(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入射した光により第1画素信号を生成する第1画素と、前記第1画素とともに第1方向に沿って配置され、入射した光により第2画素信号を生成する第2画素と、前記第1画素とともに前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置され、入射した光により第3画素信号を生成する第3画素と、を有する画素部と、
前記第1画素及び前記第3画素に接続され、前記第1画素で生成された第1画素信号と、前記第3画素で生成された前記第3画素信号と、を前記画素部から出力するための第1信号出力端子と、前記第2画素に接続され、前記第2画素で生成された前記第2画素信号を前記画素部から出力するための第2信号出力端子と、が前記第2方向に沿って配置された信号出力部と、
前記第1信号出力端子に対向して配置された第1接続端子と、前記第2信号出力端子に対向して配置された第2接続端子と、を有する基板と、
を備える撮像装置。
前記第3接続端子と接続される第1信号端子と、前記第4接続端子と接続される第2信号端子と、を有し、前記画素部から出力された、前記第1画素信号、前記第2画素信号及び前記第3画素信号に信号処理を施す信号処理チップを備える請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の撮像装置。
前記第1画素、前記第2画素及び前記第3画素から前記第1画素信号、前記第2画素信号及び前記第3画素信号を読み出すためのドライバを備える請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の撮像素子。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(撮像装置に要求される性能と機能分割)
本実施形態の撮像装置に必要とされる性能及び機能分割の一例について説明する。
たとえば、動画像の撮影処理、或いは、高速撮影処理に適用可能なCMOSセンサを実現するためには、光センサ部(画素)と、光センサ部で変換した信号を処理するデジタル信号処理部とをそれぞれ最適な構成とするには、それぞれに対して定められる異なる要求性能に対応させて、それぞれを最適化することが必要となる。光センサ部の最適化については、ローノイズでダイナミックレンジを広くするために電源電圧を高めることが必要になる。デジタル信号処理部の最適化については、高速処理と低消費電力を実現するために電源電圧を低くした微細なトランジスタを使用した高速動作が可能なデジタル回路が必要になる。それらを1チップかつ同一プロセスで実現しようとすると、複雑な製造プロセス工程とプロセス制御とを必要とすることから高価なチップになり実現が困難である。
【0012】
また、1チップかつ同一プロセスで構成して、光センサ部の性能を確保することをデジタル信号処理部の性能を確保することより優先した場合には、デジタル信号を処理するデジタル信号処理部の性能の低下や、高速処理に必要とされる微細なプロセスを選択できないという問題が発生し、デジタル信号処理部の面積増大、消費電力増大を招くことになる。このように、1チップかつ同一プロセスで構成する場合は、いずれか一方の要求性能を優先させることが必要になる。
ところで、複数の半導体を組み合わせて構成したマルチチップモジュールとする技術がある。そのマルチチップモジュールは、異なるプロセスでつくられた半導体チップを同一基板上にベアチップの状態で実装することができる。それゆえ、マルチチップモジュールでは、それぞれのプロセスの特徴を生かして、全体の性能を向上させることができる。
以下、本実施形態では、マルチチップモジュール化することにより、撮像装置の高画素化・処理の高速化を実現する一態様を示す。
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明による撮像装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る撮像装置の構成図である。
図1(a)は、撮像装置の正面図であり、
図1(b)は、撮像装置の側面図である。
図1に示される撮像装置1は、信号処理チップ2、信号処理チップ3、センサチップ4、及び、ガラス基板21を備えている。
この
図1(a)において、撮像装置1のガラス基板21の表面を正面視した状態で、信号処理チップ2は、センサチップ4の上方に配置され、信号処理チップ3は、センサチップ4の下方に配置される。
また、
図1(a)において、センサチップ4に設けられるセンサアレイ部は、2次元に配列される画素の配置方向について、上下方向を列方向とし、左右方向を行方向とする。
ガラス基板21は、光を透過する材質(透過性の材質)で形成されており、その表面には、信号処理チップ2、信号処理チップ3、センサチップ4などを接続する配線が設けられている。
【0014】
信号処理チップ2、信号処理チップ3、センサチップ4は、接合領域22において、それぞれ、ガラス基板21表面に設けられた接続端子に接合される。接合領域22は、接続端子の配置密度が高い接合領域22Nと、接続端子の配置密度が低い接合領域22Wとを備える。接合領域22Nでは、信号処理チップ2とセンサチップ4とが、また、信号処理チップ3とセンサチップ4とが接続される。接合領域22Wでは、信号処理チップ2から配線部材23に接続され、信号処理チップ3から配線部材23に接続される。この配線部材23は、ガラス基板22に信号を入出力する配線用のフレキシブル配線部材(FPC)などである。
また、センサチップ4は、画素アレイが設けられている面を、ガラス基板23に向けて配置されており、画素アレイは、ガラス基板23を透過した入射光を受光する。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に係る撮像装置の概略回路構成を示すブロック図である。
図1と同じ構成には、同じ符号を附す。
撮像装置1は、信号処理チップ2,信号処理チップ3、センサチップ4を備えている。
信号処理チップ2と信号処理チップ3とセンサチップ4は、それぞれガラス基板21の表面に設けられた接続端子に接続されている。
信号処理チップ2は、ADCアレイ5、デジタル出力バス6、デジタル小振幅差動出力回路7、それらの制御回路8、各部回路のバイアス回路9を備える。
ADCアレイ5は、複数のアナログデジタル変換器(ADC)を備え、それぞれのADCが並列処理をする。
信号処理チップ3が備える回路ブロックの構成は、信号処理チップ2と同様であり、後で説明するように制御回路10を備えている点が異なっている。
センサチップ4は、2次元に画素が配置された画素アレイ11、画素駆動ドライバ12、この
図2おいて画素アレイ11の上下に配置されたカラムプリアンプ13,画素駆動ドライバ12の駆動制御バス14、各部回路へのバイアス電圧、電流を供給するセンサバイアス回路20を備えている。
【0016】
以下、実際の撮像動作に沿って、各部の動作を説明する。
画素アレイ11は、信号処理チップ2に搭載される制御回路8と、信号処理チップ3に搭載される制御回路10との内のいずれか、もしくは両方において生成される制御信号に応じて制御される。画素アレイ11は、制御回路8と制御回路10とのいずれか、もしくは両方からの制御信号が駆動制御バス14から画素駆動ドライバ12に供給される。画素駆動ドライバ12は、複数の行線が出力端子に接続されており、供給された制御信号に応じて選択される行線に、その行線に対応する画素を選択する選択信号を出力する。画素駆動ドライバ12は、同じ行線に接続され、同じ選択信号が供給される複数の画素を、1ライン(1列)ごとに選択する。列ごとに選択された画素は、それぞれ信号を出力し、それぞれの列ごとに並列にカラムプリアンプ13に供給する。
【0017】
カラムプリアンプ13は、カラム(列)線の個数分あり、たとえば、
図2において、奇数番目のカラム線では画素アレイ11の上方に配置され、偶数番目のカラム線では画素アレイ11の下方に配置される。
カラムプリアンプ13は、各画素からの信号(画素信号)を必要なゲインにより増幅する。増幅された画素信号が、センサチップ4のカラムプリアンプ13から、信号処理チップ2又は信号処理チップ3に出力される。センサチップ4から出力される増幅された画素信号は、各画素において検出された光量に基づいて変換されたアナログ信号である。
また、増幅された画素信号は、ガラス基板21にある接合領域22Nにおいて信号処理チップ2に、接合領域22Nにおいて信号処理チップ3に、それぞれカラムに対して並列に入力される。
信号処理チップ2(3)では、制御回路8(10)によって生成された制御信号に従って、上記のカラムごとに出力された「増幅された画素信号」は、ADCアレイ5によってアナログデジタル変換される。ADCアレイ5は、制御回路8(10)によって制御される予め定められた順番に従って制御され、デジタル出力バス6を通じて変換したデジタル信号を出力する。ADCアレイ5から出力されたデジタル画素信号を、デジタル小振幅差動出力回路7が出力する。
【0018】
この
図2において、デジタル小振幅差動出力回路7は、信号処理チップ2(3)に1個(1レーン)配置されているが、必要な画素出力速度に応じて複数個(複数レーン)配置されていてもよい。その場合、複数個配置されたデジタル小振幅差動出力回路7は、制御回路8(10)によって、出力順を切り替える制御が行われ、それぞれのデジタル小振幅差動出力回路7から信号が出力される。
なお、信号処理チップ2、3は、アナログデジタル変換のみでなく必要に応じて、より高度なデジタル演算を実行する信号処理回路を内蔵し、データのオフセット値の付加、フィキストパターンノイズ(FPN)の減算補正、ADCアレイ5内の複数ADCの変換誤差のばらつきを補正する演算を施すこともできる。
【0019】
次に、
図3を参照し、複数の信号処理チップの連動動作の例を説明する。
図3は、複数の信号処理チップ間の接続を示す概略ブロック図である。
信号処理チップ2内の制御回路8は、専用制御信号25の入力を受けるシステムコントローラ71、ADCコントローラ73、画素アレイタイミングコントローラ75を備える。
また、信号処理チップ3内の制御回路10は、専用制御信号26の入力を受けるシステムコントローラ72、ADCコントローラ74、画素アレイタイミングコントローラ76を備える。
画素アレイタイミングコントローラ75、76は駆動制御バス14と同期信号線15で接続されている。
【0020】
制御回路8、制御回路10は、共通する回路ブロックを備えており、それぞれの入力に接続される専用制御線25、26の設定よって、それぞれ別の動作をする。
たとえば、システムコントローラ71、72、ADCコントローラ73,74、画素アレイタイミングコントローラ75、76は、マスターモードとスレイブモードを選択する設定により、それぞれの設定に応じて機能することができる。
たとえば、専用制御線25によって、信号処理チップ2内の制御回路8の各部はマスターモードに設定され、信号処理チップ3内の制御回路10の各部はスレイブモードに設定されているとする。
【0021】
その場合、駆動制御バス14は、マスターモードに設定されている制御回路8における画素アレイタイミングコントローラ75によって制御される。それと同時に画素アレイタイミングコントローラ75が同期信号線15を制御する。ADCコントローラ73は、システムコントローラ71からの指令と画素アレイタイミングコントローラ75からのタイミング制御に従って、専用信号線25内のクロックに同期してADCアレイ制御信号(Cont.ADC_N)を出力し、ADCアレイを制御する。システムコントローラ71は、同じく画素アレイタイミングコントローラ75によるタイミング制御に従って、専用信号線25を介して供給されるクロックに同期させた制御信号(Cont.Output_N)を生成する。システムコントローラ71は、生成した制御信号(Cont.Output_N)によってデジタル出力バス6、デジタル小振幅差動出力回路7を制御する。
【0022】
また、スレイブモードに設定されている制御回路10における画素アレイタイミングコントローラ76は、制御バス14には信号を出力せず、制御バス14から信号の供給を受けるスレイブモードによって制御される。画素アレイタイミングコントローラ76は、制御バス14から供給される制御信号と同期信号線15から供給される同期信号とに従って、ADCコントローラ74とシステムコントローラ72の制御信号を生成して出力する。ADCコントローラ74は、システムコントローラ72と画素アレイタイミングコントローラ76の制御に従って、制御信号線25を介して供給されるクロックに位相をあわせてDCアレイ制御信号(Cont.ADC_S)を生成する。システムコントローラ71は、生成したDCアレイ制御信号(Cont.ADC_S)によりADCアレイを制御する。システムコントローラ72は、同じく画素アレイタイミングコントローラ76からのタイミング制御に従って、専用信号線25を介して供給されるクロックに同期させて位相を調整した制御信号(Cont.Output_S)を生成する。システムコントローラ71は、生成した制御信号(Cont.Output_S)によってデジタル出力バス6、デジタル小振幅差動出力回路7を制御する。
【0023】
以上の説明では、制御回路8がマスターモード、制御回路10がスレイブモードに設定する場合を説明したが、動作モードの設定を入れ替えることにより、制御方法を全く逆にすることができ、制御回路10をマスターモード、制御回路8をスレイブモードとして動作させることも可能である。
また、検査などでチップ単体の動作をさせるときには、それぞれをマスターモードで単体動作させる。
また、回路や制御関係は複雑になるが、制御回路8、制御回路10の各部を別々にマスターとスレイブにすることも可能である。
【0024】
次に、
図4から
図7を参照し、以上に示した撮像装置1を複数の信号処理チップ2,3とセンサチップ4に分割して構成する場合において、複数の信号処理チップ2,3とセンサチップ4の間を接続する接続部の構成について説明する。
【0025】
最初に、従来型のセンサチップにおける画素の間隔と信号線の間隔について説明する。
図4は、従来型の接続端子の配列を示す図である。
この
図4にはセンサチップ4において画素アレイに設けられている各画素を「○」印で示す。各画素は、2次元に配列されており、行方向に沿って並べて配置される間隔を画素ピッチ「PP」で示す。各画素は、それぞれに対応して設けられている列信号線に信号を出力する。ここでは、1列ごとに信号を転送する方向が異なる場合を例としているので、同一方向に出力する信号数は、列方向に並んだ画素の数の半分にすることができる。
【0026】
図4(a)では、接続端子を、列信号線が並べて配置される方向に沿って一列に並べて配置した「単列配置」型の配置を示している。この図に示されるように、接続端子の間隔(端子ピッチ「CP1」)としては,画素ピッチの2倍(2PP)の間隔を確保することができる。
また、
図4(b)では、接続端子を、列信号線が並べて配置される方向に沿って交互にずらして、2列に並べて配置した「千鳥配列」型の配置を示している。この図に示されるように、接続端子の間隔(端子ピッチ「CP2」)としては,画素ピッチの4倍(4PP)の間隔を、すなわち、「単列配置」型の配置の場合の端子ピッチCP1の2倍の間隔を確保することができる。
【0027】
接続端子の間隔は、ガラス基板21と、ガラス基板21上に配置するセンサチップ4などを定められた位置に調整して配置する要求精度などの限界により、間隔を狭めることが制限される。
一方、センサチップ4の画素アレイ上に配置される画素の画素ピッチは、半導体の製造プロセスの要求精度などの限界により、間隔を狭めることが制限される。
さらに、センサチップ4が出力する画像を高精細化するには、多画素化が必要とされる。センサチップ4の面積を拡大することが困難である場合、限られた面積の中で多画素化することが必要とされる。そのため、センサチップ4では、さらに画素ピッチを狭めることが必要とされる。このような要求に対して、上記の「単列配置」型や「千鳥配列」型の配置方法では、センサチップ4などを取り付ける位置の要求精度を満たすことが困難である。
このように、従来の構成のままでは、センサチップ4をさらに多画素化することにより、得られる画像を高精細化することが困難な状況となっている。以下、上記に示したような画像の高精細化に対応する実施態様について説明する。
【0028】
図5は、本実施形態における接続部の構成の一態様を示す鳥瞰図である。
この
図5には、ガラス基板21に接続される信号処理チップ3とセンサチップ4とが示されている。また、この
図5では、説明のために、ガラス基板21に対する信号処理チップ3とセンサチップ4の間隔を拡大して示している。
【0029】
センサチップ4において、複数の画素が2次元行列状に配置された画素アレイの画素列に対応する信号線(複数の信号線)と、その信号線に対応して設けられている信号出力端子51とが示されている。
その信号線の一端には、同じ画素列に対応して設けられている画素からの信号を出力する複数の信号出力端子51がそれぞれ設けられている。また、その信号線の図示されていない他端には、画素アレイにおける画素がそれぞれ対応して設けられている。
各信号出力端子51は、画素アレイの列方向において所定数の信号出力端子51を組とする信号出力端子群51Gを形成して配置されている。
【0030】
この
図5に示される場合では、各信号出力端子群51Gは、4個の信号出力端子51をそれぞれ備えている。信号出力端子群51Gでは、4個の信号出力端子51が画素アレイの列方向に沿って、間隔dずつ隔てて並べて配置される。
また、信号出力端子群51G(信号出力端子の組)は、画素アレイの行方向に沿って、所定の組数が順に並べて配置される。その所定の組数は、信号出力端子51Gに対応して設ける信号線の数を、組あたりに設けられる信号出力端子の数で除算した結果(商)になる。このように、信号出力端子群51G(信号出力端子の組)を形成することにより、信号出力端子群51Gを、画素列のピッチを所定数で乗算した間隔で画素アレイの行方向に配列することができる。
【0031】
ガラス基板21の表面には、接続端子61(第1接続端子)が信号出力端子51に対応してそれぞれ設けられる。各接続端子61は、対応して設けられた信号出力端子51にそれぞれ接続される。また、信号出力端子群51Gに含まれる信号出力端子51に対応して設けられた各接続端子61は、信号出力端子群51Gに対応して、接続端子61の組を形成する。その組を接続端子群61Gとして示す。
また、接続端子63(第2接続端子)が、接続端子61(第1接続端子)に対応してそれぞれ設けられる。それぞれ対応する接続端子61(第1接続端子)と接続端子63(第2接続端子)とが、信号線65によって接続される。
【0032】
接続端子63(第2接続端子)は、対応して設けられる信号処理チップ3における信号端子53とそれぞれ接続される。
また、各接続端子63は、対応して設けられた信号端子53を含む信号端子群53Gに対応する組を形成する。その組を接続端子群63Gとして示す。
たとえば、接続端子63(第2接続端子)は、接続端子61(第1接続端子)と同様な配置構成とすることができる。
各信号線65は、隣接する接続端子群61G(第1接続端子の組)の間を通して配置される。また、各信号線65は、隣接する接続端子群63G(第2接続端子の組)の間を通して配置される。
【0033】
図6は、本実施形態における接続端子の配列の一態様を示す図である。
図5に示した構成と同じ構成には同じ符号を附す。
この
図6には、ガラス基板21の表面を平面視した接続端子と配線パタンが示されている。
接続端子群61Gと接続端子群63Gは、それぞれ対応して設けられており、それぞれ信号線65によって互いに接続されている。対応する接続端子群61Gと接続端子群63Gとは、それぞれ行方向にオフセットされた位置に配置される。
接続端子群61Gは、4個ずつ接続端子61を備える。接続端子群63Gは、4個ずつ接続端子63を備える。この
図6には、接続端子群61G及び接続端子群63Gが、行方向に並べて4組示されている。
【0034】
この図では、接続端子群61Gにおける各接続端子61は、接続端子61a,b,c,dとして区別する。接続端子群63Gにおける各接続端子63は、接続端子63a,b,c,dとして区別する。
接続端子61aは、接続端子63aと信号線65aによって接続される。接続端子61bは、接続端子63bと信号線65bによって接続される。接続端子61cは、接続端子63cと信号線65cによって接続される。接続端子61dは、接続端子63dと信号線65dによって接続される。
【0035】
接続端子群61Gと接続端子群63Gは、それぞれセンサチップ4と信号処理チップ3に対応して設けられており、接続端子群61Gにおける接続端子61a,b,c,dの中では、接続端子61dが、信号処理チップ3に最も近い位置に配置される。接続端子61c,b,aは、接続端子61dから遠ざかる方向に順にそれぞれ間隔dずつ隔てて配置される。
接続端子群63Gにおける接続端子63a,b,c,dの中では、接続端子63aが、センサチップ4に最も近い位置に配置される。接続端子63b,c,dは、接続端子63aから遠ざかる方向に順にそれぞれ間隔dずつ隔てて配置される。
このように、接続端子群61Gと接続端子群63Gとの接続において、各接続端子61を並べた順に応じて、接続端子61をそれぞれ並べた方向に、接続端子61に対応する接続端子63を順に並べた状態に形成されている。
【0036】
信号線65は、並行に並べて配置を配置され、隣接する接続端子群61Gの間及び接続端子群63Gの間を通して配置される。
信号線65は、対応する接続端子群61Gと接続端子群63Gとが、行方向にオフセットされて配置されている隙間を通して配置される。
このような接続形態をとることにより、各信号線65は、互いに接続されている接続端子61から接続端子63までの配線長がそれぞれ等しくなるようになっている。
【0037】
図7は、本実施形態における接続端子の配列を示す図である。
この
図7にはセンサチップ4において画素アレイに設けられている各画素を「○」印で示す。各画素は、2次元に配列されており、行方向に沿って並べて配置される間隔を画素ピッチ「PP」で示す。各画素は、それぞれ対応して設けられている列信号線に信号を出力する。本実施形態においては、1列ごとに信号を転送する方向が異なっており、異なる信号処理チップに信号を供給する場合を例としているので、同一方向に出力する信号数は、列方向に並んだ画素の数の半分にすることができる。
【0038】
図7では、
図5、
図6に示したよう接続端子を配置した場合の、センサチップ4における画素の間隔と信号出力端子の間隔との関係について示している。
この図に示されるように、行方向の接続端子の間隔(端子ピッチ「CP3」)としては、画素ピッチの8倍(8PP)の間隔を確保することができる。
以上に示したように、本実施形態では、画素アレイ11の画素列に対応して設けられている複数の信号出力端子51を、画素アレイ11の画素列の間隔より広い間隔で配置することができる。
また、多画素化された画素アレイ11と、画素アレイ11の信号を処理する信号処理部2、3とを分離して別の半導体装置として構成した場合であっても、接続領域22Nにおける行方向の接続端子の間隔を画素ピッチに対して広くすることができる。これにより、センサチップ4(撮像素子)における信号出力端子51を、画素アレイ11の画素列の間隔より広い間隔で配置することが可能となる。
また、センサチップ4から出力される画素信号を信号処理チップ2、3に供給することができ、マルチチップモジュールとして形成される撮像装置1を提供することが可能となる。
【0039】
(第2実施形態)
図8を参照し本実施形態の異なる態様について説明する。
図8は、本実施形態における接続端子の配列の一態様を示す図である。
図5に示した構成と同じ構成には同じ数の符号を附し、接続端子群61GBが接続端子群61G(
図5)に、接続端子群63GBが接続端子群63G(
図5)に、信号線65Bが信号線65(
図5)にそれぞれ対応する。
この
図8には、ガラス基板21の表面を平面視した接続端子と配線パタンが示されている。
接続端子群61GBと接続端子群63GBは、それぞれ対応して設けられそれぞれ信号線65Bによって互いに接続されている。対応する接続端子群61GBと接続端子群63GBとは、それぞれ行方向にオフセットされた位置に配置される。
接続端子群61GBは、8個ずつ接続端子61を備える。接続端子群63GBは、8個ずつ接続端子63を備える。この
図8には、接続端子群61GBと接続端子群63GBが、行方向に並べて3組示されている。
【0040】
このように、本実施形態では、接続端子群61GBと接続端子群63GBでは、それぞれ8個ずつ接続端子61と接続端子63を備えることを特徴とし、接続端子群61GBと接続端子群63GBにそれぞれ含まれる接続端子の数が異なるが、前述の
図5の場合と同様である。接続端子の数を4個から8個にしたことにより、行方向の接続端子の間隔CP4を、
図5に示した間隔CP3の倍、すなわち画素ピッチPPの16倍(16PP)まで広くすることができる。
また、本実施形態の場合においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができ、さらに、本実施形態の場合では、行方向の接続端子の間隔を拡大することができる。
なお、接続端子の数を、2のべき乗とすることにより、回路の構成を簡素化することができる。
【0041】
(第3実施形態)
図9を参照し本実施形態の異なる態様について説明する。
図9は、本実施形態における接続端子の配列の一態様を示す図である。
図5に示した構成と同じ構成には同じ数の符号を附し、接続端子群61GCが接続端子群61G(
図5)に、接続端子群63GCが接続端子群63G(
図5)に、信号線65Cが信号線65(
図5)にそれぞれ対応する。
この
図9には、ガラス基板21の表面を平面視した接続端子と配線パタンが示されている。
接続端子群61GCと接続端子群63GCは、それぞれ対応して設けられ、それぞれ信号線65Cによって互いに接続されている。対応する接続端子群61GCと接続端子群63GCとは、それぞれ行方向にオフセットされた位置に配置される。
接続端子群61GCは、4個ずつ接続端子61を備える。接続端子群63Gは、4個ずつ接続端子63を備える。この
図9においては、接続端子群61GC及び接続端子群63Gが、行方向に並べて4組示されている。
【0042】
また、それぞれ信号線65Cには、接続端子群61GCにおける接続端子61と接続端子群63GCにおける接続端子63との間に、インピーダンスを低減させるインピーダンス低減部67Cが設けられている。
インピーダンス低減部67Cは、信号線65C(65a,65b,65c,65d)のそれぞれに対応して設けられたインピーダンス低減部67a、67b、67c、67dであり、行方向に沿って並べて配置される。
このように、インピーダンス低減部67Cを設けることにより、微細化された信号線65Cにおけるインピーダンスの上昇を低減することができる。そして、接続端子群61GCと接続端子群63GC間をアナログ信号により伝送する場合、伝送可能な信号の周波数帯域を広く確保することが可能となる。
以上に示した実施形態における構成とすることにより、センサチップ4及び撮像装置1は、多画素化された画素アレイ部11を信号処理チップ2、3と分離して別の半導体装置として構成することができ、センサチップ4における信号出力端子51を効率よく実装することが可能となる。
また、本実施形態の場合においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができ、さらに、本実施形態の場合では、出力する画像信号を、より広帯域化することができる。
【0043】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明の実施形態に示した撮像素子及び撮像装置において示された、画素数、信号数、接続端子数は、一実施態様を示したものに過ぎず、必要な所定の値に適宜定めることができる。
【0044】
また、本実施形態では、センサチップ4から出力される信号について説明したが、センサチップ4を制御する制御信号及びタイミング信号について、センサチップ4に供給する場合についても、同様な接続端子の配置を行うことが可能となる。