特許第6012654号(P6012654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6012654金属及び/又は焼結体を検索するための装置、システム、方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012654
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】金属及び/又は焼結体を検索するための装置、システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   G06F17/30 320B
【請求項の数】16
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2014-54231(P2014-54231)
(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公開番号】特開2014-199662(P2014-199662A)
(43)【公開日】2014年10月23日
【審査請求日】2015年5月19日
(31)【優先権主張番号】特願2013-54379(P2013-54379)
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502362758
【氏名又は名称】JX金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】船橋 真吾
【審査官】 樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−297942(JP,A)
【文献】 特開2007−047882(JP,A)
【文献】 特開平05−143647(JP,A)
【文献】 特開2011−138287(JP,A)
【文献】 特開2010−044605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金属及び/又は焼結体の中から所望の条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索するための装置であって:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ(引張強度)、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物・酸化物・硫化物・金属間化合物の個数・組成・種類、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度、ガス成分純度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの金属物内または焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する検索設定部;、
金属及び該金属の前記特性並びに焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索結果として抽出する抽出部;を備える装置であり、
前記検索条件が、カテゴリ、用途、組成、及び前記特性のいずれかを含み、
前記検索結果に含まれない検索条件を抽出するための非該当抽出手段を前記抽出部が更に備え、
前記の検索結果に含まれない検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を備える検索結果提示部を更に備え、
前記非該当抽出手段が
前記記憶部の中から前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体製品情報を第一の検索結果として抽出する手段と、
前記記憶部の中から前記検索条件を満足しない金属及び/又は焼結体製品情報を第二の検索結果として抽出する手段と、
第一の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第一集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第二集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果に含まれ且つ第一の検索結果に含まれない該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを、第三の集合として、抽出する手段とを備え、
前記検索結果提示部は、
第三の集合に含まれる金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特徴及び特性値に該当する検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を備える該装置。
【請求項2】
複数の金属の中から所望の条件を満足する金属を検索するための装置であって、以下を備える装置であり:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物の個数、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度、および前記各特性のひとつの金属物内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する検索設定部;、
金属及び該金属の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属を検索結果として抽出する抽出部;
前記検索条件が、カテゴリ、用途、組成、及び前記特性のいずれかを含み、
前記検索結果に含まれない検索条件を抽出するための非該当抽出手段を前記抽出部が更に備え、
前記の検索結果に含まれない検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を備える検索結果提示部を更に備え、
前記非該当抽出手段が
前記記憶部の中から前記検索条件を満足する金属製品情報を第一の検索結果として抽出する手段と、
前記記憶部の中から前記検索条件を満足しない金属製品情報を第二の検索結果として抽出する手段と、
第一の検索結果から、該金属製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第一集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果から、該金属製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第二集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果に含まれ且つ第一の検索結果に含まれない該金属製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを、第三の集合として、抽出する手段とを備え、
前記検索結果提示部は、
第三の集合に含まれる金属製品のカテゴリ、用途、組成、特徴及び特性値に該当する検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を備える該装置。
【請求項3】
前記特性が、ヤング率、導電率、熱伝導率、固有抵抗、熱膨張係数、引張強さ、耐力、伸び、硬さ、曲げ加工性から選択される請求項2に記載の装置。
【請求項4】
複数の焼結体の中から所望の条件を満足する焼結体を検索するための装置であって:
相、金属組織、平均結晶粒径、ガス成分純度、引張強度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、表面粗さ、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、ヤング率、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する検索設定部;、
焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する焼結体を検索結果として抽出する抽出部;
を備える装置であり、
前記検索条件が、カテゴリ、用途、組成、及び前記特性のいずれかを含み、
前記検索結果に含まれない検索条件を抽出するための非該当抽出手段を前記抽出部が更に備え、
前記の検索結果に含まれない検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を備える検索結果提示部を更に備え、
前記非該当抽出手段が
前記記憶部の中から前記検索条件を満足する焼結体製品情報を第一の検索結果として抽出する手段と、
前記記憶部の中から前記検索条件を満足しない焼結体製品情報を第二の検索結果として抽出する手段と、
第一の検索結果から、該焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第一集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果から、該焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第二集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果に含まれ且つ第一の検索結果に含まれない該焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを、第三の集合として、抽出する手段とを備え、
前記検索結果提示部は、
第三の集合に含まれる焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特徴及び特性値に該当する検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を備える該装置。
【請求項5】
前記特性が、平均結晶粒径、特定不純物純度、表面粗さ、相対密度、抵抗率、熱伝導率、全純度、濃度範囲から選択される請求項4に記載の装置。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか1項に記載の装置であって、
前記検索設定部が、前記各特性において、それぞれ、1つの技術的分類群となる1以上のサブ特性に分類し、該サブ特性を検索条件の選択肢として設ける該装置。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか1項に記載の装置であって、更に検索結果処理部を備え、
前記検索結果処理部は、
第一の検索結果がゼロ件であることにより第一の検索結果を前記抽出部が抽出できないときに、
前記記憶部に記憶された検索優先度リストを利用して、前記検索条件の中から、製品の特性と該特性の上限値と該特性の下限値とを含む少なくとも1つのセットを抽出する手段と、
前記1つのセットを前記検索条件から除外した第二の検索条件を設定する手段と、
前記第二の検索条件を満足する金属及び/又は焼結体製品情報を第三の検索結果として抽出する手段と、
前記1つのセットに含まれる特性に該当する特性値を、第三の検索結果の中から、抽出する手段と、
前記上限値、前記下限値、及び前記特性値を用いて、以下の規則に基づいて、差分値を、算出する手段とを更に備え:
I:前記特性値 − 前記上限値を算出 (1)
II:前記下限値 − 前記特性値を算出 (2)
III:(1)と(2)のうち、>0である方を差分値とする
前記ソートした第三の検索結果から、前記差分値の小さいものから順番に所定件数を抽出する手段とを備える装置。
【請求項8】
複数の金属及び/又は焼結体の中から所望の条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索するためのシステムであって:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ(引張強度)、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物・酸化物・硫化物・金属間化合物の個数・組成・種類、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度、ガス成分純度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの金属物内又は焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する手段、
金属及び該金属の前記特性並びに焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索結果として抽出する手段、
を備えるシステムであり、
前記検索条件が、カテゴリ、用途、組成、及び前記特性のいずれかを含み、
前記検索結果に含まれない検索条件を抽出するための非該当抽出手段を更に備え、
前記の検索結果に含まれない検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を更に備える該システムであり、
前記非該当抽出手段が
前記記憶部の中から前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体製品情報を第一の検索結果として抽出する手段と、
前記記憶部の中から前記検索条件を満足しない金属及び/又は焼結体製品情報を第二の検索結果として抽出する手段と、
第一の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第一集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第二集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果に含まれ且つ第一の検索結果に含まれない該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを、第三の集合として、抽出する手段とを備え、
前記システムは、
第三の集合に含まれる金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特徴及び特性値に該当する検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を更に備える該システム。
【請求項9】
複数の金属の中から所望の条件を満足する金属を検索するためのシステムであって、以下を備えるシステムであり:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物の個数、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度および前記各特性のひとつの金属物内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する手段、
金属及び該金属の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属を検索結果として抽出する手段、
前記検索条件が、カテゴリ、用途、組成、及び前記特性のいずれかを含み、
前記検索結果に含まれない検索条件を抽出するための非該当抽出手段を更に備え、
前記の検索結果に含まれない検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を更に備える該システムであり、
前記非該当抽出手段が
前記記憶部の中から前記検索条件を満足する金属製品情報を第一の検索結果として抽出する手段と、
前記記憶部の中から前記検索条件を満足しない金属製品情報を第二の検索結果として抽出する手段と、
第一の検索結果から、該金属製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第一集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果から、該金属製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第二集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果に含まれ且つ第一の検索結果に含まれない該金属製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを、第三の集合として、抽出する手段とを備え、
前記システムは、
第三の集合に含まれる金属製品のカテゴリ、用途、組成、特徴及び特性値に該当する検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を更に備える該システム。
【請求項10】
前記特性が、ヤング率、導電率、熱伝導率、固有抵抗、熱膨張係数、引張強さ、耐力、伸び、硬さ、曲げ加工性から選択される請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
複数の焼結体の中から所望の条件を満足する焼結体を検索するためのシステムであって:
金属組織、相、平均結晶粒径、ガス成分純度、引張強度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、表面粗さ、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、ヤング率、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する手段、
焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する焼結体を検索結果として抽出する手段、
を備えるシステムであり、
前記検索条件が、カテゴリ、用途、組成、及び前記特性のいずれかを含み、
前記検索結果に含まれない検索条件を抽出するための非該当抽出手段を更に備え、
前記の検索結果に含まれない検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を更に備える該システムであり、
前記非該当抽出手段が
前記記憶部の中から前記検索条件を満足する焼結体製品情報を第一の検索結果として抽出する手段と、
前記記憶部の中から前記検索条件を満足しない焼結体製品情報を第二の検索結果として抽出する手段と、
第一の検索結果から、該焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第一集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果から、該焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第二集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果に含まれ且つ第一の検索結果に含まれない該焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを、第三の集合として、抽出する手段とを備え、
前記システムは、
第三の集合に含まれる焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特徴及び特性値に該当する検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を更に備える該システム。
【請求項12】
前記特性が、平均結晶粒径、特定不純物純度、表面粗さ、相対密度、抵抗率、熱伝導率、全純度、濃度範囲から選択される請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
請求項8〜12いずれか1項に記載のシステムであって、
前記各特性を、それぞれ、1つの技術的分類群となる1以上のサブ特性に分類し、該サブ特性を検索条件の選択肢として設ける手段を備える該システム。
【請求項14】
請求項8〜13いずれか1項に記載のシステムであって、
第一の検索結果がゼロ件であることにより第一の検索結果を抽出できないときに、
前記記憶部に記憶された検索優先度リストを利用して、前記検索条件の中から、製品の特性と該特性の上限値と該特性の下限値とを含む少なくとも1つのセットを抽出する手段と、
前記1つのセットを前記検索条件から除外した第二の検索条件を設定する手段と、
前記第二の検索条件を満足する金属及び/又は焼結体製品情報を第三の検索結果として抽出する手段と、
前記1つのセットに含まれる特性に該当する特性値を、第三の検索結果の中から、抽出する手段と、
前記上限値、前記下限値、及び前記特性値を用いて、以下の規則に基づいて、差分値を、算出する手段とを更に備え:
I:前記特性値 − 前記上限値を算出 (1)
II:前記下限値 − 前記特性値を算出 (2)
III:(1)と(2)のうち、>0である方を差分値とする
前記ソートした第三の検索結果から、前記差分値の小さいものから順番に所定件数を抽出する手段とを備えるシステム。
【請求項15】
複数の金属及び/又は焼結体の中から所望の条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索するための方法であって:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ(引張強度)、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物・酸化物・硫化物・金属間化合物の個数・組成・種類、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度、ガス成分純度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの金属物内又は焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定するステップ、
金属及び該金属の前記特性並びに焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索結果として抽出するステップ
を含む方法であり、
前記検索条件が、カテゴリ、用途、組成、及び前記特性のいずれかを含み、
前記検索結果に含まれない検索条件を抽出するための非該当抽出ステップを更に含み、
前記の検索結果に含まれない検索条件を、非表示又は選択不可能とするステップを更に含む該方法であり、
前記非該当抽出ステップが
前記記憶部の中から前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体製品情報を第一の検索結果として抽出することと、
前記記憶部の中から前記検索条件を満足しない金属及び/又は焼結体製品情報を第二の検索結果として抽出することと、
第一の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第一集合の要素として抽出することと、
第二の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第二集合の要素として抽出することと、
第二の検索結果に含まれ且つ第一の検索結果に含まれない該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを、第三の集合として、抽出することとを含み、
前記方法は、
第三の集合に含まれる金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特徴及び特性値に該当する検索条件を、非表示又は選択不可能とするステップを更に含む該方法。
【請求項16】
複数の金属及び/又は焼結体の中から所望の条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索するためのプログラムであって:
コンピュータを、
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ(引張強度)、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物・酸化物・硫化物・金属間化合物の個数・組成・種類、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度、ガス成分純度、引張強度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの金属物内又は焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定させる手段、
金属及び該金属の前記特性並びに焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索結果として抽出させる手
として機能させ
前記検索条件が、カテゴリ、用途、組成、及び前記特性のいずれかを含み、
コンピュータを、更に、
前記検索結果に含まれない検索条件を抽出するための非該当抽出手段、
前記の検索結果に含まれない検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段として機能させ
前記非該当抽出手段が
前記記憶部の中から前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体製品情報を第一の検索結果として抽出する手段と、
前記記憶部の中から前記検索条件を満足しない金属及び/又は焼結体製品情報を第二の検索結果として抽出する手段と、
第一の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第一集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第二集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果に含まれ且つ第一の検索結果に含まれない該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを、第三の集合として、抽出する手段とを備え、
コンピュータを、更に
第三の集合に含まれる金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特徴及び特性値に該当する検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属及び/又は焼結体を検索するための装置、システム、方法及びプログラムに関する。より具体的には、銅合金又はスパッタリングターゲットを検索するための装置、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製造業者は材料として金属を購入する際に、金属を販売している別業者が提供するカタログ参照したり、該業者のホームページを閲覧したりする。そして、前記カタログやホームページには、金属製品の一覧がリスト形式で掲載されていることが多い。また場合によっては特定の用途やカテゴリに分類された上で掲載されていることもある。
【0003】
ここで、購入したい金属の具体的な製品名を既に知っている場合には、該製品名を手がかりに検索することもできる。例えば、カタログであれば巻末に索引があったり、ホームページであればサイト内のキーワードを検索入力するフォームがある。こうしたものを利用することにより、スムーズに購入対象の金属を探し当てることが従来は可能であった。
【0004】
しかし、近年、金属については、様々な特性が要求されるようになってきた。例えば、製造業者がコネクタ用の銅合金を購入する場合には、導電性のみならず、曲げ加工性や強度などの様々な特性を考慮に入れる必要が生じてきた。そして、こうしたニーズに対応して、金属の種類も増加している。
【0005】
例えば、銅合金の場合には、ハイパーリン青銅、チタン同系合金といったカテゴリがある。そして、ハイパーリン青銅の中にはC5210HPやC5240HPといったコード形式で更に細分類されている。さらに、C5210HPには、C5210HP H、C5210HP EH、及びC5210HP SH等に細分類されており、これらはヤング率、導電率、0.2%耐力等の特性に違いがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、カタログやホームページでは、特定の用途やカテゴリに分類された上で金属が掲載されていることもある。従って、従来であれば、購入したい銅合金を探す者にとっては、大まかなカテゴリーや用途を指定すれば、目的の製品に探し当てることができるし、それ以上の細かい検討はほぼ不要であった。
【0007】
しかし、購入したい金属に対する要求項目が複雑となってきた近年では、こうした従来の探索方法では限界が生じてきている。例えば、カテゴリーや用途である程度絞っても、その範囲内でも導電性や強度等の特性が様々な金属が数多くあり、所望の製品を探すのに手間がかかることになる。従って、従来の大まかなカテゴリ(上記の例で言えば:ハイパーリン青銅)や用途に加えて、特性条件(例えば、ヤング率110〜120)を手がかりに検索できれば非常に有用であろう。特に、2つ以上の特性条件が相反関係にある場合(例えば、強度と導電性の関係、強度と曲げ加工性の関係など)には、2つ以上の特性条件を両立するものを検索する際に非常に有用であろう。
【0008】
また、特性を検索条件として指定したい場合であっても、目安となる数値範囲が予め画面上で指定できれば更に検索作業が効率的になるであろう。例えば、強度であれば、高強度、中強度、低強度に対応する数値範囲を選択可能な検索条件として選択できれば、検索作業が効率的になるであろう。
【0009】
また、製品を検索した際に、指定の検索条件では該当する製品が無く、検索結果がゼロとなることがある。このような場合、ユーザーは再度検索条件を見直して、いくつかの希望条件ついては妥協したりして、検索条件から除外して、再度検索を行うのが通常であろう。従って、検索条件を見直して再入力する分、効率が劣ることとなる。
【0010】
上記事情を鑑みて、本発明は、一側面において、金属及び/又は焼結体を効率よく検索するための装置、システム、方法及びプログラムを提供することを第一の目的とする。
【0011】
より具体的には、本発明は一側面において、特定の検索条件を指定した際に、該指定に対応して選択することを要さなくなる他の検索条件を示すことを可能にする装置、システム、方法及びプログラムを提供することを第二の目的とする。
【0012】
また、本発明は一側面において、検索結果がゼロの場合に、指定した条件に近いものを検索して表示する装置、システム、方法及びプログラムを提供することを第三の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的は、以下の発明によって達成することができる。
(1)複数の金属及び/又は焼結体(焼結体は金属元素を含んでもよく、前記金属を含んでもよい。)の中から所望の条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索するための装置であって、以下を備える装置:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ(引張強度)、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物・酸化物・硫化物・金属間化合物の個数・組成・種類、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度、ガス成分純度、、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性(PTF(磁場透過率),透磁率、漏洩磁束の値)、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの金属物内又は焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する検索設定部、
金属及び該金属の前記特性並びに焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索結果として抽出する抽出部。
【0014】
(2) 複数の金属の中から所望の条件を満足する金属を検索するための装置であって、以下を備える装置:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物の個数、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度および前記各特性のひとつの金属物内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する検索設定部、
金属及び該金属の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属を検索結果として抽出する抽出部。
【0015】
(3) 前記特性が、ヤング率、導電率、熱伝導率、固有抵抗、熱膨張係数、引張強さ、耐力、伸び、硬さ、曲げ加工性から選択される上記(1)に記載の装置。
【0016】
(4)複数の焼結体の中から所望の条件を満足する焼結体を検索するための装置であって、以下を備える装置:
金属組織、相、平均結晶粒径、ガス成分純度、引張強度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、表面粗さ、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、ヤング率、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する検索設定部、
焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する焼結体を検索結果として抽出する抽出部。
【0017】
(5) 前記特性が、平均結晶粒径、特定不純物純度、表面粗さ、相対密度、抵抗率、熱伝導率、全純度、濃度範囲から選択される(4)に記載の装置。
【0018】
(6) 上記(1)〜(5)いずれか1つに記載の装置であって、
前記検索設定部が、前記各特性において、それぞれ、1つの技術的分類群となる1以上のサブ特性に分類し、該サブ特性を検索条件の選択肢として設ける該装置。
【0019】
(7) 上記(1)〜(6)いずれか1つに記載の装置であって、
前記検索条件が、カテゴリ、用途、組成、及び前記特性のいずれかを含み、
前記検索結果に含まれない検索条件を抽出するための非該当抽出手段を前記抽出部が更に備え、
前記の検索結果に含まれない検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を備える検索結果提示部を更に備える該装置。
【0020】
(8) 上記(7)に記載の装置であって、
前記非該当抽出手段が
前記記憶部の中から前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体製品情報を第一の検索結果として抽出する手段と、
前記記憶部の中から前記検索条件を満足しない金属及び/又は焼結体製品情報を第二の検索結果として抽出する手段と、
第一の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第一集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第二集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果に含まれ且つ第一の検索結果に含まれない該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを、第三の集合として、抽出する手段とを備え、
前記検索結果提示部は、
第三の集合に含まれる金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特徴及び特性値に該当する検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を備える該装置。
【0021】
(9) 上記(1)〜(8)いずれか1つに記載の装置であって、更に検索結果処理部を備え、
前記検索結果処理部は、
第一の検索結果がゼロ件であることにより第一の検索結果を前記抽出部が抽出できないときに、
前記記憶部に記憶された検索優先度リストを利用して、前記検索条件の中から、製品の特性と該特性の上限値と該特性の下限値とを含む少なくとも1つのセットを抽出する手段と、
前記1つのセットを前記検索条件から除外した第二の検索条件を設定する手段と、
前記第二の検索条件を満足する金属及び/又は焼結体製品情報を第三の検索結果として抽出する手段と、
前記1つのセットに含まれる特性に該当する特性値を、第三の検索結果の中から、抽出する手段と、
前記上限値、前記下限値、及び前記特性値を用いて、以下の規則に基づいて、差分値を、算出する手段とを更に備え:
I:前記特性値 − 前記上限値を算出 (1)
II:前記下限値 − 前記特性値を算出 (2)
III:(1)と(2)のうち、>0である方を差分値とする
前記ソートした第三の検索結果から、前記差分値の小さいものから順番に所定件数を抽出する手段とを備える装置。
【0022】
(10) 複数の金属及び/又は焼結体の中から所望の条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索するためのシステムであって、以下を備えるシステム:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ(引張強度)、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物・酸化物・硫化物・金属間化合物の個数・組成・種類、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度、ガス成分純度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの金属物内又は焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する手段、
金属及び該金属の前記特性並びに焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索結果として抽出する手段。
【0023】
(11) 複数の金属の中から所望の条件を満足する金属を検索するためのシステムであって、以下を備えるシステム:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物の個数、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度および前記各特性のひとつの金属物内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する手段、
金属及び該金属の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属を検索結果として抽出する手段。
【0024】
(12) 前記特性が、ヤング率、導電率、熱伝導率、固有抵抗、熱膨張係数、引張強さ、耐力、伸び、硬さ、曲げ加工性から選択される上記(11)に記載のシステム。
【0025】
(13) 複数の焼結体の中から所望の条件を満足する焼結体を検索するためのシステムであって、以下を備えるシステム:
金属組織、相、平均結晶粒径、ガス成分純度、引張強度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、表面粗さ、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、ヤング率、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定する手段、
焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する焼結体を検索結果として抽出する手段。
【0026】
(14) 前記特性が、平均結晶粒径、特定不純物純度、表面粗さ、相対密度、抵抗率、熱伝導率、全純度、濃度範囲から選択される(13)に記載のシステム。
【0027】
(15) 上記(10)〜(14)のいずれか1つに記載のシステムであって、
前記各特性を、それぞれ、1つの技術的分類群となる1以上のサブ特性に分類し、該サブ特性を検索条件の選択肢として設ける手段を備える該システム。
【0028】
(16) 上記(10)〜(15)のいずれか1つに記載のシステムであって、
前記検索条件が、カテゴリ、用途、組成、及び前記特性のいずれかを含み、
前記検索結果に含まれない検索条件を抽出するための非該当抽出手段を更に備え、
前記の検索結果に含まれない検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を更に備える該システム。
【0029】
(17) 上記(16)に記載のシステムであって、
前記非該当抽出手段が
前記記憶部の中から前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体製品情報を第一の検索結果として抽出する手段と、
前記記憶部の中から前記検索条件を満足しない金属及び/又は焼結体製品情報を第二の検索結果として抽出する手段と、
第一の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第一集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果から、該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを第二集合の要素として抽出する手段と、
第二の検索結果に含まれ且つ第一の検索結果に含まれない該金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特性の少なくともいずれかを、第三の集合として、抽出する手段とを備え、
前記システムは、
第三の集合に含まれる金属及び/又は焼結体製品のカテゴリ、用途、組成、特徴及び特性値に該当する検索条件を、非表示又は選択不可能とする手段を更に備える該システム。
【0030】
(18) 上記(10)〜(17)いずれか1つに記載のシステムであって、
第一の検索結果がゼロ件であることにより第一の検索結果を抽出できないときに、
前記記憶部に記憶された検索優先度リストを利用して、前記検索条件の中から、製品の特性と該特性の上限値と該特性の下限値とを含む少なくとも1つのセットを抽出する手段と、
前記1つのセットを前記検索条件から除外した第二の検索条件を設定する手段と、
前記第二の検索条件を満足する金属及び/又は焼結体製品情報を第三の検索結果として抽出する手段と、
前記1つのセットに含まれる特性に該当する特性値を、第三の検索結果の中から、抽出する手段と、
前記上限値、前記下限値、及び前記特性値を用いて、以下の規則に基づいて、差分値を、算出する手段とを更に備え:
I:前記特性値 − 前記上限値を算出 (1)
II:前記下限値 − 前記特性値を算出 (2)
III:(1)と(2)のうち、>0である方を差分値とする
前記ソートした第三の検索結果から、前記差分値の小さいものから順番に所定件数を抽出する手段とを備えるシステム。
【0031】
(19) 複数の金属及び/又は焼結体の中から所望の条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索するための方法であって、以下のステップを含む方法:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ(引張強度)、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物・酸化物・硫化物・金属間化合物の個数・組成・種類、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度、ガス成分純度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの金属物内又は焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定するステップ、
金属及び該金属の前記特性並びに焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索結果として抽出するステップ。
【0032】
(20) 複数の金属及び/又は焼結体の中から所望の条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索するためのプログラムであって、以下の手段を備えるプログラム:
導電率、ヤング率、耐力、引張強さ(引張強度)、硬さ、曲げ加工性、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物・酸化物・硫化物・金属間化合物の個数・組成・種類、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性、厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度、ガス成分純度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの金属物内又は焼結体内でのばらつきの程度または均一性の内から1つ以上選択される特性を少なくとも検索条件として設定させる手段、
金属及び該金属の前記特性並びに焼結体及び該焼結体の前記特性を記憶した記憶部の中から、前記検索条件を満足する金属及び/又は焼結体を検索結果として抽出させる手段。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、一側面において、導電率などから1つ以上選択される特性を検索条件として金属等を検索することができる。従って、従来のように1つ1つの金属等の製品の特性を参照し、要求項目を満たす金属等の製品を探す必要を省くことができる。また、複数の特性を満たす金属といった複雑な要求項目の金属等を容易に探すことができる。
【0034】
本発明は、一側面において、ヤング率、導電率、熱伝導率、固有抵抗、熱膨張係数、引張強さ、耐力、伸び、硬さ、曲げ加工性から1つ以上選択される特性を検索条件として金属を検索することができる。これらの特性は、電気分野の製造業者にとって、電気回路、電子部品、コネクタ、端子、リードフレーム、放熱板等で非常に重要な項目である。従って、これらの特性で検索できることは、該分野において特に有用となる。
【0035】
本発明は、一側面において、前記各特性を、それぞれ、1つの技術的分類群となる1以上のサブ特性に分類し、該サブ特性を検索条件の選択肢として設ける。これにより、特定の技術的意義を持った数値範囲をわざわざ入力せずともよくなり、効率的な検索を可能にする。
【0036】
本発明は、一側面において、検索条件を満足する金属製品等のみならず、検索条件を満足しない金属製品等の検索も行う。そして、両検索結果を照らし合わせることによって、検索条件を満足しない側だけに存在するカテゴリ、用途、特性等を判定することができる。このことにより、特定のカテゴリを検索条件として指定した時点で、更にどの条件を指定すれば検索結果がゼロになる可能性があるかを判定することができる。そして、該判定を利用して、検索結果がゼロになる可能性のある検索条件を非表示にしたり選択できないようにしたりすることができる。これにより、ユーザーがその検索条件を指定して検索結果がゼロとなることを予め防止できる。従って、効率的な検索を行うことができる。
【0037】
本発明は、一側面において、検索結果がゼロとなった場合であっても、検索条件の中から、特性値と、該特性値の上限値および下限値を抽出することができる。これにより、検索条件として見直す候補を抽出することができる。また、前記金属製品等が具備する特性の検索優先度を含む検索優先度リストを備えることにより、前記候補の中から見直し対象を判定することができる。見直すべき条件(特性、上限値、下限値)が定まれば、前記検索結果で抽出されてこなかった製品において、該特性値が、前記上限値又は下限値とどの程度乖離しているかを数値化することができる。そして、数値化した値を利用して小さい順にソートすることにより、見直し対象と判定された検索条件に近い製品を検索することができる。このことにより、再度条件を指定しなおす必要がなくなる。従って、効率的な検索を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】一実施形態に係る本発明のハードウェアの構成を表す。
図2】一実施形態に係る本発明のシステム構成を表す。
図3】一実施形態に係る本発明で用いられるデータ構成を表す。
図4】一実施形態に係る本発明で用いられるデータ構成を表す。
図5-1】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図5-2】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図6-1】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図6-2】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図7-1】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図7-2】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図7-3】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図7-4】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図7-5】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図8-1】一実施形態に係る本発明で用いられる画面構成を表す。
図8-2】一実施形態に係る本発明で用いられる画面構成を表す。
図9-1】一実施形態に係る本発明で用いられる画面構成を表す。
図9-2】一実施形態に係る本発明で用いられる画面構成を表す。
図10-1】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図10-2】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図10-3】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図11】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図12】一実施形態に係る本発明で用いられるデータ構成を表す。
図13-1】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図13-2】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図13-3】一実施形態に係る本発明の検索処理を表す。
図14】一実施形態に係る本発明で用いられるデータ構成を表す。
図15】一実施形態に係る本発明で用いられるデータ構成を表す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明を実施するための具体的な形態について詳述する。該形態の説明は例示的なものであり、本発明を限定するものではない。
【0040】
0.定義
本明細書で使用する用語「金属」とは、実質的に1種類の元素から構成される金属(ただし、不可避的不純物は含まれても良い)、および2種類以上の元素から構成される合金を含む。また、該用語は材料の形態等を限定するものではない。従って、金属を検索する際には、特定の金属を加工して得られた板、条、箔等の形態等も検索対象として包含される。また、更に本発明に従った検索対象としてスパッタリングターゲット等の焼結体も含めることができる。該用語は材料の形態等を限定するものではない。従って、焼結体を検索する際には、特定の焼結体を加工して得られた板、条、箔等の形態等も検索対象として包含される。 金属または焼結体を構成する元素としてはCu、Ni、Fe、Ti、Mn、B、Si、Zn、Sn、P、As、Ag、Au、Al、Cr、V、W、In、Pt、Os、Pd、Rh、白金族元素、Co、Na、Mg、O、S、N、C、Cl、Ar、Kr、Br、F、GaおよびSbからなる群から選択される一種以上の元素であってもよい。
また、金属は銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、亜鉛、亜鉛合金、鉛、鉛合金、金、金合金、銀、銀合金、インジウム、インジウム合金、マンガン、マンガン合金、バナジウム、バナジウム合金であってもよい。なお、特に市場から求められる特性が多岐に亘るため、金属は銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金であることが好ましい。
【0041】
本明細書で使用する用語「特性」とは、特段の記載がない限り、金属や焼結体が持つ特有の性質を意味し、例えば、以下の性質が挙げられるがこれらに限定されない:導電率、ヤング率、耐力(例えば、0.1%、0.2%)、引張強さ(引張強度)、硬さ(硬さを示す指標であれば、公知の指標、新規な指標などどのような指標を用いてもよい。例えば、ビッカース硬さ、ブリネル硬さ、モース硬さ、ショア硬さ、ロックウェル硬さ、マイクロビッカース硬さ、ヌープ硬さ、スーパーフィシャル硬さ、マイヤ硬さ、ジュロメータ硬さ、バーコール硬さ、モノトロン硬さ、マルテンス硬さなど)、曲げ加工性(例えば、90°W曲げ バッドウエィ、90°W曲げ グッドウェイ、180°曲げ バッドウエィ、180°曲げ グッドウエィ)、伸び、熱伝導率、固有抵抗、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質の含有量、熱伸縮率、(以下金属組織の特徴)金属組織、相、結晶粒径、平均結晶粒径、結晶方位、せん断帯の頻度、すべり線の頻度、介在物・析出物・晶出物・酸化物・硫化物・金属間化合物の個数・組成・種類、転位密度、結晶粒界のΣ値、結晶粒界の長さ、双晶境界頻度、双晶の面積率、所定結晶方位の面積率、(以下表面状態)光沢度、表面粗さ(Ra,Rz,Ry,Rt,Rsk,Rku,Rmax、Sa,Sz,Sy,St,Ssk,Sku,JIS規格、ISO規格、ISO規格ドラフトに準拠)、表面処理層の体積、酸化膜厚み、表面積、色調、色差、明度、暗度、(以下加工性)半田濡れ性、めっき性、絞り加工性、プレス加工性、張り出し加工性、熱間加工性、冷間加工性、溶接性、切削性、鍛造加工性、深絞り性、形状記憶性、鋳造性、溶融状態からの凝固特性、(その他特性値)エリクセン値、ランクフォード値、高周波回路における伝送損失特性、耐疲労特性、応力緩和特性、応力緩和率、ばね限界値、耐マイグレーション性、エッチング性、MIT屈曲性、摺動屈曲性、耐摩耗性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、半軟化温度、防錆性、製造コスト、販売価格、所定の形状、所定の電圧、電流で通電した際の単位時間当たりの発熱量、樹脂に接着した際の剥離強度、応力ひずみ曲線、耐フレッティング磨耗性、高温における強度、耐腐食性(材料の形態)厚み、幅、長さ、厚みバラツキ、厚み精度、重さ、平坦度、(特性のばらつきまたは均一性)および前記各特性のひとつの金属物内または焼結体内でのばらつきの程度または均一性。
【0042】
また、別の態様では、上記特性として以下のものを含めることができる:
金属組織、相、平均結晶粒径、ガス成分純度、引張強度、添加形態、最大結晶粒径、特定不純物純度、残留応力、表面粗さ、粒形状、放射性元素純度、圧縮応力、加工変質層、アスペクト比、相対密度、ヤング率、深さ方向均一性、単結晶、密度のばらつき、抵抗率、径方向均一性、アモルファス、空孔、ポア、熱伝導率、平坦性、析出物、X線回折強度比、X線回折強度、熱膨張係数、インサート、介在物、密度、X線回折ピークの半値幅、磁気的特性(例えば、PTF(磁場透過率)、透磁率、漏洩磁束の値)、漏洩磁束、界面処理、酸化物、ビッカース硬さ、添加元素種類、界面形状、全純度、酸素欠損、濃度範囲、ロウ剤、および前記各特性のひとつの金属物内または焼結体内でのばらつきの程度または均一性。例えば、これらの特性は、スパッタリングターゲットを検索する際に有用である。とりわけ有用となるのは、平均結晶粒径、特定不純物純度、表面粗さ、相対密度、抵抗率、熱伝導率、全純度、濃度範囲である。
【0043】
本明細書で使用する用語「硬さ」について、硬さを示す指標であれば、公知の指標、新規な指標などどのような指標を用いてもよい。例えば、ビッカース硬さ、ショア硬さ、ブリネル硬さ、ヌープ硬さ、ロックウェル硬さ、スーパーフィシャル硬さ、マイヤ硬さ、ジュロメータ硬さ、バーコール硬さ、モノトロン硬さ、マルテンス硬さなどが挙げられる。
【0044】
本明細書で使用する用語「曲げ加工性」について、曲げ加工性を示す指標であれば、公知の指標、新規な指標などどのような指標を用いてもよい。例えば、Good Way方向の最小曲げ半径または安全曲げ半径、Good Way方向の最小曲げ半径または安全曲げ半径を金属または焼結体の厚みで除した値、Bad Way方向の最小曲げ半径または安全曲げ半径、Bad Way方向の最小曲げ半径または安全曲げ半径を金属または焼結体の厚みで除した値、W曲げ、90°曲げ、90°W曲げ、90°V曲げ、180°密着曲げ、180°繰り返し曲げ、繰り返し曲げ回数等の指標を用いてもよい。
【0045】
本明細書で使用する用語「環境負荷」について、当該金属や焼結体の製造にあたって、環境に及ぼす影響または負荷または負担のことをいう。環境負荷を示す指標であれば、公知の指標、新規な指標などどのような指標を用いてもよい。環境負荷とは例えば、当該金属や焼結体の製造にあたって生じる廃棄物、ごみ、有害物質、副産物、二酸化炭素や二酸化窒素等の気体等の量、濃度、放出速度等をいう。
【0046】
本明細書で使用する用語「製造時のエネルギー」について、金属や焼結体を製造する際に必要となるエネルギーのことをいう。
【0047】
本明細書で使用する用語「環境性能」について、金属や焼結体自体、又はこれらを製造することによって環境に及ぼす影響のことをいう。
【0048】
本明細書で使用する用語「鋳造性」について、鋳造のしやすさ(鋳造時の欠陥の生じにくさなど)を表す指標であれば、どのような指標であってもよい。
【0049】
本明細書で使用する用語「磁気的特性」について、磁気的特性を示す指標であれば、公知の指標、新規な指標などどのような指標を用いてもよい。例えばPTF(磁場透過率),透磁率、漏洩磁束であってもよい。
【0050】
本明細書で使用する用語「界面処理」について、例えば金属とその他の金属または化合物を接合する際の、当該金属とその他の金属または化合物との界面に対する表面処理をいう。当該界面に対する表面処理について示す指標であれば、公知の指標、新規な指標などどのような指標を用いてもよい。例えば、界面に対する表面処理の処理方法(蒸着、スパッタリング、イオンプレーテイング、乾式めっき、湿式めっき等)や表面処理により当該界面により設けられる元素やその厚みを指標とするとよい。
【0051】
本明細書で使用する用語「界面形状」について、例えば金属または金属を含む焼結体とその他の金属または化合物を接合する際の、当該金属とその他の金属または化合物との界面の形状をいう。
【0052】
本明細書で使用する用語「酸素欠損」について、所定の状態から酸素を欠損(少なくする)させた状態を意味する。酸素欠損の状態を示す指標であれば、公知の指標、新規な指標などどのような指標を用いてもよい。例えば、格子定数の歪み、導電率、精密密度変化、色変化(黒色化)を指標としてもよい。
【0053】
本明細書で使用する用語「各特性のひとつの金属物内でのばらつきの程度または均一性」について、ひとつ(単体)の金属物内の幅方向、長さ方向、厚み方向、深さ方向、周方向(円筒形等の場合)におけるばらつきまたは均一性を指標としてもよい(「金属物内」という表現を「焼結体内」に置き換えた場合も同様である)。
【0054】
本明細書で使用する用語「単結晶」について、単結晶であるか否かを示す指標を意味する。単結晶であるか否かを示す指標であれば、公知の指標、新規な指標などどのような指標を用いてもよい。
【0055】
本明細書で使用する用語「アモルファス」について、非晶質である金属組織を有するか否かを示す指標を意味する。非晶質である金属組織を有するか否かを示す指標であれば、公知の指標、新規な指標などどのような指標を用いてもよい。
【0056】
本明細書で使用する用語「平坦度」及び「平坦性」について、平坦度及び平坦性とは金属がどの程度平坦であるかを示す指標を意味する。金属や焼結体がどの程度平坦であるかを示す指標であれば、公知の指標、新規な指標などどのような指標を用いてもよい。
【0057】
本明細書で使用する用語「ガス成分純度」について、金属や焼結体が製造される環境(雰囲気)に存在するガス成分(例えばO,C,N,H,S等)がどの程度当該金属や焼結体に含まれるかを表す指標を意味する。たとえば、金属や焼結体に含まれるガス成分の濃度、密度、介在物の個数等を指標とすることができる。
【0058】
本明細書で使用する用語「X線回折強度比」及び「X線回折強度」について、X線回折強度比やX線回折強度には積分強度またはピーク強度のいずれを用いてもよい。積分強度の方が好ましい。
【0059】
本明細書で使用する用語「応力ひずみ曲線」は、金属または焼結体のひずみ(歪み)を横軸に、金属または金属を含む焼結体が前記ひずみを生じるのに必要な応力(力)を縦軸としてプロットして得られる曲線ならびに、当該応力ひずみ曲線から把握される内容、指標を意味する。例えば、当該応力ひずみ曲線の傾きや形状または応力ひずみ曲線の特徴を表す指標を用いても良い。
【0060】
本明細書で使用する用語「粒形状」とは結晶粒の形状のことをいう。結晶粒の形状を示す指標であればどのような指標を用いてもよい。
【0061】
本明細書で使用する用語「加工変質層」とは金属または焼結体の表面を加工(例えば機械研磨加工、化学研磨加工、プレス加工、圧延加工、切削加工、鍛造加工、または機械加工等)した際に、金属または金属を含む焼結体の表面に形成される変質した層(金属または金属を含む焼結体の内部の組織とは異なる組織を有する層)を意味し、当該加工変質層の有無を表す指標、または、当該加工変質層の特徴を表す指標(例えば、当該加工変質層の厚み、当該加工変質層に含まれる結晶粒の形態、大きさ、平均結晶粒径等)等、加工変質層の特徴を表す指標であればどのような指標を用いて表してもよい。
【0062】
本明細書で使用する用語「空孔」は金属または焼結体の表面に存在する凹みまたは穴(金属または焼結体を貫通していてもよく、貫通していなくてもよい)を意味し、当該凹みまたは穴が存在するか否か、凹みまたは穴の形状、大きさ、個数、個数密度等、凹みまたは穴の特徴や存在状態を表す指標であればどのような指標を用いて表してもよい。
【0063】
本明細書で使用する用語「ポア」は金属または焼結体内に含まれる空洞を意味し、当該ポアが存在するか否か、ポアの形状、大きさ、個数、個数密度等、ポアの特徴や存在状態を表す指標であればどのような指標を用いて表してもよい。
【0064】
本明細書で使用する用語「析出物」は、均質化処理(均熱処理ともいう)、熱間圧延、焼鈍等の熱処理工程中に固相中から生成する金属間化合物を意味し、当該析出物が存在するか否か、析出物の形状、大きさ、個数、個数密度等、析出物の特徴や存在状態を表す指標であればどのような指標を用いて表してもよい。
【0065】
本明細書で使用する用語「晶出物」は、合金の鋳造凝固時に生ずる金属間化合物を意味し、当該晶出物が存在するか否か、晶出物の形状、大きさ、個数、個数密度等、晶出物の特徴や存在状態を表す指標であればどのような指標を用いて表してもよい。
【0066】
本明細書で使用する用語「インサート」とは金属または焼結体ともう一つの金属または化合物等と接合するために用いられる物質のことをいい、インサートとして用いられる元素、組成、またインサートの厚み、硬さ、密度、化合物を形成するか否か等、インサートの特徴を表す指標であればどのような指標を用いて表してもよい。
【0067】
本明細書で使用する用語「介在物」とは金属または焼結体に含まれる物であり、介在物の周囲の部分とは、組成または金属組織が異なる物(例えば、析出物、晶出物、酸化物、硫化物、窒化物、珪化物など)を意味し、当該介在物が存在するか否か、介在物の形状、大きさ、個数、個数密度等、介在物の特徴や存在状態を表す指標であればどのような指標を用いて表してもよい。
【0068】
本明細書で使用する用語「酸化物」とは酸素とその他の元素からなる化合物を意味し、金属または金属を含む焼結体中に当該酸化物が存在するか否か、酸化物の形状、大きさ、個数、個数密度等、酸化物の特徴や存在状態を表す指標であればどのような指標を用いて表してもよい。
【0069】
本明細書で使用する用語「濃度範囲」とは金属または焼結体を構成する元素の濃度の範囲を意味する。
【0070】
本明細書で使用する用語「ロウ剤」とは金属または焼結体ともう一つの金属または化合物等と接合するために用いられる物質のことをいい、ロウ剤として用いられる元素、組成、またロウ剤の厚み、硬さ、密度等、ロウ剤の特徴を表す指標であればどのような指標を用いて表してもよい。
【0071】
本明細書で使用する用語「密度」とは粗密の程度を表す指標であればどのような指標を用いてもよい。例えば、相対密度、絶対密度(アルキメデスの原理から算出、格子定数から算出、精密寸測により算出)等の指標を用いてもよい。
本明細書で使用する用語「金属組織」とは、金属または焼結体の組織のことをいい、金属または焼結体の組織の状態、大きさ、形態または特徴等を表す指標であれば、どのような指標を用いて表してもよい。
本明細書中で使用する用語「相」とは、金属または焼結体に含まれる相のことをいい、金属または焼結体の相の状態、大きさ、形態、組成または特徴等を表す指標であれば、どのような指標を用いて表してもよい。
【0072】
本明細書で使用する用語「サブ特性」とは、上述した1つ特性を更に細分類したものを表す。例えば、強度であれば、超高強度、高強度、中強度、低強度、導電率であれば、高導電、中導電、低導電といったサブ特性に分類することが可能である。
【0073】
また、前記サブ特性は、数値範囲で表現してものであってもよい。例えば、以下のような数値範囲で表現してもよい。
「ヤング率(GPa)」(〜110:110〜120:120〜130:130〜)
「導電率」(0〜20:20〜40:40〜60:60〜100)
「熱伝導度(W/m・K)」(0〜100:100〜200:200〜300:300〜400)
「固有抵抗(nΩ・m)」(0〜50:50〜100:100〜150:150〜)
「熱膨張係数(10-6/K)」(0〜30)
「引張強さ(MPa)」(〜600:600〜800:800〜1000:1000〜)
「0.2%耐力(MPa)」(〜600:600〜800:800〜1000:1000〜)
「伸び(%)」(0〜10:10〜20:20〜30:30〜)
「硬さ(Hv)」(0〜100:100〜200:200〜300:300〜)
「90°W曲げ グッドウェイ(安全曲げ半径/板厚)」(0.0〜1.0:1.0〜2.0:2.0〜3.0:3.0〜)
「90°W曲げ バッドウェイ(安全曲げ半径/板厚)」(0.0〜1.0:1.0〜2.0:2.0〜3.0:3.0〜)
「180°W曲げ グッドウェイ(安全曲げ半径/板厚)」(0.0〜1.0:1.0〜2.0:2.0〜3.0:3.0〜)
「180°W曲げ バッドウェイ(安全曲げ半径/板厚)」(0.0〜1.0:1.0〜2.0:2.0〜3.0:3.0〜)
「十点平均粗さRz(μm)」(0.0〜0.5:0.5〜1.0:1.0〜2.0:2.0〜3.0:3.0〜)
「半田濡れ性t2値(秒)」(0〜1:1〜2:2〜3:3〜4:4〜5:5〜)
「算術平均粗さRa(μm)」(0.0〜0.05:0.05〜0.10:0.10〜0.15:0.15〜0.30:0.30〜)
「色差ΔE((例えば「ハンターラボ社製Mini Scan XE Plus」を使用して測定可能)、白色板の測定値をΔE=0、黒い袋で覆って暗闇で測定したときの測定値をΔE=90として、色差を校正する。)(−)」(0〜20:20〜40:40〜65:65〜)
「平均結晶粒径(μm)」(0〜3:3〜10:10〜20:20〜)
「半軟化温度(℃)」(0〜100:100〜200:200〜300:300〜)
「光沢度(20度光沢度あるいは45度光沢度あるいは60度光沢度あるいは85度光沢度)(%)」(0〜300:300〜500:500〜)
【0074】
なお、上述した下限値については適宜「以上」又は「超」、上限値については適宜「以下」又は「未満」とすることができる。例えば、下限値側を「以上」にするのであれば、上限値側を「未満」にすればよい。
【0075】
ここで、上述した数値範囲の上限値や下限値は厳密な臨界値ではなく、多少の増減があってもよく(例えば、元々の境界値の±1%、±5%、±10%、±20%±25%変動した値を上限値下限値としてもよい)、このように増減した場合であっても本願発明の範囲に含まれる。
【0076】
1.ハードウェア構成
本発明を実施する際、特殊な装置は必要ない。当分野で通常用いられている情報処理装置で十分である(例えば、メインフレーム、サーバー、パーソナルコンピュータなど)。具体的には、図1に示すように、処理部(例えばCPU)、記憶部(例えば、メモリ、HDD等)、入力部(例えば、キーボード、マウス等)、出力部(例えば、表示装置(ディスプレイ等))を備えた装置であればよい。また、インターネット、LAN等のネットワークを利用する形態であれば、ネットワークモジュールを備えることが好ましい。そして、こうした形態の場合には、データの入力や処理結果の出力はネットワーク経由で行われることになるため、ネットワークモジュールが入力部及び/又は出力部の役割を担うこととなるであろう。
【0077】
2.システム構成図
図2は、上記ハードウェア(装置)を用いて本発明を実施するための典型的なシステム構成図である。検索を行うユーザーは、自身の端末装置(典型的にはクライアントPC)を用いて、検索条件を入力する。そして、検索条件を入力するためのインターフェースは、典型的にはアプリケーションサーバー(Webサーバー)によって提供されてもよいし、検索専用のアプリケーションソフトを前記端末装置にインストールすることによって提供されてもよい。
【0078】
前記アプリケーションサーバー(好ましくはWebサーバー)は、ユーザーが入力した検索条件をネットワーク(典型的なLAN又はインターネット)を経由して受け取る。そして、受け取った検索条件を元にクエリーを発行し、データベースサーバーに問合せを行う。データベースサーバーはクエリーを実行し、実行結果をアプリケーションサーバーに戻す。アプリケーションサーバーは、前記実行結果を編集して、ユーザーに見やすい形に加工し、端末装置に伝送する。
【0079】
ここで、上記端末装置、アプリケーションサーバー、及びデータベースサーバーは、必ずしも別個独立した装置である必要はない。例えば、アプリケーションサーバー、及びデータベースサーバーは1台のサーバーで両方の機能を担っても良い。あるいは、上記端末装置、アプリケーションサーバー、及びデータベースサーバーは1台の装置で全ての機能を担う形態であってもよい(その場合にはネットワークは不要となる)。
【0080】
上記アプリケーションサーバーは、必ずしも1台のサーバーである必要は無く、複数台のサーバーから構成されて、仮想上1台のサーバーとして機能する構成であってもよい(例えば、同等の機能を持つサーバーをロードバランサを経由して負荷を分散させる構成。或いは、アプリケーションサーバーの機能を細分化し、第一の機能は第一のサーバーが担い、第二の機能は第二のサーバーが担う構成)。データベースサーバーについても同様であり、必ずしも1台のサーバーである必要は無い。
【0081】
3.検索処理の流れ
3−1.記憶部に記憶されるデータ
一実施形態に係る本発明の検索処理について説明する。記憶部は、図3及び図4に示すようなデータ構造を持つデータを記憶することができる。第一のデータは、典型的には、銅合金のカテゴリ(大分類)を記憶したテーブルである。該テーブルの各行(各レコード)は、1つのカテゴリに対応している。各列にはカテゴリの名称や一意のコードを記憶することができる。該テーブルは、検索画面上で銅合金のカテゴリを検索条件として提示する際に使用することができる。
【0082】
第二のデータは、銅合金の名称(中分類)を記憶したテーブルである。該テーブルの各行は、合金名の上位概念であるカテゴリ名称(又はコード)と、合金名(又はコード)との組合せで一意となるように構成することができる。従って、該テーブルでは、カテゴリを検索条件として指定すれば、該カテゴリに該当する銅合金名を抽出することができる。逆に、銅合金名を検索条件として指定すれば、該合金が属するカテゴリを抽出することができる。該テーブルは、検索画面上で銅合金の名称を検索条件として提示する際に使用することができる。
【0083】
第三のデータは、銅合金の製品名(小分類)を記憶したテーブルである。該テーブルの各行は、製品名の上位概念であるカテゴリ名称(又はコード)及び銅合金名(又はコード)と、製品名(又はコード)との組合せで一意となるように構成することができる。従って、該テーブルでは、カテゴリや銅合金名を検索条件として指定すれば、該カテゴリ及び/又は該銅合金に該当する製品名を抽出することができる。逆に、製品名を検索条件として指定すれば、該製品が属するカテゴリや銅合金名を抽出することができる。
【0084】
該テーブルの各列には、合金の特性値を記憶することができる。合金の特性としては、例えば、導電率、ヤング率、引張強さ、0.2%耐力、硬さ、曲げ加工性(180°曲げ、90°W曲げ 安全曲げ半径/半径、180°曲げの可不可)、伸び、熱伝導率、体積抵抗率、熱膨張係数、環境負荷、不純物量、製造時のエネルギー、環境性能、規制物質、などが挙げられるがこれらに限定されない。また、テーブルの各行には、前記数値で表される特性のほかに、用途を記憶することができる。
【0085】
該テーブルにおいて、合金の特性等の情報が格納されていることにより、これらを検索条件として合金を検索することができる。また、複数の特性を満たす合金といった複雑な検索条件で合金を容易に検索することができる。
【0086】
また、上記情報の他に、該テーブルには、合金の組成や価格情報も含めることができる。後述するが、該テーブルは、検索結果の一覧を作成する際や、各製品の詳細情報を提示する際に使用することができる。或いは所定の特性数値範囲を満たす合金のカテゴリや合金名を特定するために使用することができる(例えば、ヤング率110〜120の範囲には存在しない合金のカテゴリや合金名を特定することができる)。
【0087】
第四のデータは、検索条件データを記憶したテーブルである。より具体的には、銅合金の製品に係る各特性と、該特性の上限値及び下限値とを記憶したテーブルである。該テーブルは、検索画面上で、特性の数値範囲を検索条件として提示する際に使用することができる。
【0088】
検索条件データにおいて、設けられる各特性の上限値及び下限値については、特に限定されないが、1つの技術的分類群を規定する範囲となるようにすることができることが好ましい。例えば、「強度」に関する特性であれば、該特性を、例えば「高強度」「中強度」「低強度」となるように更に細分類することができる。そして、当分野の慣習に従って、これら「高強度」「中強度」「低強度」に該当する凡その上限値及び下限値を設けることができる。このように技術的な意義を伴った数値範囲を検索条件データの中に設けることにより、これらの数値範囲を、選択可能な検索条件として検索画面等に提示することが可能となる(例えば、図8−2)。効率の良い検索を行うことが可能となる。
【0089】
これらのテーブルは、組み合せて参照することにより、所望の判定を行うことが可能となる。例えば、特定のカテゴリ(例えばハイパーリン青銅)を検索条件に第三のデータを検索したとする。この場合、該カテゴリに属する製品名及び各種特性のデータを抽出することができる(例えば、レコード3件、製品名、C5210HP H、C5210HP EH、C5240HP H、ヤング率110、100、127)。次いで、第四のデータから、対応する特性データを抽出することができる(例えば、ヤング率:110未満;110以上〜120未満;120以上〜130未満;130以上)。そして、第三のデータ及び第四のデータを突き合わせれば、対応する数値範囲が無い条件を特定することができる(例えば、ヤング率130以上に該当するデータは存在しないことを判定できる)。従って、特定のカテゴリを選ぶことにより、特定の特性数値範囲は検索条件として指定することは不要であると判定することができる(例えば、カテゴリとしてハイパーリン青銅を検索条件として選択した時点で、ヤング率130以上の製品は既に存在しないことが分かる)。
【0090】
上記検索の例では、カテゴリの指定から出発して、特性数値範囲の検索条件についての判定を行った。しかし、その逆もまた可能である。即ち、特性数値範囲を指定して、第三のデータを検索すれば、検索して得られる抽出結果に存在しないカテゴリや合金名を特定することができる。そして、これら存在しないカテゴリや合金名は、検索条件として指定することは不要であると判定することができる。
【0091】
以上のようなデータを設けて、組み合せて参照することにより、指定不要な検索条件を特定することができる。より具体的には、第一の検索条件を指定した時点で、複数の第二の検索条件のうち幾つかについて指定不要かどうかを判定することができる。そして、該判定の基準は、第一の検索条件と第二の検索条件とを指定したら抽出結果がゼロとなるかどうかである。
【0092】
3−2.検索処理の流れ(パターン1)
上記データを用いた検索処理について具体的な処理内容の流れを図5を用いて説明する。ユーザーは、最初に検索画面の起動を指示することができる。検索画面は、専用のアプリケーションの画面であってもよいし、ブラウザソフトによって閲覧することができるHTML形式等の画面であってもよい。
【0093】
検索画面を起動する旨の指示を受けた装置は、記憶部にアクセスして、上述したデータの幾つかを抽出する処理を実行する。具体的には、記憶部に記憶されたカテゴリデータ(大分類)、合金名データ(中分類)、検索条件データにアクセスして、全データを抽出する。
【0094】
データを抽出した後は、検索画面を作成する。検索用の画面はHTML形式で記述してもよい。或いは、PHPやJava(登録商標)Servelet等の当分野で公知のプログラミング言語で記述したプログラムを実行して動的に作成することができる。前記抽出したデータは、検索画面を作成する際に使用され、より具体的には、検索画面内において、検索条件を提示するために使用される。
【0095】
例えば、検索条件は、図8−1に示すように、前記カテゴリデータ(大分類)から抽出したデータを用いて、カテゴリをチェックボックス形式で表現することができる。表現形式は当分野で任意の形式を用いればよく、リストボックス、プルダウン、ラジオボタン等所望の形式であってよい。また、前記カテゴリデータと同様、合金名についても合金名データ(中分類)から抽出したデータを用いて、チェックボックス形式で表現することができる。そして、検索条件データから抽出したデータを用いて、特性の一覧を検索条件として表示することができる。そして、このとき幾つかの数値範囲を選択可能なようにチェックボックスを設けることができる。
【0096】
上記のような画面を作成した後は、該画面をユーザーに表示する。該表示については、処理装置に連結した表示装置(ディスプレイ等)を介して行っても良く、或いは画面がHTML形式で記述しているのであれば、ネットワークを介して、ユーザーの端末装置(PCなど)にHTMLデータを伝送しても良い。
【0097】
検索画面が表示された後、ユーザーは所定操作を行って、合金を絞り込む作業を行う。例えば、図8−1の画面上部にあるように、特性を表すチェックボックスのチェックをオン・オフして、絞りこみ検索ボタンをクリックすることができる(無論絞りこみ検索ボタンは必ずしも設ける必要は無く、チェックボックスをクリックしたイベントに反応して、前記検索ボタンクリックと同様の処理を実行する旨を指示するようにしてもよい)。
【0098】
検索ボタンクリック後は、製品名データに対して、特性を検索条件として検索処理を実行する。このとき、特性は1種類のみではなく、複数種類の特性を検索条件として、検索することもできる。ここで、抽出されたデータを抽出データMとする。
【0099】
上記検索処理を実行した後、抽出データMを使用して検索結果一覧画面をHTML形式で作成することができる(図9−2 表形式の欄)。ここで、検索結果一覧には、製品名、ヤング率、導電率等の特性の情報を含めることができる。また、検索結果一覧の各行には、更なる詳細情報を表示するためのリンクを設けることができる。
【0100】
3−3.検索処理の流れ(パターン2)
本発明の更なる実施形態に係る検索処理について図6を参照しながら説明する。検索画面を作成する以外の流れは、前述した検索処理の流れと同様である。本実施形態では、前記検索条件データからデータを抽出する際に、特性ごとにグループ分け(サブ特性)をし、各サブ特性に係る上限値、下限値(例えば、図8−2でいえば、ヤング率110〜120など)を選択可能な検索条件のオプションとして画面に挿入することができる。前記サブ特性(或いは該サブ特性に係る上限値・下限値)を技術的意義のある物にすることにより、効率の良い検索を行うことが可能となる。
【0101】
3−4.検索処理の流れ(パターン3)
本発明の更なる実施形態に係る検索処理について図7を参照しながら説明する。検索画面を表示するまでの流れは上記と同様である。
【0102】
検索画面が表示された後、ユーザーは所定操作を行って、合金を絞り込む作業を行う。例えば、図8の画面上部にあるように、カテゴリを表すチェックボックスのチェックをオン・オフして、絞りこみ検索ボタンをクリックすることができる(無論絞りこみ検索ボタンは必ずしも設ける必要は無く、チェックボックスをクリックしたイベントに反応して、前記検索ボタンクリックと同様の処理を実行する旨を指示するようにしてもよい)。
【0103】
上記絞りこみ検索ボタンをクリックした後は、処理装置は、2種類の検索を実行することができる。1つ目の検索処理は、合金名データ(中分類)を検索対象をとし、画面でチェックしたカテゴリを検索条件とする検索処理である。1つめの検索処理を実行すると、指定したカテゴリに該当する合金名のデータを抽出することができる。そして、抽出した合金名のデータについては、引き続き画面上で検索条件として選択可能な状態を維持しておく。その一方で、抽出した合金名に該当しない合金名については、画面上で検索条件として選択不可の状態に切り替える処理を行うことができる(例えば、チェックボックスであればDisabledに切り替える)。或いは、抽出した合金名に該当しない合金名については、画面上に検索条件として非表示状態に切り替えても良い。
【0104】
図8−1画面を例にとって説明すれば、カテゴリとしてハイパーリン青銅とチタン銅系合金のみにチェックを入れて絞りこみ検索をクリックした場合には、画面上の合金名の欄には、ハイパーリン青銅とチタン銅系合金に属する合金名のみが表示されるようになる。
【0105】
2つ目の検索処理は、製品名データ(小分類)を検索対象をとし、画面でチェックしたカテゴリを検索条件とする検索処理である。ここで抽出されたデータを仮に抽出データXとする。
【0106】
この後、別途検索条件データを検索して全てのデータを抽出する。ここで抽出されたデータを抽出データYとする。
【0107】
これらの抽出処理後、抽出データYの件数だけ、ループ処理を実行する。該ループ処理内では、まず抽出データYを1件ずつ読取、特性と数値範囲情報を取り出す。そして、抽出データX内において、特性と数値範囲情報の条件を満たすレコード件数をカウントする。
【0108】
具体例を挙げれば、前記取り出した特性と数値範囲情報が「ヤング率」「下限110」「上限120」であった場合には、抽出データXの中からヤング率が110以上120未満である件数をカウントする。
【0109】
こうした処理を、抽出データYの件数だけ繰り返す(例えば、「ヤング率:下限120;上限130」、「ヤング率:下限130;上限−」、「導電率:下限0;上限20」といったように)。
【0110】
そして、特定の特性と数値範囲情報において、カウント数がゼロの場合に、検索画面において対応する検索条件を選択できないようにする(非表示にしたり、チェックできないようにする等)。
【0111】
具体例を挙げれば、図8−1の画面でカテゴリとしてハイパーリン青銅のみを選択して絞込み検索を行ったとする。このときに、図4の製品データと検索条件データを突き合わせれば明らかなように、ヤング率が130以上であるハイパーリン青銅は存在しない。従って、カテゴリとしてハイパーリン青銅のみを選択した時点で、ヤング率が130以上については選択不要である。そして、こうした特性選択の要不要の判断は、上記判断処理を実行することによって判断することができる。
【0112】
カテゴリを選択して上記処理を実行した後、ユーザーは、更に合金名を選択して絞りこみ検索ボタンをクリックすることができる。該クリック後に行われる処理は、上述した2つ目の検索処理と同様の処理であってもよい。但し、この場合検索対象が製品名データ(小分類)である点については同じであるが、検索条件は、カテゴリではなく、合金名になるであろう。該処理が実行されることにより、選択した合金名について存在しない特性・数値範囲である検索条件が選択不可の状態にされる。
【0113】
上記処理実行後、ユーザーは、更に特性と数値範囲にチェックを入れて検索ボタンをクリックすることができる。その後、装置は更なる検索処理を実行する。ここでの検索処理では、製品名データ(小分類)が検索対象となり、検索条件は、カテゴリ&合金名&特性数値範囲となるであろう。この検索処理で抽出されたデータを仮に抽出データMとする。
【0114】
また、これとは別に検索処理を実行することができる。該検索処理での検索対象は、検索条件データであり、検索条件はなく、全てのデータを抽出する。この検索処理で抽出されたデータを仮に抽出データNとする。
【0115】
上記2つの検索処理を実行した後、抽出データMを使用して検索結果一覧画面をHTML形式で作成することができる(図9−2 表形式の欄)。ここで、検索結果一覧には、製品名、ヤング率、導電率等の特性の情報を含めることができる。また、検索結果一覧の各行には、更なる詳細情報を表示するためのリンクを設けることができる。
【0116】
また、上記検索結果一覧とは別に、抽出データNを使用して各種特性を選択するためのチェックボックスを設けることができる(図9−1 上部チェックボックスの欄)。ここで、チェックボックス内チェックの有無に応じて、検索結果一覧に含まれる特性の表示・非表示を切り替えることができる。
【0117】
上述した更なる詳細情報を表示するためのリンクについては、クリックすると更に検索処理を実行することができる。この場合の検索対象は、製品名データ(小分類)であり、検索条件は製品名とすることができる。該検索処理で抽出されたデータを使用して、特定の1つの製品に係る詳細情報を表示するための画面を作成することができる。
【0118】
3−5.検索処理の流れ(パターン4)
上記検索の例では、カテゴリの指定から出発して、一部の特性・数値範囲の検索条件を選択可能について除外するための判定を行った。しかし、その逆もまた可能である。即ち、特性・数値範囲を先に指定して、それを受けて特定のカテゴリ・特定の合金を選択不可能にする処理を行っても良い。
【0119】
そのための具体的な処理の流れは以下のようにすることができる。まず、検索条件を指定する直前までの処理の流れは、図10に示すようにパターン1と同様である。しかし、ユーザーは、最初に指定する検索条件はカテゴリや合金名ではなく、特性・数値範囲を先に指定して絞りこみ検索をクリックすることができる。
【0120】
前記クリックに応じて、検索処理が実行される。検索対象は、製品名データ(小分類)であり、検索条件は特性と数値範囲である(例えば、ヤング率110以上〜120未満)。該検索処理により抽出されたデータを抽出データXとする。抽出データXは、カテゴリ及び合金名でグループ化することができる。グループ化したデータはデータYとすることができる。
【0121】
検索処理後、検索画面中、全てのカテゴリ&合金のチェックボックスを一旦選択不可にする。その後、ループ処理をデータYの件数分実行する。まず、抽出データYから、カテゴリと合金名を取り出す。そして、それらに該当するカテゴリと合金の検索条件を、画面上で選択可にする。これらの操作を繰り返すことにより、上記パターン1と同様の機能を実現することができる。
【0122】
3−6.検索処理の流れ(パターン5)
上記2つパターンは、カテゴリ&合金名→特性・数値範囲、及び特性・数値範囲→カテゴリ&合金名という流れで検索条件の一部を選択不可にしている。しかし、これ以外にも例えば、一部の特性・数値範囲を選択した場合に、他の特性・数値範囲を選択不可にする実施形態も可能である。
【0123】
3−7.検索処理の流れ(パターン6)
図7に示した絞りこみ処理Aについては、これ以外にも様々な改変処理方法がある。例えば、図11に示すように、カテゴリを検索条件として、製品名データ(小分類)を検索する。そして、該検索によって抽出されるデータを抽出データXとする。次に、抽出データXに、含まれる特性値を抽出して、該特性値が画面上の検索条件のどれに該当するかを判定する。具体的な方法としては、該特性値を用いて、検索条件データを検索することにより、前記判定が可能となる。例えば、カテゴリーとしてハイパーリン青銅を指定した場合に、図4の製品名データ(小分類)からは少なくとも3件抽出される(C5210HP H、C5210HP EH、C5240HP H)。そして、該3件に含まれる特性値、例えばヤング率を抽出する(110、100、127)。そして、抽出した3件のヤング率値と、図4の検索条件データを照合して、該3件のヤング率値がどの検索条件に属するかを抽出する。この場合には、ヤング率(〜110)と、ヤング率(110〜120)と、ヤング率(120〜130)の3件が抽出されるであろう。これらの抽出データをX1とする。
【0124】
以上の操作と同様の操作を、検索条件を変えて行う。即ち、検索条件として指定したカテゴリを満たさないものを製品名データ(小分類)から検索する。例えば、検索条件として指定したカテゴリーがハイパーリン青銅である場合には、ハイパーリン青銅でないデータを検索することになるため、図4の製品名データ(小分類)からは少なくとも2件抽出される(チタン銅、C1990 1/4H、C1990 EH)。そして、前記2件のヤング率を抽出し(131、127)、その後、該2件のヤング率値がどの検索条件に属するかを抽出する。この場合には、ヤング率(120〜130)とヤング率(130〜)の2件が抽出されるであろう。これらの抽出データをY1とする。
【0125】
前記X1とY1とを照合してY1に含まれ、且つX1に含まれない要素を抽出する(集合Y1−集合X1)。例えば、差分クエリー等を実行することにより、こうした抽出を行うことが可能となる。例えば、上記ヤング率の例で言えば、(集合Y1−集合X1)の演算により、ヤング率(130〜)が要素として得られることになる。こうした処理を行うことによって得られた要素を用いて、該当する検索項目を非表示にしたり、選択不可能にする処理を実行することができる。
【0126】
4.検索結果がゼロ件となった場合の対応
一実施形態において、本発明は、検索結果がゼロであった場合に、検索条件に近い合金を抽出することを可能にする。具体的には、複数の特性・数値範囲を検索条件で指定して検索結果がゼロであった場合に、一部の特性について指定した数値範囲に近い合金を取得することができる。
【0127】
一部の特性について指定した数値範囲に近い合金を取得するために、図12に示すような各特性の優先度を記憶したデータを記憶部に保存することができる。該データは、ユーザーが別画面等で設定できるようにしてもよい。また、カテゴリや合金名に応じて個別の優先度が設定できるようなデータ構造にしてもよい。
【0128】
上記特性優先度データを利用した検索処理について図13を参照しながら以下説明する。最初に幾つかの特性・数値範囲を条件として検索した場合に検索結果がゼロであったとする。図13の例で言えば、ヤング率110〜120、0.2%耐力 〜500、導電率 20〜40で検索した場合である。
【0129】
検索結果がゼロであった場合には、これらの検索条件の特性・数値範囲情報を取得するための処理を実行する。そして、特性優先度データを検索対象とし、且つ前記取得した特性を検索条件(図13の例で言えば、ヤング率 or 0.2%耐力 or導電率が検索条件となる)として、データを抽出する。
【0130】
そして、抽出されたデータの中で優先度を参照して最も優先度が低い特性を判別する(図11の例で言えば、ヤング率が最も低いと判定される)。
【0131】
次に検索処理を実行する。検索対象は、製品名データ(小分類)であり、検索条件は、優先度が最も低いものを除いた特性と数値範囲である。図13の例で言えば、0.2%耐力〜500&導電率20〜40で検索されることとなり、ヤング率は検索条件に入らない。この条件で抽出されたデータを抽出データXとする。
【0132】
次に、抽出データXの件数分だけループを実行する。このうち、除外した特性が希望の範囲を超えているものについては、以下の式で値を算出する。
A = (各合金の指定した特性値の値) − (指定した特性値の希望上限値(例:ヤング率120))
一方で、除外した特性が希望の範囲を下回っているものについては、以下の式で値を算出する。
B = (指定した特性値の希望下限値(例:ヤング率110)) − (各合金の指定した特性値の値)
【0133】
以上の手続を実行すれば、抽出データXは、優先度が最も低い特性の数値範囲は満たさないものの、AかBのいずれかの値はプラスになるはずである(上限値を超えているものであれば、Aがプラスになり、下限値を下回るものであればBがプラスになる)。そこで、AかBのうちプラスの値を判定値Cとして記憶する。該判定値Cは、指定した数値範囲に近ければ近いほど小さい値となる。
【0134】
以上のループ処理を終えた後、抽出データXを値Cの昇順にソートすると、指定した数値範囲に近い順に検索結果の一覧を取得することができる。図13の例で言えば、ヤング率の上限値又は下限値に近い特性を持つ製品を順に取得することができる。そして、ソートした後は、上位N件(Nは任意の整数、ユーザーが適宜指定してもよい)で抽出して、画面上で一覧として表示することができる。
【0135】
5.他の材料の検索
上述した実施形態では、銅合金を具体例として挙げ説明した。しかし、本願発明は、上述した実施形態に限られず、他の金属材料にも適用することができる。例えば、焼結体(例えばスパッタリングターゲット)の場合には、図3及び図4に表したデータの代わりに、図14及び図15のようなデータを設けることができる。また、これらのデータを用いて、上述したいずれの検索処理も実行することができる。
【0136】
以上、様々な実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は例示にすぎず、本願発明の範囲を限定するためのものではない。当業者であれば、本明細書に記載された実施形態以外の様々な改変形態を、本発明の思想に基づいて、実施することができ、これらについても本発明の範囲に含まれることを企図する。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図7-4】
図7-5】
図8-1】
図8-2】
図9-1】
図9-2】
図10-1】
図10-2】
図10-3】
図11
図12
図13-1】
図13-2】
図13-3】
図14
図15