特許第6011803号(P6011803)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友金属鉱山株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6011803-銀粒子の製造方法 図000002
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011803
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】銀粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/24 20060101AFI20161006BHJP
   B22F 1/00 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   B22F9/24 E
   B22F1/00 K
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-58216(P2013-58216)
(22)【出願日】2013年3月21日
(65)【公開番号】特開2014-181399(P2014-181399A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】大麻 正弘
(72)【発明者】
【氏名】岡田 修二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 研哉
(72)【発明者】
【氏名】岡部 良宏
【審査官】 米田 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−235474(JP,A)
【文献】 特開2012−041570(JP,A)
【文献】 特開2013−023722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 9/00〜9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀アンミン錯体溶液に還元剤溶液を添加して、前記銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体を還元することにより銀粒子を生成する銀粒子の湿式還元製造方法において、
前記銀アンミン錯体溶液に添加する還元剤溶液の添加速度を、前記銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体中の銀に対する還元剤の時間当たり当量で0.005〜1.5当量/秒の範囲に制御することにより前記生成する銀粒子の平均粒子径を制御することを特徴とする銀粒子の製造方法。
【請求項2】
銀アンミン錯体溶液に還元剤溶液を添加して、前記銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体を還元することにより銀粒子を生成する銀粒子の湿式還元製造方法において、
前記還元剤溶液が、還元剤のアスコルビン酸と分散剤の脂肪酸と界面活性剤を含み、
前記還元剤溶液の添加速度が、前記銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体中の銀に対する還元剤の時間当たり当量で0.005〜1.5当量/秒の範囲に制御することを特徴とする銀粒子の製造方法
【請求項3】
前記銀アンミン錯体溶液が、アンモニア水に塩化銀を溶解して生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の銀粒子の製造方法。
【請求項4】
前記還元剤が、アスコルビン酸であることを特徴とする請求項1に記載の銀粒子の製造方法。
【請求項5】
前記還元剤溶液が、分散剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の銀粒子の製造方法。
【請求項6】
前記分散剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤および保護コロイドからなる群から選ばれる1種類以上であることを特徴とする請求項5に記載の銀粒子の製造方法。
【請求項7】
得られる銀粒子の走査型電子顕微鏡測定による平均粒子径が、0.1〜1.5μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の銀粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀粒子の製造方法に関する。更に詳しくは、電子機器の配線層や電極などの形成に利用される樹脂型銀ペーストや焼成型銀ペーストの主成分である銀粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属粉末は様々な用途に用いられており、それらの用途の各々に応じた金属粉末の開発がなされている。それら金属粉末の用途の1つとして導電性ペーストや導電性樹脂に含まれて導電性を付与する導電性粒子としての利用がある。
この導電性ペーストは、プリント基板、LED、太陽電池等の導体形成用材料として用いられている。また、導電性樹脂は、半導体用素材、防塵シート、帯電防止フィルム、除電マット、帯電防止床材等の導電性シート、電子写真式プリンターや複写機の導電性ロール(帯電ロール、現像ロール、転写ロール等)、磁気記録媒体用基材等として用いられている。
【0003】
ところで、導電性ペーストや導電性樹脂は、各種の樹脂と導電性粒子とを混合して得られるものであり、ここで用いられる導電性粒子には、粒子そのものの導電性が高く、耐酸化性に優れ、樹脂への分散性が高いことに加えて、目的に応じた粒子形状や粒径、粒径分布、嵩密度、充填密度等を有していることが求められる。
そのため、導電性粒子としては、現在、金属粉末が用いられている。金属粉末のうち銀粒子は導電性が高く耐酸化性に優れており、導電性粒子として多用されている。
【0004】
導電性ペーストの中で銀ペーストは、銀粒子を樹脂や溶剤と混合して作られているが、その用途に応じて樹脂や溶剤の種類と組成が最適化された銀ペーストが製造されている。しかしながら、樹脂や溶剤の種類と組成は容易に選択できるが、銀粒子は、任意の粒子径に制御することが困難であり、銀ペーストに最適な粒径を容易に選択できなかった。
【0005】
この問題を解決するため、例えば、特許文献1には、銀粉末を蟻酸溶液に浸漬することにより、銀粉末の粒径を調整する方法が開示されている。
この方法によれば、微細な粒子が減少あるいは消失し、結晶成長が進んだ銀結晶微粒子が表れるため、粒径調整を容易に行うことができるとされている。しかしながら、湿式還元処理法等で得られた銀粒子を、再度、粒子径調整処理するための工程が必要であり実用的ではない。
【0006】
また、特許文献2には、銀錯塩もしくは酸化銀の一方または両者を含有する水性反応系に、還元剤を1当量/分以上の速度で添加して還元後、スラリーに分散剤を加える銀粉の製造方法が開示されている。
この方法によれば、短時間で還元反応が終了するため、凝集が防止され、分散性の優れた銀粉が得られるとされている。しかしながら、凝集の抑制については検討され、銀粒子が凝集した粉末の粒径については制御されているものの、銀粒子そのものの粒径の制御に関しては開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−111302号公報
【特許文献2】特開平10−088206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような状況に鑑み、容易に任意の平均粒子径に制御できる銀粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、銀粒子製造時における銀アンミン錯体の還元反応について検討を行った結果、銀アンミン錯体溶液に添加する還元剤の添加速度が、得られる銀粒子に大きな影響を及ぼすとの知見を得て、本発明に至った。
【0010】
本発明の第1の発明は、銀アンミン錯体溶液に還元剤溶液を添加して、その銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体を還元することにより銀粒子を生成する銀粒子の湿式還元製造方法において、銀アンミン錯体溶液に添加する還元剤溶液の添加速度を、前記銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体中の銀に対する還元剤の時間当たり当量で0.005〜1.5当量/秒の範囲に制御することにより生成する銀粒子の平均粒子径を制御することを特徴とする銀粒子の製造方法である。
【0011】
本発明の第2の発明は、銀アンミン錯体溶液に還元剤溶液を添加して、前記銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体を還元することにより銀粒子を生成する銀粒子の湿式還元製造方法において、前記還元剤溶液が、還元剤のアスコルビン酸と分散剤の脂肪酸と界面活性剤を含み、還元剤溶液の添加速度が、銀アンミン錯体溶液に含まれる銀アンミン錯体中の銀に対する還元剤の時間当たり当量で0.005〜1.5当量/秒の範囲に制御することを特徴とする銀粒子の製造方法である。
【0012】
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における銀アンミン錯体溶液が、アンモニア水に塩化銀を溶解して生成されることを特徴とする銀粒子の製造方法である。
【0013】
本発明の第4の発明は、第1の発明における還元剤が、アスコルビン酸であることを特徴とする銀粒子の製造方法である。
【0014】
本発明の第5の発明は、第1の発明における還元剤溶液が、分散剤を含むことを特徴とする銀粒子の製造方法である。
【0015】
本発明の第6の発明は、第5の発明における分散剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤および保護コロイドからなる群から選ばれる1種類以上であることを特徴とする銀粒子の製造方法である。
【0016】
本発明の第7の発明は、第1及び第2の発明における得られる銀粒子の走査型電子顕微鏡測定による平均粒子径が、0.1〜1.5μmであることを特徴とする銀粒子の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、任意の平均粒子径を有する銀粒子を工業的規模において容易に得ることができる。また、得られる銀粒子は、樹脂型銀ペーストや焼成型銀ペーストの主たる成分となる銀粒子として好適なものであり、工業的価値が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】還元剤添加速度と平均粒子径の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の銀粒子の製造方法において、銀アンミン錯体溶液に添加する還元剤溶液の時間当たり当量を制御することが重要である。
即ち、本発明者らは銀アンミン錯体を還元反応により銀粒子を得る際に、還元剤溶液の添加速度、すなわち、添加する還元剤溶液の時間当たり当量を少なくすることで、得られる銀粒子の粒径は小さくなり、時間当たり当量を多くすると、得られる粒子の粒径は大きくなるとの知見を得た。
【0020】
したがって、銀アンミン錯体溶液に添加する還元剤溶液の時間当たり当量を制御することによって、得られる銀粒子を任意の粒径とすることができる。添加する時間当たり当量によって銀粒子の粒径を制御できる詳細は不明であるが、時間当たり当量が多い場合には、核生成と核からの粒子成長が同時に起こり、生成する核が相対的に少なくなって核が成長しやすいため、粒径が大きくなると推察される。
一方、添加する時間当たり当量が少ない場合は、核が成長する前に核生成に消費される還元剤が多くなるため、核生成が優勢となって粒径が小さくなると推察される。
【0021】
この還元剤溶液の添加量は、時間当たり当量において、0.005〜1.5当量/秒の間で制御することが好ましい。
還元剤溶液の時間当たり当量を0.005当量/秒未満としても、核生成と核成長に消費される還元剤の割合が変わらなくなるため、核生成数が増えず、得られる粒子の粒径も小さくならない。一方、1.5当量/秒を超えて添加しても、核の成長速度に限度があり、得られる粒子の粒径が大きくならないばかりか、銀アンミン錯体溶液と還元剤溶液を均一に混合することが困難となり、粒径が不均一になることがある。
【0022】
また、添加する還元剤の総量は、銀アンミン錯体の還元に十分な量を添加すれば良く、例えば還元剤としてアスコルビン酸を用いる場合、銀アンミン錯体溶液中の銀1モル当たりアスコルビン酸0.25モルが化学量論的当量である。しかし、銀アンミン錯体は容易に還元され当量以下でも銀粒子が得られるため、その添加量は銀1モル当たり、0.20〜1.0モルとすることが好ましく、0.20〜0.35モルが更に好ましい。
【0023】
銀アンミン錯体溶液に添加する還元剤溶液の時間当たり当量を0.005〜1.5当量/秒の範囲内に制御することで、平均粒子径が0.1〜1.5μmの範囲内の銀粒子を生成することができる。また、より好ましい平均粒子径の範囲である0.2〜1.3μmの銀粒子を生成することも可能である。
なお、平均粒子径が0.1μm未満になると、粒子の凝集が多くなり、銀粉としての均一性が低下することがある。また、粒子が微細すぎて取り扱い性も低下する。一方、平均粒子径が1.5μmを超えると、微細配線用としては不向きであり、好ましくない。
【0024】
ここで、上記銀粒子は、走査型電子顕微鏡観察によって外観的に1個の粒子と判断される粒子であり、凝集粒子や二次粒子ではそれぞれを構成する一次粒子を意味する。したがって、上記平均粒子径は、走査型電子顕微鏡観察によって一次粒子の最大径を、例えば、100個以上、好ましくは300〜600個測定して個数平均することで求めることができる。
【0025】
本発明において使用する銀アンミン錯体溶液は、アンモニア水に塩化銀を溶解して得ることが好ましい。
この銀アンミン錯体は、他に硝酸銀をアンモニア水に溶解することでも得られるが、塩化銀を用いた場合には、アンモニア水に溶解したときに亜硝酸ガスが発生しないため、処理コストが安く、環境リスクが低くなるという利点を有している。さらに、塩化銀は危険物にも劇物にも該当せず、遮光の必要はあるものの、比較的取り扱いが容易な銀化合物であるという利点も有している。
【0026】
塩化銀をアンモニア水に溶解する際の温度としては、10〜50℃とすることが好ましい。
その溶解時の温度が、10℃未満では溶解度が低くなり、得られる銀アンミン錯体溶液の濃度が低くなるため、実用的ではない。一方、温度が高いほど溶解度が増し、高濃度の銀アンミン錯体溶液が得られるが、温度が50℃を超えると、アンモニア揮発量が多くなり、組成を一定に保つことが難しくなる。
【0027】
また、還元剤溶液を添加する際は、銀アンミン錯体溶液の温度を30〜50℃に保持することが好ましい。これにより、十分な還元反応が維持され、粒子径制御が容易になるとともに、アンモニア揮発量を抑制して組成を一定に保つことが容易となる。
【0028】
用いる還元剤溶液としては、アスコルビン酸水溶液を用いることが好ましい。
銀アンミン錯体は、比較的簡単に還元されて銀粒子を析出するため、還元力の強いヒドラジン等では急激に還元反応が起こり粒子径の制御が難しくなる。
一方、アスコルビン酸は比較的還元力が弱いため、還元反応は緩やかに進み、そのために容易に粒子径を制御することが可能である。
【0029】
さらに、還元反応により生成した銀粒子は凝集しやすいため、使用する還元剤溶液には分散剤を添加することが好ましい。この分散剤を添加することで、還元時の粒子間の凝集を抑制することができ、分散性に優れた銀粒子を得ることができる。
添加する分散剤としては、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤および保護コロイドからなる群から選ばれる1種類以上の分散剤が好ましい。
これらの分散剤は、銀粒子表面に吸着しやすく、分散性の改善に効果的であり、好ましい。
【0030】
分散剤の添加量は、銀アンミン錯体溶液中に含有される銀に対して0.5〜10質量%の範囲とすることが好ましい。
0.5質量%未満では、分散性効果が十分に得られず、10質量%を超えると、導電材として用いられた場合に得られる配線や電極の電気抵抗が高くなり過ぎることがある。
【0031】
本発明の製造方法に用いる製造装置は、撹拌機構付の反応槽を用いることができ、銀アンミン錯体溶液への添加における還元剤溶液の時間当たり当量の制御は、還元剤溶液保持容器から銀アンミン錯体溶液を含む反応槽への流量調整により行うことができ、例えば、還元剤溶液の送液管の先端直径を調節して流量を調節することにより投入時間を制御することができる。送液管の先端直径を小さくすれば平均粒子径は小さくなり、先端直径を大きくすれば平均粒子径は大きくなる。
【0032】
または、送液管にボールバルブを2個用意し、上流側ボールバルブであらかじめ投入時間に対応した流量を調節し、下流側ボールバルブの全開と閉で還元剤溶液の投入時期を制御することができる。さらに、送液ポンプを利用して流量を調節して投入時間を制御してもよい。すなわち、銀アンミン錯体溶液に還元剤溶液を決められた流量、時間で投入できる装置であれば上記製造方法に好ましく用いることができる。
【実施例】
【0033】
次に、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0034】
塩化銀362gと25質量%アンモニア水2.4Lを混合後、撹拌しながら36℃まで加温し、銀アンミン錯体溶液を作製した。
還元剤溶液として、還元剤のアスコルビン酸102.5g(銀アンミン錯体溶液中の銀に対して0.9当量)、分散剤のPVA12.1g、界面活性剤(SS5602、信越化学工業株式会社製)1.56gを、水655gに溶解した還元剤溶液を作製した。
【0035】
作製した銀アンミン錯体溶液を400rpmで攪拌しながら、作製した還元剤溶液を攪拌している銀アンミン錯体溶液に1秒で投入し、30分間攪拌した後、得られた銀粒子含有液を濾過して銀粒子を得た。
次に、得られた銀粒子を純水3.5Lに投入して攪拌後、濾過する洗浄を4回繰り返した。その後、40℃で真空乾燥して乾燥した銀粒子を得た。
【0036】
その銀粒子をSEM観察により粒子径の測長を行った。約500点の測定粒子径を統計処理することにより得られた平均粒子径は、1.20μmであった。
【実施例2】
【0037】
還元剤溶液を2秒で投入した以外は実施例1と同様にして銀粒子を得るとともに平均粒子径を測定した。
得られた銀粒子の平均粒子径は1.14μmであった。
【実施例3】
【0038】
還元剤溶液を9秒で投入した以外は実施例1と同様にして銀粒子を得るとともに平均粒子径を測定した。
得られた銀粒子の平均粒子径は0.73μmであった。
【実施例4】
【0039】
還元剤溶液を15秒で投入した以外は実施例1と同様にして銀粒子を得るとともに平均粒子径を測定した。
得られた銀粒子の平均粒子径は0.58μmであった。
【実施例5】
【0040】
還元剤溶液を61秒で投入した以外は実施例1と同様にして銀粒子を得るとともに平均粒子径を測定した。
得られた銀粒子の平均粒子径は0.45μmであった。
【実施例6】
【0041】
還元剤溶液を115秒で投入した以外は実施例1と同様にして銀粒子を得るとともに平均粒子径を測定した。
得られた銀粒子の平均粒子径は0.38μmであった。
【0042】
以上の実施例1〜6の結果を図1に示す。
還元剤添加速度と平均粒子径の関係から、添加速度を大きくすれば平均粒子径は大きくなり、逆に添加速度を小さくすれば平均粒子径は小さくなることがわかる。また、この関係は連続的に変化していることが分かる。
したがって、この関係を用いることで、必要な平均粒子径の銀粒子を得るためには、添加速度、すなわち、銀アンミン錯体に対する還元剤の時間当たりの添加当量を、この図1の関係から求めて制御すればよいことになり、任意の平均粒子径の銀粒子を簡便に得ることができる。
図1