特許第6013831号(P6013831)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013831
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】ウエーハの加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   H01L21/304 601Z
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-182726(P2012-182726)
(22)【出願日】2012年8月21日
(65)【公開番号】特開2014-41885(P2014-41885A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2015年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】溝本 康隆
【審査官】 中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−277103(JP,A)
【文献】 特開2011−258841(JP,A)
【文献】 特開2006−024631(JP,A)
【文献】 特開2009−010178(JP,A)
【文献】 特開2005−019435(JP,A)
【文献】 特表2012−515432(JP,A)
【文献】 特開2005−026413(JP,A)
【文献】 特開2002−208572(JP,A)
【文献】 特開2011−066198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の表面に複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され、デバイスの電極から半導体基板の裏面に向かって埋設されたVia電極を有するデバイス領域と、該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域に面取り部を備えたウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハの加工方法であって、
外周余剰領域に切削ブレードを位置づけて所定の深さ切削し面取り部を除去する面取り部除去工程と、
ウエーハの表面に樹脂を介してキャリアプレートを配設するキャリアプレート配設工程と、
ウエーハの裏面からVia電極の深さを検出するVia電極検出工程と、
Via電極が裏面に露出しない程度にウエーハの裏面を研削して薄化する裏面研削工程と、
ウエーハの裏面から半導体基板をエッチングしてVia電極を突出させるエッチング工程と、
ウエーハの裏面に絶縁膜を被覆する絶縁膜被覆工程と、
裏面から突出したVia電極を削り絶縁膜から露出させると共にVia電極の頭を絶縁膜と同一面に仕上げる仕上げ工程と、
Via電極の頭にバンプを配設するバンプ配設工程と、
ウエーハの裏面にダイシングテープを貼着すると共にウエーハの表面からキャリアプレートを取り外しウエーハをダイシングテープに移し替える移し替え工程と、
を少なくとも含み、
該裏面研削工程の後でかつ該エッチング工程の前に、該キャリアプレート配設工程において使用した樹脂の一部が面取り部が除去されたウエーハの外周からはみ出していて、ウエーハの外周を支持しウエーハの裏面およびキャリアプレートの裏面を洗浄する洗浄装置を用いた洗浄工程において、砥石が設けられかつ軸心回りに回転自在な該洗浄装置の複数のエッジクランプ間に該ウエーハを挟み込み、少なくともそのはみ出した樹脂を該砥石に当接させて除去するウエーハの加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Via電極が埋設されたウエーハの加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年新たな3次元実装技術として複数の半導体チップを積層し、積層した半導体チップを貫く貫通電極(Via電極)を形成して半導体チップ同士を接続する積層技術や、複数の半導体ウエーハ同士を積層し、積層した半導体ウエーハを貫く貫通電極を形成して半導体ウエーハ同士を接続する積層技術(TSV:Through Silicon Via)が開発されつつある(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−207606号公報
【特許文献2】特開2005−136187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、TSVプロセスにおいて、ウエーハをサブストレートに樹脂で貼着する際にウエーハの外周から樹脂がはみ出し、エッチング工程においてはみ出した樹脂がエッチング時に飛散しウエーハ表面に付着してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、エッチング工程における樹脂の飛散を抑制するために、はみ出した樹脂を除去するためのウエーハの加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1記載の本発明に係るウエーハの加工方法は、半導体基板の表面に複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され、デバイスの電極から半導体基板の裏面に向かって埋設されたVia電極を有するデバイス領域と、該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域に面取り部を備えたウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハの加工方法であって、外周余剰領域に切削ブレードを位置づけて所定の深さ切削し面取り部を除去する面取り部除去工程と、ウエーハの表面に樹脂を介してキャリアプレートを配設するキャリアプレート配設工程と、ウエーハの裏面からVia電極の深さを検出するVia電極検出工程と、Via電極が裏面に露出しない程度にウエーハの裏面を研削して薄化する裏面研削工程と、ウエーハの裏面から半導体基板をエッチングしてVia電極を突出させるエッチング工程と、ウエーハの裏面に絶縁膜を被覆する絶縁膜被覆工程と、裏面から突出したVia電極を削り絶縁膜から露出させると共にVia電極の頭を絶縁膜と同一面に仕上げる仕上げ工程と、Via電極の頭にバンプを配設するバンプ配設工程と、ウエーハの裏面にダイシングテープを貼着すると共にウエーハの表面からキャリアプレートを取り外しウエーハをダイシングテープに移し替える移し替え工程と、を少なくとも含み、該裏面研削工程の後でかつ該エッチング工程の前に、該キャリアプレート配設工程において使用した樹脂の一部が面取り部が除去されたウエーハの外周からはみ出していて、ウエーハの外周を支持しウエーハの裏面およびキャリアプレートの裏面を洗浄する洗浄装置を用いた洗浄工程において、砥石が設けられかつ軸心回りに回転自在な該洗浄装置の複数のエッジクランプ間に該ウエーハを挟み込み、少なくともそのはみ出した樹脂を該砥石に当接させて除去することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、エッチング工程の前に少なくともウエーハの外周からはみ出した樹脂を除去するため、エッチング工程においてウエーハに貼着された樹脂が飛散することを抑制できる。
【0008】
また、エッチング工程の前の洗浄工程において、少なくともウエーハの外周からはみ出した樹脂を除去するため、はみ出した樹脂を除去するために別途専用の工程を設ける必要が無く、生産性も低下することはない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るウエーハの加工方法により加工されるウエーハを示す図である。
図2図2は、実施形態に係るウエーハの加工方法の面取り部除去工程を示す断面図である。
図3図3は、実施形態に係るウエーハの加工方法のキャリアプレート配設工程を示す断面図である。
図4図4は、実施形態に係るウエーハの加工方法のVia電極検出工程を示す断面図である。
図5図5は、実施形態に係るウエーハの加工方法の裏面研削工程を示す断面図である。
図6図6は、実施形態に係るウエーハの加工方法の洗浄工程を示す断面図である。
図7図7は、実施形態に係るウエーハの加工方法のエッチング工程を示す断面図である。
図8図8は、実施形態に係るウエーハの加工方法の絶縁膜被覆工程を示す断面図である。
図9図9は、実施形態に係るウエーハの加工方法の仕上げ工程を示す断面図である。
図10図10は、実施形態に係るウエーハの加工方法のバンプ配設工程を示す断面図である。
図11図11は、実施形態に係るウエーハの加工方法の移し替え工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0011】
本実施形態に係るウエーハの加工方法(以下、単に加工方法と呼ぶ)を、図1から図11に基づいて説明する。図1(a)は、実施形態に係る加工方法により加工されるウエーハを示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)中のIB−IB線に沿う断面図であり、図2は、図1(a)に示されたウエーハの面取り部を除去する面取り部除去工程の概要を示す断面図であり、図3は、図2に示されたウエーハにキャリアプレートが取り付けられるキャリアプレート配設工程の概要を示す断面図であり、図4は、図3に示されたウエーハのVia電極の深さを検出するVia電極検出工程の概要を示す断面図であり、図5は、図4に示されたキャリアプレートが配設されたウエーハの裏面に研削を施す裏面研削工程の概要を示す断面図であり、図6は、図5に示されたウエーハの裏面及びキャリアプレートを洗浄する洗浄工程の概要を示す断面図であり、図7は、図6に示されたウエーハの裏面にエッチングを施すエッチング工程の概要を示す断面図であり、図8は、図7に示されたウエーハの裏面に絶縁膜を被覆する絶縁膜被覆工程の概要を示す断面図であり、図9は、図8に示されたウエーハのVia電極の頭を露出させる仕上げ工程の概要を示す断面図であり、図10は、図9に示されたウエーハのVia電極の頭にバンプを配設するバンプ配設工程の概要を示す断面図であり、図11は、図10に示されたウエーハをダイシングテープに移し替える移し替え工程の概要を示す断面図である。
【0012】
本実施形態に係る加工方法は、図1に示すウエーハWを個々のデバイスDに分割する加工方法である。
【0013】
なお、本実施形態に係る加工方法により個々のデバイスDに分割される加工対象としてのウエーハW(半導体基板に相当)は、本実施形態では、シリコン、サファイア、ガリウムなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハである。ウエーハWは、図1(a)に示すように、表面WSに複数のデバイスDが分割予定ラインSによって区画されている。また、ウエーハWは、図1(b)に示すように、デバイスDの電極から裏面WRに向かって埋設されたVia電極Eを有するデバイス領域DRと、図1(a)に示すように、デバイス領域DRを囲繞する外周余剰領域GRに面取り部Cを備えている。Via電極Eは、銅などの金属で構成され、ウエーハWの表面WS側に端面が露出し、ウエーハWの厚み方向の中央まで、表面WSから裏面WRに向かって埋設されている。
【0014】
本実施形態に係る加工方法は、面取り部除去工程と、キャリアプレート配設工程と、Via電極検出工程と、裏面研削工程と、エッチング工程と、絶縁膜被覆工程と、仕上げ工程と、バンプ配設工程と、移し替え工程と、を少なくとも含んでいる。
【0015】
本実施形態に係る加工方法は、まず、面取り部除去工程において、図2に示すように、ウエーハWの裏面WRを切削装置1のチャックテーブル2に載置し、チャックテーブル2にウエーハWを保持する。そして、切削装置1のチャックテーブル2をウエーハWとともに軸心回りに回転させ、切削装置1の図示しないスピンドルにより切削ブレード3を回転させる。そして、外周余剰領域GR上に切削ブレード3を位置付けて、切削ブレード3を所定の深さ降下させて、ウエーハWの外周部を所定の深さ切削し、面取り部Cを除去する。なお、本実施形態では、面取り部Cは、表面WS側から当該面取り部Cの厚みの半分程除去され、本発明では、面取り部除去工程では、面取り部Cの少なくとも一部を除去すれば良い。そして、キャリアプレート配設工程に進む。
【0016】
キャリアプレート配設工程では、図3に示すように、ウエーハWの表面WSに粘着性を有する樹脂Jを貼着し、さらに樹脂JにキャリアプレートPを貼着する。こうして、ウエーハWの表面WSに樹脂Jを介してキャリアプレートPを配設する。なお、樹脂Jを構成する材質としては、例えば、紫外線が照射されると硬化するUV硬化型や加熱されると硬化するエポキシ樹脂やアクリル樹脂が用いられ、キャリアプレートPは、外径が面取り除去工程後のウエーハWの外径と略等しい円板状に形成されている。また、ウエーハWの表面WSに樹脂Jを介してキャリアプレートPが配設された際には、図3に示すように、樹脂Jのうちの一部の樹脂J(はみ出した樹脂を他の樹脂と区別して、以下符号JAで示す)が、面取り部Cが除去された後のウエーハWの外周からはみ出している。そして、Via電極検出工程に進む。
【0017】
Via電極検出工程では、図4に示すように、ウエーハWに樹脂Jを介して配設されたキャリアプレートPを電極検出装置10のチャックテーブル11に載置し、チャックテーブル11にウエーハWを保持する。そして、電極検出装置10のスキャナ部12からウエーハWを透過する近赤外光又は赤外光などをウエーハWの裏面WRに向けて照射し、ウエーハWの表面WS、Via電極Eの裏面WR側の端面Ea、ウエーハWの裏面WRから反射された光を受光しつつ、スキャナ部12を裏面WRに沿って移動させる。そして、ウエーハWの屈折率等に基づいて、ウエーハWの裏面WRからのVia電極Eの裏面WR側の端面Eaの深さHを検出する。そして、裏面研削工程に進む。
【0018】
裏面研削工程では、図5に示すように、ウエーハWに樹脂Jを介して配設されたキャリアプレートPを、研削装置20のチャックテーブル21に載置し、チャックテーブル21にウエーハWを保持する。そして、研削装置20のチャックテーブル21をウエーハWとともに軸心回りに回転させ、研削装置20の研削砥石22をチャックテーブル21と同方向に軸心回りに回転させながらウエーハWの裏面WRに接触させる。そして、Via電極検出工程において検出したVia電極Eの裏面WR側の端面Eaの深さHに基づいて、Via電極Eの端面Eaが露出しない程度に、研削砥石22を所定の送り速度で下方に所定量研削送りして、ウエーハWの裏面WRを研削砥石22により研削し、ウエーハWを薄化する。そして、ウエーハWの厚みを半分程除去して、面取り部Cを除去する。
【0019】
エッチング工程では、裏面研削工程により研削加工が施されたウエーハWの裏面WR側をプラズマエッチングなどのエッチングを行い、ウエーハWの裏面WRを溶解侵食、食刻する。そして、図7に示すように、Via電極Eの端面EaをウエーハWの裏面WRよりも突出させる。そして、絶縁膜被覆工程に進む。
【0020】
絶縁膜被覆工程では、図8に示すように、ウエーハWの裏面WRに、該裏面WR及びVia電極Eの端面Eaを被覆する絶縁膜Zを被覆する。なお、絶縁膜Zの厚みは、一様である。そして、仕上げ工程に進む。
【0021】
仕上げ工程では、図9に示すように、ウエーハWに樹脂Jを介して配設されたキャリアプレートPを、研削装置30のチャックテーブル31に載置し、チャックテーブル31にウエーハWを保持する。そして、研削装置30のチャックテーブル31をウエーハWとともに軸心回りに回転させ、研削装置30の研削砥石32をチャックテーブル31と同方向に軸心回りに回転させながらウエーハWの裏面WRを被覆した絶縁膜Zに接触させる。研削砥石32を所定の送り速度で下方に所定量研削送りして、Via電極Eの端面Ea上の絶縁膜Z、裏面WRから突出したVia電極Eを研削砥石32により研削して絶縁膜Zから露出させると共にVia電極Eの頭Ebを絶縁膜Zと同一面に仕上げる。なお、仕上げ工程に用いる研削装置30は、裏面研削工程で用いられる研削装置20と同一であっても良く、異なっていても良く、構成の一部が同一で残りが異なるものであっても良い。そして、バンプ配設工程に進む。
【0022】
バンプ配設工程では、図10に示すように、各Via電極Eの頭EbにバンプVを配設する。そして、移し替え工程に進む。移し替え工程では、ウエーハWをキャリアプレートP毎反転させ、ウエーハWの裏面WRに、外縁部に環状フレームFが貼着されたダイシングテープTを、バンプVを介して貼着する。そして、樹脂Jを硬化させるなどして、図11に示すように、ウエーハWの表面WSからキャリアプレートPを樹脂Jとともに取り外し、ウエーハWをキャリアプレートPからダイシングテープTに移し替える。その後、切削加工やレーザー加工等によりウエーハWを個々のデバイスDに分割する。
【0023】
また、本実施形態の加工方法は、洗浄工程が含まれる。洗浄工程は、裏面研削工程の後でかつエッチング工程の前に実行される。洗浄工程では、図6に示すように、洗浄装置40の複数の軸心回りに回転自在なエッジクランプ41間に、樹脂Jを介してキャリアプレートPが配設されたウエーハWを、ウエーハWが上側、キャリアプレートPが下側に位置するように挟み込む。すると、キャリアプレート配設工程において使用した樹脂Jのうちの面取りされたウエーハWの外周からはみ出している樹脂JA(樹脂の一部に相当)が、エッジクランプ41の軸心方向の中央の外周面に設けられた砥石42に当接する。こうして、洗浄工程では、複数(本実施形態では三つ)のエッジクランプ41間にウエーハWを挟みこんで、ウエーハWの外周を支持する。
【0024】
そして、複数のエッジクランプ41のうちの一つのエッジクランプ41をモータ43により軸心回りに回転させる。すると、一つのエッジクランプ41の回転によりウエーハWが回転し、残りエッジクランプ41もウエーハWの回転により連れ回りする。また、洗浄装置40のウエーハWの上方に配設された洗浄液噴射ノズル44から例えば純水などの洗浄液45をウエーハWの裏面WRに向けて噴出し、洗浄装置40のウエーハWの下方に配設された洗浄ローラ46を回転させながらキャリアプレートPの裏面Paに接触させる。すると、ウエーハWの回転による遠心力により、ウエーハWに向けて噴射された洗浄液45が、ウエーハW上を外周方向に流れて、ウエーハWの裏面WRなどに付着したコンタミとともにウエーハW上から流れ落ち、ウエーハWの裏面WRを洗浄する。
【0025】
また、洗浄装置40は、洗浄ローラ46に複数の洗浄水供給口(図示していない)を有しており、これらの洗浄水供給口から洗浄水が噴射され、洗浄ローラ46によりキャリアプレートPの裏面Paを洗浄する。さらに、モータ43により直接回転されずにウエーハWと連れ回りするエッジクランプ41とウエーハWの回転速度差により、砥石42が樹脂JAを研削し、このウエーハWの外周からはみ出した樹脂JAを削り取って、除去する。所定時間、洗浄装置40による洗浄を行なうと、エッチング工程に進む。なお、ウエーハWと連れ回りするエッジクランプ41とウエーハWの回転速度差を生じさせるために、モータ43により回転されずにウエーハWと連れ回りするエッジクランプ41の回転を抑制する回転抑制手段を設けても良い。
【0026】
以上のように、本実施形態に係る加工方法は、エッチング工程の前にウエーハWの外周からはみ出した樹脂JAを除去するため、エッチング工程においてウエーハWに貼着された樹脂Jが飛散することを抑制できる。
【0027】
また、ウエーハWを洗浄する洗浄工程において、ウエーハWの外周からはみ出した樹脂JAを除去するので、はみ出した樹脂JAを除去するために別途専用の工程を行なう必要が無く、生産性も低下することはない。さらに、洗浄装置40が洗浄工程において、ウエーハWの外周からはみ出した樹脂JAを除去するので、はみ出した樹脂JAを除去するために別途専用の樹脂除去装置を設ける必要が無く、コストの高騰を抑制できる。
【0028】
本実施形態に係る加工方法では、面取り部除去工程において面取りされたウエーハWの外周からはみ出した樹脂JAを除去しているが、ウエーハWとキャリアプレートPとが位置ずれしない範囲において樹脂JのうちのウエーハWの外周からはみ出すことなくウエーハWとキャリアプレートPとで挟まれた樹脂Jの外周部を除去しても良い。要するに、本発明では、洗浄工程において、少なくともウエーハWの外周からはみ出した樹脂JAを除去すれば良い。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0030】
3 切削ブレード
W ウエーハ(半導体基板)
WS 表面
WR 裏面
J,JA 樹脂
P キャリアプレート
Pa 裏面
D デバイス
S 分割予定ライン
E Via電極
Eb 頭
H 深さ
DR デバイス領域
GR 外周余剰領域
C 面取り部
T ダイシングテープ
V バンプ
Z 絶縁膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11