(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一対の連続シート同士の間に、伸長状態の糸状弾性部材が前記連続シートの連続方向と交差する交差方向に沿った状態で介装されて接合された伸縮性シートを製造する装置であって、
前記一対の連続シートを前記連続シートの連続方向に沿って搬送しながら重ね合わせて接合する接合機構と、
前記接合機構によって重ね合わせられて接合される前記一対の連続シート同士の間に向けて、前記糸状弾性部材の連続体を搬送する搬送機構と、
前記糸状弾性部材の連続体を繰り出しながら、前記搬送機構に前記糸状弾性部材の連続体を伸長状態で巻回する巻回機構と、を備え、
前記搬送機構は、前記連続シートよりも前記交差方向の端側の各位置にそれぞれ設けられた一対の搬送部であって、該搬送部の長手方向を搬送方向として前記糸状弾性部材の連続体を搬送する前記一対の搬送部を有し、
前記搬送部は、前記交差方向及び前記搬送方向の両者と交差する第2交差方向に並んで配置された一対の搬送部材としての一対の無端ベルトを有し、
前記一対の無端ベルト同士は、互いに共同して前記糸状弾性部材の連続体を搬送し、
各無端ベルトは、一対のプーリーに掛け回されており、
各無端ベルトの周回軌道が、前記交差方向の端側に位置する端側軌道と、前記端側軌道よりも前記交差方向の中央側に位置する中央側軌道とを有し、
前記端側軌道と前記中央側軌道との間の空間には、前記搬送方向に長尺なフレーム部材が介装されており、
前記一対の無端ベルト同士の間の位置には、前記一対の無端ベルト同士の干渉を防止するための前記搬送方向に沿ったリブ部が、前記フレーム部材の端側の側面から前記交差方向の端側に突出して設けられており、
前記リブ部の所定部位には、前記搬送方向に沿った溝部が形成されており、前記溝部には、前記糸状弾性部材の連続体を切断するための切断部材の刃先が挿入されており、
前記切断部材は、前記搬送機構に巻回された前記糸状弾性部材の連続体を、前記一対の無端ベルト同士の間の位置で切断することを特徴とする伸縮性シートの製造装置。
一対の連続シート同士の間に、伸長状態の糸状弾性部材が前記連続シートの連続方向と交差する交差方向に沿った状態で介装されて接合された伸縮性シートを製造する方法であって、
接合機構によって前記一対の連続シートを前記連続シートの連続方向に沿って搬送しながら重ね合わせて接合することと、
前記接合機構によって重ね合わせられて接合される前記一対の連続シート同士の間に向けて、前記糸状弾性部材の連続体を搬送機構で搬送することと、
前記糸状弾性部材の連続体を繰り出しながら、前記搬送機構に前記糸状弾性部材の連続体を伸長状態で巻回することと、を有し、
前記搬送機構は、前記連続シートよりも前記交差方向の端側の各位置にそれぞれ設けられた一対の搬送部であって、該搬送部の長手方向を搬送方向として前記糸状弾性部材の連続体を搬送する前記一対の搬送部を有し、
前記搬送部は、前記交差方向及び前記搬送方向の両者と交差する第2交差方向に並んで配置された一対の搬送部材としての一対の無端ベルトを有し、
前記一対の無端ベルト同士は、互いに共同して前記糸状弾性部材の連続体を搬送し、
各無端ベルトは、一対のプーリーに掛け回されており、
各無端ベルトの周回軌道が、前記交差方向の端側に位置する端側軌道と、前記端側軌道よりも前記交差方向の中央側に位置する中央側軌道とを有し、
前記端側軌道と前記中央側軌道との間の空間には、前記搬送方向に長尺なフレーム部材が介装されており、
前記一対の無端ベルト同士の間の位置には、前記一対の無端ベルト同士の干渉を防止するための前記搬送方向に沿ったリブ部が、前記フレーム部材の端側の側面から前記交差方向の端側に突出して設けられており、
前記リブ部の所定部位には、前記搬送方向に沿った溝部が形成されており、前記溝部には、前記糸状弾性部材の連続体を切断するための切断部材の刃先が挿入されており、
前記切断部材は、前記搬送機構に巻回された前記糸状弾性部材の連続体を、前記一対の無端ベルト同士の間の位置で切断することを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一対の連続シート同士の間に、伸長状態の糸状弾性部材が前記連続シートの連続方向と交差する交差方向に沿った状態で介装されて接合された伸縮性シートを製造する装置であって、
前記一対の連続シートを前記連続シートの連続方向に沿って搬送しながら重ね合わせて接合する接合機構と、
前記接合機構によって重ね合わせられて接合される前記一対の連続シート同士の間に向けて、前記糸状弾性部材の連続体を搬送する搬送機構と、
前記糸状弾性部材の連続体を繰り出しながら、前記搬送機構に前記糸状弾性部材の連続体を伸長状態で巻回する巻回機構と、を備え、
前記搬送機構は、前記連続シートよりも前記交差方向の端側の各位置にそれぞれ設けられた一対の搬送部であって、該搬送部の長手方向を搬送方向として前記糸状弾性部材の連続体を搬送する前記一対の搬送部を有し、
前記搬送部は、前記交差方向及び前記搬送方向の両者と交差する第2交差方向に並んで配置された一対の搬送部材を有し、
前記一対の搬送部材同士は、互いに共同して前記糸状弾性部材の連続体を搬送し、
前記搬送機構に巻回された前記糸状弾性部材の連続体を、前記一対の搬送部材同士の間の位置で切断する切断部材を有することを特徴とする伸縮性シートの製造装置である。
【0013】
このような伸縮性シートの製造装置によれば、切断部材は、搬送機構たる一対の搬送部に巻回された糸状弾性部材の連続体を、当該搬送部たる一対の搬送部材同士の間の位置で切断する。よって、連続シートにおける交差方向の端部から突出し得る糸状弾性部材の長さを揃え易くなる。つまり、連続シートの幅方向の端部から突出し得る糸状弾性部材の長さが不揃いとなることを抑制可能となる。
【0014】
かかる伸縮性シートの製造装置であって、
前記切断部材は、外周縁に刃先を有するとともに、所定の中心軸回りに駆動回転する回転刃であるのが望ましい。
【0015】
このような伸縮性シートの製造装置によれば、切断部材は、駆動回転する回転刃である。よって、回転刃の外周縁の刃先で糸状弾性部材の連続体を切断する際に、高い切断性を奏することができる。
【0016】
かかる伸縮性シートの製造装置であって、
前記回転刃は、前記糸状弾性部材の連続体よりも前記交差方向の端側に設けられ、
前記糸状弾性部材の連続体を切断する位置での前記回転刃の回転方向は、前記搬送方向の逆向きであるのが望ましい。
【0017】
このような伸縮性シートの製造装置によれば、回転刃は、糸状弾性部材の連続体よりも交差方向の端側に設けられ、そして回転刃の回転方向は、糸状弾性部材の連続体の搬送方向と逆向きである。よって、切断に伴って発生する糸状弾性部材の粉状破砕片を、交差方向の端側に飛ばすことができる。そのため、かかる破砕片の連続シートへの捲き込みを有効に防ぐことができる。
【0018】
かかる伸縮性シートの製造装置であって、
前記回転刃は、前記糸状弾性部材の連続体よりも前記交差方向の端側に設けられ、
前記糸状弾性部材の連続体を切断する位置での前記回転刃の回転方向は、前記搬送方向と同じ向きであるのが望ましい。
【0019】
このような伸縮性シートの製造装置によれば、回転刃の切断性を高めることができる。詳しくは次の通りである。先ず、回転刃は、糸状弾性部材の連続体よりも交差方向の端側に設けられており、そして、回転刃の回転方向は、糸状弾性部材の搬送方向と同じ向きである。よって、回転刃が糸状弾性部材を切断する際には、回転刃は糸状弾性部材を交差方向の中央側に押し込む。一方、糸状弾性部材の連続体よりも交差方向の中央側には一対の搬送部材が位置している。よって、上記の回転刃による中央側への押し込みから糸状弾性部材の連続体が更に中央側へ逃げないように、当該一対の搬送部材は、糸状弾性部材の連続体を中央側から押さえることができる。そして、その結果、回転刃の切断性を高めることができる。
【0020】
かかる伸縮性シートの製造装置であって、
前記切断部材は、前記交差方向の両側にそれぞれ設けられ、
前記接合機構は、
前記一対の連続シートのうちの一方の連続シートを外周面に巻き付かせながら駆動回転することによって前記一方の連続シートを搬送する第1ロールと、
前記第1ロールの前記外周面と外周面を対向して設けられ、前記一対の連続シートのうちの他方の連続シートを前記外周面に巻き付かせながら駆動回転することによって、前記他方の連続シートを搬送する第2ロールと、を有し、
前記第1ロールと前記第2ロールとによって重ね合わせられて接合される前記一対の連続シート同士の間に向けて、前記糸状弾性部材の連続体を前記搬送機構が搬送し、
前記一対の搬送部材は、それぞれ、前記糸状弾性部材の連続体が当接するベルト面を前記幅方向の端側に向けて駆動周回する無端ベルトであり、
前記糸状弾性部材の連続体を切断する位置は、前記第1ロール及び前記第2ロールが前記一対の連続シート同士を重ね合わせて接合する位置よりも前記搬送方向の下流側に位置しているのが望ましい。
【0021】
このような伸縮性シートの製造装置によれば、接合機構として第1ロール及び第2ロールを有し、搬送部材として無端ベルトを有している。よって、伸縮性シートの製造装置を容易且つ確実に実現することができる。
また、糸状弾性部材の連続体を切断する位置は、上述の一対の連続シート同士を重ね合わせて接合する位置よりも搬送方向の下流側に位置している。よって、糸状弾性部材の連続体の切断後に、当該糸状弾性部材が連続シートにしっかりと接合されずに同連続シートから外れてしまうことを確実に防ぐことができる。
【0022】
また、
一対の連続シート同士の間に、伸長状態の糸状弾性部材が前記連続シートの連続方向と交差する交差方向に沿った状態で介装されて接合された伸縮性シートを製造する方法であって、
接合機構によって前記一対の連続シートを前記連続シートの連続方向に沿って搬送しながら重ね合わせて接合することと、
前記接合機構によって重ね合わせられて接合される前記一対の連続シート同士の間に向けて、前記糸状弾性部材の連続体を搬送機構で搬送することと、
前記糸状弾性部材の連続体を繰り出しながら、前記搬送機構に前記糸状弾性部材の連続体を伸長状態で巻回することと、を有し、
前記搬送機構は、前記連続シートよりも前記交差方向の端側の各位置にそれぞれ設けられた一対の搬送部であって、該搬送部の長手方向を搬送方向として前記糸状弾性部材の連続体を搬送する前記一対の搬送部を有し、
前記搬送部は、前記交差方向及び前記搬送方向の両者と交差する第2交差方向に並んで配置された一対の搬送部材を有し、
前記一対の搬送部材同士は、互いに共同して前記糸状弾性部材の連続体を搬送し、
前記搬送機構に巻回された前記糸状弾性部材の連続体を、前記一対の搬送部材同士の間の位置で切断することを特徴とする伸縮性シートの製造方法である。
【0023】
このような伸縮性シートの製造方法によれば、搬送機構たる一対の搬送部に巻回された糸状弾性部材の連続体を、当該搬送部たる一対の搬送部材同士の間の位置で切断する。よって、連続シートにおける交差方向の端部から突出し得る糸状弾性部材の長さを揃え易くなる。つまり、連続シートの幅方向の端部から突出し得る糸状弾性部材の長さが不揃いとなることを抑制可能となる。
【0024】
===本実施形態===
図2Aは、本実施形態の製造装置20で製造される伸縮性シート10の概略平面図であり、
図2Bは、
図2A中のB−B矢視図である。
この伸縮性シート10は、連続方向に連続する連続シート10であり、例えば使い捨ておむつの部品として使用される。すなわち、同伸縮性シート10は、最終製品になる前の中間製品である。そして、かかる伸縮性シート10は、例えば、おむつのサイドフラップやウエスト部などに伸縮性を付与する機能性部品として使用される。
【0025】
かかる伸縮性シート10は、厚さ方向に重ね合わせられて接合された一対の連続シート11,12と、一対の連続シート11,12同士の間に介装された複数本の糸状弾性部材13,13…と、を有する。糸状弾性部材13は、連続シート11,12の連続方向と直交する幅方向に沿わせられつつ上記連続方向に間隔をあけて複数本配置されている。そして、各糸状弾性部材13は、伸長状態で少なくとも一方の連続シート11(12)に接合されている。よって、伸縮性シート10には、糸状弾性部材13,13…により幅方向の伸縮性が付与されている。すなわち、各糸状弾性部材13,13…が収縮すれば、連続シート11,12も幅方向に収縮して複数の皺が寄った状態になるが、当該糸状弾性部材13,13…の収縮力に抗して連続シート11,12を引っ張れば、皺が延びて同連続シート11,12は広がった状態になる。
【0026】
なお、
図2Aの例では、連続シート11,12に対して糸状弾性部材13,13…が連続方向に一定の配置ピッチP0で配置されているが、配置ピッチP0は、何等かかる等ピッチに限るものではない。例えば、周期的に配置ピッチP0が変化していても良い。
【0027】
また、
図2Aの例では、糸状弾性部材13の端部13eが連続シート11,12の幅方向の各端縁11e,12eから突出しているが、その突出量L13eは全ての糸状弾性部材13,13…に亘って概ね揃っている。そして、このように突出量L13eを概ね揃えることができることが、本実施形態の製造装置20の主要な特徴であり、これについては後述する。
【0028】
但し、糸状弾性部材13は、連続シート11,12の幅方向の端縁11e,12eから突出していなくても良い。例えば、後述する製造装置20において糸状弾性部材の連続体13aが切断された後の糸状弾性部材13の収縮力の大きさや接着剤の塗布範囲によっては、
図2Cに示すように、連続シート11,12の各端縁11e,12eよりも内側まで収縮して連続シート11,12内に完全に収まることも有り得て、この場合には、見た目が綺麗な伸縮性シート10になる。
【0029】
かかる糸状弾性部材13は、例えば、複数の弾性フィラメントが互いに接合されて束になったものであり、弾性フィラメントは、例えばポリウレタン繊維又はPTT繊維等の合成樹脂繊維である。そして、かかる糸状弾性部材13の具体例としては、「ライクラ(商標)デュポン社」等を挙げることができる。また、糸状弾性部材13の直径は、例えば非伸長状態たる自然長の状態においては0.2mm〜0.5mmであり、自然長に対して3倍まで伸長した状態においては0.1mm〜0.3mmである。
【0030】
他方、一対の連続シート11,12は、不織布、織布、フィルム等を素材とする。そして、一対の連続シート11,12の両方を互いに同じ素材にしても良いし、場合によっては、互いに異なる素材にしても良い。なお、不織布や織布、フィルム等の材種については、既存のものを適宜使用可能である。例えば不織布及び織布については、ポリエチレン或いはポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂製の単独繊維のもの、或いは鞘芯構造の複合繊維のもの、更にはこれらを組み合わせたものでも良く、またフィルムにあっても、上記に例示した熱可塑性樹脂製のもの等を例示できる。
【0031】
また、一対の連続シート11,12の間には接着剤が介装されており、この接着剤によって一対の連続シート11,12同士、及び一対の連続シート11,12のうちの少なくとも一方の連続シート11(12)と各糸状弾性部材13,13…とはそれぞれ接合されて一体化されている。かかる接着剤としては、例えばホットメルト接着剤を使用可能である。また、連続シート11(12)の表面への接着剤の塗布パターンとしては、連続方向に沿った複数の直線が幅方向に並んでなるストライプパターンでも良いし、連続方向に沿った複数のスパイラル線が幅方向の並んでなるスパイラル線群パターンでも良いし、所定領域の全域に亘って接着剤が塗布される所謂べた塗りパターンでも良い。
【0032】
図3は、伸縮性シート10の製造装置20の概略斜視図である。
図3に示すように、製造装置20は、一対の連続シート11,12をその連続方向に沿って搬送しながら重ね合わせて接合する接合機構21と、接合機構21によって重ね合わせられて接合される一対の連続シート11,12同士の間に向けて、糸状弾性部材の連続体13aを搬送する搬送機構31と、糸状弾性部材の連続体13aを繰り出しながら、上記の搬送機構31に糸状弾性部材の連続体13aを伸長状態で巻回する巻回機構41と、を備えている。
【0033】
そして、搬送機構31は、一対のベルト状搬送部32,32(搬送部に相当)を本体とし、各ベルト状搬送部32は、それぞれ連続シート11,12よりも幅方向の端側の各位置に配置されている。また、各ベルト状搬送部32,32は、自身の長手方向に沿って糸状弾性部材の連続体13aを搬送可能であり、つまり、当該長手方向を搬送方向として糸状弾性部材の連続体13aを搬送する。
よって、巻回機構41により一対のベルト状搬送部32,32に巻回された糸状弾性部材の連続体13aは、当該一対のベルト状搬送部32,32同士の間に幅方向に掛け渡された状態で、接合機構21の方へ向けて順次搬送され、これにより、幅方向に沿った状態で一対の連続シート11,12同士の間に送られる。
ここで、一対のベルト状搬送部32,32は、それぞれ、糸状弾性部材の連続体13aの搬送方向及び連続シート11,12の幅方向の両者と交差する方向(
図3の例では上下方向に相当)に並んで配置された一対の無端ベルト33u,33d(搬送部材に相当)を本体とし、かかる一対の無端ベルト33u,33dは、互いの搬送速度値に差をつけた状態で糸状弾性部材の連続体13aを搬送する。よって、幅方向に掛け渡された糸状弾性部材の連続体13aの部分13acに対して巻回当初に付与された幅方向から傾斜は、この搬送速度値の差に基づいて搬送中に徐々に修正される。その結果、糸状弾性部材の連続体13aのうちで上記の幅方向に掛け渡された部分13acは、連続シート11,12の幅方向に略平行な状態で同シート11,12に接合される。
【0034】
そして、このようにして一対の連続シート11,12に接合された糸状弾性部材の連続体13aは、この接合の後に、連続シート11,12よりも幅方向の端側の各位置で、切断部材51,51により切断され、これにより、糸状弾性部材13は、連続体13aの状態から個別の糸状弾性部材13,13…に変更される。これについては後述する。
【0035】
以下、各構成21,31,41,51について説明する。なお、以下の説明では、連続シート11,12の連続方向と直交する方向、すなわち連続シート11,12の幅方向のことを「CD方向」とも言う。また、説明の都合上、互いに直交する三方向のことを、上下方向、前後方向、左右方向と定義する。なお、この例では、上下方向は鉛直方向と平行であり、前後方向及び左右方向は水平方向と平行である。また、CD方向と左右方向とは、同じ方向である。更に、搬送機構21による糸状弾性部材の連続体13aの搬送方向は、前後方向と平行である。ちなみに、前後方向が、請求項に係る「搬送方向」に相当し、CD方向が、請求項に係る「交差方向」に相当し、上下方向が、請求項に係る「第2交差方向」に相当している。
【0036】
<<<接合機構21>>>
接合機構21は、CD方向を向いた回転軸C21u,C21d回りに駆動回転する上下一対のロール21u,21dを有する。そして、上ロール21u(第1ロールに相当)には、一対の連続シート11,12のうちの一方の連続シート11が所定の巻き付き角度で巻き付けられており、また、下ロール21d(第2ロールに相当)には、他方の連続シート12が所定の巻き付き角度で巻き付けられている。そして、どちらの連続シート11,12も、巻き付くべきロール21u,21dの外周面との間に相対滑りがほぼ無い状態に保持されており、これによって、各ロール21u,21dの駆動回転に伴って各連続シート11,12は、対応するロール21u,21dの外周面と略一体となって同ロール21u,21dの周方向に沿って搬送される。
【0037】
そして、一対のロール21u,21dの外周面同士が最接近する位置Pn(以下、ニップ位置Pnとも言う)を通過する際には、上の連続シート11と下の連続シート12とが厚さ方向たる上下方向に重ね合わせられて挟圧され、これにより、重ね合わせられるべき面の少なくとも一方に予め塗布された接着剤によって両者は接合される。なお、上述したように、この接合の直前には、かかる一対の連続シート11,12同士の間に、伸長状態の糸状弾性部材の連続体13aがCD方向(幅方向)に沿った姿勢で投入されるので、上記の接合時には、上下の各連続シート11,12及び糸状弾性部材の連続体13aの三者が接合一体化されることになる。
【0038】
<<<搬送機構31>>>
搬送機構31は、CD方向の左右にそれぞれベルト状搬送部32,32を有する。各ベルト状搬送部32は、その長手方向を前後方向に向けつつ当該前後方向に関して接合機構21を跨ぐように配置されており、これにより、前後方向に沿って接合機構21を跨ぐように糸状弾性体の連続体13aの搬送経路が形成されている。
【0039】
各ベルト状搬送部32は、上下一対の無端ベルト33u,33dを有する。各無端ベルト33u,33dは、それぞれ前後方向の両端部に配置された一対のプーリー34u,34u,34d,34dに掛け回されている。そして、少なくとも一方のプーリー34u,34dは、駆動源としてのサーボモータ35u,35dに連結されており、これにより、無端ベルト33u,33d毎に周回速度値の設定が可能である。
【0040】
また、プーリー34u,34u,34d,34dの向きの設定によって、各無端ベルト33u,33dの周回軌道が、CD方向の端側に位置する端側軌道Tr1と、端側軌道Tr1よりもCD方向の中央側に位置する中央側軌道Tr2とを有するようにされている。そして、端側軌道Tr1では、各無端ベルト33u,33dは前後方向の前方へ移動する一方、中央側軌道Tr2では後方へ移動し、これにより、一対のベルト状搬送部32,32に巻回された糸状弾性部材の連続体13aは、端側軌道Tr1を移動する無端ベルト33u,33d,33u,33dに保持されることにより、前後方向の前方へ搬送されて最終的に接合機構21に至るようになっている。
ちなみに、無端ベルト33u,33dのベルト面の向きは、同面の法線方向がCD方向と平行となる向きを基本とするが、場合によっては、同法線方向がCD方向から例えば0°よりも大きく60°未満の角度範囲で傾いていても良い。
【0041】
図4A乃至
図4Cは、無端ベルト33u,33dを支持するフレーム部材36の説明図である。
図4Aは概略拡大側面図であり、
図4Bは、
図4A中のB−B矢視図であり、
図4Cは、
図4A中のC−C矢視図である。
図4B及び
図4Cに示すように、端側軌道Tr1と中央側軌道Tr2との間の空間には、前後方向に長尺なフレーム部材36が介装されている。そして、このフレーム部材36の前後方向の両端部に上述のプーリー34u,34dが、また同前端部に上述のサーボモータ35u,35dが固定支持されている。また、
図4A及び
図4Bに示すように、この例では、フレーム部材36は、上下一対の無端ベルト33u,33dの両者に兼用されている。そして、この上下一対の無端ベルト33u,33d同士の干渉を防ぐ目的で、上下一対の無端ベルト33u,33d同士の間の位置には、前後方向に沿った一条のリブ部36rがフレーム部材36の各側面からCD方向の端側に突出しており、かかるリブ部36rによって、上下一対の無端ベルト33u,33d同士は互いに接触不能に隔てられている。そして、かかるリブ部36rの所定部位には、前後方向に沿った溝部36rtが形成されていて、かかる溝部36rtには、糸状弾性部材の連続体13aを切断するための切断部材51の刃先52eが挿入されているが、これについては後述する。
【0042】
<<<巻回機構41>>>
図3に示すように、巻回機構41は、糸状弾性部材のコイル体13C(ボビン等の適宜な巻き取り部材に糸状弾性部材の連続体13aをコイル状に巻き取ったもの)から糸状弾性部材の連続体13aを繰り出しながら、搬送機構31の後端部31bに巻回するものである。そのため、同巻回機構41は、リール機構42に回転自在に支持された糸状弾性部材のコイル体13Cから糸状弾性部材の連続体13aを繰り出す繰り出し部43と、繰り出し部43から繰り出された糸状弾性部材の連続体13aを、搬送機構31の後端部31bに巻回する巻回部46と、を有している。
【0043】
繰り出し部43は、リール機構42に取り付けられたコイル体13Cから糸状弾性部材の連続体13aを繰り出して同連続体13aの張力を所定の張力範囲内に設定後に、巻回部46の巻回速度値(m/分)に連動して同巻回速度値に対応した所定の供給速度値(m/分)で糸状弾性部材の連続体13aを巻回部46へ供給する。
【0044】
ここで、上述の張力範囲は、糸状弾性部材の連続体13aが弛まない範囲での最低張力に基づいて予め定められており、例えば0.0298N〜0.098Nである。そして、これにより、基本的には、繰り出し部43の供給速度値に対する巻回部46の巻回速度値の比率が、搬送機構31に巻回する巻回時点での糸状弾性部材の連続体13aの伸長倍率となる。よって、巻回速度値に連動させて供給速度値を調整することにより、ほぼ常時、目標の伸長倍率で搬送機構31に糸状弾性部材の連続体13aを巻回可能となる。ちなみに、伸長倍率というのは、糸状弾性部材の連続体13aが、その自然長から何倍まで伸長された状態にあるのかを示す指標であり、例えば伸長状態の長さLSを自然長L0で除算した除算値(=LS/L0)として表される。
【0045】
かかる繰り出し部43の具体的構成例としては、リール機構42のコイル体13Cから巻回部46への糸状弾性部材の連続体13aの供給ルートのうちで上流側の位置、すなわちコイル体13Cに近接する位置に設けられたテンションコントローラ44と、同供給ルートにおいてテンションコントローラ44よりも下流側の位置、すなわち巻回部46に近い位置に設けられた供給ロール45と、を有した構成が挙げられる。ここで、テンションコントローラ44は、その直近下流位置での糸状弾性部材の連続体13aの張力が所定の張力範囲に収まるようにコイル体13Cからの繰り出し量をフィードバック制御するものであり、その具体的構成例としては、上記直近下流位置での張力を計測するセンサー44sと、このセンサー44sの計測位置よりも走行ルートの上流側の位置に設けられた繰り出し用駆動プーリー44pと、を有している。そして、センサー44sから出力される張力の計測値が、上述の予め設定された張力範囲に収まるように、繰り出し用駆動プーリー44pの駆動源たるサーボモータ(不図示)が適宜な制御装置によって制御される。
【0046】
図5は、巻回部46の概略中心断面図である。巻回部46は、同
図5に示すように、搬送機構31の後端部31bに近接して配置された有底円筒部材46aを本体とする。有底円筒部材46aの筒軸C46aは、搬送機構31の小口断面中心位置、すなわち上下方向及びCD方向の両者で規定される断面での中心位置と略同じ位置に設定された軸C46aであって、しかも前後方向と略平行に設定された軸C46aである。そして、この筒軸C46a回りに有底円筒部材46aは駆動回転する。この駆動源には、例えばサーボモータ49mが使用される。すなわち、
図5の例では、有底円筒部材46aの底部46abからは筒軸C46aと同軸に小径円筒体47が後方に突出して一体に設けられており、かかる小径円筒体47には駆動用プーリー49pが同軸に固定され、この駆動用プーリー49pには、タイミングベルト49bを介してサーボモータ49mの駆動回転軸49sの駆動回転動作が入力される。そして、これにより、有底円筒部材46aは駆動回転する。
【0047】
また、有底円筒部材46aにおける複数の位置には、糸状弾性部材の連続体13aを掛け回す滑車48p,48p,48pが設けられている。これらの滑車48p,48p,48pは、繰り出し部43から走行状態で有底円筒部材46aへ供給される糸状弾性部材の連続体13aを、有底円筒部材46aの前端部46afに設定された搬送機構31への投入部48tへ誘導するガイド部材である。
具体的には、滑車48p,48p,48pは、それぞれ、小径円筒体47の内周側の前端位置と、有底円筒部材46aの円筒部46atの後端位置と、同円筒部46atの前端位置とにそれぞれ設けられており、更に同前端位置には、上述の投入部48tとして投入用滑車48tが別途設けられている。
そして、繰り出し部43から供給された糸状弾性部材の連続体13aが、上記の順番で各滑車48p,48p,48pに掛け回されることにより、糸状弾性部材の連続体13aは、次のようにして上記の投入部48tに至る。すなわち、先ず、繰り出し部43から供給された糸状弾性部材の連続体13aは、小径円筒体47の内周側を通って同小径円筒体47の前端位置に到達する、すると、その位置の滑車48pによって、走行方向を有底円筒部材46aの半径方向の外方へ転換されて有底円筒部材46aの底部46abに沿って走行する。そして、この走行によって、同有底円筒部材46aの円筒部46atの後端位置に至るが、同後端位置の滑車48pによって、再度走行方向を前方へ転換されて同円筒部46atの前端位置に至る。そして、最後に、同前端位置の滑車48pによって同位置の投入部48tへと誘導される。
【0048】
なお、投入部48tたる投入用滑車48tは、自身の回転軸C48tが、有底円筒部材46aの筒軸C46aと平行に設定されている。よって、この滑車48tは、糸状弾性部材の連続体13aを円滑且つ速やかに、有底円筒部材46aの内周側に位置する搬送機構31の後端部31bへ向けて投入可能となる。
【0049】
また、前後方向の位置に関して、有底円筒部材46aの前端部46afは、搬送機構31の後端部31bとオーバーラップしている。すなわち、搬送機構31の後端部31bは、有底円筒部材46aの前端部46afから同有底円筒部材46a内に挿入されている。よって、前端位置の投入部48tから搬送機構31の後端部31bへと投入された糸状弾性部材の連続体13aを、確実に搬送機構31の後端部31bの外周に巻き付け可能となっている。
【0050】
<<<切断部材51>>>
図6A及び
図6Bは、切断部材51の説明図である。
図6Aは概略平面図であり、
図6Bは、
図6A中のB−B矢視図である。尚、
図6A中では、連続シート11,12を不図示としている。
【0051】
図3及び
図6Aに示すように、切断部材51,51は、搬送機構31よりもCD方向の端側の各位置に、各ベルト状搬送部32,32に対応させてそれぞれ配置されている。そして、各切断部材51は、自身が担当する位置において、CD方向の端側から刃先52eを糸状弾性部材の連続体13aに押し当てることにより、糸状弾性部材の連続体13aを切断して、同連続体13aから個別の糸状弾性部材13,13…を切り離し生成する。すなわち、CD方向に一対で並ぶベルト状搬送部32,32にCD方向に掛け渡された糸状弾性部材の連続体13aの部分13acを、切断部材51の切断により糸状弾性部材の連続体13aから切り離し、その結果、当該部分13acは個別の糸状弾性部材13として連続シート11,12に組み付けられる。
【0052】
ちなみに、かかる切断部材51は、前後方向の位置に関して、接合機構21の上下一対のロール21u,21dのニップ位置Pnよりも前方の位置Pc、つまり搬送方向の下流側の位置Pcで糸状弾性部材の連続体13aを切断する。より詳しく言えば、ニップ位置Pnから糸状弾性部材13の配置ピッチP0の半分の値(=P0/2)だけ下流側の位置よりも更に下流側の位置Pcで切断する。そして、同位置Pcで切断すれば、しっかりとニップ位置Pnにて糸状弾性部材の連続体13aが連続シート11,12に接合された後に、糸状弾性部材の連続体13aは切断されることとなる。よって、当該切断によって形成された上記の個別の糸状弾性部材13が、接合不良で連続シート11,12から外れることを確実に防ぐことができる。
【0053】
また、
図6Bに示すように、切断部材51は、ベルト状搬送部32が具備する上下一対の無端ベルト33u,33d同士の間の位置で糸状弾性部材の連続体13aを切断する。すなわち、この位置には、既述のようにベルト状搬送部32のフレーム部材36のリブ部36rがCD方向の端側に突出しているが、更に、リブ部36rには前後方向に沿った溝部36rtが形成されており、この溝部36rt内にはCD方向の端側から切断部材51の刃先52eが挿入されている。よって、切断部材51は、上下一対の無端ベルト33u,33d同士の間の位置(例えば、無端ベルト33u,33d同士の間の中間位置)で切断する。
そして、このとき、糸状弾性部材の連続体13aの巻回形状の幾何学的関係に基づけば、上記位置で切断することにより、左右一対のベルト状搬送部32,32において左右一対の上無端ベルト33u,33u同士に掛け渡されている糸状弾性部材の連続体13aの部分13acと、左右一対の下無端ベルト33u,33u同士に掛け渡されている糸状弾性部材の連続体13aの部分13acとは、互いにほぼ同じ長さに切断されることになる(
図6A)。そのため、切断で形成された個別の糸状弾性部材13の切断端部13eの収縮後に、連続シート11,12からCD方向の端側に突出し得る糸状弾性部材13の長さは概ね揃った状態となる。
【0054】
また、
図6A及び
図6Bからわかるように、この例では、かかる切断部材51として回転刃52を使用している。回転刃52は、例えば正円形状の円盤部材52であり、その外周縁52eが全周に亘って刃先52eとなっている。そして、回転刃52は、その円心C52に同軸且つ一体に設けられた軸部材52sを回転軸C52として回転する。詳しくは、当該軸部材52sは、ベアリング53を介して製造ラインの適宜な固定系部材55に回転自在に支持されている。また、かかる軸部材52sには、駆動源としてのサーボモータ53mから、プーリー53p,52p及びタイミングベルト53t等の適宜な動力伝達機構を介して駆動回転力が付与されて、これにより、回転刃52は駆動回転する。よって、高い切断性を奏し得る。
【0055】
更に、
図6Aに示すように、この例では、回転刃52は、糸状弾性部材の連続体13aよりもCD方向の端側に設けられているとともに、糸状弾性部材の連続体13aを切断する位置Pc(以下、切断位置Pcと言う)での回転刃52の回転方向は、搬送方向の逆向き、つまり後方を向いている。詳説すると、この切断位置Pcと言うのは、回転刃52の刃先52eが糸状弾性部材の連続体13aに当たり始める位置Pcに概ね相当しているが、かかる切断位置Pcの直近下流側の回転方向は、
図6A中に白抜き矢印で示すように後方且つCD方向の端側を向いている。従って、切断に伴って発生する糸状弾性部材13の粉状破砕片を、CD方向の端側に飛ばすことができて、その結果、かかる破砕片の連続シート11,12への捲き込みを有効に防ぐことができる。
【0056】
但し、回転方向の向きは、何等これに限らない。すなわち、
図6Cに示すように、上述と逆回転にしても良く、そうすれば、切断性を高めることができる。詳しくは次の通りである。
この
図6Cの例も、回転刃52は、糸状弾性部材の連続体13aよりもCD方向の端側に設けられている。しかし、切断位置Pcでの回転刃52の回転方向については、糸状弾性部材の連続体13aの搬送方向と同じ向き、つまり前方を向いている。そのため、回転刃52が糸状弾性部材の連続体13aを切断する際には、回転刃52は糸状弾性部材の連続体13aをCD方向の中央側に押し込む。一方、糸状弾性部材の連続体13aよりもCD方向の中央側には上下一対の無端ベルト33u,33d及びフレーム部材36のリブ部36rが位置している。よって、上記の回転刃52による中央側への押し込みから糸状弾性部材の連続体13aが更に中央側へ逃げないように、当該上下一対の無端ベルト33u,33d又はフレーム部材36のリブ部36rが、糸状弾性部材の連続体13aを中央側から押さえることができて、その結果、回転刃52の切断性を高めることができる。
【0057】
また、
図6Bに示すように、フレーム部材36のリブ部36rの溝部36rt内に挿入された回転刃52の刃先52eは、溝部36rtの底面とで糸状弾性部材の連続体13aを挟圧すること無く切断するように構成されている。すなわち、切断中の糸状弾性部材の連続体13aと溝部36rtの底面との間には適宜な隙間が存在するように、溝部36rtの深さ寸法(mm)及び刃先52eの溝部36rtへの挿入量(mm)が設計されている。よって、回転刃52の刃先52eの摩耗を抑制可能であり、その結果、回転刃52の長寿命化が図られている。
【0058】
かかる回転刃52の一例としては、例えば超微粒子超硬(Super micro−gain carbide)製のものを例示でき、より具体的には、京セラ株式会社製丸ナイフ(品番FRC28L、刃角40°)を例示できる。
【0059】
また、回転刃52の刃先形状については、片刃及び両刃のどちらでも良いが、ここでは、
図6Bに示すように、両刃が使用されている。但し、刃角については、10°や20°等のように小さい刃角よりも、40°以上のように大きな刃角の方が望ましく、このようにすれば、上述の超微粒子超硬製の回転刃52の場合に、刃先52eの母材に埋設された多数の高硬度の超微粒子が母材から脱落し難くなって、その結果、回転刃52の長寿命化を図れる。
【0060】
ちなみに、回転刃52の周速値(m/分)、すなわち刃先52eでの回転速度値(m/分)は、切断性との兼ね合いで実験や試運転等を通して適宜決められる。そして、例えば、搬送機構31による糸状弾性部材の連続体13aの搬送方向(前後方向)の搬送速度値(m/分)の1.5倍以上に、回転刃52の周速値を設定すれば、良好な切断性を奏することができる。
また、
図6Cを参照して前述したように、回転刃52の回転方向を搬送方向と同じ向きにする場合には、望ましくは、回転刃52の周速値を、搬送機構31による糸状弾性部材の連続体13aの搬送速度値(m/分)よりも大きく設定すると良く、より望ましくは、上述と同様に1.5倍以上にすると良い。そして、このようにすれば、良好な切断性を奏することができる。
【0061】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
【0062】
上述の実施形態では、接合機構21として、上下一対のロール21u,21dを有した構成を例示したが、何等これに限らない。すなわち、一対の連続シート11,12を搬送しながら重ね合わせることが可能な構成であれば、これ以外の構成でも良い。例えば、それぞれ駆動周回する上下一対の無端ベルトを有した構成でも良い。
【0063】
上述の実施形態では、糸状弾性部材の連続体13aの搬送機構31は、一対のベルト状搬送部32,32を有し、各ベルト状搬送部32は、上下一対の無端ベルト33u,33dを有していたが、何等これに限らない。すなわち、巻回機構41によって糸状弾性部材の連続体13aが巻回されるとともに、当該巻回された連続体13aを接合機構21に向けて搬送可能な構成であれば、これ以外の構成でも良い。例えば、ベルト状搬送部32に代えてスクリュー状搬送部を用いても良い。すなわち、スクリュー状搬送部は、上下一対の丸棒状軸部材を有し、各丸棒状軸部材の外周面には螺旋溝が略全長に亘って形成されているとともに、丸棒状軸部材の軸芯回りに駆動回転する。そして、かかる上下一対の丸棒状軸部材を有するスクリュー状搬送部が、CD方向の両側の各位置にそれぞれ配置されることで、搬送機構を構成しても良い。ちなみに、この場合には、丸棒状軸部材の外周面の螺旋溝に、糸状弾性部材の連続体13aが係合し、そして、この係合状態を概ね維持しながら、丸棒状軸部材が軸芯回りに駆動回転することによって、当該一対のスクリュー状搬送部に巻回された上記糸状弾性部材の連続体13aが搬送方向に搬送されることになる。
【0064】
上述の実施形態では、切断部材51の一例として回転刃52を例示したが、糸状弾性部材の連続体13aを切断可能な部材であれば、何等回転刃52に限らない。例えば、上述の回転刃52に代えて、同回転刃52の取り付け位置に、固定刃を設けても良いし、或いは、発生させた超音波振動で刃先を振動させながら切断対象を切断する超音波カッターを設けても良いし、切断対象を焼き切るレーザーを設けても良い。更には、鋏で切るようにシャー切り可能な構成にしても良いし、挟圧して切る構成にしても良い。
【0065】
上述の実施形態では、上下方向と左右方向と前後方向との三者が互いに直交している場合を例示したが、何等これに限らない。すなわち、これら三者が互いに交差関係にあれば、直交関係で無くても良い。