【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、委託研究「グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発/研究開発項目4化学品原料の転換・多様化を可能とする革新グリーン技術の開発/グリセロールからの化学工業基幹化合物製造に関する研究開発」に係る委託業務、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
Ken-ichi SHIMIZU et al.,Characterization of Lewis acidity of cation-exchanged montmorillonite K-10 clay as effective heterogeneous catalyst for acetylation of alcohol,Journal of Molecular Catalysis A: Chemical,2008年,Volume 284, Issues 1-2,pp. 89-96
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1又は2に記載のアルコールのアシル化用触媒の存在下で、アルコールとカルボン酸を反応させてアルコールのアシル化体を得るアルコールのアシル化体の製造方法。
【背景技術】
【0002】
化石燃料の供給不安や二酸化炭素排出による温暖化問題が深刻化するなか、これらの問題を解決する方法として生物資源由来のバイオディーゼル燃料の利用が普及し始めている。しかし、バイオディーゼル燃料の製造過程ではグリセロールが大量に副生するが、グリセロールの有効な利用法は未だ確立されていない。そのため、グリセロールから有用な化合物への変換が強く求められている。
【0003】
グリセロールの変換反応の1つとしてアシル化反応が知られている。アシル化反応では、グリセロールからモノ、ジ、及びトリアシルグリセロールが混ざりあった状態で生成される。ここで、モノ、ジ、及びトリアシルグリセロールは、化粧品からガソリンまで幅広い化合物に添加剤(例えば、乳化剤、可塑剤、溶剤等)として使用される。また、モノアシルグリセロール及びジアシルグリセロールは不凍液や生分解性ポリマーの原料としても有用である。
【0004】
グリセロールのアシル化方法について、特許文献1にはグリセロールと酢酸を無触媒下で反応させる方法が記載されている。しかし、特にトリアシルグリセロールを得るには反応時間が50時間程度と長くかかり、その上収率の点でも十分に満足できるものでは無かった。
【0005】
特許文献2には、グリセロールと酢酸を硫酸触媒の存在下で反応させ、反応後に残存するグリセロール及びジアシルグリセロールに無水酢酸を追加して反応させることによりトリアシルグリセロールを製造する方法が記載されている。しかし、無水酢酸は高価であり、その上作業工程、及び過剰の無水酢酸の処理が煩雑であることが問題であった。
【0006】
特許文献3には、酸性イオン交換樹脂を触媒として使用してグリセロールをアシル化する方法が記載されている。しかし、上記と同様にアシル化剤として高価な無水酢酸を使用すること、及び過剰の無水酢酸の処理が煩雑である点が問題であった。
【0007】
特許文献4には、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タングステン等の金属酸化物を触媒として使用してグリセロールをアシル化する方法が記載されている。しかし、モノ、ジ、又はトリアシルグリセロールを選択的に製造することは困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、アルコールと安価なカルボン酸を原料として、効率的且つ簡便な方法で、アルコールのアシル化体を選択的且つ高収率に製造することができるアルコールのアシル化用触媒、及び該触媒を使用してアルコールのアシル化体を製造するアルコールのアシル化体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、モンモリロナイトの結晶層間に存在するナトリウムイオン又はカルシウムイオン等の陽イオンをランタン(III)イオンに変換して得られる化合物を触媒として使用すると、アルコールと安価なカルボン酸を原料として、アルコールのアシル化体を効率よく且つ簡便に製造することができることを見いだした。更に、反応温度及び反応時間を調整すると、特定のアルコールのアシル化体を極めて選択的に製造することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
【0011】
すなわち、本発明は、モンモリロナイトの結晶層間にランタン(III)イオンが固定化されてなるアルコールのアシル化用触媒を提供する。
【0012】
前記ランタン(III)イオンは、触媒全量に対して1〜10重量%固定化されていることが好ましい。
【0013】
本発明は、また、前記アルコールのアシル化用触媒の存在下で、アルコールとカルボン酸を反応させてアルコールのアシル化体を得るアルコールのアシル化体の製造方法を提供する。
【0014】
本発明のアルコールのアシル化体の製造方法においては、反応温度を70〜200℃、反応時間を1〜36時間の範囲で調整することが好ましい。
【0015】
また、芳香族炭化水素系溶媒の存在下で反応を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のアルコールのアシル化用触媒(以後、「触媒」と称する場合がある)は上記構成を有するため、アルコールを安価なカルボン酸と反応させて効率よく且つ選択的にアシル化体を得ることができる。更に、本発明の触媒は生成物と容易に分離でき、高い触媒活性を保持したまま繰り返し再利用可能である。そのため、アルコールのアシル化体の製造コストを削減することができ、工業化に極めて有利である。
そして、本発明のアルコールのアシル化体の製造方法によれば、バイオディーゼル燃料の製造過程で副生するグリセロールを原料として、有用なモノ、ジ、又はトリアシルグリセロールを簡便な工程で効率よく製造することができ、生物資源を有効利用することにより、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量の増加を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[アルコールのアシル化用触媒]
本発明の触媒は、モンモリロナイトの結晶層間にランタン(III)イオンが固定化されてなる。
【0018】
モンモリロナイトは層状ケイ酸塩鉱物であり、ケイ酸四面体層/アルミナ八面体層/ケイ酸四面体層の三層積層体からなる結晶層を基本構造として有する。前記結晶層は中心原子であるアルミニウムの一部がマグネシウムに置換されることで陽電荷不足となり、負に帯電している。そのため、結晶層間にNa
+、K
+等のアルカリ金属イオンやCa
2+、Mg
2+等のアルカリ土類金属イオンから選択される陽イオンを挟むことで電荷不足が中和されて安定状態となり、結晶層が幾層にも重なり合って積層された構造が形成される。
【0019】
本発明のモンモリロナイトとしては、なかでも、Na
+を結晶層間に有するモンモリロナイト(すなわち、ナトリウム型モンモリロナイト)を使用することが、イオン交換が容易である点で好ましい。ナトリウム型モンモリロナイトは、例えば[Na
2/3Si
8(Al
10/3(Mg、Fe)
2/3)O
20・(OH)
4]等で表される。
【0020】
本発明におけるモンモリロナイトとしては特に制限されることなく一般に市販されているもの[例えば、商品名「Kunipia F」(クニミネ工業(株)製)等]を使用することができる。
【0021】
本発明の触媒は、例えば、モンモリロナイトの結晶層間に存在する陽イオン(好ましくは、ナトリウムイオン)をランタン(III)イオンに変換することにより製造することができる。結晶層間に存在する陽イオンのランタン(III)イオンへの変換は、例えば、モンモリロナイトをランタン塩を含む溶液で処理(好ましくは、含浸処理)することにより行うことができる。
【0022】
前記ランタン塩としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(La(OTf)
3)、酢酸ランタン(La(OAc)
3)、ランタンアセチルアセトナート(La(acac)
3)、硝酸ランタン(La(NO
3)
3)、塩化ランタン(LaCl
3)、臭化ランタン(LaBr
3)等を挙げることができる。ランタン塩を含む溶液の濃度としては、例えば5〜100mmol/L程度、好ましくは10〜80mmol/L、特に好ましくは20〜50mmol/Lである。ランタン塩を含む溶液の濃度が上記範囲を下回ると、ランタン(III)イオンの変換量が減少し、グリセロールの転化率が低下する傾向がある。一方、ランタン塩を含む溶液の濃度が上記範囲を上回ると、不経済となる傾向がある。
【0023】
ランタン塩を含む溶液で処理する際の温度としては、例えば20〜80℃程度、好ましくは30〜60℃である。処理温度が上記範囲を上回ると、溶媒蒸気を冷却する装置が必要となる場合がある。また、処理温度が上記範囲を下回ると、交換速度が低下する傾向がある。ランタン塩を含む溶液で処理する時間は例えば1〜36時間程度である。処理時間が上記範囲を下回ると、イオン交換が十分に行われない傾向がある。ランタン塩を含む溶液での処理は、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等で行うことができる。
【0024】
上記製造方法により得られた触媒には、その後、洗浄処理(水や有機溶媒等により洗浄)、乾燥処理(真空乾燥等により乾燥)等を施してもよい。
【0025】
上記方法により得られる触媒のランタン(III)イオンの含有量は、触媒全量に対して例えば1〜10重量%程度、好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは4〜7重量%である。ランタン(III)イオンの含有量が上記範囲を下回ると、グリセロールの転化率が低下する傾向がある。一方、ランタン(III)イオンの含有量が上記範囲を上回ると、ランタン酸化物クラスターが形成され、触媒能が低下する傾向がある。
【0026】
[アルコールのアシル化体の製造方法]
本発明のアルコールのアシル化体の製造方法は、上記アルコールのアシル化用触媒の存在下で、アルコールとカルボン酸を反応させてアルコールのアシル化体を得ることを特徴とする。
【0027】
前記アルコールとしては、例えば、炭素数1〜10程度(好ましくは1〜5)の脂肪族アルコール[例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチルプロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノールなどの一価の脂肪族アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの二価の脂肪族アルコール;グリセロールなどの三価の脂肪族アルコール]、炭素数3〜10程度(好ましくは3〜7)の脂環式アルコール[例えば、シクロヘキシルメチルアルコール、2−シクロヘキシルエチルアルコール、グルコース、フルクトース]、炭素数7〜30(好ましくは7〜18)程度の芳香族アルコール[例えば、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、3−フェニル−2−プロペン−1−オール]、高分子多価アルコール(例えば、セルロース)等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】
本発明においては、アルコールとして、バイオディーゼル燃料の製造過程で大量に副生するグリセロールを使用することが、生物資源を有効利用することにより、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量の増加を抑制することができる点で好ましい。
【0029】
本発明のアルコールのアシル化体の製造方法においてはアシル化剤としてカルボン酸を使用することを特徴とする。本発明のアルコールのアシル化体の製造方法では、上記触媒を使用するため、安価で且つ煩雑な後処理を要しないカルボン酸をアシル化剤として使用することができる。前記カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の炭素数1〜20程度(好ましくは1〜10)の脂肪族カルボン酸;安息香酸、p−メチル安息香酸等の炭素数7〜30程度(好ましくは7〜18)の芳香族カルボン酸等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0030】
カルボン酸の使用量としては、アルコール1mmolに対して、例えば0.1〜100mmol程度、好ましくは0.5〜80mmol、特に好ましくは1〜50mmolである。一般に、アシル化剤としては、カルボン酸の他にカルボン酸無水物(例えば、無水酢酸等)を使用することが知られている。しかし、カルボン酸無水物はカルボン酸と比較して高価であり、その上、反応後に残存する過剰のカルボン酸無水物の処理が煩雑であるという問題がある。そのため、本発明においては、カルボン酸無水物の使用量は、アシル化剤全量の20mol%以下程度、好ましくは10mol%以下、特に好ましくは5mol%以下であることが好ましい。
【0031】
上記触媒の使用量としては、例えば、グリセロール1mmolに対して、例えば5〜100mg程度、好ましくは10〜90mg、特に好ましくは30〜70mgである。
【0032】
また、上記アルコールとカルボン酸の反応は溶媒の存在下で行うことが好ましい。無溶媒下で反応させると、基質となるアルコールが触媒に吸着してダマになり反応の進行が阻害される場合があるためである。溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル等の飽和又は不飽和炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル等を挙げることができる。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】
本発明の溶媒としては、なかでも、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒(特に、トルエン)等の、水の溶解性が低い溶媒を使用することが、反応により生成した水を除去しつつ反応を行うことができ、反応の進行を促進することができる点で好ましい。また、溶媒の使用量としては、例えば、回分式で反応させる場合はグリセロールの初期濃度が0.05〜10mmol/mL程度となる範囲である。
【0034】
上記アルコールとカルボン酸の反応温度は、例えば70〜200℃程度、好ましくは80〜200℃、特に好ましくは80〜190℃である。また、反応時間は例えば1〜36時間程度、好ましくは1〜24時間、特に好ましくは3〜24時間である。
【0035】
本発明のアルコールのアシル化体の製造方法においては、反応温度及び反応時間を上記範囲内で調整することによりアルコールのアシル化体の選択率を向上させることができ、アルコールのアシル化体(アルコールが二価以上のアルコールである場合は、2種以上のアルコールのアシル化体から選択される1種)を選択率70%以上(好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上)で製造することができる。
【0036】
例えば、アルコールとしてグリセロールを使用した場合、アシル化体としてはモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、及び/又はトリアシルグリセロールが得られる。そして、反応温度及び反応時間を調整することによりモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、及びトリアシルグリセロールから選択される1種を優れた選択率で製造することができる。
【0037】
例えば、反応温度及び反応時間を下記範囲に調整すると、モノアシルグリセロールを選択率70%以上(好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上)で製造することができる。尚、モノアシルグリセロールには、1−アシルグリセロール及び2−アシルグリセロールが含まれる。
反応温度:60〜200℃(好ましくは80〜200℃、特に好ましくは80〜140℃、最も好ましくは80℃以上120℃未満)
反応時間:1〜36時間(好ましくは1〜24時間、特に好ましくは5〜20時間)
【0038】
また、反応温度及び反応時間を下記範囲に調整すると、ジアシルグリセロールを選択率70%以上(好ましくは80%以上、特に好ましくは95%以上)で製造することができる。尚、ジアシルグリセロールには、1,2−ジアシルグリセロール及び1,3−ジアシルグリセロールが含まれる。
反応温度:80〜160℃(好ましくは100〜140℃、特に好ましくは120〜140℃)
反応時間:1〜36時間(好ましくは10〜36時間、特に好ましくは20時間を超え30時間以下)
【0039】
更に、反応温度及び反応時間を下記範囲に調整すると、トリアシルグリセロールを選択率70%以上(好ましくは75%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上)で製造することができる。
反応温度:80〜200℃(好ましくは100〜200℃、特に好ましくは140℃を超え200℃以下)
反応時間:1〜36時間(好ましくは1〜24時間、特に好ましくは2時間を超え24時間以下、最も好ましくは4時間を超え24時間以下)
【0040】
アルコールとカルボン酸の反応は、回分形式、半回分形式、連続流通形式等を任意に選択して実施することができる。また、所定量のアルコールから得られるアルコールのアシル化体の量を増加させたい場合には、アシル化実施後の未反応アルコールを分離回収してリサイクルするプロセスを採用することが好ましい。前記リサイクルプロセスを採用すれば、アルコールを所定量使用したときのアルコールのアシル化体の生成量を高めることができる。
【0041】
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
【0042】
本発明のアルコールのアシル化体の製造方法では、アルコールを優れた転化率でアシル化することにより、アルコールのアシル化体を効率よく製造することができる。アルコールの転化率としては、例えば60%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。
【0043】
また、本発明の触媒は、5回程度使用−再生を繰り返しても高い触媒活性及び高選択性を維持することができる。反応に使用した触媒は、反応液から濾過、遠心分離等の物理的な分離手法により容易に回収することができ、回収された触媒はそのままで、又は洗浄、乾燥、及び/又は焼成処理を施した後、再利用される。洗浄処理は、適宜な溶媒(例えば、メタノール)により数回(例えば2〜3回)洗浄する方法により行うことができる。そのため、高価な触媒を繰り返し利用することができ、製造コストを大幅に削減することができる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0045】
調製例1(触媒(La(III)-mont)の調製)
触媒は含浸法により調製した。すなわち、100mLの蒸留水にLa(OTf)
3(和光純薬工業(株)製)1.93g(3.3mmol)を溶解し、Na型モンモリロナイト(商品名「Kunipia F」、クニミネ工業(株)製)を加え、50℃で24時間撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、脱イオン水(1L)で洗浄、濾過し、110℃乾燥機で12時間乾燥させて、暗白色の粉末を得た。得られた粉末を元素分析したところ、ランタン(III)イオンを6.06重量%含有していた。
【0046】
調製例2(触媒(Fe(III)-mont)の調製)
La(OTf)
3(和光純薬工業(株)製)に代えて、硝酸鉄九水和物(Fe(NO
3)
3・9(H
2O))(3.3mmol、1.33g、和光純薬工業製)を使用した以外は調製例1と同様にして触媒(Fe(III)-mont)(Fe(III)イオン:3重量%含有)を得た。
【0047】
調製例3(触媒(Fe(II)-mont)の調製)
La(OTf)
3(和光純薬工業(株)製)に代えて、トリフルオロメタンスルホン酸鉄(Fe(OTf)
2)(3.3mmol、1.17g、和光純薬工業(株)製)を使用した以外は調製例1と同様にして触媒(Fe(II)-mont)(Fe(II)イオン:3重量%含有)を得た。
【0048】
調製例4(触媒(Cu(II)-mont)の調製)
La(OTf)
3(和光純薬工業(株)製)に代えて、トリフルオロメタンスルホン酸銅(Cu(OTf)
2)(3.3mmol、1.20g、和光純薬工業(株)製)を使用した以外は調製例1と同様にして触媒(Cu(II)-mont)(Cu(II)イオン:3.2重量%含有)を得た。
【0049】
調製例5(触媒(In(III)-mont)の調製)
La(OTf)
3(和光純薬工業(株)製)に代えて、トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(In(OTf)
3)(3.3mmol、1.85g、和光純薬工業(株)製)を使用した以外は調製例1と同様にして触媒(In(III)-mont)(In(III)イオン:6重量%含有)を得た。
【0050】
調製例6(触媒(Yb(III)-mont)の調製)
La(OTf)
3(和光純薬工業(株)製)に代えて、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(Yb(OTf)
3)(3.3mmol、2.05g、和光純薬工業(株)製)を使用した以外は調製例1と同様にして触媒(Yb(III)-mont)(Yb(III)イオン:6重量%含有)を得た。
【0051】
実施例1
15mLのガラス製高耐圧管(商品名「エース高耐圧チューブ」、ACE GLASS社製)に、調製例1で得られた触媒(La(III)-mont)50mg、グリセロール1.0mmol(0.092g)、酢酸0.1mL(1.8mmol)、トルエン(3mL)を加え、空気雰囲気下(1atm)、100℃で10時間撹拌して生成物を得た。尚、転化率、選択率、及び収率の測定にはガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を使用した。
【0052】
実施例2〜9、比較例1〜8
調製例1で得られた触媒(1)に代えて下記表1に記載の触媒を使用し、反応時間、反応温度及び反応器を下記表1に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして生成物を得た。尚、比較例1、2では調製例2で得られた触媒、比較例3、4では調製例3で得られた触媒、比較例5ではKSF(商品名「montmorillonite KSF」、Alfa Aesar社製)、比較例6では調製例4で得られた触媒、比較例7では調製例5で得られた触媒、比較例8では調製例6で得られた触媒を使用した。
【0053】
【表1】
※
Gly:グリセロール
MAG:モノアセチルグリセロール
DAG:ジアセチルグリセロール
TAG:トリアセチルグリセロール
RT:室温(27℃)
PT:15mLのガラス製高耐圧管(商品名「エース高耐圧チューブ」、ACE GLASS社製)
AC:テフロン(登録商標)製内筒を入れた50mLのステンレス製オートクレーブ