(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1種の酸性有効成分を含むコアが少なくとも1種の内部及び1種の外部コーティング層を備える、保護コーティングを備えた剤形であって、外層は、構成成分Aとして、モノマーの全重量に対して、38〜48重量%のN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートと52〜62重量%のメタクリル酸メチルとのポリマーであり、N-メチルピロリドン中の1%強度溶液における40〜60の範囲のK値を有する、カチオン性ポリマーを含む、上記剤形。
酸性有効成分として、遊離カルボキシル、スルホン酸若しくはホスホン酸基、酸性ヒドロキシル基、酸性N-H基若しくは酸性C-H基を含む有効成分又はかかる有効成分の混合物を含む、請求項1に記載の剤形。
内部コーティング層の中性ポリマーとして、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、アルキル化及びヒドロキシアルキル化セルロース若しくはデンプン又はかかるポリマーの混合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の剤形。
内部コーティング層の中性ポリマーとして、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー又はそれらの混合物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の剤形。
外部コーティング層の構成成分Aとして、重合用に使用されるモノマーの全重量に対して43〜47重量%のN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートと、重合用に使用されるモノマーの全重量に対して53〜57重量%のメタクリル酸メチルとのポリマーを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の剤形。
外部コーティング層中に構成成分Bとして、フェノール性酸化防止剤、チオール性酸化防止剤、塩基性アミノ酸、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩からなる群からの1種以上の酸化防止剤を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の剤形。
外部コーティング層中に構成成分C)として、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、トリアセチン、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジエチル及びセバシン酸ジブチルからなる群からの可塑剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤形。
外部コーティング層中に構成成分Dとして、医薬用賦形剤、アロマ物質、味覚改良物質、甘味剤、流動促進剤、湿潤剤、離型剤、接着防止剤、安定剤、細孔形成剤、中和剤、艶出し剤、染料、顔料、殺菌剤又は保存剤、増粘剤をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の剤形。
【背景技術】
【0002】
独国特許第B1090381号には、胃内で可溶のコーティング物によって医薬を被覆する方法が記載されている。こうしたコーティング物は、20〜80%の(メト)アクリル酸の少なくとも1種のアミノエステルと、ホモポリマーとして水溶性ポリマーを形成する80〜20%のモノマーとのコポリマーを含む。所与の適切な重合可能アミノエステルの具体的な例は、アクリル酸及び(メト)アクリル酸とN,N-ジメチルアミノエタノール、N,N-ジエチルアミノエタノール、N,N-ジメチルアミノプロパノール及びN-(ヒドロキシエチル)モルホリンとのエステルである。記載された適切なコモノマーは、アクリル酸エチル、(メト)アクリル酸メチル、ブチル及びヘキシルなど、アクリル酸、好ましくは、(メト)アクリル酸の低級エステルである。調製は、有機溶媒中の溶液重合によって行われる;実施例は与えられていない。
【0003】
独国特許第B1219175号には、反芻動物の第一胃液の作用から保護される獣医薬用の有効成分製剤を生成する方法が記載されている。このために、こうした製剤は、N,N-ジアルキルアミノアルキル(メト)アクリルアミドと、(メト)アクリレート、アクリロニトリル及びビニル芳香族から選択されるコモノマーとを共重合化形態で含むコポリマーでコートされる。本文献の教示によれば、N,N-ジアルキルアミノアルキル(メト)アクリレートに基づくコポリマーは、エステル基はアミド基に比較して塩基性媒体中でよりけん化され易いので、不利であるとみなされる。
【0004】
独国特許第A2135073号には、水性ポリマー分散液を含む医薬用コーティング組成物であって、該ポリマーが、カルボキシル基及び/又はモノアルキル若しくはジアルキルアミノアルキルエステル基を含む10〜55重量%のモノマーで構成されているコーティング組成物が記載されている。指定されている適切なモノマーは、多数の他のものに加えて、やはりジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)である。記載されている適切なコモノマーは、(メト)アクリル酸の低級エステル、好ましくは、メタクリル酸メチル、(メト)アクリロニトリル、ビニル芳香族、塩化ビニル及び酢酸ビニルである。調製は、水性エマルション重合、好ましくは、エマルションフィード法によって行われる。DEAEMAに基づく具体的なエマルションは開示されていない。
【0005】
残留モノマー含量が少ない医薬コーティング用の結合剤を提供するために、独国特許第B2512238号は、こうした医薬用のコーティング溶液を生成するためのポリマー分散液をスプレー乾燥することによって得られる粉末の使用を教示する。スプレー乾燥のために使用される分散液に関しては、独国特許第1090381号、独国特許第1219175号及び独国特許第2135073号が参照される。
【0006】
独国特許第A2838278号には、a)pH5.5超で24時間以内に第一胃の水性媒体に可溶であり、少なくとも1種の塩基性アミノ基を含み、窒素含量が3〜14%である少なくとも1種のフィルム形成ポリマーと、b)C
12〜C
32脂肪酸、こうした脂肪酸のAl塩及び/又はポリカルボン酸から選択される、ポリマー中に分散した少なくとも1種の疎水性物質とを含む反芻動物のための経口投与形態用コーティングが記載されている。
【0007】
コーティングを生成するために、有機溶媒中の溶液が使用される。多数の窒素含有ホモポリマー及びコポリマーが適切なポリマーとして列挙されているが、それらを調製するための適切な方法は議論されていない。該特許の実施例29は、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート40%のコポリマーを提供しているが、それを調製するための方法を述べていない。
【0008】
独国特許第1324087号には、a)少なくとも1種のN,N-ジアルキルアミノアルキル(メト)アクリレートと、b)ビニル芳香族及びその誘導体、ビニルエステル、共重合体化形態の(メト)アクリル酸のエステル及びアクリロニトリルから選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和化合物とを含む反芻動物のための経口投与形態用コーティングポリマーが記載されている。開示されている適切なモノマーa)は、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)及びtert-ブチルアミノエチルメタクリレート(TBAEMA)である。コモノマーb)として、特に、メタクリル酸メチルは、過度に脆いコーティングを形成する傾向があるので不適切であるとみなされている。バルク重合、懸濁重合、溶液重合及びエマルション重合が適切な重合法であると述べられている。実施例中のコポリマーは、溶液重合で生成した。
【0009】
独国特許第3426587A1号には、三級アンモニウム塩ペンダント基を有する溶解したポリマーを含む液体フィルム形成コーティング組成物のフィルムを施用することによって医薬形態をコーティングするための方法が記載されている。こうしたポリマー溶液を生成するために、水性無機又は有機酸を用いてとりわけN,N-ジアルキルアミノアルキル(メト)アクリレートに基づくコポリマーを水性アンモニウム塩溶液に転換することが可能である。
【0010】
独国特許第3049179A1号は、独国特許第2512238号に対する追加の出願であり、加熱ゲル化によってコーティングを生成するための可塑剤をさらに含む水性懸濁液の形態で直前に記載した文献の教示に従ってスプレー乾燥することによって得られる粉末の使用に関する。
【0011】
欧州特許第0058765A2号には、結合剤としてN,N-ジアルキルアミノアルキル(メト)アクリレートに基づくエマルションポリマーを含む、胃液中で可溶性又は膨潤性である医薬形態用のコーティング組成物であって、アミノ基と(メト)アクリレート基の間に分枝アルキレン又は直鎖状に配列した少なくとも3個の炭素原子を有するアラールキレン基が位置するコーティング組成物が記載されている。
【0012】
国際公開第2005/055986号及び国際公開第2005/056619号には、pH依存性の膨潤及び/又は溶解挙動を備えるポリマー並びに医薬形態におけるその使用が記載されている。
【0013】
国際公開第00/05307号は、三級アミノ基を有するモノマー基を備える(メト)アクリレートコポリマーを含む医薬形態用のコーティング及び結合剤であって、その目的がさらなる簡単な乾燥又は水性加工を可能にすることであるコーティング及び結合剤を提供する。このために、本文献は、(a)(メト)アクリル酸のC
1〜C
4エステルと三級アンモニウム基とを有する(メト)アクリレートモノマーのコポリマー、(b)可塑剤及び(c)HLB値が少なくとも14である乳化剤が一緒にブレンドされ、これらからコーティング組成物又は結合剤が溶融、注入、展着及びスプレーすることによって調製される方法であって、コポリマー(a)は平均粒径1〜40μmの粉末形態で導入される方法を教示する。この場合に実現される加工性は、粒径が極度に小さい粉末形態でのコポリマー(a)の提供に起因すると考えられる。
【0014】
国際公開第02/067906号は、国際公開第00/05307号に記載されたものと比較して水蒸気の浸透性が改良されたコーティング及び結合剤に関する。この場合、コーティング及び結合剤は、(a)平均粒径が1〜40μmの粉末形態である(メト)アクリル酸のC
1〜C
4エステルと、官能性三級アンモニウム基を有するさらなる(メト)アクリレートモノマーとのコポリマーと、(b)HLB値が少なくとも14である乳化剤と、(c)C
12〜C
18-モノカルボン酸又はC
12〜C
18-ヒドロキシル化合物とを含む混合物を用いて調製される。
【0015】
国際公開第2004/019918号には、その組成物の点で国際公開第00/05307号及び国際公開第02/067906号に記載されたものに対応するコーティング及び結合剤が記載されている。
【0016】
米国特許第6,696,085B2号によれば、メタクリル酸コポリマーC型を崩壊剤として使用すべきである。メタクリル酸コポリマーC型は、酸性pH範囲で可溶性でないが、口腔に存在するのと同様のpH範囲7で水溶性である腸内ポリマーである。低い破壊強度(<20N)に加えて、錠剤は、高い摩損度(>7%)を有し、高い割合、つまり15重量%領域の粗い粒子状崩壊剤を含む。したがって、該錠剤は、機械強度が低く、粗い粒子状崩壊剤が高い割合であるために口中での砂状感覚が不快である。
【0017】
糖アルコールに基づくマトリックス構成成分、崩壊剤及び不溶性ポリマーは、一般に、国際公開第2007/071581号から医薬用途として公知である。
【0018】
国際公開第2009/016258号には、本発明に従って使用されているのと同様なN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートに基づくカチオン性ポリマーの水性ポリマー分散液の調製及び医薬をコーティングするためのその使用が開示されている。この明細書には又、前記ポリマーのイブプロフェンペレットへの適用も開示されている。しかし、こうした製剤は、貯蔵安定性がなく、貯蔵中に粘着性になり、味のマスクが悪化し、放出が甚だしく変化することが判明した。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の文脈内では、酸性有効成分は、遊離カルボキシル、スルホン酸若しくはホスホン酸基、酸性ヒドロキシル基、酸性N-H基若しくは酸性C-H基を含む有効成分を意味するものと理解される。こうした有効成分のpKa値は、6.5〜0.5、好ましくは、5.0〜1.0である。pKa値は、酸定数の常用対数にマイナスを乗じたものを指す。酸定数は、通常、水酸化物溶液による滴定によって確定される。
【0023】
本発明によるコーティングは、少なくとも2層の構造を有し、内層は、中性の水溶性ポリマー並びに任意選択で顔料及びさらなる薬学的に通常の賦形剤を含む。中性の水溶性ポリマーは、酸性又は塩基性基を含まないポリマーを意味するものと理解されたい。水溶性とは、25℃で少なくとも50gが水1Lに可溶であることを意味する。
【0024】
外層は、
i)構成成分Aとして、
a)N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートと、
b)α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC
1〜C
8-アルカノールのエステルから選択される少なくとも1種のフリーラジカル重合性化合物と
のフリーラジカル重合によって得られるポリマーと、
ii)任意選択で構成成分Bとして、1種以上の酸化防止剤と、
iii)任意選択で構成成分Cとして、1種以上の可塑剤と、
iv)任意選択で構成成分Dとして、さらなる医薬用賦形剤と
を含む。
【0025】
使用できる内層の水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルデンプンなどのアルキル化及びヒドロキシアルキル化セルロース又はデンプンである。
【0026】
内層の層厚は、1〜50μm、好ましくは、2〜25μm、特に好ましくは、5〜15μmであってよい。
【0027】
外層の層厚は、5〜200μm、好ましくは、10〜150μm、特に好ましくは、20〜100μmであってよい。
【0028】
外層用に使用されるコーティング組成物は、少なくとも8のpHで水性媒体中で
a)N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートと、
b)α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC
1〜C
8-アルカノールのエステルから選択される少なくとも1種のフリーラジカル重合性化合物と
を含むモノマー混合物M)のフリーラジカルエマルション重合によって得られる水性ポリマー分散液に基づく。
【0029】
水性ポリマー分散液形態のコーティング組成物は、好ましくは、追加の有機溶媒を含まない。
【0030】
本発明によれば、コーティング組成物は、胃の酸性環境で速やかに放出すべきである医薬剤形を生成するために役立つ。すなわち、本発明によるコーティングは、胃液中で可溶である。この関連で、速やかな放出とは、60分後に有効成分の少なくとも80%が放出されてしまうことを意味する。本発明によって得られるコーティングは、唾液の中性又は実質的に中性の環境で口腔及び喉で溶解すべきではない。
【0031】
本発明によるコーティング組成物は、味をマスクするために、又は水分に対して保護するために使用することができる。コーティングの水蒸気浸透性は、非常に少なく、その結果として、水分に敏感な有効成分は保護される。
【0032】
構成成分A
モノマーa)
本発明によれば、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートがモノマーa)として使用される。
【0033】
本発明による水性ポリマー分散液Pd)を生成するために、構成成分a)は、重合用に使用されるモノマーの全重量に対して、好ましくは、25〜65重量%、特に好ましくは、30〜60重量%、詳細には、38〜48重量%、具体的には、43〜47重量%の量で使用される。
【0034】
モノマーb)
構成成分b)は、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC
1〜C
8-アルカノールとのエステルから選択される。
【0035】
適切な化合物b)は、(メト)アクリル酸メチル、エタクリル酸メチル、(メト)アクリル酸エチル、エタクリル酸エチル、(メト)アクリル酸n-プロピル、(メト)アクリル酸イソプロピル、(メト)アクリル酸n-ブチル、(メト)アクリル酸sec-ブチル、(メト)アクリル酸tert-ブチル、エタクリル酸tert-ブチル、(メト)アクリル酸n-ヘキシル、(メト)アクリル酸n-ヘプチル、(メト)アクリル酸n-オクチル、(メト)アクリル酸1,1,3,3-テトラメチルブチル及び(メト)アクリル酸エチルヘキシルである。
【0036】
構成成分b)として、メタクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルを含むモノマー混合物が特に好ましい。
【0037】
本発明による水性ポリマー分散液を生成するために、構成成分b)は、重合用に使用されるモノマーの全重量に対して、好ましくは、35〜75重量%、特に好ましくは、40〜70重量%、詳細には、52〜62重量%、具体的には、53〜57重量%の量で使用される。
【0038】
モノマーc)
ポリマー分散液を生成するために使用されるモノマー混合物M)は、少なくとも1種のさらなるモノマーc)を追加として含むことができる。追加のモノマーc)は、好ましくは、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC
9〜C
30アルカノール及びC
2〜C
30-アルカンジオールとのエステル、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸と一級又は二級アミノ基を有するC
2〜C
30-アミノアルコールとのアミド、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸の一級アミド並びにそのN-アルキル及びN,N-ジアルキル誘導体、N-ビニルラクタム、開鎖N-ビニルアミド化合物、ビニルアルコール及びアリルアルコールとC
1〜C
30-モノカルボン酸とのエステル、ビニルエーテル、ビニル芳香族、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、C
2〜C
8-モノオレフィン、不飽和ニトリル、少なくとも2種の共役二重結合を有する非芳香族炭化水素並びにそれらの混合物から選択される。
【0039】
適切な追加のモノマーc)は、(メト)アクリル酸n-ノニル、(メト)アクリル酸n-デシル、(メト)アクリル酸n-ウンデシル、(メト)アクリル酸トリデシル、(メト)アクリル酸ミリスチル、(メト)アクリル酸ペンタデシル、(メト)アクリル酸パルミチル、(メト)アクリル酸ヘプタデシル、(メト)アクリル酸ノナデシル、(メト)アクリル酸アラキニル、(メト)アクリル酸ベヘニル、(メト)アクリル酸リグノセリル、(メト)アクリル酸セロチニル、(メト)アクリル酸メリッシニル、(メト)アクリル酸パルミトレイニル、(メト)アクリル酸オレイル、(メト)アクリル酸リノリル、(メト)アクリル酸リノレニル、(メト)アクリル酸ステアリル、(メト)アクリル酸ラウリル、及びそれらの混合物など、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC
9〜C
30-アルカノールとのエステルである。
【0040】
適切な追加のモノマーc)は又、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、エタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-ヒドロキシブチル、メタクリル酸3-ヒドロキシブチル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸4-ヒドロキシブチル、アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルアクリレート、3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルメタクリレートなど、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC
2〜C
30-アルカンジオールとのエステルである。
【0041】
適切な追加のモノマーc)は又、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(tert-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-オクチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)(メタ)アクリルアミド、N-エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ノニル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-デシル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-ウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N-トリデシル(メタ)アクリルアミド、N-ミリスチル(メタ)アクリルアミド、N-ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N-パルミチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、N-ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N-アラキニル(メタ)アクリルアミド、N-ベヘニル(メタ)アクリルアミド、N-リグノセリル(メタ)アクリルアミド、N-セロチニル(メタ)アクリルアミド、N-メリッシニル(メタ)アクリルアミド、N-パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、N-オレイル(メタ)アクリルアミド、N-リノリル(メタ)アクリルアミド、N-リノレニル(メタ)アクリルアミド、N-ステアリル(メタ)アクリルアミド、N-ラウリル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、モルホリニル(メタ)アクリルアミドなど、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸の一級アミド並びにそのN-アルキル及びN,N-ジアルキル誘導体である。
【0042】
適切な追加のモノマーc)は又、N-ビニルラクタム及びその誘導体であり、それは、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどの1種又は複数のC
1〜C
6-アルキル置換基を含むことができる。こうしたものとして、例えば、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタムなどが挙げられる。N-ビニルピロリドン及びN-ビニルカプロラクタムを使用することが好ましい。
【0043】
モノマーc)として適切な開鎖N-ビニルアミド化合物は、例えば、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニルプロピオンアミド、N-ビニル-N-メチルプロピオンアミド及びN-ビニルブチルアミドである。
【0044】
適切な追加のモノマーc)は又、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びその混合物である。
【0045】
適切な追加のモノマーc)は又、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、及びそれらの混合物である。
【0046】
上で規定された追加のモノマーc)は、個別に又は任意の所望の混合物の形態で使用することができる。
【0047】
本発明による水性ポリマー分散液を生成するために、構成成分c)は、重合用に使用されるモノマーの全重量に対して、好ましくは、0〜80重量%の量で使用される。具体的な実施形態は、共重合化形態で追加のモノマーc)を含まないポリマー分散Pd)に関する。存在する場合、構成成分c)は、重合用に使用されるモノマーの全重量に対して、好ましくは、0.1〜70重量%、特に好ましくは、1〜60重量%、詳細には、5〜50重量%の量で使用される。
【0048】
好ましくは、モノマーc)は使用されない。
【0049】
モノマーd)
ポリマー分散液を生成するのに使用されるモノマー混合物M)は、化合物a)に加えて、フリーラジカル重合性α,β-エチレン性不飽和二重結合と分子当り少なくとも1種のカチオン生成性及び/又はカチオン性基とを含む、化合物a)とは異なる少なくとも1種のさらなる化合物d)を共重合化形態で含むことができる。
【0050】
好ましくは、構成成分d)のカチオン生成性又はカチオン性基は、一級、二級及び三級アミノ基及び四級アンモニウム基などの窒素含有基である。好ましくは、窒素含有基は、三級アミノ基又は四級アンモニウム基である。荷電したカチオン性基は、例えば、乳酸や酒石酸などの一塩基性又はポリ塩基性カルボン酸、或いは、リン酸、硫酸及び塩酸などの鉱酸を用いてのプロトン化、又は例えば、C
1〜C
4-アルキルハロゲン化物又は硫酸塩などのアルキル化剤を用いての四級化のいずれかによってアミン窒素から生成することができる。かかるアルキル化剤の例は、塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチル及び硫酸ジエチルである。
【0051】
適切な化合物d)は、例えば、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とアミノアルコールとの、DEAEMAとは異なるエステルである。好ましいアミノアルコールは、アミン窒素上でC
1〜C
8-モノ又はジアルキル化されたC
2〜C
12-アミノアルコールである。こうしたエステルの適切な酸構成成分は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノブチル及びそれらの混合物である。こうしたエステルの酸構成成分としてアクリル酸、メタクリル酸及びそれらの混合物を使用することが好ましい。
【0052】
適切な追加の化合物d)は、N,N-ジメチルアミノメチル(メト)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メト)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メト)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メト)アクリレート及びN,N-ジメチルアミノシクロヘキシル(メト)アクリレートである。
【0053】
適切なモノマーd)は又、前記のα,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸と、少なくとも1種の一級又は二級アミノ基を有するジアミンとのアミドである。1種の三級及び1種の一級又は二級アミノ基を有するジアミンが好ましい。
【0054】
これらとして、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N-[2-(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミドなどが挙げられる。
【0055】
適切なモノマーd)は又、N,N-ジアリルアミン及びN,N-ジアリル-N-アルキルアミン並びにその酸付加塩及び四級化生成物である。本明細書では、アルキルは、好ましくは、C
1〜C
24-アルキルである。例えば、塩化物や臭化物などのN,N-ジアリル-N-メチルアミン及びN,N-ジアリル-N,N-ジメチルアンモニウム化合物が好ましい。
【0056】
適切なモノマーd)は又、N-ビニルイミダゾール、N-ビニル-2-メチルイミダゾールなどのビニル及びアリル置換窒素複素環、2-及び4-ビニルピリジン、2-及び4-アリルピリジン、及びその塩などのビニル及びアリル置換複素芳香族化合物である。
【0057】
本発明による水性ポリマー分散液Pd)を生成するために、モノマーd)は、存在する場合、モノマーa)とモノマーd)の量の和が、重合用に使用されるモノマーの全重量に対して、好ましくは、25〜65重量%、特に好ましくは、30〜60重量%の範囲であるような量で使用される。
【0058】
本発明による水性ポリマー分散液Pd)を生成するために、構成成分d)は、好ましくは、重合用に使用されるモノマーの全重量に対して、0〜50重量%の量で使用される。
【0059】
すでに説明されたように、驚くべきことに、本発明による、及び本発明に従って使用されるポリマー分散液Pd)は、DEAEMA(構成成分a)に基づいて特に良好なプロフィルの特性を有することが見出された。このプロフィルの特性は、カチオン生成性/カチオン性基を有するさらなるモノマーを使用することなく当然のこととして実施することができる。したがって、具体的な実施形態は、共重合化形態で追加のモノマーd)を含まないポリマー分散液Pd)に関する。
【0060】
存在する場合、構成成分d)は、重合用に使用されるモノマーの全重量に対して、好ましくは、0.1〜40重量%、特に好ましくは、1〜30重量%、詳細には、2〜25重量%の量で使用される。
【0061】
本発明による方法の特に好ましい実施形態では、
-重合用に使用されるモノマーの全重量に対して、43〜47重量%のN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートa)及び
-重合用に使用されるモノマーの全重量に対して、53〜57重量%の少なくとも1種の化合物b)、詳細には、メタクリル酸メチル
からなるモノマー混合物M)が使用される。
【0062】
フリーラジカルエマルション重合によってのポリマーの調製に関しては、調製及び好ましい実施形態が詳細に記載されている国際公開第2009/016258の開示を本明細書で明示的に参照する。
【0063】
本発明による分散液中に存在するポリマーは、好ましくは、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される平均分子量M
w30000〜500000、特に好ましくは、60000〜140000、詳細には、80000〜120000g/molを有する。
【0064】
本発明による分散液Pd)中に存在するポリマーは、好ましくは、40〜60の範囲のK値(N-メチルピロリドン(NMP)中の1%強度の濃度でFikentscherに従って測定される)を有する。
【0065】
ガラス転移温度T
G(DSCによって測定される)は、好ましくは、40〜70℃、特に好ましくは、52〜62℃の範囲である。
【0066】
本発明による分散液中に存在するポリマーは、基本的に、ランダムコポリマーである。
【0067】
ポリマー分散液中に存在するポリマー粒子の平均粒径(分析的遠心分離によって測定される)は、好ましくは、70〜200nm、特に好ましくは、80〜150nm、詳細には、90〜120nmの範囲である。粒径分布は、好ましくは、基本的に単一モードである。
【0068】
0.01%強度の水中分散液で測定される(2.5cmキュベット、白色光)本発明による分散液のLT値は、好ましくは、少なくとも70%、特に好ましくは、少なくとも80%である。光透過率の測定は、例えば、Dieter Distler, Waessrige Polymerdispersionen [Aqueous polymer dispersions]、Wiley-VCH(1999)、40頁において記載されている。
【0069】
本発明による分散液の固体含量は、好ましくは、10〜50重量%、特に好ましくは、20〜40重量%である。限外ろ過によって分散液を精製する場合、本発明による分散液は、好ましくは、限外ろ過の前後でこうした範囲内にある固体含量を有する。当然のことながら、希釈されたポリマー分散液を限外ろ過による濃縮に暴露することが同様に可能である。
【0070】
味をマスクするために本発明に従って使用される分散液は、例えば、30重量%の固体含量においてさえ、好ましくは、50mPas未満、特に好ましくは、25mPas未満、詳細には、10mPas未満(20℃及び100s
-1でブルックフィールド粘度計によって測定された値)という極めて低い粘度を有する。かかる低い粘度は、多数の応用で特に重要である。
【0071】
本発明による分散液中に存在するポリマーの荷電は、分散液のpHによって決まる。等電位点は、好ましくは、約7.5〜8.5のpH範囲である。最終分散液は、好ましくは、8〜10、特に好ましくは、8.5〜9.5の範囲のpHを有する(固体含量30重量%で)。最終分散液のpHは、分散液中に存在するポリマー粒子の溶解又は膨潤が所望でないならば、その等電位点より高く(よりアルカリ性)選択されることが有利である。したがって、本発明による分散液は、好ましくは、塩基性分散液である。
【0072】
本発明によるポリマー分散液は、そのpH依存性溶解度が注目に値する。分散液が酸性化の際に溶解するpH範囲は、例えば、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート(モノマーa)の共重合量、及び任意選択でカチオン生成性/カチオン性基(モノマーd)を含むさらなるモノマーの使用によって調整することができる。好ましくは、本発明によるポリマー分散液Pd)中に存在するポリマーは、最大6.8のpHで、特に好ましくは、最大6.0のpHで溶解する。
【0073】
好ましい実施形態によれば、共重合化形態で、唯一のモノマーとして
-重合用に使用されるモノマーの全重量に対して43〜47重量%のN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートa)と、
-重合用に使用されるモノマーの全重量に対して53〜57重量%の少なくとも1種の化合物b)と
を含むポリマーを含むポリマー分散液が使用される。
【0074】
構成成分B
外層の本発明によるコーティング組成物は、ポリマーに加えて、1種又は複数の酸化防止剤又は酸化防止剤の組合せを含む。
【0075】
酸化防止剤として放出安定性を改良するために原理的に適切であるのは、主として以下の薬剤、列挙された組合せ又はさらなる組合せである:N-アセチルシステイン、アラントイン、アルギニン、アルギニン+ブチルヒドロキシトルエン、アルギニン+N-アセチルシステイン、パルミチン酸アスコルビル、アスパラギン酸、ビオチン、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシトルエン+炭酸カルシウム、ブチルヒドロキシトルエン+Na-EDTA、ブチルヒドロキシトルエン+N-アセチルシステイン、カルシウム-ビス[モノエチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート]、カテコール、クエン酸、システアミン、エチルヘキシルチオグリコレート、没食子酸、次亜リン酸、カフェー酸、ヨウ化カリウム、クレアチン、クレアチニン、塩化銅(I)、塩化銅(II)、リシン、MEHQ、メチオニン、Na-EDTA、炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ノルジヒドログアイアレト酸、オロト酸、ペニシラミン、リン酸、プロピルガレート、レスベラトロール、リボフラビン、スペルミジン、チオグリコール酸、トコフェロール、トコフェロールアセテート、トロメタモール、チロシン、酒石酸である。
【0076】
黄変に対する安定性を改良するために原理的に適切であるのは、主として以下の薬剤、列挙された組合せ又はさらなる組合せである:オレイン酸、シメチコン、ブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、トコフェロール、クエン酸二水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、トコフェロール、トコフェロールアセテート、アルギニン、ブチルヒドロキシトルエン+Na-EDTA、アセチルシステイン(N-アセチルシステイン)、ブチルヒドロキシトルエン、アラントイン、ブチルヒドロキシアニソール、炭酸ナトリウム、システアミン、N-アセチルシステインである。
【0077】
好ましい酸化防止剤は、フェノール系の化合物である。好ましいフェノール系化合物は、例えば、ブチルヒドロキシトルエン又はブチルヒドロキシアニソールである。その理由は、これらが、溶解の遅延と黄変の遅延との両方を完全に防止するからである。さらなる適切な生成物は、カテコール、没食子酸又はそのエステル、トコフェロール、カフェー酸、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、ノルジヒドログアイアレト酸、レスベラトロールである。
【0078】
同様に好ましい酸化防止剤は、N-アセチルシステイン、システアミン、チオグリコール酸などのチオール化合物である。
【0079】
さらには、アルギニンやリシンなどの塩基性アミノ酸が好ましい。
【0080】
好ましい酸化防止剤は又、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属重炭酸塩、詳細には、ナトリウム塩、好ましくは、炭酸ナトリウムである。
【0081】
EDTAとの組合せ、詳細には、Na-EDTA、又はクエン酸との組合せも好ましい。
【0082】
N-アセチルシステイン、アルギニン、リシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシトルエン+Na-EDTA、及び又炭酸ナトリウム又はその組合せが特に好ましい。
【0083】
記載された化合物又は化合物の型のすべては、組合せでも使用することができる。
【0084】
酸化防止剤は、コーティング組成物中の全固体量に対して、0.1〜30、好ましくは、0.3〜20、特に好ましくは、0.5〜12重量%の量で使用される。
【0085】
構成成分C
さらには、本発明によるコーティング組成物は、構成成分Cとして可塑剤、好ましくは、親油性可塑剤を含む。特に適切な可塑剤は、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、トリアセチン、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジエチル及びセバシン酸ジブチルである。
【0086】
構成成分D
医薬投与形態用のために本発明に従って使用されるコーティング組成物は、構成成分Dとして、追加的に少なくとも1種のさらなる薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。医薬、食品技術の分野及び関連分野における使用が公知である賦形剤、詳細には、関連の薬局方(例えば、Ph.Eur.、USP、JP)に列挙されたもの、及びその特性によって生理学的応用が禁止されていない賦形剤が薬学的に許容される。
【0087】
適切な賦形剤は、アロマ物質、味覚改良物質、甘味剤(糖類、糖アルコール、例えば、アスパルテーム、サッカリン-Na、シクラミン酸ナトリウムなどの甘味剤)、流動促進剤、湿潤剤、離型剤、接着防止剤、安定剤、細孔形成剤、中和剤、艶出し剤、染料、顔料、殺菌剤又は保存剤、増粘剤などであってよい。かかる物質は、例えば、Fiedler, H.P. Lexikon der Hilfsstoffe fuer Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete [医薬、化粧品及び関連分野における賦形剤の辞典]、第4版、Aulendorf:ECV-Editio-Cantor-Verlag、1996に記載されている。
【0088】
通常の賦形剤量は、コーティング組成物中の固体の全重量に対して、それぞれの場合0〜70重量%、好ましくは、0〜60重量%、詳細には、1〜50重量%の範囲である。
【0089】
外部コーティング層を生成するのに使用されるコーティング組成物は、水性分散液の全重量に対して、
i)1〜45重量%の構成成分Aと、
ii)0.01〜15重量%の構成成分Bと、
iii)0.1〜15重量%の構成成分Cと、
iv)0〜35重量%の構成成分Dと
を含むことができる。
【0090】
好ましいコーティング組成物は、
i)1.5〜42.5重量%の構成成分Aと、
ii)0.02〜10重量%の構成成分Bと、
iii)0.15〜12.5重量%の構成成分Cと、
iv)0〜30重量%の構成成分Dと
を含む。
【0091】
特に好ましいコーティング組成物は、分散液の全重量に対して、
i)4〜40重量%の構成成分Aと、
ii)0.05〜6重量%の構成成分Bと、
iii)0.4〜8重量%の構成成分Cと、
iv)0.1〜20重量%の構成成分Dと
を含む。
【0092】
外層と内層の両方のためのコーティング組成物は、例えば、本発明に従って使用されるポリマー分散液又はポリマー溶液、又は乾燥法によってこうした液から取得可能なポリマーを徹底的に混合することによって生成することができる。
【0093】
本発明によるコーティング組成物は、造粒、注入、展着によって、又はスプレー施用によって、例えば、粉末形態で、溶融物として又は水性エマルションで使用することができる。ポリマー分散液として、具体的には、一次分散液としての施用が好ましい。本発明によるコーティング組成物は、少なくとも1種のさらなるポリマー構成成分をさらに含むことができる。この関連で、少なくとも2種の分散液、少なくとも1種の分散液と少なくとも1種の溶液、少なくとも1種の分散液と少なくとも1種の粉末、少なくとも2種の粉末などの混合物を使用することが可能である。
【0094】
本発明によるコーティング組成物は、抗鬱剤、β受容体遮断剤、抗糖尿病薬、鎮痛薬、抗炎症剤、抗リウマチ薬、抗低張薬、抗緊張過度薬、向精神薬、トランキライザー、制吐薬、筋弛緩剤、グルココルチコイド、潰瘍性結腸炎又はクローン病治療薬、向アレルギー薬、抗生物質、抗てんかん剤、抗凝固薬、抗真菌薬、鎮咳剤、動脈硬化薬、利尿薬、酵素、酵素抑制剤、通風薬、ホルモン及びその抑制剤、強心配糖体、免疫療法剤及びサイトカイン、緩下剤、抗高脂血症剤、胃腸治療剤、片頭痛薬、鉱物製剤、耳鼻科薬、パーキンソン病薬、甲状腺治療剤、鎮痙薬、血小板凝集抑制剤、ビタミン、細胞増殖及び転移抑制剤、植物医薬、化学療法剤、栄養補強食品、ビタミン、カロテノイド及びアミノ酸など、好ましくは、単離形態でも保護形態でも投与できる酸性基を有する原理的に任意の所望の医薬有効成分の剤形用に適している。
【0095】
適切な酸性有効成分の例は、アセクロフェナク、アセジアスルホン、アセドベン、アセグルトアミド、アセメタシン、アセトキシバレレン酸、アセチルシステイン、アセチルロイシン、アセチルメチオニン、アセチルサリチル酸、アセキサム酸、アシフルオルフェン、アシピモキス、アシタザノラスト、アシトレチン、アコニアジド、アクリバスチン、アクタリット、アダパレン、アジピオドン、アラセプリル、アラトロフロキサシン、アルクロフェナク、アリタム、アリトレチノイン、アリイン、アルミノプロフェン、アルプロスタジル、アルビモパン、アンフェナク、アミネプチン、アミノカプロン酸、アミノ馬尿酸、5-アミノレブリン酸、アミノメチル安息香酸、アミノピラリド、アミノサリチル酸、アムレキサノキス、アモキシシリン、アンピシリン、アンホテリシンB、アルガトロバン、アルセンアミド、アルテスネート、アスパルテーム、アスポキシシリン、アトルバスタチン、アウリントリカルボン酸、アウロチオリンゴ酸、アビグリシン、アビプタジル、アゼライン酸、アジドシリン、アズロシリン、アゾキシマーブロミド、アズトレオナム、バクロフェン、バロフロキサシン、バルサラジド、ベナゼプリル、ベナゾリン、ベンダムスチン、ベンダザク、ベンスルダズ酸、ベンスルフロン、ベンタゾン、ベンチアシド、ベンチロミド、ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、ベポタスチン、ベラプロスト、ベタミプロン、ベタニン、ベキサロテン、ベザフィブレート、ビラナホス、ビオチン、ビバリルジン、β-ボスウェル酸、ブロムフェナク、ブシラミン、ブマジゾン、ブメタニド、ブチオプリン、ブチブフェン、C12ペプチド、カルシトニン、カンレン酸、カポベン酸、カプトプリル、カルベニシリン、カルベノキソロン、カルビドパ、カルボシステイン、カルボプロスト、カルフェシリン、カルフェントラゾン、カルグルム酸、カリンダシリン、カルノシン、カルプロフェン、カルモナム、カルゼニド、セフアセトリル、セファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロチン、セファマンドール、セファピリン、セファトリジン、セファゾリン、セフブペラゾン、セフジニル、セフェピム、セフィキシム、セフメノキシム、セフメタゾール、セフミノキス、セホジジム、セホニシド、セホペラゾン、セホラニド、セホセリス、セホタキシム、セホテタン、セホチアム、セホベシン、セホキサゾール、セホキシチン、セホゾプラン、セフピミゾール、セフピルアミド、セフプロジル、セフラジン、セフロキサジン、セフスロジン、セフタジジム、セフテゾール、セフチブテン、セフチオフール、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セルレチド、セチリジン、セトラキセート、ケノデオキシコール酸、クロランベン、クロランブシル、コンドロイチン硫酸塩、クロモカルブ、シクラシリン、シクロキシル酸、シラスタチン、シラザプリル、シナメト酸、シノキサシン、シプロデックス、シプロフィブレート、シプロフロキサシン、クラノブチン、クラブラン酸、クリダナク、クリノフィブレート、クロフェンセト、クロニキシン、クロプロプ、クロピラリド、クロラゼペート、クロキサシリン、クロキシホナク、コルチコレリン、クロモグリク酸、シクルアニリド、シクロブチロール、シナリン、ダラポン、ダミノジド、ダノフロキサシン、ダプトマイシン、デフェラシロキス、デヒドロコール酸、デラプリル、デキシブプロフェン、デキスケトプロペン、デキスリポタム、デキストロチロキシン、ジアセレイン、ジブロモチロシン、ジカンバ、ジクロルプロプ、ジクロルプロプ-P、ジクロフェナク、ジクロホプ、ジクロキサシリン、ジフェノキシン、ジフロキサシン、ジフルフェンゾピル、ジフルニサール、ジヨードチロシン、ジケグラク、ジメクロト酸、ジノプロスト、ジノプロストン、ジバルプロエックス、D-ルシフェリン、ドコネキセント、ドリペネム、D-ペニシラミン、ドロキシドパ、エカベト、エフロルニチン、エルテナク、エルトロンボパグ、エナラプリル、エナラプリラト、エンドタール、エンフェンアミド酸、エンフビルチド、エンコルテン、エノキサシン、エノキソロン、エンロフロキサシン、エパルレスタト、エポエチンアルファ、エポプロステノール、エプロサルタン、エプチフィバチド、エルドステイン、エルタペネム、エリトロシン、エシン、エタクリン酸、エトドラク、エキセナチド、ファロペネム、フェブキソスタト、フェルビナク、フェンブフェン、フェンクロラゾール、フェンシブチロール、フェンジゾ酸、フェノフィブル酸、フェノプロフェン、フェノキサプロプ、フェノキサプロプ-P、フェンチアザク、フェキソフェナジン、フラボド酸、フレロキサシン、フロモキセフ、フルアジホプ、フルアジホプ-P、フルクロキサシリン、フルフェンアミド酸、フルメキン、フルミクロラク、フルニキシン、フルノキサプロフェン、フルオロドパF18、フルプロパネート、フルプロステノール、フルピルスルフロン、フルルビプロフェン、葉酸、ホリン酸、ホストサール、ホシノプリル、フドステイン、フマギリン、フロセミド、フシジン酸、ガバペンチン、ガドベン酸、ガドブトロール、ガドジアミド、ガドホスベセト、ガドペンテト酸、ガドテル酸、ガドキセト酸、γ-アミノ酪酸、ガモレン酸、ガレノキサシン、ガチフロキサシン、ゲンフィブロジル、ゲミフロキサシン、ゲンチジン酸、ジベレル酸、ジベレリンA4、ジベレリンA7、グルカゴン、グルホシネート、グリコピン、グリチルリチン、グリホセート、ハラゾン、ヘタシリン、ヒアルロン酸、イバフロキサシン、イブプロフェン、イカチバント、イコサペント、イロプロスト、イマザモキス、イマザプ酸、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イミダプリル、イミペネム、インジウム ln-111 ペンテトレオール、インドブフェン、インドール-3-イル酢酸、インドール酪酸、インドメタシン、インビコルプ、イオセタム酸、ヨーダミデヨードキサミド酸、イオグリク酸、イオパン酸、イオタルアミド酸、イオトロキス酸、イオキサグル酸、イオキシタルアミド酸、イポド酸、イソトレチノイン、カレタザン、α-ケトグルタル酸、ケトプロフェン、ケトロラク、ラクトビオン酸、ラサロシドA、ラタモキセフ、レトステイン、レボカルニチンアセテート、レボカバスチン、レボセチリジン、レボフロキサシン、レボホリン酸、レボム葉酸、レボプロピシリン、レボチロキシン、リマプロスト、リオチロニン、リラグルチド、リシノプリル、ロベンザリット、ロドキサミド、ロメフロキサシン、ロナゾラク、ロニダミン、ロラカルベフ、ロキソプロフェン、ルビプロストン、ルミラコキシブ、ルプロスチオール、ルスプルチド、リメサイクリン、マルボフロキサシン、メシリナム、メクロフェンアミド酸、メコプロプ-P、メフェンアミド酸、メフェンピル-ジエチル、メホリネート、メグルトール、メロキシカム、メルファラン、メピフィリン、メロペネム、メサラジン、メタドキシン、メタンピシリン、メトトレキセート、メチルドパ、メチアジン酸、メチシリン、メチロシン、メトスルフロン、メズロシリン、ミドリアミン、ミロキサシン、ミチグリニド、モエキシプリル、モフェゾラク、モネンシン、モンテルカスト、モキシフロキサシン、ムピロシン、ミコフェノール酸、ナジフロキサシン、ナドロパリン、ナフシリン、ナリジクス酸、ナフタレン-1-酢酸、ナプロキセン、ナプタラム、ナラシン、ナタマイシン、ナテグリニド、ネドクロミル、ネシリチド、ニコチン酸、ニフルム酸、ニシン、ノルフロキサシン、N-フェニルフタルアミド酸、ニスタチン、オフロキサシン、オロパタジン、オルサラジン、オラズアミド、オルビフロキサシン、オロト酸、オキサセプロール、オキサシリン、オキサプロジン、オキシトリプタン、オキソリン酸、オザグレル、パモ酸、パニペネム、パントテン酸、パラヒドロキシケイ皮酸、パシニアジド、パズフロキサシン、ペフロキサシン、ペホレリン、ペラルゴン酸、ペメトレキセド、ペニシリンG、ペラミビル、ペリンドプリル、フェネチシリン、フェノキシメチルペニシリン、ホトフリン、フタリルスルファチアゾール、ピクロラム、ピドール酸、ピドチモド、ピペミド酸、ピペラシリン、ピレノキシン、ピレタニド、ピロミド酸、ピロキシカム、ピルプロフェン、ピバガビン、プララトレキセート、プラノプロフェン、プレガバリン、プリミスルフロン-メチル、プロベネシド、プロコダゾール、プログルミド、プロヘキサジオン、プロパゲルマニウム、プロピシリン、プロチジン酸、プルリフロキサシン、ピラゾスルフロン、ピリチオバク、キナプリル、キナプリラト、キンクロラク、キンメラク、キザロホプ、キザロホプ-P、ラルチトレキセド、ラマトロバン、ラミプリル、ラネル酸、レバミピド、レパグリニド、ローダミンB、リチオメタン、ロベナコキシブ、ロムルチド、ロソキサシン、ロトラキセート、(R)-トロロキス、ルフロキサシン、サリチル酸、サリノマイシン、サルサレート、サラフロキサシン、サルポグレレート、セマキス、セムズラミシン、セラトロダスト、シンカリド、シベレスタト、ソファルコン、ソマトレリン、ソマトスタチン、ソルビン酸、スパグルム酸、スパルフロキサシン、スピラプリル、ステプロニン、スチボグルコン酸、(S)-トロロキス、スガンマデックス、スルバクタム、スルベニシリン、スルファサラジン、スルファスクシンアミド、スルホメツロン、スルホセート、スリンダク、スプロフェン、スキシブゾン、タラポルフィン、タミバロテン、タゾバクタム、テクロフタラム、テイコプラニン、テルメステイン、テルミサルタン、テモカプリル、テモシリン、テン酸、テリパラチド、テトラコサクチド、チオクト酸、チオメルサール、チマルファシン、チアガビン、チアネプチン、チアプロフェン酸、チアプロスト、チカルシリン、チジアク酸、チモナク酸、チオプロニン、チラトリコール、チロフィバン、トカンフィル、トルフェンアミド酸、トルメチン、トリルフタルアミド酸、トスフロキサシン、トラフェルミン、トランドラプリル、トラネキサム酸、トラニラスト、トレピブトン、トレプロスチニル、トレチノイン、トリベヌロン、トリクロピル、トリデカクチド、トリフルサール、トリフルスルフロン、トロロキス、トロペシン、トロバフロキサシン、ウベニメックス、ウンデシレン酸、ウルソデオキシコール酸、バレレン酸、バルプロ酸、バルサルタン、バンコマイシン、ベブフロキサシン、ベダプロフェン、ベルテポルフィン、ビガバトリン、ザルトプロフェン、ザナミビル、ジコノチド、ゾフェノプリルである。
【0096】
こうした有効成分の多くは、味が苦い又は不快である。
【0097】
所望なら、有効成分は又、薬学的に許容される改変体又は誘導体の形態で使用することもでき、キラルな有効成分の場合、光学活性異性体又はラセミ体又はジアステレオ異性体混合物のいずれかを使用することも可能である。所望なら、本発明による組成物は又、2種以上の医薬有効成分を含むこともできる。
【0098】
本発明によれば、酸性有効成分を含むコアをコーティングするためのコーティング組成物は、押出成形体、小型錠剤、顆粒、ペレット、マイクロペレット又は結晶の形態で使用することができる。コアは又、酸性有効成分でコートされたノンパレイユからなっていてもよい。
【0099】
剤形を生成するために、コートされた有効成分含有コアは、適切な補助剤と混合して、圧密して錠剤にすることができ、その錠剤は、口腔の水性環境で崩壊し、コートされた微細形状物品を放出する。本明細書で特に重要なのは、いわゆる経口分散体、すなわち、口中で短時間内に崩壊し、本発明によるコーティングを備えた小型物品を放出する錠剤である。
【0100】
さらには、コーティング組成物は又、有利には、コーティング錠剤用として使用することもできる。
【0101】
味の優れたマスキングは、pH6超での本発明によるポリマーの不溶性、及びpH6未満での速やかな溶解性に由来する。つまり、唾液(pH:7.2)では、要求に応じてコートされた形態は、非常に長時間安定であり、苦い医薬が口の筋肉と接触することがないが、pH1〜5の胃では、有効成分の非常に速やかな放出が行われる。次いで、溶解が非常に速やかであるために、コートされていない形態と比較して作用の開始には差がない。当然のこととして、本発明によるポリマーのフィルムコーティングは、胃液中で5分以内で溶解するが、pH7.2のリン酸塩緩衝液中では、2時間以上安定である。驚くべきことには、フィルムコーティングは又、pH4.5を有する媒体中で比較的速やかに溶解するが、これは、それから生成した剤形が、無酸性患者又は制酸剤で治療されている患者の場合でも速やかな作用を展開することを意味する。
【0102】
本発明によるコーティング組成物は、熱ストレス下での放出変動に対する安定性が良好である。多くの場合、黄変に対する安定性も又顕著である。さらには、水蒸気の浸透性も又、有利に影響する。
【実施例】
【0103】
使用される短縮形
BHT:ブチルヒドロキシベンゼン
NAC:N-アセチルシステイン
ATBC:クエン酸アセチルトリブチル
TEC:クエン酸トリエチル
MEHQ:ヒドロキノンモノメチルエーテル
D:日数
demin:脱塩された
Ludipress(登録商標):ラクトース(90%)、ポビドン(3.5%)及びクロスポビドン(3.5%)の配合生成物
Avicel(登録商標)PH 102:微結晶性セルロース
Kollidon(登録商標)VA64:ビニルピロリドン-酢酸ビニル(6:4)コポリマー(コポビドン)
Kollidon(登録商標)CL:架橋ポリビニルピロリドン(クロスコポビドン)
Kollicoat(登録商標)IR:ポリビニルアルコールポリエチレングリコール6000グラフトポリマー(重量比PVA:PEG 75:25、けん化度94mol%)、分子量:45000ダルトン
別段の指示のない限り、すべてのデータは重量%による。
【0104】
カチオン性ポリマー:
ポリマーの調製は、国際公開第2009/016258号中の実施例1と同様に行われる。
【0105】
ポリマーA:メタクリル酸メチル/メタクリル酸ジエチルアミノエチル、重量比60:40
ポリマーB:メタクリル酸メチル/メタクリル酸ジエチルアミノエチル、重量比55:45
ポリマーC:メタクリル酸メチル/メタクリル酸ジエチルアミノエチル、重量比53:47
NMP中、重量0.1強度で測定されたK値は50±0.5であった。
【0106】
ポリマーをpH9±0.3の強度30重量%の水性分散液として使用した。
【0107】
一次分散液中の平均粒径は、110nmであった。
【0108】
投与形態からの放出の測定をUSA薬局方(USP32)の溶解の章に記載のパドル型撹拌機を備えた装置を使用して実施した。
【0109】
[実施例1]
コートされたアセチルサリチル酸錠剤100mg
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0110】
結果:
【表6】
【表7】
【表8】
【0111】
[比較例1]
実施例1に類似しているが、内層のない製剤
【表9】
【表10】
【表11】
【0112】
[実施例2]
コートされたイブプロフェン錠剤200mg
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【0113】
結果:
【表17】
【表18】
【表19】
【0114】
[実施例3]
コートされたイブプロフェンのミニペレット
【表20】
【0115】
スプレー配合の組成
【表21】
【0116】
コーティングパラメータ
コーティングをGlatt製の流動床造粒機「Glatt GPCG3.1」で実施した。
【表22】
【表23】
【0117】
コーティングパラメータ
コーティングをGlatt製の流動床造粒機「Glatt GPCG3.1」で実施した。
【表24】
【0118】
コーティングした後、ペレットをTurbulaミキサー中で10分間0.2%アエロジル200と混合した。
【0119】
結果:
【表25】
【表26】
【表27】
【0120】
[実施例4]
コートされたケトプロフェンのペレット
【表28】
【0121】
スプレー配合の組成
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【0122】
コーティングした後、ペレットをTurbulaミキサー中で10分間0.2%アエロジル200と混合した。
【0123】
結果:
【表33】
【表34】
【表35】