfO成膜工程からStep8のHf原料ガス供給工程までを1サイクルとし、当該サイクルを、図6に示した多層構造のHfON膜を成膜するのに必要な所定回数だけ繰り返す。これにより、実施形態1に係る成膜方法と同様に、多層構造のHfON膜を成膜することができる。
【0086】
Step3〜Step8のサイクルを所定回数繰り返した後は、Step3のHfO成膜工程を1回実施した後、Step9の第3の酸化ガス・フロー工程に移行する。
【0087】
Step9の第3の酸化ガス・フロー工程は、実施形態1のStep8で説明した第3の酸化ガス・フロー工程と同様の工程であるので、その説明を省略する。
【0088】
Step10では、待機工程が行われるが、待機工程も、実施形態1のStep9で説明した待機工程と同様であるので、その説明を省略する。
【0089】
なお、上述の各工程において、第1及び第2のパージ工程と、第1乃至第3の酸化ガス・フロー工程は、用途、条件等に応じて適宜省略が可能である点も、実施形態1に係る成膜方法と同様である。
【0090】
実施形態2に係る成膜方法によれば、窒素ドープ工程後のNの消散を防止し、確実に多層構造のHfON膜を成膜することができる。
【0091】
〔実施形態3〕
図10は、本発明の実施形態3に係る成膜方法により成膜されたHfON膜の一例を示した図である。実施形態3に係る成膜方法においては、実施形態1、2で示した多層構造のHfON膜ではなく、図7で示した単膜のHfO膜の上面にNをドープ(添加)した構造のHfON膜を成膜する成膜方法について説明する。
【0092】
なお、実施形態3に係る成膜方法においても、用いる成膜装置は実施形態1において説明した成膜装置と同様の成膜装置であるので、その説明を省略する。
【0093】
図11は、本発明の実施形態3に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。図11において、Step1の待機工程、Step2の第1の酸素ガス・フロー工程(プリ酸化工程)、Step3のHfO成膜工程、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程(ポスト酸化工程)、Step5の第1のパージ工程、Step6の窒素ドープ工程及びStep7のパージ工程が示されている。このうち、Step1〜Step6までは、図8に示した実施形態1に係る成膜方法のシーケンス図の、Step1〜Step6と同様の工程である。
【0094】
また、図11におけるStep7の待機工程は、名称は異なるが、図8におけるStep7の第2のパージ工程と同様である。よって、実施形態3に係る成膜方向は、シーケンス的には、図8に示した実施形態1に係る成膜方法のStep1〜Step7を1回だけ実施したプロセスと考えてよい。よって、各工程の具体的な処理内容については、その説明を省略する。
【0095】
しかしながら、実施形態3に係る成膜方法では、HfO膜の単膜を厚く形成するため、Step3のHfO成膜工程の時間は、実施形態1に係る成膜方法のStep3のHfO成膜工程1回の時間よりも相当に長くなる。つまり、実施形態3に係る成膜方法では、Step3のHfO成膜工程において、図7に示したような厚いHfO膜の単膜を成膜するために必要な所定回数分、回転テーブル2を回転させてHfO膜の成膜を繰り返す。この点で、実施形態3に係る成膜方法は、実施形態1において説明した成膜方法の工程と異なっている。
【0096】
また、図6図10を比較すると分かるように、HfON層の膜厚も、実施形態3に係る成膜方法により成膜されたHfON膜の方が厚い。よって、Step6の窒素ドープ工程についても、実施形態3に係る成膜方法の方が、実施形態1に係る成膜方法よりも長時間実施するようにする。これにより、HfO膜の単膜の上面に窒素がドープ(添加)され、HfON層が形成された構造のHfON膜を成膜することができる。
【0097】
その他の工程については、工程実施時間も含めて、実施形態1に係る成膜方法と同様と考えてよいので、その説明を省略する。
【0098】
なお、最後のStep7の待機工程については、図8の実施形態1に係る成膜方法のシーケンスにおいて、Step1〜Step6を実行した後、Step9の待機工程にジャンプし、Step9の待機工程を本実施形態に係る成膜方法の待機工程に対応させてもよい。双方ともパージ工程であり、反応ガスノズル32からArガスを供給し、反応ガスノズル31及び分離ガスノズル41、42からはNガスを供給しつつ回転テーブル2を回転させている点において何ら相違は無いので、いずれの工程を対応させてもよい。
【0099】
また、上述の各工程において、第1のパージ工程及び終了時の待機工程と、第1及び第2の酸化ガス・フロー工程は、用途、条件等に応じて適宜省略が可能である点も、実施形態1に係る成膜方法と同様である。
【0100】
実施形態3に係る成膜方法によれば、簡素なシーケンスにより、簡素な構造のHfON膜を成膜することができる。
【0101】
〔実施形態4〕
図12は、本発明の実施形態4に係る成膜方法により窒素をドープする対象となるHfSiO膜の一例を示した図である。HfSiO膜は、酸素以外にHfとSiという2種類の元素を含む複合酸化膜であり、図12に示すように、複数のHfO膜とSiO膜とが交互に積層されたラミネート構造を有する。なお、HfO膜とSiO膜のラミネート構造の場合、HfO膜の方が主体となり、SiO膜はHfO膜よりも薄い膜厚で成膜される場合が多いので、図12においても、HfO膜の方がSiO膜よりも厚い膜厚を有する構造を示している。実施形態4に係る成膜方法においては、このような複数種類の元素の酸化膜が積層されたラミネート構造を有する多元素酸化膜に窒素をドープする成膜方法について説明する。
【0102】
図13は、本発明の実施形態4に係る成膜方法により成膜されたHfSiON膜の一例を示した図である。実施形態4に係る成膜方法においては、各SiO膜の上面に、窒素をドープすることにより、HfSiON膜を成膜する。つまり、実施形態2に係る成膜方法においては、HfSiON層を複数積層することにより、全体として1つのHfSiON膜を構成する成膜方法について説明する。
【0103】
図14は、本発明の実施形態4に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。図14において、Step1の待機工程、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程、Step3のHfO成膜工程、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程は、実施形態1に係る成膜方法の図8のStep1〜Step4と同様であるので、その説明を省略する。
【0104】
Step5では、SiO成膜工程が行われる。SiO成膜工程では、第1の処理領域P1の反応ガスノズル31からトリスジメチルアミノシラン(3DMAS)ガスを供給し、第2の処理領域P2の反応ガスノズル32からはOガスを供給する。また、分離ガスノズル41、42からは、Nガスを供給する。そして、その状態で回転テーブル2を所定回数回転させ、HfO膜上に所定の膜厚のSiO膜を成膜する。
【0105】
SiO成膜工程では、第1の処理領域P1において、反応ガスノズル31から、Siを含有する原料ガスである3DMASが供給され、HfO膜上に3DMASガスが吸着する。そして、回転テーブル2の回転により分離領域Dで分離ガスノズル42からNガスが供給されてパージされた後、第2の処理領域P2において反応ガスノズル32からOガスが供給される。第2の処理領域P2内において、HfO膜上に吸着した3DMASガスが酸化され、SiO膜(主にSiO膜)が成膜される。そして、SiO成膜後は分離領域Dで分離ガスノズル41からNガスがパージされ、また第1の処理領域P1で3DMASガスが供給されるというサイクルを繰り返す。SiOの分子層が1回転に1層ずつ形成されてゆき、所定の膜厚のSiO膜を得るまで、上述のサイクルを繰り返す。このようにして、SiO成膜工程においては、所望の膜厚のSiO膜を得る。
【0106】
Step6では、第3の酸化ガス・フロー工程が行われる。第3の酸化ガス・フロー工程は、回転テーブル2上に載置された複数枚のウエハWのうち、最後に3DMASガスが吸着したままの状態のウエハWも酸化ガスに曝し、総ての3DMASガスを酸化してSiO膜を酸化するために行う工程であり、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程と同様の工程である。つまり、SiO成膜工程に対応するポスト酸化工程である。よって、処理内容自体は、実施形態1における図8のStep4の第2の酸化ガス・フロー工程と同様であるので、その説明を省略する。
【0107】
Step7の第1のパージ工程、Step8の窒素ドープ工程、Step9の第2のパージ工程及びStep10のHf原料ガス供給工程は、図9に示した実施形態2に係る成膜方法のStep5〜Step8と同様であるため、その説明を省略する。なお、より詳細には、Step7の第1のパージ工程、Step8の窒素ドープ工程及びStep9の第2のパージ工程は、図8に示した実施形態1に係る成膜方法のStep5〜Step7と同様である。
【0108】
Step3のHfO成膜工から、Step10のHf原料ガス供給工程を1サイクルとし、当該サイクルを繰り返すことにより、図13に示した多層のHfSiON膜が成膜されてゆく。つまり、1サイクルでHfSiON層が1層形成され、所望の数のHfSiON層を形成することにより、多層のHfSiON膜を成膜する。
【0109】
サイクル内において、Step10のHf原料ガス供給工程からStep6の第2の酸化ガス・フロー工程が、図12に示したHfSiO膜を成膜するプロセスであり、Step7の第1のパージ工程からStep9の第2のパージ工程が、窒素をSiO膜上にドープするための工程である。成膜工程については、より詳細には、Step10のHf原料ガス供給工程からStep4の第2の酸化ガス・フローがHfO膜を成膜する工程であり、Step4の第2の酸化ガス・フローからStep6の第3の酸化ガス・フローまでがSiO膜を成膜する工程であり、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程は、Step3のHfO成膜工程のポスト酸化工程として機能するとともに、Step5のSiO成膜工程のプリ酸化工程として機能している。
【0110】
このように、2種類の異なる元素の酸化膜を積層する場合には、最初の酸化膜の成膜工程後のポスト酸化工程と、2番目の酸化膜の成膜工程のプリ酸化工程を兼用することができ、全体として酸化工程を減らすことができる。また、2番目の酸化膜の成膜後に窒素ドープ工程を設け、これを1つのサイクルとすることにより、回転テーブル2の回転に伴い、Nドープされた複合酸化膜であるHfSiON層を多層に亘り形成し、多層構造のHfSiON膜を形成することができる。更に、窒素ドープの後にHf原料ガス供給工程を設けることにより、窒素ドープの確実性を高めることができる。
【0111】
このように、回転テーブル2を連続的に回転させ、供給ガスを順次切り替えてHfSiON層を形成するサイクルを確立することにより、所望の膜厚のHfSiON膜を高い生産効率で成膜することができる。
【0112】
Step3のHfO成膜工程からStep10のHf原料ガス供給工程を所定回数繰り返し、所望の層数のHfSiON膜を成膜した後は、Step3のHfO成膜工程を1回行った後、Step11の第4の酸化ガス・フロー工程に移行する。
【0113】
Step11の第4の酸化ガス・フロー工程は、図9に示した実施形態2に係る成膜方法のStep9の第3の酸化ガス・フロー工程、又は図8に示した実施形態1に係る成膜方法のStep8の第3の酸化ガス・フロー工程と同様の工程であるので、その説明を省略する。
【0114】
また、Step12の待機工程も、図9に示した実施形態2に係る成膜方法のStep10の待機工程、又は図8に示した実施形態1に係る成膜方法のStep9の待機工程と同様の工程であるので、その説明を省略する。
【0115】
なお、第1及び第2のパージ工程、第1乃至第4の酸化ガス・フロー工程が、用途や条件により省略可能である点は、実施形態1乃至3と同様である。
【0116】
実施形態4に係る成膜方法によれば、ラミネート構造の酸化膜に窒素をドープした酸化膜を、高い生産性で確実に成膜することができる。
【0117】
〔実施形態5〕
図15は、本発明の実施形態5に係る成膜方法により成膜されたHfSiON膜の一例を示した図である。図15に示すように、実施形態5に係る成膜方法により成膜されたHfSiON膜は、HfO膜とSiO膜のラミネート構造を有する点では、実施形態4に係る成膜方法により成膜された図13に示したHfSiON膜と同様であるが、ドープされた窒素がHfSiON膜の上面付近のみであり、HfSiON膜の上面付近にHfON膜とSiON膜が形成されている点で、図13に示したHfSiON膜と異なっている。このように、窒素のドープを、膜全体の上面付近でのみ行うように成膜を行ってもよい。
【0118】
図16は、本発明の実施形態5に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。図16において、Step1の待機工程、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程、Step3のHfO成膜工程、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程及びStep5のSiO成膜工程は、図14に示した実施形態4に係る成膜方法のStep1〜Step5と同様であるので、その説明を省略する。
【0119】
実施形態5に係る成膜方法においては、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程、Step3のHfO成膜工程、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程及びStep5のSiO成膜工程を1つのサイクルとし、HfO膜とSiO膜の積層構造の1層分を成膜する。そして、所望の厚さのHfO膜とSiO膜からなるラミネート構造のHfSiO膜を成膜するまでの所定回数、上述のサイクルを繰り返す。これにより、図12で示したベースとなる多層構造のHfSiO膜が成膜される。
【0120】
なお、上述のサイクル中、Step2の第1の酸化ガス・フローは、Step5のSiO成膜工程の後であり、かつStep3のHfO成膜工程の前に挿入されているので、SiO成膜工程のポスト酸化工程として機能するとともに、HfO成膜工程のプリ酸化工程として機能する。つまり、本実施形態に係る成膜方法においては、第1の酸化ガス・フロー工程が、繰り返しサイクルの中に組み込まれており、第2の酸化ガス・フロー工程と同様な役割を果たしている。2種類の異なる元素の酸化膜のラミネート構造を形成する場合には、このようなプロセスを採用し、酸化工程を省略しつつも、成膜工程の前後で確実に酸化工程を行うサイクルを組んでもよい。これにより、効率的に2種類の酸化膜のラミネート構造を成膜することができる。
【0121】
上述のHfSiO膜の成膜サイクルを所定回数繰り返したら、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程及びStep3のHfO成膜工程を1回ずつ実施し、その後、Step6の第3の酸化ガス・フロー工程に移行する。
【0122】
Step6の第3の酸化ガス・フロー工程は、図14に示した実施形態4に係る成膜方法のStep11の第4の酸化ガス・フロー工程、図8に示した実施形態1に係る成膜方法のStep8の第3の酸化ガス・フロー工程と同様であるので、その説明を省略する。
【0123】
また、Step7のパージ工程、Step8の窒素ドープ工程及びStep9の待機工程は、図11に示したStep5〜Step7と同様であるので、その説明を省略する。
【0124】
実施形態5に係る成膜方法においては、まず、HfO膜とSiO膜のラミネート構造体を成膜し、最後の段階で、Step7〜Step9に示すように、窒素ドープを行う。この場合、Step8の窒素ドープ工程では、全体のHfSiON膜のNを1回の工程で添加するため、繰り返しサイクル中に組み込まれた窒素ドープ工程よりも、長時間に亘り工程を継続する。よって、実施形態1、2、4に係る成膜方法における窒素ドープ工程よりは回転テーブル2の回転数は多くない、実施形態3に係る成膜方法の窒素ドープ工程に類似した工程となる。
【0125】
実施形態5に係る成膜方法によれば、HfSiO膜を最初に成膜し、最後にNドープを行うので、比較的簡素なシーケンスを用いて、HfSiON膜を成膜することができる。
【0126】
〔実施形態6〕
図17は、本発明の実施形態6に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。実施形態6に係る成膜方法においては、HfO膜にSiをドープしてHfSiO膜を成膜する成膜方法について説明する。
【0127】
実施形態6に係る成膜方法により成膜されたHfSiO膜は、図6に示したHfON膜において、Nの部分をSiに置き換えたものと考えればよい。このように、添加する元素は、窒素に限らず、シリコン等も可能であるので、実施形態6に係る成膜方法では、そのような例について説明する。
【0128】
図17において、Step1の待機工程、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程、Step3のHfO成膜工程、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程、Step5の第1のパージ工程、Step6のシリコンドープ工程、Step7の第2のパージ工程、Step8の第3の酸化ガス・フロー工程及びStep9の待機工程が示されているが、これらの工程は、Step6のシリコンドープ工程以外は、図8の実施形態1に係る成膜方法と同様の工程である。
【0129】
実施形態6に係る成膜方法においては、ドープする元素が窒素からシリコンに変更された点のみが、実施形態1に係る成膜方法と異なっている。よって、その他の工程については、その説明を省略する。
【0130】
Step6のシリコンドープ工程では、反応ガスノズル31からSiを含む原料ガスである3DMASガスが供給され、反応ガスノズル32からArが供給され、分離ガスノズル41、42からNガスが供給された状態で、回転テーブル2が所定回数回転する。窒素のドープの際には、必要に応じてプラズマ処理等を行うのが一般的であったが、Siのドープの際には、基本的にプラズマ処理は不要であり、反応ガスノズル31から原料ガスである3DMASガスを供給すればよい。
【0131】
シリコンドープ工程においては、SiO成膜工程と異なり、反応ガスノズル32からはOガスは供給されずに、代わりに不活性ガスであるArガスが供給される。これにより、HfO層の上面にSiがドープされた状態のHfSiO層が形成される。そして、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程からStep7の第2のパージ工程を1サイクルとし、当該サイクルを繰り返すことにより、複数層に亘りHfSiO層を形成し、所望の厚さのHfSiO膜を成膜することができる。
【0132】
なお、Step6のシリコンドープ工程において、実施形態1に係る成膜方法のStep6の窒素ドープ工程と異なり、第2の処理領域P2の反応ガスノズル32からではなく、第1の処理領域P1の反応ガスノズル31から3DMASガスが供給されている。これは、酸素系ガス、窒素系ガスは反応ガスノズル32から供給し、その他の成膜等の原料となる原料ガスは反応ガスノズル31から供給するという、成膜装置の一般的な反応ガスの供給方法に従ったためである。よって、供給する反応ガスノズル31、32は、供給するガスの性質に応じて適切な反応ガスノズル31、32を選択してよく、また、いずれの反応ガスノズル31,32からドープする元素を含むガスを供給するかは、用途、条件に応じて適宜変更可能である。
【0133】
このように、実施形態6に係る成膜方法によれば、HfO膜にSiをドープしてHfSiO膜を成膜することができる。
【0134】
〔実施形態7〕
図18は、本発明の実施形態7に係る成膜方法の一例を示したシーケンス図である。実施形態7に係る成膜方法においては、実施形態6に係る成膜方法と同様に、HfO膜にSiをドープしてHfSiO膜を成膜する成膜方法について説明する。実施形態7に係る成膜方法のシーケンスは、図9に示した実施形態2に係る成膜方法におけるシーケンスと類似したものであり、ドープする元素を窒素からシリコンに置き換えたものである。
【0135】
具体的には、実施形態7に係る成膜方法において、Step1の待機工程、Step2の第1の酸化ガス・フロー工程、Step3のHfO成膜工程、Step4の第2の酸化ガス・フロー工程、Step5の第1のパージ工程、Step6のシリコンドープ工程、Step7の第2のパージ工程、Step8のHf原料ガス供給工程、Step9の第3の酸化ガス・フロー工程及びStep10の待機工程が示されているが、かかる工程中、Step6のシリコンドープ工程以外は、図9の実施形態2に係る成膜方法の各工程と同様であるので、その説明を省略する。
【0136】
Step6のシリコンドープ工程は、この工程の内容自体は、図17で説明した実施形態6に係る成膜方法のStep6と同様であるので、その説明を省略する。
【0137】
実施形態7に係る成膜方法によれば、ドープする元素をシリコンにした場合であっても、シリコンドープ後にStep8のHf原料ガス供給工程を設けることにより、ドープしたシリコンが抜けて消散してしまうことを防止し、確実にシリコンをドープすることができる。
【0138】
なお、上述の実施形態1乃至7においては、HfO膜を成膜する例について説明したが、その他、用途に応じて種々の金属元素又は半導体元素から選択することができ、例えば、Zr、Hf、Al、Ti、Sr、Si等の酸化膜を用いることができる。
【0139】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0140】
1 チャンバ
2 回転テーブル
4 凸状部
11 天板
12 容器本体
15 搬送口
24 凹部(ウエハ載置部)
31、32 反応ガスノズル
41、42 分離ガスノズル
D 分離領域
P1 第1の処理領域
P2 第2の処理領域
H 分離空間
W ウエハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18