(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記システムは、ステータとムーバとを備え、前記第1部を前記第2部に対して移動させるために前記ステータと前記ムーバとの間に力を生じさせる、アクチュエータであり、
前記第1部は、前記ステータを備え、
前記第2部は、前記ムーバを備え、
前記ギャップは、前記ステータと前記ムーバとの間に位置する、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
前記リソグラフィ装置は、前記ステータを前記第1ボディに対して誘導して所定方向に移動するための誘導素子を更に備える、請求項3乃至請求項5のうち何れか1項に記載のリソグラフィ装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014]
図1は、本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置を概略的に示している。このリソグラフィ装置は、放射ビームB(例えば、紫外線または他の適切な放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1位置決めデバイスPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、を含む。また、このリソグラフィ装置は、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2位置決めデバイスPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTまたは「基板サポート」を含む。さらに、リソグラフィ装置は、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSを含む。
【0011】
[0015] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0012】
[0016] サポート構造は、パターニングデバイスを支持する、すなわち、パターニングデバイスの重量を支える。サポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
【0013】
[0017] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
【0014】
[0018] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
【0015】
[0019] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学系、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
【0016】
[0020] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)である。また、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、上述のプログラマブルミラーアレイを採用しているもの、または反射型マスクを採用しているもの)であってもよい。
【0017】
[0021] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブルまたは「基板サポート」(および/または2つ以上のマスクテーブルまたは「マスクサポート」)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」マシンにおいては、追加のテーブルまたはサポートは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブルまたはサポート上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルまたはサポートを露光用に使うこともできる。
【0018】
[0022] また、リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすように、比較的高屈折率を有する液体(例えば水)によって基板の少なくとも一部を覆うことができるタイプのものであってもよい。また、リソグラフィ装置内の別の空間(例えば、マスクと投影システムとの間)に液浸液を加えてもよい。浸漬技術を用いて投影システムの開口数を増加させることができる。本明細書において使用される「液浸」という用語は、基板のような構造物を液体内に沈めなければならないという意味ではなく、単に、露光中、投影システムと基板との間に液体があるということを意味するものである。
【0019】
[0023]
図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が水銀ランプである場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼んでもよい。
【0020】
[0024] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するように構成されたアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
【0021】
[0025] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを通り抜けた後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2位置決めデバイスPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置付けるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1位置決めデバイスPMおよび別の位置センサ(
図1には明示されていない)を使い、例えば、パターニングデバイスライブラリから機械的に取り出した後またはスキャン中に、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置付けることもできる。通常、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTの移動は、第1位置決めデバイスPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTまたは「基板サポート」の移動も、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、複数のダイがパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に設けられている場合、パターニングデバイスアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
【0022】
[0026] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
1.ステップモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」および基板テーブルWTまたは「基板サポート」を基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTまたは「基板サポート」は、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
2.スキャンモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」および基板テーブルWTまたは「基板サポート」を同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」に対する基板テーブルWTまたは「基板サポート」の速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」を基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTまたは「基板サポート」を動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTまたは「基板サポート」の移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0023】
[0027] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0024】
[0028]
図2a〜
図2cは、本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置用のシステム200を示している。システム200は、アクチュエータを備え得る。
図2aにおいて、リソグラフィ装置のアクチュエータ200は、動作モードである。動作モードにおいて、リソグラフィ装置は、リソグラフィプロセスの少なくとも一部を実行可能であり得る。動作モードは、基板を露光することと、リソグラフィプロセスに必要な測定を行うことと、または投影システムに対して基板を位置決めすることと、を含み得る。動作モードは、例えば所望のセットポイントに従って所望の方法でムーバをステータに対して移動させることを含み得る。アクチュエータ200は、ステータ208が設けられた第1部と、ムーバ204が設けられた第2部と、エネルギー吸収素子210とを備え得る。第1部は、ロングストロークステージ部206とすることができ、第2部は、ショートストロークステージ部202とすることができる。ステータ208は、接触部分220を有する第1側面を備え得る。接触部分220は、パッドならびに/もしくはセンサおよびフラックスセンサコイルを備え得る。ステータ208とムーバ204との間にギャップ216が形成され得る。エネルギー吸収素子210は、(例えば、予張力が加えられた)ばね211および/またはダンパ(
図2a〜
図2cに示されていない)を備え得る。エネルギー吸収素子210は、一時的または永続的にエネルギーを吸収可能なあらゆる適切なタイプの素子であってよい。
【0025】
[0029] ロングストロークステージ部206は、ショートストロークステージ部202に実質的に平行な長手方向に延在し得る。ロングストロークステージ部206およびショートストロークステージ部202は、第1位置決めデバイスPMもしくは第2位置決めデバイスPW、または両方において設けられ得る(
図1を参照)。ロングストロークステージ部206は、調整素子232およびペデスタル230を備え得る。調整素子232およびペデスタル230によって凹み212が形成される。
【0026】
[0030] ムーバ204は、ショートストロークステージ部202に取り付けられ得る。ステータ208は、ロングストロークステージ部206の凹み212の内側に部分的に設けられ得る。エネルギー吸収素子210は、ステータ208の第1側面以外のステータ208の側面に取り付けられた1つの端部を有してよく、ペデスタル230に取り付けられた他の端部を有してよい。ペデスタル230は、第1部の一部であるあらゆるタイプのボディ、例えば、ロングストローク部206に取り付けられた別個のボディ、またはロングストローク部206と一体化された別個のボディであってよい。エネルギー吸収素子210は、ショートストロークステージ部202およびロングストロークステージ部206に実質的に平行な長手方向に延在し得る。ステータ208は、ペデスタル230に対して移動できてよく、例えば、誘導素子240によって凹み212において摺動可能に移動できてよい。あるいは、凹み212は、省略されてもよい。ムーバ204が特定のスピードでステータ208と逆の方向に移動する場合、ペデスタル230は、エネルギー吸収素子210に対して十分な剛性をもたらし得る。調整素子232は、ステータ208の第1側面と接触し得る。調整素子232は、ステータ208に対して十分な剛性をもたらして、ペデスタル230に対して所定位置でステータ208を保持し得る。調整素子232を用いて、ムーバ204とステータ208との間の公称ギャップを設定し得る。公称ギャップは、アクチュエータが高効率を有するサイズに設定され得る。誘導素子240は、ムーバ204がステータ208に衝突する場合に、エネルギー吸収素子210の変形および/または所定方向におけるステータ208の移動を誘導し得る。エネルギー吸収素子210に加えて、あるいはその代わりに、別個のエネルギー吸収素子を設けてよい(
図2a〜
図2cに示されていない)。この別個のエネルギー吸収素子を適切な位置に設けることで、ロングストローク部206とショートストローク部202が衝突する場合、それらの間のエネルギーを吸収することができる。
【0027】
[0031] 一実施形態において、誘導素子は、クロスローラガイド、Rz回転を可能にする1つ以上のストラット、板バネ、接触ボール、および/またはプレテンション能力を有する素子を備え得る。誘導素子は、摺動接触素子であってもよい。ステータ208は、摺動接触素子に摺動可能に結合され得る。ムーバ204がステータ208に衝突すると、ステータ208は、摺動接触素子上で摺動可能に移動することができる。あるいは、誘導素子は、ステータがペデスタル230に対して回転することを可能にするヒンジを備え得る。
【0028】
[0032] 一実施形態において、エネルギー吸収素子210は、ステータ208の第1側面と反対側のステータ208の側面に取り付けられ得る。
【0029】
[0033] 一実施形態において、接触部分220は、テフロン(登録商標)で形成され得る。
【0030】
[0034]
図2bにおいて、リソグラフィ装置のアクチュエータ200は、故障モードである。ムーバ204は、ステータ208に衝突するまでステータ208に向かって移動し得る。衝突は、
図2bにおいて称されるFの方向の力Fをもたらし得る。ムーバ204は、ムーバ204とステータ208との間の相対移動に起因して、ステータ208の接触部分220に接触し得る。ステータ208は、ムーバ204の力Fに起因してFの方向に移動できてよく、例えば、摺動可能に移動できてよい。エネルギー吸収素子210のダンパは、衝突の衝撃エネルギーを吸収し得る。ばね211は、それに応じて縮んで衝突の衝撃エネルギーを弾性位置エネルギーに変換することができ、それによってステータ208の変形および/または損傷のリスクを低減させる。
【0031】
[0035] 一実施形態において、ばね211は、予張力が加えられた形態をとることができ、それによってプレテンション力をステータ208に与える。ムーバ204がステータ208に衝突すると、プレテンション力は、衝突中にステータ208に加えられた力Fを(部分的に)補償し得る。エネルギー吸収素子210は、衝突の衝撃エネルギーを吸収するダンパ以外の追加のエネルギー吸収素子を備え得る。一実施形態において、追加のエネルギー吸収素子は、ショックアブソーバとすることができる。ショックアブソーバは、ロングストロークステージ部206上に設けられ得る。ステータ208、ばね211、調整素子232、およびショートストロークステージ部202の重心/力の中心(CoG/CoF)は、Fの方向に平行な同一のラインに沿って位置合わせされ得る。
【0032】
[0036]
図2cにおいて、リソグラフィ装置の故障モードの間、エネルギー吸収素子210のばね211は、衝突によって生じたすべての衝撃エネルギーがばね211の位置エネルギーに変換され得るようにある程度まで縮む。従って、リソグラフィ装置の故障モード中のステータ208の変形のリスクは低減し得る。エネルギー吸収素子210はギャップ216の外側に設けられるので、これは、アクチュエータ200の力効率を向上させる、ギャップ216の長さの縮小をもたらし得る。
【0033】
[0037] 一実施形態において、エネルギー吸収素子210は、2つのステータ間、または、ロングストロークステージ部206の長手方向に垂直な方向において、ステータ208とロングストロークステージ部206の凹み212との間に置かれ得る。
【0034】
[0038] 調整素子232は、ロングストロークステージ部206上の特定の位置でステータ208および/またはばね211を保持するように構成された保持素子としても機能し得る。
【0035】
[0039]
図3は、本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置用のシステム300を示している。システム300は、アクチュエータとすることができる。
図3において、アクチュエータ300は、ステータ308が設けられた第1部と、ムーバ304が設けられた第2部と、エネルギー吸収素子310とを備え得る。第1部は、ロングストロークステージ部306とすることができ、第2部は、ショートストロークステージ部302とすることができる。ステータ308は、接触部分320を有する第1側面を備え得る。接触部分320は、パッド、センサ、および/またはフラックスセンサコイルを備え得る。ステータ308とムーバ304との間にギャップ316が形成され得る。エネルギー吸収素子310は、(例えば、予張力が加えられた)ばね311および/またはダンパ(
図3に示されていない)を備え得る。
【0036】
[0040] ロングストロークステージ部306は、ショートストロークステージ部302に実質的に平行な長手方向に延在し得る。ロングストロークステージ部306およびショートストロークステージ部302は、
図1に示すように、第1位置決めデバイスPMもしくは第2位置決めデバイスPW、または両方において設けられ得る。ロングストロークステージ部306は、調整素子332および堅牢なペデスタル330を備え得る。調整素子332およびペデスタル330によって凹み312が形成され得る。
【0037】
[0041] ムーバ304は、ショートストロークステージ部302に取り付けられ得る。エネルギー吸収素子310は、ステータ308の第1側面以外のステータ308の側面に取り付けられた1つの端部を有してよく、ペデスタル330に取り付けられた他の端部を有してよい。エネルギー吸収素子310は、ショートストロークステージ部302およびロングストロークステージ部306に実質的に平行な長手方向に延在し得る。ステータ308は、移動できてよく、例えば、誘導素子340によってロングストロークステージ部306上で摺動可能に移動できてよい。ペデスタル330は、エネルギー吸収素子310に対して十分な剛性をもたらし得る。ステータ308は、調整素子332と接触した第1側面を有し得る。調整素子332は、矩形を有してよく、ロングストロークステージ部306に取り付けられ得る。調整素子332は、ロングストロークステージ部306に沿って第1の所定位置まで摺動可能に移動し得る。ステータ308は、それに応じて、ロングストロークステージ部306に沿って第2の所定位置まで摺動可能に移動し得る。従って、ギャップ316の長さは、調整素子332によって所定値まで調整され得る。調整素子332は、ステータ308に対して十分な剛性をもたらし得る。誘導素子340は、ムーバ304がステータ308に衝突する場合に、エネルギー吸収素子310の変形および/または所定方向におけるステータ308の移動を誘導し得る。
【0038】
[0042] 一実施形態において、調整素子332は、ステータ308の第1側面以外のステータ308の側面に接触し得る。
【0039】
[0043] 一実施形態において、調整素子332は、ロングストロークステージ部306上の所定位置でステータ308を保持するように構成されたクランプを備え得る。クランプは、シヤークランプまたはピンとすることができる。クランプは、衝突中にステータ308に加えられた衝突力Fを(部分的に)補償し得る摩擦力またはクランプ力をステータ308に対して与え得る。調整素子は、回転モータと、主ねじと、接触素子とを備え得る。接触素子は、主ねじを介して回転モータに接続され得る。接触素子は、ステータ308に接触し得る。回転モータを回転させることによって、ステータ308は、ロングストロークステージ部306に沿って所定位置まで摺動可能に移動し得る。調整素子は、主ねじを介して回転モータに接続された層をさらに備え得る。層は、ロングストロークステージ部306およびショートストロークステージ部302の長手方向に平行である。ステータ、ペデストル、および接触素子は、層上に設けられ得る。ペデストルおよびステータの両方に対してばねが接続され得る。接触素子は、ステータ308に接触し得る。回転モータを回転させることによって、ステータ308は、層に沿って所定位置まで摺動可能に移動し得る。調整素子は、第1の所定位置と第2の所定位置との間を移動するステータ308を誘導する機械的記憶素子を備え得る。調整素子332は、ピエゾウォーク型アクチュエータ、慣性スライダ型アクチュエータ、主ねじ型アクチュエータ、減速装置を有する回転型アクチュエータ、磁気制限型アクチュエータ、尺取型アクチュエータなどの異なるタイプのアクチュエータ、またはそれらのあらゆる組合せによって駆動され得る。異なるタイプのアクチュエータは、直列または並列に配置され得る。調整素子332の異なるタイプのアクチュエータは、ステータ308を所定位置まで駆動し得る。また、該アクチュエータは、ステータ308にクランプ力を与え得る。
【0040】
[0044]
図4a〜
図4dは、本発明のさらなる実施形態に係るリソグラフィ装置のシステム400を示している。システム400は、アクチュエータを備え得る。
図4aにおいて、リソグラフィ装置のアクチュエータ400は、動作モードで作動している。アクチュエータ400は、ステータ408が設けられた第1部と、ムーバ404が設けられた第2部と、くさび410とを備え得る。第1部は、ロングストロークステージ部406とすることができ、第2部は、ショートストロークステージ部402とすることができる。ステータ408は、接触部分420を備え得る。接触部分420は、パッド、センサ、および/またはフラックスセンサコイルとすることができる。ステータ408とムーバ404との間にギャップ416が形成され得る。
【0041】
[0045] ロングストロークステージ部406は、ショートストロークステージ部402に平行な長手方向に実質的に延在し得る。ロングストロークステージ部406およびショートストロークステージ部402は、
図1に示すように、第1位置決めデバイスPMもしくは第2位置決めデバイスPW、または両方において設けられ得る。ロングストロークステージ部406は、凹み412を備え得る。リソグラフィ装置が動作モードで作動する場合、くさび410は、凹み412の内側に位置し得る。
【0042】
[0046] ムーバ404は、ショートストロークステージ部402に取り付けられ得る。ステータ408は、ロングストロークステージ部406に取り付けられ得る。くさび410は、誘導素子440を介してショートストロークステージ部402およびロングストロークステージ部406に実質的に垂直な方向において凹み412の縁に沿って移動できてよく、例えば、摺動可能に移動できてよい。リソグラフィ装置のアクチュエータ400が動作モードである場合、くさび410は、保持素子(
図4aに示されていない)によって凹み412の内側に保持され得る。
【0043】
[0047]
図4bにおいて、リソグラフィ装置のアクチュエータ400は、動作モードから故障モードに切り替えられ得る。ムーバ404は、ステータ408に向かって移動してステータ408に衝突し得る。衝突は、
図4bで示されるFの方向の力Fをもたらし得る。くさび410は、リソグラフィ装置のアクチュエータ400のモード変更によって作動して、ステータ408とムーバ404との間の位置まで自動的に移動し得る。くさびは、固体材料で形成され得る。くさび410のサイズは比較的小さく、故障モードの間のみステータ408とムーバ404との間に位置するので、ギャップ416を設計するための追加の制動パスの必要はなく、従って、ギャップ416の長さは、故障モードの間、ムーバ404とステータ408との間のくさび410の長さまで縮小され得る。ステータ408とムーバ404との間のくさび410の介在によって、ムーバ404とステータ408との間の速度差が衝突後に低減することが確実となる。従って、衝突によって生じた衝突力それに応じて低減する。例えば上述した実施形態に開示されているように、衝突によって生じたエネルギーは、エネルギー吸収素子(
図4a〜
図4dに示されていない)によって吸収され得る。例えば、リソグラフィ装置の電源が切れている場合、保持素子およびくさび410は、電源故障モードで作動し得る。これにより、リソグラフィ装置のアクチュエータ400が動作モードから故障モードに切り替わる場合に、ムーバ404とステータ408との間の予期しない衝突をさらに避けることができる。
【0044】
[0048] 一実施形態において、くさび410は、アクチュエータ400が動作モードである場合にギャップ416の外側に位置してよく、アクチュエータ400が故障モードである場合にギャップ416の内側に位置してよい。くさび410は、高いエネルギー吸収特性および/またはくさび410が変形後に当初の形態に戻ることを可能にする特性を有する材料から形成され得る。くさび410の上部は、三角形状部分を備え得る。三角形状部分のトップアングルは、約15度とすることができる。
【0045】
[0049]
図4cにおいて、くさび410は、凹み412の内側に位置する予張力ばね460によって移動し得る。ばね460は、くさび410に取り付けられた1つの端部を有してよく、凹み412の底部分に取り付けられた他の端部を有してよい。くさび410は、ばね460の上方に位置し得る。くさび410は、磁気素子442を備え得る。ロングストロークステージ部406は、磁気素子442を円周方向に取り囲む1つ以上のコイル444を備え得る。コイル444は、保持素子として機能し得る。リソグラフィ装置が動作モードである場合、コイル444は、くさび410の磁気素子442に応じて磁気アクチュエータとして作動し得る。コイル444によって保持力がもたらされて、凹み412の内側の位置でくさび410を保持し得る。リソグラフィ装置が故障モードである場合、装置のいずれの構成要素にも電流を伝達することはできない。コイル444の電源は切断されることがあり、くさび410はギャップ416内に自動的に押し込まれ得る。
【0046】
[0050]
図4dにおいて、くさび410は、凹み412の内側に位置するプリテンションばね460によって移動し得る。ばね460は、くさび410に取り付けられた1つの端部を有してよく、凹み412の底部分に取り付けられた他の端部を有してよい。ロングストロークステージ部406は、凹み412に隣接して位置するソレノイド素子450を備え得る。ソレノイド素子450は、くさび410に挿入された棒状素子452と、棒状素子452に接続されたばね454と、を備え得る。リソグラフィ装置のアクチュエータ400が故障モードである場合、装置のいずれの構成要素にも電流を伝達することはできない。従って、棒状素子452は、ソレノイド素子450によってくさび410から後退することがあり、くさび410がギャップ416内に自動的に押し込まれ得るという結果になる。
【0047】
[0051] 一実施形態において、アクチュエータ400は、空圧アクチュエータと、凹みの内側に設けられた予荷重が加えられたばねとを備え得る。くさび410は、予荷重が加えられたばねおよび空気圧アクチュエータを介してロングストロークステージ部406に接続され得る。空気圧アクチュエータは、リソグラフィ装置のアクチュエータが故障モードから動作モードに切り替わる場合にギャップ416からくさびを自動的に後退させる後退アクチュエータとして機能し得る。一実施形態において、くさび410は、バイメタルまたは形状記憶合金から形成されたばねを通じてロングストロークステージ部406に接続され得る。これにより、設計および/または製造プロセスが簡略化され得る。というのは、くさび410を後退させるための追加のアクチュエータが必要とされないからである。
【0048】
[0052] 一実施形態において、エネルギー吸収素子は、衝突の衝撃エネルギーの一部を吸収するためのアクチュエータギャップの外側に設けられた第1部および第2部をさらに備え得る。エネルギーアブソーバは、ガスバッグ、例えばエアバッグを備え得る。エネルギーアブソーバは、従来のショックアブソーバである、例えば粘弾性の材料またはゴムなどの可撓性材料から形成された素子を備え得る。エネルギーアブソーバは、Kevlar(登録商標)ファイバから形成された素子を備え得る。
【0049】
[0053] 一実施形態において、リソグラフィ装置は、ムーバおよびステータの相対速度を低減させるように構成された、剪断減粘性流体を有する素子をさらに備え得る。
【0050】
[0054] 一実施形態において、リソグラフィ装置は、安全ベルトおよび固定リトラクタをさらに備え得る。安全ベルトは、衝突中にショートストロークステージ部に対するムーバのずれを低減させるためにムーバおよび固定リトラクタの両方に接続され得る。従って、ムーバに加えられた衝突力は、衝突中に低減し得る。
【0051】
[0055]
図5a〜
図5bは、本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置のシステム500の断面を示している。システム500は、アクチュエータとすることができる。
図5aにおいて、アクチュエータ500は、動作モードで作動し得る。アクチュエータ500は、ステータが設けられた第1部と、ムーバ(
図5a〜
図5bに示されていない)が設けられた第2部とを備え得る。第1部は、ロングストロークステージ部506とすることができ、第2部は、ショートストロークステージ部502とすることができる。ステータとムーバとの間にギャップが形成され得る。
【0052】
[0056] ロングストロークステージ部506およびショートストロークステージ部502は、
図5aに示すように、Y軸に実質的に平行な長手方向に延在し得る。ロングストロークステージ部506およびショートストロークステージ部502は、
図1に示すように、第1位置決めデバイスPMもしくは第2位置決めデバイスPW、または両方において設けられ得る。ロングストロークステージ部506は、U形の断面形状を有し得る。ロングストロークステージ部506は、底部分518および2つの細長い部分510、512を備え得る。2つの細長い部分510、512は、底部分518の上方に位置し、ショートストロークステージ部502に平行である。底部分518および2つの細長い部分510、512によって凹み520が形成され得る。
【0053】
[0057] リソグラフィ装置は、ショートストロークステージ部502とロングストロークステージ部506との間に位置する誘導素子513をさらに備え得る。誘導素子513は、第1の細長い部分514と第2の細長い部分516とを備え得る。誘導素子513は、U形の断面形状を有し得る。一実施形態において、誘導素子513は、凹み520の内側に位置し得る。
【0054】
[0058]
図5bにおいて、アクチュエータ500は、故障モードで作動し得る。リソグラフィ装置のモードが動作モードから故障モードに切り替わると、ショートストロークステージ部502は、
図5bに示すように、誘導素子513を介して、凹み520に向かって移動し得る。ショートストロークステージ部502は、ロングストロークステージ部506の底部分518上に接触し得る。誘導素子513の第1の細長い部分514は、とロングストロークステージ部506の細長い部分510とショートストロークステージ部502との間に挿入され得る。誘導素子513の第2の細長い部分516は、ロングストロークステージ部506の細長い部分512とショートストロークステージ部502との間に
挿入され得る。ムーバとステータとの間のギャップは、ロングストロークステージ部506とショートストロークステージ部502との間への誘導素子513の挿入によって低減し得る。従って、故障モード中にムーバとステータとの間に生じた衝突力は、低減し得る。
【0055】
[0059] 本発明の一実施形態において、リソグラフィ装置のアクチュエータを衝突から保護する方法が提供され、アクチュエータは、第1部と、第1部に対して移動するように構成された第2部とを備え、第1部と第2部との間に設けられたギャップは、第1部と第2部との間の距離として定義される長さを有する。該方法は、装置が動作モードである場合にエネルギー吸収素子をギャップの外側に位置決めし、装置が故障モードである場合にエネルギー吸収素子でエネルギーを吸収するという手順を含み得る。第1部は、ロングストロークステージ部と、ロングストロークステージ部上に設けられたステータとを備え得る。第2部は、ショートストロークステージ部と、ショートストロークステージ部上に設けられたムーバとを備え得る。エネルギー吸収素子は、本明細書において上述したエネルギー吸収特性を有する素子を備え得る。
【0056】
[0060] 一実施形態において、リソグラフィ装置のアクチュエータを衝突から保護する方法は、装置が故障モードである場合に挿入素子をギャップの内側に移動させることを含み得る。
【0057】
[0061] 一実施形態において、第1部と、第2部と、エネルギー吸収素子とを備えるシステムを備えるリソグラフィ装置が提供される。第2部は、第1部に対して移動するように構成される。システムは、システムの動作モード中、第1部と第2部との間に設けられたギャップを有する。エネルギー吸収素子は、システムの故障モードにおいて第1部と第2部が互いに衝突する場合に第1部と第2部との間のエネルギーを吸収するためのものである。エネルギー吸収素子は、ギャップの外側にある。
【0058】
[0062] システムは、ステータとムーバとを備えるアクチュエータとすることができる。アクチュエータは、第1部を第2部に対して移動させるためのステータとムーバとの間の力を生じさせるように構成される。第1部は、ステータを備え得る。第2部は、ムーバを備え得る。ギャップは、ステータとムーバとの間に設けられ得る。
【0059】
[0063] 第1部は、第1ボディを備えることができ、ステータは、第1ボディに対して移動可能である。エネルギー吸収素子は、ステータと第1ボディとの間に接続され得る。
【0060】
[0064] ステータは、ムーバに面する第1側面を備え得る。エネルギー吸収素子は、第1側面以外のステータの側面に接続され得る。エネルギー吸収素子は、ステータの第1側面と反対側のステータの側面に接続され得る。
【0061】
[0065] リソグラフィ装置は、ステータを第1ボディに対して誘導するための所定方向に移動する誘導素子をさらに備え得る。
【0062】
[0066] リソグラフィ装置は、第1ボディに対するステータの位置を調整するための調整素子をさらに備え得る。
【0063】
[0067] リソグラフィ装置は、第1部を備えるロングストロークステージと、第2部を備えるショートストロークステージとを備え得る。
【0064】
[0068] リソグラフィ装置は、放射ビームを基板上に投影するための投影システムと、基板を投影システムに対して位置決めするためのシステムを備える位置決めデバイスとを備え得る。第2部は、基板を保持するための基板テーブルを備え得る。
【0065】
[0069] リソグラフィ装置は、リソグラフィ装置が故障モードである場合に第1部および/または第2部と接触するように、ギャップに挿入されるように構成された挿入素子を備え得る。
【0066】
[0070] リソグラフィ装置は、リソグラフィ装置が動作モードである場合にギャップの外側の位置で挿入素子を保持し、かつ、リソグラフィ装置が故障モードである場合に挿入素子を解放するための保持素子を備え得る。
【0067】
[0071] リソグラフィ装置は、リソグラフィ装置が故障モードである場合にエネルギーを吸収するためのガスバッグをさらに備え得る。
【0068】
[0072] 一実施形態において、リソグラフィ装置のアクチュエータを衝突から保護する方法が提供される。アクチュエータは、ステータとムーバとを有することで、ステータとムーバとの間の力を生じさせる。リソグラフィ装置は、第1部と、第1部に対して移動するように構成された第2部とを備える。第1部は、ステータと、第1ボディと、ステータと第1ボディとの間のエネルギー吸収素子とを備える。第2部は、ムーバを備える。リソグラフィ装置は、動作モードにおいて、ステータとムーバとの間に設けられたギャップを有する。該方法は、故障モードにおいてステータとムーバとを互いに衝突させることと、ステータを第1ボディに対して移動させることによってエネルギー吸収素子でエネルギーを吸収することと、を含む。
【0069】
[0073] 該方法は、リソグラフィ装置が衝突している場合にギャップの内側に挿入素子を移動させることをさらに含む。
【0070】
[0074] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
【0071】
[0075] 光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。インプリントリソグラフィにおいては、パターニングデバイス内のトポグラフィによって、基板上に創出されるパターンが定義される。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層の中にプレス加工され、基板上では、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せによってレジストは硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残してレジストの外へ移動される。
【0072】
[0076] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長、またはおよそこれらの値の波長を有する)、および極端紫外線(EUV)(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
【0073】
[0077] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
【0074】
[0078] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。
【0075】
[0079] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。従って、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。