(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
焦点深度(DOF)が重要な問題であることは、半導体製造の当業技術では公知である。フクダ(日立製作所中央研究所)は、1989年に露光を2段階の焦点位置を用いて行うFLEX(焦点自由度強化露光)を用いてDOFを上げる方法を提案した。これは、1989年9月26日にフクダ他に付与された「パターン形成方法とパターン形成を実行するための投影アライナ」という名称の米国特許第4,869,999号(’フクダI’)に説明されており、その明細書はまた、以下のように説明している:
本発明者の調査により、光軸上の異なる位置に像点を有する複数の光ビームを重ね合わせることにより、露光光学システムの有効焦点深度を上げることができ、従って、基板表面のトポグラフィの上部と底部の間の領域に正確にマスクパターンの画像を形成することができることが見出された。「像点」という用語は、露光光学システムに対するマスクパターンの共役平面上の点を意味する。従って、マスクを通過する露出光にレジスト層で被覆した基板を露光させる「露光」作業をレジスト層とマスクパターンの画像平面との間で光軸の方向に異なる位置関係で複数回行った時、「又は」異なる位置関係での露光作業を同時に行った時に、基板表面のトポグラフィの上部と底部ばかりでなく、トポグラフィの上部と底部の間の中間位置でも、正確にマスクパターンの画像を形成することができる。従って、トポロジー全体にわたって細かいパターンを正確に形成することができる。(3段、33から54行、強調を追加)
【0003】
フクダIはまた、以下のように説明している:
更に、本発明の実施形態では、マスクパターンの像平面は、光軸の方向に基板を変位させることにより、基板内(又は、基板の上)の2つの異なる位置に形成された。代替的に、マスクパターンを有する焦点板を光軸の方向に移動させるか、空気と屈折率が異なる透明材料を露光光学システムに導入するか、露光光学システムの全体又は一部分において大気圧を変えるか、多重焦点を有するレンズを使用するか、異なる平面にマスクパターンの像平面を形成する複数の露光光学システムからの光ビームを重ね合わせるか、又は異なる波長又は連続波長を同じ露光光学システムで使用することにより、マスクパターンの像平面を異なる位置に形成してもよい。(6段、37から53行、強調を追加)
また、例えばニコンが販売するシステムでは、例えば、ステッパが2つの焦点面の間で連続的なステージ運動を可能にするように提案されている。
【0004】
1990年6月26日にフクダ他に付与された「投影アライナ及び露光法」という名称の米国特許第4,937,619号(’フクダII’)においては、別々のレーザビームが生成されて光学的に結合されて、リソグラフィツール内の焦点板に同時に到達する複数の異なる波長を有する単一ビームを生成するシステムが提案されている。フクダIIはまた、以下のように説明している:
図5は、本発明の第3の実施形態の構成図である。
図5に示す実施形態は、反射ミラー31と、エタロン32と、エキシマレーザガス空洞32と、出力ミラー34と、ミラー35と、エタロン角制御回路36と、レーザ発振制御回路37と、露光波長制御回路38と、照明光学システム14と、焦点板15と、映写レンズ16と、基板ステージ17と、投影アライナに必要とされる様々な要素とを含む。
【0005】
エタロン32は、反射ミラー31と、エキシマレーザガス空洞33と、出力ミラー34とで構成されたエキシマレーザ共振器によって発振されたレーザビームの帯域幅を狭くし、エタロン32の角度を精密に調節することにより、帯域幅が狭くされた光の中心波長を変える。波長制御回路38は、エタロンの感度を所定の値に設定する指令をエタロン角制御回路36に送り、そのエタロン角が得られるように所定の数の露光パルスでレーザ発振を引き起こす指令をレーザ発振制御回路37に送る。露光波長制御回路38は、上述の機能を用いて基板上に位置する1つの露光領域の露光中にエタロン32の設定角度を変えることができ、かつ複数の異なる波長を有する光を用いて投射露光を行うことができる。映写レンズ16は、上述の複数の波長の各々に対して同一光軸上の異なる位置に焦点板15上のパターンを集束させるので、本発明の投影アライナを使用することによって焦点自由度強化露光を行うことができる。
【0006】
エタロン32と波長制御手段は、
図5に示すように反射ミラー31とレーザ共振器33の間に配置するのではなく、例えば、出力ミラー34とレーザガス空洞33の間又は出力ミラー34と照明光学システム14の間に配置してもよい。更に、上述の線狭化及び波長変更は、このエタロン角変更法に限定されるものではない。
本発明の実施形態は、使用するエキシマレーザが1つだけであるために経済的に有利である。更に、帯域幅狭化によって引き起こされるレーザ出力の低下は、帯域幅狭化装置が反射ミラーと出力ミラーの間に配置されるので、小さな値に限定することができる。
本発明の投影アライナを使用することにより、細かいパターンの焦点深度が第1の実施形態と同様に増大したことが確認された。
【0007】
1994年4月12日にYanに付与された「リソグラフィにおいて焦点自由度を強化する方法及び装置」という名称の米国特許第5,303,002号においては、別々に生成されたレーザビームを結合して複数の波長を有する単一ビームを焦点板で得ることも提案されている。また、Yanは、単一レーザシステムからの3つの出力ビームの生成も提案しているが、提案された実施形態は、実行可能なものではない。
【0008】
上述の本出願人の譲受人に譲渡された以前の出願においては、例えば、複数の個別のスペクトルを有効に含むレーザシステムによって出力されたパルスバースト内の一連のパルスにわたって見かけのスペクトルを生成する波長及び帯域幅同調機構を使用する「スペクトル処理」が提案されている。’294特許及び’925出願は、以下のように示唆している:
高速応答同調機構を次に使用して、パルスバースト内のレーザパルスの中心波長を調節し、パルスバーストに対して、望ましいレーザスペクトルを近似する統合パルスを達成する。フォトレジストフィルム内のパターン解像度を改善するために、少なくとも2つのスペクトルピークを有する有効ビームスペクトルを生成するようにレーザビーム帯域幅を制御する。...好ましい実施形態では、波長同調ミラーは、レーザの繰返し数と同位相で毎秒500ディザよりも大きいディザ速度でディザ処理される。...別の実施形態では、一連のレーザパルスについて2つのピークを有する望ましい平均スペクトルを生成するために、最大変位は、1対1ベースでレーザパルスに合わせられる。他の好ましい実施形態は、3つの別々のピークを有するスペクトルを生成する3つの別々の波長同調位置を利用する。(要約)
【0009】
先に参照した’294特許及び/又は’925公開出願の明細書はまた、
図2A、
図2B、
図2C1から
図2C3、
図2D1から
図23、
図2E、
図2F、
図2G1から
図2G3、
図2Hlから
図2H3、
図10A、
図10B、
図10C、
図10D、
図10E、
図10F、
図10G、
図10H、及び
図10Iについても説明しており、これらの説明は、これによって引用により組み込むものとする。この明細書はまた、公開時の’925出願の段落を参照すると、以下のように具体的に説明している:
[0008]FLEX(「焦点自由度強化露光」の略)と呼ぶリソグラフィ技術は、異なる焦点設定で同じフィールドの複数の露光パスを利用することによって焦点深度を改善するものであることがこれまでに示されている(シミュレーション及び実験を通じて)。この技術はまた、フォトレジストフィルムの物理的厚みが区分的焦点設定で複数のパスで露出されるので、一般的に焦点ドリリングと呼ばれる。フォトレジスト内の画像は、複数の露光パスの合成で形成される。
[0009]ステップと走査の両方、並びにステップと繰返し露光実施を伴うこのFLEX処理からいくつかの問題が生じる。多重パス露光は、付加的な重なり(画像配置)誤差と画像ぼけをもたらす。これは、複数の露光には複数の撮像パスが必要であるので、処理自由度、焦点反復性、並びにウェーハ収量に関して更に別の意味合いを有する。
【0010】
広いレーザスペクトルは、コントラストを犠牲にしてDOFをある程度改善することができる。スキャナステージのZ軸焦点制御を用いたFLEXと、後で光学的に結合される異なる中心波長でレーザ出力光の別々の光源を使用するフクダIIとYanによって提案された実施形態とは、時間的に分離されるかどうかに関わらず、別々の像平面に集束した2つの画像を生成することができる。スキャナ光学器械を通じてウェーハに同時に到達する光を使用すると、例えば、POレンズ(250から450nm/pm)の縦方向色収差を利用することによってFLEXの最初の二重焦点面の概念を再現することができる。
【0011】
帯域幅効果のマグニチュードは、レンズNA、レンズ色収差、形態サイズ及び種類のような多くの要因に依存することになる。
帯域幅の効果は、焦点ぼけ、レンズ収差、部分的干渉のような変動の他の原因と類似のものであると考えられる。波長が短いほど結果が厳しいものになり、例えば、193nmレンズは、一般的に248nmレンズよりも色収差が高く、かつ波長に対する他の収差の感度が高い。また、孤立した線と密度の濃い線は、影響の受け方が異なり、孤立した線では、ある程度の利点があるが、濃い線の場合は、改善は殆どないと判断されている。DOF改善の利点は、ある一定の種類の撮像、例えばコンタクトホール撮像に最適であるように思われる。
ある一定の他のリソグラフィパラメータも影響を受ける恐れがあり、例えば、線量は、このRELAX技術の場合には、若干高めでなければならないと考えられる。光学的近接効果、線形性、及びマスク誤差係数、ライン端部短縮、及び恐らく他のパラメータも影響を受けると思われる。レンズ性能に及ぼす影響、例えば、歪/変位及び収差を判断する必要がある場合がある。
【0012】
1998年11月10日にワダ他に付与された「波長同調可能レーザにおける波長選択方法と波長同調可能レーザにおける波長選択可能レーザ発振器」という名称の米国特許第5,835,512号は、レーザ発振器が共振する波長を選択するための音響光学的波長選択装置を開示しており、その開示内容は、これによって引用により組み込むものとする。2000年1月18日にChangに付与された「偏光非依存音響光学的同調可能フィルタ」という名称の米国特許第6,016,216号では、波長分割多重化のために利用される音響光学フィルタが開示されており、その開示内容は、これによって引用により組み込むものとする。2002年6月11にLean他に付与された「偏光非依存同調可能音響光学フィルタ及びその方法」という名称の米国特許第6,404,536号は、1つのビームをフィルタからの影響なしに通し、別のビームをフィルタによって同調して通すために利用される音響光学フィルタを開示している。
【0013】
ある一定の材料には、材料に対する何らかの外部シミュレーション、例えば、音響シミュレーション(音響光学的)、電気的シミュレーション(電気光学的)、又は更には磁気(磁気光学的)の関数である光の相互作用があることが公知である。例えば、音響光学的装置、例えば、非線形結晶においては、例えば、開示内容が本明細書において引用により組み込まれている、P.Kerkoc他著「音響光学器械における用途のための分子結晶」、Phys.A:Math.Ge.32、No20(1999年5月21日)に説明されているように、例えば、音響的摂動媒質による光の回折の変化において、音と光の相互作用に関連する効果が発生する。Kerocに説明されているように、音波が媒質内を伝播する時には、付随の歪場がある。歪から生じる屈折率のこの変化は、光弾性効果として公知である。音波によって誘発された歪場は、位置の周期的関数であるから、媒質屈折率の摂動も周期的なものであり、変調歪場と光波の間の結合をもたらす。このようにして、あらゆる透明材料は、例えば、光学的位相格子として作用させることができる。光弾性効果は、線形電気光学効果とは異なり、物質の全ての状態に、及び特に、全ての対称類に属する結晶性物質に発生する。音響光学効果に基づく装置は、電気光学変調器に必要とされるキロボルト又はその程度に対して僅か数ボルトで作動する。しかし、有用な音響光学材料の範囲は、性能指数が低いか又は超音波の減衰が強いために限られている。現在は、例えば、TeO2、LiNbO
3、GaAs、GaP、及びPbMoO
4材料が、音響光学装置として使用されており、一部の高極性分子結晶、例えば、3−メチル−4−ニトロピリジン−1−酸化物水晶(POM)が、音響光学特性を得るために使用されている。例えば、単結晶のMgF
2、KDP、SiO
2、PWO、CaMoO
4、Ge、Siなどを含む他の結晶も、本発明の態様による用途に有効であることを示すことができる。更に、非線形光学有機結晶、例えば、強い電気光学応答と圧電応答の両方を示すことができる2−α−(メチルベンジルアミノ)−5−ニトロピリジン(MBANP)は、本出願で提案するような音響光学用途に有用であると考えられる。
この効果は、「ラマン−ナス」セル又は「ブラッグ」セルで利用することができる。
【0014】
例えば、所定の仕様について系統的に取得することができる装置パラメータと共に、バルク音響光学変調器(時間的変調)及びビーム偏向器(空間的変調)の設計及び製造が、E.Young他著「音響光学器械、偏向器、光変調、変調器、帯域幅、デザイン解析、製造、インピーダンス整合、光ビーム、波相互作用」、IEEE、会報、第69巻、1981年1月、54から64頁に説明されており、その開示内容は、本明細書において引用により組み込まれている。Youngは、変調帯域幅、収量効率、及び分解可能要素の数、及び例えば数百メガヘルツまででの装置の励起、及びその効果を説明している。また、Youngは、圧電変換器と音響光学相互作用媒質の間の例えば中間金属層に敏感になる音響変換器応答について説明している。同じくそこで説明しているのは、例えば、性能要件及び伝播損失に基づく材料選択の判断基準である。高性能装置の製造及び特定の装置パラメータに関する実際的な配慮についても説明されている。
【0015】
中心波長を選択して、回折格子線狭化要素に衝突する空洞間の光の入射角を変えることによって中心波長付近の帯域幅を狭くすることは、高電力ガス放電エキシマ(ArF又はKrF)又は分子フッ素レーザシステムの当業技術で公知である。例えば、開示内容が本明細書において引用により組み込まれている米国特許第6,532,247号の
図8に対応し、かつ同じく開示内容が本明細書において引用により組み込まれている1992年12月10日にFomenkov他に付与された「高速変形可能回折格子を有するスマートレーザ」という名称の米国特許第6,493,374号の
図11Aと
図11Bにも全体的に対応する
図5Aに部分的に概略的に示すように、望ましい公称中心波長、例えばArFエキシマレーザシステムの場合では約192に対する本質的に最大に反射するミラーを含む同調ミラー14を、更に、’247及び’374特許開示内容に説明されているように、ミラーマウント85(’374特許では14A)に装着することができる。
図5Aに示すようなミラー14は、一般的に、
図5Aに示す端部からミラー14の縦方向の広がりのほぼ反対端に向かってピボット回転軸線(図示せず)周りにピボット回転されることが理解されるであろう。
本出願の出願人は、上述の種類のガス放電レーザシステムにおいて一方ではDOFの強化を可能にし、かつ例えばパルス単位の波長の修正の必要性に対するより機敏な応答も可能にするRELAXを実行する改良型方法及び装置を提案する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態の態様による中心波長をシフトするビーム偏向システムの概略図である。
【
図2A】本発明の実施形態の態様を理解する際に有用である約0.35pmのFWHM帯域幅を有する線狭化KrF光源を使用する最新0.6NAステッパ型リソグラフィに関する中心線波長に対する焦点の変動と、同じく本発明の実施形態の態様を理解する際に有用である正規化強度と中心線波長からの振れとしてプロットしたレーザスペクトルのプロットを示す図である。
【
図2B】SRELAX(λ)が、SRELAX(λ)=S(λ)+S(λ−2pm)として表すことができる、スペクトルが単一モード(公称)スペクトル(帯域幅:FWHM=0.45pm、E95%=1.86pm)と、本発明の実施形態の態様を理解する際に有用である例えば波長が4pmずれたそのコピーとの和によって生成されるシミュレーション入力として使用される二重モードスペクトルを示す図である。
【
図2C1】例えばFLEX照明法を用いた単色ビームとFWHM帯域幅0.45pm及び95%積分帯域幅1.86pmの単一ピークスペクトルとの同様のシミュレーションと比較した二重ピークRELAX技術のシミュレーションの結果を示す図である。
【
図2C2】例えばFLEX照明法を用いた単色ビームとFWHM帯域幅0.45pm及び95%積分帯域幅1.86pmの単一ピークスペクトルとの同様のシミュレーションと比較した二重ピークRELAX技術のシミュレーションの結果を示す図である。
【
図2C3】例えばFLEX照明法を用いた単色ビームとFWHM帯域幅0.45pm及び95%積分帯域幅1.86pmの単一ピークスペクトルとの同様のシミュレーションと比較した二重ピークRELAX技術のシミュレーションの結果を示す図である。
【
図2D1】露光自由度(すなわち、臨界寸法を目標値から10%よりも大きく変動させることなく、線量を変えることができる割合)が例えば200nmの目標幅を有する正孔の深さの関数である、本発明の実施形態の態様を示す際に有用である
図2C1のプロットに使用されたのと同じデータから作られたグラフである。
【
図2D2】露光自由度(すなわち、臨界寸法を目標値から10%よりも大きく変動させることなく、線量を変えることができる割合)が例えば200nmの目標幅を有する正孔の深さの関数である、本発明の実施形態の態様を示す際に有用である
図2C2のプロットに使用されたのと同じデータから作られたグラフである。
【
図2D3】露光自由度(すなわち、臨界寸法を目標値から10%よりも大きく変動させることなく、線量を変えることができる割合)が例えば200nmの目標幅を有する正孔の深さの関数である、本発明の実施形態の態様を示す際に有用である
図2C3のプロットに使用されたのと同じデータから作られたグラフである。
【
図2E】各パルスをパルス単位で例えば従来技術の位置から段階的に4.0pmの±幅で、すなわち、中心波長付近で±2pmで調節するように波長を制御するために圧電ドライバを部分的に使用したRELAXのパルス単位の中心波長変化に基づく模擬性能を示す図である。
【
図2F】各パルスをパルス単位で例えば従来技術の位置から段階的に4.0pmの±幅で、すなわち、中心波長付近で±2pmで調節するように波長を制御するために圧電ドライバを部分的に使用したRELAXのパルス単位の中心波長変化に基づく模擬性能を示す図である。
【
図2G1】所定のパラメータの最大の改善をもたらすことになるリソグラフィシミュレーションを用いて最適スペクトル形状を判断することにより、例えばスペクトル処理の背景にある基本的概念を示す本発明の実施形態の態様を理解する際に有用なシミュレーションを示す図である。
【
図2G2】所定のパラメータの最大の改善をもたらすことになるリソグラフィシミュレーションを用いて最適スペクトル形状を判断することにより、例えばスペクトル処理の背景にある基本的概念を示す本発明の実施形態の態様を理解する際に有用なシミュレーションを示す図である。
【
図2G3】所定のパラメータの最大の改善をもたらすことになるリソグラフィシミュレーションを用いて最適スペクトル形状を判断することにより、例えばスペクトル処理の背景にある基本的概念を示す本発明の実施形態の態様を理解する際に有用なシミュレーションを示す図である。
【
図2H1】例えば2つの二重ピークスペクトル(2pmと4pmの分離)を示す本発明の実施形態の態様を示す際に有用なシミュレーションを示す図である。
【
図2H2】例えば2つの二重ピークスペクトル(2pmと4pmの分離)を示す本発明の実施形態の態様を示す際に有用なシミュレーションを示す図である。
【
図2H3】例えば2つの二重ピークスペクトル(2pmと4pmの分離)を示す本発明の実施形態の態様を示す際に有用なシミュレーションを示す図である。
【
図3】本発明の実施形態の態様による例えば1つのパルスから次のパルスまでの例えばビーム偏向器としての「ブラッグ」セルの作動の概略図である。
【
図4】本発明の実施形態の態様による「ブラッグ」セルビーム偏向器の概略図である。
【
図5】例えばパルス間又は単一パルス内での調節のために本発明の実施形態の態様の実施に有用な従来技術の同調ミラー及びそのマウントを示す図である。
【
図5A】例えばパルス間又は単一パルス内での調節のために本発明の実施形態の態様の実施に有用な従来技術の同調ミラー及びそのマウントを示す図である。
【
図6】本発明の実施形態の態様による中心波長をシフトするビーム偏向システムの概略図である。
【
図7a】ビームの垂直方向部分(上部と底部)を分離させて別々の中心波長を作り出す本発明の実施形態の態様の概略図である。
【
図7b】ビームの垂直方向部分(上部と底部)を分離させて別々の中心波長を作り出す本発明の実施形態の態様の概略図である。
【
図7c】ビームの垂直方向部分(上部と底部)を分離させて別々の中心波長を作り出す本発明の実施形態の態様の概略図である。
【
図7d】ビームの垂直部分(上部と底部)を分離させて別々の中心波長を作り出す本発明の実施形態の態様の概略図である。
【
図8a】ビームの水平部分(右と左)を分離させて別々の中心波長を作り出す本発明の実施形態の態様の概略図である。
【
図8b】ビームの水平部分(右と左)を分離させて別々の中心波長を作り出す本発明の実施形態の態様の概略図である。
【
図8c】ビームの水平部分(右と左)を分離させて別々の中心波長を作り出す本発明の実施形態の態様の概略図である。
【
図9】ビーム内で空間的に分離される2つの別々の波面をビーム内に形成する分割同調ミラー(Rmax)に入射する例えばビーム拡大器からの単一波面の分割の概略図である。
【
図10A】本発明の実施形態の可能な実施例を示す例えばパルス間同調ミラーを制御する本発明の実施形態の態様を例示するシミュレーションを示す、約3.3pmのFWHMを有する望ましいガウススペクトルと、0.8pmのFWHMを有するパルスの30パルスウィンドウに対する模擬当て嵌めとを示す図である。
【
図10B】本発明の実施形態の可能な実施例を示す例えばパルス間同調ミラーを制御する本発明の実施形態の態様を例示するシミュレーションを示す、ウィンドウ内のパルスの例示的な提案シーケンスを示す図である。
【
図10C】本発明の実施形態の可能な実施例を示す例えばパルス間同調ミラーを制御する本発明の実施形態の態様を例示するシミュレーションを示す、
図10Bにおけるような滑らかな波長シーケンスと不規則シーケンスの周波数成分の模擬比較を示す図である。
【
図10D】本発明の実施形態の可能な実施例を示す例えばパルス間同調ミラーを制御する本発明の実施形態の態様を例示するシミュレーションを示す、133Hz正弦パターンを示す図である。
【
図10E】本発明の実施形態の可能な実施例を示す例えばパルス間同調ミラーを制御する本発明の実施形態の態様を例示するシミュレーションを示す、30パルスウィンドウを示す図である。
【
図10F】本発明の実施形態の可能な実施例を示す例えばパルス間同調ミラーを制御する本発明の実施形態の態様を例示するシミュレーションを示す、平頂スペクトルを生成する方法を示す図である。
【
図10G】本発明の実施形態の可能な実施例を示す例えばパルス間同調ミラーを制御する本発明の実施形態の態様を例示するシミュレーションを示す、平頂スペクトルを生成する方法を示す図である。
【
図11】例えばピーク強度の変動による本発明の実施形態の態様による単一ビームにおける2つのピークの模擬生成の図である。
【
図12】本発明の代替的な実施形態の態様を示す概略図である。
【
図13】本発明の代替的な実施形態の態様を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本出願人は、本発明の実施形態の態様に従って例えばDOFを強化する複数のピークスペクトルを提供するこれまで提案されている方法に対する改善策であるレーザ光源出力を提供するいくつかの代替的な改善を提案する。本発明の実施形態の態様によれば、まず少なくとも1つの中心波長、次に、少なくとも他の1つの中心波長を有するように、例えば単一スキャナウィンドウ内の交替パターンで、すなわち、パルス間で中心波長を有する従来の単一ピークスペクトルの中心波長が迅速に変るディザ処理中心波長を提供することができる。これは、非常に機敏な波長制御を利用し、本発明の一実施形態の態様において行うことができる。代替的に、例えばバースト内にあるか又は連続的に生成することができる一連のパルスにわたって複数のピークを有する統合スペクトルを生成することができるように、多重ピークスペクトルが全てのパルス内で又は実質的に全てのパルス内で生成される複数のパルスを同じレーザ出力リソグラフィ光源ビーム内で提供することができる。これは、レーザ光源システムの線狭化光学器械において高度波面調整を用いて行うことができる。本発明の実施形態の態様によれば、多重スペクトルを提供することができ、リソグラフィ走査法との相互作用は最小であり、通常のレーザ出力光波長同調法との相互作用はなく、レーザ効率に及ぼす影響は最小であり、ピーク分離が連続可変であり、必要に応じて可変レンズ形態と照明方法に適合し、また、別々のパルス間でフィードバック制御分離を行うことができる。各ピークにおいてエネルギ均衡を取ることができるようにすることができる。また、本発明の実施形態の態様によれば、システムを容易にオフにして、例えばゼロピーク分離になり、その後に暫くの間通常の単一ピークスペクトルとして作動することができるようにすることができる。また、DOF上の理由による利用に加えて、帯域幅安定化のために本発明の実施形態の態様によるシステムを使用することができるようにすることができ、その方法は、例えば異なるパルスのスペクトルをディザ処理し、中心波長当たりに中心がある2つのスペクトルを作り出すものであり、望ましい中心波長は、2つのピークの中間にあり、その結果、いくつかのパルスの持続時間にわたって統合され、帯域幅は、望ましい中心波長に中心がある若干広めの帯域幅となっており、時間の経過と共に分離スペクトルの各々について達成可能な帯域幅が増大する時に統合スペクトルが同じままであるように2つの異なる中心波長の分離を低減する。
【0021】
本発明の実施形態の態様により、ビームの空間的に分離されているが時間的に分離されていない部分に、すなわち、各パルス内に複数のスペクトルピークを設けることができ、その方法は、例えば、ビームの空間的に分離されているが時間的に分離されていない部分を波長選択光学器械、例えば、そのような波長選択光学器械のような当業技術で公知である標準的な「eschelle」回折格子上に反射させるというものである。単一ビームの異なる空間的分離部分に対して異なる入射角でそうすることにより、同じパルス内で異なる中心波長ピークを有するレーザ出力光パルスの単一ビームの異なる空間的分離部分を回折格子から戻すことができる。しかし、集積回路リソグラフィツールに関する限り、物理的には当て嵌まらないとしても、DOF効果は、まるでビームパルス全体がパルス全体を通じて空間的に均一に分布した複数のスペクトルピークを含むかのように、本質的に同じものになる。
【0022】
機敏な傾斜制御によってパルス間で例えば250μs毎に中心波長を変更することができ、この中心波長の変更にはいくつかの利点があり、例えば、スペクトルピークを形状及びエネルギ含量において自然な均衡を取ることができる点、必要に応じて不均衡エネルギに対する高速エネルギ制御の使用、非常に少ない計測法の変更の要件、帯域幅制御及びRELAXに対しても使用する可能性、容易に完全にオフにすることができる点がある。共振効果は、高繰返し数、例えば4000Hzで250μs毎に中心波長を変更する際の難しさ及び複雑さを増大する場合がある。機敏な傾斜制御の1つの機構は、本発明の実施形態の態様によれば、誘導光学要素、例えば、音波、電界、又は磁場の誘導に基づいて例えば屈折率を変更する音響光学要素又は電気光学要素又は磁気光学要素のような他の誘導光学要素、又は例えば機械的、電気機械的、又は圧電機械的な力の印加又はその組合せで独立した動きが得られるように完全に分離されるか、又はスロット又はスリットにされた別々に曲がるか又はトルク光学要素、又はその組合せ、及び誘導光学器械の使用とすることができる。
【0023】
本発明の実施形態の態様により、本出願人は、分散波長選択光学器械、例えば回折格子から「Littrow」構成で反射した時にパルスの空間分布であるが時間的分離部分ではない部分を占める複数のスペクトルの各々が選択中心波長付近に中心がある分割スペクトルになる分割角度スペクトルを例えばレーザ共振空洞内で生成することを提案する。これは、例えば、各パルスにおいてビーム内で並列、上下、又はその両方で存在する分割角度スペクトルとすることができる。これは、同調ミラー、例えば、Rmaxミラーを薄切りして曲げることによって生成される分割波面によって生成することができる。従って、本発明の実施形態の態様により、相対傾斜は、別々に調節可能にすることができ、また、凸面又は凹面に駆動することができ、また、相対傾斜により、例えば、RELAXがオンではない時には、中心波長同調のために、例えば、2つの中心波長ピークの間の中心、又は単一の中心波長の選択のために、例えば、通常のRmax位置決めが影響を受けないようにすることができる。
【0024】
本発明の実施形態の態様により、混同することなく多重ピークスペクトルを解釈することができる波長計が必要であると考えられ、干渉縞分析では、ピーク分離と相対エネルギと共に、例えば、絶対波長を抽出する必要があると思われる。これは、例えば、ピークのうちの特定のピーク上だけに固定してそれがどのピークであるかを識別するように修正することができる、これは、本出願人の譲受人のレーザシステム製品、例えば、7000シリーズ及びXLAシリーズ製品で現在販売されている種類の波長計で行うことができる。
【0025】
全体として、本発明の実施形態の態様によるシステムは、例えば
図5に例示的かつ部分的な概略図として示すように、例えば公知の線狭化モジュール(LNM)102内に含めることができる。
図5には、例えば、レーザチャンバ60とLNM102と含むレーザ共振空洞を形成するレーザチャンバ60と、当業技術で公知でありかつ理解されているような出力カプラ94とを含むことができるLNM102を含むレーザシステムを示している。また、本発明のシステムは、特に入力を特にレーザ制御装置94から受け取って特に高電圧パルス電力システム62に対して電圧制御を行い、例えば出力レーザ光ビーム66中のレーザ出力光パルスを受け取る機械(図示せず)、例えば半導体集積回路リソグラフィツールでの適切な線量制御のために特にレーザ出力光パルスエネルギを維持することができる例えばレーザ制御装置94を含むことができる。
LNM102は、例えば回折格子中心波長選択光学器械120と、例えばレーザパルスビームを回折格子120上に傾く機構、例えば
図5に関して先に参照した特許に説明されるような同調ミラー14とを含むことができる。
【0026】
本発明の実施形態の態様によれば、別に線狭化パッケージ(LNP)として公知であるLNM102は、1つ又はそれよりも多くのRELAX回折格子入射角選択要素、例えば、非誘導光学要素、誘導光学要素、例えば、エネルギ均衡を調節する付加的なアクチュエータ、及びアクチュエータ駆動装置を含むことができる、ある一定のRELAX修正と共に例えば上述のようなかつ更に以下で説明するようなものである。
本発明の実施形態の態様によれば、例えば分割Rmaxについては、Rmax同調ミラー14は、
図5に示すように、例えば縦軸の中心線に沿って縦長く(
図5に示すような紙の平面で)分割され、駆動機構は、各々の半割部について複製され、例えば、2つのステッピングモータを先に参照した出願及び特許に示すようなものとすることができることが理解されるであろう。分割Rmax126、128の各半割部は、
図7に示すようにそれ自体の台に取り付け、パルスビームの空間的分離部分を回折格子120上の異なる入射角で回折格子120上に向くように別々に角度を付けることができる。同様に、
図8aに示すような曲げRmax14は、長手の中心線(
図5に示すように紙の平面に直角)に従って裏面に溝を有し、同様にピボット回転点として溝周りに各半割部をピボット回転させることによって異なる入射角でビームの空間的分離部分を回折格子120上に向かって回折格子から2つの選択中心波長を受け取るように配向された上述のような別々の傾斜機構を設けることができる。
【0027】
本発明の実施形態の態様によれば、例えば、分割光学器械がない高速ディザ処理法を採用するか、又は例えば代替技術として分割光学器械と組み合わせて採用することができる。本発明の実施形態の態様は、上述のように、単一帯域幅ピークスペクトルが特定のパルス中にある状態でも、又は中心波長と共に一部の選択範囲の帯域幅内で例えばバースト中に選択帯域幅を維持する時に、非常に機敏な帯域幅安定化制御に関してこのような用途に非常によく役立つものである。
【0028】
本発明の実施形態の態様によれば、ビームの中心波長のいずれかの側で例えば±5pm、すなわち、1pmのピーク間分離の例えば分割スペクトルを生成する角度変化である78.9°の「Littrow」角度を有する回折格子については、本出願人の譲受人の上述の製品において例えば30xビーム拡大器と共に販売されている種類のLNPの光路内の様々な点での必要とされる波面は、ビーム拡大器の後では約25μR、ビーム拡大器の前では.77mRになると思われる。
【0029】
本発明の実施形態の態様により、本出願人は、代替完全ビーム法及び装置を利用して、例えばビーム全体、すなわち、ビーム全体の各パルスにおいて2つのピークを生成することを提案するものであり、この生成は、例えば、分割波面の遠視野でその効果を与える位相板(回折光学要素「DOE」)を利用して、例えば遠視野システムで行うことができる。代替的に、例えば互いの直交する形で2つのLNMを用いれば、言うまでもなく、2つのLNMの追加経費負担で2つの中心波長スペクトルを生成する方法とすることができる。代替近視野技術では、例えば二重出力カプラ、すなわち、二重共振器システムを使用することができる。
【0030】
代替的に、例えば空間分布二重スペクトル、すなわち、ビームの1つの空間部分の第1の中心波長付近の1つのスペクトルと、ビームの第2の空間的分離部分の別の中心波長付近の別のスペクトルとを生成する部分ビーム方法を本発明の実施形態の態様に従って採用することができる。しかし、これでは、その結果、異なる傾斜が発生する場合があるが、これらの傾斜は、垂直分割Rmax又は垂直分割プリズムで交互に像を交互に反転することによって適合させることができる。また、何らかの閾値内の同じ関数デルタ波面に最適化することができるビーム制御装置(BCD)がない場合には、2つを別々に製造することに対して、例えば、1つを半割することによって適合波面プリズムを使用する必要性がある場合がある。また、本発明の実施形態の態様により、倍率を有していない2つの楔か、又は例えば超音波機械加工で溝又はスロットで分割されるが2つの別々の部分に分割されるのではなく、例えばコーティングが必要ないように「ブルースター」角度で作動させることができ、ピーク分離時にコーティングの影響も回避する単一の光学器械を使用することができる。分割プリズムは、光学器械の縁部までコーティングすべきであると考えられ、このコーティング処理は、例えば、開口と第3のプリズム(チャンバから回折格子までは第1のプリズム)の間の境界面に行うことができる。
【0031】
本発明の実施形態の態様による別の代案は、例えば、水平分割Rmaxとすることができる。位相板、すなわち、上部対底部のプリズム角度シフトを用いることもできる。
別の代替手法は、例えば、複数のパルスであるレーザビーム内で、すなわち、パルスバースト又は連続的パルスとすることができる一連のパルス内でパルス単位又は実質的にパルス単位で時間依存の異なる帯域幅を提供することが考えられる。これは、例えば、Rmaxをディザ処理することによって1つ置きのパルスに波面変化を間欠的に注入することによって達成することができる。また、パルス毎に差動的に誘導される誘導光学要素を使用することによって達成することができる。この手法は、リソグラフィツールで見ると、時間的に分離されるが空間的に分離されないか又は空間的に分離されるパルス間解決法に実質的に非常に近い可能性がある。
【0032】
本発明の実施形態の態様による要件としては、例えば、最大少なくとも2pmまでの調節可能な分離、BW制御から独立した完全なビームの利用、好ましくは単一パルス以内のピーク均衡化の機能がある。単一パルスでは、走査処理との相互作用がある可能性が最も少ない。非誘導光学要素の機械的ディザ処理で各ピーク中にBWを得るためには、恐らく、例えばディザ処理機構に対するほぼ純粋に矩形の駆動装置が必要になり、そうでなければDOFの利点がウェーハでの各スペクトル中のコントラストのために低減される場合があるであろう。
【0033】
本発明の実施形態の態様によれば、例えば、音響光学板又は他の誘導光学要素は、好ましい技術とすることができる。これは、例えば、周波数及び/又は振幅変調式であり、例えばパルス毎の中心波長制御で優れた複数のピークをもたらすことができる。更に、溶融石英又は水晶から作られた材料、すなわち、音響光学結晶、又は上述の他の材料を通じて音響剪断波を案内する技術が利用可能である。この案内は、超音波変換器の位相整合アレイを用いて行うことができる。このようにして、「ブラッグ」セルにおけるブラッグの法則、すなわち、nλ=2dsineθ
i、θ
iは音響光学装置の入射の場合の角度、dはブラッグ散乱が発生している原子の層の間の垂直分離、nは偶数の整数に従わせるために、例えば、各々の別々の中心波長について音響光学結晶を移動させる必要性がある。これは、「ブラッグ」セル光学器械の出力の幾何学的に選択された順番でエネルギ強度を維持することを可能にすることができる。すなわち、「ブラッグ」セルによって達成される波面分割は、音響励起の第1の周波数ω
1と、第2の励起/誘導周波数ω
2に従った第2の回折格子入射角とに応答して回折格子上の第1の入射角をもたらす。しかし、周波数をω
1からω
2に変更すると、ブラッグの法則に適合する上限を満たす機能が変更され、これは、音響光学装置の何らかの運動がなければ何らかの振れを引き起こすことになり、例えば、その結果、ω
1からω
2の出力の分離の遥かに小さい達成可能な角度になり、また、恐らく音響光学装置の影響によって設定された干渉パターンにおけるエネルギ分布になる。従って、(効率上の目的のために)伝達されたエネルギの最大量を有するように幾何学的に調節された選択順番は、若干異なると考えられ、若干異なる振幅の中心波長ピークが生じる。しかし、これは、変換器の位相整合アレイを使用して、誘導を誘導光学器械、例えば「ブラッグ」セル音響光学装置に与えることによって適合させることができる。位相整合アレイを使用する音響光学装置の技術分野で公知のように、音響光学結晶内で誘導波を案内し、「ブラッグ」セル自体をω
1からω
2に移動させることができなかったことの影響を弱めることができる。また、誘導光学器械、例えば「ブラッグ」セル音響光学装置の出力の更に別の波面調整は、音響光学器械の技術分野で公知のように、位相整合アレイを周波数スリップ処理をすることによって達成することができる。
【0034】
本発明の実施形態の態様によれば、
図7aに示すような例えばLNM102において、例えば波面スプリッタ100を設置する1つの手法では、レーザビームパルスの第1の空間的に形成された部分116が入射して屈折し、出力ビームの第1の空間的に形成された部分104を形成する単一楔140(非誘導光学要素)と、ビームの第2の空間的に形成された部分が回折なしに通過して出力ビーム106の第2の空間的に形成された部分106を形成する開口142(光学要素の不在)とを採用することができる。開口142を通る偏向の欠如を含む楔140と開口142を含む非誘導光学波面スプリッタ100を通るビーム部分116、119の異なる偏向は、その結果、出力ビームが回折格子120からビーム拡大器124に戻り、空間的に形成された部分116が、第1の選択中心波長を含み、空間的に形成された部分118が、第2の選択中心波長を含むことになる。
【0035】
本発明の実施形態の態様によれば、例えば、
図7に示すような分割プリズム110を波面スプリッタ100として使用する別の可能性がある場合がある。分割プリズム110は、各分離半割部112、114が他方に対してピボット回転させるか又は若干傾かせる(すなわち、回転させる)ことができるように、及び/又は一方のみを自己回転することができる台(図示せず)上で他方に対して回転させることができるように上半分112と別々の下半分114に分割することができる(上下とは、本明細書の図に示すような配向のみを指し、実際的意味合いでの配向を限定するものではないと理解される)。一方のプリズム112は、台に対して回転可能にすることができ、他方のプリズム114は、台(図示せず)に固定される。この差は、2つのプリズム半割部112、114の相対角度に対して回折格子120に向かったり離れたりする角度の変化を引き起こし、その結果、第2のビーム部分118に対する第1のビーム部分116の中心線の差が生じる。得られるレーザビーム130は、ビーム116の上部に対する1つの中心線と、ビーム118の下部に対する異なる中心線とを有する。
【0036】
本明細書で説明する非誘導分割分離又は分割溝付き光学要素の全ての場合と同様に、他方に対するこのような非誘導光学要素の一方の部分の差動回転又は傾斜は、潜在的に2つの選択中心波長、従ってピーク間の分離を変え、また、潜在的に、中心波長がピーク間に位置決めされる(同じ原理が3つ又はそれよりも多くのピークに適用される)ことが理解されるであろう。中心波長を変えないことが望ましいと考えられるので、このような非誘導光学要素の制御システムは、非誘導光学要素のいくつかの部分のそれぞれの変位を調節し、また、例えばRmaxからのビームの各々の作り出された空間的に形成された部分の偏向の別々の制御で複数のピーク間で望ましい中心波長を維持すべきであると考えられる。
【0037】
別の可能性は、例えば
図5に示して上述したような分割Rmax122、例えば、標準的なRmax光学器械14に関するものである。この修正では、ミラー122の部分126は、他方の部分128と区別して角度を付けることができ、異なる角度で回折格子120に入射する異なる反射104と106のために、ビームの上半分116と下半分118について2つの異なる中心線が生じる。
本出願人の試験によれば、ビーム130の半割部116、118で空間的に(但し、時間的ではなく)分離されたビーム中の得られるスペクトルは、例えば、FWHMで測定された時に帯域幅の2つのピークから成り、この帯域幅は、元の単一ピークと大雑把に同等であり、これは、ビーム部分116とビーム部分118の各ピークが回折格子120の全開口の半分を使用したに過ぎないことによる。それによって各分離ピークの帯域幅と、ミラー14の半分のみが使用された時(分割Rmax122に分割された時)に発散又は虹効果も半減されるという事実のオフセット効果とが増大する傾向がある。2つの効果は、一般的に互いに相殺し合うものであり、得られるスペクトルは、ビームを空間的に分割することなく、元の単一ピークとして類似のスペクトル幅を有する2つのピークから成る。部分116の第1の中心波長と部分118の第2の中心波長でのスペクトルピーク間の差は、例えば、分割Rmax122の部分126、128の差動的位置決めによる回折格子120上の異なる入射角の関数である。
【0038】
図7cに概略的に示すように、別の例示的な可能性は、一対の楔、例えば二重「ブルースター」楔150と152を利用するものであり、楔は、
図7cに示す回転軸周りに互いに対して相対的に位置決め可能であり、また、一方を移動させると共に他方を定置式にするか、又は上述のように同時に両方を移動させることによってそのように位置決めすることができる。従って、これには、ビーム部分116と118から2つの出力104と106を生成し、回折格子から戻るビーム部分116と118において異なる中心波長に中心がある異なるスペクトルピークを生成するという効果がある。
【0039】
同様に、
図8aから
図8cでは、ビームの空間的分離部分、例えば、第1の側面部分116’と第2の側面部分118’を示し、各側面部分116’、118’は、別々の中心波長上に中心がある別々のスペクトルを含む。例えば、
図8aにおいては、曲げ又は分割Rmax122’を概略的に示し、ここでは、半割部は、
図9に多少詳細に示しかつ概略的に示すように、完全に分離するのではなく、溝又はVスロットが光学器械122’の非反射側に形成されるとすることができる。このようにして、光学器械122’は、差動的に偏向させる、すなわち、片側126’を偏向させることができる一方、他方128’は、固定したままであることにより、右側118’と左側116’を有するビーム130を形成する(右と左を
図8aから
図8cに示すが、実際の意味合いを限定するものではない)。これらは、回折格子上で入射半割部ビーム106’、104’を形成する。
図9に示すように、また、上述の非誘導光学要素ビーム波面スプリッタの全てに本質的に当て嵌まるように、ビーム130は、本質的に単一の波面を伴って光学器械、例えば122’に入射し、空間的分離部分116’、118’は、差動的に反射/伝達されて、各々が異なる入射角で回折格子に入射する本質的に2つの空間的分離波面を形成する。
【0040】
同様に、回折格子120’は、Rmax122’に対して上述したように、それ自体、分割され、又はスロット又は溝が付けられ、又は他の方法で曲げられるか又は変形され、ビームが曲げられない回折格子120’の単一入射角を有していたと考えられるビーム内に異なる中心波長で異なるスペクトルを有する回折格子120’の異なる部分からの反射104’、106’の結果のビーム130の第1の側面と第2の側面のビームの2つの別々の部分116’、118’を戻すことができる。
図8cに概略的に示す更に別の可能な実施形態は、例えば、ビームの左右の部分118’、116’が真っ直ぐな回折格子120に入射する2つのビーム106’、104’を形成するスロット付き又は溝付き多面楔150とすることができる。
回折格子から戻されたビーム内のピーク分離は一定のままであると同時に、例えば、同調可能なRmaxから回折格子120上への更に別の反射を伴ってピークの中心波長が選択可能であるように、
図8aから
図8cの実施形態は、剛性、すなわち、別々に回転可能ではないとすることができることが更に理解されるであろう。
【0041】
本発明の実施形態の態様による別の可能な手法は、誘導光学要素、例えば音響光学要素100、例えば発射毎に又は各発射内でさえも線の中心をシフトする機能を生成する
図1、
図3、
図4、
図6に概略的に示すような「ブラッグ」セル170である。このような概念を用いて、例えば一回おきの発射で線中心をディザ処理して、「ブラッグ」セルを1つのパルスで非誘導、次のパルスなどで誘導にすることによってRELAXスペクトルを形成することができる。このようなディザ処理は、リソグラフィスキャナによって現在使用されている最短露光ウィンドウとさえも適合するはずである。代替的に、特定のパルスを含むビームを通じて空間的に、すなわち、上述のような空間的上半分及び下半分だけではなく、複数の異なる中心波長付近に中心がある時間的に分離された複数のスペクトルを単一のパルス内で実質的に生成するのに十分に高い割合で誘導光学要素、例えば、音響光学要素、「ブラッグ」セル、音響光学要素を導くことができると考えられる。これは、その結果「不鮮明化」、すなわち、第1の中心波長と第2の中心波長の間の中心波長の多少の連続を通る移動が生じると考えられるが、有効であると考えられ、かつ例えば1つのパルスにおける第1の中心波長から第2の中心波長まで、及び別のパルスにおける第2の中心波長から第1の中心波長までの不鮮明化により、又は第1及び第2と少なくとも1つの中間「ピーク」を含むパルスのいくつかの中心波長ピークの時間内に統合した形で第1及び第2のシミュレーションとの間の1つ又はそれよりも多くの中間中心波長での不鮮明化における何らかの躊躇によって有効性を高めることができる。このような実施形態では、第1及び第2の「ピーク」は、上述のような実際に分離した中心波長ではなく、単一パルス内の不鮮明化処理スペクトル内の始めと終わりの「ピーク」であることが理解されるであろう。
【0042】
更に、音響光学線中心制御では、例えば、RELAXが必要とされない時に、RELAXと共に又はRELAXに対して機敏/敏捷な線中心制御を達成する機能がある。このような制御では、波長シグマ性能を劇的に改善することができる。線中心チャープ及び振動誘導線中心振動は、例えばRmaxの適切な機械的な取り付けと結合、例えば4kHzレーザシステムの場合では、例えば400Hzの範囲である機械式と圧電傾斜制御でほぼ解消することができる。しかし、線中心をパルス間で又は実質的にパルス間でディザ処理するための誘導光学要素の使用は、機械的ディザ処理に優る大きな改良になり得る。
【0043】
一例として、
図3には、パルス間で分離された複数の例えば2つの偏向ビームを提供する音響光学システムを示している。複数の分離偏向172、174のそれぞれの個々の1つは、光学器械170に対するシミュレーション、例えば、偏向172の周波数ω
1と偏向174のω
2の超音波に従って発生する。これらは、
図1に概略的に示すような構成でビーム拡大器の第1のプリズムに提供することができる。この構成は、本質的にLNP内の様々な位置で、例えば
図6にも示すように、例えばビーム拡大器124内の最終プリズムと同調ミラー14の間で利用することができることが理解されるであろう。
【0044】
図3に示すように、音響光学装置170は、単一の超音波変換器176で駆動することができ、超音波変換器176は、電圧制御発振器(VCO)184によって駆動される信号増幅器182に接続され、これは、次に、例えば方形波を発生する信号発生器によって駆動することができる。これは、ある一定の周波数、例えば、4KHzパルス繰返し数レーザ出力では4KHzでのものとすることができ、VCOの出力は、音響光学要素170について2つの異なるω、すなわち、2つの異なる偏向状態を表すものである。
【0045】
本発明の実施形態の態様によれば、この形態の波スプリッタの大きな利点は、レーザシステムの残りの部分に対して本質的にシームレスにオン及びオフにすることができる点とすることができる。オンの時には、VCO184に応答して、例えば、変換器176によって音響光学装置170に適用される励起周波数又は周波数増幅の組合せの回数に基づいて、例えばパルス単位で複数の差動的に偏向されるビームがあり、音響光学装置の励起/誘導が除去された時に、単一の出力ビームのみが、時間的かつ空間的に全体を通して同じ屈折率でもたらされる。
【0046】
上述の方法で、比較的高速のステッパモータ82は、例えば
図5に示すような矢印の方向に同調ミラー14を傾け、回折格子に入射した時に、例えばビーム拡大器124から傾斜機構に入射した光の入射角を例えば変更し、回折格子120から戻る光の中心波長を調節することができることが理解されるであろう。PZT駆動装置80は、
図5Aに示すように、非常に急激な傾斜変化が得られるように、圧電誘導の比較的極めて急激な変化を用いてPZT駆動装置ボール76の更に一層急激な傾斜変更を行う。例えば、機械的共振などへの感受性に対するステッパモータと機械的リンク、及びPZT駆動装置の特定の限界値内で、上述のシステムは、少なくとも理論的には、例えば4KHzよりも大きいパルス繰返し数で各選択パルスの中心波長を少なくとも変更することができる。集積回路リソグラフィツールの作動に関する限り、一連のパルスにわたって統合された時に実質的な効果がパルス間の変化であるように、例えば4つ目のパルス毎に4000Hzでさえも実質的にパルス毎に中心波長を確かにそのように変更することができる。
【0047】
回折格子120は、例えばビーム品質制御のために曲げ機構78を有することができ、その方法は、例えば入射光の波面に従って回折格子の面を調節するというものであり、回折格子曲げ機構は、アクティブBCDが得られるように例えばステッパモータにより、例えば外部駆動式とすることができる。LNP構成要素は、開示内容が本明細書において引用により組み込まれている、2004年3月23日出願の代理人整理番号第2003−0022−01号である「DUV光源光学要素の改良」という名称の現在特許出願中の米国特許出願出願番号第10/808,157号に説明されているような改良点を有することができる。
【0048】
本出願人が考えている更に別の可能性は、ビームを複数の別々の部分に分離してパルス単位でディザ処理し、すなわち、各パルス又は実質的に各パルスについてパルス空間部分単位で選択中心波長を変えるか、又は各所定のパルス内のそれぞれの複数の空間的分離ビーム部分を時間的にディザ処理し、かつパルス間で各パルスのそれぞれの空間部分の時間的ディザ処理を変えることによって2つを結合することとすることができる。
【0049】
ここで
図12を参照すると、分割ビームRELAXシステム200を含む本発明の実施形態の態様を概略的に示している。システム200は、例えば、光線240、250を含むレーザパルスビームの空間的分離部分に配置された一対の楔202、204を含むことができる。楔202、204は、それぞれの誘導光学要素、例えば音響光学要素220、222によって支えることができる。楔202、204の各々は、それぞれの傾斜機構レバーアーム230、圧電駆動装置232によって別々に傾けることができる。各楔の別々の傾斜を容易にすることができ、それは、例えば2つの楔を光学材料、例えばCaF
2又はMgF
2の単片を用いて溝又はスロット210によって楔202、204形成材料部分の裏面に形成し、光線240、250を受光する非破断正面を設ける場合である。誘導光学要素220、222の各々の駆動は、それぞれの駆動装置224によって行うことができる。
【0050】
作動面では、
図12のシステム200は、それぞれの楔部分202、204の受光面で光線240、250を受光することができ、それぞれの光線240、250は、角度に従ってそれぞれの楔内で屈折されるが、その条件は、入射が楔/誘導光学要素アセンブリ202、220、204、222の各々を含む別々に駆動されるアセンブリによって判断され、次に、それぞれの誘導光学要素220、222内で変調され、例えば2つの別々の対の新生光線244、246と254、256を形成し、次に、新生光線は、回折格子(
図12では図示せず)に入射することができるというものであることが理解されるであろう。パルス間でこれが発生するように起動させることができる。アセンブリ202、220と204、222は、パルス間以外で、例えば1つ置きのパルスで4つ目のパルス毎に起動させることができ、一方、誘導光学要素220、222は、パルス間で又はこれらの他の可能な組合せで起動させることができる。更に、選択されるアセンブリ202、220と204、222のあらゆるディザ処理と組み合わせて単一パルス内で複数の出力光線244、2465及び/又は254、256との間で誘導光学要素を不鮮明化することができる。更に、作動面では、誘導光学要素をパルス間で又はそれぞれのパルス内で同じ方法又は異なる方法で変調することができることが理解されるであろう。
【0051】
ここで
図13を参照すると、本発明の実施形態の態様に従って
図12のシステムとほぼ同様に作動可能な分割ビームFELAXシステム260の代替構成を示している。システム260は、誘導光学要素、例えば、磁気又は音響光学要素262を含むことができ、磁気又は音響光学要素262は、例えば、
図7(d)と
図8(a)について上述したように、例えば、分割/曲げRmax264に入射することができる例えば誘導光学要素の出力、それぞれ282、284と292、294を形成するように変調される光線280と290を含むレーザパルスビームの経路内にあるとすることができる。それによって結果的に理解されるように、2組の光線282、284と292、294は、分割/曲げRmax264の右側面部268と左側面部266によって差動的に反射され、右側面部268と左側面部266は、上述のように、例えば電気機械的駆動装置及び圧電駆動装置(
図13では図示せず)により、回折格子(
図13では図示せず)によって別々に駆動することができる。
図12に関して説明した誘導光学要素変調と組み合わされた分割ビームの異なるパルス間及びパルス内の可能性は、
図13に示す実施形態の態様によるシステム160の利用により利用可能であることが理解されるであろう。
【0052】
当業者は、特許請求の範囲及び精神から逸脱することなく、本出願で開示する本発明の実施形態の態様に対して行うことができる多くの変更及び修正があり、特許請求の範囲は、本出願で開示する本発明の実施形態の態様に限定されないと考えるべきであることを認めるであろう。例えば、将来の技術は、例えば、単一パルス内で複数の異なる中心波長スペクトルを時間的に離間させることを容易にするために、例えば、回折格子上へのビーム入射角のより急激な変更のような事柄をより簡単に容易にするであろう。本出願の教示内容から当業者が認めるべきであるように、本出願で言及していない異なる中心波長を有する空間部分にビームを空間的に分割する先に参照した技術の組合せを更に組み合わせることができ、これを特許請求の範囲及び精神から除外すべきではない。また、一例として、傾斜機構は、単一マウント上の複数の要素の全てのための一般的な傾斜機構とすることができ、すなわち、その方法は、マウント全体を傾けるものであり、一方、マウントは、マウントに対して傾斜される1つ又はそれよりも多くの要素を有する機能を含むこともでき、これらの異なる傾斜機構は、例えば、時間と共にパルス間で異なる使い方をすることができる。傾きはまた、例えば横断面、例えばビームの一部又は全てが入射する上述の様々な誘導光学器械において、パルス内又はパルス間で空間的又は時間的に分離されたビームの他の部分と組み合わせた場合を含み、かつ誘導光学要素ではないこのような他の要素と組み合わせた場合を含むパルスから成るビーム又は空間的に分離されたビームの各部分のあらゆる形態の偏向に一般的なものであると理解すべきである。上述の内容の全ては、例えば分散波長選択光学器械、例えばパルス間で及び/又はパルス内で空間的分離部分、時間的分離部分、又は空間的かつ時間的分離部分を有するパルスを有するビームを戻す回折格子に入射する空間的分離部分及び/又は時間的分離部分又は空間的分離部分と時間的分離部分の両方にレーザ光のパルスから成る入射ビームを分離する望ましい効果に役立たせることができる。この光は、次に、例えばDOF機能を改善することに対して、各パルス内に又はパルス間に異なるスペクトルピークを伴って最終的に集積回路リソグラフィツールに送出される。同様に、分散波長選択要素、例えば回折格子に入射するように差動反射又は他の伝達角度を引き起こすために複数の位置のうちの1つ又はそれよりも多くに同調要素、例えば光学器械を配置又は位置決めすることは、例えば誘導光学要素、例えば音響光学要素によるこのような偏向を含むと一般的に解釈すべきである。
【0053】
入射角選択手段を使用して、パルス毎に複数の選択中心波長スペクトル間でディザ処理することができることが上述の内容から更に理解されるであろう。これを行うことができる方法は、例えば、少なくとも第2の部分から差動的に変位可能である第1の部分を有する同調機構を使用し、この2つの間の差動変位又はこの2つを保持するアセンブリの傾き角度をパルス毎に変更するというものである。また、所定のパルスの時間的持続時間の間に1つの選択中心波長から少なくとも1つの他の中心波長までディザ処理、正確には不鮮明化することもでき、これを行うことができる方法は、例えば、パルスの時間的持続時間の間に第1のθと第2のθ間で反転又はスナップするか、又は第1のθと第2のθの間で連続的に変調する誘導光学要素を使用するというものである。また、選択中心波長スペクトルを含むようにビームを含むパルスの空間的に形成された部分と、第2の中心波長スペクトル又は選択中心波長スペクトルと第2の中心波長スペクトルの組合せを有するようにビームを含むパルスの少なくとも1つの他の空間的に形成された部分とを選択することができる。このようにして、例えば、出力レーザ光パルスビームは、第1の中心波長スペクトルを有する第1のパルスと、第2の選択中心波長スペクトルを有する少なくとも第2のパルスとを有することができ、又は各々が2つの選択中心波長スペクトルを有する複数のパルスを含むことができ、又は選択波長の1つ又はそれよりも多くが少なくとも第2のパルスと第1のパルスで異なる、第1の対の選択中心波長スペクトルを有する第1のパルスと第2の対の選択中心波長スペクトルを有する第2のパルスとを含むことができる。同様に、第1の選択中心波長から第2の選択中心波長まで連続的に又はその経路に沿って少なくとも1つの躊躇部分を設け、パルスの空間的持続時間全体の選択中心波長をパルスの時間的持続時間の間に変えて(不鮮明化処理して)、例えば、第1及び第2の中心波長間に少なくとも1つのピークを有するように見える統合スペクトルをそれぞれのパルス上にもたらす少なくとも1つのパルスを作り出すことができる。更に、上述の内容の変形及び組合せをパルス毎に生成することができる。例えば、パルス毎に複数の中心波長間でディザ処理されるか、又は例えば同じ方向か又は異なる方向で(中心波長を長くするか又は中心波長を短くする)及び/又は異なる中心波長間でパルス中に不鮮明化処理されて、同じ方向又は異なる方向で少なくとも第2のパルス、又は同じ方向でいくつかのパルス、及び異なる方向でいくつかのパルスにおいて異なる中心波長間で不鮮明化処理される、各パルスの複数の空間分布部分を有するパルスを作り出すことができる。