(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基端部側に電極先端部(11a)が挿入固定される絶縁性筒体(2)を備えた続流遮断装置であって、上記絶縁性筒体(2)は、電極側小径部(7)と、この電極側小径部(7)の先端側に連接されて絶縁性筒体(2)の先端面(9)に開口する出口側大径部(8)とを有する通孔(3)が開設されており、出口側大径部(8)の内径寸法(d2)は、続流アークによって通孔(3)内に生じるガス流を適正膨張させることが可能な適正膨張径(dc)以下で、且つ上記適正膨張径(dc)と電極側小径部(7)の内径寸法(d1)との平均値(dm)以上とされていることを特徴とする続流遮断装置。
【背景技術】
【0002】
電線を鉄塔等に張設する碍子装置には、雷等による閃絡や、その後の続流アークによって碍子が破損したり、電線が溶断したりするのを防止する目的でアークホーンが取り付けられる。すなわち、アークホーンは、続流アークの発弧点を電線以外のところに移すとともに、続流アークを碍子から離すことによって電線や碍子を保護するものである。
【0003】
アークホーンは、一般に、碍子装置の接地側と線側とに配設されるが、接地側に配設されたアークホーンと線側に配設されたアークホーンとの間で閃絡すると、その後の続流によって遮断器が動作し、停止事故(停電)や瞬時電圧低下となって、電力供給に支障をきたすことになる。そこで、以前から、アークホーンに対して、続流を遮断する続流遮断装置を取り付けることが行われてきた(例えば特許文献1参照)。
【0004】
続流遮断装置は、例えば、接地側アークホーンの先端部に絶縁性筒体を付設することで構成されており、雷撃時のアークホーンの閃絡が絶縁性筒体を通して起こった際に、アーク熱によって絶縁性筒体内に発生した高圧ガスを噴射することで、続流を絶縁性筒体内で遮断するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1に記載の続流遮断装置においては、絶縁性筒体の内径寸法をアークホーン側と出口側とで異ならせた形態、具体的には、出口側の内径寸法を、アークホーン側(奥側)の内径寸法より大とすることで、続流アーク発生時における絶縁性筒体内の電流密度を低減させ、ガス流の閉塞を抑制することで遮断性能の向上を図っていた。
【0007】
しかしながら、特許文献1の続流遮断装置は、遮断性能の向上に効果のある含水処理を施していながらも続流の遮断に時間を要している等、依然として改良の余地があった。
【0008】
そこで、この発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、続流の遮断を短時間で行うことができ、続流に起因する停止事故(停電)や瞬時電圧低下の発生を一層抑制することができる続流遮断装置及びアークホーン装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の続流遮断装置は、基端部側に電極先端部11aが挿入固定される絶縁性筒体2を備えた続流遮断装置であって、上記絶縁性筒体2は、電極側小径部7と、この電極側小径部7の先端側に連接されて絶縁性筒体2の先端面9に開口する出口側大径部8とを有する通孔3が開設されており、出口側大径部8の内径寸法d2は、続流アークによって通孔3内に生じるガス流を適正膨張させることが可能な適正膨張径dc以下で、且つ上記適正膨張径dcと電極側小径部7の内径寸法d1との平均値dm以上とされていることを特徴としている。
【0010】
具体的に、適正膨張径dcに対する出口側大径部8の内径寸法d2の比が0.6〜1.0とされている。
【0011】
また、適正膨張径dcは、出口側大径部8の内径寸法d2を仮の値とした通孔3の続流アーク発生時の電極側小径部7の圧力を算出した後、
(a)算出された圧力を、式1に入力し、出口側大径部8の内径寸法d2を算出する手順と、
(b)電極側小径部7の内径寸法d1を一定に、出口側大径部8の内径寸法d2を算出値とした通孔3の続流アーク発生時の電極側小径部7の圧力を算出する手順とを、
電極側小径部7の圧力値が収束するまで繰り返すことで得られた出口側大径部8の内径寸法d2であることを特徴としている。
(Ae:出口側大径部の断面積、A:電極側小径部の断面積、Pd:出口側大径部の圧力、P0:電極側小径部の圧力、γ:比熱比)
【0012】
また、アークホーン装置10が上記続流遮断装置1を備えている。
【発明の効果】
【0013】
この発明の続流遮断装置によれば、出口側大径部の内径寸法を、続流アークによって通孔内に生じるガス流を適正膨張させることが可能な適正膨張径以下で、且つ適正膨張径と電極側小径部の内径寸法との平均値以上としている、すなわち、出口側大径部の内径寸法をガス放出に最適な値としていることから、ガス流の閉塞を確実に解消することができる。また、ガス流速の向上を図ることができることから、より短時間での続流の遮断を実現することができる。具体的に、適正膨張径に対する出口側大径部の内径寸法の比を0.6〜1.0とすれば続流の遮断に好適な通孔形状とすることができる。
【0014】
また、アークホーン装置に上記続流遮断装置を設けることにより、アークホーンに生じた続流を遮断することができ、続流に起因する停止事故(停電)や瞬時電圧低下の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、この発明の続流遮断装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明の続流遮断装置1の要所断面図を示しているが、この続流遮断装置1は絶縁性筒体2を備えている。また、この絶縁性筒体2は、
図2に示すように、接地側アークホーン11と線側アークホーン12等で構成されるアークホーン装置10の接地側アークホーン11に取り付けられる。
【0017】
絶縁性筒体2は、
図1に示すように、その通孔3が、基端側のネジ孔4と、中間部の小径部5と、先端側の大径部6とを備えている。そして、ネジ孔4に、接地側アークホーン11の先端部(電極先端部)11aのネジ部が螺着されることにより、電極先端部11aが絶縁性筒体2の基端部側に挿入固定されることになる。
【0018】
そして、電極先端部11aが連結された状態では、通孔3の小径部5に、電極先端部11aの先端縁部が突入状となる電極側小径部7が構成され、通孔3の大径部6に、電極側小径部7に連接されて絶縁性筒体2の先端面9に開口する出口側大径部8が構成される。
【0019】
絶縁性筒体2は、例えば6ナイロン等のポリアミド樹脂が使用されており、雷撃時のアークホーンの閃絡が絶縁性筒体2を通して起こった際に、アーク熱によって絶縁性筒体2の内壁を溶発(アブレーション)させ、溶発に伴って生じる高圧ガスを、出口側大径部8から外部へと噴射することで、続流を絶縁性筒体2内で遮断するようにしている。
【0020】
なお、本発明は、出口側大径部8の内径寸法d2を、遮断性能を向上させるに最適な値とするところに特徴がある。具体的には、出口側大径部8の内径寸法d2を、続流アークによって通孔3内に生じる高圧ガスのガス流を適正膨張させることが可能な適正膨張径dcに基づいて決定するところに特徴がある。なお、適正膨張とは、出口における圧力が出口近傍の雰囲気圧力と等しくなる現象をいう。以下、出口側大径部8の内径寸法d2の決定方法について詳細に説明する。
【0021】
出口側大径部8の内径寸法d2を決定するにあたって、まず、仮定の通孔形状を決定する。この際、電極側小径部7の内径寸法d1と、電極側小径部7の長さ寸法L1と、出口側大径部8の長さ寸法L2は実際の寸法を用い、出口側大径部8の内径寸法d2のみ仮定の値を用いる。なお、出口側大径部8の内径寸法d2の仮定値としては、例えば、電極側小径部7の内径寸法d1の1.5倍の値を用いる。
【0022】
次に、仮定の通孔形状を備えた絶縁性筒体2の続流アーク発生時における電極側小径部7の圧力をCFD(Computational Fluid Dynamics)解析により算出(推定)する。具体的には、仮定の通孔形状と、続流アーク発生時のアークパワーと、アークパワーの付加位置と、ガス物性値と、材料比重等とを入力条件としてCFD解析を行い、出口側大径部8と外部との境界におけるガス圧力が大気圧(約0.1MPa)となる場合の電極側小径部7の圧力を算出する。
【0023】
その後、(a)算出された電極側小径部7の圧力をラバルノズルの設計式である式1に入力し、出口側大径部8の内径寸法d2を算出する。なお、式1のγは比熱比であって、熱流体解析で求めた定常比熱、質量密度を基に式2から算出した値を用いる。また、Pdは大気圧である。また、式1の大径部断面積Aeを直径に変換することにより出口側大径部8の内径寸法d2を求める。
【0024】
【数1】
(Ae:出口側大径部の断面積、A:電極側小径部の断面積、Pd:出口側大径部の圧力、P0:電極側小径部の圧力、γ:比熱比)
【0025】
【数2】
(γ:比熱比、P:ガス圧力、Cp:定常比熱、ρ:ガス密度、T:ガス温度)
【0026】
次に、(b)電極側小径部7の内径寸法d1を一定としたまま、出口側大径部8の内径寸法d2を上記式1の算出値とした通孔形状で、上記と同様の条件でCFD解析を行い、電極側小径部7の圧力を算出(推定)する。
【0027】
そして、上記(a)(b)の手順を、電極側小径部7の圧力が収束するまで(算出された圧力値とその直前に算出された圧力値とが略等しくなるまで)繰り返すことで得られた出口側大径部8の内径寸法d2が適正膨張径dcであり、この適正膨張径dcを、出口側大径部8の内径寸法d2として採用している。
【0028】
なお、本発明の絶縁性筒体2のうち、表1〜表4に示すものにおいては、通孔形状が、電極側小径部7と出口側大径部8との連設部において段差を生じる段付状とされ、また、電極側小径部7と出口側大径部8は、それぞれが始端から終端まで径を変えることなく直線状とされている。すなわち、テーパ部を有しておらず、互いに径の異なる孔同士を、軸心を合わせて繋げた形態とされている。そのため、実際のラバルノズルとはその形状が大きく相違しており、また、出口側大径部8の容積も、実際のラバルノズルより大とされた状態となる。
【0029】
そこで、実際のラバルノズルと容積を凡そ同じくするため、上記適正膨張径dcと、電極側小径部7の内径寸法d1との平均値dmを、出口側大径部8の内径寸法d2として採用している。すなわち、本発明においては、出口側大径部8の内径寸法d2を、適正膨張径dcから平均値dmの範囲で設定している。
【0030】
[実施例]
以下、電極側小径部7の内径寸法d1が6mm、電極側小径部7の長さ寸法L1が134mm、出口側大径部8の長さ寸法L2が166mm、電極小径部7と出口側大径部8とからなる遮断部の長さLが300mmとされた通孔3の適正膨張径dcの算出手順、及び、適正膨張径dcを基に設定された内径寸法d2での短絡電流遮断試験結果について詳細に説明する。
【0031】
まず、上記数値を基に仮定の通孔形状を設定する。なお、出口側大径部8の内径寸法d2を除き、電極側小径部7の内径寸法d1、電極側小径部7の長さ寸法L1、出口側大径部8の長さ寸法L2は実際の寸法を用いる。また、出口側大径部8の内径寸法d2の仮の値として、電極側小径部7の内径寸法d1の1.5倍の値(6×1.5=9mm)を使用した。
【0032】
次に、上記設定した仮定の通孔形状と、アークパワーとして10MW、アークパワーの付加位置として出口側大径部8、ガス物性値として空気の物性値、材料比重として6ナイロンの比重である1.14g/cm
3、比熱比γとして1.2を入力条件として、続流アーク発生時の通孔3の内部状態をCFD解析により解析し、電極側小径部7の圧力を算出した。なお、アークパワーの10MWは、電力系統での続流を想定したもの、具体的には10kA印加時を想定したものである。
【0033】
その後、上記(a)(b)の手順を、電極側小径部7の圧力が収束するまで行い、その圧力を式1に入力することで、適正膨張径dcとして19mmを得た。
【0034】
また、出口側大径部8の容積を、実際のラバルノズルと容積を凡そ同じくするため、適正膨張径dcと、電極側小径部7の内径寸法d1との平均値dm((19+6)/2=12.5→13mm)を得た。
【0035】
表1に、上記通孔3において、出口側大径部8の内径寸法d2を適正膨張径dcとしたもの(No,3)、また平均値dmとしたもの(No,2)の短絡電流遮断試験結果を示す。なお、比較対象として、出口側大径部8の内径寸法d2を上記算定で用いた仮定値としたもの(No,1)、また、適正膨張径dcの算出過程初期(収束以前)での出口側大径部8の内径寸法d2を用いたもの(No,4)を併記している。
【0036】
なお、試験条件としては、単相直接試験であり、試験周波数を50Hzとし、試験電圧を69.7kVとし、試験電流を5、10kA(直流成分は零)とし、通電時間を0.08秒(4Hz)とし、過渡回復電圧を波高値138kV、上昇率0.75kV/μsとし、発弧方式を直径0.2mmの銅線による溶断発弧とした。
【0038】
表1に示すように、内径寸法d2として適正膨張径dcを用いたNo,3においては、5kAで0.5サイクル、10kAで1.5サイクルでの遮断に成功しており、10kAでアーク移行を生じているNo,1やNo,4に比べて遮断性能が向上しているといえる。また、内径寸法d2として平均値dmを用いたNo,2においては、5kA、10kAともに0.5サイクルで遮断に成功しており、No1,No4に比べて格段に遮断性能が向上しているといえる。なお、アーク移行とは、続流を遮断しようとする働きによって通孔3外にアークが移行する状態を示し、遮断失敗とは、通孔3内で続流を遮断できない状態を示している。
【0039】
次に、遮断部長さ寸法Lが225mmとされている場合の短絡電流遮断試験結果について説明する。
【0040】
遮断部長さ寸法Lを225mmとし、電極側小径部7の長さ寸法L1を101mm、出口側大径部8の長さ寸法L2を124mmとする他は、上記方法に則っている。なお、表2におけるNo,7が内径寸法d2を適正膨張径dcとしたもの、No,6が内径寸法d2を平均値dmとしたものである。また、No,5が内径寸法d2を仮定値としたもの、No,8が内径寸法d2を収束以前での内径寸法としたものである。
【0042】
表2に示すように、内径寸法d2を適正膨張径dcとしたNo,7は、5kAで1サイクル、10kAで3サイクルでの遮断に成功しており、10kAでアーク移行の生じたNo,5や、10kAで遮断に失敗しているNo,8に比べて遮断性能が向上しているといえる。また、内径寸法d2を平均値dmとしたNo,6では、5kA、10kAともに0.5サイクルで遮断に成功しており、No,5やNo,8に比べて格段に遮断性能が向上しているといえる。
【0043】
このように、ラバルノズルの設計式に基づいて、出口側大径部8の内径寸法d2を決定することにより、遮断性能の向上を図ることができることがわかる。なお、内径寸法d2を適正膨張径dcに基づいて設定したNo,2、No,3、No,6、No,7は、適正膨張径dcに対する内径寸法d2の比(d2/dc)が約0.6〜約1.0であり、特に良好な結果が得られたNo,2、No,6の内径寸法d2では約0.6〜約0.7であることがわかる。No,2やNo,6が特に良好な結果となった理由としては、電極側小径部7と出口側大径部8との連設部に生じた段差が、No,3やNo,7に比べて小さくなり、段差に起因する乱流を抑えることができたためであると考えられる。なお、出口側大径部8の内径寸法d2に対する電極側小径部7の内径寸法d1の比(d1/d2)は、No,2、No,3、No,6、No,7では約0.3〜約0.5であり、No,2、No,3では、約0.4〜約0.5とされている。
【0044】
次に、電極側小径部7の内径寸法d1を8mmとした場合についての短絡電流遮断試験結果について説明する。
【0045】
電極側小径部7の内径寸法d1を8mmとした他は、上記方法に則って内径寸法d2を決定している。なお、表3におけるNo,11及びNo,16が内径寸法d2を適正膨張径dcとしたものであり、No,10及びNo,14が内径寸法d2を平均値dmとしたものである。また、No,9及びNo,13が内径寸法d2を仮定値としたもの、No,12及びNo,17が内径寸法d2を収束以前での内径寸法としたものである。
【0047】
表3に示すように、適正膨張径dc以下(表3における比率、内径寸法d2/適正膨張径dcが1以下)とされているものにおいて、概ね良好な結果が出ているといえる。なお、No,10においては、10kAでの遮断に失敗しているが、5kAにおいて1.5サイクルでの遮断に成功しており、5kAを遮断するのに2サイクル要しているNo,9に比べて遮断性能が向上しているといえる。また、No,16においては、5kA、10kAともに遮断に失敗しているが、10kAはアーク移行による失敗であるため、移行経路を妨げることができれば遮断することができるものと推測される。
【0048】
なお、電極側小径部7の内径寸法d1が8mmで、遮断部長さ寸法Lが225mmとされたもの(No,13〜No,17)については、適正膨張径dcと平均値dmとの間にNo,15を設けているが、No,15が最も良好な結果を示していることがわかる。なお、No,15の内径寸法d2は、適正膨張径dcに対して約0.8倍とされており、この結果を鑑みると、適正膨張径dcに対する出口側大径部8の内径寸法d2の比(d2/dc)を約0.6〜約1.0とすることで良好な結果が得られ、約0.6〜約0.8とすることでより良好な結果が得られるものと推測される。また、出口側大径部8の内径寸法d2に対する電極側小径部7の内径寸法d1の比(d1/d2)が、約0.3〜約0.5とされているNo,11、No,14、No,15で良好な結果が得られていることがわかる。
【0049】
次に、電極側小径部7の内径寸法d1を16mmとした場合の短絡電流遮断試験結果について表4に示す。
【0050】
電極側小径部7の内径寸法d1を16mmとした他は、上記方法に則って内径寸法d2を決定している。なお、表4におけるNo,20が内径寸法d2を適正膨張径dcとしたものであり、No,19が内径寸法d2を平均値dmとしたものである。また、No,18が内径寸法d2を仮定値としたもの、No,21が内径寸法d2を収束以前での内径寸法としたものである。
【0052】
表4に示すように、適正膨張径dc以下(表4において比率、内径寸法d2/適正膨張径dcが1以下)とされているものにおいて、概ね良好な結果が出ているといえる。特に、内径寸法d2を適性膨張径dcとしたNo,20においては、唯一10kAを遮断しており、遮断性能が向上しているといえる。
【0053】
次に、通孔3の形状を、
図3に示すように、ラバルノズル形状に近似させた場合、具体的には、出口側大径部8の電極側小径部7側端部を電極側小径部7の内径寸法d1と略等しくし、出口側大径部8の先端面9側の開口部を適正膨張径dcとし、2点を直線で結ぶことで先端面9に向かって末広がりなテーパ状とした場合の短絡電流遮断試験結果について説明する。
【0054】
CFD解析にあたって、通孔3のモデル形状を段付状からテーパ状に変更した他は、上記方法に則って内径寸法d2を決定している。なお、表5におけるNo,22、No,23はいずれも内径寸法d2を適正膨張径dcとしたものである。
【0056】
表5に示すように、通孔3をラバルノズル形状に近似させて形成するとともに、内径寸法d2を適正膨張径dcとすることで、良好な結果を得られることがわかる。なお、通孔形状をラバルノズル形状に近似させると、通孔形状を段付状とした場合に比べて、ガス流速を向上させることができる。
【0057】
以上、実施例で示したように、本発明の続流遮断装置1においては、出口側大径部8の内径寸法d2を、ラバルノズルの設計式に基づいて決定している、すなわち、出口側大径部8の内径寸法d2を、続流アークによって通孔3内に生じるガス流を適正膨張させることが可能な適正膨張径dc以下で、且つ適正膨張径dcと電極側小径部7の内径寸法d1との平均値dm以上としている、すなわち、出口側大径部8の内径寸法d2をガス放出に最適な値としていることから、ガス流の閉塞を解消することができる。また、ガス流速の向上を図ることができることから、より短時間での続流の遮断を実現することができる。
【0058】
特に、適正膨張径dcに対する出口側大径部8の内径寸法d2の比を、約0.6〜約1.0とすることによって良好な遮断性能を備えた続流遮断装置1とすることができる。従って、本発明の続流遮断装置1をアークホーン装置10に取り付ければ、より短時間での続流の遮断を実現することができる。
【0059】
以上に、この発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施例においては、接地側アークホーン11に続流遮断装置1を設けていたが、線側アークホーン12に設けても良いし、双方のアークホーンに続流遮断装置1を設けても良い。また、通孔形状をラバルノズル形状としても良い。