特許第6013055号(P6013055)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6013055優れた撥水撥油性を有するアクリル酸エステル重合体、およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013055
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】優れた撥水撥油性を有するアクリル酸エステル重合体、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 20/24 20060101AFI20161011BHJP
   C09K 3/18 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   C08F20/24
   C09K3/18 102
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-153297(P2012-153297)
(22)【出願日】2012年7月9日
(65)【公開番号】特開2014-15523(P2014-15523A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100156085
【弁理士】
【氏名又は名称】新免 勝利
(72)【発明者】
【氏名】久保田 浩治
(72)【発明者】
【氏名】勝川 健一
(72)【発明者】
【氏名】足達 健二
(72)【発明者】
【氏名】北山 辰樹
(72)【発明者】
【氏名】北浦 健大
【審査官】 中村 英司
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−170606(JP,A)
【文献】 特開平11−255829(JP,A)
【文献】 特開昭63−068608(JP,A)
【文献】 特開2011−016935(JP,A)
【文献】 特開平11−124365(JP,A)
【文献】 特開平11−310614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
CH2=CH-COO-X-Rf (1)
(式中、Xは、二価の、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基もしくは環状脂肪族炭化水素基を表し、
Rfは、炭素数6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を表す。)
で表される単量体から誘導される繰り返し単位を有する含フッ素重合体であって、
その繰返し単位の主鎖の立体規則性が65%以上のイソタクチシチィーを有する含フッ素重合体。
【請求項2】
一般式(1)の単量体が、一般式(3):
CH2=CH-COO-(CH2)m-(CF2)n-F (3)
(式中、mは1〜10であり、nは6である。)
で表される単量体である、請求項1に記載の含フッ素重合体。
【請求項3】
含フッ素重合体が、さらに、一般式(2):
CH2=C(CH3)-COO-R (2)
(式中、Rは、炭素数10〜30の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基を表す。)
で表される単量体から誘導される繰り返し単位を有する、請求項1に記載の含フッ素重合体。
【請求項4】
一般式(2)の単量体が、一般式(4):
CH2=C(CH3)-COO-(CH2)y-H (4)
(式中、yは10〜30を表す。)
で表される単量体である、請求項に記載の含フッ素重合体。
【請求項5】
アニオン重合開始剤を用いて重合反応を行う請求項1〜のいずれか1つに記載の含フッ素重合体の製造方法であって、
アニオン重合開始剤が、i-PrLi、Li-i-PrIB、sec-BuLi、t-BuLi、t-AmLi、およびα−リチオイソ酪酸エステル化合物からなる群から選択された少なくとも1種の第一有機金属化合物である含フッ素重合体の製造方法。
【請求項6】
アニオン重合開始剤が、第一有機金属化合物に加えて、リチウムシラノレートおよび金属アルコキシドから選ばれた少なくとも1種の第二有機金属化合物を含んでなる、請求項に記載の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1つに記載の含フッ素重合体が有機溶剤中または水中に分散された表面処理剤。
【請求項8】
撥水剤、撥油剤もしくは防汚加工剤の少なくとも1種である請求項に記載の表面処理剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撥水剤、撥油剤、または防汚加工剤の有効成分となる新規な立体構造を有する結晶性の重合体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般にパーフルオロアルキル基等のフルオロアルキル基を側鎖に有する含フッ素重合体は、含有するフッ素原子に由来する撥水撥油性などの性質を示し、紙、繊維、プラスチック、金属等用の表面処理剤として広く用いられている。その中でも、含フッ素アクリレート重合体は撥水撥油性が優れており、含フッ素アクリレート単量体のフルオロアルキル基の炭素数は通常8以上のものが用いられている。
【0003】
しかしながら、近年、テロメリゼーションによって得られる炭素数8のフルオロアルキル基を含有する化合物が、分解または代謝により perfluoro-octanoic acid(以下、「PFOA」と略す)を生成する可能性があると公表している(EPA OPPT FACT SHEET April 14, 2003(http://www.epa.-gov/opptintr/pfoa/pfoafacts.pdf))。また、EPA(米国環境保護庁)は、PFOAに対して科学的調査を強化することを発表している(EPAレポート"PRELIMINARY RISK ASSESSMENT OF THE DEVELOP-MENTAL TOXICITY ASSOCIATED WITH EXPOSURE TO PERFLUOROOCTANOIC ACID AND ITS SALTS" (http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoara.pdf) 参照)。このようにEPAは、PFOAの生体内蓄積性を問題としている。
【0004】
一方、炭素数8未満の短鎖のパーフルオロアルキル、特に炭素数6以下のものはこの生体内蓄積性が低いと言われている。そこで、環境負荷を下げるために、短鎖のパーフルオロアルキル基を側鎖に有する含フッ素アクリレート重合体が求められている。しかしながら、短鎖のパーフルオロアルキル基で構成された含フッ素アクリレート重合体は、パーフルオロアルキル基のフッ素数の減少に伴って、結晶化度が低下し、結晶融点(Tm)を示さなくなり、充分な撥水撥油性が得られないという問題がある。
【0005】
炭素数6以下の含フッ素アクリレート重合体の撥水撥油性等の独特の性質をより高度に発現させるためには、側鎖フルオロアルキル基の配向性を高めるべく、主鎖もしくは側鎖の立体構造を精密に制御する必要がある。
【0006】
安田らは、希土類金属錯体触媒を用いて、パーフルオロアルキル基を側鎖に有する含フッ素(メタ)アクリレートを重合して、主鎖の立体規則性を制御した高いシンジオタクチシチィーを有する含フッ素重合体を得ている(特開平11−255829号公報)。岡らは、アニオン重合開始剤を用い、過剰量のアルキルアルミニウムの存在下にパーフルオロアルキル基を側鎖に有する含フッ素メタアクリレートを重合して、高いシンジオタクチシチィーを有する含フッ素重合体を得ている(特開2000−026539号公報)。勝川らは、アニオン重合開始剤を用いて、炭素数3〜7のパーフルオロアルキル基を有する含フッ素メタアクリレートを重合して、高いシンジオタクチシチィーを有する含フッ素重合体を得ている(特開2011−225837号公報)。しかしながら、これらの中では、高いシンジオタクチシチィーが撥水撥油性に優位であることを記載しているものの、高いイソタクチシチィーが撥水撥油性に与える効果に関しては何ら記載していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−255829号公報
【特許文献2】特開2000−026539号公報
【特許文献3】特開2011−225837号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】EPA OPPT FACT SHEET April 14, 2003(http://www.epa.gov/-opptintr/pfoa/pfoafacts.pdf)
【非特許文献2】EPAレポート"PRELIMINARY RISK ASSESSMENT OF THE DEVELOPMENTAL TOXICITY ASSOCIATED WITH EXPOSURE TO PERFLUORO-OCTANOIC ACID AND ITS SALTS" (http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoara.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、高い撥水撥油性および防汚性を発現する、高いイソタクチシチィーを有する重合体の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明が提供する重合体は、
一般式(1):
CH2=CH-COO-X-Rf (1)
(式中、Xは、二価の、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基もしくは環状脂肪族炭化水素基を表し、Rfは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を表す。)で表される単量体、もしくは、一般式(2):
CH2=C(CH3)-COO-R (2)
(式中、Rは、炭素数10〜30の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基を表す。)で表される単量体から誘導される繰り返し単位を有する重合体であって、その繰返し単位の主鎖の立体規則性が65%以上のイソタクチシチィーを有する重合体であり、優れた撥水性、撥油性および防汚性を示す。
【0011】
本発明は、優れた撥水撥油性および防汚性を発現する、高いイソタクチシチィーを有するアクリル酸エステル重合体、およびアニオン重合開始剤含有触媒を用いる上記重合体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明が提供する重合体は、高いイソタクチシチィーを有する重合体であって、優れた撥水性、撥油性および防汚性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の重合体は、
一般式(1)の単量体を含む(または、からなる)含フッ素重合体、
一般式(1)の単量体および一般式(2)の単量体を含む(または、からなる)含フッ素重合体、あるいは
一般式(2)の単量体を含む(または、からなる)非フッ素重合体
である。
一般式(1)の単量体および一般式(2)の単量体を含む含フッ素重合体において、一般式(1)の単量体と一般式(2)の単量体の重量比は、1:99〜99:1、例えば10:90〜90:10であってよい。
【0014】
本発明が提供する重合体は、
一般式(1):
CH2=CH-COO-X-Rf (1)
(式中、Xは、二価の、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基もしくは環状脂肪族炭化水素基を表し、Rfは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を表す。)で表される単量体、もしくは、一般式(2):
CH2=C(CH3)-COO-R (2)
(式中、Rは、炭素数10〜30の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基を表す。)で表される単量体から誘導される繰り返し単位を有する重合体であって、その繰返し単位の主鎖の立体規則性が65%以上、例えば、75%〜99.9%、特に85%〜95%または90%〜99%という高いイソタクチシチィーを有し得る。
【0015】
本発明の重合体が高いイソタクチシチィーを有することは、Rf基の炭素数が8以下、例えば7以下、特に6以下に低下することに伴う撥水撥油性の低下を補償する意味で重要な特徴点である。同一の炭素数のRf基またはR基を有する重合体同士で比較すれば、イソタクチシチィーが高いほど、重合体の側鎖Rf基または側鎖R基の結晶化が誘起され、その結果、被測定表面に整列したRf基またはR基の運動性が抑制されることによって動的接触角測定において後退接触角が高い値を呈し、撥水性または撥油性が向上し得る。事実、本発明の重合体が良好な撥水性または撥油性を示すことは、後述する実施例に開示されるとおりであり、その原因は、高いイソタクチシチィーに由来する。
【0016】
一般式(1)におけるRfで表わされるパーフルオロアルキ基の炭素数は1〜6であってよく、4または6が好ましい。特に、Rf基を有する単量体から誘導される含フッ素重合体の撥水撥油性に対して、Rfの炭素数が多いほど良好な撥水撥油性が得られるので、炭素数6のRfがより好ましい。
一般式(2)におけるRで表される直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基の炭素数は10〜30であってよく、16〜30が好ましい。特に、R基を有する単量体から誘導される繰り返し単位を有する重合体の撥水性に対して、R基の炭素数が多いほど良好な撥水性が得られる点、および側鎖R基の結晶化のし易さ、工業的な製造し易さを勘案すれば、炭素数18〜22の直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましい。脂肪族炭化水素基の例は、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルキレン基である。
【0017】
一般式(1)におけるXは、二価の、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基もしくは環状脂肪族炭化水素基を表わす。炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基を例示すれば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、2−メチルエチレン基、スチリル基、へキシレン基、オクチレン基などの直鎖状または分岐状のアルキレン基が挙げられる。炭素数6〜10の二価の芳香族炭化水素基としては、1,4−フェニレン基、1,4−ビスメチレンフェニレン基、1,4−ビスエチレンフェニレン基などが挙げられる。炭素数6〜10の環状脂肪族炭化水素基としては、1,4−シクロへキシレン基、1,4−ビスメチレンシクロへキシレン基、1,4−ビスエチレンシクロへキシレン基などが挙げられる。
【0018】
本発明の一般式(1)の単量体は、好ましくは、一般式(3):
CH2=CH-COO-(CH2)m-(CF2)n-F (3)
(式中、mは1〜10であり、nは1〜6である。)で表される単量体であってよい。一般式(3)の単量体の具体例としては、
CH2=CH-COO-CH2-(CF2)2F、
CH2=CH-COO-CH2-(CF2)4F、
CH2=CH-COO-CH2-(CF2)6F、
CH2=CH-COO-(CH2)2-(CF2)2F、
CH2=CH-COO-(CH2)2-(CF2)4F、
CH2=CH-COO-(CH2)2-(CF2)6F、
などが挙げられる。これらの中で、好ましくは、
CH2=CH-COO-CH2-(CF2)6F、
CH2=CH-COO-(CH2)2-(CF2)6F、
などが用いられる。
【0019】
本発明の一般式(2)の単量体は、好ましくは、一般式(4):
CH2=C(CH3)-COO-(CH2)y-H (4)
(式中、yは10〜30を表す。)で表される単量体であってよい。yは例えば12〜26、特に14〜24であってよい。一般式(4)で表される単量体の具体例としては、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニルなどが挙げられる。これらの中で、好ましくは、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニルなどが用いられる。
【0020】
本発明の重合体の結晶化度はイソタクチシチィーの増加に応じて高まる。結晶性の増加に応じて撥水撥油性も向上し得る。一般式(1)または(2)の単量体とこれと共重合し得る他の単量体との共重合体であっても、本発明の単量体の繰り返し単位の主鎖のイソタクチシチィーの増加に応じて撥水撥油性が向上する。
【0021】
本発明は、アニオン重合開始剤、例えばアニオン重合開始剤含有触媒の使用による高いイソタクチシチーを有する重合体の製造方法を提供する。アニオン重合開始剤としては、有機リチウム化合物、有機カリウム化合物およびグリニヤール試薬からなる群から選択された少なくとも1種の第一有機金属化合物を用いることができる。第一有機金属化合物は有機リチウム化合物であることが好ましい。
【0022】
本発明の触媒は、第一有機金属化合物(アニオン重合開始剤)に加えて、周期律表1族に属する金属から選ばれた少なくとも1種の金属の第二有機金属化合物を含んでよい。
【0023】
第一有機金属化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属を対カチオンとする公知のアニオン性開始剤を用いることができる。例えば、n-PrLi、i-PrLi、n-BuLi、sec-BuLi、t-BuLi、あるいは、t-AmLiのようなアルキルリチウム化合物、(CH3)2C(Li)COOCH3、(CH3)2C(Li)COOC2H5、(CH3)2C(Li)COO(CH2)2CH3、(CH3)2C(Li)COOCH(CH3)2 (以下、Li-i-PrIBと表す)、(CH3)2C(Li)COOC(CH3)3のようなα−リチオイソ酪酸エステル化合物、n-Pr-MgBr、i-Pr-MgBr、n-Bu-MgBr、sec-Bu-MgBr、t-Bu-MgBr、t-Am-MgBrのようなグリニャール化合物等が挙げられる。これらの内、好ましくは、i-PrLi、Li-i-PrIB、sec-BuLi、t-BuLi、t-AmLi、i-Pr-MgBr、sec-Bu-MgBr、t-Bu-MgBrおよびt-Am-MgBrが用いられてよく、特に好ましくは、t-BuLiおよびLi-i-PrIBを用いることができる。
【0024】
本発明で用いる第二有機金属化合物としては、公知の周期律表1族に属する金属を含む有機金属化合物を挙げることができる。例えば、Me3SiOLi, t-BuMe2SiOLi, Et3SiOLiのようなリチウムシラノレート、t−BuOLi, t-BuOKのような金属アルコキシドが挙げられる。
第一有機金属化合物の量は、単量体に対して、0.1〜10mol%、例えば、0.5〜5mol%であってよく、第二有機金属化合物の量は、第一有機金属化合物に対して、1モル当量以上、例えば、1〜50モル当量であってよい。
【0025】
重合法は一括仕込み法でも分割仕込み法でも連続仕込み法でもよい。特に2種以上の単量体を共重合する場合、いずれか1種以上の単量体を分割または連続して仕込み、重合することにより、均質な組成のブロック共重合体が得られる点で好ましい。
【0026】
本発明の重合体の分子量は、数平均分子量(Mn)で2,000〜1,000,000、好ましくは3,000〜500,000、さらに好ましくは、4,000〜300,000である。数平均分子量は、H−NMR測定により、開始末端由来のシグナル強度と、ポリマー主鎖または側鎖に由来のシグナル強度から、重合体中の単量体単位と末端基の比率を計算して求めた。
【0027】
本発明の含フッ素重合体の分子量分布は、2.5以下であってよく、具体的には、2.0以下、好ましくは、1.5以下、例えば、1.3以下の分子量分布を有してよい。
重合体の結晶性は、重合体の結晶部に由来する、X線回折測定におけるシャープな回折線ピークの本数や、熱特性測定における結晶融点および融解エンタルピーの値により評価した。即ち、回折線ピークの本数が多いことや、結晶融点および融解エンタルピーの値が高いことは、重合体の結晶性が高いことを表す。
【0028】
第一有機金属化合物と第二有機金属化合物を触媒として用いる場合、第二有機金属化合物の使用モル比は、アニオン重合開始剤(第一有機金属化合物)1モルに対して1モル以上であってよい。具体例を挙げるならば、例えばLi-iPrIBが1モルに対してMe3SiOLiが1モル以上であってよい。
【0029】
重合反応においては、単量体および得られる重合体が溶解し、かつ低い重合反応温度においても凍結しない溶媒を使用することが好ましい。溶媒としては、例えば、含フッ素溶媒単独、非フッ素溶媒単独、または含フッ素溶媒と非フッ素溶媒との混合溶媒を用いてよい。好ましい含フッ素溶媒としては、例えば、CFC-316(C4Cl4F6)、CFC-519(C6Cl5F9)、HFC−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、HCFC-225(C3HCl2F5)、ソルカン365mfc(C4H5F5)、バートレルXF(C5H2F10)、ゼオローラH(C5H3F7)等の含フッ素脂肪族類化合物、パーフルオロベンゼン、α,α,α-トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(m−XHF)等の含フッ素芳香族類化合物、パーフルオロブチルメチルエーテル、パーフルオロブチルエチルエーテル等の含フッ素エーテル類化合物が挙げられる。非フッ素溶媒としては、トルエン、キシレンの芳香族類化合物、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等の炭化水素系エーテル類化合物、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等の含塩素脂肪族類化合物が挙げられる。含フッ素重合体を調製する場合には、良好な重合反応および高いイソタクチシチィーの観点から、溶媒は含フッ素溶媒を含んでいることが好ましい。イソタクチシチィーが高くなるので、m−XHFまたはHCFC-225の単独溶媒、m−XHFとHCFC-225の混合溶媒、m−XHFおよび/またはHCFC-225とトルエンおよび/または塩化メチレンとの混合溶媒が好ましい。溶媒の量は、単量体100重量部に対して、1〜10000重量部、例えば10〜1000重量部であってよい。
【0030】
重合反応温度は、溶媒が凍結しない温度であり、通常、0℃以下、例えば、−80℃〜0℃の範囲であってよい。
【実施例】
【0031】
以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
以下において、部または%は、特記しない限り、重量部または重量%を表わす。
【0032】
重合体の分析および撥水撥油性の測定は以下のようにして行った。
【0033】
「数平均分子量」
含フッ素重合体の数平均分子量(Mn)の測定は、500MHzのH−NMR(Varian Unity INOVA500)または400MHzのH-NMR(JEOL ECS-400)にて、C6F6/C6D6=95/5の混合溶媒中で、70℃で行った。重合開始剤のi−Pr基のメチン基の4.2ppm付近のシグナル強度、ならびに主鎖CH2基由来の1.7〜2.6ppm付近のシグナル強度、または側鎖に存在するエステルCH2基に由来する4.5〜4.7ppm付近のシグナル強度から、重合体中の単量体単位と末端基の比率を計算して求めた。一方、非フッ素重合体の数平均分子量(Mn)の測定は、テトラヒドロフランを溶媒とし、SHOWA DENKO製のShodex GPC−104 (カラムLF604×2直列)を用いて測定した。尚、クロマトグラムは、標準ポリスチレンのサンプルを用いて校正した。
【0034】
「立体規則性」
ポリアクリレートの立体規則性の分析は、Matsuzakiら(J.Polym.Sci.,A-1,5,2167(1967))のポリアクリル酸メチルの分析法に従った。即ち、H-NMRにおいて、2ppm付近に現れる主鎖メチレンプロトンに基づく3本の吸収を利用し、低磁場と高磁場の吸収よりイソタクチックダイアド(m)を求めた。一方、ポリメタクリレートの立体規則性の分析法は、Nishioka (J. Polym. Sci., 45, 232(1960)、およびBovey (J. Polym. Sci., 44, 173 (1960) によって確立されているので、重合体の立体規則性は、その方法に従った。即ち、H−NMRにおいて、1ppm付近に現れるα−メチル基のプロトンに基づく3本の吸収を利用し、低磁場の吸収よりイソタクチックトリアド(mm)を求めた。
【0035】
「熱的特性」
重合体のガラス転移温度(Tg)、結晶融点(Tm)および融解エンタルピー(ΔH)は、熱分析計DSC(SEIKO-RDC220)にて、−50〜150℃の温度範囲で昇温スピード10℃/分で測定した。
【0036】
「静的接触角」
重合体の撥水撥油性の評価の1つである静的接触角は以下の様にして測定した。撥水性は水滴(表面張力γi=72mN/m)の静的接触角を、撥油性はn−ヘキサデカン液滴(表面張力γi=27mN/m)の静的接触角をそれぞれ測定して求めた。即ち、含フッ素重合体をHCFC−225あるいはHFE7300(1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−トリフルオロメチル−ペンタン)、または非フッ素重合体をトルエン溶媒中の1wt%溶液とし、スピンコート法(2000rpm)でガラス基板に塗布して、HCFC−225を用いた場合は75℃で3分間熱処理して、HFE−7300あるいはトルエンを用いた場合は48時間室温乾燥して製膜した。次に、協和界面科学(株)製の接触角計(商品名「CA−VP」)で接触角を測定した。測定環境はJISR3257に準じて、温度15〜20℃、相対湿度50〜70%とした。接触角の角度の大きい方が、撥水撥油性に優れている。
【0037】
「動的的接触角・転落角」
重合体の撥水撥油性評価の1つである動的接触角を以下の様にして測定した。撥水性は水滴(表面張力γi=72mN/m)の動的接触角を、撥油性はn−ヘキサデカン液滴(表面張力γi=27mN/m)の動的接触角をそれぞれ測定して求めた。動的接触角の詳細としては、前進接触角:θa(deg)、後退接触角:θr(deg)、および、転落角:α(deg)を測定して求めた。即ち、ガラス基板上に上記と同様の方法で重合体を製膜し、上記と同様に協和界面科学(株)製の接触角計(商品名「CA−VP」)で接触角を測定した。測定環境はJISR3257に準じて、温度15〜20℃、相対湿度50〜70%とした。θaとθrの差を表すヒステリシスおよび転落角の小さい方が、撥水撥油性に優れている。
【0038】
開始剤合成例:α−リチオイソ酪酸エステルの合成
Lochmann L.らの文献(J. Organomet. Chem. 1973, 50, 9.)に従い合成を行った。ジイソプロピルアミン2.80mL(20ミリモル)にn-ブチルリチウムを20ミリモル含むヘキサン溶液12.5mLを乾燥窒素下0℃で加え、1.5時間、0℃に保った。これにイソ酪酸イソプロピル25.6mL(20ミリモル)を室温で加えて、 1 時間保った後減圧濃縮をおこなった。ヘプタンで再結晶を行い、対応するリチウムエノレート(Li-i-P
rIB)の白色結晶を2.3g(収率85%)得た。
【0039】
実施例1
1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(m−XHF)10mL、含フッ素単量体2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート CH2=CH-COO-(CH2)2-(CF2)6F(以下「C6−SFA」と略す。)を4.18g(10ミリモル)をガラスアンプルに入れ、窒素下で−40℃に保った。次いで、リチウムエノレート(Li-i-PrIB)を0.2ミリモル含むベンゼン溶液0.424mLを添加して密封し、−40℃に24時間保って重合反応を行った。反応終了後に少量の塩酸酸性メタノールを添加して重合反応を停止し、反応液を大量のメタノール中に投入して重合体を沈殿させた。得られた沈殿を濾取、洗浄後、真空乾燥して本発明の含フッ素重合体を得た。得られた重合結果、および生成物の分析結果を表1に示す。
【0040】
実施例2
m−XHF10mL、Li-i-PrIBを0.2ミリモル含むベンゼン溶液0.245mL、リチウムトリメチルシラノレート(Me3SiOLi)を0.2ミリモル含むトルエン溶液0.237mLをガラスアンプルに入れ、窒素下で−40℃に保った。次いで、C6-SFAを4.18g(10ミリモル)を添加して密封し、−40℃に24時間保って重合反応を行った。重合反応停止と以後の手順は実施例1と同様に行い、本発明の含フッ素重合体を得た。得られた重合結果、および生成物の分析結果を表1に示す。
【0041】
実施例3
m−XHF10mLに代えてHCFC-22510mL、リチウムトリメチルシラノレート(Me3SiOLi)を5ミリモル用い、−78℃で重合を行ったこと以外は実施例2と同様の手順を用いた。得られた重合結果、および生成物の分析結果を表1に示す。
【0042】
参考例1
m−XHF10mLに代えてm−XHF7mLとトルエン3mL、エチルアルミニウム ビス-2,6-ジ- tert-ブチルフェノキシド(EtAl(ODBP)2)を0.6ミリモル用い、−78℃で72時間重合を行ったこと以外は実施例2と同様の手順を用いた。得られた重合結果、および生成物の分析結果を表1に示す。
【0043】
比較例1(ラジカル重合による「C8−SFA」単量体からの含フッ素重合体)
含フッ素単量体C6−SFAに代えて2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート CH2=CH-COO-(CH2)2-(CF2)8F(以下「C8−SFA」と略す。)5.18g(10ミリモル)を用いること、およびLi-i-PrIBに代えてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)32.8mg(0.2ミリモル)を用いること、および重合温度を60℃とすること以外は、実施例1と同じ手順を繰り返し、含フッ素重合体を得た。得られた重合結果、および生成物の分析結果を表1に示す。
【0044】
比較例2(ラジカル重合による「C6−SFA」単量体からの含フッ素重合体)
Li-i-PrIBに代えてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)32.8mg(0.2ミリモル)を用いること、および重合温度を60℃とすること以外は実施例1と同じ手順を繰り返し、含フッ素重合体を得た。得られた重合結果、および生成物の分析結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
(表中、含フッ素単量体;CH2=CHCOO-(CH2)2-(CF2)n-F、n=6:C6−SFA、n=8:C8−SFA。 m;イソタクチックダイアド。 n. d.: 観測されず。)
【0046】
表1から、本発明になる含フッ素重合体は、ラジカル重合で得られた重合体と比較して、任意にイソタクチシチィーを調整でき、且つ、高いイソタクチシチィーでは明確なTmを有し、イソタクチシチィーが高くなるほど融解エンタルピーが増大している。これは、イソタクチシチィーが由来して含フッ素重合体の結晶性が誘起したことを示唆している。
【0047】
「結晶性の測定(X線回折)」
実施例1および比較例2で得られた含フッ素重合体の粉末X線回折パターンを、理学電機(株)製RAD−rA型を用いて、40kV、50mAで単色CuKα線源による反射法にて測定した。得られた結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
(表中、n. d.: 観測されず。)
【0049】
表2から、比較例2のラジカル重合で得られた低いイソタクチシチィーの含フッ素重合体では、2θ=18deg付近に分子内のパーフルオロアルキル基間のパッキングに帰属される回析線のみが観測されたのに比べて、本発明の高いイソタクチシチィーを有する含フッ素重合体では、2θ=18deg付近の回折線に加えて2θ=4deg付近と7deg付近と10deg付近にラメラ構造に帰属される回析線も観測され、本発明の含フッ素重合体の結晶性が高いことを示している。
【0050】
実施例
リチウムエノレート(Li-i-PrIB)を0.2ミリモル含むベンゼン溶液0.353mL、リチウムトリメチルシラノレート(Me3SiOLi)を5ミリモル含むトルエン溶液4.63mL、トルエン20mLをガラスアンプルに入れ、窒素下で0℃に保った。次いで、単量体ステアリルメタアクリレート CH2=C(CH3)-COO-(CH2)18H(以下「StMA」と略す。)を3.39g(10ミリモル)添加して密封し、0℃に24時間保って重合反応を行った。反応終了後に少量の塩酸酸性メタノールを添加して重合反応を停止し、反応液を大量のメタノール中に投入して重合体を沈殿させた。得られた沈殿を濾取、洗浄後、真空乾燥して本発明の重合体を得た。得られた重合結果、および生成物の分析結果を表3に示す。
【0051】
比較例3(ラジカル重合による「StMA」単量体からの非フッ素重合体)
Li-i-PrIBに代えてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)32.8mg(0.2ミリモル)を用いること、および重合温度を60℃とすること以外は、実施例と同じ手順を繰り返し、非フッ素重合体を得た。得られた重合結果、および生成物の分析結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
(表中、非フッ素単量体StMA:CH2=C(CH3)COO-(CH2)18-H。 mm:イソタクチックトリアド。)
表2から、本発明の重合体は、ラジカル重合で得られた重合体と比較して、高いイソタクチシチィーであり、且つ、Tmが高くなっている。これは、イソタクチシチィーが由来して重合体の結晶性が誘起したことを示唆している。
【0053】
実施例
実施例1で得られた含フッ素重合体をHFE−7300溶媒中の1%溶液5mLとし、スピンコート法(2000rpm)でガラス基板に塗布後、48時間室温乾燥して製膜した。この塗膜の水に対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表4に、n−ヘキサデカンに対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表5に示す。
【0054】
実施例
実施例1で得られた含フッ素重合体に代えて実施例2で得られた含フッ素重合体を用いること以外は、実施例と同じ手順を繰り返して製膜した。この塗膜の水に対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表4に、n−ヘキサデカンに対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表5に示す。
【0055】
実施例
実施例1で得られた含フッ素重合体に代えて実施例3で得られた含フッ素重合体を用いること以外は、実施例と同じ手順を繰り返して製膜した。この塗膜の水に対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表4に、n−ヘキサデカンに対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表5に示す。
【0056】
参考例2
実施例1で得られた含フッ素重合体に代えて参考例1で得られた含フッ素重合体を用いること以外は、実施例と同じ手順を繰り返して製膜した。この塗膜の水に対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表4に、n−ヘキサデカンに対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表5に示す。
【0057】
比較例4
比較例1で得られた含フッ素重合体をHCFC−225溶媒中の1%溶液5mLとし、スピンコート法(2000rpm)でガラス基板に塗布後、75℃で3分間熱処理して製膜した。この塗膜の水に対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表4に、n−ヘキサデカンに対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表5に示す。
【0058】
比較例5
実施例1で得られた含フッ素重合体に代えて比較例2で得られた含フッ素重合体を用いること以外は、実施例と同じ手順を繰り返して製膜した。この塗膜の水に対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表4に、n−ヘキサデカンに対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表5に示す。
【0059】
【表4】
(表中、m:イソタクチックダイアド。>90:ガラス基板を90degに傾斜しても水滴が転落しなかったことを表す。n.d.:転落角が>90であったため評価できなかったことを表す。)
表4から、本発明の含フッ素重合体は、イソタクチシチィーが高くなるほど、水に対する転落角およびヒステリシスが低下する。即ち、高いイソタクチシチィーを有する本発明の含フッ素重合体は撥水性が優れていることが判る。
【0060】
【表5】
(表中、m:イソタクチックダイアド。>90:ガラス基板を90degに傾斜しても水滴が転落しなかったことを表す。n.d.:転落角が>90であったため評価できなかったことを表す。)
表5から、本発明の含フッ素重合体は、イソタクチシチィーが高くなるほど、油(n−ヘキサデカン)に対する転落角およびヒステリシスが低下する。即ち、高いイソタクチシチィーを有する本発明の含フッ素重合体は撥油性が優れていることが判る。
【0061】
実施例
実施例で得られた重合体をトルエン溶媒中の1%溶液5mLとし、スピンコート法(2000rpm)でガラス基板に塗布後、48時間室温乾燥して製膜した。この塗膜の水に対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表6に示す。
比較例6
実施例で得られた重合体に代えて比較例3で得られた重合体を用いること以外は、実施例と同じ手順を繰り返して製膜した。この塗膜の水に対する静的接触角、および動的接触角の測定結果を表6に示す。
【0062】
【表1】
(表中、mm:イソタクチックトリアド。)
表6から、本発明の重合体は、イソタクチシチィーが高くなるほど、水に対する転落角およびヒステリシスが低下する。即ち、高いイソタクチシチィーを有する本発明の重合体は撥水性が優れていることが判る。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明が提供する重合体は、環境に優しい炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、もしくは炭素数10〜30の脂肪族炭化水素基を側鎖に有し、高いイソタクチシチィーを有する重合体であって優れた撥水性または撥油性を有することから、紙、繊維、プラスチック、金属等用の表面処理剤、例えば、撥水剤、撥油剤、防汚加工剤として広範に利用できる。