(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011449
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】モールドコネクタの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/00 20060101AFI20161006BHJP
H01R 43/24 20060101ALI20161006BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20161006BHJP
B29C 45/36 20060101ALI20161006BHJP
B29K 105/20 20060101ALN20161006BHJP
B29L 31/36 20060101ALN20161006BHJP
【FI】
H01R43/00 B
H01R43/24
B29C45/14
B29C45/36
B29K105:20
B29L31:36
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-102040(P2013-102040)
(22)【出願日】2013年5月14日
(65)【公開番号】特開2014-222628(P2014-222628A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2015年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】鬼本 隆
【審査官】
前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−251998(JP,A)
【文献】
特開2002−331529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/00
B29C 45/14
B29C 45/36
H01R 43/24
B29K 105/20
B29L 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルに電気的に接続された接続端子と、
前記接続端子を支持するホルダと、
前記ホルダと前記ケーブルの先端部とを覆うように設けられ、射出成形により形成されるモールド樹脂と、
を備えたモールドコネクタの製造方法であって、
前記射出成形に用いる金型として、金型側係止突起を形成したものを用いると共に、
前記ホルダとして、前記金型側係止突起に係止し、前記射出成形時に前記ホルダの前記ケーブル側への動きを規制するホルダ側係止突起と、前記ホルダ側係止突起から離間して前記ホルダ側係止突起の周囲を覆う防水用リブとを備えたものを用い、
前記金型に、前記モールド樹脂に用いる樹脂を溶融させた溶融樹脂を流し込んで、前記モールド樹脂を形成すると共に前記防水リブを溶融させ前記モールド樹脂に一体化させる
ことを特徴とするモールドコネクタの製造方法。
【請求項2】
前記ホルダ側係止突起は、前記ホルダを前記金型に配置した際に、溶融樹脂を流し込む樹脂流入口に対して前記ホルダを挟んで対向する位置に形成されている
請求項1記載のモールドコネクタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モールドコネクタ、モールドコネクタの製造方法、及びワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等に用いる防水のコネクタとして、ケーブルに端子とワイヤシールを圧着し、その端子をハウジングに差込んだのち、リテーナーで固定した構造のものが一般的に知られている。
【0003】
しかし、このようなコネクタでは、コネクタとケーブルの接続部分で外皮から心線が露出した状態となってしまうため、例えば自動車の足回りに使用するような場合には、露出した心線に石が当たるなどして、断線等の不具合が発生してしまうおそれがある。
【0004】
そこで、自動車の足回り等に使用するコネクタとしては、心線が露出しないように、ケーブルの先端部を覆うように樹脂をモールドしたモールドコネクタが用いられている。つまり、モールドコネクタは、ケーブルに電気的に接続された接続端子と、接続端子とケーブルの先端部とを覆うように設けられたモールド樹脂と、を備えている。
【0005】
モールド樹脂は、射出成形により形成される。モールドコネクタでは、モールド樹脂を形成する際に、そのモールド樹脂に用いる樹脂と外皮とを溶け合わせて、防水をとるように構成されている。
【0006】
ところで、コネクタにおいては、挿抜の際の嵌合性を向上し端子の破損等の不具合を抑制するために、接続端子の位置を精度よく合わせる必要がある。
【0007】
そのため、モールドコネクタでは、接続端子をホルダに支持させると共に、そのホルダの接続端子が設けられた先端面に位置合わせ用穴を形成しておき、その位置合わせ用穴に、コネクタ開口部を形成するための金型の一部であるコマ(入駒)に設けられた位置合わせピンを差し込み、金型にセットすることで、端子の位置合わせを行うようにしている。なお、コマを除いた後に形成されるコネクタ開口部は相手側のコネクタの先端部を収容する部分になるため、このコマに対して接続端子の位置を厳密に位置合わせしておけば、コネクタ開口部に挿入される相手側のコネクタの先端部に対する接続端子の位置合わせも厳密に行うことが可能になる。
【0008】
この状態で、モールド樹脂に用いる樹脂を溶融した溶融樹脂を金型に流し込み、溶融樹脂が固化した後に金型から離脱させれば、モールド樹脂が形成されモールドコネクタが得られる。
【0009】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−331529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述のモールドコネクタでは、ホルダはコマで固定されているだけなので、射出成形時にケーブルを引っ張ると、コマから離れる方向にホルダに力が働き、ホルダに位置ずれが発生して接続端子の位置ずれが発生してしまうという問題があった。
【0012】
金型でホルダを完全に固定することも考えられるが、この場合、位置合わせの基準がホルダを固定する部分となってしまい、接続端子の位置ずれが発生してしまう。
【0013】
そこで、本発明は、上記課題を解決し、接続端子の位置ずれを抑制可能なモールドコネクタ、モールドコネクタの製造方法、及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、ケーブルに電気的に接続された接続端子と、前記接続端子を支持するホルダと、前記ホルダと前記ケーブルの先端部とを覆うように設けられ、射出成形により形成されるモールド樹脂と、を備えたモールドコネクタであって、前記ホルダに形成され、前記射出成形に用いる金型に設けられた金型側係止突起に係止し、前記射出成形時に前記ホルダの前記ケーブル側への動きを規制するホルダ側係止突起を備えたモールドコネクタである。
【0015】
前記金型は、前記モールド樹脂に用いる樹脂を溶融させた溶融樹脂を流し込む樹脂流入口を備え、前記ホルダ側係止突起は、前記ホルダを前記金型に配置した際に、前記ホルダを挟んで前記樹脂流入口と対向する位置に形成されてもよい。
【0016】
また、本発明は、ケーブルに電気的に接続された接続端子と、前記接続端子を支持するホルダと、前記ホルダと前記ケーブルの先端部とを覆うように設けられ、射出成形により形成されるモールド樹脂と、を備えたモールドコネクタの製造方法であって、前記射出成形に用いる金型として、金型側係止突起を形成したものを用いると共に、前記ホルダとして、前記金型側係止突起に係止し、前記射出成形時に前記ホルダの前記ケーブル側への動きを規制するホルダ側係止突起を備えたものを用い、前記金型に、前記モールド樹脂に用いる樹脂を溶融させた溶融樹脂を流し込んで、前記モールド樹脂を形成するモールドコネクタの製造方法である。
【0017】
前記ホルダに、前記ホルダ側係止突起から離間して前記ホルダ側係止突起の周囲を覆うように防水用リブを設け、前記溶融樹脂を前記金型に流し込んだ際に、前記防水リブを溶融させ前記モールド樹脂に一体化させてもよい。
【0018】
また、本発明は、ケーブルと、前記ケーブルに電気的に接続された接続端子と、前記接続端子を支持するホルダと、前記ホルダと前記ケーブルの先端部とを覆うように設けられ、射出成形により形成されるモールド樹脂と、を備えたワイヤハーネスであって、前記ホルダに形成され、前記射出成形に用いる金型に設けられた金型側係止突起に係止し、前記射出成形時に前記ホルダの前記ケーブル側への動きを規制するホルダ側係止突起を備えたワイヤハーネスである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、接続端子の位置ずれを抑制可能なモールドコネクタ、モールドコネクタの製造方法、及びワイヤハーネスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】(a)は、本発明の一実施の形態に係るモールドコネクタの製造方法を説明する図であり、(b)は、本発明の一実施の形態に係るモールドコネクタの断面図である。
【
図2】
図1(b)のモールドコネクタに用いるホルダを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)はホルダ側突起の拡大斜視図である。
【
図3】本発明で用いるコマを示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0022】
図1(a)は、本発明の一実施の形態に係るモールドコネクタの製造方法を説明する図であり、
図1(b)は、本発明の一実施の形態に係るモールドコネクタの断面図である。
【0023】
図1(a),(b)に示すように、モールドコネクタ1は、ケーブル2に電気的に接続された接続端子3と、接続端子3を支持するホルダ4と、ホルダ4とケーブル2の先端部とを覆うように設けられ、射出成形により形成されるモールド樹脂5と、を備えている。
【0024】
本実施の形態では、ケーブル2が2本の心線2aの周囲に外皮2bを形成したものであり、2本の心線2aに対応するように2つの接続端子3を備える場合を説明するが、心線2aの本数や接続端子3の個数はこれに限定されるものではない。図示していないが、心線2aは導体を絶縁体で被覆して構成され、その導体がホルダ4内で接続端子3にそれぞれ電気的に接続されている。
【0025】
図2(a)〜(d)に示すように、ホルダ4は、略直方体形状に形成され、正面視で角を丸めた矩形状に形成されている。ホルダ4は、絶縁性の樹脂からなり、2本の接続端子3を整列した状態で支持するように構成されている。接続端子3は、その先端部がホルダ4の先端面から突出するように設けられ、ホルダ4の後端面から導入された心線2aの導体とホルダ4の内部にて加締め固定され電気的に接続されている。
【0026】
ホルダ4の先端面には、2つの接続端子3をその配列方向の両側から挟み込むように、2つの位置合わせ用穴4aが形成されている。位置合わせ用穴4aには、金型8の一部であり、相手側のコネクタの先端部を挿入するコネクタ開口部を形成するためのコマ(入駒)8aに設けられた位置合わせピン8bが挿入される。
【0027】
図3(a),(b)に示すように、コマ8aには、2つの位置合わせ用穴4aに対応した2つの位置合わせピン8bが設けられており、かつ、2つの接続端子3を挿入する2つの端子挿入穴8cが形成されている。
【0028】
位置合わせピン8bを位置合わせ用穴4aに、接続端子3を端子挿入穴8cにそれぞれ挿入することで、コマ8aに対する接続端子3の位置合わせ、すなわちコネクタ開口部に挿入される相手側のコネクタの先端部に対する接続端子3の位置合わせが行われることになる。なお、位置合わせピン8bは、接続端子3の位置合わせを行う役割と、射出成形時にホルダ4を支持し、ホルダ4の位置ずれが発生することを抑制する役割を兼ねている。
【0029】
モールド樹脂5に用いる樹脂としては、ホルダ4に用いる樹脂と同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。モールド樹脂5やホルダ4に用いる樹脂としては、例えば、PA(ポリアミド)612やPBT(ポリブチレンテレフタレート)などが挙げられる。
【0030】
さて、本実施の形態に係るモールドコネクタ1は、ホルダ4に形成され、射出成形に用いる金型8に設けられた金型側係止突起9に係止し、射出成形時にホルダ4のケーブル2側への動きを規制するホルダ側係止突起6を備えている。
【0031】
本実施の形態では、ホルダ側係止突起6は、ホルダ4を金型8に配置した際に、ホルダ4を挟んで樹脂流入口(ゲート)10と対向する位置に形成されており、ホルダ4にかかる射出圧力をホルダ側係止突起6を金型8に当てることで受け止めるようになっている。ホルダ側係止突起6は、樹脂流入口10の直下に形成されていることが望ましいが、多少ずれていても問題はなく、樹脂流入口10側から見たときに、樹脂流入口10と重なる位置に形成されていればよい。なお、樹脂流入口10は、モールド樹脂5に用いる樹脂を溶融させた溶融樹脂を流し込む部分である。
【0032】
つまり、本実施の形態において、ホルダ側係止突起6は、ケーブル2が引っ張られた際に金型側係止突起9に干渉してホルダ4の位置ずれが発生してしまうことを抑制する役割と、溶融樹脂を流し込む際の射出圧力に抗してホルダ4の位置ずれを防ぐ役割とを兼ねている。
【0033】
ホルダ側係止突起6の機械的強度が弱いと、ホルダ側係止突起6が潰れてホルダ4の位置ずれが発生してしまうため、ホルダ側係止突起6は、ホルダ4に用いる樹脂の特性等を考慮し、ケーブル2を引っ張った際の力と、溶融樹脂を流し込む際の射出圧力に十分に抗することができる程度の機械的強度が得られるように設計される。
【0034】
十分な機械的強度が得られるようにホルダ側係止突起6のサイズを大きくすると、金型8とホルダ側係止突起6との接触面積も大きくなり、金型8によりホルダ側係止突起6が冷却されるので、溶融樹脂を流し込んだ際にホルダ側係止突起6が溶融せず、モールド樹脂5とホルダ側係止突起6との間に隙間が発生して十分な防水効果が得られなくなるおそれがある。つまり、ホルダ4やモールド樹脂5としてPA612などの溶け合いやすい樹脂を用いている場合は問題とはならないが、PBTなどの溶け合いにくい樹脂を用いている場合には、流し込んだ溶融樹脂とホルダ側係止突起6が溶け合わず十分な防水効果が得られないおそれがある。
【0035】
そこで、本実施の形態では、ホルダ4に、ホルダ側係止突起6から所定距離離間してホルダ側係止突起6の周囲を覆うように、薄い防水用リブ7を設けた。この防水用リブ7は、溶融樹脂を金型8に流し込んだ際に溶融して溶融樹脂と溶け合い、モールド樹脂5と一体化することにより防水性を向上させるものである。
【0036】
モールドコネクタ1を製造する際に用いる金型8としては、ホルダ側係止突起6を係止する金型側係止突起9を形成したものを用いる。本実施の形態では、金型8の樹脂流入口10と反対側の内壁から内方に突出するように金型側係止突起9を形成したが、金型側係止突起9はホルダ側係止突起6を係止できるものであればよく、例えば、段差状の構造(階段状に形成された段差や、凹部を形成することにより凹部の周縁部に形成される段差も含む)や爪状の突起等も、金型側係止突起9に含まれる。
【0037】
ケーブル2の端部にモールドコネクタ1を設けたものが、本実施の形態に係るワイヤハーネスである。
【0038】
次に、本実施の形態に係るモールドコネクタの製造方法を説明する。
【0039】
まず、ケーブル2の端部から心線2aを露出させると共に、心線2aの先端部から導体を露出させ、その露出させた導体に接続端子3を加締め固定して、接続端子3とケーブル2の心線2aとをそれぞれ電気的に接続する。
【0040】
その後、接続端子3をホルダ4に挿入して固定することで、ホルダ4に接続端子3を支持させ、コマ8aの位置合わせピン8bを位置合わせ用穴4aに(接続端子3を端子挿入穴8cに)挿入し、ホルダ4とケーブル2の先端部を金型8にセットする。このとき、ホルダ側係止突起6が金型側係止突起9のコマ8a側に位置するようにホルダ4をセットする。これにより、ケーブル長手方向(位置合わせピン8bの挿入方向)に対して垂直方向、およびケーブル2を押し込む方向のホルダ4の動きはコマ8aにより規制され、ケーブル2を引っ張る方向のホルダ4の動きは金型側係止突起9により規制されることになる。
【0041】
その後、樹脂流入口10から溶融樹脂を流し込む。このとき、樹脂流入口10と対向する位置にホルダ側係止突起6が形成されているため、溶融樹脂を流し込む際の圧力に起因するホルダ4の位置ずれが抑制される。また、作業者がケーブル2を引っ張ってしまった場合であっても、ホルダ側係止突起6が金型8の金型側係止突起9に係止しているので、ホルダ4の位置ずれが抑制される。
【0042】
溶融樹脂を流し込むと、防水用リブ7が溶融して溶融樹脂と溶け合う。溶融樹脂が固化した後に金型8から離脱させれば、モールド樹脂5が形成されモールドコネクタ1が得られる。
【0043】
モールドコネクタ1では、ホルダ側係止突起6を金型8の金型側係止突起9に係止させた状態でモールド樹脂5を形成するため、金型側係止突起9の位置、すなわちホルダ側係止突起6のケーブル2側のモールド樹脂5には、凹部11が形成され、ホルダ側係止突起6のケーブル2側の一部がモールド樹脂5から露出した状態となっている。よって、この凹部11の有無により、ホルダ側係止突起6を金型側係止突起9に係止させたか否かを判断することができる。また、樹脂流入口10の位置には、樹脂流入口10にて固化した不要な部分の樹脂を除去した跡が残るので、この跡により、使用した金型8の樹脂流入口10の位置を知ることができる。
【0044】
以上説明したように、モールドコネクタ1では、ホルダ4に形成され、射出成形に用いる金型8に設けられた金型側係止突起9に係止し、射出成形時にホルダ4のケーブル2側への動きを規制するホルダ側係止突起6を備えている。
【0045】
ホルダ側係止突起6を金型側係止突起9に係止させることで、たとえ作業者が金型8にホルダ4をセットした後にケーブル2を引っ張ってしまったとしても、ホルダ4の位置ずれを抑制し、接続端子3の位置ずれを抑制することが可能になる。
【0046】
本発明のモールドコネクタ1は、例えばABS(アンチロックブレーキシステム)センサ用のコネクタなど、車両の足回りに用いるコネクタとして好適に用いることができる。
【0047】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0048】
例えば、上記実施の形態では、ホルダ側係止突起6を射出圧力によるホルダ4の位置ずれを抑制する突起として用いたが、ホルダ4の位置ずれを抑制する突起を、ホルダ側係止突起6と別に設けるようにしてもよい。
【0049】
ただし、この場合、ホルダ4に複数の突起を設けることになるため、溶融樹脂を流し込む際に樹脂の流れが悪化し、溶融樹脂の温度が低下してケーブル2の外皮2bや防水用リブ7との溶融一体化が十分に行われなくなるおそれがある。また、複数の突起のそれぞれに防水用リブ7を設ける必要が生じるので、ホルダ4の形状が複雑になってしまう。よって、ホルダ側係止突起6を射出圧力によるホルダ4の位置ずれを抑制する突起として兼用して用いることがより望ましい。
【符号の説明】
【0050】
1 モールドコネクタ
2 ケーブル
3 接続端子
4 ホルダ
5 モールド樹脂
6 ホルダ側係止突起
7 防水用リブ
8 金型
8a コマ
9 金型側係止突起
10 樹脂流入口
11 凹部