特許第6011083号(P6011083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6011083発光装置用リードフレームおよびその製造方法ならびに発光装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011083
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】発光装置用リードフレームおよびその製造方法ならびに発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20161006BHJP
【FI】
   H01L33/62
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-153175(P2012-153175)
(22)【出願日】2012年7月9日
(65)【公開番号】特開2014-17341(P2014-17341A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(72)【発明者】
【氏名】宇川 宏明
【審査官】 高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−003814(JP,A)
【文献】 特開2008−010562(JP,A)
【文献】 特開平10−270627(JP,A)
【文献】 特開2005−276890(JP,A)
【文献】 特開2009−152324(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/090576(WO,A1)
【文献】 特開2007−109887(JP,A)
【文献】 特開平09−298264(JP,A)
【文献】 特開2004−214380(JP,A)
【文献】 特開平03−280564(JP,A)
【文献】 特開2002−314019(JP,A)
【文献】 特開2012−114303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/50,33/00,33/48−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を載置するための複数の第1のリードと、複数の第2のリードとを整列して配置する工程であって、前記複数の第1リードと前記複数の第2のリードを単一の金属板により形成することを含む工程と、
1つの前記第1のリードおよび1つの前記第2のリードの一部を樹脂により覆うことにより形成される樹脂成形体を第1の方向および第2の方向、それぞれに複数配置する工程であって、前記第1の方向に複数の前記樹脂成形体を整列して配置する工程と、
前記第2の方向に配置された複数の前記樹脂成形体の間に位置し、前記複数の樹脂成形体が前記第1の方向に整列して配置されている間隔よりも長い長さで延在するスリットを、前記金属板に形成する工程と、
を含み、
前記樹脂成形体が整列して配置されている前記間隔よりも短い長さで前記第1の方向に延在する幅広スリット部を形成した後、前記幅広スリット部よりも狭い幅を有し、前記幅広スリット部同士の間を接続する貫通孔を形成することにより、前記スリットを形成することを特徴とするリードフレームの製造方法。
【請求項2】
前記スリットが、前記第1の方向に延在するように形成されることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
【請求項3】
発光素子を載置するための複数の第1のリードと、複数の第2のリードとを整列して配置する工程であって、前記複数の第1のリードと前記複数の第2のリードを単一の金属板により形成することを含む工程と、
1つの前記第1のリードおよび1つの前記第2のリードの一部を樹脂により覆うことに形成される樹脂成形体を第1の方向および第2の方向のそれぞれに複数配置する工程であって、前記第1の方向に複数の前記樹脂成形体を整列して配置する工程と、
複数の前記樹脂成形体の間に位置し、前記複数の樹脂成形体が整列している間隔よりも長い長さで延在するスリットを、前記金属板に形成する工程と、
前記複数の第1のリードにダイボンディング材料を介して発光素子を載置した後、前記複数の第1のリードを加熱して該複数の第1のリードのそれぞれに発光素子を固定する工程と、
前記金属板から、前記第1のリードおよび前記第2のリードを切り離すことにより単一の発光装置を分離する個片化工程と、
を含み、
前記樹脂成形体が整列して配置されている前記間隔よりも短い長さで前記第1の方向に延在する幅広スリット部を形成した後、前記幅広スリット部よりも狭い幅を有し、前記幅広スリット部同士の間を接続する貫通孔を形成することにより、前記スリットを形成することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項4】
前記スリットが、前記第1の方向に延在するように形成されることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ダイボンディング材料は、AuSn系共晶であることを特徴とする請求項3または4に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードまたはレーザーダイオードのような発光素子を支持固定するための樹脂成形体を複数含む発光装置用リードフレームおよびその方法、ならびに発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードまたはレーザーダイオードのような発光素子を用いた発光装置は、室内照明灯の一般照明、車載照明、液晶ディスプレイのバックライト等を含む多くの分野で用いられている。
そして、これらの発光装置で求められる性能は日増しに高まっており、更なる高出力(高輝度)化、低コスト化がおよび小型化が要求されている。
【0003】
高出力化に対応して、発光素子の発熱をより迅速に発光装置外に放出するために、特許文献1に例示されるように、金属製のリード上に発光素子を配置した発光装置が用いられている。また、リードは、必要に応じてワイヤー等を介して発光素子に電流を供給する導電路としての役割も有している。このため、多くの発光装置では、例えば正極側と負極側のように、複数のリードを含んでいる。
そして、これら複数のリードは、通常、その表面の一部を覆う成形樹脂により保持されている。
なお、本明細書では、単一の発光装置のための、複数のリード(うち、少なくとも1つは発光素子を載置できる)と、該複数のリードのそれぞれの表面の一部を覆い、該複数のリードを保持する成形樹脂とを総称して樹脂成形体という場合がある。
【0004】
このような、複数のリード及びこれらの複数のリードを保持する樹脂成形体は、製造コストの低減を目的に、リードフレームの形態で提供されることが多い。リードフレームとは複数の発光装置に用いるための複数の樹脂成形体が整列して配置され、複数の樹脂成形体が有する複数のリードのうち、少なくとも1つが単一の金属板から形成されている。
1枚の金属板から、それぞれの樹脂成形体の少なくとも1つのリードを形成する際は、通常、プレス加工(打ち抜き加工)等により形成されるため、形成された当該リードは、金属板の他の部分を介して他のリードと繋がっている。この結果、リードフレームにおいては、整列して配置された複数の樹脂成形体が互いに繋がっている。
【0005】
このため、リードフレームを用いることで容易にかつ高い精度で多数の樹脂成形体をハンドリングすることができる。
また、所定の位置にリードフレームを配置することで、整列配置した多数の樹脂成形体それぞれのリードに容易且つ高効率に発光ダイオードまたはレーザーダイオードのような発光素子を載置できる。
必要に応じて、載置した発光素子と1つ以上のリードとの間をボンディングワイヤにより電気的に接続する際もリードフレームを用いることで高い効率でボンディングワイヤによる電気接続を行うことができる。
【0006】
従って、樹脂成形体が複数整列配置され、複数の樹脂成形体それぞれの少なくとも1つのリードフレームが単一の金属板により形成されたリードフレームを用いることにより、低コストでかつ高い作業効率で発光装置を製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−206370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
リードフレームに配置された複数の樹脂成形体のそれぞれのリードの1つに発光素子を配置し固定する際にリードを加熱する必要があり、この加熱によりリードフレームが変形する場合があるという問題がある。
【0009】
リードに発光素子を固定する方法として、ダイボンディングが用いられる。すなわち、リードの表面に共晶合金またはペースト(例えば銀ペースト)のようなダイボンディング材料を塗布した後、用いるダイボンディング材料の種類に応じて、適切な温度範囲に加熱することにより発光素子を固定できる。
例えば、ダイボンディング材料としてAuSn共晶合金を用いる場合は、リードを300〜350℃の範囲内に加熱し、AuSn共晶合金を溶融させた後、加熱を止めてAuSn共晶合金を凝固させることにより、リードに発光素子を固定することができる。
また、例えば、ダイボンディング材料として樹脂ダイボンドまたは銀ペーストを用いる場合は、リードを150℃程度(樹脂ダイボンドを用いる場合)または150℃〜180℃の温度範囲(銀ペーストを用いる場合)に加熱して、ボンディング材料中のエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を硬化させることにより、リードに発光素子を固定することができる。
【0010】
リードフレームは、リード同士が金属板のリード以外の部分等を介して繋がっており、拘束を受けやすいことから、このようなダイボンディングの加熱より、リードフレームの反りが多く発生するという問題があった。
反りは、リードを例えば300℃以上と高い温度に加熱する場合の方がより顕著に発生し、また反りの量も大きくなる傾向がある。
【0011】
そこで、本発明は、ダイボンディングにより発光素子を載置しても反りの発生を抑制できる、リードフレームおよびその製造方法、ならびに発光装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明の態様1は、発光素子を載置するための第1のリードと、第2のリードと、該第1のリードおよび該第2のリードのそれぞれの一部を覆う成形樹脂とを含む樹脂成形体が、第1の方向と第2の方向にそれぞれ複数配置され、複数の第1のリードおよび複数の第2のリードが単一の金属板により形成されているリードフレームであって、
前記第1の方向に配置された複数の前記樹脂成形体は整列して配置され、
前記第2の方向に配置された複数の前記樹脂成形体の間に位置し、複数の前記樹脂成形体が前記第1の方向に整列して配置されている間隔よりも長い長さで延在するスリットを、前記金属板が有することを特徴とするリードフレームである。
【0013】
本願発明の態様2は、前記スリットが、前記第1の方向に延在していることを特徴とする態様1に記載のリードフレームである。
【0014】
本願発明の態様3は、前記スリットが、前記樹脂成形体が整列して配置されている前記間隔よりも短い長さで前記第1の方向に延在する幅広スリット部と、該幅広スリット部よりも狭い幅を有し、前記幅広スリット同士の間を接続する貫通孔とを含むことを特徴とする態様1または2に記載のリードフレームである。
【0015】
本願発明の態様4は、前記金属板が銅合金板であることを特徴とする態様1〜3の何れかに記載のリードフレームである。
【0016】
本が発明の態様5は、銀、ニッケル、パラジウムおよび金から成る群から選択される1以上の元素を含むめっき層が、前記第1のリードの表面の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載のリードフレームである。
【0017】
本願発明の態様6は、前記第1のリードが、前記発光素子を載置するためのキャビティを有することを特徴とする態様1〜5のいずれかに記載のリードフレームである。
【0018】
本願発明の態様7は、1)発光素子を載置するための複数の第1のリードと、複数の第2のリードとを整列して配置する工程であって、前記複数の第1リードと前記複数の第2のリードを単一の金属板により形成することを含む工程と、
2)1つの前記第1のリードおよび1つの前記第2のリードの一部を樹脂により覆うことにより形成される樹脂成形体を第1の方向および第2の方向、それぞれに複数配置する工程であって、前記第1の方向に複数の前記樹脂成形体を整列して配置する工程と、
3)前記第2の方向に配置された複数の前記樹脂成形体の間に位置し、前記複数の樹脂成形体が前記第1の方向に整列して配置されている間隔よりも長い長さで延在するスリットを、前記金属板に形成する工程と、
を含むことを特徴とするリードフレームの製造方法である。
【0019】
本願発明の態様8は、前記スリットが、前記第1の方向に延在するように形成されることを特徴とする態様7に記載の製造方法である。
【0020】
本願発明の態様9は、前記樹脂成形体が整列して配置されている前記間隔よりも短い長さで前記第1の方向に延在する幅広スリット部を形成した後、前記幅広スリット部よりも狭い幅を有し、前記幅広スリット同士の間を接続する貫通孔を形成することにより、前記スリットを形成することを特徴とする態様7または8に記載の製造方法である。
【0021】
本願発明の態様10は、発光素子を載置するための複数の第1のリードと、複数の第2のリードとを整列して配置する工程であって、前記複数の第1のリードと前記複数の第2のリードを単一の金属板により形成することを含む工程と、
1つの前記第1のリードおよび1つの前記第2のリードの一部を樹脂により覆うことに形成される樹脂成形体を第1の方向および第2の方向のそれぞれに複数配置する工程であって、前記第1の方向に複数の前記樹脂成形体を整列して配置する工程と、
複数の前記樹脂成形体の間に位置し、前記複数の樹脂成形体が整列している間隔よりも長い長さで延在するスリットを、前記金属板に形成する工程と、
前記複数の第1のリードにダイボンディング材料を介して発光素子を載置した後、前記複数の第1のリードを加熱して該複数の第1のリードのそれぞれに発光素子を固定する工程と、
前記金属板から、前記第1のリードおよび前記第2のリードを切り離すことにより単一の発光装置を分離する個片化工程と、
を含むことを特徴とする発光装置の製造方法である。
【0022】
本が発明の態様11は、前記スリットが、前記第1の方向に延在するように形成されることを特徴とする態様10に記載の製造方法である。
【0023】
本願発明の態様12は、前記樹脂成形体が整列して配置されている前記間隔よりも短い長さで前記第1の方向に延在する幅広スリット部を形成した後、前記幅広スリット部よりも狭い幅を有し、前記幅広スリット同士の間を接続する貫通孔を形成することにより、前記スリットを形成することを特徴とする態様10または11に記載の製造方法である。
【0024】
本願発明の態様13は、前記ダイボンディング材料は、AuSn系共晶であることを特徴とする態様10〜12のいずれかに記載の発光装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0025】
本願発明により、発光素子をダイボンディングによりリードに載置する際の反りの発生が抑制されたリードフレームおよびその製造方法、ならびに発光装置の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る第1のリード2および第2のリード4の斜視図である。
図2】第1のリード2がめっき層6を有する場合の本発明に係る第1のリード2および第2のリード4の斜視図である。
図3】樹脂成形体100を示す斜視図である。
図4】発光装置200を示す斜視図である。
図5】本発明に係るリードフレーム300の平面図である。
図6】リードフレーム300の変形例を示す、部分平面図である。
図7】従来のリードフレーム500の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「縦」、「横」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
【0028】
以下に、本願発明に係るリードフレームおよびリードフレームの製造方法ならびに本願発明に係るリードフレームを用いる発光装置の製造方法の詳細を説明する。
【0029】
1.発光装置の構成
最初に本発明の理解を容易にするために、図1図4を用いて、本発明に係るリード、樹脂成形体および発光装置の構成を説明する。
【0030】
図1は、本発明に係る第1のリード2および第2のリード4の斜視図である。
第1のリード2は、後述するように、その上に発光素子を載置するのに十分な表面積を有する。第1のリード2は、好ましくは図1に示すようにキャビティを有する。このキャビティ内に発光素子を配置することにより、発光素子の位置合わせを容易に行うことができる。
【0031】
図2は、第1のリード2がめっき層6を有する場合の本発明に係る第1のリード2および第2のリード4の斜視図である。第1のリード2は、図2に示すように、好ましくは、発光素子を載置する部分にめっき層6を有する。
めっき層6は、任意の種類のめっきでよく、既知の任意のめっき方法を用いて形成してよい。めっき層6は好ましくは、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)および金(Au)から成る群から選択される1つ以上の元素を含む。より好ましくは、めっき層6は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)および金(Au)から成る群から選択される1つ以上を主成分(質量比で50%以上)として含む。発光素子が載置される最表面は、発光素子からの光に対する反射率の高い材料である銀(Ag)や、ワイヤと良好な密着性を有する金(Au)を含むめっき層6を用いることが好ましい。
【0032】
図3は、樹脂成形体100を示す斜視図である。
樹脂成形体100は、第1のリード2と、第2のリード4と、第1のリード2と第2のリード4のそれぞれの表面の一部を覆う成形樹脂8とを含む。すなわち、成形樹脂8により第1のリード2と第2のリード4とが互いに離間して保持されている。これにより、第1のリード2と第2のリード4とが接触してショートするのを防止できる。
【0033】
図4は、発光装置200を示す斜視図である。
発光装置200は、樹脂成形体100と、樹脂成形体100の第1のリード2の表面に配置された発光素子12とを含む。
発光素子12は、例えば発光ダイオードやレーザーダイオードであり、第1のリード2および第2のリード4と電気的に接続されている。
より詳細には、第2のリード4は、ボンディングワイヤ14bを介して発光素子12と電気的に接続されている。一方、第1のリード2は発光素子12の電極の位置等に応じて、発光素子12の電極と直接接触することにより、またはボンディングワイヤ14aを介して発光素子12と電気的に接続している。
【0034】
発光素子12と電気的に接続する第1のリード2および第2のリード4は、従って、導電体より成る。このような導電体として各種の金属を用いることができる。リード2およびリード4は、好ましくは、銅もしくは銅合金、またはステンレス鋼およびインバー合金を含む鉄合金から成る。また、リード2およびリード4は、異種の金属をクラッドしたクラッド材であってもよい。好ましいクラッド材として、インバー合金の両面(2つの主面)に銅をクラッドしたクラッド材を挙げることができる。
優れた電気伝導性を確保できるからである。また、クラッド材とすることにより、異なる線膨張係数を持つ異種の金属を用いることができるため、リード全体の線膨張係数を調整することもできる。
【0035】
また、第1のリード2は、発光素子12の発熱による熱を外部に発散する機能も有する。このため、第1のリード2は、熱伝導性に優れる材料から形成されることが好ましく、このような観点からからも銅もしくは銅合金、またはステンレス鋼およびインバー合金のような鉄合金、ならびにインバー合金の両面(2つの主面)に銅をクラッドしたクラッド材は好ましい材料である。
【0036】
また、発光装置200は、静電気等から発光素子12を保護することを目的として、第1のリード2および第2のリード4と電気的に接続されるツェナーダイオード10を有している。ツェナーダイオード10と第1のリード2および/または第2のリードとを電気的に接続するために、図4に示すボンディングワイヤ14cのようなボンディングワイヤを用いてよい。
【0037】
発光装置200は、発光素子12が発する光の少なくとも一部について、その波長を変換(長波長側に変換)するための1種類以上の蛍光体を発光素子12の周りに配置してよい。図4に示す発光装置200においては、1種類以上の蛍光体を含む封止樹脂を第1のリード2のキャビティに充填することにより、蛍光体を発光素子12の周囲に配置することが好ましい。
封止樹脂は、必要に応じて、発光素子12および蛍光体からの光を拡散させる拡散剤を含んでよい。
また、封止樹脂の表面形状を制御することによりレンズを形成し、光の取り出し効率を高めてもよい。または、封止樹脂の上にレンズを配置することにより光の取り出し効率を高めてもよい。
なお、発光素子12等の配置を容易に理解できるように、図4では、蛍光体を含む封止樹脂の記載を省略していることに留意されたい。
【0038】
2.リードフレーム
以下に、発光装置200を得るために用いる本発明に係るリードフレーム300について説明する。
図5は、本発明に係るリードフレーム300の平面図である。
詳細は、後述するが複数の樹脂成形体100の間に位置し、整列して配置された複数の樹脂成形体100が整列して配置されている間隔よりも長い長さで延在するスリット20を有することを特徴とする。また、スリット20は好ましくは複数の樹脂成形体100が整列して配置されている方向に平行な方向に延在している。
【0039】
リードフレーム300はスリット20を有することにより、それぞれの樹脂成形体100の第1のリード2を加熱するダイボンディングにより発光素子12を第1のリード2の上に固定する際に生ずる反り等の変形を抑制できる。
【0040】
以下にリードフレーム300について詳述する。
リードフレーム300は、整列して配置された複数の樹脂成形体100を有する。樹脂成形体100は縦方向(図5のY方向、「幅方向」ともいう)および横方向(図5のX方向、「長手方向」ともいう)のそれぞれの方向に複数配置されている。
図5に示す実施形態では、樹脂成形体100は、縦方向(Y方向)と横方向(X方向)の両方向に整列して配置されているが、縦方向と横方向の少なくとも一つの方向について整列していればよい。
すなわち、縦方向(Y方向)または横方向(X方向)の一方を第1の方向とし、他方を第2の方向とした場合、リードフレーム300には、第1の方向と第2の方向、それぞれに複数の樹脂成形体100が配置され、少なくとも第1の方向に配置された複数の樹脂成形体100は、所定の間隔で整列して配置されている。
そして、好ましくは、第1の方向に配置された複数の樹脂成形体100は、一定の間隔で整列して配置されている。より好ましくは、第2の方向に配置された複数の樹脂成形体100も一定の間隔(第1の方向の一定の間隔と異なる一定の間隔であってよい)で整列して配置されている。
【0041】
リードフレーム300が有する複数の樹脂成形体100は、それぞれ、図1〜3を用いて上述した構成を有している。
従って、複数の樹脂成形体100は、それぞれ第1のリード2と第2のリード4とを有している。
複数の樹脂成形体100の第1のリード2および第2のリード4の少なくとも一方は、単一の金属板50から形成されている。すなわち、第1のリード2および第2のリード4の少なくとも一方は、単一の金属板50の一部分により形成され、かつ金属板50の第1のリード2および第2のリード4を形成していない部分と繋がっている。
【0042】
すなわち、金属板50と複数の樹脂成形体100のそれぞれとは繋がっており、金属板50を搬送することで、複数の樹脂成形体100を互いの位置関係を維持したたま容易に移動できることから、リードフレーム300はハンドリング性に優れている。
【0043】
好ましくは、図5に示す実施形態のように、第1のリード2と第2のリード4の両方が金属板50(金属板50の一部)により形成されている。
単一の金属板50から、樹脂成形体100のより多くのリードを形成でき、生産効率を向上できるからである。
【0044】
そして、複数個の樹脂成形体100に対応する、第1のリード2と第2のリード4とを所定の位置に配置した後(すなわち複数の第1のリードと、複数の第2のリードとを整列して配置した後)、個々の樹脂成形体100に対応する1組の第1のリード2と第2のリードとのそれぞれの表面の一部を覆うように、例えば金型を用い、その内部に溶融樹脂を射出した後、該樹脂を凝固させること等により成形樹脂8を形成することで、複数個の樹脂成形体100を得ることができる。
なお、樹脂成形体100に含まれるリードは第1のリード2と第2のリード4の2つに限定されるものではない。必要に応じて、金属板50から形成された又は金属板50以外の金属板から形成された第3のリードを含む、任意の1つ以上のリードを更に含んでよい。
【0045】
リードフレーム300は、第2の方向に配置された複数の前記樹脂成形体の間に位置し、複数の樹脂成形体100が第1の方向に整列して配置されている間隔よりも長い長さで延在するスリット20を有する。
スリット20は、好ましくは、複数の樹脂成形体100が整列して配置されている方向(すなわち、第1の方向)に延在している(換言すれば、スリット20の長手方向は、好ましくは、第1の方向である)。
しかし、スリット20が延在する方向は、第1の方向に限定されるものでなく、例えば第1の方向に対して、0°より大きく30°以下の角度を有する方向のような任意の方向であってよい。
【0046】
スリット20は、金属板50の第1のリード2と第2のリード4のいずれもが形成されていない部分、すなわち、リードフレーム300において、樹脂成形体100が形成されていない部分に形成される。
ここで、スリット20が位置する、「第2の方向に配置された複数の前記樹脂成形体の間」の「第2の方向」(図5の実施形態では、横方向(X方向))と、「複数の樹脂成形体100が第1の方向に整列して配置されている間隔よりも長い長さで延在する」で規定される、複数の樹脂成形体100が整列して配置されている方向である「第1の方向」(図5の実施形態では、縦方向(Y方向))は、通常、異なる方向となる。
【0047】
図5の実施形態では、縦方向と横方向の両方に樹脂成形体100が整列しているが、このような場合、スリット20は、好ましくは、樹脂成形体100が整列している複数の方向の1つの方向に延在している。
より好ましくは、図5の実施形態においては、リードフレーム300の送り方向(X方向)に垂直なY方向に、スリット20が延在していることが好ましい。
通常、送り方向に垂直な方向(縦方向(Y方向))に整列した樹脂成形体100に同時に発光素子12を載置することから、この同時に発光素子12が載置される複数の樹脂成形体100からの熱のリードフレーム300の他の部分への伝播を抑制できるようにスリット20が縦方向(Y方向)に延在することで、リードフレームの反りをより確実に抑制できるからである。
【0048】
また、スリット20は、複数の樹脂成形体100が第1の方向に整列して配置されている間隔よりも長く延在している。ここで、「複数の樹脂成形体100が第1の方向に整列して配置されている間隔」とは、スリット20が延在する第1の方向に樹脂成形体100が所定の間隔で整列して配置されている間隔であり、図5の実施形態では縦方向(Y方向)の間隔となる。
そして、言うまでもないが、複数の樹脂成形体100が第1の方向に整列して配置されている間隔とは、隣接する2つの樹脂成形体100の同じ部分(スポット)の間の距離(例えば、2つの樹脂成形体100のそれぞれのY方向(第1の方向)の末端部(Y方向に最も突出して部分)同士の距離)である。隣接する樹脂成形体100の間の最短距離(異なる部分の距離)ではないことに留意されたい。
【0049】
スリット20を複数の樹脂成形体100が整列している間隔よりも長く延在させることで、例えば、300℃〜350℃といった温度に第1のリード2を加熱してダイボンディング材料を溶融し、その後凝固させるダイボンディング工程、または例えば150℃〜180℃といった温度に第1のリード2を加熱してダイボンディング材料を硬化させることにより発光素子12を第1のリード2に固定するダイボンディング工程において、リードフレームの反りを抑制できることを本願発明者らが見出したものである。
【0050】
図7は、従来のリードフレーム500の平面図である。従来のリードフレームにおいても図7に示すように、整列方向に延在したスリット30が用いられることがあった。これは、リードフレームに反りが生じた場合、射出成形を行う前もしくはリードフレームをX方向に所定長さを有した短冊状の形状にカットする前に、所謂「タタキ」を入れて反りを矯正するに際し、加工された金属板50の一部が逃げることができるように金属板50に予めスリット30を形成したものである。
【0051】
しかし、スリット30の長さは、複数の樹脂成形体100がY方向(第1の方向)に整列して配置されている間隔よりも短い。また、そもそもスリット30を設ける目的がリードフレームの反りの矯正を容易にすること(すなわち、反りの発生を前提としていること)から判るように、スリット30にリードフレーム500の反りを抑制する効果はほとんどない。
【0052】
本願発明者らは、X方向に配置された複数の樹脂成形体100の間に位置するスリット20の長さ(延在する方向の長さ)を複数の樹脂成形体100がY方向に整列して配置されている間隔より長くすることで、1つの樹脂成形体100のダイボンディングにより生じた歪が、X方向に伝播するのを防ぎ、リードフレーム300の反りの発生を抑制できることを見出したのである。
すなわち、スリットの延在方向の長さが、複数の樹脂成形体100がY方向に整列して配置されている間隔より短いと、スリットの周囲を通り、歪がX方向に伝播してしまい、リードフレームに大きな反りが生ずることを見出したのである。
そして、この効果は、樹脂成形体100が整列しているY方向にスリット20が延在している場合、より顕著となる。
【0053】
リードフレーム20の延在方向(図5の実施形態ではY方向)への長さは、好ましくは、複数の樹脂成形体100がY方向に整列して配置されている間隔の2倍であり、より好ましくは複数の樹脂成形体100がY方向に整列して配置されている間隔の3倍である。より確実に歪の伝搬を抑制できるからである。より更に好ましくは、図5に示す実施形態のように、整列している複数の樹脂成形体100の長さ全体に亘り延在している。より更に確実に歪の伝搬を抑制できるからである。
【0054】
また、スリット20は、Y方向に整列した樹脂成形体100の列同士の間毎に(すなわち、図5に示すように)配置されるのが好ましい。
それぞれの列の成形体100の第1のリード2を加熱しダイボンディングを行う際により確実に反りの発生を抑制できるからである。
スリット20は、好ましくは0.3mm以上の幅を有する。スリット幅が小さすぎると反りの発生を抑制しにくいためである
【0055】
なお、このようなスリット20によるリードフレーム300の反り抑制効果はダイボンディング工程のみに留まらず、ワイヤボンディング工程において、第1のリード2または第2のリード4を加熱した後、ワイヤボンディングを行う際にもリードフレーム300に反りが発生するのを確実に防止できる。
【0056】
スリット20は、任意の方法で形成してよい。スリット20の形成方法として、金型により金属板50を打ち抜いて形成する方法、またはレーザー加工により形成する方法を例示できる。
スリット20は、ダイボンディング工程の前であれば任意のタイミングで形成してよい。第1のリード2および/または第2のリード4と同時に形成してもよく、また、複数の樹脂成形体100が形成された後に形成してもよい。
【0057】
また、樹脂成形体100に発光素子12を載置する等を行って発光装置200を得た後、個々の発光装置200を金属板50から切り離す個別化を容易にするために、従来のリードフレームと同様に、樹脂成形体100の周囲に孔を形成してよい。図5に示す実施形態では、リードフレーム300は、樹脂成形体100の周りに、縦方向(Y方向)に並ぶ、孔24a、24b、24cと樹脂成形体100の四隅近傍に位置する孔26とを有している。
【0058】
3.リードフレームおよび発光装置の製造方法
以下にリードフレーム300の製造方法を示す。以下に示す製造方法は、例示であって、他の製造方法によりリードフレーム300を得てもよい。
【0059】
(1)プレス加工
金属板50を用意する。金属板50からリード2とリード4の少なくとも一方が形成されることから、金属板50は、リード2とリード4の少なくとも一方と同じ材料より成る。
従って、好ましくは、金属板50は、銅もしくは銅合金、またはステンレス鋼およびインバー合金を含む鉄合金から成る。また、金属板50は、異種の金属をクラッドしたクラッド材であってもよい。好ましいクラッド材として、インバー合金の両面(2つの主面)に銅をクラッドしたクラッド材を挙げることができる。その他にも、SPCC、コバール、SUS等の合金に銅をクラッドしたクラッド材であってもよい。
【0060】
金属板50をプレス成形して金属板50に複数のリード2および/またはリード4を形成する。プレス成形においては、所定の間隔でリード2および/またはリード4が整列するように形成する。
好ましくは、金属板50に複数のリード2およびリード4の両方を形成する。単一の金属板50から、整列して配置された複数のリード2とリード4とが得られ、生産性を向上できる。
【0061】
(2)めっき
次に第1のリード2のキャビティ内面にめっき層6を形成する。好ましいめっき層は上述したとおりである。めっき方法は任意の方法を用いてよい。好ましいめっき法として電気めっきを挙げることができる。めっき量(めっき厚さ)の調整が容易だからである。
【0062】
(3)射出成形
次に射出成形により樹脂を射出し、複数の樹脂成形体100を形成する。
この際、上記のプレス加工において、第1のリード2と第2のリード4の一方しか形成していない場合は、他方を整列配置した後、射出成形を行う。
【0063】
射出成形は、金型を用い、金型のキャビティ内に第1のリード2と第2のリード4とを配置した後、キャビティ内に樹脂を射出し、その後樹脂を凝固することにより整列した複数の樹脂成形体100を得ることができる。
【0064】
射出成形に用いる樹脂は任意の樹脂を用いてよい。好ましい樹脂は、ポリフタルアミド(PPA)樹脂などの熱可塑性樹脂である。である。
【0065】
また、射出成形に代えて、トランスファー成形により樹脂成形体100を形成してよい。
トランスファー成形は、金型を用い、金型のキャビティ内に第1のリード2と第2のリード4とを配置した後、成形機のポット内で樹脂を加熱したうえ、加圧して金型のキャビティ内に樹脂を圧入し、その後樹脂を硬化することにより整列した複数の樹脂成形体100を得ることができる。
【0066】
(4)スリットの形成
次に、スリット20の形成について説明する。
スリット20は、任意のタイミングで形成してよい。例えば、第1のリード2および/または第2のリード4をプレス成形する際に、金属板50にスリット20を形成してもよい。あるいは、樹脂成形体100を形成した後にスリット20を形成してもよい。
また、スリット20は、金型による打ち抜き、レーザー加工を含む任意の方法で形成してよい。
【0067】
ここでは、金属板50を切断し、所定の長さのリードフレーム300を得る際にスリット20を形成する方法を説明する。
金属板50の幅方向(Y方向)の長さは、例えば、30mm〜100mm程度であり、例えば図5に示すように、幅方向には10個以下程度の樹脂成形体10が整列している。一方、長手方向(X方向)の長さについては、例えば金属板50として、金属ストリップを使用すると、数10m以上と長くすることができる。
【0068】
しかし、このように長いままだとダイボンディング工程等の樹脂成形体100を形成した以降の工程でのハンドリングが困難となるため、例えば、長さ100mm〜500mmの間の所定の長さに切断して、リードフレーム300を得ることが好ましい。
この切断工程において、金型を用いた打ち抜き加工等によりスリット20を形成することが可能である。
【0069】
このようにして、得たリードフレーム300を用いて発光装置200を製造できる。
リードフレーム300のそれぞれの樹脂成形体100の第1のリード2を加熱し、第1のリード2の表面に配置したダイボンディング材料を溶融する。
ダイボンディング材料として、SnPb系、SnAgCu系、AuSn系、SnZn系、SuCu系等の金属材料を好適に使用することができる。なかでも、AuSn系共晶が好ましい。
具体的なダイボンディングプロセスの例として以下を例示できる。
上述した金属材料とフラックスが混合されたペーストを第1のリード2上にディスペンス、ピン転写、印刷等により塗布する。そのペースト上に予め金属膜が形成された発光素子12を設置し、第1リード2を加熱することにより、当該金属材料を溶融することで接合することができる。その他にも、発光素子12の電極に金属材料を塗布しておき、第1のリード2上にフラックスを塗布してその上に発光素子12を配置してもよい。
また、銀ペーストを使用してもよい。エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて、第1のリード2を加熱することにより、これらを加熱硬化させて接合してもよい。この場合は発光素子12に金属膜が形成されていなくてもよい。
【0070】
図4に示す実施形態では上述のように、第1のリード2のキャビティ内に発光素子12が配置されている。
そして、ワイヤボンディングにより、ワイヤー14bを介して第2のリード4と発光素子12とを電気的に接続する。
必要に応じて、ワイヤボンディングにより、ワイヤー14aを介して、第1のリード2と発光素子12とを電気的に接続する。
必要に応じて、ツェナーダイオード10を配置し、これを例えば、ワイヤー14cを介して電気的に接続する。
【0071】
また、例えば、第1のリード2のキャビティ内に蛍光体を含む封止樹脂を配置することにより、発光素子12の周囲に蛍光体を配置してよい。
さらに、封止樹脂の上にレンズを配置してよく、または封止樹脂の形状をレンズ状としてよい。
以上によりリードフレーム300に複数の発光措置200が形成される。
【0072】
次に、金属板50(リードフレーム300)から発光措置100を切り離す個片化を行う。
個片化は、例えば、金属板50の幅方向(縦方向(Y方向))に配置された、孔24a、24b、24cと樹脂成形体100の四隅近傍に位置する孔26と繋がるように金属板50を切断することにより容易に行うことができる。
これにより、個片化した発光装置200を得ることができる。
【0073】
4.変形例
図6は、リードフレーム300の変形例を示す、部分平面図である。
本変形例では、スリット20に代えて、スリット20Aが形成されている。これ以外の構成は、図5に示すリードフレーム300と同じである。
【0074】
スリット20Aは従来のリードフレーム500に用いられるスリット30と、隣接するスリット30同士を繋げる貫通孔22とにより形成される。
すなわち、スリット20Aは、先にスリット30を形成した後、貫通孔22を形成することにより、形成できる。
【0075】
このように、スリット20Aを2段階で形成することにより以下の利点を有する。金型を用いた打ち抜き加工(プレス加工)によりスリットを形成する場合、スリットの縦(図5のY方向)と横(図5のX方向)の比が10:1より大きくなると、打ち抜き時(プレス時)にハンチングプレスの部材(金型)が損傷する場合が生ずる等により、縦横比が1:10より大きい所望形状のスリットを高い歩留まりで形成することが困難となることがある。
【0076】
しかし、スリット20Aであれば、縦横比が10:1以下のスリット30を数多く形成した後、貫通孔22を形成することで、縦横比が10:1よりも大きいスリット20Aを高い歩留まりで形成できる。
【0077】
スリット20Aにおいては、先に形成するスリット30の幅(X方向の長さ)が、後で形成する貫通孔22の幅(X方向の長さ)より大きいことが好ましい。先に形成したスリット30の変形を抑制して、スリット20Aが形成できるため、得られたスリット20Aの寸法精度が高くなるからである。
【0078】
スリット20Aの形成は、スリット30と貫通孔22を異なるタイミングで成形する限りは、どのような方法で行ってもよい。
好ましい形成方法として、例えば、金属板50から第1のリード2および/または第2のリード4を成型する際に、スリット30を形成し、樹脂成形体100を形成後、金属板50を切断し、所定の長さのリードフレーム300を得る際に、貫通孔22を形成する方法を例示できる。
【実施例】
【0079】
幅47mmの厚さ0.25mmのクラッド材よりなる金属板50を用意し、金属板50に第1のリード2と第2のリード4とを形成するとともに、長さ5mm、幅0.4mmのスリット30を形成した。さらに第1のリード2のキャビティ内面に銀めっきを行った。
次に射出成形により、成型樹脂8としてPPA樹脂を射出し、樹脂成形体100を得た樹脂成形体100のY方向の長さは4.9mmである。その後、金属板50を切断する際に長さ0.9mm、幅0.3mmの貫通孔22を形成して、スリット20Aを有するリードフレームを得た。
すなわち、得られたリードフレームは、図5に示すリードフレーム300において、スリット20に代えてスリット20Aを有するリードフレームである(以下、「実施例リードフレーム」という場合がある)。
【0080】
実施例リードフレームは、縦方向(図5のY方向)の長さが47mmであり、横方向(X方向)の長さが200mmである。
スリット20Aの縦方向(図5のY方向)の長さは、39.1mmである。また実施例リードフレームは、図5に示すように、縦方向(Y方向)に樹脂成形体100が6個整列し、横方向(X方向)に樹脂成形体100が25個整列している。
より、詳細には、図5に示すように、Y方向には3個の樹脂成形体100が等間隔(5.9mm)で配置され、少し広い間隔を空けて、別の3個の樹脂成形体100が等間隔で配置されている。
【0081】
比較例として、貫通孔22を形成していないこと以外(すなわち、互いに離間したスリット30を有する)は。実施例リードフレームと同じ、リードフレーム500(以下、「比較例リードフレーム」という場合がある)を作製した。
【0082】
このようにして得た、実施例リードフレームと比較例フレームとについて、それぞれの第1のリード2を加熱し、加熱前後の反りを測定した。
第1のリード2の加熱は、温度管理されたリフロー装置で行い、300℃まで加熱した。
反りの測定は、加熱前と加熱後の高さの差異を測定して求めた。より詳細には、リードフレーム上の9点で加熱前と加熱後の高さの差異の測定を行い、その最大値を反りの変化量とした。
そして、加熱による反りの変化量(すなわち、加熱により生じた反り)について、山反りをマイナス、谷反りをプラスとして評価した。山反りとは発光素子を搭載する面を上側にして横から見たときリードフレーム全体が凸形状となる状態のことであり、谷反りはとは凹形状となる状態のことである。
表1に加熱による反りの変化量(すなわち、加熱により生じた反り)の測定結果を示す。
【0083】
【表1】
【0084】
表1から判るように、実施例リードフレームの反りの絶対値は比較例リードフレームの40%以下であり、反りが顕著に抑制されているのが判る。
【符号の説明】
【0085】
2 第1のリード
4 第2のリード
6 めっき層
8 成形樹脂
10 ツェナーダイオード
12 発光素子
14a、14b、14c ワイヤー
20、20A、30 スリット
22 貫通孔
24a、24b、24c、26 孔
50 金属板
100 樹脂成形体
200 発光装置
300、500 リードフレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7