(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010880
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】位置情報検出センサ、位置情報検出センサの製造方法、エンコーダ、モータ装置及びロボット装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/245 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
G01D5/245 110B
【請求項の数】26
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-91004(P2011-91004)
(22)【出願日】2011年4月15日
(65)【公開番号】特開2012-225669(P2012-225669A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2014年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】引地 哲也
(72)【発明者】
【氏名】東海林 宏
【審査官】
吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−155636(JP,A)
【文献】
特開2004−335604(JP,A)
【文献】
特開2011−43331(JP,A)
【文献】
特表2008−506104(JP,A)
【文献】
特開2009−182028(JP,A)
【文献】
特開平4−23360(JP,A)
【文献】
特開2010−271069(JP,A)
【文献】
特開昭62−220809(JP,A)
【文献】
特開2008−211421(JP,A)
【文献】
特開2008−183716(JP,A)
【文献】
特開昭63−201523(JP,A)
【文献】
特開2006−153472(JP,A)
【文献】
特開2003−315099(JP,A)
【文献】
特開2009−79925(JP,A)
【文献】
特開2009−294073(JP,A)
【文献】
特開2010−266335(JP,A)
【文献】
特開2010−129930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00−5/38
H01L 25/00−25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を射出する光射出部および光学パターンを介した光を検出する光検出部が実装された第一チップと、
前記第一チップとの間で互いに表面を対向させた状態で接合され、磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部が実装された第二チップとを備え、
前記光検出部は、少なくとも第一受光部と第二受光部とを含み、
前記磁場検出部は、第一検出部と第二検出部とを含み、
前記光射出部は、第一方向に関して前記第一受光部と前記第二受光部との間に位置し、かつ、前記第一方向とは異なる第二方向に関して、前記第一検出部と前記第二検出部との間に位置し、
前記第一検出部と前記第二検出部とは、前記第一方向に関して、該第一検出部及び該第二検出部の少なくとも一部が前記第一受光部と前記第二受光部との間に挟まれるように、配置される
位置情報検出センサ。
【請求項2】
前記光学パターンは回転部に配置され、
前記光射出部は回転部の径方向に関して前記第一受光部と前記第二受光部との間に位置し、かつ、前記回転部の回転方向に関して前記第一検出部と前記第二検出部との間に位置する
請求項1に記載の位置情報検出センサ。
【請求項3】
前記第一チップに設けられ、前記光検出部による検出結果及び前記磁場検出部による検出結果を処理する制御回路を備える
請求項1または請求項2に記載の位置情報検出センサ。
【請求項4】
前記第一受光部は、前記光のうち第1の光を受光する複数の受光素子を有し、
前記第二受光部は、前記光のうち前記第1の光とは異なる第2の光を受光する複数の受光素子を有する
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項5】
前記制御回路は、コンパレータおよび処理回路を含み、
前記コンパレータは、
前記第二チップに設けられた前記磁場検出部において検出された検出信号に基づいて多回転信号を生成して前記処理回路に出力する第一コンパレータと、
前記第一チップに設けられた前記第一受光部において検出された検出信号から第一信号を生成して前記処理回路に出力する第二コンパレータと、
前記第一チップに設けられた前記第二受光部において検出された検出信号から第二信号を生成して前記処理回路に出力する第三コンパレータと、を含み、
前記処理回路は、前記第一信号及び前記第二信号に基づいて一回転情報を生成し、前記多回転信号に基づいて多回転情報を生成する
請求項3に記載の位置情報検出センサ。
【請求項6】
前記光検出部は、前記第一チップの一面に形成されており、
前記第二チップは、前記第一チップの前記一面に接合されている
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項7】
前記第一チップに一対の前記第二チップが接合されている、
請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項8】
前記光学パターン及び前記磁気パターンは、測定対象の回転子と一体的に回転するように設けられており、
前記回転子の中心軸方向視において、前記中心軸から前記光検出部へ向けて伸びる基準線分を0°とし、
前記基準線分と、前記回転子の中心軸方向視において前記中心軸から一対の前記第二チップの一方へ向けて伸びる第一線分とで形成される角度をθ1とし、
前記基準線分と、前記回転子の中心軸方向視において前記中心軸から一対の前記第二チップの他方へ向けて伸びる第二線分とで形成される角度をθ2とすると、
一対の前記第二チップは、
0°<θ1<90°、かつ、0°<θ2<90°
を満たすように配置されている
請求項7に記載の位置情報検出センサ。
【請求項9】
一対の前記第二チップは同心円の円周上に配置され、
前記同心円の中心点から一対の前記第二チップの一方へ向けて伸びる直線と前記同心円の中心点から一対の前記第二チップの他方へ向けて伸びる直線とで形成される角度をθ3とし、
前記同心円の中心点から一対の前記第二チップの一方までの距離をL1とし、
前記同心円の中心点から一対の前記第二チップの他方までの距離をL2とし、
一対の前記第二チップの距離をL3とすると、
一対の前記第二チップは、
(L3)2=(L1)2+(L2)2−2・L1・L2・cosθ3
(0°<θ3<180°)
を満たすように配置される
請求項7または8に記載の位置情報検出センサ。
【請求項10】
一対の前記第二チップは同じ円の円周上に配置され、
前記円の中心点から一対の前記第二チップの一方へ向けて伸びる直線と前記円の中心点から一対の前記第二チップの他方へ向けて伸びる直線とで形成される角度をθ3とし、
前記円の半径をRとし、
前記角度θ3によって規定される円弧の長さをRaとすると、
一対の前記第二チップは、
Ra=2πR×(θ3/360°) (0°<θ3<180°)
を満たすように配置される
請求項7または8に記載の位置情報検出センサ。
【請求項11】
前記第一チップと前記第二チップとの間は、ワイヤー部材を介して接続されている
請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項12】
前記第一チップと前記第二チップとの間は、導電性接着剤を介して接続されている
請求項1から請求項11のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項13】
回転部に配置された光学パターンを介した光を検出する光検出部を第一チップに実装する光検出部形成工程と、
前記光学パターンに向けて光を射出する光射出部を前記第一チップに実装する光射出部形成工程と、
前記回転部に配置された磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部を第二チップに実装する磁場検出部形成工程と、
前記第一チップと前記第二チップとの間を互いに表面を対向させた状態で接合する接合工程とを備え、
前記光検出部は第一受光部と第二受光部とを備え、
前記光検出部形成工程は、前記光射出部が第一方向に関して前記第一受光部と前記第二受光部との間に位置するように形成し、
前記接合工程は、前記第一方向に関して、第一検出部を含む前記第二チップと第二検出部を含む前記第二チップとの間に前記光検出部が位置し、かつ、前記第一方向とは異なる第二方向に関して一方の前記第二チップと他方の前記第二チップとの間に前記光射出部が位置するように形成し、
前記接合工程においては、前記第一方向に関して、前記第一検出部及び前記第二検出部の少なくとも一部が前記第一受光部と前記第二受光部との間に挟まれるように、該第一検出部及び該第二検出部を位置させる
位置情報検出センサの製造方法。
【請求項14】
回転部に配置された光学パターンを介した光を検出する光検出部を第一チップに実装する光検出部形成工程と、
前記回転部に配置された磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部を第二チップに実装する磁場検出部形成工程と、
前記光検出部による検出結果に基づき一回転情報を生成し、前記磁場検出部による検出結果に基づき多回転情報を生成する制御回路を前記第一チップに形成する制御回路形成工程と、
前記第一チップと前記第二チップとの間を互いに表面を対向させた状態で接合する接合工程と、
前記光学パターンに向けて光を射出する光射出部を前記第一チップに実装する光射出部形成工程と、を備え、
前記光検出部は第一受光部と第二受光部とを含み、
前記光検出部形成工程は、前記光射出部が第一方向に関して前記第一受光部と前記第二受光部との間に位置するように形成し、
前記第二チップは、第一検出部と第二検出部とをそれぞれ備えた2つの第二チップを含み、
前記接合工程は、前記第一方向とは異なる第二方向に関して一方の前記第二チップと他方の前記第二チップとの間に前記光射出部が位置するように形成するとともに、前記第一方向に関して、前記第一検出部及び前記第二検出部の少なくとも一部が前記第一受光部と前記第二受光部との間に挟まれるように、該第一検出部及び該第二検出部を位置させる
位置情報検出センサの製造方法。
【請求項15】
前記光検出部形成工程は前記光検出部を前記第一チップの一面に形成することを含み、
前記接合工程は、前記第二チップを、前記第一チップの前記一面に接合することを含む
請求項14に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項16】
前記接合工程は、一対の前記第二チップを、前記第一チップに接合することを含む
請求項14または請求項15に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項17】
前記光学パターン及び前記磁気パターンは、測定対象の回転子と一体的に回転するように設けられており、
前記回転子の中心軸方向視において、前記中心軸から前記光検出部へ向けて伸びる基準線分を0°とし、
前記基準線分と、前記回転子の中心軸方向視において前記中心軸から一対の前記第二チップの一方へ向けて伸びる第一線分とで形成される角度をθ1とし、
前記基準線分と、前記回転子の中心軸方向視において前記中心軸から一対の前記第二チップの他方へ向けて伸びる第二線分とで形成される角度をθ2とすると、
前記磁場検出部形成工程は、
0°<θ1<90°、かつ、0°<θ2<90°
を満たすように、一対の前記第二チップを配置することを含む
請求項16に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項18】
一対の前記第二チップは同心円の円周上に配置され、
前記同心円の中心点から一対の前記第二チップの一方へ向けて伸びる直線と前記同心円の中心点から一対の前記第二チップの他方へ向けて伸びる直線とで形成される角度をθ3とし、
前記同心円の中心点から一対の前記第二チップの一方までの距離をL1とし、
前記同心円の中心点から一対の前記第二チップの他方までの距離をL2とし、
一対の前記第二チップの距離をL3とすると、
前記磁場検出部形成工程は、
(L3)2=(L1)2+(L2)2−2・L1・L2・cosθ3
(0°<θ3<180°)
を満たすように、一対の前記第二チップを配置することを含む
請求項16または17に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項19】
一対の前記第二チップは同じ円の円周上に配置され、
前記円の中心点から一対の前記第二チップの一方へ向けて伸びる直線と前記円の中心点から一対の前記第二チップの他方へ向けて伸びる直線とで形成される角度をθ3とし、
前記円の半径をRとし、
前記角度θ3によって規定される円弧の長さをRaとすると、
前記磁場検出部形成工程は、
Ra=2πR×(θ3/360°) (0°<θ3<180°)
を満たすように、一対の前記第二チップを配置することを含む
請求項16または17に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項20】
前記光学パターンへ向けて前記光を射出する光射出部を前記第一チップに形成する光射出部形成工程
を備える請求項16から請求項19のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項21】
前記接合工程は、前記第一チップと前記第二チップとの間を、線状部材を介して接続することを含む
請求項13から請求項20のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項22】
前記接合工程は、前記第一チップと前記第二チップとの間を、導電性接着剤を介して接続することを含む
請求項13から請求項21のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項23】
測定対象の回転子に固定され、光学パターン及び磁気パターンが形成された回転部と、
光を射出する光射出部および前記回転部に配置された光学パターンを介した前記光を検出する光検出部が実装された第一チップと、
磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部が実装された第二チップとを備え、
前記光検出部は、少なくとも第一受光部と第二受光部とを含み、
前記光射出部は、前記回転部の径方向に関して前記第一受光部と前記第二受光部との間に位置し、
前記磁場検出部は、少なくとも第一検出部と第二検出部とを有し、
前記光射出部は、前記回転部の中心軸から前記第一検出部へ向けて伸びる直線と前記回転部の中心軸から前記第二検出部へ向けて伸びる直線との間に位置し、
前記第一検出部と前記第二検出部とは、前記回転部の径方向に関して、該第一検出部及び該第二検出部の少なくとも一部が前記第一受光部と前記第二受光部との間に挟まれるように、配置される
エンコーダ。
【請求項24】
測定対象の回転子に固定され、光学パターン及び磁気パターンが形成された回転部と、
光を射出する光射出部および前記回転部に配置された光学パターンを介した前記光を検出する光検出部が実装された第一チップと、
前記第一チップとの間で互いに表面を対向させた状態で接合され、磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部が実装された第二チップとを備え、
前記光検出部は、少なくとも第一受光部と第二受光部とを含み、
前記磁場検出部は、少なくとも第一検出部と第二検出部とを含み、
前記第一チップの基板にはコンパレータおよび処理回路が実装され、
前記コンパレータは、
前記磁場検出部において検出された検出信号に基づいて多回転信号を生成して前記処理回路に出力する第一コンパレータと、
前記第一受光部において検出された検出信号から第一信号を生成して前記処理回路に出力する第二コンパレータと、
前記第二受光部において検出された検出信号から第二信号を生成して前記処理回路に出力する第三コンパレータと、を含み、
前記処理回路は、前記第一信号及び前記第二信号に基づいて一回転情報を生成し、前記多回転信号に基づいて多回転情報を生成し、
前記光射出部は、前記回転部の径方向に関して前記第一受光部と前記第二受光部との間に位置し、
前記光射出部は、前記回転部の中心軸から前記第一検出部へ向けて伸びる直線と前記回転部の中心軸から前記第二検出部へ向けて伸びる直線との間に位置し、
前記第一検出部と前記第二検出部とは、前記回転部の径方向に関して、該第一検出部及び該第二検出部の少なくとも一部が前記第一受光部と前記第二受光部との間に挟まれるように、配置される
エンコーダ。
【請求項25】
回転子と、
前記回転子を回転させる駆動部と、
前記回転子に固定され、前記回転子の位置情報を検出するエンコーダと
を備え、
前記エンコーダとして、請求項23又は請求項24に記載のエンコーダが用いられている
モータ装置。
【請求項26】
回転部材と、
前記回転部材を回転させるモータ装置と
を備え、
前記モータ装置として、請求項25に記載のモータ装置が用いられている
ロボット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報検出センサ、位置情報検出センサの製造方法、エンコーダ、モータ装置及びロボット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの回転軸など回転体の回転数や位置情報を検出する装置として、エンコーダが知られている(例えば、特許文献1)。エンコーダは、例えばモータの回転軸に取り付けられて用いられる。エンコーダの具体的構成として、例えば所定の光反射パターン及び磁気パターンが形成された回転部を回転軸と一体的に回転させ、例えば光反射パターンに光を照射して反射光を読み取ると共に、例えば磁気パターンの変化を検出することで、モータの回転軸の回転情報を検出できるようになっている。
【0003】
上記のような構成のエンコーダにおいては、上記回転部と、例えば反射光や磁気パターンの変化を検出する検出部などを有する本体部とを備えている。光反射パターンを介した光を読み取るセンサとして、例えば発光部及び受光部を有する受発光センサが用いられている。また、磁気パターンの変化を検出するセンサとして、磁気センサが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−20548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、受発光センサ及び磁気センサは、それぞれ独立した部品として形成されており、本体部の異なる位置に実装されていた。このため、本体部には受発光センサ及び磁気センサをそれぞれ実装するためのスペースを確保する必要があり、本体部を小型化する上での課題となっていた。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明は、小型化が可能な位置情報検出センサ、位置情報検出センサの製造方法、エンコーダ、モータ装置及びロボット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様に従えば、光学パターンを介した光を検出する光検出部が実装された第一チップと、当該第一チップとの間で互いに表面を対向させた状態で接合され、磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部が実装された第二チップとを備える位置情報検出センサが提供される。
【0008】
本発明の第二の態様に従えば、光学パターンを介した光を検出する光検出部を第一チップに実装する光検出部形成工程と、磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部を第二チップに実装する磁場検出部形成工程と、第一チップと第二チップとの間を互いに表面を対向させた状態で接合する接合工程とを備える位置情報検出センサの製造方法が提供される。
【0009】
本発明の第三の態様に従えば、測定対象の回転子に固定され、光学パターン及び磁気パターンが形成された回転部と、光学パターンを介した光及び磁気パターンによる磁場を検出する検出部とを備え、検出部として、本発明の第一の態様に従う位置情報検出センサが用いられているエンコーダが提供される。
【0010】
本発明の第四の態様に従えば、回転子と、回転子を回転させる駆動部と、回転子に固定され、回転子の位置情報を検出するエンコーダとを備え、エンコーダとして、本発明の第三の態様に従うエンコーダが用いられているモータ装置が提供される。
【0011】
本発明の第五の態様に従えば、回転部材と、回転部材を回転させるモータ装置とを備え、モータ装置として、本発明の第四の態様に従うモータ装置が用いられているロボット装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の態様によれば、小型化が可能な位置情報検出センサ、位置情報検出センサの製造方法、エンコーダ、モータ装置及びロボット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す平面図。
【
図2】本実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す断面図。
【
図3】本実施形態に係る位置情報検出センサの処理系を示すブロック図。
【
図4】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【
図5】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【
図6】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【
図7】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【
図8】本発明の第二実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す平面図。
【
図9】本実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す側面図。
【
図10】本発明の第三実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す平面図。
【
図11】本実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す側面図。
【
図12】本発明の第四実施形態に係るモータ装置及びエンコーダの構成を示す図。
【
図13】本実施形態に係るエンコーダの一部の構成を示す図。
【
図14】本発明の第五実施形態に係るロボット装置の構成を示す図。
【
図15】本発明に係る位置情報検出センサの他の構成例を示す図。
【
図16】本発明に係る位置情報検出センサの他の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第一実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る位置情報検出センサ100の構成を示す平面図である。
図1に示すように、位置情報検出センサ100は、光検出部40が実装された第一チップ50と、磁場検出部60が実装された第二チップ70とを有している。
【0015】
第一チップ50及び第二チップ70は、それぞれ外形が矩形の板状に形成されている。第一チップ50と第二チップ70とは、互いに第一面50f及び第一面70fを対向させた状態で接合(チップオンチップ接合:
図2等参照)されている。第二チップ70は、複数、例えば2つ設けられている。2つの第二チップ70は、第一チップ50の第一面50fのうち異なる領域に接合されている。本実施形態においては、第一チップ50と第二チップ70とは、フリップチップ実装によってチップオンチップ接合されている。
【0016】
光検出部40は、第一チップ50の第一面50fに実装されている。したがって、第二チップ70は、第一チップ50のうち光検出部40が実装される実装面に接合されている。光検出部40は、所定の光学パターンを介した光を検出する。光学パターンとしては、例えば原点パターン、インクリメンタルパターンや、アブソリュートパターンなどが挙げられる。第二チップ70に実装された磁場検出部60は、所定の磁気パターンによる磁場を検出する。
【0017】
以下、各図の説明においてはXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。第一チップ50の一辺に平行な方向をX方向とし、当該一辺に直交する方向をY方向とし、第一チップ50の厚さ方向をZ方向とする。
【0018】
第一チップ50は、基材51、処理回路52、電極53、発光部54及び第一接続端子55を有している。基材51は、例えばシリコンなどの半導体材料を用いて形成されており、Z方向視で矩形の板状に形成されている。処理回路52は、基材51の内部に形成されている。処理回路52は、光検出部40及び磁場検出部60によって検出された情報を処理する。
【0019】
電極53は、第一チップ50と外部(例、外部コントローラ)との間で信号の入出力を行う。電極53は、第一チップ50のうち+X側の辺及び−X側の辺に沿って複数配置されている。電極53は、処理回路52や発光部54、光検出部40などに接続される第一電極53aと、磁場検出部60に接続される第二電極53bとを有する。第一電極53a及び第二電極53bは、Y方向に一列に配置されている。第一電極53a及び第二電極53bは、図中一点鎖線で示すリード線などを介して外部の電極に電気的に接続されている。
【0020】
発光部54は、上記の光パターンに照射する光を射出する。発光部54は、Z方向視で第一チップ50の中央部に配置されている。発光部54は、発光素子54a、接続部54b及びカソード電極54cを有しており、他に不図示のアノード電極を有している。発光素子54aは、一方向又は複数方向に向けてレーザ光を射出可能に形成されている。接続部54bとカソード電極54cとの間は、例えばリード線などによって接続されている。
【0021】
光検出部40は、光パターンを介した光を受光する。光検出部40は、第一受光部41及び第二受光部42を有する。第一受光部41は、光パターンのうちインクリメンタルパターンを検出する。第一受光部41は、発光部54及び光検出部40の+Y側に配置されている。第二受光部42は、光パターンのうちアブソリュートパターンを検出する。第二受光部42は、発光部54及び光検出部40の−Y側に配置されている。したがって、第一受光部41及び第二受光部42は、発光部54及び光検出部40をY方向に挟んで配置されている。
【0022】
第一受光部41及び第二受光部42は、それぞれ複数の受光素子43を有している。受光素子43としては、例えばフォトダイオードなどが用いられている。受光素子43は、基材51のうち−Y側の辺及び+Y側の辺に沿って配置されている。受光素子43は、光パターンの形状に対応する形状に形成されている。受光素子43の数については、光パターンの構成に応じて適宜変更することができる。
【0023】
第二チップ70は、基材71及び第二接続端子75を有している。第二接続端子75は、基材71の第一面71aに複数設けられている。複数の第二接続端子75のそれぞれは、上記第一接続端子55のそれぞれに重なるように配置されている。第一チップ50と第二チップ70との間では、例えば異方性導電材料などの導電膜を介して第一接続端子55と第二接続端子75とが接続されている。
【0024】
磁場検出部60は、2つの第二チップ70のうち一方の第二チップ70Aに形成された第一検出部61と、他方の第二チップ70Bに形成された第二検出部62とを有する。第二チップ70は、第一チップ50の中央部よりも−X側に配置されている。第二チップ70Bは、第一チップ50の中央部よりも+X側に配置されている。したがって、これら第二チップ70及び60Bに実装された第一検出部61及び第二検出部62は、第一チップ50の中央部を挟む位置に配置されている。
【0025】
なお、第一検出部61及び第二検出部62は、第一チップ50の中央部に配置されてもよいし、第一チップ50の端部に配置されてもよい。また、本実施形態における第一検出部61と第二検出部62とは、第一受光部41、第二受光部42及び発光部54のうち少なくとも2つがチップ基板に並んで配置される一方向と直交する方向に沿って配置されてもよいし、第一受光部41、第二受光部42及び発光部54のうち少なくとも2つがチップ基板に並んで配置される一方向に沿って配置されてもよい(後述の
図10など)。
【0026】
第一検出部61及び第二検出部62は、磁性薄膜63を有している。磁性薄膜63は、例えば金属配線などによって形成された直交する2つの繰り返しパターンを有している。磁性薄膜63は、配線64によって第二電極53bに接続されている。第二接続端子75は、第一チップ50側の第一接続端子55を介して第二電極53bに接続されている。
【0027】
図2は、
図1におけるC1−C5(C1−C2−C3−C4−C5)断面に沿った構成を左右方向に展開したときの構成を示す図である。
図2に示すように、第一チップ50のうち基材51の+Z側の第一面51aには、絶縁層57、受光素子43、保護層56及び電極53が順に積層されている。
【0028】
絶縁層57は、例えばSiO
2などを用いて形成されている。受光素子43は、絶縁層57上に形成されており、保護層56によって覆われている。保護層56は、例えばSiNやSiO
2などを用いて形成されている。保護層56上には、第一電極53a及び第二電極53bが形成されている。第一電極53aは、不図示の配線を介して受光素子43に接続されている。
【0029】
第二チップ70のうち基材71の第一面71aには、シールド層77、絶縁層78、磁性薄膜63、保護層79及び第二接続端子75が順に積層されている。シールド層77は、例えばアルミニウムなどの金属を用いて形成されている。シールド層77は、上記の所定の磁気パターンによる磁場以外の磁場のうち少なくとも一部を遮蔽し、磁性薄膜63から出力される電気信号のノイズを低下させる機能を有する。
【0030】
絶縁層78は、例えばSiO2などを用いて形成されている。保護層79は、例えばSiNやSiO2などを用いて形成されている。磁性薄膜63は、絶縁層78上に形成されており、保護層79によって覆われている。保護層79上には、第二接続端子75が形成されている。第二接続端子75は、導電性接着剤80を介して第一接続端子55に接続されている。また、当該導電性接着剤80は、第一チップ50と第二チップ70とを固定させる機能を有する。
【0031】
図3は、第一チップ50の回路構成の一例である制御回路CCを示すブロック図である。
図3に示すように、第一チップ50には、インクリメンタルパターンを検出する第一受光部41の受光素子43に接続されたアンプ44及びコンパレータ46と、アブソリュートパターンを検出する第二受光部42の受光素子43に接続されたアンプ45及びコンパレータ47とが形成されている。コンパレータ46は、第一受光部41において検出され、アンプ44によって増幅された検出信号を受信する。そして、コンパレータ46は、2値化したインクリメンタル信号INCを生成し、そのインクリメンタル信号INCを処理回路52に送信する。コンパレータ47は、第二受光部42において検出され、アンプ45によって増幅された検出信号を受信する。そして、コンパレータ47は、第二受光部42における一回転信号2値化したアブソリュート信号ABSを生成し、そのアブソリュート信号ABSを処理回路52に送信する。
【0032】
また、第一チップ50には、第一検出部61及び第二検出部62の磁性薄膜63に接続されたコンパレータ66が設けられている。コンパレータ66は、処理回路52に接続されている。コンパレータ66は、磁場検出部60において検出された検出信号(MAn、MAp、MBn、MBp)を受信する。そして、コンパレータ66は、2値化した多回転信号MA及びMBを生成し、その多回転信号MA及びMBを処理回路52に送信する。
【0033】
処理回路52は、コンパレータ66から受信した多回転信号MA及びMBに基づき多回転情報MTを生成し、コンパレータ46から受信した内挿用のインクリメンタル信号INCとコンパレータ47から受信したアブソリュート信号ABSとに基づき一回転情報STを生成する。例えば、処理回路52は、外部コントローラCONTからの要求などによって、多回転情報MTと一回転情報STとを含む位置情報を外部コントローラCONTへシリアル方式で出力する。処理回路52は、第一電極53aに接続されている。例えば上記位置情報は、第一電極53aを介して外部コントローラCONTに出力される。なお、本実施形態における制御回路CCは、アンプ44及び45、コンパレータ46及び47、コンパレータ66、処理回路52、を有する構成であるが、例えば処理回路52を有していない構成でもよい。また、本実施形態における一回転情報STは、絶対位置情報であるが、相対位置情報でも構わない。
【0034】
次に、
図4〜
図7を参照して、上記のように構成された位置情報検出センサ100の製造方法を説明する。
図4〜
図7は、位置情報検出センサ100の製造過程を示す図である。
まず、光検出部40が実装された第一チップ50を形成する(光検出部形成工程)。
図4に示すように、処理回路52、アンプ44及び45、コンパレータ46、47及び66が形成された基材51の第一面51a上に絶縁層57を形成する。なお、基材51に上記の処理回路52、アンプ44及び45、コンパレータ46、47及び66を形成する工程を行っても構わない(制御回路形成工程)。絶縁層57を形成した後、当該絶縁層57上に例えばスパッタリング法やフォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて受光素子43及び不図示の配線をパターニングする。受光素子43及び不図示の配線を形成した後、当該受光素子43を含む絶縁層57上に保護層56を形成する(保護層形成工程)。
【0035】
保護層56を形成した後、
図5に示すように、当該保護層56上に第一電極53a、第二電極53b、第一接続端子55及び配線64をパターニングする。このように、第一チップ50の表面の配線層が同一工程で形成されるため、効率的に第一チップ50が製造される。
【0036】
次に、磁場検出部60が実装された第二チップ70を形成する(磁場検出部形成工程)。本実施形態で用いられる2つの第二チップ70は、同一の工程で形成される。以下、1つの第二チップ70の製造工程を代表させて説明する。
図6に示すように、基材71の第一面71a上にシールド層77を形成する(シールド層形成工程)。シールド層77を形成した後、当該シールド層77上に絶縁層78を形成する。絶縁層78を形成した後、絶縁層78上に例えばスパッタリング法やフォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて磁性薄膜63を形成する(磁場検出部形成工程)。磁性薄膜63を形成した後、当該磁性薄膜63を含む絶縁層78上に保護層79を形成する(保護層形成工程)。保護層79を形成した後、当該保護層79上に第二接続端子75を形成する。
【0037】
次に、
図7に示すように、光検出部40が実装された第一チップ50に、磁場検出部60が実装された第二チップ70を接合する(接合工程)。この工程では、第一チップ50の第一接続端子55と、第二チップ70の第二接続端子75との間に固化された導電性接着剤80を挟み、熱圧着法などによって導電性接着剤80を溶解させることで第一接続端子55と第二接続端子75とを当該導電性接着剤80によって接着する。これにより、第一接続端子55と第二接続端子75とが電気的に接続されると共に、第一チップ50と第二チップ70とが固定される。以上の工程を経て、位置情報検出センサ100が形成される。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、光学パターンを介した光を検出する光検出部40が実装された第一チップ50と、当該第一チップ50との間で互いに表面を対向させた状態で接合され、磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部60が実装された第二チップ70とを備えるので、両者をそれぞれ別々の位置に実装する場合に比べて、小型化が可能となる。
【0039】
また、本実施形態によれば、製造工程において、第一チップ50と第二チップ70とをチップオンチップで実装できるので、製造コストを低減できる。また、本実施形態によれば、アンプ(例、アンプ44及び45)やコンパレータ(例、コンパレータ46、47及び66)のような複数の機能を第一チップ50又は第二チップ70に内蔵できるため、耐ノイズ性能が向上する。
【0040】
例えば、本実施形態における位置情報検出センサ100は、アンプ(例、アンプ44及び45)やコンパレータ(例、コンパレータ46、47及び66)のような複数の機能を第一チップ50又は第二チップ70に内蔵することによって互いをつなぐラインの長さを短くできるため、磁場検出部60とコンパレータ66とをつなぐライン、アンプ(例、アンプ44及び45)とコンパレータ(例、コンパレータ46及び47)とをつなぐライン、や光検出部40とアンプ(例、アンプ44及び45)とをつなぐライン等を、小型化やバックアップ時を考慮して、微小ラインで形成することができる。
【0041】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
図8は、本実施形態に係る位置情報検出センサ200の構成を示す平面図である。
図9は、位置情報検出センサ200の構成を示す側面図である。
図8及び
図9に示すように、本実施形態では、第二チップ70がワイヤー90を用いて第一チップ50にチップオンチップ接合されている。他の構成については、第一実施形態に係る位置情報検出センサ100とほぼ同一となっている。本実施形態においては、第一チップ50と第二チップ70とは、ベアチップ実装によってチップオンチップ接合されている。
【0042】
第二チップ70には、図中+Z側の面の4つの角部に1つずつ第二接続端子75が設けられている。第一チップ50には、第二チップ70の4つの角部からずれた位置に1つずつ第一接続端子55が設けられている。第二チップ70の各角部に対応する位置に配置される第一接続端子55と第二接続端子75とは、ワイヤー90を介してそれぞれ接続されている。第一接続端子55は配線64を介して例えば第二電極53bに接続されている。本実施形態においては、第二チップ70は、第一チップ50のうち光検出部40が実装される実装面である第一面50fに接合されている。
【0043】
このように、本実施形態によれば、第一チップ50と第二チップ70とがワイヤー90を用いて接合された構成においては、第一チップ50と第二チップ70とをそれぞれ別々の位置に実装する場合に比べて、小型化が可能となる。
【0044】
[第三実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
図10は、本実施形態に係る位置情報検出センサ300の構成を示す平面図である。
図11は、位置情報検出センサ300の構成を示す側面図である。
図10及び
図11に示すように、本実施形態では、第二チップ70のうち磁場検出部60が実装される実装面である第一面70fに第一チップ50がチップオンチップ接合された構成となっている。一例として、本実施形態においては、第一チップ50と第二チップ70とは、ベアチップ実装によってチップオンチップ接合されている。
【0045】
第一チップ50には、光検出部40が実装されている。また、第一チップ50には、処理回路52、発光部54及び第一接続端子55が設けられている。処理回路52及び発光部54については、第一実施形態とほぼ同一の構成となっている。第一接続端子55は、第一チップ50の+Z側の面の4つの角部に1つずつ設けられている。第一接続端子55は、不図示の配線を介して光検出部40の受光素子43に接続されている。
【0046】
第二チップ70には、磁場検出部60が実装されている。また、第二チップ70には、電極73及び第二接続端子75が設けられている。電極73は、第二チップ70と外部(例、外部コントローラ)との間で信号の入出力を行う。電極73は、第二チップ70のうち+X側の辺及び−X側の辺に沿って複数配置されている。電極73は、第一チップ50に接続される第一電極73aと、磁場検出部60に接続される第二電極73bとを有する。第一電極73a及び第二電極73bは、Y方向に一列に配置されている。第一電極73a及び第二電極73bは、図中一点鎖線で示すリード線などを介して外部の電極に電気的に接続されている。
【0047】
第二接続端子75は、第一チップ50の4つの角部からずれた位置に1つずつ設けられている。これらの第二接続端子75と、第一チップ50の各角部に対応する位置に配置される第一接続端子55とは、ワイヤー90を介してそれぞれ接続されている。第二接続端子75は配線64を介して例えば第二電極73bに接続されている。
【0048】
このように、本実施形態によれば、第二チップ70のうち磁場検出部60が実装される実装面である第一面70fに第一チップ50が接合された構成において、第一チップ50と第二チップ70とをそれぞれ別々の位置に実装する場合に比べて、小型化が可能となる。
【0049】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態を説明する。
図12は、本実施形態に係るエンコーダ及びモータ装置の構成を示す図である。
図12に示すように、モータ装置MTRは、回転軸SFと、当該回転軸SFを回転させる駆動部BDと、回転軸SFの回転情報を検出するエンコーダECとを有している。
図12では、回転軸SFの中心軸方向がZ方向と設定されている。
【0050】
エンコーダECは、回転部R、検出部Dを有している。回転部Rは、モータ装置MTRの回転軸SFに固定されており、回転軸SFと一体的に回転する。回転部Rは、例えばSUSなどを用いて円盤状に形成されている。回転部Rの構成材料としてSUSなどの剛性の高い材料を用いることで、耐変形性などに優れた回転部Rが形成される。回転部Rの構成材料として、他の材料を用いても勿論構わない。回転部Rは、取付部320、パターン形成部321及び凹部323を有している。
【0051】
取付部320は、回転部Rの下面Rbに設けられている。取付部320の下面側には、平面視中央部に挿入穴320aが形成されている。挿入穴320aは、上記モータ装置MTRの回転軸SFが挿入されるようになっている。取付部320は、回転軸SFが挿入穴320aに挿入された状態で回転軸SFと取付部320との間を固定する固定機構(不図示)を有している。
【0052】
パターン形成部321は、回転部Rの上面Raの周縁部に円環状に設けられている。パターン形成部321には、光反射パターン324が形成されている。光反射パターン324は、例えば回転部Rの外周に沿って円環状に形成されている。
【0053】
例えば、光反射パターン324は、インクリメンタルパターン324a及びアブソリュートパターン324bを有している。インクリメンタルパターン324aは、光反射パターン324のうち回転部Rの径方向の外側に形成されている。アブソリュートパターン324bは、光反射パターン324のうち回転部Rの径方向の内側に形成されている。
【0054】
凹部323は、取付部320と反対側の上面Ra側に形成されている。凹部323には、磁石部材Mが収容されるようになっている。
【0055】
磁石部材Mは、回転部Rの回転方向に沿って円環状に形成された永久磁石である。磁石部材Mは、例えば回転部Rの周縁部に配置されている。磁石部材Mには、所定の磁気パターン334が形成されている。磁石部材Mの磁気パターン334として、例えば回転軸SFの軸方向に見て円環の半分の領域がN極に着磁され、円環の他の半分の領域がS極に着磁された磁気パターンなどが挙げられる。磁石部材Mは、回転部Rの凹部323に収容されている。磁石部材Mは、回転部Rとの間で例えば不図示の接着剤などを介して固着されている。したがって、磁石部材Mは、回転部Rとの間で一体的に形成されている。
【0056】
検出部Dは、筐体341、センサSR及びバイアス磁石342を有している。センサSRは、上記の光反射パターン324を介した光及び磁石部材Mの磁気パターン334による磁場を検出する。センサSRとしては、例えば上記第一実施形態に記載の位置情報検出センサ100や、上記第二実施形態に記載の位置情報検出センサ200などが用いられる。
【0057】
バイアス磁石342は、磁石部材Mの磁場との間で合成磁場を形成する磁石である。バイアス磁石342を構成する材料として、例えばサマリウム・コバルトなどの磁力の大きい希土類磁石などが挙げられる。
【0058】
センサSRの磁場検出部60のうち第一検出部61及び第二検出部62に設けられる磁性薄膜63は、バイアス磁石342との間で磁気抵抗素子として機能する。すなわち、磁場の方向が磁性薄膜63の繰り返しパターンに流れる電流の方向の垂直方向に近くなると電気抵抗が低下する。磁性薄膜63は、この電気抵抗の低下を利用して磁場の方向を電気信号に変換するようになっている。
【0059】
次に、第一検出部61及び第二検出部62と回転軸SFとの位置関係について説明する。
図13は、検出部Dの構成を示す図である。
図13では、センサSRの配置が第一実施形態における位置情報検出センサ100の配置に一致するようにXYZ方向が設定されている。第一検出部61及び第二検出部62と回転軸SFとの位置関係を説明するため、
図13には回転軸SFの位置を示している。
【0060】
図13に示すように、回転軸SFの中心軸方向視(Z方向視)において、回転軸SFの中心軸CからセンサSR側へY方向に平行に伸びる基準線分SG0を0°とし、この基準線分SG0と、Z方向視において中心軸Cから第一検出部61へ向けて伸びる第一線分SG1とで形成される角度をθ1とし、上記基準線分SG0と、Z方向視において中心軸Cから第二検出部62へ向けて伸びる第二線分SG2とで形成される角度をθ2とすると、第一検出部61及び第二検出部62は、0°<θ1<90°、かつ、0°<θ2<90°を満たすように配置されている。本実施形態では、一例として、θ1+θ2=90°となるように第一検出部61及び第二検出部62が配置されている。なお、基準線分SG0の端部は、回転軸SFの中心軸Cに限られず、他の位置(例、光反射パターン324の中心軸)であっても構わない。
【0061】
また、中心軸Cから第一検出部61までの距離である第一線分SG1の長さをL1とし、中心軸Cから第二検出部62までの距離である第二線分SG2の長さをL2とし、第一線分SG1と第二線分SG2とで形成される角度をθ3とし、第一検出部61と第二検出部62との距離をL3とすると、第一検出部61及び第二検出部62は、
(L3)
2=(L1)
2+(L2)
2−2・L1・L2・cosθ3
(0°<θ3<180°)
を満たすように配置されている。
【0062】
なお、L1=L2である場合、第一検出部61及び第二検出部62は、中心軸Cを中心とする同じ円の円周上に配置されていることになる。この場合において、当該円の半径をRとし、上記角度θ3によって規定される円弧の長さをRaとすると、第一検出部61及び第二検出部62は、
Ra=2πR×(θ3/360°)
(0°<θ3<180°)
を満たすように配置されている。
【0063】
以上のように、本実施形態に係るエンコーダECは、モータ装置MTRの回転軸SFに固定され、光反射パターン324及び磁気パターン334が形成された回転部Rと、光反射パターン324を介した光及び磁気パターン334による磁場を検出する検出部Dとを備え、検出部Dとして、上記実施形態に記載の位置情報検出センサ100又は200が用いられているので、小型で検出信頼性の高いエンコーダEC、及び、回転特性の高いモータ装置MTR、を提供することができる。
【0064】
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態を説明する。
図14は、一例として第四実施形態に記載のモータ装置MTRを備えるロボット装置RBTの一部(ハンドロボットの指部分の先端)の構成を示す図である。なお、上記実施形態に記載のモータ装置MTRは、ロボット装置RBTのアーム部を駆動する駆動部として用いてもよい。
【0065】
図14に示すように、ロボット装置RBTは、末節部101、中節部102及び関節部103を有しており、末節部101と中節部102とが関節部103を介して接続された構成になっている。関節部103には軸支持部103a及び軸部103bが設けられている。軸支持部103aは中節部102に固定されている。軸部103bは、軸支持部103aによって固定された状態で支持されている。
【0066】
末節部101は、接続部101a及び歯車101bを有している。接続部101aには、関節部103の軸部103bが貫通した状態になっており、当該軸部103bを回転軸として末節部101が回転可能になっている。この歯車101bは、接続部101aに固定されたベベルギアである。接続部101aは、歯車101bと一体的に回転するようになっている。
【0067】
中節部102は、筐体102a及びモータ装置MTRを有している。モータ装置MTRは、上記実施形態に記載のモータ装置MTRを用いることができる。モータ装置MTRは、筐体102a内に設けられている。モータ装置MTRには、回転軸部材104aが取り付けられている。回転軸部材104aの先端には、歯車104bが設けられている。この歯車104bは、回転軸部材104aに固定されたベベルギアである。歯車104bは、上記の歯車101bとの間で噛み合った状態になっている。なお、回転軸部材104aに直接ギアが形成された構成であっても構わない。
【0068】
上記のように構成されたロボット装置RBTは、モータ装置MTRの駆動によって回転軸部材104aが回転し、当該回転軸部材104aと一体的に歯車104bが回転する。歯車104bの回転は、当該歯車104bと噛み合った歯車101bに伝達され、歯車101bが回転する。当該歯車101bが回転することで接続部101aも回転し、これにより末節部101が軸部103bを中心に回転する。
【0069】
このように、本実施形態によれば、小型で回転特性の高いモータ装置MTRを搭載することにより、軽量で機動性の高いロボット装置RBTが提供される。
【0070】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記第一実施形態及び第二実施形態においては、第一チップ50のうち光検出部40が実装される実装面である第一面50fに第二チップ70が接合された構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。
【0071】
例えば、
図15に示すように、第一チップ50のうち光検出部40が実装される実装面である第一面50fとは反対側の第二面50gに第二チップ70が実装される構成であっても構わない。また、
図15では、導電性接着剤80を介して第二チップ70が第一チップ50に接合された構成が示されているが、これに限られることは無く、ワイヤーなどを介して第二チップ70が第一チップ50に接合された構成であっても構わない。
【0072】
また、上記第三実施形態においては、第二チップ70のうち磁場検出部60が実装される実装面である第一面70fに第一チップ50が接合された構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。
【0073】
例えば、
図16に示すように、第二チップ70のうち磁場検出部60が実装される実装面である第一面70fとは反対側の第二面70gに第一チップ50が実装される構成であっても構わない。また、
図16では、ワイヤー90を介して第一チップ50が第二チップ70に接合された構成が示されているが、これに限られることは無く、導電性接着剤などを介して第一チップ50が第二チップ70に接合された構成であっても構わない。
【0074】
また、上記実施形態においては、第一チップ50に発光部54及び光検出部40が設けられる光反射型の構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、第一チップ50に発光部54が設けられていない構成としても構わない。このような構成の位置情報検出センサは、例えば光学パターンとして光透過型のパターンを有するエンコーダに取り付けて用いることができる。
【0075】
また、上記実施形態においては、光検出部40において一回転情報を検出し、磁場検出部60において多回転情報を検出する構成としたが、これに限られることは無く、光検出部40において多回転情報を検出し、磁場検出部60において一回転情報を検出する構成であっても構わない。また、上記実施形態における第一検出部61及び第二検出部62は、MRセンサで構成されているが、GIGセンサ、GMRセンサやホール素子のようなセンサで構成されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
SF…回転軸 EC…エンコーダ R…回転部 D…検出部 SR…センサ RBT…ロボット装置 MTR…モータ装置 40…光検出部 41…第一受光部 42…第二受光部 43…受光素子 70(70A、70B)…第二チップ 50f…第一面 50g…第二面 60…磁場検出部 70…第二チップ 61…第一検出部 62…第二検出部 63…磁性薄膜 70f…第一面 70g…第二面 90…ワイヤー 100、200、300…位置情報検出センサ