(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
接着フィルムは、硬化性樹脂及び水分吸着剤を含み、第1接着層及び第2接着層内の全体水分吸着剤の質量を基準として前記第1接着層には0〜20%、前記第2接着層には80〜100%の水分吸着剤を含む、請求項1に記載の接着フィルム。
前記フィラーが、クレイ、タルク、シリカ、ゼオライト、ジルコニア、チタニア及びモンモリロナイトよりなる群から選択される1つ以上である、請求項13に記載の接着フィルム。
有機電子装置が形成された基板に請求項1に記載の接着フィルムの第1接着層を有機電子素子と接触するようにラミネートする段階と;前記接着フィルムを硬化する段階と;を含む有機電子装置の封止方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して本発明の具現例をより具体的に説明する。また、本発明を説明するに際して、関連した公知の汎用的な機能または構成に対する詳細な説明を省略する。また、添付の図面は、本発明の理解を助けるための概略的なものであって、本発明をより明確に説明するために説明と関系ない部分を省略し、図面においてさまざまな層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、図面に表示された厚さ、サイズ、比率などによって本発明の範囲が制限されない。
【0017】
本発明は、60℃〜100℃で損失係数tanδが1〜5の第1接着層と;前記第1接着層の一面に形成された第2接着層と;を含む有機電子素子封止用接着フィルムに関する。また、前記第1接着層の粘度値は、第2接着層の粘度値以下であることができる。
【0018】
また、本発明の一具現例による接着フィルムは、有機電子装置を封止し、多層構造の硬化性接着剤層を含むことができる。具体的に、前記接着フィルムは、硬化性樹脂及び水分吸着剤を含む硬化性接着剤層を含むことができ、前記硬化性接着剤層は、単一層の構造ではなく、連続して形成される2層以上の接着層を含む多層構造を有することができる。前記で、第1接着層及び第2接着層内の全体水分吸着剤の質量を基準として前記第1接着層には0〜20%、前記第2接着層には80〜100%の水分吸着剤を含むことができる。前記硬化性接着剤層は、有機電子装置の封止時に有機電子装置と接触する第1接着層と、その上部にすぐ形成される有機電子装置と接触しない第2接着層とを含む多層構造を有することができる。
【0019】
本明細書で、用語「有機電子装置」は、互いに対向する一対の電極の間に正孔及び電子を利用して電荷の交流を発生する有機材料層を含む構造を有する物品または装置を意味し、その例としては、光電池装置、整流器、トランスミッタ及び有機発光ダイオード(OLED)などが挙げられるが、これに制限されるものではない。本発明の1つの例示で、前記有機電子装置は、OLEDであってもよい。
【0020】
本明細書で、前記硬化性接着剤層は、常温では固相(solid)または半固相(semi−solid)を維持することができ、熱を加えればフロー性が生じ、気泡なしに平板を付着させることができ、硬化反応が終了すれば、接着剤で対象物を堅固に固定させる形態の接着剤であることができる。前記硬化性接着剤層は、前記第1接着層または第2接着層であることができる。
【0021】
このような多層構造の硬化性接着剤層を含む接着フィルムにおいて下部接着剤層である第1接着層の有機電子装置との合着及び硬化温度での損失系数tanδは1以上であることができる。本発明の具現例による接着フィルムは、有機電子装置の封止工程へ適用するとき、熱合着と硬化温度が約60〜100℃で適用される。OLEDのような有機電子装置は、高温に脆弱な性質を有しているため、前記範囲に制限された合着及び硬化工程を行うことが好ましい。
【0022】
有機電子装置封止用接着フィルムにおいて有機電子装置に接触する下部接着剤層である第1接着層は、基板上に形成された多数の有機電子装置に起因して形成される段差を克服する特性を有しなければならない。これにより、浮き上がるかまたは空いた空間なしに接着フィルムが確実に有機電子装置を封止することができる。したがって、前記第1接着層は、合着及び硬化温度である約60〜100℃で適切なフロー性を有しなければならないし、貯蔵弾性率G’より損失弾性率G”が大きいことが好ましい。すなわち、損失系数であるtanδは、損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’の値を有するので、1以上であることができる。また、前記第1接着層のフロー性があまり大きくなれば、バー発生などの耐久性問題が発生する可能性があるところ、損失係数の最大値は5以下であることが好ましい。前記貯蔵弾性率及び損失弾性率は、JISなどの規格化された試験方法による粘弾性試験によって測定されることができる。
【0023】
このように硬化性接着剤層の下部層である第1接着層の粘弾性を制御することによって、有機電子装置の封止工程で段差克服特性を確保することができる。このような粘弾性の制御は、有機電子装置と直接当接しない上部層である第2接着層まで厳格に要求される必要はない。
【0024】
前記硬化性接着剤層の第1接着層または第2接着層は、水分吸着剤及び/またはフィラーを含んで外部から流入される水分が有機電子装置に到逹することを遮断することができる。前記水分吸着剤は、接着層の内部に流入された湿気、水分または酸素などと化学的に反応し、水分または湿気を吸着する。したがって、接着フィルム内の水分吸着剤と水分との反応による体積膨張が、硬化性樹脂が制御することができる限界を外れることができ、有機電子装置の膜にクラックを誘発することができる。したがって、前記硬化性接着剤層のそれぞれの接着剤層である第1接着層または第2接着層の合着及び硬化温度での粘度は、それぞれ3,000poise以上であることが好ましい。3,000poise以上の粘度を有する場合、第1接着層または第2接着層の内部に含まれている水分吸着剤またはフィラーが沈降して移動することを防止することができる。但し、粘度があまり高くなれば、被着体の表面に対する濡れ性が低下することができるので、接着フィルムの第1接着層または第2接着層のそれぞれの粘度の上限値は、300,000poise未満が好ましい。
【0025】
前記硬化性接着剤層において有機電子装置の封止時に有機電子装置と接触する第1接着層よりその上部にすぐ形成される有機電子装置と接触しない第2接着層に水分吸着剤が多く含まれることが、有機電子装置に対する損傷可能性を減らすことができ、一例としては、前記硬化性接着剤層内の全体水分吸着剤の質量を基準として、前記第1接着層には0〜20%、前記第2接着層には80〜100%の水分吸着剤が含まれることができる。
【0026】
したがって、さらに多い量の水分吸着剤を有している第2接着層の粘度は、5,000poise以上であることがより好ましい。
【0027】
具体的に、第1接着層は、60℃で3,000〜300,000poise、5,000〜300,000poise、100,000〜290,000poise、110,000〜250,000poiseまたは130,000〜200,000poiseであり、100℃で3,000〜300,000poise、3,000〜100,000poise、3,000〜10,000poise、または3,000〜5,000poiseであることができる。
【0028】
また、第2接着層は、60℃で3,000〜300,000poise、5,000〜300,000poise、110,000〜300,000poise、150,000〜290,000poise、200,000〜290,000poise、または240,000〜290,000poiseであり、100℃で3,000〜300,000poise、5,000〜300,000poise、5,000〜100,000poise、5,000〜10,000poise、または5,000〜9,000poiseであることができる。
【0029】
本発明の接着フィルムは、常温での粘度が10
6dyne/cm
2以上、または10
7dyne/cm
2以上であることができる。用語「常温」は、加温または減温されない自然そのままの温度を意味し、例えば、約15℃〜35℃、より具体的には、約20℃〜25℃、さらに具体的には約25℃の温度を意味することができる。前記粘度は、ARES(Advanced Rheometric Expansion System)を使用して測定することができる。本発明では、硬化性接着剤層の粘度を前記範囲に調節し、有機電子装置の封止過程で、作業衣工程性が円滑であり、均一な厚さで平板の封止が可能である。また、樹脂の硬化などによって発生し得る収縮及び揮発ガスなどの問題を大幅に縮小させて、有機電子装置に物理的または化学的損傷が加えられることを防止することができる。本発明では、接着剤が常温で固相または半固相の状態を維持する限り、前記粘度の上限は、特に制限されず、例えば、工程性などを考慮して、約10
9dyne/cm
2以下の範囲に制御することができる。
【0030】
このような多層構造の接着フィルムの合着及び硬化温度での接着剤層の下部層の粘弾性を調節すると同時に、前記第1接着層及び第2接着層の粘度を調節することによって、段差克服特性とともに接着フィルム内の水分吸着剤による有機電子装置への物理的、化学的損傷を防止することができる。
【0031】
前記接着剤層を第1接着層と第2接着層とに区分して多層構造を有することができるようにする方法は、多層構造の接着剤層を形成する方法なら、当該技術分野において使用される方法を制限なしに使用することができる。
【0032】
前記接着剤層の第1接着層及び第2接着層は、水分吸着剤の含量を除いた残りの構成、例えば硬化性樹脂、水分吸着剤またはその他添加剤、フィラーの種類及び含量などは、それぞれ同一であってもよく、異なってもよい。各層の粘度及び粘弾性(モジュラス)は、各層の接着剤の成分、例えば、高分子樹脂の分子量、液相エポキシ樹脂と固相エポキシ樹脂の混用比率などによって調節することができる。
【0033】
前記硬化性樹脂は、硬化した状態での透湿度(WVTR;water vapor transmission rate)が50g/m
2・day以下、30g/m
2・day以下、20g/m
2・day以下、または15g/m
2・day以下であることができる。前記用語「硬化性樹脂の硬化状態」は、硬化性樹脂がその単独または硬化剤などの他の成分との反応などを通じて硬化または架橋され、封止材に適用された場合に、水分吸着剤及びフィラーなどの成分を維持し、構造用接着剤としての性能を示すことができる状態に転換された状態を意味する。本発明では、前記透湿度は、硬化性樹脂を硬化させ、その硬化物を厚さ80μmのフィルム形状にした後に、38℃及び100%の相対湿度下で前記硬化物の厚さ方向に対して測定した透湿度である。また、前記透湿度は、ASTM F1249によって測定する。
【0034】
透湿度を前記範囲に制御し、有機電子装置封止製品への水分、湿気または酸素などの浸透を効果的に抑制することができ、水分吸着剤の導入効果を発揮することができる。
【0035】
本発明において、樹脂の硬化状態での透湿度は、その数値が低いほど封止構造が優れた性能を示すものであって、その下限は特に制限されない。
【0036】
本発明において使用することができる硬化性樹脂の具体的な種類は、特に制限されず、例えば、この分野で公知されている多様な熱硬化性または光硬化性樹脂を使用することができる。用語「熱硬化性樹脂」は、適切な熱の印加または熟成(aging)工程を通じて、硬化し得る樹脂を意味し、用語「光硬化性樹脂」は、電磁気波の照射によって硬化し得る樹脂を意味する。また、前記で電磁気波の範疇には、マイクロ波(microwaves)、赤外線(IR)、紫外線(UV)、X線及びγ線は勿論、α−粒子線(α−particle beam)、プロトンビーム(proton beam)、中性子ビーム(neutron beam)及び電子線(electron beam)のような粒子ビームなどが含まれることができる。本発明で光硬化性樹脂の1つの例としては、陽イオン光硬化性樹脂が挙げられる。陽イオン光硬化性樹脂は、電磁気波の照射によって誘導された陽イオン重合または陽イオン硬化反応によって硬化し得る樹脂を意味する。また、前記硬化性樹脂は、熱硬化と光硬化の特性を共に含むデュアル硬化性樹脂であることができる。
【0037】
本発明で硬化性樹脂の具体的な種類は、前述した特性を有するものなら、特に制限されない。例えば、硬化して接着特性を示すことができるものであって、グリシジル基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、カルボキシル基またはアミド基などのような熱硬化可能な官能基を1つ以上含むか、あるいはエポキシド(epoxide)基、環状エーテル(cyclicether)基、スルフィド(sulfide)基、アセタール(acetal)基またはラクトン(lactone)基などのような電磁気波の照射によって硬化可能な官能基を1つ以上含む樹脂が挙げられる。また、前記のような樹脂の具体的な種類には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂またはエポキシ樹脂などが含まれることができるが、これに制限されるものではない。
【0038】
本発明では、前記硬化性樹脂として、芳香族または脂肪族;または直鎖状または分岐鎖状型のエポキシ樹脂を使用することができる。本発明の一具現例では、2個以上の官能基を含有するものであって、エポキシ当量が180g/eq〜1,000g/eqのエポキシ樹脂を使用することができる。前記範囲のエポキシ当量を有するエポキシ樹脂を使用して、硬化物の接着性能及びガラス転移温度などの特性を効果的に維持することができる。このようなエポキシ樹脂の例には、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、4官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタンエポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂またはジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂の一種または二種以上の混合が挙げられる。
【0039】
本発明では、好ましくは、分子構造内に環状構造を含むエポキシ樹脂を使用することができ、より好ましくは、芳香族基(例えば、フェニル基)を含むエポキシ樹脂を使用することができる。エポキシ樹脂が芳香族基を含む場合、硬化物が優れた熱的及び化学的安定性を有しながら、低い吸湿量を示し、有機電子装置封止構造の信頼性を向上させることができる。本発明で使用することができる芳香族基含有エポキシ樹脂の具体的な例としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、クレゾール系エポキシ樹脂、ビスフェノール系エポキシ樹脂、キシロール系エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂及びアルキル変性トリフェノールメタンエポキシ樹脂などの一種または二種以上の混合であることができるが、これに制限されるものではない。
【0040】
本発明でさらに好ましくは、前記エポキシ樹脂として、シラン変性エポキシ樹脂、好ましくは芳香族基を有するシラン変性エポキシ樹脂を使用することができる。このようにシランで変性されて構造的にシラン基を有するエポキシ樹脂を使用する場合、有機電子装置のガラス基板または基板無機材などとの接着性を極大化させ、また、水分バリア性や耐久性及び信頼性などを向上させることができる。本発明で使用することができる前記のようなエポキシ樹脂の具体的な種類は、特に制限されず、このような樹脂は、例えば、KUKDO化学などのような購入先から容易に入手することができる。
【0041】
本発明で使用することができる水分吸着剤の具体的な種類は、特に制限されず、例えば、水分吸着剤の場合、アルミナなどの金属粉末、金属酸化物、金属塩または五酸化リン(P
2O
5)などの一種または二種以上の混合物が挙げられる。
【0042】
前記で金属酸化物の具体的な例としては、酸化リチウム(Li
2O)、酸化ナトリウム(Na
2O)、酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)または酸化マグネシウム(MgO)などが挙げられ、金属塩の例としては、硫酸リチウム(Li
2SO
4)、硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)、硫酸カルシウム(CaSO
4)、硫酸マグネシウム(MgSO
4)、硫酸コバルト(CoSO
4)、硫酸ガリウム(Ga
2(SO
4)
3)、硫酸チタン(Ti(SO
4)
2)または硫酸ニッケル(NiSO
4)などのような硫酸塩、塩化カルシウム(CaCl
2)、塩化マグネシウム(MgCl
2)、塩化ストロンチウム(SrCl
2)、塩化イットリウム(YCl
3)、塩化銅(CuCl
2)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化タンタル(TaF
5)、フッ化ニオビウム(NbF
5)、ブロム化リチウム(LiBr)、ブロム化カルシウム(CaBr
2)、ブロム化セシウム(CeBr
3)、ブロム化セレニウム(SeBr
4)、ブロム化バナジウム(VBr
3)、ブロム化マグネシウム(MgBr
2)、ヨード化バリウム(BaI
2)またはヨード化マグネシウム(MgI
2)などのような金属ハロゲン化物;または過塩素酸バリウム(Ba(ClO
4)
2)または過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO
4)
2)などのような金属塩素酸塩などが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0043】
本発明では、前記金属酸化物などのような水分吸着剤を適切に加工した状態で組成物に配合することができる。例えば、接着フィルムを適用しようとする有機電子装置の種類によって接着剤層の厚さが30μm以下の薄膜であることができ、この場合、水分吸着剤の粉砕工程が必要なことがある。 水分吸着剤の粉砕には、3ロールミル、ビーズミルまたはボールミルなどの工程が利用されることができる。また、本発明の接着フィルムが上部発光(top emission)型の有機電子装置などに使用される場合、接着剤層自体の透過度が非常に重要になり、したがって水分吸着剤のサイズが小さい必要がある。したがって、このような用途でも粉砕工程は要求されることができる。
【0044】
本発明の硬化性接着剤層の第2接着層は、水分吸着剤を、硬化性樹脂100重量部に対して、1重量部〜100重量部、または5重量部〜50重量部の量で含むことができる。水分吸着剤の含量を5重量部以上に制御し、硬化物が優れた水分及び湿気遮断性を示すことができる。また、水分吸着剤の含量を50重量部以下に制御し、薄膜の封止構造を形成しながらも、優れた水分遮断特性を示すことができる。
【0045】
本明細書では、特に別途規定しない限り、単位「重量部」は、各成分間の重量の比率を意味する。
【0046】
また、それによって本発明の硬化性接着剤層の第1接着層は、水分吸着剤を、硬化性樹脂100重量部に対して、0重量部〜20重量部の量で含むことができる。水分吸着剤が0重量部の場合には、前記硬化性接着剤層の第1接着層には水分吸着剤がなく、第2接着層にのみ水分吸着剤が存在する。水分吸着剤の含量を20重量部以下に制御することによって、水分遮断特性を極大化しながらも、有機電子装置に対する水分吸着剤による物理的、化学的損傷を最小化することができる。
【0047】
本発明の第1接着層または第2接着層はフィラーを含むことができる。前記フィラーは、封止構造に浸透する水分または湿気の移動経路を長くして、その浸透を抑制することができる一種の物理的水分吸着剤であって、硬化性樹脂のマトリックス構造及び水分吸着剤などとの相互作用を通じて水分及び湿気に対する遮断性を極大化することができる。本発明で使用することができるフィラーの具体的な種類は、特に制限されず、例えば、クレイ、タルク、シリカ、ゼオライト、ジルコニア、チタニア及びモンモリロナイトよりなる群から選択された一種または二種以上の混合を使用することができる。
【0048】
本発明では、また、フィラー及び有機バインダーとの結合効率を高めるために、前記フィラーとして有機物質で表面処理された製品を使用するか、またはさらにカップリング剤を添加して使用することができる。
【0049】
本発明の硬化性接着剤層は、硬化性樹脂100重量部に対して1重量部〜50重量部または1重量部〜20重量部のフィラーを含むことができる。前記フィラーの含量を前記1重量部以上に制御することによって、優れた水分または湿気遮断性及び機械的物性を有する硬化物を提供することができる。また、本発明で、前記フィラーの含量を50重量部以下に制御することによって、フィルム形態の製造が可能であり、薄膜として形成された場合にも、優れた水分遮断特性を示す硬化物を提供することができる。
【0050】
本発明の第1接着層または第2接着層の硬化性接着剤は、硬化性樹脂と反応し、架橋構造などのようなマトリックスを形成することができる硬化剤をさらに含むことができる。
【0051】
本発明で使用することができる硬化剤の具体的な種類は、特に限定されず、使用される硬化性樹脂またはその樹脂に含まれる官能基の種類によって適切に選択されることができる。例えば、本発明で硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤としてこの分野で公知されている一般的なエポキシ樹脂用硬化剤を使用することができ、具体的には、各種アミン系化合物、イミダゾール系化合物、フェノール系化合物、リン系化合物または酸無水物系化合物などの一種または二種以上を使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0052】
本発明の第1接着層または第2接着層の硬化性接着剤は、硬化剤を、例えば、硬化性樹脂100重量部に対して、1重量部〜20重量部または1重量部〜10重量部の量で含むことができる。しかし、前記含量は、本発明の1つの例示に過ぎない。すなわち、本発明では、硬化性樹脂または官能基の種類及びその含量、または具現しようとするマトリックス構造または架橋密度などによって硬化剤の含量を変更することができる。
【0053】
本発明の硬化性接着剤層は、高分子量樹脂をさらに含むことができる。前記高分子量樹脂は、本発明の組成物をフィルムまたはシート形状に成形する場合などに、成形性を改善する役目をすることができる。また、熱合着工程中にフロー性を調節する高温粘度調節剤としての役目をすることができる。
【0054】
本発明で使用することができる高分子量樹脂の種類は、前記硬化性樹脂などの他の成分と相溶性を有するものなら、特に制限されない。使用することができる高分子量樹脂の具体的な例としては、重量平均分子量が2万以上の樹脂であって、フェノキシ樹脂、アクリレート樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹脂、高極性(high polarity)官能基含有ゴム及び高極性(high polarity)官能基含有反応性ゴムなどの一種または二種以上の混合が挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0055】
本発明の硬化性接着剤層に高分子量樹脂が含まれる場合、その含量は、目的する物性によって調節されるものであって、特に限定されない。例えば、本発明で、高分子量樹脂は、硬化性樹脂100重量部に対して、約200重量部以下、150重量部以下または約100重量部以下の量で含まれることができる。本発明で、高分子量樹脂の含量を200重量部以下に制御することによって、樹脂組成物の各成分との相溶性を効果的に維持し、接着剤としての役目を行うことができる。
【0056】
本発明の接着フィルムは、また、発明の効果に影響を及ぼさない範囲で、硬化物の耐久性向上のための追加的なフィラー、機械的強度、接着力向上のためのカップリング剤、開始剤、可塑剤、紫外線安定剤及び酸化防止剤のような添加剤をさらに含むことができる。
【0057】
本発明の接着フィルムの構造は、前記接着剤層を含むものなら、特に制限されるものではないが、一例として、基材フィルムまたは離型フィルム(以下、「第1フィルム」と称する場合がある)と;前記基材フィルムまたは離型フィルム上に形成される前記接着剤層と;を含む構造を有することができる。
【0058】
本発明の接着フィルムは、また、前記接着剤層上に形成された基材フィルムまたは離型フィルム(以下、「第2フィルム」と称する場合がある)をさらに含むことができる。
【0059】
本発明で使用することができる前記第1フィルムの具体的な種類は、特に限定されない。本発明では、前記第1フィルムとして、例えば、この分野の一般的な高分子フィルムを使用することができる。本発明では、例えば、前記基材または離型フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリテトラフルオルエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−ビニルアセテートフィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、エチレン−アクリル酸エチル共重合体フィルム、エチレン−アクリル酸メチル共重合体フィルムまたはポリイミドフィルムなどを使用することができる。また、本発明の前記基材フィルムまたは離型フィルムの一面または両面には、適切な離型処理が行われていてもよい。基材フィルムの離型処理に使用される離型剤の例としては、アルキド系、シリコン系、フッ素系、不飽和エステル系、ポリオレフィン系またはワックス系などを使用することができ、このうち耐熱性の観点からアルキド系、シリコン系またはフッ素系離型剤を使用することが好ましいが、これに制限されるものではない。
【0060】
また、本発明で使用されることができる第2フィルム(以下、「カバーフィルム」と称する場合がある)の種類は、特に限定されない。例えば、本発明では、前記第2フィルムとして、前述した第1フィルムで例示された範疇内で、第1フィルムと同一であるか、または異なる種類を使用することができる。また、本発明では、前記第2フィルムにもやはり適切な離型処理が行われて使用されることができる。
【0061】
本発明で前記のような基材フィルムまたは離型フィルム(第1フィルム)の厚さは、特に限定されず、適用される用途によって適切に選択されることができる。例えば、本発明で前記第1フィルムの厚さは、10μm〜500μmまたは20μm〜200μm程度であることができる。前記厚さが10μm未満なら、製造過程で基材フィルムの変形が容易に発生するおそれがあり、500μmを超過すれば、経済性が劣る。
【0062】
また、本発明で前記第2フィルムの厚さも特に制限されない。本発明では、例えば、前記第2フィルムの厚さを第1フィルムと同一に設定してもよい。本発明では、また、工程性などを考慮して第2フィルムの厚さを第1フィルムに比べて相対的に薄く設定してもよい。
【0063】
本発明の接着フィルムに含まれる接着剤層の厚さは、特に制限されず、前記フィルムが適用される用途を考慮して下記の条件によって適切に選択することができる。一例として、接着剤層の第1接着層が第2接着層に比べて低い厚さを有することができる。本発明の接着フィルムに含まれる接着剤層は、例えば、接着剤層の第1接着層の厚さは、1μm〜20μm、または2μm〜15μm程度であることができる。前記厚さが1μm未満の場合、例えば、本発明の接着フィルムが有機電子装置の封止材として使用される場合、接着剤層の第2接着層の損傷因子から保護することができる能力が低下するおそれがあり、20μmを超過する場合、接着剤層の第2接着層の水分遮断能力の効率を低下させることができる。接着剤層の第2接着層の厚さは、5μm〜200μm、または5μm〜100μm程度であることができる。第2接着層の厚さが5μm未満の場合、十分な水分遮断能力を発揮することができず、200μm超過する場合、工程性を確保しにくいし、水分反応性によって厚さ膨張が大きくて、有機発光素子の蒸着膜に損傷を与えることができ、経済性が劣る。
【0064】
本発明において、前記のような接着フィルムを製造する方法は、特に限定されない。例えば、前述した接着剤層の組成物を含むコーティング液を基材フィルムまたは離型フィルム上にコーティングする第1段階と;第1段階でコーティングされたコーティング液を乾燥する第2段階と;を含む方法で接着フィルムの各第1接着層及び第2接着層を製造することができる。
【0065】
それぞれの第1接着層及び第2接着層を積層する方法は、特に限定されない。例えば、別途の離型フィルムに形成された第1接着層及び第2接着層を互いに合着し、多層構造の接着フィルムを形成してもよく、第1接着層上に直接第2接着層を形成してもよく、その反対に製造してもよい。
【0066】
本発明の接着フィルムの製造方法では、また、前記第2段階で乾燥したコーティング液上に基材フィルムまたは離型フィルムをさらに圧着する第3段階をさらに行ってもよい。
【0067】
本発明の第1段階は、前述した接着剤層の組成物を適切な溶媒に溶解または分散させてコーティング液を製造する段階である。この過程でコーティング液内に含まれる前記エポキシ樹脂などの含量は、目的する水分遮断性及びフィルム成形性によって適切に制御されることができる。
【0068】
本発明でコーティング液の製造に使用される溶剤の種類は、特に限定されない。但し、溶剤の乾燥時間が長すぎるか、あるいは高温での乾燥が必要な場合、作業性または接着フィルムの耐久性の観点から問題が発生することができるので、揮発温度が100℃以下の溶剤を使用することが好ましい。本発明では、フィルム成形性などを考慮して、前記範囲以上の揮発温度を有する溶剤を少量混合して使用することができる。本発明で使用することができる溶剤の例としては、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルセロソルブ(MCS)、テトラヒドロフラン(THF)またはN−メチルピロリドン(NMP)などの一種または二種以上の混合が挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0069】
本発明の第1段階で前記のようなコーティング液を基材フィルムまたは離型フィルムに塗布する方法は、特に限定されず、例えば、ナイフコート、ロールコート、スプレイコート、グラビアコート、カーテンコート、コンマコートまたはリップコートなどのような公知の方法が制限なしに使用されることができる。
【0070】
本発明の第2段階は、第1段階でコーティングされたコーティング液を乾燥し、接着剤層を形成する段階である。前記第2段階では、フィルムに塗布されたコーティング液を加熱し、溶剤を乾燥及び除去することによって、接着剤層を形成することができる。この際、乾燥条件は、特に限定されず、例えば、前記乾燥は、70℃〜200℃の温度で1分〜10分間行われることができる。
【0071】
本発明の接着フィルムの製造方法では、また、前記第2段階に引き続いて、フィルム上に形成された接着剤層上に追加的な基材フィルムまたは離型フィルムを圧着する第3段階がさらに行われることができる。
【0072】
このような本発明の第3段階は、フィルムにコーティングされた後、乾燥した接着剤層に追加的な離型フィルムまたは基材フィルム(カバーフィルムまたは第2フィルム)をホットロールラミネートまたはプレス工程によって圧着して行われることができる。この際、前記第3段階は、連続工程の可能性及び効率の観点からホットロールラミネート法によって行われることができ、この際、前記工程は、約10℃〜100℃の温度で約0.1kgf/cm
2〜10kgf/cm
2の圧力で行われることができる。
【0073】
本発明の他の具現例は、基板と;前記基板上に形成された有機電子装置と;前記有機電子装置を封止する前述した接着フィルムと;を含み、前記接着フィルムの接着剤層の第1接着層が前記有機電子装置全体をカバーしている有機電子装置封止製品に関する。本発明で有機電子装置は、有機発光ダイオードであることができる。
【0074】
前記有機電子装置封止製品は、前記接着フィルムと有機電子装置との間に前記有機電子装置を保護する保護膜をさらに含むことができる。
【0075】
本発明のさらに他の具現例は、上部に有機電子装置が形成された基板に前述した接着フィルムの接着剤層の第1接着層が前記有機電子装置をカバーするように適用する段階と;前記接着剤層を硬化する段階と;を含む有機電子装置の封止方法に関する。
【0076】
前記接着フィルムを前記有機電子装置に適用する段階は、接着フィルムのホットロールラミネート、熱圧着(hot press)または真空圧着方法で行うことができ、特に制限されない。
【0077】
前記接着フィルムを前記有機電子装置に適用する段階及び硬化段階は、60℃〜100℃の温度で行うことができる。
【0078】
また、追加封止材料であるガラスや金属などに前記接着フィルムの第2接着層が当接するように付着する段階を追加してもよい。
【0079】
図1は、本発明の1つの例示による有機電子装置の封止製品を示す断面図である。
本発明で有機電子装置の封止方法は、例えば、ガラスまたは高分子フィルムのような基板1上に真空蒸着またはスパッタリングなどの方法で透明電極を形成し、前記透明電極上に有機材料層を形成する。前記有機材料層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層及び/または電子輸送層を含むことができる。次に、前記有機材料層上に第2電極をさらに形成する。その後、前記基板1上の有機電子装置2の上部に前記有機電子装置2をすべてカバーするように前述した接着フィルム3を適用する。この際、前記接着フィルム3を適用する方法は、特に限定されず、例えば、基板上に形成された有機電子装置2の上部に、本発明の接着フィルムの接着剤層をあらかじめ転写しておいたカバー基板(例えば、ガラスまたは高分子フィルム)4を加熱、圧着などの方法で適用することができる。前記段階では、例えば、カバー基板4上に接着フィルム3を転写するとき、前述した本発明の接着フィルムを使用して、前記フィルムに形成された基材または離型フィルムを剥離した後、熱を加えながら、真空プレスまたは真空ラミネータなどを用いてカバー基板4上に転写することができる。この過程で、接着フィルム3の硬化反応が一定範囲以上行われれば、接着フィルムの密着力ないし接着力が減少するおそれがあるので、工程温度を約100℃以下、工程時間を5分以内に制御することが好ましい。同様に、接着フィルム3が転写されたカバー基板4を有機電子装置に加熱圧着する場合にも、真空プレスまたは真空ラミネータを利用することができる。この段階での温度条件は、前述したように設定することができ、工程時間は、10分以内が好ましい。但し、接着フィルムの第2接着層3bより第1接着層3aが有機電子装置に当接するように(有機電子装置が保護膜を具備する場合には保護膜に当接するように)接着フィルムを有機電子装置に適用する。
【0080】
また、本発明では、前記有機電子装置を圧着した接着フィルムに対して追加的な硬化工程を行ってもよいが、このような硬化工程(本硬化)は、例えば、加熱チャンバまたはUVチャンバで進行されることができる。本硬化時の条件は、有機電子装置の安定性などを考慮して適切に選択されることができる。
【0081】
しかし、前述した製造工程は、本発明の有機電子装置を封止するための一例に過ぎず、前記工程順序ないし工程条件などは、自由に変形されることができる。例えば、本発明では、前記転写及び圧着工程の順序を本発明の接着フィルム3を基板1上の有機電子装置2にまず転写した後、カバー基板4を圧着する方式に変更することができる。また、有機電子装置2上に保護層を形成し、接着フィルム3を適用した後、カバー基板4を省略し、硬化させて使用してもよい。
【実施例】
【0082】
以下、本発明による実施例及び本発明によらない比較例を通じて本発明をより詳しく説明するが、本発明の範囲が下記提示された実施例によって制限されるものではない。
【0083】
実施例1
1.第1接着層溶液製造
ビスフェノールA型液相エポキシ樹脂(eqw.200)70重量部、ビスフェノールA型固相エポキシ樹脂(eqw.500)30重量部、及び高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 50K)100重量部を反応器内に投入し、メチルエチルケトンで希釈した。その後、反応器の内部を窒素で置換し、製造された溶液を均質化した。前記均質化された溶液に硬化剤であるイミダゾール(2MA−OK)5重量部を投入した後、1時間高速撹拌し、第1接着層の溶液を製造した。
【0084】
2.第2接着層溶液製造
水分吸着剤としてCaO(Aldrich)40重量部をメチルエチルケトンに30wt%の濃度で投入して水分吸着剤溶液を製造し、前記溶液をボールミル工程によって24時間ミーリングした。また、これとは別に、常温で反応器にビスフェノールA型液相エポキシ樹脂(eqw.200)60重量部、ビスフェノールA型固相エポキシ樹脂(eqw.500)40重量部、及び高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 50K)100重量部を投入し、メチルエチルケトンで希釈した。その後、反応器の内部を窒素で置換し、製造された溶液を均質化した。前記均質化された溶液にあらかじめ準備した水分吸着剤溶液を投入し、硬化剤であるイミダゾール(2MA−OK)5重量部を投入した後、1時間高速撹拌し、第2接着層の溶液を製造した。
【0085】
3.接着フィルムの製造
前記で準備しておいた第1接着層の溶液を離型PETの離型面にコンマコーターを用いて塗布し、乾燥器で130℃に3分間乾燥し、厚さが15μmの接着層を形成した。
前記で準備しておいた第2接着層の溶液を離型PETの離型面にコンマコーターを用いて塗布し、乾燥器で130℃に3分間乾燥し、厚さが30μmの接着層を形成した。
前記第1接着層及び第2接着層の接着層を合着し、多層の接着フィルムを製造した。
【0086】
実施例2
前記実施例1の接着フィルム製造過程で、第1接着層溶液に高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 50K)の代わりに、高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 80K)100重量部を添加し、第2接着層溶液にも高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 50K)の代わりに、高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 80K)100重量部を添加することを除いて、実施例1と同一の方法で多層構造の接着フィルムを製造した。
【0087】
実施例3
前記実施例1の接着フィルム製造過程で、第1接着層溶液にビスフェノールA型液相エポキシ樹脂(eqw.200)40重量部及びビスフェノールA型固相エポキシ樹脂(eqw.500)60重量部を添加し、高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 50K)の代わりに、高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 80K)100重量部を添加し、第2接着層溶液には、ビスフェノールA型液相エポキシ樹脂(eqw.200)70重量部、及びビスフェノールA型固相エポキシ樹脂(eqw.500)30重量部を添加したことを除いて、実施例1と同一の方法で多層構造の接着フィルムを製造した。
【0088】
比較例1
前記実施例1のような接着フィルム製造過程で実施し、且つ実施例1の第2接着層溶液においてビスフェノールA型固相エポキシ樹脂(eqw.500)を除外し、ビスフェノールA型液相エポキシ樹脂(eqw.200)150重量部、及び高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 50K)50重量部を添加し、硬化剤であるイミダゾール(2MA−OK)7重量部を投入することを除いて、実施例1と同一の方法で多層構造の接着フィルムを製造した。
【0089】
比較例2
前記実施例1のような接着フィルム製造過程で実施し、且つ実施例1の第1接着層溶液にビスフェノールA型液相エポキシ樹脂(eqw.200)10重量部、ビスフェノールA型固相エポキシ樹脂(eqw.500)90重量部、及び高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 50K)の代わりに、高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 80K)100重量部を添加し、第2接着層溶液にビスフェノールA型液相エポキシ樹脂(eqw.200)10重量部、ビスフェノールA型固相エポキシ樹脂(eqw.500)90重量部及び高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 50K)の代わりに、高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 80K)100重量部を添加することを除いて、実施例1と同一の方法で多層構造の接着フィルムを製造した。
【0090】
比較例3
前記実施例1のような接着フィルム製造過程で実施し、且つ実施例1の第1接着層溶液においてビスフェノールA型固相エポキシ樹脂(eqw.500)を除外し、ビスフェノールA型液相エポキシ樹脂(eqw.200)150重量部、及び高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw 50K)50重量部を反応器内に投入し、メチルエチルケトンで希釈し、硬化剤であるイミダゾール(2MA−OK)7重量部を投入したことを除いて、実施例1と同一の方法で多層構造の接着フィルムを製造した。
【0091】
【表1】
【0092】
前記表1のように、比較例1は、第2接着層の粘度が低くて沈降が発生し、合着及び硬化時に外観不良(burr)が発生する。また、比較例2では、第1接着層及び第2接着層の粘度が高くて、基材ウェット(wetting)性が不良であり、合着時にフローが十分ではないため、段差克服不良が発生する。比較例3の場合、第1接着層の粘度が非常に低く、合着及び硬化時に過多な流動でバー(burr)が発生する。
【0093】
以上、本発明について詳細に説明したが、これらは、ただ例示的なものに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者なら、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解することができる。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、添付の特許請求範囲の技術的思想によって定められなければならない。