(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012367
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20161011BHJP
G01N 35/04 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
G01N35/02 G
G01N35/04 A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-211655(P2012-211655)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-66592(P2014-66592A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 光
(72)【発明者】
【氏名】山崎 功夫
(72)【発明者】
【氏名】麻生 定光
【審査官】
長谷 潮
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−107096(JP,A)
【文献】
特開2000−053242(JP,A)
【文献】
特開2007−205816(JP,A)
【文献】
特開2010−169579(JP,A)
【文献】
特開2010−169468(JP,A)
【文献】
特開2010−175342(JP,A)
【文献】
特開昭64−088135(JP,A)
【文献】
特開昭52−119376(JP,A)
【文献】
特開2001−004318(JP,A)
【文献】
特開2009−186461(JP,A)
【文献】
特開平05−302893(JP,A)
【文献】
特開平06−186163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬を混合する反応セルに光を照射する光源と、前記反応セルからの光を検出する検出器と、
複数の前記反応セルを載置する反応ディスクと、
前記反応ディスクを回転駆動させる第1機構と、
該光の光軸を鉛直方向に駆動させる第2機構と、
前記第1機構及び前記第2機構を制御する制御部と、
前記複数の反応セルの個々の反応セルの底の高さ情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記記憶部に記憶された前記高さ情報に応じて、前記制御部は、前記反応ディスクの回転駆動中に前記複数の反応セルの底の高さばらつきを低減させるように前記第2機構により該光軸を鉛直方向に駆動することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動分析装置において、前記制御部は、前記反応ディスクの回転駆動に従い、該光が照射される前記反応セル毎に該光軸を鉛直方向に駆動することを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1に記載の自動分析装置において、前記制御部は、該光軸と前記反応セルの底の高さと距離を、前記反応ディスクの回転駆動中に前記複数の反応セル間で略一定に保つよう制御することを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の自動分析装置において、さらに、前記高さ情報を測定する高さ情報測定手段を備えることを特徴とする機能を備える自動分析装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自動分析装置において、前記高さ情報測定手段における高さ測定を、装置のメンテナンス時、イニシャライズ時、反応セル交換時のいずれかで自動で実行する機能を備える自動分析装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の自動分析装置において、さらに、前記反応セルと前記検出器との間にレンズを挟むように設けられた2枚のスリットを備え、前記制御部は、前記光源に対し相対的に前記2枚のスリットを鉛直方向に駆動することで、該光軸を鉛直方向に駆動することを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の自動分析装置において、さらに、前記光源と前記反応セルとの間、および、前記反応セルと前記検出器との間に、それぞれミラーを備え、前記制御部は、前記光源に対し相対的に前記それぞれのミラーを鉛直方向に駆動することで、該光軸を鉛直方向に駆動することを特徴とする自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は臨床検査用の自動分析装置、特に反応ディスクによって保持される複数の反応容器(反応セル)に対して、血液等の検体の分注、検体の成分と反応して呈色する試薬の分注、該反応の光学的測定を行う自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動分析装置として、特開平11−316237号公報(特許文献1)に記載の自動分析装置がある。この装置は、血液中の蛋白やイオン、尿中の成分などを分析・定量するための比色測定部と、血液中のイオンを分析するイオン分析部からなる装置で、1時間に数百テストから、大型の装置になると9000テスト以上の処理速度を持つ。特に比色測定部では処理速度を上げるために、自動分析装置の本体上面には多数の反応容器が反応ディスクの円周上に設けられ、オーバーラップ処理により順次検体を混合・反応・測定する装置である。
【0003】
この装置の構成は、検体、試薬を反応容器に分注する自動検体・試薬供給機構、反応セル内の検体・試薬を攪拌する自動攪拌機構と、反応中あるいは反応が終了した反応液の物性を測定する光度計と、測定の終了した反応液を吸引・排出し、反応セルを洗浄する自動洗浄機構と、これらの動作を制御する制御部などからなる。光度計では、光源から出る光束を反応セル内の被測定溶液を透過させた後、分光装置に導き、特定の波長について測定した光強度値を基準濃度の溶液について、予め測定した光強度値と比較し吸光度を算出することにより、被測定溶液中の化学成分を分析している。
【0004】
化学・医用分析の分野では、検体や試薬など液の微量化が大きな課題となっている。すなわち、分析項目の増大に伴い、単項目に割くことのできる検体量が少量になっている。さらに、サンプル自体が貴重で、多量に準備できないDNA解析など、従来高度な分析とされていた微量のサンプルや試薬などでの分析がルーチン的に行われるようになってきている。また、分析内容が高度化するにつれて、高価な試薬が一般的に利用されるようになり、ランニングコストの面からも試薬の微量化が要望されている。
【0005】
試薬の微量化には、少ない反応液量で光学的測定が行える必要があるが、その際課題となるのは、反応セルと光度計光束との位置関係をいかにして一定に保つかである。すなわち、前述のように自動分析装置では光度計内の光源からの光束が反応セルを透過する時の光強度値を測定しているため、光束は反応セルの液面中のみを通過する必要があり、当然の如く、光束が反応セルの壁面や液中以外を透過した場合は正確な測定結果は得られない。一般的な自動分析装置では特許文献1記載のように反応セルが光度計位置まで移動する構成となっているため、反応セルと光度計光束の位置関係は、各構成部品の位置関係に依存している。
【0006】
係る課題に対し、通常は各構成部品の精度を向上させることで対応している。また、例えば特開2003−107096号公報(特許文献2)に記載されているように、光学測定時に反応セルを精度よく位置決めすることで、該課題を解決しようとする試みがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−316237号公報
【特許文献2】特開2003−107096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記微少な反応液量で光学的測定を行うための、構成部品の精度を向上させる方法には、コストアップや生産管理、精度不足といった問題がある。また、精度のコントロールが難しいため、設計時に寸法に余裕を持たせておくことが良く行なわれるが、逆を返せばその余裕分、反応液量を多く設定するため、反応液量の微少化の妨げとなっていた。同様に余裕を持たせるために光束を縮小することも行なわれるが、この方法は信号のS/N比の悪化を招く可能性がある。
【0009】
また、前記反応セルを精度よく位置決めする方法では、位置決めの際に反応ディスクを停止させる必要があり、反応ディスク回転中に行われる光学的測定には使用できない課題があった。
【0010】
本発明の目的は個々の部品精度を向上しなくとも、反応セルと光束の位置関係を正確に位置決めでき、微少な反応液量における正確な分析が可能な自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の代表的な発明は、検体と試薬を混合する反応セルに光を照射する光源と、反応セルからの光を検出する検出器と、複数の前記反応セルを載置する反応ディスクと、反応ディスクを回転駆動させる制御部と、を備え、複数の反応セルの個々の反応セルの底の高さ情報に応じて、制御部は、該光の光軸を鉛直方向に駆動する自動分析装置である。
【0012】
光束の中心である光軸を、アクチュエータによって、鉛直方向に高速・高精度に駆動する。反応ディスクの回転によって光軸を通過する各反応セルの高さに合わせて駆動し、光束と反応セルの位置関係を調節することで、前記課題を解決する。
【0013】
また、事前、あるいは測定中に反応セルの高さを測定する機構を備えることで、光軸を駆動する目標値を決定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、微少な反応液量での光学的測定を可能とし、貴重な微量検体の多項目分析や、自動分析装置のランニングコストの低減の効果がある。また、反応液量の微少化を行いつつ光束の大きさを十分確保することが可能になるため、測定データの精度維持・向上の効果がある。また、構成部品の精度向上が不要になり、また、光量の少ない小型の光源の使用も可能となる点から、装置の製造コスト低減の効果を期待できる。また、光束のセル壁や液面への干渉も少なくなるため、迷光が少なくなり、より微小な信号の検出によって、高感度な検体分析が可能となる効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例に係るもので、自動分析装置の構成を表す図である。
【
図2】本発明の実施例に係るもので、反応セルの高さばらつきを表す図である。
【
図3】本発明の実施例に係るもので、光学系の概略と、光軸を鉛直方向に駆動する機構を表した図である。
【
図4】本発明の実施例に係るもので、光学系の概略と、光軸を鉛直方向に駆動する機構を表した図である。
【
図5】本発明の実施例に係るもので、反応セルの高さを測定する機構を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に沿い、自動分析装置の概略を述べる。
【0018】
自動分析装置は、分析部110とインターフェイス・制御部111からなる。また、分析部110は試薬ディスク105と、反応セル101と、試薬サンプリング機構108と、検体107と、検体サンプリング機構106と、水吐出機構102(セル洗浄水・セルブランク水の注入機構)と、廃液排出機構104(測定後の検体・試薬・洗浄水・セルブランク水の吸い出し機構)と、光度計103(光学測定手段)と、複数の反応セル101が固定され、複数の反応セル101を載置し、回転駆動する反応ディスク109を有する。後述するように、この光度計103には、検体と試薬を混合する反応セル101に光を照射する光源と、反応セル101からの光を検出する検出器を含む。この他にも図示されていない、例えば反応セル101内の反応液を撹拌する撹拌機構なども反応ディスク109の周りに備えられる。
【0019】
円状に配置された複数の反応セル101は、各分析過程の操作のために、反応ディスク109によって、試薬ディスク105の周りを定周期で回転する。この回転駆動は、インターフェイス・制御部111の制御部によって制御される。また、このインターフェイス・制御部111には、分析部の分析に必要な情報を記憶する記憶部を備え、この情報を用い、制御部は分析部110の各種機構を制御する。
【0020】
検体の測定を行う前に、廃液排出機構104と、水吐出機構102によって反応セル101の洗浄が行われる。
【0021】
次に反応セル101が光度計103の前を通過した際に、セルブランク測定がなされる。セルブランク測定は、水吐出機構102によって水を入れた反応セル101の吸光度を測定し、検体測定の際に各反応セル101のゼロ点を補正するために行われる。
【0022】
セルブランク測定を終えた後は廃液排出機構104により反応セル101から水を吸いだす。
【0023】
続いて反応セル101が移動し、検体サンプリング機構106によって検体107の一部が反応セル101に分注される。
【0024】
続いて反応セル101が移動し、試薬サンプリング機構108によって試薬ディスク105から反応セル101へ試薬が分注され、試薬と検体は混合して反応し、反応液が生成される。反応液が入った反応セル101が、定周期で回転して光度計103の前を通過するときに一度、あるいは通過するたびに複数回の吸光光度測定を行い、検体の成分が測定される。
【0025】
反応セル101は、水吐出機構102や廃液排出機構104による水の吐出・排出、検体サンプリング機構106や試薬サンプリング機構108による検体や試薬の分注を受ける時は、その移動を止めている必要があるため、移動と停止を間欠的に繰り返している。
【0027】
次に、反応セル101と光軸201の関係について述べる。
【0028】
図2に各反応セル101のばらつきの様子を示す。反応セル101は、反応セル取り付け部203によって互いに固定されているものの、反応セル101が固定されている反応ディスク109の平面度の歪みや、その他構成部品の歪み等によって、それぞれの高さが0.1mmオーダーで異なる。また、反応セル101と光度計103の位置関係を決定づける構成部品の公差によって、該位置関係が、設計時とはやはり0.1mmオーダーで異なる。
【0029】
また、光度計103の検出器で検出される信号の大きさは、光束202の大きさに比例するため、信号のS/N比を確保する意味で、光束202は一定の大きさを保つ必要がある。
【0030】
分析動作中、反応ディスク109は回転駆動するため反応セル101は紙面の右側に移動する。反応セルのばらつきから左側の反応セルの底と、光束202(又は光軸201)との位置関係は変化する。少なくとも反応セル内の液体表面より低い位置に、光束202の領域を収める必要があることから、反応セルの底の高さのばらつきが、液体の微量化を妨げることになる。反応セルの底の高さばらつきを考慮して液体量のマージンを取り、液体量を決定する必要があるからである。
【0031】
次に、光軸201の鉛直方向の駆動機構について述べる。
【0032】
図3に光度計の概略を示す。光源301から生じた光は、レンズA302とスリットA303を通過して、反応セル101に照射される。その際、反応セル101のある程度広い範囲に対して光を照射している。反応セル101を通過した光は、スリットB304によって一部を切り取られ、レンズB305とスリットC306を通過し、グレーティング307によって分光されたのち、検知器308によって信号へ変換される。よって、実質的な光軸201を決定づけているのは、スリットB304と、スリットC306である事が理解される。よって光軸201の駆動は、スリットB304とスリットC306を鉛直方向に駆動することで行う。リニアモータ309とスリットB304・スリットC306を固定し駆動する。これらの駆動は制御部によって行われる。この方法のメリットとして、光度計全体を鉛直方向に駆動するよりも動かす部品が小さく軽くなり、小さなリニアモータ309でも高速な制御が可能となる点がある。光学的測定時は、反応セル101が光軸201を高速に通過するために、スリットB304とスリットC306を高速に0.1mmオーダーで駆動する必要がある。
【0033】
このように、反応セルと検出器との間にレンズB305を挟むように設けられた2枚のスリット(304、306)を備え、制御部が、光源に対し相対的に2枚のスリットを鉛直方向に駆動することで、高速な制御が実現できる。
【0034】
リニアモータ309は、パルスモータ、サーボモータ等、高速・高精度な制御ができるアクチュエータで代用が可能である。また、これらのアクチュエータは、メンテナンス等で取り換えが可能な構造とする。
【0035】
また、光軸201の鉛直方向の駆動機構について別の実施例を述べる。
【0036】
図4に光度計の概略を示す。光源401から生じた光は、ミラーA402によって反射され、反応セル101を通過する。該通過した光はミラーB403によって反射され、グレーティング404へ入射し、分光されて検知器405で信号に変換される。光軸201の駆動は、ミラーA402とミラーB403をリニアモータ406によって鉛直方向に駆動することによって行なう。これらの駆動は制御部によって行われる。前記実施例と同様に、リニアモータ406は、パルスモータ、サーボモータ等、高速・高精度な制御が可能であるアクチュエータで代用が可能である。ミラーA402とミラーB403も、プリズムや光ファイバーなどの光学的反射を行う部品での代用が可能である。
【0037】
このように、光源と反応セルとの間、および、反応セルと検出器との間に、それぞれミラー(402、403)を備え、制御部が、光源に対し相対的にそれぞれのミラーを鉛直方向に駆動することで、前記実施例と同様に、高速な制御が実現できる。
【0038】
次に、反応セル101の底の高さを測定する手段について述べる。
【0039】
図5に示すように、レーザー測長器501を用いて反応セル101の高さを測定する。測定点は、反応セル101の底を用いるが、反応セル101の縁や、反応ディスク109の反応セル101取り付け面等でも代用可能である。縁や取り付け面等で代用する場合には、縁や取り付け面から反応セル101の底までの距離のばらつきが、反応セルの底の高さのばらつきよりも小さく、各反応セルで互いに略一定という前提に基づく。これらで代用する場合でも実際に反応セル101の底を測定しなくても、反応セル101の底のばらつきを測定することができる。本明細書での反応セルの底の高さ情報とは、実際に反応セルの底を測定した情報以外でも、このように代用された情報も含む。
【0040】
反応セルの底の高さの測定は、装置の生産時、装置の起動時、メンテナンス時、反応セル101の交換時のいずれかのタイミングに自動で、あるいはユーザーの任意のタイミングで行うことができる。自動で実行する場合には、予め装置にどのタイミングで実行するかが設定されている。一方、ユーザーの任意のタイミングで実行する場合には、例えば、操作画面などのインターフェイスを介して、ユーザーが選択することで、実行を装置に指示する。
【0041】
実行が指示されると、反応ディスクは少なくとも1周分の回転駆動するよう制御され、レーザー測長器501により高さ情報の測定が行われる。制御部は、個々の反応セルに対して、得られた高さ情報を反応セルの位置情報と共に記憶部に記憶する。
【0042】
このため、レーザー測長器501は、反応セルの底を直接測定する場合には、反応セルの底にレーザーが照射できる位置に配置され、間接的に測定する場合には、反応セルの縁などの対象物にレーザーが照射できる位置に配置される。また、高さ情報の測定を行う必要がない時は、レーザー測長器501を取り外せるように、レーザー測長器501を分析装置に着脱できるようにしてもよい。
【0043】
また、前記実施例ではレーザー測長器501による測定を述べたが、原理的に反応セル101の高さを測定できる、高さ情報測定手段であれば、代用が可能である。例えば、検体サンプリング機構108の接触検知機能を応用して反応セル101の高さ測定を行うことができる。
【0044】
次に、測定した反応セル101の高さを元にした光軸201の駆動について述べる。前記反応セル101の高さ測定手段によって測定した数値を、インターフェイス・制御部111に備えられている記憶部へ保存しておき、該当する反応セル101が光度計103を通過する際に、該数値を元に算出した目標値へ光軸201を駆動する。これにより、個々の部品精度向上によらず、光軸201と反応セル101の位置関係を正確に位置決めすることが可能となる。また、反応セル101の移動に合わせて光軸201の駆動を行えるため、反応セル101移動中の光学的測定の際にも適用が可能である。
【0045】
反応セル101高さ測定のタイミングについて、別の実施例を述べる。これまでは、記憶部に記憶させて制御する実施例を述べたが、検体分析を行っている最中に光軸201を通過する直前で反応セル101の高さ測定を行うことにしてもよい。これにより、光軸201を通過する直前で測定した数値を制御部にフィードバックして光軸を鉛直方向に制御できるため、測定した数値を記憶部に記憶しておく必要がなくなる。この場合には、リアルタイムで測定するための前述の高さ情報測定手段を設置しておく必要がある。また、分析対象の液体が反応セルに収容されているため、反応セルの縁などで間接的に反応セルの底の高さ情報測定を行うことが望ましい。
【符号の説明】
【0046】
101…反応セル
102…水吐出機構
103…光度計
104…廃液排出機構
105…試薬ディスク
106…検体サンプリング機構
107…検体
108…試薬サンプリング機構
109…反応ディスク
110…分析部
111…インターフェイス・制御部
201…光軸
202…光束
203…反応セル取り付け部
301…光源
302…レンズA
303…スリットA
304…スリットB
305…レンズB
306…スリットC
307…グレーティング
308…検知器
309…リニアモータ
401…光源
402…ミラーA
403…ミラーB
404…グレーティング
405…検知器
406…リニアモータ
501…レーザー測長器