【実施例】
【0019】
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0020】
[実施例1]
(実験詳細1)
O−GalNAc型糖鎖を有する糖ペプチドは既報に従い合成した。糖ペプチドの水溶液(4μg/mL、5μL)に45μLの水、50μLの0.6M NaOH、100μLの0.5M 3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン(PMP)のメタノール溶液または0.5M 1、3−ジメチル5−ピラゾロン(DP)の水溶液または0.5M 3−メチル−1−p−トリル−5−ピラゾロン(MTP)のメタノール溶液を加え、70℃で16時間静置した。反応後、0.3M塩酸で中和し、反応液を直接2、5−ジヒロド安息香酸(10mg/mL)と混合し、MALDI−TOF(/TOF)(UltraFlex II、ブルカー社)により解析を行った。
【0021】
(実験詳細2)
次に、そのO−GalNAc型糖鎖を有する糖ペプチドに、塩基性条件下に3種類の異なるピラゾロン誘導体を加え、70℃で16時間加熱、分解した。具体的には、O−GalNAc型糖鎖を有する糖ペプチドの水溶液(4μg/mL、5μL)に10μLの1M NaBH4(100mM NaOH溶液)、水5μLを添加し、50℃で15時間静置した(A)。糖ペプチドの水溶液(4μg/mL、5μL)に12μLの水および3.4μLのβ―エリミネーションリエージェントミックス(シグマ社)を加え、4℃または室温で24時間静置した(B、C)。糖ペプチドの水溶液(4μg/mL、5μL)に18μLのジメチルアミンを加え、50℃または70℃で16時間静置した(D、E)。糖ペプチドの水溶液(4μg/mL、5μL)に45μLの水、50μLの0.6M NaOH、100μLの0.5M 3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン(PMP)のメタノール溶液を加え、70℃で16時間静置した(F)。それぞれ反応後に中和し、Aは1%酢酸メタノール溶液を加え繰り返し乾固した。A−Eは、それぞれDowex50x8およびZipTipC18により糖鎖部分を精製し、2、5−ジヒロド安息香酸(10mg/mL)をマトリクスとして、MALDI−TOF(/TOF)(UltraFlex II、ブルカー社)により解析を行った。Fは実験詳細1に記載の方法で糖鎖の分析を行った。得られたマススペクトルの結果を
図1に示す。いずれも原料である糖ペプチドのシグナルが著しく低下し、新たに添加したピラゾロン誘導体によって標識されたペプチドおよび糖鎖のシグナルが出現した。想定される反応を
図2に示した。
【0022】
[実施例2]
既存の様々な方法により、O−GalNAc型糖鎖を有する糖ペプチドから糖鎖を遊離したときに得られる糖鎖のプロファイルを比較した。得られたマススペクトルの結果を
図3に示す。用いた糖ペプチドはシアリルTと呼ばれる3糖構造(Neu5Acα2−3Galβ1−3GalNAc)を主に持ち、微量のT抗原(Galβ1−3GalNAc)と呼ばれる2糖構造を含むことが分かっている。糖鎖の分解を防ぐために、還元剤(NaBH4)存在下にβ脱離と同時に糖鎖の還元末端を糖アルコールに還元するCarlson法で得られた糖鎖プロファイルを
図3Aに示す。シアリルTとT抗原のピークが認められ、分解物に相当するピークは微量しか存在しない。シグマ社から市販されているβエリミネーションキットを用い、推奨されている2種類の条件で糖鎖を遊離したときの結果を
図3B,Cに示した。また、ジメチルアミンを用いる方法(Anal.Chem.,2010,82,2421−2425)も2種類の条件で行った(
図3D,E)。いずれの場合も、ピーリング反応により生じた分解物が非常に大きな割合を占め、還元を施さない場合は著しく糖鎖プロファイルが損なわれる結果が得られた。還元を施さない場合には、糖鎖プロファイルが損なわれる傾向にあることは、最近のヒトプロテオーム機構の論文においても指摘されている(Mol.Cel.Proteomics、2010、9、719−727)。塩基性条件下にPMPを加えた場合、シアリルTがPMP標識体と微量のT抗原のPMP標識体のみが検出され、分解物のピークは全く検出されなかった(
図3F)。
【0023】
これらの結果から、塩基性条件下にO−結合型糖鎖をβ脱離によって遊離しても、ピラゾロン誘導体が存在すれば、速やかに糖鎖と反応して安定な標識体を与え、分解産物をほとんど与えないことが示された。
【0024】
[実施例3]
実施例1で得られたDP、PMP、MTPによりそれぞれ標識されたペプチドのTOF/TOFスペクトルをそれぞれ
図4、
図5、
図6に示した。いずれの場合も、良好にペプチド配列情報ならびに糖鎖の修飾位置情報を与えた。この結果から、β脱離反応にピラゾロン誘導体を添加することによって糖鎖、ペプチドともに構造、配列情報が良好に得られることが示された。
【0025】
[実施例4]
O−GalNAc型糖鎖を有する糖ペプチドに、塩基性条件下にピラゾロン誘導体(DP)とジチオトレイトール(DTT)を加え、70℃で16時間加熱した。具体的には、O−GalNAc型糖鎖を有する糖ペプチドの水溶液(4μg/mL、5μL)に5μLの0.6M NaOHを添加した。さらに、10μLの0.5M DTTまたは10μLの0.5M DPまたは5μLの0.5M DTT+5μLの0.5MDPを加え、70℃で16時間静置した。反応後、反応液をそれぞれ希釈し、DHBと混合し、MALDI−TOF(/TOF)(UltraFlex II、ブルカー社)により解析を行った。そのときのマススペクトルの結果を
図7に示す。糖鎖はDPを加えたときのみ標識された(
図7左上図)が、DTTを加えた場合には標識されなかった(
図7左中図)。DPとDTTの両者を加えた場合には、DP標識体のみが検出された(
図7左下図、
図8)。ペプチドはDTTを添加したときにはDTT誘導体が、DPを添加したときにはDP誘導体として検出された(
図7右上図及び中図)。DTTとDPを添加した場合には、DTTのみがペプチドと反応したもののみが検出され、DPが直接ペプチドに反応したものは検出されなかった(
図7右下図、
図8)。この結果から、糖鎖とペプチドはそれぞれ別々の試薬により選択的に標識することが可能であることが示された。
【0026】
[実施例5]
O−結合型糖鎖を持つことで知られるウシフェチュイン、ブタ胃ムチン及びヒトIgAに対し本発明で示すところの技術を用いて、O−結合型糖鎖のプロファイリングを行った。結果を
図9に示す。ウシフェチュインまたはブタ胃ムチンまたはヒトIgAをそれぞれ50μgとり、50μLの水、100μLの0.5M DP溶液、50μLの0.6M NaOHを添加し、70℃で16時間静置した。反応後に中和し、反応液の1/4量(50μL)をDowex50x8およびZipTipC18により糖鎖部分を精製し、一旦乾固した後にDHBに溶解し、MALDI−TOF(/TOF)(UltraFlex II、ブルカー社)により解析を行った。いずれの結果も過去に報告されている結果と定性、定量的に同等な結果であった。このことから、本発明が糖タンパク質のO−結合型糖鎖の解析に有用であることが示された。また、ウシフェチュインはO−結合型糖鎖とN−結合型糖鎖の両者を有することが知られているが、本法ではO−結合型糖鎖のみが検出され、N−結合型糖鎖は全く検出されなかった。この結果から、本発明技術はN−結合型糖鎖には作用せず、O−結合型糖鎖に高選択的に作用することが示された。
【0027】
[実施例6]
リン酸化修飾、O−GlcNAc型糖鎖修飾のそれぞれ有する2種類のペプチドに本発明技術を利用したときの結果のマススペクトルである(
図10)。 具体的にはウシβ−カゼインの由来のリン酸化糖ペプチド(FQpSEEQQQTEDELQDK)はANASPEC社から購入した。O−GlcNAc化ペプチド(TAPT(O−GlcNAc)STIAPG)はINVITROGEN社から購入した。リン酸化糖ペプチド50μg(5μL)に10μLの0.5M PMP、5μLの0.6M NaOHを加え、70℃で16時間静置した。O−GlcNAc化ペプチド5.6μg(10μL)に20μLの0.5M DP、10μLの0.6M NaOHを加え、70℃で16時間静置した。反応液を直接DHBと混合し、MALDI−TOFにより解析した。その結果、いずれも原料の修飾ペプチドが反応後に著しく低下し、ペプチドはそれぞれ添加したピラゾロン誘導体に高収率で変換された。この結果から、本法がO−GalNAc型糖鎖同様に、セリンやスレオニンのリン酸化、O−GlcNAc型糖鎖修飾に対しても同様に作用することが示された。
【0028】
[実施例7]
O−GalNAc型糖鎖を有する糖ペプチドの水溶液(4μg/mL、5μL)に5μLの0.6M NaOHを添加した。さらに、10μLの0.5M DTTまたは10μLの0.5M DPまたは5μLの0.5M DTT+5μLの0.5MDPを加え、70℃で16時間静置した。反応後、反応液をそれぞれ希釈し、DHBと混合し、MALDI−TOF(/TOF)(UltraFlex II、ブルカー社)により解析を行った。
【0029】
O−GalNAc型糖鎖を有する糖ペプチドの水溶液(4μg/mL、10μL)に20μLの0.45M NaOHを添加した。さらに、20μLの0.5M PMPまたは20μLの0.5M DTTまたは10μLの1.0M DTT+10μLの1.0MDPPMPを加え、85℃で16時間静置した。反応後、反応液をそれぞれ希釈し、DHBと混合し、MALDI−TOF(/TOF)(UltraFlex II、ブルカー社)により解析を行った。結果を
図11及び
図12に示す。
【0030】
図12はO−GlcNAc型糖鎖を有する糖ペプチドに、塩基性条件下にピラゾロン誘導体(DP)とジチオトレイトール(DTT)を加え、70℃で16時間加熱したときのマススペクトルである。糖鎖はDPを加えたときのみ標識されたが、DTTを加えた場合には標識されなかった。DPとDTTの両者を加えた場合には、DP標識体のみが検出された。ペプチドはDTTを添加したときにはDTT誘導体が、DPを添加したときにはDP誘導体として検出された(
図11、上段および中段)。DTTとDPを添加した場合には、DTTのみがペプチドと反応したもののみが検出され、DPが直接ペプチドに反応したものは検出されなかった(
図11、下段)。この結果から、糖鎖とペプチドはそれぞれ別々の試薬により選択的に標識することが可能であることが示された。
【0031】
[実施例8]
ウシフェチュインまたはブタ顎下腺ムチンをそれぞれ50μgとり、50μLの水、100μLの0.5M DP溶液、50μLの0.6M NaOHを添加し、70℃で16時間静置した。反応後に中和し、反応液の1/4量(50μL)をDowex50x8およびZipTipC18により糖鎖部分を精製し、一旦乾固した後にDHBに溶解し、MALDI−TOF(/TOF)(UltraFlex II、ブルカー社)により解析を行った。結果を
図13に示す。
【0032】
図13は、O−結合型糖鎖を有することが知られているウシフェチュイン及びブタ顎下腺ムチンについて、本法を用いて、O−結合型糖鎖のプロファイリングを行った結果である。いずれも過去に文献等で報告されている結果と定性、定量的に同等な結果が得られたことから、本法が糖タンパク質のO−結合型糖鎖の解析に有用であることが示された。また、ウシフェチュインはO−結合型糖鎖とN−結合型糖鎖の両者を有することが知られているが、本法ではO−結合型糖鎖のみが検出され、N−結合型糖鎖は全く検出されなかった。この結果から、本法はN−結合型糖鎖には作用せず、O−結合型糖鎖に高選択的に作用することが示された。
【0033】
[合成例]
図14は、新規ピラゾロン試薬により標識された糖鎖のマススペクトルである。ピラゾロン骨格を有する試薬を用いた場合、monoもしくはbis誘導体化される事が確認された。
図15、
図16および
図17は新規ピラゾロン試薬の合成スキームである。
【0034】
(合成例1)
1mMのグルコース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルラクトサミンおよびキトテトラオースの混合物10μLに20μLの0.45M NaOHを添加した。さらに、20μLの0.5M 合成ピラゾロン試薬(化合物5もしくは10もしくは14)を加え、85℃で2時間静置した。反応後、反応液をそれぞれ希釈し、DHBと混合し、MALDI−TOF(/TOF)(UltraFlex II、ブルカー社)により解析を行った。
【0035】
(合成例2)
3−ヒドラジノ安息香酸(592mg、3.9mmol)をジメチルフォルムアミド10mLに溶解し、二炭酸ジ−t−ブチル(854mg、3.9mmol)加え室温で16時間反応した。反応液を酢酸エチルで抽出し、10mM塩酸および水で洗浄した。抽出液を濃縮し、目的物であるBoc−3−ヒドラジノ安息香酸(980mg、100%)を得た。
【0036】
Boc−3−ヒドラジノ安息香酸(491mg、1.95mmol)をメタノール5mLに溶解し、WSC(560mg、2.93mmol)を加えた(溶液1)。溶液2)メチルアルギニン2塩酸塩(509mg、1.95mmol)を水2mLに溶解し、トリエチルアミン(395mg、3.9mmol)を加えた溶液を溶液1に加え、室温で16時間反応した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロフォルム:メタノール、9:1→5:1)で分離し、目的物であるBoc−3−ヒドラジノベンゾイルアルギニンメチルエステル(406mg、49%)を得た。MALDI−TOF−MSによる解析により、目的物の[M+H]+イオンをm/z:423.4に観測した。
【0037】
Boc−3−ヒドラジノベンゾイルアルギニンメチルエステル(386mg、0.91mmol)にトリフルオロ酢酸4mL加え、室温で1時間反応した後溶媒を濃縮し目的物である3−ヒドラジノベンゾイルアルギニンメチルエステルを定量的に得た。MALDI−TOF−MSによる解析により、目的物の[M+H]+イオンをm/z:323.2に観測した。
【0038】
3−ヒドラジノベンゾイルアルギニンメチルエステル(29mg、0.09mmol)をエタノール1mLに溶解し、1Mアセト酢酸エチルのエタノール溶液(80μL、0.08mmol)さらに酢酸200μL加え65℃で30分反応した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロフォルム:メタノール、9:1→5:1)で分離し、最終目的物である3−アルギニン付加ピラゾロン(21.7mg、70%)を得た。MALDI−TOF−MSによる解析により、目的物の[M+H]+イオンをm/z:389.2に観測した。
【0039】
(合成例3)
4−ヒドラジノ安息香酸(1.52g、10mmol)をジメチルフォルムアミド10mLに溶解し、二炭酸ジ−t−ブチル(2.18g、10mmol)加え65℃で1時間反応した。反応液を酢酸エチルで抽出し、10mM塩酸および水で洗浄した。抽出液を濃縮し、目的物であるBoc−4−ヒドラジノ安息香酸を得た。
【0040】
Boc−4−ヒドラジノ安息香酸(252mg、1.00mmol)をメタノール10mLに溶解し、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(295mg、1.00mmol)を加えた(溶液1)。溶液2)メチルアルギニン2塩酸塩(261mg、1.00mmol)を水2mLに溶解し、トリエチルアミン(100μL、1.00mmol)を加えた溶液を溶液1に加え、室温で2時間反応した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロフォルム:メタノール、9:1→5:1)で分離し、目的物であるBoc−3−ヒドラジノベンゾイルアルギニンメチルエステル(417mg、99%)を得た。MALDI−TOF−MSによる解析により、目的物の[M+H]+イオンをm/z:423.3に観測した。
【0041】
Boc−4−ヒドラジノベンゾイルアルギニンメチルエステル(417mg、0.99mmol)にトリフルオロ酢酸4mL加え、室温で30分反応した後溶媒を濃縮し目的物である4−ヒドラジノベンゾイルアルギニンメチルエステルを定量的に得た。MALDI−TOF−MSによる解析により、目的物の[M+H]+イオンをm/z:323.2に観測した。
【0042】
4−ヒドラジノベンゾイルアルギニンメチルエステル(159mg、0.49mmol)をエタノール5mLに溶解し、1Mアセト酢酸エチルのエタノール溶液(450μL、0.45mmol)さらに酢酸1000μL加え65℃で30分反応した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロフォルム:メタノール、9:1→5:1)で分離し、最終目的物である4−アルギニン付加ピラゾロン(175mg、92%)を得た。MALDI−TOF−MSによる解析により、目的物の[M+H]+イオンをm/z:389.2に観測した。
【0043】
(合成例4)
Boc−4−ヒドラジノ安息香酸(117mg、0.46mmol)をメタノール5mLに溶解し、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(137mg、0.47mmol)を加えた。ジメチルスルフォキシド5mLに溶解したビオチンヒドラジド(1)(100mg、0.39mmol)を加えた室温で16時間反応した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロフォルム:メタノール、9:1→5:1)で分離し、目的物であるN−(Boc−4−ヒドラジノベンゾイル)−ビオチンヒドラジド(2)(120mg、63%)を得た。MALDI−TOF−MSによる解析により、目的物の[M+Na]+イオンをm/z:515.4に観測した。
【0044】
N−(Boc−4−ヒドラジノベンゾイル)−ビオチンヒドラジド(2)(120mg、0.24mmol)にトリフルオロ酢酸4mL加え、室温で30分反応した後溶媒を濃縮し目的物であるN−(4−ヒドラジノベンゾイル)−ビオチンヒドラジド(3)を定量的に得た。MALDI−TOF−MSによる解析により、目的物の[M+Na]+イオンをm/z:415.2に観測した。
【0045】
N−(4−ヒドラジノベンゾイル)−ビオチンヒドラジド(3)(39mg、0.1mmol)をエタノール1mLに溶解し、1Mアセト酢酸エチルのエタノール溶液(90μL、0.09mmol)さらに酢酸200μL加え65℃で30分反応した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロフォルム:メタノール、9:1→5:1)で分離し、最終目的物であるビオチン付加ピラゾロン(4)(38mg、92%)を得た。MALDI−TOF−MSによる解析により、目的物の[M+H]+イオンをm/z:459.4に観測した。