(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施の形態によるレンズ鏡筒の概略図である。
図1のレンズ鏡筒2は、デジタルカメラなどの撮像装置用のレンズ鏡筒である。振動波モータ1は、振動体161と、移動体162と、不織布などによる緩衝支持部材163と、加圧接触手段164とを備える。振動波モータ1は、レンズ鏡筒2に対して、レンズ群Lを光軸方向に駆動させるための駆動力を提供する。
【0009】
振動体161は、弾性体161aと圧電体161bとを有する。弾性体161aは、共振先鋭度が大きな金属材料により形成される。弾性体161aの形状は、
図2に示されるように円環形状となっている。弾性体161aの円形の一面には圧電体161bが接合されており、その反対面には溝が切られた櫛歯部121が設けられている。
【0010】
圧電体161bは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電気機械変換素子である。圧電体161bは、円周方向に沿って二つの相(A相,B相)に分かれている。圧電体161bの各相においては1/2波長ごとに分極が交互に配置される。圧電体161bのA相とB相との間には、1/4波長の間隔が空くように配置されている。圧電体161bの各相には、駆動回路80から駆動信号が出力される。圧電体161bのA相へ出力される駆動信号とB相へ出力される駆動信号の位相差は可変である。圧電体161bのA相とB相にそれぞれ高周波電圧が印加されると、圧電体161bが励起する。圧電体161bの励起による弾性体161aのベース部122のたわみは、弾性体161aの櫛歯部121で拡大されて、櫛歯部121の先端の駆動面123で進行波となる。なお、本実施の形態では圧電体161bは9山の進行波(9次の屈曲振動波)が発生しやすい電極パターンになっているものとする。
【0011】
移動体162は、アルミニウムなどの軽金属により形成される。移動体162は、加圧板と加圧部材とを有する加圧接触手段164による加圧により、駆動面123に加圧接触している。駆動部123で発生している進行波の波頭には楕円運動が生じている。駆動面123に加圧接触された移動体162は、この楕円運動による摩擦により駆動されて、回転移動する。移動体162の回転方向は、圧電体161bのA相とB相の駆動信号の位相差により変化する。
【0012】
移動体162には、移動体162の光軸方向の振動を吸収するゴムなどの振動吸収部材166が配置されている。振動吸収部材166は、加圧接触手段164により出力伝達部155と加圧接触している。移動体162の回転移動は、出力伝達部155に伝達される。ただし、出力伝達部155は、固定部材151に取り付けられたベアリング156により、光軸方向の動きと径方向の動きとが規制されている。
【0013】
出力伝達部155は、突起部155aを有する。この突起部155aは、フォーク154と嵌合している。フォーク154には、突起部155aを介して出力伝達部155の回転運動が伝達される。さらに、その回転運動はカム環153に伝達する。カム環153の内側には周方向に対して螺旋状にキー溝153aが切られている。キー溝153aには、AF環152の固定ピン152aが挿入されている。カム環153が回転すると、固定ピン152aがキー溝153aに導かれて移動し、レンズ群Lを保持しているAF環152が光軸方向に移動する。
【0014】
上記のように、振動波モータ1が発生させた進行波が移動体162、出力伝達部155、フォーク154、カム環153を介してAF環152に伝達されて、AF環152とともにレンズ群Lが光軸方向に駆動される。この駆動を用いて、レンズ鏡筒2はウォブリング動作等を実行する。
【0015】
図3は、A相とB相の駆動信号の位相差と、移動体162の回転速度との関係を示す図である。移動体162の回転速度は、位相差が+90°のとき正回転(例えば、時計回り)の最大速度となり、位相差が−90°のときは逆回転(例えば、反時計回り)の最大速度となる。
【0016】
図4は、駆動信号の周波数と、移動体162の回転速度との関係を示す図である。移動体162の回転速度は、駆動信号の周波数が所定の範囲内にあるとき実質的に零となる。ここで、実質的に零とは、振動吸収部材166等と加圧接触した移動体162を回転させるだけのトルクが発生しない状態をいう。例えば、
図4に示される範囲内では、28.5kHzから30.0kHzの範囲内は、移動体162の回転速度が零となる。また、28.5kHzより低周波または30.0kHzより高周波であっても、振動吸収部材166等と加圧接触した移動体162を回転させるだけのトルクが発生せず、カム環153等が回転せず、実質的に移動体162の回転速度が零となる周波数が存在する。このような移動体162の回転速度が実質的に零となる周波数のことを保持周波数f0と称する。
【0017】
本発明では、移動体162の回転駆動方向を切り替える際、振動波モータ1へ電圧印加を停止するのではなく、駆動信号の周波数を保持周波数f0に変更する。これにより、電圧印加停止後再び電圧を印加する際に発生する異音を低減することができる。
【0018】
図5は、本発明の一実施の形態による駆動装置に関するブロック図である。
図5に例示された駆動装置90は、振動波モータ1と駆動回路80とを備える。駆動回路80は、制御部81と発振部82と、移相部83と、増幅部84aおよび84bと、検出部85と、温度測定部86とを備える。
【0019】
発振部82は、制御部81により設定された周波数の信号を発振する。移相部83は、発振部82が発振した発振信号に基づいて、A相の信号とB相の信号とを生成する。これらのA相の信号とB相の信号との位相差は、制御部81により設定される。
【0020】
増幅部84aは、移相部83が生成したA相の信号の電圧振幅を、制御部81により設定された電圧に増幅(昇圧)する。これによりA相の駆動信号が生成される。また、増幅部84bは、移相部83が生成したB相の信号の電圧振幅を、制御部81により設定された電圧に増幅(昇圧)する。これによりB相の駆動信号が生成される。
【0021】
振動体161は、増幅部84aで増幅されたA相の駆動信号と、増幅部84bで増幅されたB相の駆動信号とに基づいて駆動される。検出部85は、光学式エンコーダや磁気エンコーダ等により構成され、移動体162の駆動により駆動されたレンズ群Lの位置や速度を検出し、それらの検出値を電気信号(検出信号)として制御部81へ出力する。制御部81は、検出部85からの検出信号に基づいて、レンズ群Lの位置や速度に関する情報を取得する。
【0022】
温度測定部86は、振動波モータ1の温度を測定する。振動波モータ1の温度は、振動体161と移動体162との摩擦により熱が生じることにより上昇する。振動波モータ1の温度上昇は、その駆動能力に悪影響を及ぼす。温度測定部86は、測定した温度信号を制御部81へ出力する。制御部81は、その温度信号に基づいて、振動波モータ1の温度が与える駆動能力への影響を推定する。
【0023】
制御部81は、レンズ鏡筒2のCPU3からレンズ群Lの移動方向と移動量に関する駆動指示を取得する。制御部81は、駆動指示に基づいて定められる目標位置にレンズ群Lが位置決めされるように、発振部82に対して設定する周波数と、移相部83に対して設定する位相差と、増幅部84aおよび84bに対して設定する電圧振幅とを制御する。なお、制御部81が取得する駆動指示は、移動方向と移動量の組み合わせに関するものだけに限定されない。例えば、移動速度や移動シーケンスのパターン(例えば、ウォブリング動作の回数)を含んでもよい。また、制御部81が取得する駆動指示は、移動方向と移動速度の組み合わせであってもよい。
【0024】
図6および
図7(a)〜(c)を用いて、本発明における振動波モータ1の駆動制御について説明する。
図6は、振動波モータ1の駆動制御に関するフローチャートの一例である。
図7(a)〜(c)は、振動波モータ1の駆動制御に関するタイミングチャートの一例である。
図7(a)は、A相とB相の駆動信号の位相差に関するタイミングチャートである。
図7(b)は、発振部82の発振周波数、すなわち駆動信号の周波数に関するタイミングチャートである。
図7(c)は、振動波モータ1の回転数に関するタイミングチャートである。
【0025】
図6の処理は、制御部81が駆動指示を取得したときに実行を開始する。ステップS100では、制御部81は、発振部82に対して保持周波数f0を設定して、発振部82から保持周波数f0の信号が発振されるように制御する。
【0026】
ステップS110では、制御部81は、移相部83に対して+90°または−90°の位相差を設定して、移相部83により出力されるA相の信号とB相の信号の位相差を変更する(
図7のタイミングT0〜T1、タイミングT3〜T4)。発振部82が発振する周波数が保持周波数f0のときは、振動波モータ1の回転数は実質的に零である。したがって、ステップS110において制御部81が位相差を変更しても振動波モータ1の駆動が不安定になることがない。
【0027】
ステップS110における位相差の変更が終了後、ステップS120では、制御部81は、駆動指示と、検出部85からの検出信号により演算されるレンズ群Lの位置や速度と、温度測定部86により測定された振動波モータ1の温度と、振動波モータ1の個体差などに基づいて、発振部82に対して設定する周波数を制御して、レンズ群Lが目標位置に位置決めされるように駆動制御する(
図7のタイミングT1〜T2)。
【0028】
発振部82に対して設定する周波数が保持周波数f0より低周波となると、振動波モータ1の回転数が零より大きくなる。振動波モータ1を停止させるとき振動波モータ1への電圧印加を停止させていないため、振動波モータ1が駆動を開始しても異音は発生しない。
【0029】
ステップS130では、制御部81は、レンズ群Lが目標位置に到達したか否かを判定する。制御部81は、ステップS130が否定判定された場合は処理をステップS120に進め、ステップS130が肯定判定された場合は処理をステップS140に進める。
【0030】
ステップS140では、制御部81は、発振部82に対して保持周波数f0を設定して、発振部82から保持周波数f0の信号が発振されるように制御する(
図7のタイミングT2〜T3)。
【0031】
ステップS150では、制御部81は、次の駆動指示を取得しているか否かを判定する。制御部81は、ステップS150が肯定判定された場合は処理をステップS110に進め、ステップS150が否定判定された場合は処理をステップS160に進める。
【0032】
ステップS160では、制御部81は、移相部83に対して0°の位相差を設定して、移相部83により出力されるA相の信号とB相の信号の位相差を変更して、
図6の処理を終了する。これにより、
図3に示されるように位相差によっても振動波モータ1の回転速度が零となるように制御される。
【0033】
図4に示したように、保持周波数f0は、取り得る値に範囲を有する。ステップS140において、制御部81が発振部82に設定する保持周波数f0を、その範囲内のどの値にするかによって、振動波モータ1に対して得られる効果が変化する。その効果の違いを、
図8を用いて説明する。
【0034】
図8は、振動体161の周波数―振動変形特性を例示した図である。
図8には、振動体161の9次屈曲振動の固有周波数f9が26kHzの位置に例示されており、10次屈曲振動の固有周波数f10が32kHzの位置に例示されている。以降、9次屈曲振動の固有周波数f9を単に固有周波数f9と略記し、10次屈曲振動の固有周波数f10を単に固有周波数f10と略記する。
【0035】
駆動信号の周波数が9次屈曲振動の固有周波数f9近傍のとき、振動体161の駆動面123では9山の進行波が発生する。そして、駆動信号の周波数が10次屈曲振動の固有周波数f10近傍のとき、振動体161の駆動面123では10山の進行波が発生する。振動体161の振動の大きさのうち、9山の進行波成分は、周波数が固有周波数f9から離れるほど小さくなる。同様に振動体161の振動の大きさのうち、10山の進行波成分は、周波数が固有周波数f10から離れるほど小さくなる。
【0036】
前述したとおり、圧電体161bは9山の進行波を励起させやすい電極パターンとなっており、振動波モータ1は10山の進行波を用いるときより9山の進行波を用いるときの方が駆動効率がよい。そのため、
図8では9山の進行波の振動の大きさが10山の進行波の振動の大きさよりも大きくなっている。
【0037】
2相の駆動信号の位相差が同一の場合、9山の進行波と10山の進行波の回転方向は、互いに反対方向となる。例えば、2相の駆動信号の位相差が+90°の場合に、駆動信号の周波数が27kHzのとき移動体162は正回転に回転し、駆動信号の周波数が33kHzのとき移動体162は逆回転に回転する。周波数が固有周波数f9と固有周波数f10との間にあるとき、9山の進行波成分による移動体162の回転と10山の進行波成分による移動体162の回転とは、互いに打ち消し合う。
【0038】
(1)保持周波数f0が固有周波数f9と固有周波数f10の平均値の場合
保持周波数f0が固有周波数f9と固有周波数f10の平均値の場合、例えば
図8の例において保持周波数f0が29kHzの場合、振動体161の振動の大きさは小さくなる。これは、固有周波数f9と固有周波数f10との中間では、9山の進行波成分も10山の進行波成分も共に小さくなるためである。さらに、9山の進行波成分による移動体162の回転と10山の進行波成分による移動体162の回転とが打ち消し合う。
【0039】
したがって、保持周波数f0が固有周波数f9と固有周波数f10の平均値である場合、振動体161の振動の大きさが小さいため移動体162が振動体161から離間しないため、移動体162と振動体161との衝突による異音が発生しない。また、9山の進行波成分による移動体162の回転と10山の進行波成分による移動体162の回転とが打ち消し合うため、移動体162の回転停止の確実性が増す。
【0040】
(2)保持周波数f0が固有周波数f9と固有周波数f10の平均値より高周波の場合
保持周波数f0が固有周波数f9と固有周波数f10の平均値より高周波の場合、すなわち固有周波数f9より固有周波数f10に近い場合、振動体162で発生する進行波は、10山の進行波成分が支配的になる。
図6のステップS120で9山の進行波成分に基づいて回転していた移動体162は、ステップS140で駆動周波数を保持周波数f0に変更したとき10山の進行波成分に基づいて制御される。すなわち、10山の進行波成分による回転は9山の進行波成分による回転とその回転方向が反対方向となるため、ステップS140において移動体162の回転方向は直前のステップS120の制御時の回転方向とは反対方向になる。ただし、このとき振動波モータ1により発生するトルクが小さいためフォーク154、カム環153、AF環152が回転することはない。
【0041】
したがって、ステップS150において次の駆動指示がある場合に、次の駆動指示において移動体162を逆方向に回転させることが確定しているときは、突起部155aとフォーク154の間のガタと、キー溝153aと固定ピン152aとの間のガタとが詰まる。これにより、実際に移動体162が逆方向に回転し始めたときの機械的な衝突音を抑制することができる。
【0042】
(3)保持周波数f0が固有周波数f9と固有周波数f10の平均値より低周波の場合
保持周波数f0が固有周波数f9と固有周波数f10の平均値より低周波の場合、すなわち固有周波数f10より固有周波数f9に近い場合、振動体162で発生する進行波は、9山の進行波成分が支配的になる。この場合、ステップS140において移動体162の回転方向は直前のステップS120の制御時の回転方向と同方向になる。したがって、ステップS150において次の駆動指示がある場合に、次の駆動指示において移動体162を同方向に回転させることが確定しているときは、突起部155aとフォーク154の間のガタと、キー溝153aと固定ピン152aとの間のガタとが詰まる。これにより、実際に移動体162が同方向に回転し始めたときの機械的な衝突音を抑制することができる。
【0043】
また、保持周波数f0が上記(1)や(2)のときより固有周波数f9に近いため、
図7のタイミングT2〜T3の期間を上記(1)や(2)のときより短縮することができる。これにより、移動体162の駆動制御における処理時間が短縮され、移動体162の停止精度が向上する。
【0044】
上記(2)で説明したように、次の駆動指示で直前の駆動指示とは反対方向に駆動するときは、保持周波数f0を固有周波数f9と固有周波数f10との平均値より高周波にした方がよい。また、上記(3)で説明したように、次の駆動指示で直前の駆動指示と同方向に駆動するときは、保持周波数f0を固有周波数f9と固有周波数f10との平均値より低周波にした方がよい。
【0045】
図9は、
図6のステップS140の処理に関するフローチャートである。
図9の処理では、駆動指示を実行した後に実行する次の駆動指示に基づいて、適切に保持周波数を設定する。
【0046】
ステップS141では、制御部81は、次の駆動指示を取得しているか否かを判定する。制御部81は、ステップS141が肯定判定された場合は処理をステップS142に進め、ステップS141が否定判定された場合は処理をステップS143に進める。
【0047】
ステップS142では、制御部81は、次の駆動指示が直前に完了した駆動指示と同一方向に移動体162を回転させる指示か否かを判定する。制御部81は、ステップS142が肯定判定された場合は処理をステップS145に進め、ステップS142が否定判定された場合は処理をステップS144に進める。
【0048】
ステップS143では、制御部81は、保持周波数f0を、固有周波数f9と固有周波数f10の平均値に設定する。これにより、上記(1)で説明したような効果が得られる。
ステップS144では、制御部81は、保持周波数f0を、固有周波数f9と固有周波数f10の平均値より高周波であり、固有周波数f10より低周波の周波数に設定する。これにより、上記(2)で説明したような効果が得られる。
ステップS145では、制御部81は、保持周波数f0を、固有周波数f9と固有周波数f10の平均値より低周波であり、固有周波数f9より高周波の周波数に設定する。これにより、上記(3)で説明したような効果が得られる。
【0049】
ステップS146では、制御部81は、ステップS143〜S145で設定された保持周波数f0を、発振部82に設定する。
【0050】
以上で説明した実施の形態によれば、以下の作用効果が得られる。
レンズ鏡筒2においてレンズ群Lを駆動する駆動装置90は、駆動回路80と振動波モータ1とを備える。駆動回路80は、A相とB相の駆動信号を生成する。振動波モータ1は、振動体161と移動体162を備える。振動体161は、駆動回路80により生成されたA相とB相の駆動信号が印加される圧電体161bを備え、その圧電体161bの振動により弾性体161aの駆動面123に進行波を発生させ、加圧接触させた移動体162を駆動させるための駆動力を発生させる。駆動回路80は、A相とB相の駆動信号の周波数と位相差を設定する制御部81を有し、移動体162の駆動方向を変更するときに、発振部82が発振する周波数を保持周波数f0に設定した後(
図6のステップS100およびS140)に、移相部83に設定する位相差を変更する(
図6のステップS110)。
このようにすることで、駆動装置90では、移動体162の駆動方向を切り替える際に、駆動周波数の制御によって移動体162の駆動を停止させているため、異音の発生を抑制することができる。
【0051】
移動体162が駆動している間に位相差を変更すると、移動体162の回転が不安定になり、移動体162と振動体161の衝突による異音が発生する虞がある。しかし、本発明のように、移動体162の駆動が停止している状態で、A相およびB相の駆動信号の位相差を制御するようにすれば、そのような異音が発生する虞がない。
【0052】
また、移動体162が駆動している間に位相差を変更すると、一時的に移動体162を低速駆動することがあるが、低速駆動時は移動体162の回転ムラが増大し、停止精度を確保できなくなるという虞がある。しかし、本発明のように、移動体162の駆動が停止している状態で、A相およびB相の駆動信号の位相差を制御するようにすれば、そのような回転ムラの増大が発生せず、停止精度を確保できなくなる虞がない。
【0053】
以上で説明した実施の形態は、以下のように変形して実施できる。
(変形例1)上記の実施の形態では、圧電体161bが9山の進行波が発生しやすい電極パターンになっているものとして、振動体161の駆動面123に9山の進行波または10山の進行波を発生するものとした。しかし、振動体161が発生させる進行波は、9山の進行波に限定しない。本発明は、駆動面123に任意のn山の進行波によるn次屈曲振動を発生させることにしてもよい。
(変形例2)上記の実施の形態では、発振部82に対して設定する周波数を制御してレンズ群Lの駆動制御を行っている間、A相およびB相の駆動信号の位相差を制御しなかった。しかし、移動体162と振動体161の衝突による異音や、移動体162の回転ムラの増大を無視できる範囲内で、発振部82に対して設定する周波数を制御してレンズ群Lの駆動制御を行っている間にも、A相およびB相の駆動信号の位相差を制御してもよい。
【0054】
以上で説明した実施の形態や変形例はあくまで例示に過ぎず、発明の特徴が損なわれない限り本発明はこれらの内容に限定されない。また、以上で説明した実施の形態や変形例は発明の特徴が損なわれない限り組み合わせて実行してもよい。